丸亀市橋梁長寿命化修繕計画
(概要版)
戦略的な維持管理で継続して使える橋へ
平成30年3月
1.橋梁長寿命化修繕計画策定の背景および目的
⑴背景
〇現在、本市が管理する509橋のうち、老朽化の目安となる建設後50年を経過する橋 梁は、24橋で全体のわずか5%ですが、20年後には467橋(92%)に上り、急 速に高齢化した橋梁が増大します。
〇このことから、適正な維持管理を行わなければ、近い将来、老朽化による落橋や通行止 めが発生し、長期間の通行制限による社会的損失が発生するほか、膨大な架替え経費が 短期的に発生し大きな損失を生じることが懸念されます。
⑵本市管理橋梁の健全度
〇509橋を点検した結果、早期に措置が必要な区分(健全度)Ⅲの橋梁が39橋(8%) あり、これらの橋梁については優先的に修繕を行う必要があります。なお、緊急に措置 が必要な区分(健全度)Ⅳの橋梁はありません。
⑶目的
「橋梁長寿命化修繕計画」を策定することで、
〇橋梁の状態を把握・評価し、中長期的な観点から、いつ、どの橋梁にどのような対策を 行うのかを検討することで、橋梁の維持管理方法を従来の対症療法型から、計画的かつ 効率的な予防保全型へ転換することで、事故を未然に防止します。
〇戦略的(計画的)な投資で橋梁の修繕等にかかる経費の縮減と平準化を図ります。 結果、安全・安心な道路通行を確保します。
図1.2 本市管理橋梁の健全度
Ⅰ, 27% Ⅱ, 65%
Ⅲ, 8% Ⅳ, 0%
現在(平成29年) 24橋(5%)
20年後(平成49年) 467橋(92%)
図1.1 老朽化した橋梁数の推移
2.長寿命化修繕計画の策定方針と事業までの流れ
1.対象橋梁の整理
⑴橋梁諸元の整理 ⑵点検結果の整理
⑶部材毎の劣化程度の把握
2.橋梁毎の将来健全度の予測
⑴劣化予測式の設定と将来の健全度予測
3.補修工法・時期の設定(基本方針)
⑴損傷毎に補修工法の設定 ⑵補修時期の設定
※小規模橋梁(5.0m未満の橋梁)は、点検 結果から適宜、補修・更新する。
4.橋梁毎にライフサイクルコストが
最小となる維持管理費の算定
⑴損傷程度に応じた補修工法の選定 ⑵補修にかかる費用の算出
⑶補修時期の決定
5.維持管理投資計画の決定
⑴優先度による各橋梁の補修時期 の決定(資料−2)
ア.点検による損傷程度 イ.緊急輸送路指定状況 ウ.交通量
エ.橋長
オ.交差物件により評価 ⑵予算の平準化
⑶中長期の投資計画策定
(資料−3、4) 学識経験者等意見聴取(第1回)
学識経験者等意見聴取(第2回)
6.橋梁長寿命化修繕計画の策定
(資料−1)
№26 15134 塩屋橋(PC橋)
7.橋梁長寿命化修繕事業の実施と適切な維持管理
図2.1 橋梁毎の修繕費用の算定と費用の最小化 損傷 大
損傷 無
図2.2 橋梁全体でのLCC 最小化の費用の集計
問題点1 初年度に集中する費用
問題点2 年度ごとでばらつく費用
無理なく橋梁の維持管理を継続するため
最小化されたライフサイクルコストに近づけつつ
解決策1 橋梁毎の優先度で補修時期の修正
解決策2 部材毎の損傷度に合わせ補修時期の修正
図2.3 平準化された予算
単位:百万円
3.橋梁長寿命化修繕計画による効果
橋梁の維持管理費の縮減を目的とした長寿命化修繕計画を実行することで、
〇今後50年間の維持管理事業費が従来の対症療法型で125億円、長寿命化修繕計画で は24億円となり、コスト縮減効果は101億円となります。
〇橋梁の維持管理も、計画的かつ効率的な予防保全型へ転換することとなります。 (資料−3)
4.橋梁長寿命化修繕事業の中期計画(10年間)
・短期計画(3年間)について
〇中期計画(10年間)では、「どの橋梁を」、「いつ」、「どのように」対策を講じていく か示しています。(資料−4)
〇短期計画(直近の3ヵ年)の具体的な事業箇所については、「 工事対象橋梁位置図(3 ヵ年計画)」に示しています。(資料−5)
これからも引き続き、長寿命化修繕計画に基づく修繕を行い、法令に定められた5年 に1度の点検を継続し、適宜、橋梁長寿命化修繕計画を見直しながら、「戦略的な維持管 理で継続して使える橋へ」にむけ事業に取り組みます。
24 億円
125 億円
縮減額
101 億円