内容
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社会のルール・通信のルール
、2011年12月20日 S33工(電気通信)河辺公一
1、はじめに
法律・経済・医学等は社会生活に密着している。
しかし河辺の専攻した通信の世界も,インターネットが普及し,身近になった。
そこで,行動を決定する判断基準(ルール)において、社会と通信を比較して見たくなった。 結果は意外に奥が深く、時間切れとなった。
判明した中から以下結論とそれに至った
発言権の決定法・責任の所在・優先順位・変化への対応について比較結果を記す。 通信は黒子・目立ってはいけない(人体では神経)。無意識が理想。 区切りの決定法・責任分担法・障害対策法(危機管理法)・情報の選別法については今後。
2、結論
社会と通信のルールの共通点は多い。
相違点は、「同時発言発生時の上位優先」と「判断における未来予測の有/無」のようだ。 比較結果(相違点を赤文字で)を以下。
3、発言権の決定法
(1)基本事項
社会は二人以上で成立する。通信も相手が有って成り立つ。 人数が多いほど、通信相手が多い程、複雑になる。
(2)同時発言対策(通信用語は同時発信対策)
二人以上が同時に発言すると会話(通信)は成立しない。対策例を第2表に。 第1表 ;同時発言対策法一覧表
NO 分 類 社会ルール 通信ルール 備考
上位優先 社会的地位 グーパーじゃんけん相当 通信では廃止方向 通信速度の向上で不適になった。
1 心臓の強い方 社会では多い
声の大きい方
2再発言 再発言間隔に工夫 2回目以降ランダム 通信では多い 3順番法 席順周り他 配置順・番号順 これもある 4指定法 司会者・議長 ポーリング法 これもある 注1 NO1・2は初期に同時発言発生、NO.3・4は同時発言無し
4.責任の所在
情報伝達の責任者は発言者側(発信側)にある。 相手に伝わったかどうかをどうやって確認するか? 当然であるが 「返信」が重要。
(1)確認法1(特定相手;手紙・メール・電話・会話) 方法1;復唱させる。
方法2;集約返答を要求する。了解/不明 不明箇所を伝えさせる。 方法3;表情・動作(うなずく等)で察知する。社会ルールのみ。
(2)確認法2(不特定多数相手;説明会・講演会・舞台・映画・テレビ・放送) 相手の理解力が異なる場合が有る。
原則は相手に合わせること。 説明会は利害密着者、講演会までは質問可。舞台までは即反応察知可。
(3)有名な失敗例 太平洋戦争の宣戦布告 映画は後から反応を知れる(日比谷映画の高峰秀子)。放送は反応察知困難。 通信ルールから見れば、アメリカ駐在の日本大使館員の責任ではない。
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- 2 - 5.優先順位
(1)優先事項 適用対象にもよるが、
河辺が担当した電力設備分野の通信では、情報伝達の正確を確保するため以下であった。 第1優先事項;誤った情報を伝えない事、嘘をつかない事。
第2優先事項;情報を伝える事、連絡漏れをしない事。タイムリミットオーバーも連絡漏れ。 第3優先事項;重複しない事。同じことのダブり連絡をしない事。
(相手に不要な連絡をしない事) 要/不要の判別は送信側では難しい。受信側一任も一法。しかし情報処理装置にはきつい。 第4優先事項;重要度の高い方を先に伝える。
(ビジネス社会では、結論が先、理由は後が多い) 第5優先事項;情報発生順序を正しく伝える。
であった。
(2)矛盾事項 あちら立てればこちら立たず。
しかし現実には(1)は矛盾をはらむ。 例1;第1優先と第2優先の矛盾
間違わないようにとチェックを厳重にすると、タイムリミットオーバーで伝わらない。 上司がやかましすぎると部下がやる気を失う。
チェックを甘くすると、早く伝わるが間違いも増える。 部下になめられる。
例2;第2優先と第3優先の矛盾
確実に伝えようとすると、ダブル事がある。 発信側 受信側
発信 受信
確認 返信 正常連絡
発信 未着
確認不能で
再送 受信 再送で回復
確認 返信
発信 受信
未確認 返信
再送 受信 ダブリ受信
確認 返信
通常は連絡漏れよりはダブリ連絡の方が罪は軽い。適用対象によっては問題になる。 おじいちゃんその話聞いたよ!は禁句 高齢者の繰り返し発言は迷惑がられる。
例3;第4優先と第5優先の矛盾 説明不要であろう。
ただし用途がパケット通信(IT電話含む)では、順序確保が最優先になる。
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- 3 - 6.変化への対応
現実の行動パタンは以下。
(1)基本形
情報 判断 行動
(2)基本形に時間要素追加
カレンダー情報 情報
年賀状発送 死亡通知発送 判断時間
死亡通知認識 年賀状受信 行動
単一情報処理 複数情報錯綜時失敗例
(3)配慮事項
通信を含めたシステムで考えなければならない。 現実には以下となり通信はその1部。
情報入力(情報発生と伝達)+判断+行動出力(伝達と対象)
画像入力と判断例 通常これだけでは判断不能。事前情報が必須。
大熊麗さんからのメールに添付。父の予定表・・・・
情報入力時間短縮 情報収集伝達速度アップ 過去の経験による判断基準の改定
判断時間短縮 決断力(問題は未着情報の予測;過去経験の延長線上+アルファ) 社会;憲法改正・法律改定・判例・条例制定・社内規定・マニュアル改定 行動出力時間短縮 行動情報伝達速度アップ+対象の応答速度 宗教協議・教育・犯罪ニュース・洗脳・DNA
a, 伝達時間は早いほど良い(費用との兼ね合い) 通信・設備;ウイルス対策ワクチン・OSバージョンアップ・新製品・
b,決断が問題 衆愚政治と民主制 独断と専制。共和制と帝政(ローマ人の物語)
例1;早過ぎると、後着情報見落としと判断基準選定誤り。 軽率・オッチョコチョイ 船頭多く舟山へ
遅過ぎると間に合わない。 優柔不断 決断が遅いと間に合わないことが多い。 詐欺の付目。
例2;未着情報の予測が重要 例 野球 動態視力(球が止まって見える?)、杉下と川上、訓練と教育 ジプシーと迷子
過去の経験・カン 過去には先祖からの教え含む・DNA チリの鮭
(4)大熊さんの例;付表参照 出井さんの入院から河辺弔問
a,訃報連絡
成功例 タイムリミット以内達成 林しん治さんの素早い臨機対策効果。
b,弔意表現
早期連絡成功例・未来予測失敗例・決断早過ぎ失敗例・重複連絡発生例(無害) 必要連絡か不要連絡か迷い例
(5)著名人の失敗例 著名人でもミスは避けられない。失敗してもくよくよしない。
例1;エジソンと直流・交流 思い込み、 直流にこだわった。
例2;コッホとツベルクリン 過去の経験の延長・思い込み・権威盲信 結核の治療薬としては無効。
例3;森鴎外と脚気 権威盲信・思い込み 日露戦争中、陸軍では戦死者より脚気死者の方が多数、海軍は無し。津和野の森林太郎生家。 例4;シュレーディンガーと地表波 単純ミスと権威盲信 古賀教授より電磁波の講義中、波動方程式において
以上