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研究ノート : サムソン物語雑考 (八代祥吉先生退任記念号)

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Academic year: 2021

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Kobe Shoin Women’s University Repository

Title 研究ノート:サムソン物語雑考

Socio-cultural Context of the Samson Narrative

Author(s) 勝村弘也 (Hiroya Katsumura)

Citation

キリスト教論藻(KIRISUTOKYO RONSO)Bulletin of the Institute for Research of Christian Culture,No.25: 35-57

Issue Date 1993

Resource Type Bulletin Paper / 紀要論文

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Right

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研 究 ノ ー ト

サ ム ソ ン 物 語 雑 考

1.は じ め に 1.1.サ ム ソ ン 物 語 の 研 究 史 に 関 し て は 、 か つ てLillianR.Kleinの 士 師 記 に 関 す る著 搾1を月 刊 誌 『聖 書 と教 会 』の 「海外 新 刊 ニ ュ ー ス 」(1989年8月 号)に お い て 紹 介 した際 に 、 簡 単 に 触 れ た こ とが あ る。 こ の 記 事 に 対 して は 若 干 の 読 者 か ちの 反 響 が あ っ た の で 、 サ ム ソ ン物 語全 体 に 関 して も っ と詳 細 な論 考 を発 表 す る義 務 を感 じて きた が 、 さ ま ざ まな事 情 か ら今 日 まで そ れ を 果 た す こ とが 出 来 な い で い る。 こ こで は、 きわ め て 不 十 分 で は あ るが サ ム ソ ン物 語 に 関 す る海 外 の研 究 の 現 状 を報 告 す る と と も に、 そ れ に若 干 の コ メ ン トを付 け て ノー トの 形 で 提 示 す る。 この 物 語 に 関 して は 、 共 時論 的 な考 察 を 主 軸 とす るKleinの 研 究 以 外 に、 非 常 に興 味 深 い歴 史 的研 究 が近 年 海 外 で 多数 発 表 さ れ て い る。しか し な が ら、 筆 者 の知 る限 りわ が 国 で は柴 山 栄 の 「士 師 記14、i5章 の 理 扉])以 来 、 旧約 の サ ム ソ ン 物 語 に 関す る本 格 的 な 論 文 は発 表 され て い な い 。 ま た 海 外 の研 究 の 現 状 を 的確 に紹 介 した 記 事 も見 当 ら な い 。 1,2.士 師 記13∼16章 に描 き出 さ れ て い るサ ム ソ ンの 姿 は 、 読 者 に独 特 の 奇 妙 な 印 象 を与 え る。 サ ム ソ ンは 、 こ こ で く士 師 〉の ひ と りに数 え られ て い る よ うで は あ るが(13・5b、15・20、16・31b)、 イス ラエ ル をペ リ シ テ 人 の 抑 圧 か ら解 放 した わ け で もな く、 何 らか の 軍 勢 を指 揮 した わ けで も な い。 彼 は ど こ まで も単 独 で 行 動 す る くテ ロ リス ト〉的 な 人 物 に 見 え る。 彼 の行 動 は 、 あ ま りに も 旧約 に 登 場 す る〈標 準 的 な〉指 導 者 の行 動 の仕 方 か ら離 れ す ぎて い くヨラ る た め に 、 き ま じめ な聖 書 の 読 者 は 当 惑 す るほ か な い。

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物 語 の 冒 頭 で ヤ ー ウ ェ の使 い が 現 わ れ て 、「彼 こ そ が ペ リシ テ 人 の 手 か らイ ス ラエ ル を 救 い 始 め る」(13・5)と 約 束 して い る の に もか か わ らず 、 成 人 し た サ ム ソ ン の 行 動 は この よ う な期 待 を お お き く裏 切 っ て い る よ うに も思 わ れ る 。 サ ム ソ ンは 、 素 手 で ラ イオ ン を 引 き裂 くほ ど の 怪 力 男 で は あ るが 、 つ ぎ つ ぎに 女 を変 え る〈女 た ら し〉で は な い の か 。 彼 は 敵 の ペ リシ テ 人 に対 して は 色 々 な く報 復 〉の 口実 を考 え 出 す なか な か 賢 い 男 で あ る の に 、 最 後 に は惚 れ た 女 の デ リラ 彼 女 は 賄 賂 を も らっ て い た!に だ ま され て破 滅 す る。 彼 は 天 性 の 能 力 の 使 い道 を誤 っ た男 に も見 え る。 最 強 の 男 が 、 女 の 泣 き落 と しや 巧 み な こ とば に は い た って 弱 い。 1.3,旧 約 に登 場 す る 人物 た ちの なか で 、 サ ム ソ ン は な か な かの 人 気 者 で あ る。 絵 画 の 題 材 に好 ん で用 い られ る とこ ろ な ど か ら見 て も、 サ ム ソ ン に は 一 貫 して 民 衆 的 人 気 が あ っ た と考 え て よ い だ ろ う。 しか し、聖 書 を教 化 的 な い し建 徳 的 な 目的 に使 お う とす る者 に は 、解 釈 の 困 難 な か な り厄 介 な物 語 で あ っ た と思 わ れ る 。 そ こで キ リス ト教 社 会 で は 伝 統 的 に、 サ ム ソ ン が デ リラ に 裏 切 られ る場 面 に 焦 点 を合 わせ て 、「サ ム ソ ンの よ うな 強 い 男 で も女 が も と で破 滅 す る」 とか 「だ か ら悪 い女 に は注 意 し ろ」 と言 っ た教 訓 を引 き出 す た め に こ の物 語 が 使 わ れ る こ とに な っ た。 マ ド リン ・ミル ナ ー ・カ ー の 論 文 「デ   ラ リラ 中世 か ら十 七 世 紀 に 至 る 図像 の 変 遷 」 は 、 こ の よ うな 事 情 を 明 らか に して い る。 しか しなが ら この よ うな 〈建 徳 的 〉解 釈 は 、 あ ま りに も男 性 中 心 的 で あ って 、 聖 書 の 読 者 に は 女 性 もい る こ とす ら忘 れ た 恣 意 的 な もの と言 え よ う。 ま た、 この 物 語 の伝 承 の 担 い手 で あ っ た 人 々や 、現 在 の 姿 に物 語 を整 え て記 述 した 人 々 の 主 要 な 意 図 が 、 そ の よ うな 教 訓 に あ った とは考 え られ な い。 筆 者 は女 子 大 学 とい う言 うまで も な く聴 衆 が す べ て 若 い女 性 の場 で 、 サ ム ソ ン物 語 を教 材 と して 用 い た経 験 が あ る。 そ の 際 に は も ち ろ ん、 後 述 す る よ うな歴 史 的 研 究 や 現 代 の フ ェ ミニ ス トの 解 釈 を含 む さ ま ざ ま な解 釈 を簡 単 に 提 示 した の で あ るが 、 主 人 公 の サ ム ソ ン に対 す る彼 女 た ちの 態 度 は 、 必 ず し も否 定 的 な もの で は な い 。 た しか に 「わ が ま まで 女 た ら し」 の サ ム ソ ン を敵 視 す る よ うな意 見 も あ る が 、サ ム ソ ン を芙 雄 と して 認 め る意 見 もか な りあ る。

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次 の よ うな 感 想 もあ る。 自分 の 周 囲 の ア ッ シー や メ ッ シー た ち と比 較 し て の こ とで あ るが 、 破 滅 型 の 強 い男 性 サ ム ソ ン は非 常 に魅 力 的 で あ り、 最 後 に は 自分 の本 分 を発 揮 して敵 を徹 底 的 に 打 倒 す る の で あ る か ら英 雄 に違 い な い 。 ま た 、悪 女 の 典 型 と され るデ リラ に 関 して も、 本 当 はサ ム ソ ン を愛 して い たの だ とす る何 か の スパ イ 小 説 に で もあ りそ うな 解 釈 をす る者 も い る。 こ れ ら は、 激 しい 紛 争 の 中 で 生 き た登 場 人 物 に対 す る彼 女 た ちの 共 感 の 表 明 で あ る と も考 え られ る。 2.サ ム ソ ン物 語 の 成 立 と構 成 の な ぞ 2.1.こ の 物 語 が 、以 下 の4つ の 部 分 か ら 構 成 さ れ て い る こ と は す ぐ に わ か く ラ る。 (1)サ ム ソ ン誕 生 の 由来 。 こ こ で は サ ム ソン が ナ ジ ル 人 で あ っ た こ とが 強 調 され て い る(13章)。 ② 成 人 した サ ム ソ ンが テ ム ナ の女 と結 婚 し よ う とす るが 、 失 敗 す る。 こ れ が も とでペ リシテ 人 とサ ム ソ ン の く報 復 合 戦 〉に な る(14∼15章)。 (3)サ ム ソ ンが ガ ザ の遊 女 を訪 れ るエ ピ ソ ー ド(16・1∼3)。 (4)デ リラ を愛 したサ ム ソ ン が 、 彼 女 に だ ま され てペ リシ テ 人 に捕 らえ ら れ るが 、 最 後 に 怪 力 を 回復 して 多 くの ペ リシ テ 人 を殺 し、 自分 も死 ぬ(16・ 4以 下)。 これ ら の4つ の 部 分 は 、ル ー ズ につ な が って い る だ けの よ うに も見 え るが 、 サ ム ソ ン の誕 生 か ら死 に い た る ま で の 生 涯 を 物 語 っ て お り、 筋 と して の 一 貫 性 は あ る。 2.2.と もか く、 物 語 の 各 部 分 の 断 片 的 性 格 は 否 定 で きな い 。 ま た 、 こ こ に 描 き出 され た 主 人 公 サ ム ソ ンの 人物 像 に も、わ れ わ れ は 分 裂 した 感 じ を抱 く。 物 語 を詳 細 に観 察 す れ ば す るほ ど、 この 物 語 の ほ こ ろ び の よ うな もの が は っ き り と見 え て くる。 そ れ に もか か わ らず こ の 物 語 を文 学 作 品 と して 劣 っ た も の と見 る こ とは 出 来 な い 。 逆 に文 学 と して の 魅 力 に あ ふ れ て い る 。 こ の 物 語 の 民 間伝 承 的 な性 格 に つ い て は 、 す で に古 い 時 代 か ら指 摘 され て

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くの きた。 現 在 の 聖 書 テ クス ト成 立 まで には 、 お お よ そ次 の よ うな過 程 が あ っ た もの と考 え られ る。 (1)ゾ ラ 出 身 の ダ ン部 族 に属 す る ひ と りの 英 雄 の 物 語 が 、 口 頭 で 伝 承 さ れ な が ら発 展 して い った 。 この 時 に、 東 地 中海 世 界 に流 布 し て い た さ ま ざ ま な 伝 承 材 料 が サ ム ソ ン物 語 にふ さわ しい姿 に変 形 さ れ て 取 り入 れ られ た 。 こ れ が 物 語 の 基 層 を 形 成 して い る。 ② こ の よ うな 基 層 とな る伝 承 を巧 み に加 工 して 、 士 師記 の 文 脈 に適 合 す る よ う に物 語 を ま とめ あ げ た の は、 お そ ら く<申 命 記 史 家〉と し て知 られ るバ ビ ロ ン捕 囚 時代 の ユ ダヤ 人 で あ っ た。 (1)の段 階 は 、当 然 か な りの長 期 に わ た っ た は ず で あ る。この 基 層 伝 承 に は 、 ダ ン部 族 の生 活領 域 で あ っ たべ テ シ メ シ周 辺 の地 域 で 起 っ た 紛 争 の 記 憶 が 残 され て い る。 こ れ は14章 以 降 で は っ き り と して い る。 イ ス ラエ ル 側 の 男 性 と ペ リシ テ側 の 女 性 が 結 婚 し よ う と した こ とに は 、 〈共 生 〉へ の 可 能 性 が 含 まれ て い た は ず で あ る。 しか し、 結 局 は 血 で 血 を洗 う よ うな 激 しい地 域 紛 争 に 発 展 して 行 っ た の で あ る。 主 人 公 サ ム ソ ンの 人 物 像 が 分 裂 して い る こ との ひ と つ の 原 因 は 、 物 語 の 伝 承 者 で あ っ た 民 衆 の 感 情 や 意 識 が分 裂 して い た た め で あ る と も説 明 され よ う。 ② の 記 述 編 集 の 過 程 が 、1回 だ けで あ っ た の か ど うか も疑 問 視 され て い る 。 お そ ら く<申 命 記 史 家 〉に よ る2回 の 編 集 が あ っ た の だ ろ う。 しか し、 こ の 点 に 関 して は本 研 究 ノー トで は、 ほ とん ど考 慮 され な い 。 士 師 記13章 と14章 以 降 の 間 に 認 め られ る一 種 の 裂 目が 、 この よ う な編 集 作 業 の 結 果 で あ っ た とす る意 見 に 関 して は後 述 す る。 2.3.最 近 の 数 多 くの 研 究論 文 が 示 して い る よ う に、この 物 語 成 立 の 背 景 に は 、 東 地 中 海 文 明 が あ る。 ペ リシテ 人 が い わ ゆ る く海 の 民 〉と関 係 し て い た こ と は確 か で あ る。 紀 元 前 二 千 年 紀 の 終 わ り頃 、 〈海 の 民 〉の 一 部 は パ レス チ ナ の 海 岸 地 方 に 定 住 し、都 市 国家 を建 設 しは じめ た 。 彼 らは 、先 住 民(士 師 記 1・34以 下 が ア モ リ人 に言 及 して い る こ と に 注意!)や パ レス チ ナ の 中 央 丘 陵 地 帯 を 中 心 に展 開 して い た イ ス ラエ ル 諸 部 族 と遭 遇 した が 、 ペ リシ テ 側 が くマき 文 化 的 政 治 的 に圧 倒 的 に優 位 に 立 っ た 。(皮 肉 な こ とに現 代 の パ レ ス チ ナ の

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状 況 とは あ る意 味 で 逆 で あ る)。サ ム ソ ン の属 して い た ダ ン部 族 は 、イ ス ラエ ル の 中 で 当 時 も っ と もペ リシ テ 人 の 近 くで生 活 して い た た め に2つ の 文 化 の 接 触 な い し衝 突 を も ろ に体 験 す る こ とに な っ た。 サ ム ソ ンが ペ リシ テ の 女 性 に 強 い 魅 力 を感 じた の は、 そ の 背 景 に あ っ た す ぐれ た文 明 の た め で あ っ た と も説 明 され よ う。 聖 書 の 中 の ダ ン部 族 に 関 す る伝 承 に は 、 あ い ま い な 点 が 多 い 。 最 初 、 彼 ら はべ テ シ メ シ付 近 、 つ ま りイ ェル サ レム の 西 方 、 地 中 海 との ち ょ う ど中 間 あ た りに定 住 して い たが 、 ペ リシ テ人 や 先 住 民 に圧 迫 され て 北 方 に 移 住 した の だ と〒 応 は考 え られ る(ヨ シュ ア 記19・40∼49、 士 師 記18章)。 しか し、 彼 ら は ヨ シ ュ ア記19章 の 語 っ て い る地 域 に 、 は た して 〈定 住 〉した と言 え るで あ ろ くおラ う か 。 彼 ら は 農 業 に 従 事 し た の だ ろ う か 。 ゾ ラ と エ シ タ オ ル に 住 ん で い た こ と は 確 か で あ る(士 師 記13・25、16・31、18・11参 照)。 た だ し 、 成 人 男 子 は 600人 ぐ ら い し か い な か っ た よ うで あ る(18・11)。 彼 ら は 、 半 遊 牧 民 だ っ た の だ ろ う か 。 デ ボ ラ の 歌 で は 船 乗 り で あ っ た よ う に 描 か れ て い る(士 師 記5・ 17の 新 共 同 訳 を参 煎 鉱 彼 らが ほ とん ど土 地 を 所 有 して 農 民 と な る こ とが 出 来 ず に、 ペ リシ テ人 や フ ェニ キ ア 人 に雇 わ れ て 船 乗 りや 港 の 労 働 者 に な っ た ロ の と考 え る こ とは 出 来 な い で あ ろ うか 。 ダ ン の部 族 の 多 くの 男 た ち が、 海 に 関 係 す る 〈底 辺 の 労 働 者 〉で あ っ た と考 え る な らば 、 非 常 に 多 くの こ とが 説 明 さ れ る よ うに わ た しに は 思 わ れ る。 本 研 究 に お いて は、 こ の こ とが 十 分 に論 証 され た とは 言 え な い が 、作 業 仮 説 と して 立 て て お きた い 。 こ こ で は 、物 語 の基 層 を形 成 して い る伝 承 が 使 っ た さ ま ざ ま な 民 間 伝 承 的 モ チ ー フ を調 査 して、 物 語 の 成 立 過 程 に光 を 当 て る と と もに、 物 語 の 筋 の進 行 に見 られ る く論 理 〉を解 明 し よ う と試 み た 。 聖 書 の 編 集 者 の 意 図 に 関 す る議 論 につ い て も若 干 触 れ て お い た が 、 今 回 は この 点 に 関 して は十 分 に検 討 す る こ とが 出 来 な か っ た。 3.聖 書 全 体 に お け るサ ム ソ ン 物 語 の 位 置 3.1.聖 書 の 中 で サ ム ソ ンに 関 す る伝 承 は 、色 々 な意 味 で孤 立 して い る よ

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うに見 え る。 ま ず士 師 記 全 体 の 中 で この 物 語 は 、 〈付 録 〉と も見 られ う るの で あ る。 最 初 の 申命 記 的 歴 史 書 に は 、 サ ム ソ ン物 語 は含 まれ て い な か っ た の で は な い か 。 そ うだ とす る と、 士 師 記13章1節 か らサ ム エ ル記 上1章1節 に っ な が っ て い た こ とに な る。 そ の後 の 聖 書 の編 集 者 が、 士 師記13章2節 以 降 を く け 挿 入 し た と言 うの で あ る。 そ うで あ る と して も、 サ ム ソ ン物 語 の編 集 者 がや は り〈申命 記 史 家 〉で あ る可 能 性 は 否 定 で きな い。 こ の よ うに 考 え る と、 時代 の 異 な る2種 類 の 〈申命 記 史 家 〉が 存在 し た こ と に な る。 く  ラ Geseの 議 論 は 、だ い た い 以 下 の よ うで あ る。 士 師 記 は 、大 士 師 た ち を だ い た い年 代 順 に並 べ て 記 述 し よ う と試 み て い る。 現 在 の 聖 書 の 位 置 関 係 で は 、 サ ム ソ ン はエ フ タ とサ ムエ ル の 間 に 置 か れ て い る。 これ か らす る とサ ム ソン の物 語 は、 紀 元 前11世 紀 中 頃 以 後 のペ リシ テ の勢 力 が 非 常 に強 か っ た 時代 に 起 っ た 出来 事 を描 い て い る よ うな 印 象 を読 者 に 与 え る。 しか し この 頃 に は ダ ン部 族 はす で に 北 方 に移 住 して い た は ず で あ る。(Geseは 、 デ ボ ラの 歌 が す で に 北 方 に い るダ ン部 族 を前 提 に して い る とい うが 、 こ れ は先 に 述 べ た よ う に 問題 が あ る〉。サ ム ソ ン物 語 で は ダ ン部 族 は まだ ベ テ シ メ シ付 近 に住 ん で お り、 紀 元 前12世 紀 中 頃 よ りも以 前 の 状 況 を反 映 して い る 。 ど う して こ の よ う な 時 間 的 な逆 転 が 起 っ た の か とい う と、 サ ム ソ ン物 語 が 、 士 師 記 の 〈付 録 〉の 一 部 と して挿 入 され た か らで あ る。 士 師 記12章 の エ フ タ の 物 語 と3人 の小 士 師 た ちの 記 録 で 、 サ ム エ ル 以 前 の士 師 た ち の物 語 は い っ た ん 閉 じ られ た の で あ る。しか し、ペ リシ テ との 闘 争 が 激 化 した サ ム エ ル 時 代 を導 入 す る意 味 で 、 同様 にペ リ シテ と闘 っ た サ ム ソ ン の 物 語 が 、 後 か ら挿 入 さ れ た 。 さ らに これ に ダ ン部 族 の 北 方 へ の移 動 の エ ピ ソー ド(17∼18章)な ど が加 え られ て 、 現 在 の 士 師記 が 完 成 した の で あ る 。 この よ うな 推 定 に 関 して は 、全 面 的 に再 検 討 す る 必 要 が あ る よ うに 思 われ る。 後 日の課 題 と した い。 3.2.旧 約 に は、 士 師 記13∼16章 以 外 にサ ム ソ ンの 名 が 言 及 さ れ て い る箇 所 は な い 。 サ ム エ ル 記 上12章 の サ ムエ ル の 演 説 の 中 には 、 士 師 時代 を回 顧 す る場 面 が あ るが 、 マ ソ ラ ・テ クス トは 、士 師 の名 前 と して 「エ ル バ ア ル 、 ベ ダ ン、 イ フ タ、 サ ム エ ル」(11節 、新 共 同訳 参 照)を 挙 げ て い る。 こ こ にベ ダ

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ン と言 う な ぞの 人 物 が登 場 す るの で あ るが 、 七 十 人 訳 はバ ラ ク と読 ん で い る (協会 訳 を参 照)。マ ソラ のべ ダ ン が何 を意 味 す るの か は判 然 と しな い が 、「ダ ン の ひ と」 あ る い はべ ン ・ダ ン=「 ダ ンの 息 子 」 の 誤 記 で あ る と も考 え られ る。も し もそ うだ とす る とサ ム ソ ン と解 釈 して もさ しつ か え な い こ と に な る 。 タ ル グ ム は 、 ベ ン ・ダ ン説 に基 づ い て サ ム ソ ン と解 釈 す る。 しか し 、近 代 の ほ とん どの 釈 義 家 は 、バ ラ ク を採 用 して い る 。 新 約 で は 、 一 度 だ けヘ ブ ル 人 へ の 手 紙11章32節 に サ ム ソ ンの 名 が 挙 げ られ て い る。 しか し伝 承 史 的 に 興 味 深 い の は ル カ に よ る福 音 書1章15節 で あ る(3,4.参 照)。 マ タ イ に よ る福 音 書2章23節 に は、 士 師 記13章5節 の 「ナ ジ ル 人 」 の影 響 が み られ る 。 3.3.サ ム ソ ン物 語 が そ の 誕 生 の次 第 を物 語 る 〈前 史 〉を もっ て い る と と も に 、最 期 の 死 の場 面 を も もっ て い る こ とは 特 に 注 目 され る。 この よ う な意 味 で サ ム ソ ン物 語 は 、 聖 書 全 体 の 中 で独 特 の 位 置 を 占め て い る。 〈誕 生 前 史 〉か ら死 に い た る一 生 涯 の 伝 承 を残 し て い る人 物 と して は、他 に 旧約 か らイ サ ク、 ヤ コブ 、 モー セ 、 サ ム エ ル 、 ソ ロ モ ンが 、 新 約 か らバ プ テ ス マ の ヨハ ネ と イ エ ス が 挙 げ られ る。 これ らの 人 物 が 聖 書全 体 の 中 で 重 要 な 意 味 を も っ て い る ロ ヨラ こ と に 説 明 は 要 し な い で あ ろ う。 な お 、 女 性 は ひ と り も い な い 。 〈誕 生 前 史 〉に 関 連 し て 、 サ ム ソ ン の 母 が 不 妊 で あ っ た と さ れ る 点 も 、 他 の 偉 大 な 人 物 た ち の 誕 生 の 物 語 と共 通 し て い る 。 旧 約 の サ ラ 、 ラ ケ ル 、 ハ ン ナ 、 新 約 の エ リサ ベ ツ が 不 妊 で あ っ た と さ れ て い る 。 た だ し 、 サ ム ソ ン の 母 の 名 前 は 知 ら れ て い な い 。 た だ 「マ ノ ア の 妻 」 と さ れ て い る だ け で あ る 。 3.4.マ ノ ア の 妻 に ヤ ー ウ ェ の 使 い が 現 わ れ て 、 〈受 胎 告 知 〉を 行 な う の も 著 し い 特 徴 で あ る(13章3節 以 下)。 こ の よ う な 受 胎 告 知 の 場 面 で は 、 定 型 的 表 現 が 用 い ら れ る の が 普 通 で あ る 。 創 世 記16章11∼12節 を ル カ の よ る 福 音 書 1章31∼32節 と比 較 す る と次 の よ う な 構 成 要 素 が 取 り出 せ る 。(他 に イ ザ ヤ 書 7・14∼17、 創 世 記17・19、 列 王 紀 上13・2、 歴 代 志 上22・9∼10、 マ タ イ く の に よ る福 音書1・21を も参 照)。 (1)「見 よ」 に導 入 さ れ て 、 妊 娠 し た こ とお よ び 息 子 の 誕 生 が 告 知 さ れ る。 ② 息 子 の 名 前 が告 げ られ 、 命 名 の 理 由 が 説 明 さ れ る 。 (3)息 子 の 将 来 に 関 す る告 知 。

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士 師 記13章3節 以 下 もほ ぼ こ の よ うな定 型 に 従 っ て い る が 、(1)と(3)の要 素 が あ るの に② の 息 子 の 名 前 に 関 す る メ ッセ ー ジが な い 。 そ の 代 わ りに 息 子 が ナ ジル 人 で あ る こ と、 お よ び母 親 が 妊 娠 中 に 守 らな けれ ば な ら な い 食 物 規 定 が告 げ られ るの で あ る。 ル カ に よ る福 音書1章13節 以 下 のバ プ テ ス マ の ヨハ ネ の 誕 生 に まつ わ る告 知 は 、 これ と非 常 に 似 て い る。 ザ カ リヤ の妻 エ リサ ベ ツ が不 妊 で あ っ た こ と も類 似 して い る 。 4.サ ム ソ ン物 語 の 神 話 的 背 景 4.1.サ ム ソ ン(シ ム シ ョー ン:首im酌n)が 、 太 陽=シ ェ メ シ ュ と関 連 す る こ と は 古 くか ら 指 摘 さ れ て い た 。Gunkelは 、 メ ソ ポ タ ミ ア の 太 陽 神 シ ャ マ シ ュ が 人 名 サ ム ソ ン に は 隠 さ れ て い る と考 え た が 、 こ の 他 に も サ ム ソ ン 物 語 の 昔 話 的 モ チ ー フ に は 、 紀 元 前 三 千 年 紀 の メ ソ ポ タ ミア の 神 話 と の 関 連 が 指 く  らラ 摘 さ れ る も の が あ る と し た 。 J,Grayは サ ム ソ ン の 出 身 地 の ゾ ラ(ツ ォ ル ア ー)が 、 「太 陽 の 家 」を 意 味 す る ベ テ シ メ シ(ベ ト ・シ ェ メ シ ュ)か ら5キ ロ 弱 し か 離 れ て い な い こ と に 注 目 こユ  ラ す る 。 そ の 他 、 テ ム ナ(テ ィ ム ナ)、 エ シ タ オ ル 、 ラ マ ト ・レ ヒ(あ ご 骨 の 丘)、 ソ レ ク の 谷 な ど 物 語 の 舞 台 と な っ て い る 場 所 は 、 た い て い ベ テ シ メ シ の 近 く に 位 置 し て い る 。 ベ テ シ メ シ の 太 陽 を 祭 っ て い た 神 殿 の 祭 儀 伝 承 が 、 物 語 の 成 立 に 関 係 して い た こ と も考 え ら れ る 。 4.2.Grayは さ ら に 、 サ ム ソ ン 物 語 と ギIJシ ャ の ヘ ラ ク レ ス 神 話 と の 関 くユ わ 連 を も指 摘 す る。 た しか に 、 二 人 の 英 雄 は と もに好 色 で あ り、 しば しば 狂 暴 に な る。 〈素 手 で ラ イ オ ン を殺 す 〉〈女 に だ ま され る〉等 の モ チ ー フ に は共 通 性 が あ る。 また 、 サ ム ソ ン とヘ ラ ク レ ス が と もに く暗 黒 の世 界 に下 る〉こ と(前 者 は盲 目に な り、後 者 は 陰 府 に下 る)、サ ム ソ ン は牢 屋 の 中で 苦 役 に 服 した が 、 ヘ ラ ク レス も彼 よ り も弱 い は ず の エ ウ リュ ス テ ウ ス に隷 属 した こ と等 の 並 行 を指 摘 す る こ と も出 来 る。 た だ し、 この よ うな 類 似 に 基づ い て サ ム ソ ン物 語 が ヘ ラ ク レ ス神 話 か ら直 接 的 な影 響 を受 け た と結 論 す る こ とは 出来 な い 。 わ れ わ れ に 伝 え られ て い るヘ ラ ク レス の 神 話 的 生 涯 は、あ ま りに も 多様 で あ る。

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そ の上 この 英 雄 に 関 す る ギ リシ ャ の 文 献 は、 旧約 よ りも古 い と は言 え な いの で あ る。 しか し、ヘ ラ ク レ ス神 話 が その 基 本 的 形 態 に お い て は 、 す で に ミュ ケ ー ネ 時 代 に確 立 して い た と見 られ る こ とに は、 十 分 注 意 して お く必 要 が あ る 。 4.3.メ ソポ タ ミア の 「ギ ル ガ メ シ ュ叙 事 詩 」 が 、 地 中海 世 界 の ヘ ラ ク レ ス神 話 と旧約 の サ ム ソ ン物 語 に 及 ぼ した影 響 に 関 して も論 じ ら れ て い る。 野 獣 の よ うなエ ン キ ドゥー が遊 女 に よ っ で 壊 柔 さ れ る場 面 は 、 デ リラ に よ るサ ム ソ ンの 懐 柔 と類 似 して い る。 しか しな が ら こ の よ うな 比較 は、 今 後 の 神 話 学 の領 域 に お け る厳 密 な研 究 に期 待 しな けれ ば な ら な い 。 わ が 国 に は 、 す で く  の に カ ー ク のす ぐれ た 著 作 が 紹 介 さ れ て い る。 4.4.人 名 サ ム ソ ン に 関 す る言 語 学 的 な説 明 は 、 柴 山論 文 の160頁 以 下 を 参 照 せ よ。 こ れ に よ る と、 シ ム シ ョー ン は 、 ウ ガ リ ッ トで 誉爵+ynと して 見 られ る人 名 に相 当 す る。「エ ー ゲ 海 か ら カナ ン に 亘 る 間 の 北 西 セ ム 語 か ら来 た 人 名 の 形 」 で は な いか と言 う。 人 名 デ リ ラの 意 味 につ い て は 、 解 釈 が 一 定 し な い。 ふ つ う語 根 と し て は 、 dllが 考 え られ て い る が 、 そ の 意 味 は 「だ ら け る」 「な まめ か しい 」 「垂 れ 下 る」 等 で あ る とさ れ る。 こ こ か ら 「浮 気 女 」 「愛 人 」 「巻 毛 の 垂 れ 下 る女 」 くユ ヨラ 「聖 娼 」 等 の 意 味 が 想 定 され て い る。Grayは 、 デ リラ は も と も と豊 饒 の 女 く  の 神 に 仕 え た カナ ン人 で あ って ペ リシ テ人 に 雇 わ れ た の だ と考 えて い る。 そ う で あ る とす れ ば 、 サ ム ソ ン とデ リラの 物 語 は き わ め て 悲 しい 男 女 の 愛 の物 語 で あ る こ と に な る。Kleinは 、 デ リラは 〈夜 〉を意 味 す る ラ イ ラー を連 想 させ る こ とに注 目す る。 太 陽 を象 徴 す るサ ム ソ ン は 、夜 の 女 デ リラ に よ っ て視 力 を失 い、 ペ リシ テ人 に隷 属 す る こ とに な るの だ と言`210) 5,ナ ジ ル 人 に関 す る規 定 と サ ム ソ ン物 語 5.1.サ ム ソ ン が 民 数 記6章 の 規 定 す る ナ ジ ル 人 に は 当 ら な い こ と は 、 多 く  ラ くの 研 究 者 に よ っ て指 摘 さ れ て き た。 民 数 記6章 に よ れ ば 、 ナ ジ ル 人 とは 、 男 で あ れ女 で あ れヤ ー ウ ェ に 誓 願 を た て 、 一 定 期 間 聖 別 され る こ とに よ って

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そ の よ うに くな る〉もの で あ る。 ナ ジル 人 は 、 ぶ ど うか ら製 造 さ れ る もの は一 切 口 に して は な らな い 。 ま た、 髪 の 毛 をの ば して お か な けれ ば な ら な い が 、 聖 別 の 期 間 が 過 ぎれ ば髪 の 毛 を切 っ て 神 に捧 げ る こ とに な っ て い る。 ナ ジル 人 は、 死 体 に近 づ い て は な ら な い。 万 が 一 、 身 を汚 した 時 に は 、最 初 の 誓 願 は 無 効 とな り、 清 め の儀 式 を して か ら も う一 度 、 誓 願 期 間 を設 定 す る。 この よ うな 規 定 に照 ら して サ ム ソ ン を見 れ ば 、 彼 の 異 常 さが 浮 か び 上 が っ て こ ざ る を えな い。 5,2.士 師 記14章 に お い て ナ ジ ル 人 で あ る は ず の サ ム ソ ン は、 ライ オ ンの 死体 に触 れ るの み か 、 そ こ に生 じた 蜂 の 蜜 を と って 食 べ て い る。 彼 は 、 この く    蜂 蜜 を父 母 に も与 えて い る。 しか も、何 ら清 め の 儀 式 を行 な っ て い な い。 ま た 、 サ ム ソ ン は テ ム ナ の 女 との 結 婚 式 に際 して 、 宴 会 を開 い て い る。 テ クス トに は 明 記 さ れ て い な い が 、 彼 が そ こ で ぶ ど う酒 を飲 ん だ と考 え るの が 自然 で あ る。 な ぞ の 内容 か ら推 定 す る とこ れ は ど ん ち ゃ ん騒 ぎな の で あ る。 5.3.士 師 記13章 の ヤ ー ウ ェの 使 い の こ とば に よれ ば 、 サ ム ソ ン は 誓 願 に よ っ て ナ ジル 人 とな るの で は な く、 生 涯 の 最 初 か ら死 ぬ 日 まで聖 別 さ れ た ナ ジ ル 人 で あ る。 しか も、 ぶ ど う酒 や 不 浄 と され る食 物 を採 る な と の禁 止 命 令 は 、 生 まれ て くる 息 子 に で は な く、 妊 娠 中 の 母 親 に 向 け られ て い る。 これ は ど う考 えて も、 普 通 の ナ ジ ル 人 の 規 定 か ら は外 れ て い る。 6.サ ム ソ ン誕 生 の 前 史 の 著 作 意 図 6.1.J.Keglerは 、 士 師 記13章 を 詳 細 に 分 析 し て 、 こ こ に 申 命 記 史 家 の くユ の 著 作 図 を読 み と ろ う と し た。 す で に見 た よ う に、 サ ム ソ ン誕 生 の 経 緯 は 極 め て 異 常 なの で あ るが 、 こ れ は 申命 記 史家 が サ ム ソン を通 常 の 規 格 に は 当 て は ま ら な い全 く特 異 な(auBergewohlich)人 物 と して描 こ う と して い るか ら に 他 な ら な い。 生 まれ て くる息 子 に で は な く母 親 の 方 に 厳格 な食 物 規 定 が 命 じ られ る等 の 〈特 異 な もの の モ チ ー フ 〉が く り返 し出 て くる の は こ の た め で あ る。 サ ム ソ ン は 、 ふ つ うの 士 師 で もナ ジ ル 人 で もな い の だ 。 しか し、 ま さに こ の 男 か らイ ス ラ エ ル の解 放 は 〈開 始 〉され た(13・5)と 申命 記 史 家 は 主 張 し

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て い るの で あ る。 サ ム ソ ン に よ って ペ リシ テ 人 に対 す る闘 争 は始 ま っ た 。 ペ リシ テか らの 救 出 な い し解 放 は ダ ビデ に よ っ て 完 成 す るが 、 サ ム ソ ン は この サ ウル か らダ ビデ へ と続 く展 開 の 先 駆 者 と見 られ て い る こ とに な る。 な お 、 申命 記 史 家 は 、13章 を執 筆 す る に 際 し て、6章11節 以 下 の ギ デ オ ン に 関 す る 物 語 を利 用 した こ とがKeglerに よ っ て論 証 さ れ て い る 。 6.2.Kleinは 、士 師 記13章 の受 胎 告 知 を創 世 記21章 の サ ラの 妊 娠 の 場 面 く の 等 と比 較 す る こ とに よ って 、 こ こに 父 祖 物 語 へ の あ て こす り を見 た。13章6 節 のマ ノア の 妻 に告 げ た こ とば 「神 の 人(=男)が わ た しの 所 に 入 っ て来 ま し た」は、 か な り際 ど い表 現 で あ る(6.3.参 照)。 不 妊 の 妻 が 、妊 娠 した こ と を夫 に報 告 す る文 脈 に 出 て くる か らで あ る 。 マ ノ ア が 妻 の 話 を信 じな い の も も っ と もで あ る。 マ ノア とその 妻 を比 較 す る と、 明 らか に妻 が夫 を リー ドす る形 で 物 語 の 筋 が 進 行 して い る こ とが わ か る。 夫 に は マ ノ ア とい う名 前 が伝 え られ て い るが 、 妻 の 方 は 無 名 で あ る(13・2)。 サ ム ソ ン物 語 全 体 の 中 で 名 が 知 られ て い るの は、 マ ノア 、 サ ム ソ ン、 デ リラ の3人 だ け で あ るか らマ ノ ア は重 要 な役 割 を担 っ て い て も よ さ そ うで あ る。 しか し、 実 際 に は マ ノ ア に は 〈男 ら し い〉貫 禄 が な く、 妻 につ い て 行 く。 ヤ ー ウ ェの 使 い と最 初 に 出会 っ た の は妻 の 方 で あ っ た が 、 これ に対 し てマ ノア は ヤ ー ウ ェ に 「も う一 度 、 わ た し た ち の と こ ろ に来 て下 さ い」 と祈 る。 しか し、 皮 肉 な こ とに2度 目 も御 使 い は 妻 の 方 に現 わ れ る。こ の よ うに ヤ ー ウ ェ の わ ざ に 主 と して 係 わ るの は、 一 貫 して妻 の 方 なの で あ る一 連 の 事 件 に 対 して マ ノ ア は感 情 的 に対 応 す る。 名 の な い妻 の方 が 一 貫 して 冷 静 に事 態 に対 処 して お り、 論 理 的 に思 考 す る の で あ る。22--23節 の 夫 と妻 の 問 答 を観 察 す る と、 こ の こ とは は っ き りす る 。 マ ノア が 死 ぬ の で は な い か と恐 れ るの に対 して 、 妻 は事 態 を論 理 的 に 解 釈 し て恐 れ る必 要 の な い こ と を夫 に説 得 す る。Kleinは 、 マ ノア と彼 の妻 の 行 動 が家 父 長 的 な社 会 の 規 範 か ら逸 脱 して お り、 こ こ に物 語 の 語 り手 の 意 図 が読 み取 れ る とす る。 6.3.Margalithは 、 士 師 記13章6節 のbw"1「 … … の 所 に入 る」 は慣 用 句 的 表 現 で あ っ て 、創 世 記16章4節 、19章31節 以 下 、29章23節 、30節 以 下 、 30章3節 、38章2節 以 下 、8節 以 下 、15∼18節 等 に も同 じ表 現 が 出現 す る こ

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く  の とを指 摘 す る。 サ ム ソ ン物 語 で は16章1節 に も この 表 現 が 見 出 され る。 7.サ ム ソ ン の な ぞ 7.1.士 師 記14章 で サ ム ソ ン が婚 宴 の 席 で 出 した な ぞ に関 して は、 宗教 史 く フ ン 学 派 以 来 、 特 に 多数 の研 究 が発 表 され て い る 。 その な ぞ は 次 の よ うな もの で あ っ た 。 食 ら う もの か ら、 食 い もの が 出 、 強 い もの か ら、 甘 い もの が 出 た(14章14節)。 な ぞ が 儀 礼 的 な場 で 提 出 さ れ る こ とが あ る こ とは 、 よ く知 られ て い る。 旧 約 に は シ ェバ ー の女 王 が ソ ロ モ ン王 に な ぞ を出 した とい う伝 承 が あ るが 、 こ れ もお そ ら く外 交 の場 で〈儀 礼 的 な知 恵 比べ 〉が行 な われ た もの と解 釈 さ れ る。 サ ム ソン の な ぞ もこ の よ うな儀 礼 的 な性 格 の も の で あ っ た と考 え られ る(10. 3∼4.参 照)。宴 席 に い たペ リシ テ 人 た ちは こ れ に 正 し く答 え な け れ ば サ ム ソン に 負 け た こ とに な る の だ が 、 常 識 的 に 考 え て そ の 答 え と言 うの は 次 の よ うな もの で あ っ た だ ろ う。 宴 もた け な わ の 席 で 酔 っ た男 た ち が 考 え た 答 え で あ る。(そ の1)「 嘔 吐 」:食 いす ぎ飲 み す ぎで あ る か ら、酒 に 強 い もの で も嘔 吐 す る こ とが あ ろ う。(その2)「 花 婿 か ら出 る こ とに な るsperm」:な ぞ が比 く の 喩 的 に 解 釈 さ れ た こ と に な る 。 こ れ 以 上 の 説 明 は 要 し な い で あ ろ う 。 し か し な が ら 、 サ ム ソ ン の 答 え は 「ラ イ オ ン と 蜂 蜜 」 な の で あ っ た 。 こ れ に は 答 え ら れ そ う も な い 。 7.2.Gunkelは 、18節 の 答 え も 本 来 、 別 の 独 立 し た な ぞ で あ っ た と 考 え た 。 新 共 同 訳 は 、 こ の よ う な 見 解 を 採 用 し た の で あ ろ う。 蜂 蜜 よ り甘 い も の は 何 か ラ イ オ ン よ り 強 い も の は 何 か 。 こ れ を な ぞ だ と考 え る と 、 そ の 答 え は お そ ら く二 つ あ る の で は な くて 、 一 つ で あ る 。 こ れ もエ ロ テ ィ ッ ク な も の と 関 係 し て い る ら し い 。雅 歌2章3節 、 8章6節 か ら判 断 す る と答 え は 、 男 女 の 「性 愛 」 で あ る(4・16∼5・1を も参 照)。 な お 、 物 語 の 中 で 難 問 が 提 出 さ れ る と い う の は 、 よ く あ る モ チ ー フ

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で あ る が 、 こ の よ う な な ぞ はHalsratsel(首 の か か っ た な ぞ)と よ ば れ て い く  ラ る 。 8.ラ イ オ ン の 死 体 に発 生 した 蜜 蜂 8.1.サ ム ソ ンの 用 意 した答 えが 客 人 に容 易 に答 え ら れ る よ うな もの で な い こ とはす ぐに分 か る。 しか し、 ま っ た く想 像 を絶 す る答 え で あ っ た の か ど うか は 、 検 討 を要 す る問 題 で あ る。 地 中 海 文 化 圏 に お い て は 、 養 蜂 の 神 ア リ ス タ イ オ ス が 牛 の 死 体 か ら蜜 蜂 を発 生 させ た話 が よ く知 られ て い た と思 われ る。 な お、 ア リス タ イ オ ス は ア ポ ロ ン とニ ン フ の キ ュ レ ネ ー との 間 に 生 ま れ くヨの た 息 子 で あ る 。 ウ ェ ル ギ リ ウ ス は 以 下 の よ う に 歌 っ て い る 。 まず 最 初 に 、 一 定 の 場 所 を選 ぶ 。 この 目的 に ぴ っ た り合 っ た 狭 い場 所 を。 それ か ら、 そ の 場 所 を低 い瓦 葺 きの 屋 根 で 覆 い、 壁 で 狭 苦 し く囲 み 、 そ の 壁 に は 、 四 方 か ら風 が 入 り、 光 が 斜 め に 射 す よ うな 窓 を あ け る 。 つ ぎ に 、額 の 角 が よ うや く曲が りは じめ た 二 歳 の 牛 を探 す 。 そ れ か ら、 牛 が 激 し くあが くの を抑 えつ け 、 二 つ の 鼻 孔 と口 を塞 いで 呼 吸 を止 め 、 な ぐり殺 して 、 そ の 肉 と骨 と を、 皮 は 傷 つ け ず に ど ろ ど ろ に な る ま でま島き砕 く。 この よ うに した牛 を小 屋 に横 た え、 そ の体 の 下 に 、 細 か く砕 い た 木 の枝 と、 欝 香草(タ イ ム)と 新 鮮 な 肉 桂(カ シア)を 敷 く これ は 、 西 風 が 水 の面 を動 か しは じめ る こ ろ 、 牧 場 が まだ 新 しい色 彩 に輝 か ぬ 前 、 か しま しい 燕 が 梁 に 巣 をか け ぬ 前 に行 な う。 か か る う ち に、 軟 らか くな っ た 骨 の 中 で 液 体 が 温 ま り、 発 酵 し、 不 思 議 や 、 あ ま た の 虫 が 現 わ れ る。 最 初 は 脚 も羽 もな い が 、 や が て 羽 音 を た て て 群 が り、 次 第 に上 空 へ 舞 い上 が り、 つ い に は 、

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夏 の 雲 か ら降 り注 ぐ夕 立 の ご と く、 あ るい は ま た、 身軽 な パ ル チ ィア の 弓兵 が 戦 さ を始 め る と き、 そ の 弓 絃 か ら放 た れ る矢 の ご と くに、 彼 らは どっ と外 へ 飛 び 出 る 。 くヨ け な お ヘ ロ ド トス は 、 オ ネ シ ロス の 首 か ら蜜 蜂 が 発 生 した話 を伝 え て い る。 と もか くペ リシ テ 人 が 、 死 体 か ら蜜 蜂 が 発 生 す る と い うモ チ ー フ を知 って い た こ とは 十 分 考 え られ る の で あ る。 9.き つ ね/ジ ャ ッ カ ル に 松 明 を 結 び つ け る 9.1。 士 師記15章4節 以下 に、サ ム ソ ン は シ ュー ア ー ル300匹 を捕 ら え て 来 て 、2匹 の尾 と尾 の 間 に松 明 を結 び つ け火 を つ け て放 っ た とあ る 。 まず 、 ヘ ブ ラ イ語 の シュ ー ア ー ルSA`alが 、 きつ ね(協 会 訳 が 採 用 。Vulpes属)を さす の か 、 ジ ャ ッカ ル(新 共 同 訳 が 採 用 。Canis属 つ ま り犬 の仲 間)を さす の か が 問題 に な る。 きつ ね と ジャ ッ カ ル の外 見 は 、 非 常 に よ く似 て い るが 生 態 は 異 な って い る。 きつ ね は独 居 性 で あ るが つ ま り〈孤 立 〉して 生 きる 、 ジ ャ ッ カ ル の 方 は 群 れ をな して 生 活 す る。サ ム ソ ン は こ の獣 を300匹 も捕 ら え た の で あ る か ら、 この 点 か らす れ ば ジ ャ ッカ ル 説 を採 用 し た方 が よ さ そ うで あ る。 しか しな が ら両 者 は 、 古 代 の 文 献 で は しば しば 混 同 さ れ て 用 い られ て い る。 サ ム ソ ンの 所 業 が 史 実 だ と い うの で あ れ ば 、 両 者 を 厳 密 に 区 別 す る こ と に も意 味 が あ る だ ろ うが 、 こ こ に は 民 話 的 な モ チ ー フ が 用 い られ て い るの だ とす る と、 そ う して も あ ま り意 味 は な い 。 9.2.シ ュー ア ー ル の 関 連 語 に つ い て は 、Margalithが 詳 細 に 調 べ て い  ヨ の る 。 ア ラ ビ ア 語 の 語 根 削 か ら 派 生 し た 語 の 意 味 に は 、 「火 をつ け る 」 「燃 え る 」 「炎 」 「松 明 」 な ど が あ る 。 他 方 、t`1やt`lbは 、 「き つ ね 」 や 「ジ ャ ッ カ ル 」 を 意 味 す る 。 興 味 深 い の は 、 ダ ン 部 族 の 領 地 に 、 シ ャ ア レ ビ ー ム (vsa`alebim:ヨ シ ュ ア 記19・42、 士 師 記1・35、 列 王 紀 上4・9を 参 照)と い う 地 名 が 見 当 る こ と で あ る 。 こ の 地 名 の 意 味 は 「き つ ね の 棲 息 地 」 で あ る 。 こ の あ た りは 、 ア モ リ、 ペ リ シ テ 、 イ ス ラ エ ル の 間 で 争 奪 戦 の 行 な わ れ た 所

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で あ っ た(サ ム エ ル 記 上7・14等 参 照)。 き つ ね は 、 炎 の 形 を し た 赤 い 尾 を も っ て い る 所 か ら 、 〈き つ ね 〉 と く松 明 〉 の 連 想 が 生 ま れ る 。Margalithは 、 ギ リ シ ャ の 俗 語 に λ々μπo↓ρ`ず=「 松 明 の 尾 」=「 き つ ね 」が あ る こ と を 指 摘 す る 。 わ が 国 に は く狐 火 〉の 俗 信 が あ る が 、 こ れ は 中 国 に も あ る 。 キ ツ ネ ノ タ イ マ ツ と 呼 ば れ て い る 暗 赤 色 の き の こ が あ くヨ ヨユ るが 、 彼 岸 花 を この よ うに 呼 ぶ 地 方 もあ る。 鳥羽 僧 正 の 作 と伝 え られ る国 宝 の 「鳥 獣 人物 戯 画 」 の 甲巻 に は、 きつ ね が 尾 を松 明 と して 、 楽 し そ う に灯 し て い る場 面 が 描 か れ て い る。 こ の よ う に くきつ ね〉と〈松 明 〉は、 世 界 中 で 連 想 関 係 に あ る こ とが わ か る。 サ ム ソ ンの 活 動 領 域 に含 まれ て い た シ ャア レ ビー ム に まつ わ る話 と して 、 この よ う なエ ピ ソ ー ドが 生 まれ た の か も知 れ な い 。 9.3.し か し、 この エ ピ ソー ドを ま っ た くの 空 想 の産 物 とす る こ とも 出 来 な い で あ ろ う。 獣 に 松 明 を結 び つ け戦 場 で 計 略 に用 い た とす る記 録 は、 古 今 東 西 に か な りの例 が あ る。 わ が 国 に お い て よ く知 られ て い る の は 、 木 曽義 仲 が 越 中倶 利 伽 羅 峠 に お い て牛 の 角 に松 明 を く く りつ け 、 敵 陣め が け て放 った とい うく火 牛 〉の計 で あ る (1183年)。 こ れ の 手 本 とな った と考 え られ る 中 国 の 斉 の 田 単 が 用 い た 火 牛 で は 、 牛 の 角 に 兵 刃 を束 ね 、 尾 に葦 を結 び つ け て 点 火 し敵 陣 に放 っ た とさ れ て い る。 西 洋 に も これ と類 似 す る戦 法 が あ っ た 。 イ タ リア に侵 入 した カ ル タ ゴ の名 将 ハ ン ニ バ ル は、 フ ァ ビ ウ ス ・マ ー ク シム スの 率 い る ロー マ 軍 を混 乱 に 陥 れ る た め に 計 略 を用 い た。 闇夜 に2000頭 の 牛 の角 に松 明 を結 び つ け て 山の 斜 面 を登 らせ た の で あ る。 や が て 角 が 焼 け は じめ る と、 牛 は 山 中 を走 り回 っ た の で ロ ー マ 側 は 、 敵 に 包 囲 さ れ て い る と思 っ た と い う(リ ー ウ ィ ウ ス XXII、 プ ル タ ル コ ス 「フ ァ ビ ウ ス ・マ ー ク シ ム 巽ll。14世 紀 に モ ン ゴ ル 軍 を 迎 え撃 っ た パ フ リー ・マ ム ル ー ク王 国 は 、 風 向 きの よ い 時 に 野 に火 を放 っ て 敵 の 侵 入 を食 い止 め る た め に 、 きつ ねや 犬 を利 用 し た とさ れ る。 まず 捕 ら え た きつ ね と犬 を飢 え させ て お き、 ち ょ う ど風 向 きの よ い 時 に尾 に松 明 を結 び っ け て 用 意 して お い た餌 の 方 に 走 らせ た と言 兜) 9.4,オ ウ ィ デ ィ ウ ス は ロ ー マ 人 た ち が 穀 物 の 女 神 ケ レ ー ス(Ceres)の 祭 日(4月19日 〉に 、 きつ ね の 尾 に 松 明 を 結 び つ け て キ ル ク ス あ る い は 野 に放 つ

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風 習 に つ ・・て 語 っ てLaる(F。,(36tilV,679ff.」.オ ウ ィ デ ィ ウ ス は 、 カ 、レセ オ リ(Carseoli)の 地 で こ の よ う な風 習 が始 ま っ た理 由 を 以 下 の よ うに 説 明 し て い る。 母 の農 婦 が 忙 し く家 事 に い そ しん で い る間 に、12歳 位 に な る 元 気 な 息 子 が 、 農 園 か ら何 度 も家 畜 を盗 ん だ こ との あ る雌 ぎつ ね を谷 で っ か ま え た。 少 年 が 、 この 雌 ぎつ ね を干 し草 や わ らで 包 ん で火 をつ け る と、 獣 は少 年 の 手 か らの が れ て 逃 走 した 。 きつ ね は 、 収 穫 前 の 麦 畑 に 走 り込 ん だ の で、 火 は風 に 煽 られ て 穀 物 を な め つ く した 。 その 後 〈きつ ね 〉の種 属 を罰 す る た め に 、 ケ レー ス の 祭 の 日に きつ ね に火 をつ け る の だ と言 う。 しか し な が ら、 神 話 学 者 た ち は この よ うな ロー マ 人 た ち の 風 習 の 起 源 を もっ と異 な っ た所 に求 め て い る。 きつ ね は 、 収 穫 前 に麦 が 侵 され る可 能性 の あ る錺 病(ラ テ ン語: robigo、 英 語:rust、 ドイ ツ語:Kornbrand)を 象 徴 して い る と い うの で あ

くヨの る。 な お 、 わ が 国 に お いて きつ ね が 稲 荷 明神 の 使 い と考 え られ て い る こ とは 、 穀 物 と きつ ね の 関係 を示 して お り興 味 深 い 。 10.抵 抗 運 動 の 闘 士 サ ム ソ ン の 登 場 くユの 10.1.こ こ で は 、 柴 山 栄 とGeseの 論 文 を参 考 に しなが ら、14∼15章 に お い てサ ム ソ ン とテ ム ナ の 女 の 結 婚 の 失 敗 が き っ か け と な っ て、 サム ソン とペ リシ テ 人 が 全 面 的 に対 決 す る に い た る まで の 経 過 をた ど っ て見 る 。 10.2.ま ず 、14章 に お いて は 、 サ ム ソ ン は テ ム ナ の女 と合 法 的 な 手 続 き を 得 て 正 式 に結 婚 しよ う と して い る こ とが 注 目 さ れ る。 この 結 婚 は 、 し た が っ て サ ム ソ ンの属 す る ダ ン 部 族 の マ ノ ア家 とペ リシ テ 人 の テ ム ナ の女 の 属 す る 家(こ れ を以 降T家 と表 記 す る)の 間 で成 立 す べ き もの で あ っ た。 両 家 は 地 理 的 に は さ ほ ど遠 く隔 た って い な か っ た が 、 文 化 的 に互 い に相 違 す る2つ の 社 会 に属 して い た 。 政 治 的 に は、 ㌍ 嫁 の 属 す るペ リ シテ側 が イ ス ラ エ ル を支 配 して い た こ とが 重 要 で あ る。 この よ うな事 情 が 、 こ の一 種 の 国 際 結 婚 の失 敗 の 背 景 を な して い る。こ こ で は、マ ノア 家 に花 嫁 が 迎 え られ る の で は な く、 両 家 の 縁 談 は、 サ ム ソ ン とそ の 両 親 がT家 を訪 問 す る形 で 進 め ら れ 、 そ の後

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も 〈妻 問 い婚 〉と して この結 婚 が 正 式 にペ リシ テ社 会 に受 け 入 れ られ る手 はず で あ っ た と思 われ る 。 しか し、 実 際 に は この 結 婚 の 挫 折 が 地域 紛 争 の 原 因 と な っ た の で あ る。 10.3.宴 会 は花 婿 の サ ム ソ ン側 が 設 定 した の で あ り、T家 の 関 係 者 が こ の 場 に30人 呼 ば れ た 。 一 定 期 間 の宴 会 の 後 、 性 交 渉 へ と進 ん で 結 婚 式 は 完 了 と な る 手順 で あ っ た が 、 サ ム ソ ン は 、 宴 会 の 席 で くな ぞ〉を出 した。 この よ うな な ぞ は 、 少 な くと もサ ム ソ ン に して み る と儀 礼 的 な もの で あ っ て 、 花 婿 の す ぐれ た 能 力 を客 人 た ち に示 そ う とす る意 図 が あ っ た もの と判 断 され る。 こ れ は 、現 代 社 会 に お け る婚 宴 に お い て も花 嫁 、 花 婿 の 〈す ぐれ た 経 歴 〉が こ の ハ レの 日に客 人 た ち に紹 介 さ れ るの と似 た よ うな もの で あ っ た だ ろ う。 こ の よ うな事 情 か らす れ ば 客 のペ リシ テ 人 た ちは 、 サ ム ソ ン との 〈な ぞ合 戦 〉に い さ ぎ よ く敗 け な けれ ば な らな か っ た の で あ る。 しか し、 ペ リシテ 人 た ち は 何 と して も敗 け た くなか っ た 。 賭 に ま け て 着 物 をサ ム ソ ン に取 られ る こ とは 、 著 しい 経 済 的 損 害 で あ る と考 え た か らで あ る。 10,4.サ ム ソ ン側 か らす れ ば7日 もの 間 、客 人 た ち に 酒 をふ る まっ た の で あ るか ら、 これ に相 当 す る返 礼 が あ っ て 当 然 な の で あ った 。 な ぞ合 戦 に勝 つ こ とはペ リシ テ 人 た ち に 自分 の能 力 を承 認 させ る と と も に、 ふ る まい に対 す る相 当 の返 礼 を受 け 取 る ため の儀 礼 的 手 段 で あ っ て 、 その 結 果 と して 一 種 の 〈等 価 交 換 〉が 成 立 す る こ とに な る の で あ る。 「麻 の 衣 三 十 着 、 着 替 えの 衣 三 十 着 」(新 共 同 訳 に よ る)と い うの は法 外 に高 価 で あ り、 一 種 の 強 要 で あ る と も受 け取 れ る が 、 サ ム ソン に して み る と物 質 文 明 に お い て 自分 た ち よ りもは る か に優 位 に立 っ て い る 富 め るペ リ シテ 人 た ち か ら こ れ く らい の モ ノ を要 求 して もか ま わ な い と考 え た の で あ ろ う。 政 治 的 に も経 済 的 に も抑 圧 さ れ 劣 勢 に置 か れ て い るひ とが 、 何 か の 機 会 に 一 気 に相 手 をや りこめ る よ うな 手 に 出 るの は 何 ら不 思議 で は な い。 ま して 、 ペ リ シテ 人 た ち は この 挑 戦 を い っ た ん は正 式 に受 け よ う と した の で あ る。 10.5.し か し なが ら、 ペ リシ テ 人 た ち はT家 と花 嫁 を脅 迫 し、 花 嫁 の 泣 き 落 と し戦 術 を利 用 しな が ら な ぞ を解 い て し ま っ た 。 これ はサ ム ソン には 信 じ られ な い程 の 非 礼 な行 為 で あ っ た 。 ペ リシ テ 人 た ちは 花 婿 を侮 辱 して 一 人前

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の 男 と して扱 う こ と を拒 否 した の で あ る。 怒 っ た サ ム ソ ンは 、 他 の 地 域 のペ リシテ 人 を攻 撃 して 衣 服 を奪 い 取 り、 非 礼 な客 人 た ち に くれ てや った の で あ る 。 な お 、14章19節 は ヘ ブ ライ 語 で は 「彼 らの う ちか ら30人 を打 った 」 とだ け あ る。 殺 人 とは か ぎ らな い 。 こ う して 、正 式 の 手 続 き を得 て 結 婚 を遂 行 し よ う と し たサ ム ソン の 意 図 は 、 中途 で挫 折 し た。 10.6.こ の 間T家 は 、 サ ム ソ ン を立 て る よ り も、 ペ リシ テ 社 会 の 一 貝 と し て 生 きの び る ため の 方 策 を取 っ た 。 〈家 〉の論 理 で行 動 した の で あ る 。 サ ム ソ ン の行 為 は 、 一 応 破 談 の 宣 告 と も受 け取 れ た の で 、 サ ム ソン の 妻 とな るべ き で あ っ た女 性 は、客 の 一 人 と結 婚 して しま っ た 。こ こ に行 き違 い が 発 生 した 。 サ ム ソ ンは 、 結 婚 の手 続 き を完 了 して は い な か っ た が 、 決 して この 結 婚 を放 棄 した の で は なか っ た 。 〈サ ム ソ ン の 妻 〉が別 の 男 と寝 た こ とは 、 イ ス ラ エ ル 的 な法 の基 準 か らす れ ば 姦 淫 で あ っ た。 姦 淫 は 死 刑 に 相 当す る重 大 な犯 罪 で あ る。 しか し、 政 治 的 に 無 権 利 状 態 に お か れ て い た サ ム ソ ン側 に は、 合 法 的 な 手 段 で ペ リシテ 人 を 罰 す る方 法 が なか っ た の で 〈テ ロ〉に訴 之て 報 復 す る こ とに な っ た。 こ う して15章4節 以 下 の 焼 き討 ち事 件 が起 こ っ た。 た だ し この 段 階 で は敵 の財 産 に損 害 を与 え た だ けで 、 殺 人 に ま で は 到 ら な か っ た。 サ ム ソ ンが 地 域 の 人 々 に損 害 を与 え た の で あ っ て 、T家 を攻 撃 し た の で な い こ と は注 目 に値 す る。 サ ム ソ ン の 解 釈 で は 、T家 は 自分 の 家 だ っ た の で あ る 。15 章2節 で 義 父 は 、姉 の 替 わ りに妹 を差 し出 して い る。 サ ム ソ ン が ど う した の か は 記 され て い な い 。 10.7.地 域 の ペ リシ テ 人 た ちは 、 この よ うな 事 件 が 起 こ っ たの は 、災 い を 招 い たT家 の せ い で あ る と して 、 そ の 家 を焼 き払 っ て滅 ぼ し た。 〈家 〉を守 る ため に、 ペ リシ テ側 に 留 ま ろ う と したT家 は結 局 滅 亡 した 。 しか し、 サ ム ソ ン は こ れ を、 自分 に加 え られ た 攻 撃 で あ る と して 、報復 をエス カレー トさせ た。15章8節 は協 会 訳 で は 、「そ して サ ム ソ ンは 彼 ら を、さ ん ざん に撃 っ て大 勢 殺 した」 と な っ て い る。 マ ソ ラか ら訳 す と 「彼 は 、 彼 らの す ね と も も に大 打 撃 を加 え た 」とで もな る。 「す ね と も も」 とい う表 現 が 正 確 に 何 を意 味 す る の か は わ か らな いが 俗 語 的 表 現 で あ ろ 囎)と もか く、 サ ム ソ ン とペ リ シ テ人 の 間 に本 格 的 戦 闘 が 始 ま っ た の で あ り、 彼 は 、徹 底 抗 戦 す る道 を選 ん だ の で

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あ る。 「エ ー タ ム の岩 の裂 目 に住 ん だ 」(15・8)と あ る 通 り、 彼 は イ ス ラエ ル 側 か ら も一 定 の 距 離 を置 く<ゲ リラ 戦士 〉と して 生 き よ う と し た の で あ る。 10.8,ペ リシテ 側 は、 ユ ダ部 族 に属 す る レ ヒ を攻 撃 して く犯 人 引 渡 し〉を要 求 す る手 段 に 出 た 。 軍 事 的 に完 全 に劣 勢 の ユ ダの 人 々 は 、 こ の 要 求 に従 わ ざ る を得 ず 、 サ ム ソ ンの 説 得 に か か っ た。 こ の 場 面 でペ リシ テ側 とサ ム ソ ンが 「彼 らが わ れ わ れ に した よ う に、 彼 に す るた め 」(15・10)「 彼 らが わ た しに した よ うに 、 わ た しは彼 ら に し た」(15・11)と 述 べ た こ とが 強 調 され て い る。 両 者 が 共 に 〈報 復 〉の 論 理 で行 動 し て い るの で あ る 。 ダ ン部 族 で は な く、 ユ ダ 部 族 が 攻 撃 され た こ と も注 目 され る 。 サ ム ソ ン の 立 て こ も った 「エ ー タム の 岩 の 裂 目」 が ユ ダ の 領 地 内 に あ っ た こ と も一一つ の理 由 で あ ろ うが 、 そ も そ も ダ ン部 族 が政 治 的 ・軍 事 的 に弱 体 で あ って 、 ペ リシテ の 交 渉 相 手 と して は無 意 味 で あ っ た か らだ と も考 え られ る 。 10,9.サ ム ソ ン は、 事 態 の 推 移 を了 解 し た の で あ ろ う。 ユ ダ の 男 た ちの 指 示 に一 応 従 う こ とに した が 、 ペ リ シテ 人 に屈 服 す る意 志 は な か っ た もの と判 断 され る 。サ ム ソ ンが 縛 られ て レ ヒに 来 た と き、「ヤ ー ウ ェ の 霊 が彼 の 上 に 強 力 に働 い て」 縄 をふ りほ ど き、 単 独 で ペ リシ テ 人 と闘 っ た 。 彼 は 「1000人 を 打 っ た」 とあ る。 こ う して サ ム ソ ンは 、 英 雄 と な っ た の で あ る。 この 話 に は 、 地 名 レ ヒ=「 あ ご 骨 」 に まつ わ る原 因諌 的 モ チ ー フ が 含 まれ て い る。 古 代 に お い て は 獣 の あ ご 骨 が 、 実 際 に 武 器 と して使 用 さ れ た 可 能 性 も あ るか ら、 この エ ピ ソー ドを空 想 的 で あ る と は言 え な い で あ ろ 与1)鉄 器 を 使 用 し た ペ リ シ テ に 対 し て サ ム ソ ン が あ ご 骨 で 対 決 し た と い う モ チ ー フ に は 、 こ の エ ピ ソ ー ド を伝 え た 民 衆 の ユ ー モ ア が あ ふ れ て い る 。 な お 、 ユ ダ の 男 の 数3000と か 、 ペ リ シ テ1000人 と か の 数 が 、 伝 説 的 特 徴 を 示 し て い る 。 )1.ナ ジ ル 人 と 頭 髪 11.1,サ ム ソ ン が 民 数 記6章 の 命 じ る よ うな ナ ジル 人規 定 を守 っ て い な い の だ とす る と、 こ の 物 語 の 言 う 「ナ ジ ル 」 に は 元 来 、 全 く別 の 意 味 が あ っ た

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の か も知 れ な い 。Margalithに よ れ ば 、 こ こ で は ナ ジ ル で は な くて ネ ー ゼ ル くる ユコ nezer「 頭 髪 」が 問 題 に な っ て い る の で あ る 。 旧 約 の ネ ー ゼ ル の 語 義 は 必 ず し も 明 ら か で は な い 。 大 祭 司 や 王 が ネ ー ゼ ル を 頭 に か ぶ っ て い た と あ る(出 エ ジ プ ト記29・6、 サ ム エ ル 記 下1・10、 列 王 紀 下11・12、 詩 篇132・18、89・ 40等)。 ネ ー ゼ ル は く流 れ る よ う な 巻 毛 〉な い し 〈髪 の 毛 の 房 〉を 意 味 す る の で あ ろ う か(な お ぶ ど う の 木 の シ ュ ー ト を ネ ー ゼ ル と 呼 ん で い る 用 例 が あ る: レ ビ 記25・5、11)。' ギ リ シ ャ 神 話 に は 、 超 人 的 な 威 力 を 与 え る 頭 髪 の 話 が か な り あ る 。Mar-galithは 、 こ の よ う な 旧 約 に は な じ み の な い モ チ ー フ が サ ム ソ ン 物 語 に 入 り 込 ん で い る の だ と す る 。 て   ラ 11.2,ギ リシ ャ神 話 か ら一 例 を挙 げ て お く。 メ ガ ラの 王 ニ ス ス は 不 思 議 な 巻 毛 を も っ て い た。「こ の都 の 王 ニ ス ス は 、そ の 額 の まん な か あ た りに 威 厳 の あ る 白髪 に ま じっ て 一 本 の 緋 色 に か が や く毛 髪 を も って い た が 、 これ こ そ か れ の 強大 な 統 治 権 を保 証 す る もの で あ っ た」。 と こ ろ が ニ ス ス の 娘 ス キ ュ ラ は、 敵 の ミノス 王 を激 し く恋 す る よ うに な る。 戦 い をや め させ よ う と考 えた ス キ ュ ラ は 、父 の 巻 き毛 を切 り取 って し まお う と考 え る。「ほ か の娘 に なぜ わ た し以上 の 勇気 が あ るの だ ろ うか 。 わ た し に だ っ て 、 炎 や 剣 をふ み こ え て い く ぐ らい の 勇 気 は あ る。 しか し、 い ま は 、 炎 も剣 もい ら な い わ 。 わ た しに 必 要 な の は 、 父 の あ の髪 の 毛 だ け だ わ。 あ の 緋 色 の 髪 の 毛 こ そ 、 わ た しに は 黄 金 よ り も尊 い。 そ れ は 、 きっ とわ た し を幸 福 に し、 す べ て の願 い をか な えて くれ る に ち が い な い 。」。 こ う して 父 の寝 室 に しの び こ ん だ ス キ ュ ラは 、 父 の 力 の 根 源 で あ っ た巻 き毛 を ぐっ す り と眠 って い た 父 の 頭 か ら切 り取 っ て し ま う。 父王 の 頭 髪 を手 に いれ た娘 は 、 ミ ノス 王 の 前 に進 み 出 て 言 う。 「『こ の よ う な振 舞 い にい た り ま し た の も、 恋 ゆ え で ご ざ い ます 。 わ た しは 、 ニ ス ス 王 の 娘 、 ス キ ュ ラ と 申 し ま して 、 い ま こ そ わ た しの 町 とわ た しの 家 とが 所 有 し て い る全 財 産 を あ な た に さ さ げ ます 。 わ た しは 、 あ な た ご 自身 の ほ か に は な ん の 報 酬 もの ぞみ ませ ぬ 。 ど うか 愛 の証 し と して 、 この 緋 色 の 髪 の 毛 を お 納 め くだ さ い 。 そ して 、 わ た しが い ま こ こ に さ しあ げ ます の は 、 た ん に父 の 髪 の 毛 一 本 だ け で は な く、 同 時 に 父 の 頭 を も さ しあ げ て い る の だ とお 考 え くだ

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さ い 』そ う い っ て 、 右 手 で 罪 ぶ か い 贈 物 を さ し だ し た 」。 こ の よ う に 娘 の 裏 切 り に よ っ て ニ ス ス は 、 ミ ノ ス 王 に 捕 ら え ら れ た 。 ニ ス ス の 話 と非 常 に よ く似 て い る の が テ レ ボ エ ア の 王 プ テ レ ラ ー オ ス の 頭 髪 に 関 す る 物 語 で あ る(ア ポ ロ ドー ロ スII4・7)。 ヘ ラ ク レ ス 神 話 に も 頭 髪 の 呪 力 と関 係 し た 話 が あ る こ と が 知 ら れ て い る 。 ま た ヘ ロ ド トス は デ ロ ス ロ お 島 の少 年 少 女 が髪 を切 っ て墓 に 供 え る風 習 に つ い て語 っ て い る。 わが 国 に も 髪 の 呪 力 に ま つ わ る俗 信 は 、 古 来 色 々 とあ る。 (未完) 注 (1)LillianR.Klein,TheTriumphofIronyintheBookofJudges(JSOT Suppl.68)AlmondPress,Sheffield(1988)109-139. (2)柴 山 栄 「士 師 記14、15章 の 理 解 」 『聖 書 学 論 集6』 山 本 書 店(1968)157-186頁 。 (3)J.G.フ レー ザ ー 著 、 江 河 徹/古 宮 照 雄/秋 山 武 夫/田 島 松 二/内 田 鎮 人 訳 『旧 約 聖 書 の フ ォ ー ク ロ ア 』 「サ ム ソ ン とデ リ ラ」 太 陽 社(1976)340頁 以 下 で 、 フ レ ー ザ ー は こ の 物 語 を 「愛 と戦 い の 冒 険 物 語 、いや む しろ略奪 の物 語」「ま った く 利 己 的 で 破 廉 恥 な 冒 険 者 の 物 語 」 だ と言 う。 (4)坂 上 佳 子 訳 『美 術 と フ ェ ミニ ズ ム 』PARCO出 版 、59-100頁 。 ㈲ 章 に 従 っ て 、4段 落 に 区 分 す る 者 や 、 も っ と 細 分 す る 者 も い る が 、 こ こ で は Geseの 区 分 に 従 う。 (6)Gunkelな ど の 宗 教 史 学 派 に属 す る学 者 た ち が 、 こ の 点 に 注 目 した こ とは 言 う まで も な い が 、Sogginに よ る とす で に 聖 ヒ エ ロ ニ ム ス が こ の こ と に 気 づ い て い る と い う。J,AlbertoSo99in,Judges,tr,byJohnBowden,SCMPress (1981)229. (7)海 の 民 に 関 し て は 、並 木 浩 一 著 「古 代 シ リア に お け る民 族 と国 家 前1200年 まで の 東 地 中 海 沿 岸 諸 国 」 『古 代 イ ス ラ エ ル と そ の 周 辺 』新 地 書 房(1979) 21頁 以 下 を参 照 。HeinrichMargulies,DasRatselderBieneimAlten Testament,in:VTXXIV(1974)56f.に は 、 海 の 民 が ク レ タ ・エ ー ゲ 高 度 文 明 を 携 え て 前13世 紀 末 に移 動 を始 め 、 ア ム ル ・カ ナ ン 地 方 に 定 住 した こ とが 簡 潔 に 述 べ ら れ て い る。 (8)Sogginは 、ダ ン の 領 地 の 境 界 線 に 不 明 瞭 な 点 が あ る こ と を指 摘 し、ヨ シ ュ ア 記 の 記 述 に は 問題 が あ る とす る 。=注(6)226f. (9)協 会 訳 の 「舟 の か た わ ら に と ど ま っ た か 」 は 、 変 で あ る 。

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(ia) (11) ciz> clsy (14} (15) cis) (17} (iaf agf ⑳ ⑳ ⑫2) ㈱ 侶4) ㈱ ㈱ (27) ㈱ (29) {3Q} (31) JohnGray,Joshua,Judges,Ruth(TheNewCenturyBibleCommentary} (1986)275f.は 、 こ の 可 能 性 を 示 唆 し て い る 。 MartinNoth,LTberlieferungsgeschichtlicheStudien(1943)61. HartmutGese,DiealtereSimsonUberlieferung(Richterc.14-15),in: AlttestmentilicheStudien(1991)53. JurgenKegler,SimsonWiderstandskampferandVolksheld,in:Com-munioviatorum,XVIII(1985)100. ClausWestermann,Genesis12-36(19892}:BKI/2,293. H.Gunkel,Simson,in:RedenandAufsatze,Gottingen(1913)38-64. Keglerは 、 さ ら に メ ソ ポ タ ミ ア の 造 形 芸 術 と の 関 連 を も 指 摘 す る 。 た と え ば 、 15章18節 以 下 の エ ピ ソ ー ド と 水 神 エ ア と の 関 連 な ど 。=注(13)110. =注(10)219f . =注(10)220 . G.S.カ ー ク 著 、 辻 村 誠 三/松 田 治/吉 田 敦 彦 訳 『ギ リ シ ャ 神 話 の 本 質 』 法 政 大 学 出 版 社(1980)200頁 以 下 を 参 照 。 Klein=注(1)226参 照 。 =注(10)335 . =注(1)119 . OthnielMargalith,Samson'sRiddleandSamson'sMagicLocks,in:VT XXXVI(1986)229ff,Kegler=注(13alO2f, 死 体 に 触 れ る と穣 れ る の は も ち ろ ん 、 昆 虫 も 旧 約 で は 稜 れ た 動 物 で あ る こ と に も 注 意 せ よ 。Margulies=注(7)60f.た だ し 蜂 蜜 は 穣 れ て い な い と さ れ る か ら 、 事 態 は 微 妙 で あ る 。 =注(13)102ff . =注(1)111ff . OthnielMargalith,MoreSamsonLegends,VTXXXVI,4(1986)400f. H.GreBmann、H.Gunkel、0.EiBfeldtな ど 。 最 近 で は 、PhilipNel,The RiddleofSamson(Judg14,14.18),in:$iblica66(1985)、 拙 論 「ソ ロ モ ン 王 の 知 恵 、 そ の 歴 史 的 実 態 に 関 す る 一 考 察 」 『歴 史 学 と 考 古 学 』真 陽 社(1988)26 頁 の 文 献 を も 参 照 。 0.EiBfeldt,DieRatselinJud14,in:ZAW30(1910)132ff. JamesLCrenshaw,TheSamsonSaga:FilialDevotionorEroticAttach-ment?,in:ZAW86(1974)489. ウ ェ ル ギ リ ウ ス 著 、 河 津 千 代 訳 『牧 歌 ・農 耕 詩 』 「農 耕 詩 」 未 来 社(1981)351 頁 以 下 。 巻4、295以 下 。 ヘ ロ ド ト ス 著、 松 平 千 秋 訳 『歴 史 中 』 岩 波 書 店(1972)193頁 。 巻5、114。

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(32)OthnielMargalith,ShortNotes:Samson'sFoxes,in:VTXXXV(1985)22fi ff. (33)石 上 堅 著 『日 本 民 俗 語 大 辞 典 』 「き つ き つ ね 」 の 項 目 、 桜 楓 社(1983)455頁 以 下 。 荒 俣 宏 著 『世 界 大 博 物 図 鑑5哺 乳 類 』 「キ ツ ネ 」 の 項 目 、 平 凡 社(1988) 148頁 以 下 参 照 。 (34)河 野 与 一 訳 『プ ル タ ー ク 英 雄 伝(三)』 岩 波 文 庫(1953)65頁 を 参 照 し た 。 (35)RichardHartmann,SimsonsFtichse,in:ZAW31(1911>71f.に よ る 。 (3fi)SirJ.G.Frazer,Ovid'sFast(TheLoebClassicalLibrary}(1931)239-241. (37)Hartmann=注(35}70, (38)=注 ② 、(12)。 (39)Soggin=注(6)246. (40)Gese二 注 ⑫68ff, (4u二 注 ㈲231ff. (42)オ ウ ィ デ ィ ウ ス 著 、 田 中 秀 史/前 田 敬 作 訳 『転 身 物 語 』 人 文 書 院(1966)262頁 以 下 。 (43}=注(31)24-25頁 。 巻4、34。

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