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第11回(配布用)pdf 最近の更新履歴 Keisuke Kawata's HP

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Academic year: 2018

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(1)

労働経済学(第 11 回)

広島大学国際協力研究科

川田恵介

(2)

仕事を求める失業者(大恐慌)

(3)

失業

• 「失業」は、近代社会において大きな関心を集めてきた

問題である。

• なぜ「失業」が発生するのか、どのような状況において

より深刻になるのか、どのような対策が効果的なのか、

経済学において多くの議論がなされてきた。

• まず「失業」が発生するメカニズムについて、議論して

いく。

(4)

ワルラス型市場モデル

需要と供給が一致するように賃金が決まると仮定されている。

賃金

雇用量 労働供給量

労働需要量

(5)

失業率の推移( 月次: 労働力調査よ り )

労働経済学5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5 5.0 5.5 1973

1974 1975 1976 1977 1978 1979 1980 1981 1982 1983 1984 1985 1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010

(6)

ワルラス型市場モデルの予測

• ワルラス型市場モデルは、失業発生の原因について、

非常に明快な予測を行っている。

• 需要と供給が一致するように賃金が決まるならば、失

業は発生しない。⇒需要と供給が一致するように賃金

が決まらなければ、失業が発生する。

賃金の硬直性が失業の要因ではないか?

• (ケインズマクロ)

(7)

賃金の下方硬直性

賃金

雇用量 労働供給量

労働需要量

(8)

好況期の失業

賃金の下方硬直性:不況期の失業率の増大についてはうまく説明 できる。しかし好況期(賃金拡大期)にも失業は発生している。

0 50,000 100,000 150,000 200,000 250,000 300,000 350,000 400,000 450,000

0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0

1973 1974 1975 1976 1977 1978 1979 1980 1981 1982 1983 1984 1985 1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012

完全失業率 (%) 現金給与総額

(9)

賃金の硬直性の要因

• 単純に「賃金が下がらない」、という仮定を置くのでは

なく、なぜ下がらないのか明らかにする研究も多くなさ

れている。

例1) (問題点:最低賃金さほど高くなく、多くの労働 者にとって均衡賃金以下の水準にあると考えられる。)

例2) (問題点:すべての産業、国において、組合が大き な力をもっているわけではない。)

(10)

3)効率賃金仮説

• 企業は、高い賃金を支払うことで、労働者が頑張って

働くことを期待しているのではないか ( 例:ヘンリー

フォード )

• 労働者は、頑張って仕事をするのか、さぼるか、を決定する。

• 頑張って仕事をする場合、努力費用cが発生する。

• 雇用している企業は、労働者がサボっていた場合、確率qで発 見できる。

• もし労働者がサボっていることを発見した場合、解雇する。

(11)

3)効率賃金仮説

• 完全競争市場均衡において、労働者に努力する誘因

は存在するか?

(理由)

• 企業には、努力を引き出すために、需給が一致する水

準よりも 賃金を設定する誘因がある。

、労働者は即座に次の

仕事を見つけることができる。

高い

(12)

例3)効率賃金仮説

すべての企業が同じことを考えるはず

賃金

雇用量 労働供給量

労働需要量

(13)

硬直的賃金以外のアプローチ

• 硬直的賃金モデルにおいては、基本的に

有効求人倍率 =

有効求人数 有効求職者数

有効求人数:先月から繰り越した求人数と当月新たに発生した求 人数の合計(公共職業安定所で扱う求人のみ)

有効求職者数:先月から繰り越した求職者数に、当月新たに発生し た求職者数を合計したもの

(14)

70年代以降の失業率と有効求人倍率(修正)

職安定業務統計、労働力調査より

0.01 0.015 0.02 0.025 0.03 0.035 0.04 0.045 0.05 0.055

0.40 0.60 0.80 1.00 1.20 1.40 1.60 1.80 2.00

7 0

8 0

9 0

2 0 0 0

有効求人倍率 失業率

(15)

サーチ理論

失業期間とは、

あきる野市 ハローワーク

(16)

完全競争市場モデル

• 企業、労働者は労働市場についての完全な情報を持っていると 仮定されている。

例)どんな企業からどんな求人が出ているか、労働条件はどうなっ ているのか、どこにどんな能力をもった失業者がいるのか

• 保障賃金モデルが示すように、完全競争市場においては、失業 者と企業は、互いにとってもっとも望ましい相手とすぐに雇用関 係を結べる(マッチできる)。

(17)

ジョブサーチモデル

簡単化のために、失業者の意思決定のみ考える。

求人 求職者

求人情報を観察後、 この企業で働くか、ま だ探すか決める

まだ探すことを選択

新しい 求人 求職者

まだ探すことを選択

(18)

閾値戦略

求人数

• 求職者は職探しを続けることからの効用VS現在見つけている求 人内容で働くことからの効用

• 閾値となる求人が存在する。

労働条件

(19)

閾値の変化

• 職探しを続けることの効用の増大は、閾値を増大させる。 例)失業保険の充実、求人の多様化

VS

(20)

マッチングファンクション

• 経済全体での求人数の増大は、失業者が就業する確率を増大 させる。

多くの実証研究より(Petrongolo and Pissarides (2001, Journal of Economic literature)でサーベイされている)、失業者の内就業す る割合は、 � � θ:有効求人倍率という増加関数で表すことが できるとされている。

• 景気の変動が失業率を変動させる有力な経路として、 景気変動⇒有効求人倍率を変動⇒失業率の変動

(21)

ビバレッジカーブ

有効 求人 倍率

失業率

(22)

ビバレッジカーブ (2000 年代 )

職安定業務統計、労働力調査より

0.40 0.50 0.60 0.70 0.80 0.90 1.00 1.10 1.20

0.035 0.04 0.045 0.05 0.055 0.06

(23)

景気変動 VS 構造変化

• サーチ理論においては、失業率の変化を以下の2つに分解でき る。

景気要因:有効求人倍率の変化( ) 構造的変化:

• 1970年以降の傾向である失業率の増大は、上記の二つの効果 の内どちらを反映しているのか?

• 地域間でみられる失業率の変化は、上記の二つの効果の内ど ちらを反映しているのか?

ビバレッジカーブ上の動き ビバレッジカーブそのもののシフト

(24)

ビバレッジカーブ(各年比較)

0.40 0.60 0.80 1.00 1.20 1.40 1.60 1.80 2.00

0.01 0.02 0.03 0.04 0.05 0.06

00年代 90年代 80年代 70年代

(25)

ビバレッジカーブ (2000 年、地域比較 )

0.40 0.60 0.80 1.00 1.20 1.40 1.60

2.5 3.0 3.5 4.0 4.5 5.0 5.5 6.0 6.5 7.0 7.5

南関東

東海

近畿

九州

・沖縄

(26)

まとめ

• 失業を説明する理論には、大きく賃金の硬直性を強調するもの と、労働市場の情報の摩擦を強調するものがある。

• これらの理論は補完的である。

例)不況期の失業率の急増を説明するために、サーチモデルに賃 金の硬直性を取り入れた理論(Shimer 09)が注目されている。

• 70年代以降の失業率の増大の要因として、職探し行動につい ての構造的な変化が考えられる。

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