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金融論
unit 7 ポートフォリオ理論
割引債と利付債
来期に満期を迎える国債が存在し、その(純)利子率をRと する。
この国債を100万円購入すると100(1 + R)万円受け取るこ とができる。
このような債券を利付債と呼ぶ。
来期に満期を迎えると100万円が支払われる債券が存在する とする。
このような債券を割引債と呼ぶ。
割引債と利付債
割引債の価格が額面1円当たりP
B
円とすると、この割引債 の収益は、
100万 PB× 100万 =
1 PB
である。
一方で、利付債の収益率は、100万円が100(1 + R)万円にな るので、
100(1 + R)万円
100万円 = 1 + R となる。
割引債と利付債
割引債と利付債が同時に市場で取引されているとすると、裁 定が働き、収益率は等しくなる。
したがって、
PB = 1 1 + R
となる。
来期にもらえる1円の今期の価値がP
B
であることから、来 期の1円を今期で評価するには(1 + R)で割り引けばよいこ とが分かる。
この意味で、(1 + R)を割引率と呼ぶ。
資産価格の決定
以上のような割引現在価値を用いて、今期(第0期)からt 期までの受取額が、
X0, X1, X2, · · · , Xt
である資産の現在の価格P0は、
P0 = X0+
X1
1 + R1
+ X2
(1 + R1)(1 + R2) + · · ·
+ Xt
(1 + R1)(1 + R2) · · · (1 + Rt) と計算できる。
平均・分散アプローチ
金融資産のリスクという側面を考える。
リスクを評価する方法として、平均・分散アプローチと呼ば れる手法を用いる。
平均・分散アプローチでは、資産から得られるキャッシュ・ フローの平均値をリターン、分散または標準偏差をリスクと とらえ、これらのリターンとリスクを各投資家が認識して投 資を行うと想定する。
平均・分散アプローチ
投資家にとって、リターンが上昇することは、その資産の期 待収益率が上昇することを意味しているので、一般に望まし いと考えられる。
一方で、リスクが上昇することは、低い収益率が実現する可 能性が増加することを意味し(ただし、同時に他界収益率が 実現する可能性も発生していることに注意)、一般に望まし くないと考えられる。
したがって、リスクを横軸、リターンを縦軸にとった平面で は、図7-1のような、投資家の効用の無差別曲線が描けると 想定する。
このことは、投資家は、高いリスクをもつ資産に対して高い リターンを求めることを意味している。
無差別曲線
図7-1
ポートフォリオ・フロンティア
2つのリスクがある資産(危険資産)が市場に存在すると仮 定する。
ある資産を保有する投資家が、この2つの資産に分散して資 産を投資すると、その保有割合に応じてリターンとリスクが 決定する。
資産の組合せのことをポートフォリオと呼ぶが、ここでは保 有割合がポートフォリオと考えられる。
ポートフォリオを変化させることで、投資家はリターンとリ スクを選択できることを意味している。
2つの資産の組合せ(ポートフォリオ)を変化させて、選択 できるリターンとリスクの組合せのグラフをポートフォリ オ・フロンティアと呼ぶ。
ポートフォリオ・フロンティアは図7-2のように描かれる。
ポートフォリオ・フロンティア
図7-2
ポートフォリオ・フロンティア
投資家が、2つの危険資産のみにアクセスできると仮定した 場合、投資家の最適なポートフォリオの選択は、無差別曲線 とポートフォリオ・フロンティアの接する点を構成するポー トフォリオを選択することである。
安全資産の導入
投資家が、2つの危険資産に加えて、安全資産にもアクセス できるとする。
安全資産は、あるリターンr
F
がリスク0で得られる資産と 考えられる。
それは、リスク−リターン平面では、縦軸上のr
F
の点で表 される。
安全資産にアクセスできることで、投資家は(0, r
F)の点を 通り、ポートフォリオ・フロンティアに接する直線上のリス ク−リターンを選択できることを意味する。
この直線を資本市場線と呼ぶ。
安全資産の導入
投資家がこのような選択をする場合、2つの危険資産の保有 割合は資本市場線とポートフォリオ・フロンティアの接点で 決まる。
そのような危険資産と安全資産の保有割合を、資本市場線と 無差別曲線の接点で決定することが、投資家の最適な選択と なる。
安全資産の導入
図7-3