1 地域総合研究所への期待 -『地域シンクタンク』としての役割の強化- 学長 荻田 喜代一 地域総合研究所の開所以前より、長年にわたり大阪府北河内地域および和歌山県の過疎 地域を中心として調査研究や教員・学生の活動を行ってきた。平成 27(2015)年度からは、 文部科学省の「地(知)の拠点大学による地方創生推進事業(COC+)和歌山大学」の参加 校として、和歌山県での活動が活発に行われている。その実績により、「令和元(2019)年 度ふるさとづくり大賞」の総務大臣表彰(団体表彰)を受賞した。このことは本学の活動 が広く社会に認められたことであり、たいへんに光栄なことである。また、今年度の本所 報では、これまでの地域研究ばかりでなく、分野を超えた学際的研究分野の研究論文や研 究ノートが掲載され、本学の幅広い研究の活性化の一翼を担う所報として発展していると 感じている。 近年、さまざまな地域において産学公民の活動が活発となる中で、大学が『地方シンク タンク』としての役割を担うことが望まれている。シンクタンクの役割は、目的に合った 的確な情報を収集するとともに専門家の知見をわかりやすい形で発信することであり、専 門領域の知見を広く地域社会に展開・活用することである。また、地域行政、企業、市民 などのさまざまな組織および分野の横断的ネットワークを形成することにより、多様化・ 専門化が進んだ現代社会に横串を通していくことも大きな役割である。こうした役割を果 たすためには、強い好奇心とオープンマインドを備えた分野横断的な理解が可能な『シン クタンカー』が必要である。あるいは、一体化して調査、情報収集、課題解決の提案でき る多様な分野の専門家チームが必要となる。したがって、本研究所が地域シンクタンクと しての役割を強化するためには、分野横断的な知のネットワークを形成するために、多く の分野の研究者が地域研究にかかわることが強く望まれる。さらに、地域行政、企業、市 民などとのネットワークの形成には研究支援・社会連携センターの機能強化が不可欠であ る。このような課題を乗り越え、同研究所が地域の要請に応える地域シンクタンクとして の役割の強化を図っていきたいものである。 最後に、本学園の建学の精神「世のため、人のため、地域のため、・・・」また、本学の 教育の理念「・・・自ら課題を発見し、そして解決する・・・」の体現化の一つとして、 本研究所が地域シンクタンクとしての役割を演じることに大いに期待したい。
巻頭言:地域総合研究所への期待-『地域シンクタンク』としての役割の強化-
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