NUANCE
の 思 想
The Basic Concept of NUANCE
1
.は じめに
本学 では、 この94年度に基礎教育用計算機設備 の更新が行われた。 当年度夏期休暇中にその更新 に関 る主な工事が行われ、後期 よ り新規設備に基 づ く授業が行われてい る1)。本稿 はその新 規 シ ス テムに関 して、 いわば思想的な解説 を試み るもの であ る。 筆者は、92、93年度計算磯 システ ム委 員会 の一 員 として、 この設備更新 の準備段階か ら関 ってき てお り、 旧設備の窮状 の上 申に始 ま り、本年度初 頭 に行われた担 当業者選定 のための要求仕様書〔1〕 (以下仕様書 と呼ぶ) の原案作成や、 それに先立 つ技術動 向調査等 の作業に主動部 として直接 タ ッ チ してきた。本稿は主 としてその作業に関 るもの である。一言 で言 うと筆者は新規 システムの基本 設計 (或は概念設計 と言 うべ きか) を行な った こ とにな る。 この作業は、話 の流れか らして、学 内 の雑務の1つに位置づけ られ るものである。筆者 自身 も当初 は 自分 の研究 テーマ とす る気持 ちな ど な く、現状 の問題 を少 しで も解決す るために仕方 な く買 って出ただけの ものであ った。 が、やが て この問題 は、様 々な制約 の もとに システムを構築 す るとい う、難 しい (あ る意味 では面 白い) 問題 と化 し,結果的には、情報 システムの専門家のは し くれ であ る筆者が、 その研究時間 と専門知識 を あ る期間総動員す ることを必要 とし、筆者に とっ てはその過程 で情報 システ ム或 は教育用 システ ム のあ りかたにつ いて調査及び考察す ることも含め平
岡
信
之
Nobuyuki Hiraoka
た、極めて研究的な色合 いの強い活動 で も あ っ た。 ともあれ、 そ の成果 として、昨年度 末 に 向 け て、筆者は前述 の仕様書 の原案を 作成 したを)。 こ の仕様書はテキス トファイルで60KBに達す るか な り大部 の ものにな った。 で きれば これ以外に調 査報告や この仕様書 の主眼点 の解説等が文書化 さ れ (即 ち本稿 は1年前に作成 され てい るべ きだ っ た)、 それを もとに広 く討論 を行 うとい う手 順 を 踏むのがベ ターではあ った3)が、 時間的及び人的 資源に関す る強い制約があ り、 また、新 旧委員会 の引継時期 だ った こともあ り、 口頭に よる説 明等 に よるかな り略式 な経過 で、 はばそのまま見積書 提 出依頼 の添付文書 として採用 され、結果的には そのまま担 当業者 との取引 の基本書類 として も使 われ、現在に至 ってい る.本稿 は遅ればせなが ら そ こで生 じた情報不足 を補 うとともに、 この新規 システムについての学 内外 の理解 を深め、 また、 ポス トダウンサイ ジ ング時代 の情報 システムの在 り方や難 しさについて論 じることも目的 とす る。 さらに本稿 が今後、教 育機 関をは じめ とす る様 々 な組織 の情報 システム構築に関 る方 々の参考にで もなれば幸 いであ る。 なお、本年度 (担当業者決定後) は、 イ ンプ リ メンテーシ ョンの段階 として、仕様書に基づ く具 1)その構築作業 (主としてソ7トウェアの整備に関 する残務)は、本稿執筆時 (95年 1月)において も継続して行われている。 2)主に筆者の力不足による作業の遅れや仕様策定過 程での連絡不足等のため至らない点等が数多 くあ ったことは関係諸氏にこの場を借 りてお詫び申し 上げる。 3)但 し情報システムの設計 (デザイン)作業は、他 の分野と同程度に 「ア- ト」的な一面lを 持 つ た め、民主的であることが必ず しもよい結果を招 く とは限らない。216 長野大学紀要 第16巻第4号 1995 体的な設計、調達、設置等 の作業が、担 当業者 を 主体 として行われ てお り、筆者は これ までの経緯 の延長 で、引続 き同委員会に所属 し、担 当業者に 対す る技術的窓 口とも言 うべ き位置 (即 ち現在 も この更新に関 して限 りな く当事者に近 い立場) に い る。その過程 で浮かび上 が って来た個 々の要素 技術や ノウ- ウ、及 び システ ムの完成像やその評 価等については、本年度 の作業完了を待 って、鋭 意報告 して行 くことに し、本稿 では概念設計 の レ ベルでの話 を中心 とす ることに したい。 筆者は この新規 システ ムの開発 コ- ドとして、
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の略) と名 付 けてい る。 これは少な くとも現時点 ではあ くま で非公式 な名称 であ るが、 本稿 では便宜上 この名 柿 (とロゴ) を用 い る。2
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時代背景 2.1.変化 の速度 情報 システムに関 る技術の進歩 の速 さは (陳腐 な表現 であ るが) 「日進 月歩」 だ と言 わ れ る4)0 特 に何等かの要素技術 の出現が時代の要請 とマ ッ チ して、社会全体に も影響 を与 えるよ うな大 きな 変化 を引 き起 こす ことがあ る。 古 くは コンピュー タの出現その ものがそ うであ った し、十数年前に 現れた 「パ ソコン」 な るもの (以下 では機器 の名 称 としてPC
と呼ぶ) もまた、計算煉 システムの 形態 を ドラステ ィ ックに変 えた。最近 では ネ ッ ト ワー クを始め とす る、 もともと計算機技術 の外に あ った技術 を計算機 に取 り込む ことに より (逆に 計算機 が通信 システムに取 り込 まれ てい ると考 え て もいいのだが)、 さらに大 きな変貌 を とげ つ つ あ り、 その意味 では現在が新たな過渡期 であ ると 言え る。 当然、 こ うい った変化は、大学な ど教育の場 に おけ る情報 システムの構築 に も影響 が あ る。 ま た、関係者 の考 え方や制度が この変化に追従 で き ていない ことも、 この情報 システムの世界 では常 であ り、 このギ ャップに由来す る制約や困難 も生 (a)旧 (b)釈 PC、EWS等 図 1 形態の変化 じることがあ る。第3章以下 ではそ うい った問題 点 の幾つかを取 り上げ、Jr
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e、の概念 設計 にあた っての筆者 の考 え方 を述べて行 くこと とし、本章 ではその前提 とな る現状認識を以下に 要約 してお く。 2.2.これ までの技術潮流 前に触れた よ うに、PC
の出現に よ り5)情 報 シ ステムの姿が大 き く変化 した。 その変化は、 以下 の2つのキー ワー ドで要約す ることができる。 2.2.1.ダウンサイ ジ ングI
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技術等 の進歩に よ り、CPU
、 メモ リ、O
Sと い った、独立 した計算機 として必要 な機能 を一通 り装備 した機器が、 ユーザの手元 (デス ク トップ 等) に置 くことができる程度 に小型化 し、 また低 価格 にな った。 さらに 製造、 流通 での 位置付け が、 プ ロユース向け或 は産業用機器か ら、 民生用 機 器- と変化 し、価格、性能、信頼性 の点 での優 位性 を確保 し、 これが ネ ッ トワー クで接続 され る ことに よ り、情報 システ ムの基本的形態 を図1(a) か ら(b)の形 に変 えたo コンピューテ ィングは大型 計算機室 のアカウン トを持つ一部の専門家か ら、 一般 ユーザの手に開放 され、 ユーザは、個人や小 組織 (部、課、室な ど)単位 で 自分 の システムを 自律的に構築 し、運営す ることがで きるよ うにな った。 2.2.2.オープ ンシステム 計算機 の構成要素を互 いに組み合わせ て利用可 4)それでも足 りなくて 「秒進分歩」だと言 う人もい る。その一方で本当に進歩 しているのかどうか疑 わ しい面もあるが、少なくとも 「変化」の速さは 非常に速いといっていい。 5)実際には同時期にUNI
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ワークステーション(主 に技術者向け ;以下 EWS と呼ぶ)が現れ て お り、 EWSとPCの両者が牽引してこの傾 向 を 作ったと言えるのだが、ここではその歴史を詳細 に見ることはしないo能 にす るために必要な情報 (イ ンタフ ェ ー ス 条 件)が公開 され、或は規格 として文書化 され るこ とが、業界 の慣習 として定着 した。 これに よ り、 ユーザが異な るメ-カの製品同士 を組み合わせ て システ ムを構築す ることが可能 にな ったO オープ ンでない システムの場合、本体 としてA社 の製品 Ⅹを決定す ると、 ソフ ト、 周辺機器、 ネ ッ トワー ク等すべ てA社 のⅩ用 しか使えず、即 ちユーザの 選択肢 は極め て狭 い (価格、性能、機能 の点 で不 利 であ ることが多い)訳だが、 オ ープンシステム においてほ、 ユーザは市場 の中か らかな り自由に 構成要素の選択 を行 うことがで きる。
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システムの寿命
3.1.陳腐化 前述 の変化 は、主 として供給側 のペ ースで行わ れ てきている。一方 の需要側は、必ず しもそのペ ースに律義 に追従 しなければいけない 訳 で は な い。 あ る時点 で入手可能 な技術 と製品をベースに ユーザのニーズにあ った シス テムを構築 し、継続 して利用 して行けばいい、 とい う理屈 は 成 り立つ。
しか し、現実にはそ うはいかない。 プ ログラム な しでは何 の役に も立たない不完全 な機械 として 生 を受けた計算機 は、その歴史を引 きず ってか、 なにが しかの不完全 さを常に抱 えた まま、 またそ れ を市場に容認 されなが ら発展 し、今 日に至 って い る。 つ ま り、 どの時点 を とって も、計算機 シス テ ムは どこか不完全な システムであ り6)、常 に そ の補修 ・改善 を (利用 の現場 において も、供給側 において も) 行 ない、完全 な ものに近づけてい く 必要があ る。 いや、 それ以前にそ もそ も何 を もっ て完全 と見なす ことがで きるか、 その基準その も のが、技術や市場 の変化に伴 って変わ って行 くも のであ る。特 に大学 の場合、社会 の要請に答 え ら れ る情報技術 の習得機会の提供 とい う課題 を抱 え てい る訳 で、従 って、大学に とっての そ の 基 準(
「望 ましい情報 システム像」 とで も呼ぶべ きか) は、常 に社会 の要請 に対 して相対的な位置関係で シフ トしてい く傾 向があ る。 6)計算機を始め昨今の電子技術はユ-ザをベータテ スタに利用 しながら発達 してきているとも言われ ている。 その望 ましい情報 システム像 と、 使用中の シス テムとのギ ャップは、放 ってお くと時間の経過 と 共に大 き くな ってい くO それが あ る程度を超 え る と、 その時 システムは 「陳腐化」 した と 呼 ば れ る。 この 「陳腐化」は、機器 の汚れ、 傷み、老朽 化 とい った物理的 な老化 とは別 の ものであ る。 シ ステムの物理 的 な寿命 でな く、 いわば論理的な寿 命 であ る。 陳腐 化 の程度が激 し くな ると、 ・システムが役に立たない ・ユーザが利用す ることを苦痛に感 じる ・ユーザが使 う喜びを感 じられ ない (業務 シス テムでな く教育 システムの場合、 これ も無視 できない要素 であ る) ・上記 の補修 ・改善の コス トが極めて割高 とい った間者が生 じるよ うにな る。 陳腐化 した シ ステムは生物 (せ いぶつ)
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に愉 え ると成長 と新 陳代謝が停止 した状態だ と言 え る。 システムの陳腐化は、概 ね以下 の よ うな順序 で 発生す る。 (1) 心理的陳腐化 :当該 メーカの製品の世代交代 に よ り、 システム導入時は最新型 だ った機種 が 旧型、 旧々型にな り、現在売 り出 し中の システ ムに比べ て 「見劣 り」す るよ うに ユーザが感 じ 始め る。 (2) 性能的陳腐化 :新型機種に比べてスピー ドや 記憶容量等 の点 で不足 し、 ユーザが待 ち時間や 不便 さを意識す るよ うにな る。 (3) 費用的陳腐化 :新型機種 で提供可 能 な 機 能 を、現 システム上 でユーザに提供 で きるよ う、 現 システ ムを補修す るとした場合 に、非常に コ ス トがかか るよ うにな る (場合に よっては新型 機種 に買香 え る方が安価であ る場合 もあ る)。 (4) 機能的陳腐化 :メーカに よるサポー トが停止 された り、現機種に対応可能 な ソフ トウェアや 周辺機器が提供 され な くな り、補修 ・改善 の道 が閉 ざされ る (袋小路状態に陥 る)。 この(3)、(4)の状態にな ると、機器 の老朽化や、 組織 に よっては減価償却 を待たず して、機器の更 新 を必要 とす るよ うにな る。 ちなみに、本学 の旧 7)ナマモノと読んでもかまわない。実際、筆者は情 報システムをナマモノと考えて扱っている。218 長野大学紀要 第16巻第4号 1995 システム8)は、 情報学科設立時 よ り約6年強に渡 って利用に供 され ていたが、やは り更新準備開始 頃にはす でにそ うい う状況にあ った。 3.2.設計時の 目標 機器 の更新 とは、別 の言い方 をすれば「買替え」 であ るが、通常、一応は動いてい るシステムを停 止、撤去 し、その後 のスペ ースに新 しい システム を構築す るとい う順序にな り (部屋 の移転 を伴 う 幸運 な ケースを除 く) さらに、 システムの (使い 方等 の)変化に ユーザが適応す るための時間 も必 要 とす る。大学 の教育 システムの場合は利用度が 大幅低下す る期間 (春季、夏期 の両休暇)があ る のが救 いではあ るが (勿論充分な時間 とは とて も 言 えないが)、 学生や教 員に与 え る混乱 の 大 きさ や、物 品廃棄に よる環境-の負荷 とい う倫理的問 題等を考 えると、 こ うい う作業はで きるだけ避け るのが望 ましい。そのためには、 システム使用期 間中は、補修 ・改善 を継続的に実施 してい くこと に よ り、一 回の混乱を小 さい ものにす る と と も に、 システムの論理的延命 を図 ることが必要 であ る。 また、構築時には、 陳腐化 しない システムを設 計す る必要があ る。 と口で言 うのは簡単だが、 こ れ は即 ち未来予知せ よとい う意味であ り、実際に は不可能 な話 である。論理的寿命を5- 7年 と考 え るとして、 5- 7年前に今の状況が予測可能だ ったか ど うかを思い返せば納得 で き る だ ろ う。 (筆者は当時、 5-10年 のスパ ソで未来を考 え る ことを生業 とす るよ うな組織に所属 していたのだ が、昨今の状況は筆者に とって も 「驚 き」 で しか ない)。 従 って、 極 力 「陳腐化 しな さそ うな」設 8)実際にはこれがさらに進行した状況として、 (5)維持運用のための年間コス トだけで、同程度 の能力の新 しい機種購入費用を上回 る額 に な る。 (6) 効能 (金額換算) と処理費用 (廃棄等)を比 べると後者の方が高額になる (このとき、かつ て 「資産」だったものは 「含み負債」に化ける ことになる). といった状況も発生 している。 しかし、だからと いって旧機種購入時点において、それが大きな失 敗だったという訳ではない。寧ろこれは情報シス テムの未来を予測することの難 しさを示す1つの エピソー ドだと考えるべきだろ う。 計 をす るよう努め ることが設計者 ので きるせいぜ いの ことであ る (筆者 の選択 の結果は、 その 5-7年後に判明す るのだろ う)。 その際にポイ ン トにな るのは、恐 らく互換性 の 問題 であろ う。例 えばあ る ソフ トウェアが横能的 に不足或 は問題があ り、 それが改善 された新 しい 版が入手可能だ として も、それが現在 あ る-ー ド ウェア上 で動作 させ ることがで きなければ、その ソフ トウェアの問題 は解決 され な く な る。 つ ま り、 今後長期に渡 って利用 され、 また、市場 にお いて対応製品が供給 され続け る見通 しの高い、規 格や プラ ッ トフ ォームを選択す ることが肝要 だ と 言 え る。 ただ,それは概 して最新 の技術、規格、 或は製品であ ることが多いが、徒 らに最新 の もの に こだわ って選ぶ ことの危険性に も注意が必要 で あ る。 それは費用の点で割高 であ った り、導入時 の トラブルが発生 しやすか った りす る。場合に よ っては 「枯れた」技術を採用す るのが得策 である こともあ り、 このバ ランスが設計者 の悩み所 であ ろ う。 3.3.
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e の場合 上記に関 し、筆者が設計者 として設定 した指針 を本節 に示すO大学 の広報記事等においては、 ・マルチメデ ィアの時代に対応 ・最先端 のテ クノ ロジー とい った一般受けす る (専門家には意味不 明の感 もあ る)華やかなキ ャッチフ レーズが並べ られ る 傾 向があ るが、 デザイナーの立場 か ら、是非鑑賞 して頂 きたい と感 じるのは、本節 の よ うな微妙な 部分についてであ る。 なお、大学 システムの規模にな ると、構築その ものにかな り時間がかか る。 その上、設 計等の準 備作業に多 くの時間 を さいた場合、 システムが供 用開始す ぐに (或は前 に)心理的陳腐化 してしま う等 の心配 もあ る。 従 って、本節に挙 げ た 以 外 に、設計者 が情報収集や意志決定 を迅速 にで きる よ うな体制 を作 ること等、組織 として配慮すべ き 事項 もあ ると思われ る。 ただ し筆者はその配慮 の 恩恵に預か る側 の立場 であ ったため、 これについ ては詳 し くほ書けない。 3.3.1.標準品の採用1社 の独 自規格の ものを極力排除 し、国際規格 や業界標準 として多数 の メーカの支持 を受 けてい るものを採用す る。そ うでない場合 で も、 内部情 報 が公開 され、或 は互換品 メーカが存 在 す る な ど、協調的競争状態にあ るものを採用す る。概 し て こ うい った規格や製品の寿命が長 い こ と、 ま た、技術情報や補修部品の入手において も有利 で あ ることがその理 由であ る。 メーカの独 自規格 の 製 品 (いわゆ るオ フコソ周辺に.多い) を購入 して 非互換性 の民には ま り、後 の拡張 に苦労す るユー ザの例を、筆者は過去に (残念な こと に 現 在 で ち)見 てきてお り、 この点については厳 し く警戒 してい る。 情報 システムの世界はボーダ レス化が進 んでお り、従 って 日本だけでな く国際的に認知 され てい るものを優先的に採用す る。但 し、漢字を扱 う頻 度が高い こと、 また、 マニュアルや メ ッセージが 日本語 で読め ることが望 ましい等 の事情 もあ り、 すべ て この基準通 りにはいかないが、 そ の 場 合 は、単 な る 「日本語化」 でな く 「国際化」 の一貫 としての 日本語化9)であ ることが望 ましい。
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バス的部分での賛沢 情報 システムを図2の ような 2階層のバス構造 と考 え、 この2つの階層におけ るバスに相当す る 部分には、現時点 ではオーバ ースペ ックであ るが 賛沢な ものを採用す る。即 ち、計算磯 のバスの規 格 としては3
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バ スを持つ ことを条件 とす る。 ただ し、1
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バ スも今 の システムを構築 す るためには不可欠 であ り、従 って両方 のバスの 併用が必要にな る。実際にはEI
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バスは 構造的にI
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バスを兼ねてい るが、VL
バスは 実質的に ビデオボー ド専用に近 いため、具体的に は、EI
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またはPCI
が候補 とな るが、速度や将 来性 の点か ら、本命はPCI
だ と考 え られ る10)。ま た、 ネ ッ トワー クの伝送媒体 として次 の技術に対 9)ワープロ等の自然言語関連 ソフ トにまでこの基準 を適用してしまっていることについては議論の余 地があるだろ うが、5.3節脚注の事項も考慮すべ きだろう。 10)仕様書 リリース時点でクライアント機向けの適切 な価格のPCI
磯が国内でまだ どこからもアナウ ンスされていなかったため、この条件を盛 り込む ことは実は大きな冒険であった。CPI
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メモリ 図 2 2階層のパス構造 応 可能 な ものを用い る。建屋 内は カテ ゴ リ5の UTP、建屋間は芯数に余裕 を持たせた光 ケ ー ブ ルを敷設す る。 この2つ のバス的部分は、陳腐化 した時 の影響 が大 き く、従 って、論理的に長寿 であ ることが望 まれ る部分であ ることがその理 由であ る。匿体 内 バスを新 しい規格に変更す る とい うことは、それ に直接接続す る部品がすべ て役に立たな くな る訳 で、 それは即 ち計算機機本体 を まるごと買替え る ことに等 し くな る、影響 の大 きい部分 であ り、 ま た、 ケープ リングの更新 の場合は、大掛か りな撤 去及び敷設工事 を必要 とす るか らである。3
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周辺部分 での 日和見 前項 とは逆 に、寿命に関 して要求 の低い部分に ついては3
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1
項 の規格条件は考慮す るものの、 新 しい ものには こだわ らない こととす る。仕様書 作成時点 です でに次 の世代 の ものが出荷或 は発表 され ていた もの として、OS(WindowsNT竿)、 ネ ッ トワー クの方式(
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やATM)、 MPU (Pentium等) とい った ものがあ るが、仕 様書にはそれ を条件 として書かず、選択 を業者に 任せ る (業者は経済的条件お よび 自社 での技術蓄 積状況 と今後 の展開方針等 を総合判断 して決定す ることにな るだろ う)。 概ね、 以下 の何れかに該 当す るものに関 しては、 日和見す ることとす る。 a) モジュール化 された構成要素 の1つ で、前述 のバス的位 置にな く、従 って、 陳腐化 した とし て も、その該 当部分 だけの更新 が可能 で、他へ の影響が少ない もの。 b)サ ーバ磯や ネ ッ トワーク機器等、全体 での台 数が少ないため、少 ない コス トで更新が可能 な220 長野大学紀要 第16巻第4号 1995 もの。 C)現在 ホ ッ トな分野 で、製品の ライフサイ クル が短 く、 この先短い期 間で大 き く変わ ることが 予想 され、 どのみち
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年以上先 の見通 しが 立ちそ うにない (従 って、 これは比較的早期に 陳腐化す ることを覚悟す るしかない) もの。3
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デ ィスプ レイの賓沢11) デ ィスプ レイに関 しては、一般用途 (即 ちCAD 等 の特殊用途 でない) では現時点 では最高 レベル の もの (17inch、水平解像度 (NI)1280dot)を条 件 とす る。 これ は、前項 の3条件について、以下 の よ うにいずれ も該 当 しないか らであ る。 a) キジ ュ-ル化 され てお らず、交換す る とした らデ ィスプ レイ まるご とにな る。 b) ユ-ザ磯 の台数分必要。 C)下記 の ことか ら、今後 の変化は緩やかにな る と予想 され る。 1.CRT その ものが技術的に 成熟 してきてお り、性能的に も限界に近い。2
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今後、解像度が上が る場合 (縦横 とも上が るとして)、伝送周波数等に関す る性能 要 求 は解像度上昇の2乗に比例 して上昇す ること にな り、技術的には困難が大 きい。 3.17inehでは、現在の解像度を超 えても、人 間の視力の方がそれを活か しきれない し、 日 本のオフィス事情や住宅事情 を考 える とそれ 以上 のサイ ズの ものが普及す ることも考 え ら れない。 現時点 ではCRT 以外の技術の採用は実質的に 考 え られないが、他 の分野 での表示技術 の開発は 現在 ホ ッ トに行われ てい る。従 って、今回導入す るCRT が将来撤去 され る時は、次に この場所に 置かれ るものは、 CRT 以外 の何か (液 晶等 のフ ラ ッ ト型 か、 でなければ立体映像か) であろ う。4
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調達方法の開法 4.1. よくある落 とし穴 第2章に述べた ような変化に よ り、情報 システ ムに関 してユーザの 自由度 と権限は飛躍的に増大 した。知識 を持つ ユーザは、 自分 で情報 システム を構築、運営す ることができる、 そ うい う時代に な った。 これは基本的には、望 ましい こと、 であ る。 しか し、 多 くの分野において 「技術」が陥 り やす い落 とし穴があ る。実際には技術 の側だけに 責任があ る訳 ではな く、 その技術 を取 り込 んだ社 会 の方 か らの圧力が直接 の原因になる の だ ろ う が、 ともか く、 「
○
○す ることが可能」 にな った 後、短 い期間の うちに「
○
○す るしかない」 とい う状況が作 り出 され て しま うこ とが往 々に してあ る。つ ま り「
○
○す る」以外の選択肢 が消失 して しま うのである。 例 えば、我 々の身近 で (特に地方 では)、 自 家 用 自動車 の普及に よ り公共交通網が破壊 され、 自 動車以外の移動手段が失われ つ つ あ る (この場 合、○
○ には 「移動手段 の自己調達」が入 る) な ど、 こ うい った現象は我 々の社会 では枚挙 に暇が ない12)。計算機 の場合 で も、 自分 で構築や管理が 可能 を通 り超 して、 自分 でや るしかない とい う状 況が発生 しがちであ る。 4.2. システム管理者 の状況 大型機 の時代には、計算機は高価な も の で あ り、 それを購入(或は リース等)してしまった ら、 それを最大限に活用 して元 を取 る必要があ り、そ のための (一般 にセ ンター と呼ばれ る)担 当部門 が用意 された。現在、 それ らは必ず しも必要では ない。 そのため、担 当部門は用意 され ない ことが 多い。「
『必要』 でな くな った ことは行われ ない」 とい う法則があ るのか も知れない。或 は、 パ ソコ ンを買 って並べれば システ ムができる、 と思い込 んでい る組織管理者が多いのか も知 れ な い。 現 在、 多 くの組織において、計算棟や ネ ッ トワー ク の世話 を してい るのは、専門職 でな く、(大 学 で は研究者や事務職 員な ど)自分の本来 の仕事 を持 つ少数 の個人に よるボ ランテ ィアであ る13)。作業 は業務時間内に行 うとして も、それを支 える調査 ll)この部分は、業者決定後の仕様変更により要求レ ベルを若干上げた部分であるが、画面寸法や解像 度については仕様書段階で決定 していた。 12)情報技術もこうい う危険性を多分には らん で お り、関係者の一人として、この種の現象に目を離 す訳にいかないし、いずれこれについてもじっく り調査 してみたいと考えている。 13)経験則によれば、 この人 選 は、 関数 f( 人)-(関連知識 ×好奇心)
/
(役職位×押 しの強さ) で 決まるようである。活動 (一種 のシ ャ ドウワー クだろ うか) は個人 の 時間に行われ、 ペイ されない場合が多い (大学に よっては院生 の活力な ども利用 されてい るが、そ れ とて概 して彼 らの研究 テーマ外の雑用 であ る)。 勿論、 この活動はその個人に とって必ず しも不 利益 な ことではな く、活動 を通 じて得 ら れ る 知 識 とい うご利益 もあ る。つ ま り勉強にな るのであ る (筆者に とって もそ うであ った)。 ただ、 この 勉強には、学校制度 の持つ最 も巧みな しかけであ る 「卒業」が用意 され ていない、 これが問題 であ ろ う。 彼 らは (筆者 も)運 よく後任が見つか るま で この業務か ら解放 され ることがないのが常 であ るO計算機 の世話 をす る仕事 (計算機 ユーザの世 話 をす る仕事 で もあ る) は、決 してな く な ら な い。寧 ろ、多 くの場合増大す る傾 向があ る。 パ ソ コンの時代にな って十年余 り、 ボ ランテ ィアが ボ ランテ ィアでい ることに疲れ始め てい る14)0 4.3.サ ービスのア ンバ ン ド1)ソグ 充分な ボランテ ィア要員 を確保 でき な い 組 織 は、供給側 (メーカや販売店) のサポー トをあて にす る。機械 を買 うと、 オマケ としてついて くる 技術者が面倒 をみて くれ る、 とい う考 え方 がかつ ては成 り立 っていて、供給側 もその要求に応 え る 体制 を作 ることがで きていた。 -- ドウェアが高 価 であ るため、サ ポー ト等 のサ ー ビスにかか る経 費はそ の中に吸収 して しま うことがで きたか らで あ る。 ダウンサイジ ング時代には、 そ うはいかない。 -- ドウェアの低価格化 と人件費 の (相対的)高 額化に よ り、 コス トの大小関係が、 ハ ー ド > ソフ ト > サ ー ビス か ら ハ ー ド < ソフ ト < サ ー ビス に逆転 してしまってい るか らであ る。約
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年前 か ら、狭義 のプ pグラム製品 としての ソフ トウェア (ここでは狭義 の ソフ トウェアに限 って ソフ トと 略記す る) のア ンバ ン ドリング (-- ドウェアの オマケでな くな ること) が始 ま り、す でに定着 し てい るが、 さらに今、運用、サ ポー トとい った広 14)これは組織管理者が考慮すべき問題で、一介の設 計担当者がなかなか口出しできない領 域 な のだ が。 義 の (プ T=グラムに限定 しない) ソフ トウェア も 別建 ての価格を持 と うとしてい る。 しか し、 ど うや ら現在、購入者側が明確 にそれ を意識す るにはまだ至 っていない とい うのが実状 の よ うであ る。機器調達にあた ってほ、今 で もそ の仕様書に、形 のあ るもの (- - ドや ソ フ ト製 品) の名称が並ぶ ことが多 い。 これは、供給側 か ら提供 され る情報 (カタ ログ等) の方 にまだ不充 分 な点があ るの も一 因だ ろ うが。いずれにせ よ、 システムを構築 (次節に述べ る) した り管理 した りす るのに必要な (手間等 の) コス トは、末端供 給者 の出血サ ー ビス と、 ユーザ側 ボ ランテ ィアに よって吸収 され ることに よ り、 かろ うじて システ ムが成 り立 ってい る状態 とい っていいだ ろ う。 こ れ もそろそろ限界に近 い。我 々は次 の方法 を探 ら なければな らない。 なお、本章 では ダウンサイジ ング+オープ ンシ ステム とい う方 向- の動 きの結果 として生 じた問 題点 を幾つか指摘 しているが、 この方 向が間違 い だ った と言いたい訳 ではない。計算機及びそれに 関す る情報 を 自由に入手 し使用 で きるよ うにな っ た。 これは大 きな進歩 であ り、 かつ ての よ うに少 数 の大企業 の内部に情報が集 中 し隠蔽 された状態 には、決 して戻 るべ きではない。本稿は,現在 の 状態を乗 り越 えてさ らに前に進む ことの必要性 を 主題 に してい るのであ る。 4.4.イ ンテ グレーシ ョン オープ ンシステム とは、 マルチベ ンダーに よる システムの ことで もあ る0 - - ドメーカ とソフ ト ペ ソダの住み分けや、専業化が進 んでお り15)、一 社 の製品で システムを構築す ることは不可能にな ってきた (前述 の法則が ここで もあては ま る)0 複数 の メーカの製品を組み合わせ てシステムを構 築す る必要があ り、 ここに以下 の よ うな 「システ ムイ ンテ グレーシ ョン」 に属す る仕事 が発生す る 訳 であ る。 ・市場に提供 され る豊富 な製品群か ら目的 シス テムに最適 の ものを選 び出す (選択肢 が幅広 い とい う利点は、残念なが らこの作業が膨大 15)OEM等により幅広い製品ラインナップを持つメ ーカもあるが、そ うなるともはや商社 と呼んでも 誤 りではない。222 長野大学紀要 第16巻第 4号 1995 であ るとい う欠点に もつなが る)0 ・それ ら相互間の適合性 の確認。 ・納期 の調整や、 ケーブル煤 の手配等 の準備作 業。 ・トラブル発生時に障害 の切分け と該 当 メーカ ーへ の連絡。 これは作業量 を増大 させ るだけでな く、計算機、 ソフ ト、 デバイス、 ネ ッ トワー ク、及び (教室 シ ステムの場合)映像技術 とい った、複数 の領域に またが る広 くかつ深 い知識を必要 とす る。 また、 同 じ規格やイ ンタフェースに基づ く製品相互間に おいて も、相性 の よ うな ものが存在 し、性能低下 や不適合が生 じるケースもあ り、 こ うい った 1)ス クも誰かが背負 う必要がある。 ユーザ組織 の 中 で 生 半 可 な知識 を 持 つ 者 が SE の真似事を して、 製品名や部品名を並べた仕 様書を書いて物 品購入をす ることが、盛 んに行わ れ てい るが (筆者 もよくや った)、 そ の結果、 相 互接続がで きないだのアダプタの型番が達 うだの とい う不適合を発生 させ てしま うことが (マルチ ベ ンダーでな くて も)往 々に してあ る. こ の 場 合、 ユーザは どこに も責任を とらせ ることができ ない。販売業者に 「泣 きつ く」 か 「泣 かせ る」か 自らが 「泣 き寝入 り」す るか、 いずれに して もど こかに損失や摩擦が発生す る。 この リス クは、 ユ ーザ側 で背負 うべ きではないだろ う。 こ うい った作業 と リス ク、及び前項 のサ ー ビス とい った、広義 の ソフ トウェア全般を請 け負 うビ ジネスとして、 いわゆ る
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I(システムイ ンテ グレ ータ16)がある.我 々ユーザ ー組織 の者 が、 これ ま で本章 で述べ て きた問題 を解決或 は回避す るため には、S
Iに よる (商品 としての)サ ー ビスを活用 す ること (及び、活用 のしかたを覚 え て い く こ と)が最 も適切だろ う。 勿論、 ユーザ側が勝手に選定 し、或 は調達 した 個別 の機器や部品に関 して、無制限にS
Iがサポ ー トして くれ る訳 ではないO サ ー ビスのみの ビジ ネスはなかなか成立 させに くい17)し、それぞれ のS
I毎に、 取 り扱 い技術 の範囲や メーカとの パイ 16)通産省による認定制度があるが、ここでのSIは、 認定 SIに限ってはおらず、インテグレーション に痛するサ-ビスをビジネスとする業者全般を指 す。 プの太 さ等 の、得 手不得手があ る。従 って、無用 な リス クや摩擦、或は人材の疲弊 を減 らし、健全 な システ ム構築を進め るためには、商品の調達や さらには可能 な限 り選択 も含め て、 で きるだけ一 括 で発注す ることが、人的資源 の乏 しい組織に と っての (少な くとも現場 か らの視点では)最 良の 策 とい うことにな るだろ う。 こ うした ことを考慮 して、
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e では、個別 の製品の調達 や メーカー との直接取 り引 きを避 け、商談 の対象 をS
I業者 に限定 し、一括発注 の方 向で仕様書を 作成 した18). これに加 えて、本学 の よ うな地方大学 では、情 報関連技術の地域格差に も気を配 る必要があ るだ ろ う0 -- ドウェア製造やパ ッケージ ソフ ト開発 においてほ、例 えば信州地区に も優れた技術蓄積 があ る19)が、 イ ンテ グレーシ ョンに関 る情報 の豊 か さや技術者 の層の厚 さにおいてほ、残念なが ら 東京等 の大都市圏 と地方 との間に大 きな格差があ る。 だか らとい って首都圏の SI業者 にすべ てを 香 ることは (当面 の リス ク回避 にはな る だ ろ う が)、 必ず しも得策 ではない。 次年度以降のサポ ー トにかか るコス ト増 (技術者 の交通費や交通時 間 も大抵 こち らの負担にな る) の こともあ るし、 また、地域経済 に とっての損失 で もあ る。大学 の 人間 としてほ、寧 ろ、地域にS
I業者を育 ててい くとい う気概 を持つ ことも必要 だろ う。 4.5.機能を購入す る 4.5.1.発想の転換 我 々が何 のために システムを導入す るのかを改 めて確認 してお こ う。 それは、 実習室に横根を並 べたいためではない (大学 の客寄せ看板 としてそ の意味はゼ ロではないが)。実習 をす るため で あ る。実習のための ソフ トウェアが健全に動作す る こと、が本筋 であ る。我 々が欲 しいのはモ ノでな 17)実際、 SI業者もまだ-- ドウェア中心の見寮香 しか書けないでいることが多いのだが、これは発 注者受注者双方のこれからの課題 とい うことだろ う。 18)現実には映像揖示系等に関する技術的及び価格的 な見通 しを付ける作業が遅れたため、一部のサブ システムについては別途発注となった。 19)実際、県内で開発或は製造された製品が、結果的 にJ陀
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丘 に数多 く使われている。く機能なのであ る。或は、コンピュータではな く、 コンピューテ ィ ングであ る。結果的にはモ ノが設 置 され て しま うにせ よ、我 々の要求は、極論すれ ば、機能 さえ達成 され るのであれば、 匿体 の中に
CPU
や デ ィス クでな く妖精 さんが入 っ て い る と い うものだ って構わない訳 である。 に も拘 らず我 々は、 システム導入に関 る取 引に 関 して、「買い物」 とか 「物 品購入」とい った言葉 を使 う。我 々の求め るものはモ ノではな くコ トな のだが、 こ うい った言葉使いは我 々の発想転換を 妨 げ る傾 向があ る乞0)。これか らは例 えば 「買い事」 とい う言葉を使 ってい くのが適切か も知れない。4
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実現におけ る選択肢 プ ログラ ミン グの世 界 で は、"There'smore thanonewaytodoit."〔2〕とい うよ うな言葉21) が よく使われ る。 1つの 目的を実現す るために方 法 は幾通 りもあ る、 とい う意味 である22)。 これは 情報 システムの構築において も広 くあては まる、 のみな らず、 あ る機能 を実現 (イ ンプ リメ ン ト) す るために、 -- ドを使 うか、 ソフ トを使 うか、 或は場合に よってはそ うい った仕掛けを使わずに 人力で行 うか、 とい った、異な る形態に渡 った選 択肢が存在す る。特に最近 はエ ミュレーシ ョン技 術が発達 し、 ある計算機 が ソフ トウ エアに より別 の種類 の機械 の 「ふ り」を した り (端末やO
Sの エ ミュレーシ ョン)、 あ る装置や回路(
FPU
、 デ ィス ク等) を内蔵 してい るよ うに 「見せかけ」た りす ることがで きる。 この うち どれを選 び組み合 わせ るかほ、性能や スペ ース、 コス トとい った条 件を勘案 して総合的に判断す ることにな るO こ う な るとも うデ ィレッタソ トの手には負えない。4
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仕様書 の記述 こ うした ことか ら、 JrZJ■舟JrCe では、機 能に関す る要件を仕様書に網羅す ることに重点を 20)多 くの 「図書館」が情報電子化の時代になっても ペーパーメディア専業からなかなか脱却できない のも、多分にその名称に自己規定されてしまって いるからであろ う。 21)恐らくこの分野に限らず適用される真 理 だ ろ う が。2
2
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例えば教育の現場ではこの事実を忘れ が ち で あ る。自戒 しておきたい。 置 き、 これを個 々の技術や製品 とい ったイ ンプ リ メ ンテーシ ョンの レベルに ブ レー クダウン (具体 化) した記述は極力避けた。つ ま り、製品名を羅 列 した ものでない仕様書を 目指 した。実際、特定 の メーカ-名や製品名に関す る言及は少な く、 そ の代 りに規格 の名称や焼能的条件に関す る記述が 多 い (その結果 として長 い文書にな った訳 だが) のが この仕様書の特徴だろ う。 ただ し、機能 を羅 列す るよ りも特定 の製品名を挙げ て、「
○
○ の よ うな機能」
「△△相当品」と書 く方が (書 く側に も 読む側に も) 手 っ取 り早 い場合は多 く、そ うい う 記述を行な った箇所 もあ る。実際、我 々は情報 シ ステムのイ メージを (needsでな く)seedsの側 か ら (つ ま り実際に市場 にある商品を もとに)形 成 して行 く慣 向はかな りあ り、従 って、筆者 の作 業 も、要求か ら製品へ の ブ レー クダウンを省略 し た とい うよりは、製品群か らのイ メージを要求事 項 の形 に再構成す る、抽象化 の方 向での作業を余 分に行な った、 とい うのに近 い。4
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性能条件 この作業に より機能要求は記述す ることができ たが、一方 の性能要求に関 しては、そ の条件を具 体的に記述す るこ とは非常に困難 であ った。性能 に関す る我 々の要求 は、要約すれば 「あ らゆ る場 面 で (待 ち時間等 の)支障な く使 えること」 であ るが、 どの程度 を以 って支障 と見 なす かは主観的 な領域 である。 (後述 の よ うに)取引の条件 に 使 う場合には、客観的な数字 を必要 とす る。 また、 その 「あ らゆ る場合」 につ いて性能を検証す るこ とは、納入側に とって も発注側 に とって も不可能 であ る。 かつ て、 計算機 の性能がほぼCPU
の能力で決 定 していた頃があ った。計算機 を文字通 り 「計算 機」 として (即ちCPU
が主役 とな る用途 で)使 っていたか らであ り、 また、一社 で計算機全体を 設計 ・製造す るため、CPU
性能 を 殺 さない トー タルな設計が可能 だ ったか らであ る。そ のため、CPU
性能 を数値化す る指標 (ベ ンチマー ク)は古 くか ら用意 され てお り、 これを条件 として記述す れば事足 りた。現在、計算機 の多 くの用途 におい て、CPU
は性能決定要因ではない。 メモ リ、 バ ス、 デ ィス ク等 の様 々な箇所 で性能的な ネ ックが224 長野大学紀要 第16巻第4号 1995 生 じ得 る。 そのため、 これ らを含めた計算機 の総 合性能 を数値化す る指標 も最近 は使わ れ つ つ あ る。 ただ、それ らは まだ単体計算機 を対象 とした も のであ る。 ネ ッ トワー クがボ トルネ ックにな るケ ースは、 まだ さほ ど考慮 され てお らず、 ネ ッ トワ ー クシステム全体 の性能指標 は、 まだ まだ今後 の 課題 とい う状態 であ る。単体計算機 の場合 (シン グル プロセ ッサに限れば)、そ の構成は 「パ ス 構 造 のバ リエーシ ョン」 の一言 で括 ってしまえる、 あ る意味で単純 な ものだが、一方、 ネ ッ トワー ク の構成 (コンフ ィギ ュレーシ ョン) は、多種多様 で、つ ま り様 々な接続 の形が存在 し、 これが数値 化 を困難にす る一因だろ う。その上、多種多様 な 構成が可能 であ るゆえに、個 々の構成機器 の性能 を活 かす も殺す も構成次第 とな り、つ ま り、構成 の決め方 の巧拙 が システム全体 の性能に与 え る影 響 が大 きい。そ の意味で、 ネ ッ トワー ク の 構 成 が、 イ ンテ グ レーシ ョンの作業 の中で、現在最 も 難 しい問題 であろ う。 本章 で述べ て来た よ うに、筆者 は この問題 をユ ーザ側 で解かないス トラテジを とったO ネ ッ トワ ー クの方式、或はサ ーバの機種や台数 とい った具 体的な事項 は一切記述 していない。要は、性能的 に不足がなければ何 で もいい、 イ ンプ リメンテー シ ョンは
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Iに任せ まし ょうとい う姿勢 であ る。 しか し、次章に述べ るよ うに、L
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はそのネ ッ トワー クを中心に据 えた システムであ り、実際、 ネ ッ トワー クが全体 の性能を決め る可 能性が高い。 そのために有効な指標が用意 され て いない、 これが、非常に困 った所 で あ っ た。 ま た、性能条件を数値 として記述す るための現実的 な値を見積 るための、 目安 とな る経験値や参考資 料等 も、乏 しいのが現状 であ る。 筆者 は結局、 ユーザ機 の起動、 ソフ トウェアの 起動 とい った、待 ち時間の発生 しがちな典型的な ケースを想定 して、そ こでの待 ち時間の最大値 を 条件にす る、 とい う記述 を行な った。数値 として は、 パ ソコンを スタン ドア ロンで動作 させた場合 の経験値を もとに、それ よ りも心持ち甘 い数値23) を設定 した。 かな り略式 の指標 であるO このあた りの有効な方法論 を探す ことは、 デマ ン ドサイ ド の情報工学 の今後 の重要 な課題 であろ う。 4.6.設計 の過程 4.6.1.既製 品利用の原則 こ うして作成 された仕様書 は、機能的お よび性 能的な要求事項 を取 りま とめた形 の ものにな って いる。 しか し、 ユーザ側 で必要だ と思われ ること をただ書 き並べ るだけで仕様書が出来上 が る訳 で はない。問題 は実現可能性 であ る。仕様書に 「な い ものねだ り」 を書 く訳 にはいかない。情報 シス テムの場合、速度等 の性能に関 して非現実的な要 求 でなければ、必要に応 じて カスタムメー ドの ソ フ トや -- ドを利用す ることに よ り、大抵 の要求 は実現可能 であ り、 「ない もの」であ るケースは希 であ る。 しか し、 コス トとい う要件が加わ ると、 話 は別 であ る。仕様書 とは、 つ ま り 「ここに書か れた要求を満たす システム構築 を適 当な価格で請 負 って くれ る業者」 を募 る文書 であ る。適 当な価 格 での提案が出て こなければ、話が始 ま らない訳 であ る。 情報 システムの世界 では、 開発 コス トが製造 コ ス トに比べ格段 に大 き く (特 に ソフ トの場合は後 者ははばゼ ロである)従 って、既成晶 とカスタム メー ドでは、その コス トは (洋服 とは比較にな ら ない)桁違 いの差にな る.
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e では 約100台のユーザ機 を導入 したが、 この数字はユ ーザに とっては大 きな数字 で も、 開発側に とって は 「小 口(こ ぐち)」 である。他に大 きなマーケ ッ トが見込 まれ るケースでで もなければ (それな ら 我 々に要求 され る前に開発 を始 めてるだろ うし)、 開発側がその コス トを負担す る とは考 え られない か ら、従 って、 この コス トは、 開発時の リス クと 共に発注側 で負担す ることにな る。適切な価格を 望むな ら、余程 の ことがない限 り、 カスタムメー ドを使 うことは避 け るべ きであ る。 23)実際にはネットワーク経由のデ-タ転送の方が高 性能であることは珍しい話ではなく、また理屈か ら考えても当然なのだが、ここは筆者にも経験の 乏しい領域であ り、強気に出られなかった部分で ある (商談に関った業者のSE諸氏はそ うは思っ ていないだろ うが)0さ らに カスタムメー ドの場合、後 々の保守につ いて もユーザ側 で面倒を見なければな らない。勿 論、 ソース コー ド (ソフ トの場合)等 の技術情報 を 自 ら保持す ることに よ り、供給者 の営業方針に 影響 されずにその ソフ トを改良 していけ る自由度 は、 ユーザに とって魅力ではある. しか し、 それ だけの資金や マ ンパ ワーをユーザ側 で維持 で きる チ-スは希 であ り、特に ソフ トに関 しては、市場 で もまれてい る流通 ソフ トや、 フ リー ソフ トの類 の方が、着実に (かつ素早 く)進歩 してい る。 そ の分、 カスタムメー ドの ソフ トは、陳腐化す るの も早 く、 ゴ ミを作 り出 して しま う可能性 も高い。 自ら育 ててい く覚悟 と裏付けが ユーザ組織 の側に なければ、 割に合わない活動 である糾)O 結局、 今 の時代の情報 システム構築 の技術 とは、市販 の も のを組 み合わせ、使い こなす技術だ とい うことに な る25)
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ただ し、 これはユーザ側に とってはあま りに悲 しい結論 であ る。 ユーザの要求 と市場 に提供 され る製品群 との問には常にギ ャップが存在す る訳だ が、そのギ ャップに対 して、常にユ-ザ側 で折れ る (要求を撤 回す る) ことが求め られてい ること にな る。現在、価格面 においてほユーザが強い立 場 にな って来た ものの、 どんな製品が市場 に出る かに関 しては、 まだ まだ供給側主導 であ る。組織 を超 えたユーザ同士 のネ ッ トワー ク が 未 発 達乞6) で、消費者連盟的な共闘が行われてい な い こ と も、 その一因 であろ う。 これ もデマ ン ドサイ ドの 情報工学 の今後 の課題か も知れない。Jr
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e において も、適当な製品が現在 の市場 に存在 しないために仕様書- の掲載 を断念 せ ざるを得なか った要求事項 が多 々あ る。 その一 方 で (設計者 の意地 の よ うな もので)該 当製品や 24)プログラマが余っている、域は調査能力がない、 といった事情を隠して徒らにユーザにカスタムメ ー ドを薦めるSIには要注意である0 25)尤も、この結論は、 トップダウン (要求の側から ) とボ トムアップ (利用可能資源の側から) との 、 両方向からの事情の摺合わせが必要だ、とい う、 (特に分野を限定 しない)設計者の普通の発想法を 述べたにすぎないとも言えるのだが。 26)計算機の分野で現在あるユーザ相互間組織は、殆 どが特定のメーカや製品のユーザ会であり、 メー カ主導のもとに情報交換を行っている場 合 が 多 く、市場全体への働きか桝 まないといっていい。 前例がない ことは承知 の上 で要求 を貫徹す るとい う冒険を行 った項 目もあ る。 これは、 ユーザ主導 の情報 システム構築に 向けての1つの挑戦 とい う 意味を持 った ものであ った。 その主要項 目 (そ の 一部については、担 当 SIが苦 しみなが ら作業 し てお り現在未完 の項 目もある) については、次章 に報告す る。 4.6.2.情報源 前項 の原則に より、設計過程 は、市場 にあ る技 術 と製品の調査 か ら始 まる。調査すべ き内容 とし ては、技術お よび製品の動 向、各要素技術及び製 品の機能や価格、 問題点、 ユ-ザ事例、 今後 の方 向な どがあげ られ るO さ らに、それ らを組み合わ せた場合に発生す る可能性 のあ る問題等について も、設計に先立 って知 って置 く必要が あ るO この 調査 は、 ま ともに取 り組む と膨大な量 にな る.調 査手段 としては、実機 を操作 し検証す る、展示会 に出向 く、 雑誌や Internetか らの情報収集、電\ 話 に よる問い合わせ等 の方法が考 え られ、実際に 筆者 もこれ らの方法 を併用 した。 しか し、 これ では不足 であ る。手間の問題 と共 に、 メーカとの直接 のパイ プを持たない ことも、 ユーザ組織 の人間に とっては、 足伽 に な るO 実 際、製 品の価格に関す る情報 は (民生ル ー トが確 立 した一部商品を除いて)、 ユ-ザに 直接届 くこ とは少ない し、 (特に ソフ ト等につ い て)流通 の 都合や方針に よって、 かな り変動幅が激 し く、 ユ ーザの手におえない額域 で あ る。 し た が って、 SI等 の協力が、 調査段階か ら必要にな る。 す る と、そ の協力を どの SIに依頼す るか、 とい う問 題にな る。 4.6.3.決定 の プ ロセス ここに、依存関係 のル ープ (計算機科学乞7)では 「ブー トス トラ ップ問題」 として、或は我 々の身 近 では 「鶏 と卵」や「3
す くみ」 として知 られ る 問題) が、 以下 の よ うに2重 3重にな って発生す る (図 3)0
a)予算を決定す るためには業者か らの見積が必 27)蓄積プログラム型計算機の寮明期から存在する問 題なので、ここでは 「計算機科学」で正 しい(5. 3節参照)0226 長野大学紀要 第16巻第4号 1995 図 3 依存関係のループ 要。 ち)業者は予算に応 じた提案を出す ことを基本的 な仕事のパ ターンとしてい る場合が多い。 e)要求内容の取捨選択は、予算に合わせて行 う 必要がある。 d)業者を決定す るためには、仕様書 とそれに対 す る価格提示 とい う、公正な手順が必要 (私立 大学 では入札を義務付け られてはいないが、そ れに準 じた決定 プロセスが主観や コネの入 らな い最 も健全な方法だろ う)0 e)担当
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I業者 の方針や技量等に よって、要求 事項の実現可能性に も変動が生 じ得 る。 ∫)業者の (調査等の)サ ー ビスに も対価が必要 であ り、その依頼先は調査に先立 って決定 して い る必要があ る。 g)要求の確定のためには十分な調査が行われて い る必要があ る。 h)やみ くもに調査す るのでな く、要求事項に基 づいて調査範囲を絞 らない と効率が悪い。 この うち、い ったい どれか ら順に決定 していけ ばいいのか。勿論、 これほ どの組織 でも発生す る 問題であ る。L
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ZJ■AJrCe 準備段階においては、図4の手 順 を とった。 まず、最初に仮の要求事項 と仮の予 算を提示 した (これで図3の リンクaとhがルー プか ら外れ る)。 また、準備段階(担当 SI決定前) において、「商談に参加できることを条 件 に」 と い う、いわば交換条件を提示す ることに より (筆 者はその権限を持たないのだが、「各業者の 技 量 を評価す る」 とい う名 目をつけ ると話が通 ってし ま う)、複数 の業者に調査-の無償 の 協力 と仮見 図4 ループの解消 横の提出を依頼 した (これ で リンクfも外れた)0 これに より、話 しの順序関係を整理す ることがで きた。 3老 (市場を除 く) の間をオフ ィ シ ャ ル (または半オフィシャル) な情報が2周回 ること にな る。 ただ し、その結果、調査協力 と営業活動を兼ね た複数の業者が、個別に入れ代わ り立ち代わ り筆 者の所に出入 りす ることにな り、別 の苦労を背負 込む ことにはな った。 ここで協力依頼す る (また は参加を申出 る)業者の数がやた ら多い と、その 苦労は徒 らに増 え るし、 また、少ない場合には、 情報不足に陥 ることもさることなが ら、本番の商 談において (応札す るか ど うかは各業者の選択で あ るか ら)、適切な提案が 一件 も 振 出されない不 安が発生す る。か といって、業者 との応対を公開 説明会的に一括 で行 った場合には、重要な情報が こち ら側に流れ てこない可能性が大 きい。 こうい った雑事 と、 自分の業務をいかに両立 さ せ る か が、 ボランテ ィア管理者の悩みの種 である。 と同 時に、 このユーザ側の過程については整理 されて もお らず、 ノウ- ウの蓄積 もない、 この現状 もま た問題 であろ う。 なお、本章ではユーザ組織に とって の 課 題 を (俸そ うに)書いて釆たが、筆者 の作業がその 目 標を充分に達成 していると言明す るも の で は な い。本稿は筆者が 目標 とした方 向について述べて い る (それに対 して不充分だ った面は自ら多分に 感 じてい る) と共に、問題 の指摘 とユーザの結束 の呼び掛け も行なってい る訳であ る。5
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システムの基本的形態
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不確定性 教 育機 関におい ては、 前述 の 「卒 業」 とい う巧 み な しかけに よ り、利用者 の入替 えが (部分 的に して も)定期 的に行われ るのが特徴 で あ る。 ま た、 一般 的に 「自分 の席 がない」 の も特徴 であろ う。 これ は計算機 利用 に関す る話 であ るか ら、 大 学 に限 った状況 ではない。尤 も、小、中、高校 で各 教 室 に ワー クステ ー シ ョン (パ ソコンや端末 な ど ユ ーザが直接操作す るもの、 以下W
S と書 く) が配備 され る1人1台 の時代に で もなれ ば話 は別 であ るが。 つ ま り、 個 々のW
S は、 (時分 割で) 共有 され る とい うのが教育機 関 の システ ムの最大 の特徴 であ る。勿論、 会社 な どのオ フ ィスにおい て も、 1人1台のW
S 配備 でな く、 共有型 の シ ステ ム作 りを してい る所 は多 いだ ろ うが、 だ とし て もそ の共有 の範 囲はせいぜ い部や課 とい った狭 い範 囲に限 られ てお り、 それに比べ ると、教 育磯 関 では、 他に誰 が使 うのかわか らない、即 ち、 よ り匿名性 の高 い共有 が行われ る。 ここに、 2つ の 不確定性が発 生す る。 (1) (WSの側 か ら見 て)誰 が便 うかが不確定 (2)(ユーザ側 か ら見 て)どの WSを便 うかが 不確定 5.2.プ ログラムか らの訣別 ここでは2つ の意味 で 「プ ログラム」 とい う言 葉 を用いた。 いずれ も大学 の情報 システムを考 え るに あた って、 ともす れば これ らに縛 られ て しま いがちにな る古 い常識 であ る。 と同時 に、 ここか ら2つ の (一見) 相反す る要求事項 が導 かれ て も い る0 5.2.1.プ ログラ ミソグ 計算機 を使 うこ とは、 即 ち プ ログラムを作 るこ とであ るとい う時代 があ ったO 計算機 に対 して ユ ーザが許 され る唯一 の行為が、 プ ログラム (とデ ー タ と JCL)を 「イ ンプ ッ ト」す るこ と、 とい う時代 があ り、 また、 将来 プ ログラマ ーがⅩⅩ万 人不足す る と騒 がれ、教育機 関に プ ログラマ ー養 成 の期 待がかけ られ た時代 もあ った。 筆者 自身 も 計算機 とのつ きあいの入 口は プ ログラ ミン グだ っ た 。 しか し現在、様 々な既 成 ソフ トが利用可能 とな り、 自分 で (或 は 自社 で) プ ログラムを作 らな く とも計算椀 を役立 たせ ることは可能 であ り、 それ らを使 い こなす ため の技術や知識 (前 に も触れ た 広義 の ソフ トウ ェアであ る) の重要性 は高 ま って い るO これ は、 - - ドや ソフ トの供給 者側 お よび ユーザ側 の双方 につ い て、人材養成 の重要 な テ ー マであ るし、 教養 として も然 りであ る。 計 算 機 は、 プ ログラ ミン グの道 具 であ り対象 であ った訳 だが、 それ 以外 の用途 が これ までに数 多 く開拓 さ れ、 また今後 も限 りな く広が りつつ あ る。 だか らとい って筆者 は、 知 的活動 としての プ ロ グラ ミン グの意義 と必要性 を否定す る ものではな い。 ただ、我 々教壇 に立つ人 間が、 ともすれ ば 自 分が学 んだ時代 の感 覚そ の ままで、或 は計算機 の 用途 の多様化 の流れ に追随 し損 ね て、 ついつ い プ ログラ ミン グ偏重 の教程 作 りを して しまいが ちで あ る、 そ の危険性28)につ いては心 に留 め てお きた い。 なお、 この多様化 した用途 の中で、最 も注 目 すべ きは、通信網 を通 じて提供 され る様 々なサ ー ビスに対す る窓 口、 としての計算機 の役割 であろ う。計算政 は今や 1つ の メデ ィア29)であ り、 或 は 情報通信網 の 1部 品であ ると言 って もいい。 とす る とL
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丘 の主役は ネ ッ トワー クであ る。 そ の内部 でそ の様 々なサ ー ビスが運用 可能 で あ ること、 外部 のサ ー ビスが利用 で き (大学 であ るか らにはInternetア クセスは必須 で あ る)、 ま 28)第 3章の表現を用いれば、(教員や システム管 理 担当者における)「人の陳腐化」であろ う。 これ を防 ぐためにも、 システムの継続的構築は重要で ある。 29)メディアとは情報の発信受信両方の道具を意味す る言葉であるが、その発信側を ビジネスとして 目 論む業界の誘導なのか、世間では、 メディアとし ての計算機 としては、その受信側の機能だけ着 日 されて しまう傾向がある。そのため、情報発信の ための機器類 (主に入力機器等)の技術 と市場は まだ成熟 しておらず、その結果、スタ ー ト時 のL
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丘 も、予算 との兼ね合いもあ り、 残念ながら機能 としては受信側に偏 ったものにな らざるを得なかったO例えば音声データに関 して 言えば、音声入出力ボー ドとスピーカーまでは設 置できたものの、マイク (或は- ツドセ ット)の 設置や電話 システムとの融合 (いわゆるテレフォ ニ-)はできなかった。画像や映像についても同 じ様な状況である。228 長野大学紀要 第16巻第 4号 1995 た、 今後学 内で開始 され ることが予想 (期待) さ れ るサ ー ビス (図書館 や事務局) も利用 で きる必 要 が あ る。 さて、 こ うい う背景か ら、 システ ムは幅広い用 途 を提供す るものであ るこ とが要求 され てい る。 これ は、 ソフ トの豊 か さで決 ま る、 と い っ て い い。市場 に様 々な ソフ トが提供 され てい るこ と、 また、 それ が安価 に入手 で きるこ と、 これが重要 な要件 であ る。 それ だけではない。 情報技術全体 が まだ進 化 の途上 であ り、 また、 そ のために我 々 の システ ム も継続 的構築 に よ り進化 してい く必要 が あ るこ とは、す でに第 3章 に述べ た が、 こ の 「進化」 が現 実 に可能 で あ る こと、 これ が重要な 点 であ る。 新 し くソフ トを入手 した とす る。これ を100台の 計算機 にイ ンス ト-ル したい。 プ ロ ッどやCDを がち ゃがち ゃ差 し替 えて、 パ ラメー タを入力 して とい う、 同 じ操作 を100回繰 り返す、 これ を誰が や るのか。何 か バ グで も出れ ば、 さ らに も う100 回。 これ を何 か小 さな変更 の度 に繰 り返す、 これ ほ ど う考 えて も現実的 ではない。何 等か の集 中管 理 の メカニズムを使 って、 この構築 及び管理 の手 間 を最 小限 に押 さえてお くこと、 これ は必 須の条 件 であ る。 5.2.2.プ ログラム学 習 本来、学習 とは能動的 かつ 自律的 な 行 動 で あ る. 関心 を持 ち、 そ の関心 の対 象に向か って行動 し、 そ の結果 として知識 な り智慧を得 る、 これが 自然 な学習 の姿 であ る。 そ の関心 の持 ち方、行動 の道筋等 には、人 に よ り十人十色 とも言 え る個人 差 があ り、 それに応 じた学習機会 が提供 で きれ ば それ が理 想 であろ う。 しか しなが らこの理想 の実 現 のためには残念 なが ら資源 (人) が絶対的 に不 足 してい る。 そ こで教 育 の現場 では、 仕方 な く教 室全員 で一斉 に取 り組 む教材 を天下 り 的 に 設 定 し、 せめ てそ の教 材が で きるだけ多 く の 教 室 貞 (学生) に適合す る よ う、工夫 と苦 労 を重ね る訳 であ る。 実習 の場 では、 この教 材 が、 ともすれ ば学生 の 行動 を細か く規定 して しまいが ちにな る。 まず