<総説>遺伝性痙性対麻痺 利用統計を見る

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遺伝性痙性対麻痺

瀧 山 嘉 久

山梨大学医学部神経内科学講座

要 旨:遺伝性痙性対麻痺(Hereditary Spastic Paraplegia: HSP)は下肢の痙縮と筋力低下を呈す

る神経変性疾患である。最近では HSP の原因遺伝子が次々に同定されたことにより,同じ病型で も家系内・家系間で多彩な臨床像を呈することや,逆に異なる病型でもよく似た臨床像を呈するこ とが判明しており,臨床像のみで HSP の確定診断を行うことはきわめて困難な状況である。全国 多施設共同研究体制である Japan Spastic Paraplegia Research Consortium(JASPAC)では,網羅的 な遺伝子診断サービスを提供している。JASPAC により,今後,本邦 HSP の分子疫学と分子病態が 明らかにされ,治療法開発へと向かうことが期待される。

キーワード 遺伝性痙性対麻痺,SPG3A,SPG4,SPG6,SPG11,ARSACS,JASPAC

I.はじめに

遺伝性痙性対麻痺(Hereditary Spastic Para-plegia: HSP)は,臨床的には緩徐進行性の下 肢の痙縮と筋力低下を主徴とし,病理学的には 脊髄の錐体路,後索,脊髄小脳路の系統変性を 主病変とする疾患群である。 随伴症状の有無により,純粋型と複合型に分 類される。前者は通常,痙性対麻痺のみを呈す るが,時に膀胱直腸障害,振動覚低下,上肢の 腱反射亢進を伴うことがあり,後者は精神発達 遅滞,痙攣,難聴,網膜色素変性症,魚鱗癬, 脳梁の菲薄化などを伴う1,2) 遺 伝 形 式 に よ り , 常 染 色 体 優 性 遺 伝 性 (ADHSP),常染色体劣性遺伝性(ARHSP),X 連鎖性劣性遺伝性(XRHSP)に分類される。 頻度的には ADHSP が多く,ARHSP は少なく, XRHSP はまれである。純粋型,複合型ともい ず れ の 遺 伝 形 式 も と り う る が , 純 粋 型 は ADHSP において最も一般的であり,複合型は 主に ARHSP や XRHSP に見られる。 HSP の 同 義 語 と し て , 家 族 性 痙 性 対 麻 痺 (Familial Spastic Paraplegia: FSP),Strümpell-Lorran 症候群があるが,Fink らは,遺伝性で あることをより正確に示すために,FSP よりも HSP と呼ぶほうがよいと提唱している3) 最近の疫学的調査は乏しいが,欧米の HSP の頻度は,人口 10 万人あたり 1 ∼ 10 の有病率 であるとされている4–7)。本邦では,1988 年か ら 1989 年にかけての Hirayama ら8)の疫学調 査によれば,人口 10 万人あたり約 0.2 の有病 率であると推定されている。また,数年前の厚 生労働科学研究費補助金難治性疾患克服研究事 業「運動失調症に関する調査研究班」(前班 長:辻 省次)の臨床調査個人票の解析では, 脊髄小脳変性症患者 23,483 名のうち,痙性対 麻痺は 3.6 %であるとされている。しかし,こ れまでのところ,遺伝子解析による詳細な病型 別頻度は不明である。 最近の分子遺伝学的アプローチの目覚ましい 発展により,表 1 に示すように,これまでに 50 近い HSP の遺伝子座が判明し,そのうち約 半数の原因遺伝子が同定されている(原因遺伝 〒 409-3898 山梨県中央市下河東 1110 番地 受付: 2009 年 2 月 25 日 受理: 2009 年 2 月 27 日

総  説

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表 1.遺伝性痙性対麻痺の原因遺伝子 遺伝形式 病型 遺伝子座 遺伝子 常染色体優性 SPG3A 14q11 Atlastin SPG4 2p22 Spastin SPG6 15q11 NIPA1 SPG8 8q23 KIAA0196 SPG9 10q23 SPG10 12q13 KIF5A SPG12 19q13 SPG13 2q24 HSPD1 SPG17 11q13 BSCL2 SPG19 9q33 SPG29 1p31 SPG31 2p12 REEP1 SPG33 10q24 ZFYVE27 SPG36 12q23 SPG37 8p21 SPG38 4p16 SPG41 11p14 SPG42 3q24 SLC33A1 SPG + Dystonia 2q24 常染色体劣性 SPG5A 8q21 CYP7B1 SPG5B SPG7 (5C) 16q24 Paraplegin SPG11 15q13 Spatacsin SPG14 3q27–q28 SPG15 14q22–q24 Spastizin SPG20 13q12.3 Spartin SPG21 15q22 Maspardin SPG23 1q24 SPG24 13q14 SPG25 6q23 SPG26 12p11 SPG27 10q22 SPG28 14q21 SPG30 2q37 SPG32 14q12 SPG35 16q21 SPG39 19q13 PNPLA6 SPG43 19q13.11–q12

Infantile onset 2q33 Alsin

SPOAN 11q13

Cerebral palsy 2q24–q25

Leukodystrophy & Dystonia 16q23 FA2H

Complicated SPG 1q41 GJA12 ARSACS* 13q11 Sacsin X 連鎖性 SPG1 Xq28 L1CAM SPG2 Xq22 Proteolipid protein SPG16 Xq11 SPG34 Xq25 Deafness Xq21 *ARSACS は臨床的に小脳失調症と痙性対麻痺の両面を持っている.

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子座あるいは遺伝子が判明した順に,遺伝形式 とは無関係にナンバリングされている)。HSP の原因遺伝子が次々に同定されたことにより, 家族歴が明らかでない HSP 患者が存在するこ とが判明している。また,同じ病型でも家系 内・家系間で多彩な臨床像を呈することや,逆 に異なる病型でもよく似た臨床像を呈すること が判明しており,臨床像のみで HSP の確定診 断を行うことはきわめて困難である。 本稿では,本邦で報告がある主な HSP につ いて,最近の臨床・分子遺伝学的研究成果を概 説する。さらに,従来系統的な全国調査がほと んど行われてこなかった本邦の HSP について, その分子疫学と病態の解明,治療法の開発を目 的 と し た プ ロ ジ ェ ク ト で あ る Japan Spastic Paraplegia Research Consortium(JASPAC)に ついて紹介する。 II.常染色体優性遺伝性(ADHSP) 1.SPG3A(OMIM: #182600) 2001 年に原因遺伝子 atlastin が同定された9) 欧米では ADHSP の約 10 %を占め,SPG4 に次 いで頻度の高い病型である。さらに,SPG3A は 10 歳以下で発症した ADHSP の 31.8 %を占 めており,その頻度は SPG4 の 2 倍である10) 例外的に 45 歳や 55 歳で発症した家系の報告も あるが,平均発症年齢は 4.6 歳11)と早く,若 年発症の ADHSP ではまず本疾患を鑑別すべき である。一方で,80 歳でも無症候の保因者が 存在し,imcomplete penetrance が考えられて いる12) 臨床像は,典型的には純粋型を呈するが,少 数例に振動覚低下,下肢筋萎縮,排尿障害,側 彎,凹足を認めている12)。経過は緩徐進行性 であり,非 SPG3A/SPG4 患者に比し経過は長 い10)。最近,軸策性ニューロパチーを伴う家 系も報告されている13) 欧州を中心に多くの atlastin 変異が報告され ており,9 割をミスセンス変異が占めている。 当初は限られたホットスポットのミスセンス変 異のみが知られていたが,現在ではエクソン 4, 7,8,9,12,13 のミスセンス変異に加えて, 挿入変異や欠失変異も知られている14,15)。さら に,de novo 変異も報告されている13,16)。日本人 家系17,18)や中国人家系19)などアジア人におい ても atlastin 変異の報告がある。 Atlastin は中枢神経系,特に錐体路ニューロ ン・大脳皮質・海馬に多く発現しており,dy-namin family に属する GTPase である20)。最近 の研究で atlastin は,主に小胞体とゴルジの形 態発生に関与していると考えられている21) 2.SPG4(OMIM: #182601) 1999 年に原因遺伝子 spastin が同定された22) 欧米では ADHSP の 40 ∼ 45 %を占める病型で あり,純粋型 HSP の中で最も頻度が高い。筆 者らは本邦にも SPG4 家系が存在することを初 めて報告した23)。その後,日本人の SPG4 家系 が次々に報告され2,24,25,26),ADHSP のうち最も 頻度の高い ADHSP であることが知られている。 欧州における SPG4 多数例の臨床像解析(44 家系 238 名)27)では,発症年齢は 0 ∼ 74 歳(平 均 29 ± 17 歳)であり,40 %の患者が 30 歳未 満の発症であった。44 家系中 41 家系が純粋型 であり,残りの 3 家系が認知障害を呈する複合 型であった。SPG4 は純粋型を示すことが多い が,認知障害の他に,てんかん,先天性くも膜 N胞,感覚障害,下垂足,小脳失調を呈するこ とがある1)。さらに,SPG11 に見られるような 脳梁の菲薄化28),SPG17 に見られるような手 内筋の筋力低下や母指球筋の筋萎縮29),筋萎 縮性側索硬化症を疑わせるような球麻痺や呼吸 筋障害30)を呈する症例があり,SPG4 の臨床ス ペクトラムは幅広い可能性がある。 筆者らが経験した 1 家系では,発症年齢,臨 床像は比較的均一であったが23),別の 1 家系で は,発症年齢が祖母→父親→発端者の順に早く なっており,欧米のいくつかの家系で認められ ているように表現促進現象が疑われた24)。さ らに,病気の進行度にも家系内でのばらつきを 認める点が特徴的であった24)。欧米でも同一

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家 系 内 あ る い は 家 系 間 で 臨 床 像 の ば ら つ き (intra- and interfamilial variability)があること

が知られている。 これまでに 150 を超える spastin 変異が報告 されているが,変異のホットスポットはなく, 多くは家系独自の変異である。大部分がナンセ ンス変異とフレームシフト変異(42 %),およ びスプライス部位の変異(29 %)であり,短 い不完全な spastin を生じるタイプである。ミス センス変異は 29 %と比較的少ない。Genotype-phenotype correlation は明らかではない27)

Incomplete penetrance あるいは de novo 変異 が 推 測 さ れ る が , 孤 発 例 の 1 2 % に お い て spastin 変異が認められている31)。従って家族 歴のない患者についても spastin 遺伝子解析は 必要である。 Spastin の遺伝子座に連鎖しているにも関わ らず,通常の直接塩基配列決定法で変異が同定 できない HSP 家系が存在することが知られて いた。最近,このような家系で,サザンブロッ ト法,deletion-specific PCR 法により,spastin の 5’-UTR からイントロン 1 にかけての塩基の 欠失があることが判明している32)。Multiplex ligation-dependent probe amplification assay ( MLPA) 法 を 用 い た コ ピ ー 数 の 検 討 で は , sapastin 変異がないとされた ADHSP 家系の 18 ∼ 20 %に sapastin の部分欠失があることが分 かっている33,34)。さらに,ブラジルの 1 家系で はエクソンの重複(exon10_12dup)が報告さ れている35)

Spastin は AAA( ATPase associated with di-verse cellular activities) 蛋 白 の 1 つ で あ り , AAA 蛋白ファミリーは細胞周期,小胞輸送, ミトコンドリア機能,ペルオキシソーム形成な どさまざまな細胞のプロセスに関与している。 Spastin は,微小管の切断に関与している p60 katanin と相同性があることや,培養細胞の研 究により,spastin には N 末領域に微小管と相 互作用する部分があり,ATPase 活性により微 小管との結合が制御され,微小管のダイナミク スに関連することが示されている36)。筆者ら も spastin は神経系培養細胞の突起先端部や分 岐部に集積し,微小管の切断を行いながら微小 管の伸長と太さや配向を整えることを見いだし ており37),spastin 変異が微小管ダイナミクス に影響を及ぼして,シナプス伝達が障害される ことにより HSP が発症するのであろうと思わ れる。 SPG4 の発症機序としては,患者では spastin の発現量が正常の約半分になっていたので, spastin 変異により変異蛋白が発現しなくなり 発症するハプロ不全があることが推測されてい るが38,39),ミスセンス変異による蛋白の安定性 や微小管との異常な相互作用から,dominant negative あるいは gain of function である可能 性も指摘されている36,40,41) 興味深いことに,HSP を発症する atlastin42) や ZFYVE27(SPG33)43)が spastin と相互作用 する蛋白として同定されており,共通の生物学 的経路を持つことが推測されている。さらに最 近,spastin と RTN1 が相互作用することが示 され,spastin 変異によるシナプス小胞輸送の 異常が神経軸策変性を来している可能性も考え られている44) 3.SPG6(OMIM: #600363)

2003 年 , NIPA1( non-imprinted in Prader-Willi/Angelman syndromes-1)が原因遺伝子と して同定された45)。アイルランド,英国,イ ラク,中国,ブラジルから NIPA1 ミスセンス 変異(T45R,G106R)を持つ家系の報告があ るが,10 家系に満たない。平均発症年齢は 22 歳(12 ∼ 35 歳)で純粋型がほとんどである。 本邦からも 1 家系の報告がある46)。NIPA1 は膜 貫通蛋白であり,膜輸送あるいは受容体として の機能が考えられている。 III.常染色体劣性遺伝性(ARHSP) 1.SPG11(OMIM: #604360) 2007 年,脳梁の菲薄化を伴う常染色体劣性 遺伝性痙性対麻痺家系(ARHSP-TCC)におい

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て ,KIAA1840 遺伝子変異が見出された47)

KIAA1840 は 2001 年にすでにクローニングされて いたが48),Stevanin らにより,spatacsin(spas-ticity with thin or atrophied corpus callosum syndrome protein)と名付けられた47)。彼らは, 孤発例を含む 20 家系(日本人 1 家系を含む) において,22 種類の遺伝子変異(ナンセンス 変異 4,欠失変異 13,挿入変異 1,スプライス 部位変異 4)を見出しており,SPG11 は頻度の 高い ARHSP であると思われる49)。これらの変 異はすべて短い蛋白を作り出すものであり,発 症機序として loss of function が考えられている。 2 0 家 系 3 8 名 の 臨 床 像 は , 平 均 発 症 年 齢 14.0 ± 5.9 歳(2 ∼ 27 歳)であり,79 %が痙性 歩行,16 %が精神発達遅延で発症している。 平均罹病期間 16.5 ± 5.8 歳(9 ∼ 35 歳)で車い すレベルになっている49)。頭部画像所見では, 脳梁の菲薄化(95 %),白質病変(69 %),大 脳皮質萎縮(81 %)を高頻度に認めている。 ARHSP-TCC には遺伝的多様性があり,最近, spastizin(SPG15)の変異も ARHSP-TCC を呈 することが知られている50) SPG11 遺伝子は神経系に幅広く発現してお り,小脳,大脳皮質,海馬,松果体での発現が 多い。現在のところ,spatacsin の機能は不明 であるが,全ての組織に発現しており,種を越 えて高率に保存されていることから,非常に重 要な生物学的機能があると思われる。また, spatacsin は推測上 4 つの膜貫通ドメインを持 つので,レセプターあるいはトランスポーター である可能性が考えられる。 2.ARSACS(OMIM: #270550)

Autosomal recessive spastic ataxia of Charlevoix-Saguenay(ARSACS)は,ケベック州のシャル ルヴォア・サグネ地方に伝わる遺伝性神経変性 疾患としてはじめて報告された51)。2000 年, 原因遺伝子 SACS が同定されたが,当初,SACS は 11,487 bp の open reading frame を 持 つ 12,794 bp に及ぶ巨大な単一エクソンから成る 遺伝子であるとされ,その遺伝子産物は sacsin と名付けられた52)。最近では,ケベック州以 外にも世界的に本疾患が存在することが明らか になり,イタリア,チュニジア,トルコ,スペ イン,オランダ,フランスからも報告がある。 2004 年,筆者らは本邦にも SACS 遺伝子変異を もつ家系が存在することを初めて報告した53) その後,筆者らは別の 6 家系を経験しており, これまでに本邦では 10 家系以上が知られてい る53–65)。また,最近の筆者らの遺伝子解析によ り,ベルギーにも本疾患が存在することが判明 した66,67)。オランダでは 25 歳以前に発症した 小脳失調を持つ患者の 37 %が ARSACS であり, 頻度の高い疾患であることが判っている68) ケベック例ではその臨床像は均一であり,早 発性痙性失調症,構音障害,眼振,四肢末梢の 筋萎縮,手足の変形,網膜有髄線維の増生が特 徴である51)。一方,本邦の患者を含めた非ケ ベック例の臨床像は,ケベック例と同様に小脳 失調,構音障害,眼振,病気の進行とともに見 られる遠位筋萎縮を中核症状とするが,必ずし も均一ではなく,非典型的所見を呈することが ある。 発症年齢はケベック例 12 ∼ 18 ヶ月,本邦例 3 ∼ 9 歳(平均 5.4 歳),チュニジア例 1 ∼ 14 歳であり,非ケベック例ではケベック例よりも 遅い64,69)。本疾患は脳性麻痺と誤診されること があるので,注意が必要である。 ケベック例では下肢の痙縮は徐々に悪化し て,経過の長い患者に広く認められ,アキレス 腱反射を除いた四肢腱反射は経過中亢進してい る。しかし,筆者らは下肢の痙縮と腱反射亢進 を欠く例を経験しており,これは著明な末梢神 経障害のためであろうと考えている54,58) これまで,網膜有髄線維の増生はケベック例 の診断に欠かせないものと考えられていた51) しかし,筆者らの経験では,本邦例では網膜有 髄線維の増生の程度は軽く(図 1),加えて, 本邦例を含む非ケベック例では本所見を欠くこ とがあるので,注意が必要である。 ケベック例では知能は正常範囲であるとされ ているが,自験例では WAIS-R を行った 4 名中

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3 名に知能低下が認められている53,54)。同様に 知能低下を認める非ケベック例が報告されてい る64,69)。最近,難聴を伴う症例70)も報告され ており,今後,「サクシノパチィー」の臨床スペ クトラムはさらに広がりを見せるかもしれない。 頭部 MRI では,小脳虫部上葉の萎縮が特徴 的であり,megacisterna magna や頚髄萎縮を 認める例もある(図 2)。最近,T2 強調像と FLAIR 像で橋の線状低信号が特徴的であると の報告がある71)。3D-SSP では小脳虫部上葉の 血流低下を認める58)。末梢神経伝導速度検査 では,感覚神経優位の軸索性ニューロパチーが 特徴である。 これまでに 30 を越す SACS 遺伝子変異(フ レームシフト変異,ナンセンス変異,ミスセン ス変異)が同定されているが,大部分は巨大エ クソンの変異である。最近,巨大エクソンの上 流に 8 つのエクソンが存在することが判明し た。筆者らは上流エクソンの変異をはじめて明 らかにしたが57),その後同様の報告が続いて いる61,65,68)。ごく最近,アレイ CGH 法により, 1.5Mb ほどの大きな欠失が報告されており,通 常の直接塩基配列決定法に加えて,ゲノムコピ ー数の変化も見る必要がある67)。ケベック例 では疾患アレルの 94 %が 6594delT,3 %が C5254T であり,創始者効果が推測されている。 一方,本邦例をはじめ非ケベック例の大多数は 独自の変異であり,創始者効果は考えにくい64) 現 時 点 で は , genotype-phenotype correlation は明らかではない。 Sacsin は進化的に保存されており,植物,菌 類,無脊椎動物,魚類からヒトまでの脊椎動物 図 1.網膜有髄線維の増生(本邦 ARSACS 患者) 視神経乳頭から放射状に伸びる網膜有髄線維の増生を認める.本邦例ではケベック例 に比し,網膜有髄線維の増生の程度は軽く,この所見を認めないこともある.

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に存在しているので,重要な役割を果たしてい る蛋白であろうと思われる。Sacsin はユビキチ ンドメイン,DnaJ 類似の熱ショック蛋白ドメ イン,高等真核・原核生物ヌクレオチド結合ド メイン(HEPN)を有する。そこで,sacsin に はシャペロンが介在する蛋白の折りたたみに関 係する機能があり,変異 sacsin が生じることに より,異常な蛋白の折りたたみを起こすのでは ないかと考えられている52) ノーザンブロット法による mRNA の発現は, 線維芽細胞,脳,骨格筋に認められている。ま た,ヒト,サル,ラットの脳におけるインサイ チュー・ハイブリダイゼーションでは,大脳皮 質,小脳顆粒細胞層,海馬など中枢神経系に強 い発現を認めている52)。小脳顆粒細胞層にお ける sacsin の強い発現は,ARSACS の剖検例に おける小脳顆粒細胞層の減少に通じる機序を持 つ可能性がある52)。本疾患が常染色体劣性遺 伝形式を取ること,および不完全な sacsin がで きることから,loss of function がその本体であ ろうと思われる。 IV.HSP の病態機序 HSP の病態機序はまだ不明な点が多いが, 軸策輸送,細胞骨格制御,ミトコンドリア機能, ミエリンの維持や構築,神経突起形成などの障 害の可能性が考えられている(図 3)72)。今後 の治療法の開発に向けて,病態機序の解明が望 まれる。 図 2.頭部 MRI 画像(T1 強調像) 上段:水平断,下段:矢状断.上段左と下段左,上段右と下段右はそれぞれ同一患者. ARSACS に特徴的な小脳虫部上葉の萎縮を認める(下段).megacisterna magna(上 段右,下段右)と頚髄萎縮(下段右)を認めることがある.

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V.Japan Spastic Paraplegia Research Con-sortium(JASPAC) 厚生労働科学研究費補助金難治性疾患克服研 究事業「運動失調に関する調査研究班」(班長 西澤正豊)では,これまで系統的な全国調査が 行われてこなかった本邦の痙性対麻痺に関し て,全国調査とゲノム解析をリンクさせた多施 設共同研究体制である JASPAC を立ち上げ,筆 者らがその事務局を担当している(email: jas-pac@jichi.ac.jp)。このプロジェクトの目的は, 全国的なゲノムリソースの収集を行い,大規模 ゲノム解析により本邦の HSP の分子疫学を明 らかにすること,HSP の病態機序の解明と治 療法の開発を目指すことである。 JASPAC に登録した全国の共同研究施設に は,東京大学 辻 省次らが開発した DNA マ イクロアレイを用いた HSP 遺伝子の網羅的解 析システムと,CGH アレイを用いた genomic rearrangement の解析系により,現在実現でき る 最 良 の 遺 伝 子 診 断 ( SPG1, SPG2, SPG3A, SPG4, SPG5, SPG6, SPG7, SPG8, SPG10, SPG11, SPG13, SPG17, SPG20, SPG21, SPG31, SPG33, ARSACS)を提供している。 JASPAC 活動の準備段階として,平成 18 年に 全国の神経内科・小児神経科 1,231 施設にアン ケートを行った。565 施設から回答があり,痙 性対麻痺患者を診療しているのは 204 施設,今 後の遺伝子診断を希望しているのが 117 施設で あった。 平成 21 年 1 月 26 日現在,全国 32 都道府県, 89 施設から HSP 205 家系が JASPAC に登録さ れ,index patient から 125 検体が集積されてい る(図 4)。現在精力的に遺伝子解析が行われ ており,ADHSP では 6 割以上の症例について 病 型 が 決 定 で き て い る 。 ま た , 本 邦 で も ADHSP の約半数を SPG4 が占め,その他の病 型も頻度は少ないながら存在することが分かっ ている。遺伝子診断により病型が確定する例に ついては,その病型の genotype-phenotype correlation を明らかにし,そうでない場合に は,ポジショナルクローニング法により,新規 原因遺伝子座・原因遺伝子の同定を行うことに している。患者にできるだけ正確な医療情報を 伝え,将来の治療研究につなげるために,この ような全国多施設研究は極めて重要であると思 われる。同様のプロジェクトとしては,EU を 中心とした臨床家と研究者をつなぐネットワー 図 3.遺伝性痙性対麻痺における神経変性のメカニズム(文献 72 より引用,一部改変) 遺伝性痙性対麻痺における神経変性のメカニズムとして,軸策輸送,細胞骨格制御,ミトコンドリア機能, ミエリンの維持や構築,神経突起形成などの障害の可能性が考えられている.

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クの SPATAX73) が先行しているが,今後,JAS-PAC から世界に向けて情報を発信したいと考 えている。 V.おわりに 今後,JASPAC により本邦 HSP 患者の分子疫 学が明らかになると思われる。さらに,幅広い 研究者が JASPAC のリソースを利用することに より,HSP の分子病態が解明され,根本的な 治療法が開発されることが期待される。 文 献

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平成 21 年 1 月 26 日現在,全国 32 都道府県(塗りつぶし),89 施設から HSP 205 家系

が登録されている.JASPAC での検体収集は順調に進んでおり,網羅的な遺伝子解析 が精力的に行われている.

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