• 検索結果がありません。

平成15年4月に実施された特定の検査箇所に対する会計実地検査において出張官が記載し、又は作成した文書の不開示決定(存否応答拒否)に関する件(平成15年諮問第7号)

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2018

シェア "平成15年4月に実施された特定の検査箇所に対する会計実地検査において出張官が記載し、又は作成した文書の不開示決定(存否応答拒否)に関する件(平成15年諮問第7号)"

Copied!
23
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

諮 問 事 件 :

諮 問 番 号 : 平 成 1 5 年 諮 問 第 6 号 他 1 件

事 件 名 : 平 成 1 5 年 度 に 実 施 さ れ る 特 定 の 検 査 箇 所 に 対 す る 会 計 実 地 検 査

の 出 張 官 が 分 か る 文 書 の 不 開 示 決 定 ( 存 否 応 答 拒 否 ) に 関 す る 件

他 1 件

諮 問 日 : 平 成 1 5 年 8 月 5 日

答 申 日 : 平 成 1 6 年 1 2 月 2 7 日

答 申 書

第 1 審 査 会 の 結 論

1 平 成 1 5 年 諮 問 第 6 号 関 係

平 成 1 5 年 度 に 実 施 さ れ る 特 定 の 検 査 箇 所 ( 以 下 「 本 件 検 査 箇 所 」 と い

う。) の 会 計 実 地 検 査 の 出 張 官 が 分 か る 行 政 文 書 ( 以 下 「 6 号 請 求 文 書 」

と い う。) の 開 示 請 求 ( 以 下 「 6 号 開 示 請 求 」 と い う。) に 係 る 対 象 文 書

と し て 特 定 さ れ た 出 張 通 知 ( 以 下 「 6 号 対 象 文 書 」 と い う。) に つ き 、 一

部 開 示 と し た 決 定 は 妥 当 で あ る 。

2 平 成 1 5 年 諮 問 第 7 号 関 係

1 5 年 4 月 1 4 日 か ら 1 8 日 ま で の 間 に 本 件 検 査 箇 所 に お い て 行 わ れ た

会 計 実 地 検 査 に お い て 出 張 官 が 記 載 し 又 は 作 成 し た す べ て の 行 政 文 書 ( 以

「 」 。) ( 「 」 。)

下 7 号 請 求 文 書 と い う の 開 示 請 求 以 下 7 号 開 示 請 求 と い う

に つ き 、 当 該 実 地 検 査 に お い て 出 張 官 が 作 成 し た 特 定 の 検 査 事 項 に 係 る 検

査 資 料 ( 以 下 「 7 号 対 象 文 書 」 と い う。) を 特 定 し 、 一 部 開 示 と し た 決 定

は 妥 当 で あ る 。

第 2 審 査 請 求 人 の 主 張 の 要 旨

1 審 査 請 求 の 趣 旨

本 件 審 査 請 求 の 趣 旨 は、行 政 機 関 の 保 有 す る 情 報 の 公 開 に 関 す る 法 律(平

成 1 1 年 法 律 第 4 2 号 。 以 下 「 法 」 と い う。) 第 3 条 の 規 定 に 基 づ く 6 号

開 示 請 求 及 び 7 号 開 示 請 求 に 係 る 以 下 の 決 定 に つ い て 、 そ の 取 消 し を 求 め

る と い う も の で あ る 。

① 平 成 1 5 年 5 月 2 1 日 付 け 1 5 0 普 第 1 3 1 号 に よ り 会 計 検 査 院 事 務

総 長 ( 以 下 「 総 長 」 と い う。) が 行 っ た 不 開 示 決 定 ( 存 否 応 答 拒 否)( 以

下 「 6 号 不 開 示 決 定 」 と い う。)

② 平 成 1 5 年 5 月 2 8 日 付 け 1 5 0 普 第 1 3 8 号 に よ り 総 長 が 行 っ た 不

(2)

、 、 、 、 な お 本 件 審 査 請 求 の 提 起 の 後 処 分 庁 は 6 号 不 開 示 決 定 に つ い て は

平 成 1 5 年 1 2 月 1 9 日 付 け 1 5 0 普 3 1 5 号 に よ る 一 部 開 示 決 定 ( 以 下

「 6 号 第 二 次 決 定 」 と い う。) に よ り 、 6 号 請 求 文 書 に 該 当 す る 文 書 と し

て 6 号 対 象 文 書 を 特 定 し た 上 、 そ の 一 部 を 開 示 し た 。 ま た 、 7 号 不 開 示 決

定 に つ い て は 、 平 成 1 5 年 1 2 月 1 9 日 付 け 1 5 0 普 第 3 1 6 号 に よ る 不

開 示 決 定 ( 以 下 「 7 号 第 二 次 決 定 」 と い う。) に よ り 、 存 否 応 答 拒 否 に よ

る 不 開 示 を 7 号 請 求 文 書 に 該 当 す る 行 政 文 書 の 不 存 在 を 理 由 と す る 不 開 示

と し 、 さ ら に 、 平 成 1 6 年 7 月 1 日 付 け 1 6 0 普 第 3 0 0 号 に よ る 一 部 開

示 決 定 ( 以 下 「 7 号 第 三 次 決 定 」 と い う。) に よ り 、 7 号 請 求 文 書 に 該 当

す る 文 書 と し て 7 号 対 象 文 書 を 特 定 し た 上 、 そ の 一 部 を 開 示 し た 。

こ れ に 対 し 、 審 査 請 求 人 は 、 別 途 、 6 号 第 二 次 決 定 及 び 7 号 第 二 次 決 定

の 取 消 し を 求 め る 審 査 請 求 ( 以 下 「 第 二 次 審 査 請 求 」 と い う。) を 提 起 し

て い る 。

2 審 査 請 求 の 理 由

審 査 請 求 人 の 主 張 す る 審 査 請 求 の 主 た る 理 由 は 、 審 査 請 求 書 及 び 意 見 書

の 各 記 載 に よ る と 、 お お む ね 以 下 の と お り で あ る 。

( 1) 存 否 応 答 拒 否 処 分 に つ い て

処 分 庁 は 、 本 件 対 象 文 書 の 存 否 を 明 ら か に し た 場 合 に は 、 外 部 の 圧 力

・ 干 渉 等 を 招 来 す る な ど し て 、 進 行 中 の 検 査 過 程 に お け る 検 査 の 厳 正 か

つ 円 滑 な 実 施 に 支 障 を 及 ぼ す お そ れ が あ る な ど と 説 明 し て い る が 、 こ の

不 開 示 理 由 は 理 解 し 難 い 。

行 政 機 関 は ど こ で も あ る 程 度 の 権 力 を 持 っ て お り 、 多 か れ 少 な か れ 圧

力 ・ 干 渉 等 に さ ら さ れ て い る 。 仮 に 会 計 検 査 院 に 対 し て 多 少 の 圧 力 ・ 干

渉 等 が あ っ た と し て も 、 厳 格 に 適 正 な 検 査 を 行 う こ と が 同 院 の 務 め で あ

る と 考 え ら れ る 。 し た が っ て 、 圧 力 ・ 干 渉 等 に よ り 適 正 な 検 査 を 行 う こ

と が で き な く な る お そ れ が あ る と す る 不 開 示 理 由 は 、 会 計 検 査 院 の 検 査

に 対 す る 不 審 を 生 む も の で あ る 。

対 象 文 書 の 存 否 さ え 明 ら か に し な い と い う 会 計 検 査 院 の 姿 勢 は 、 原 則

公 開 で あ る 法 の 趣 旨 を 理 解 し な い も の で あ る 。

( 2) 処 分 の 「 変 更 ( 撤 回)」 に つ い て

諮 問 庁 は 、 6 号 第 二 次 決 定 及 び 7 号 第 二 次 決 定 は 、 そ れ ぞ れ 6 号 不 開

「 ( )」 、

示 決 定 及 び 7 号 不 開 示 決 定 を 変 更 撤 回 し た も の で あ る な ど と し

行 政 処 分 の 「 変 更 」 と 「 撤 回 」 を 同 じ 意 味 合 い の も の と し て 意 見 書 に 記

載 し て い る が 、 両 者 の 法 的 効 力 は 明 確 に 異 な る。「 変 更 」 で あ れ ば 法 的

(3)

つ か ら ど の よ う に な る の か 、 そ の 違 い を 明 示 し て も ら い た い 。

( 3) 7 号 請 求 文 書 の 特 定 に つ い て

本 件 検 査 箇 所 に 対 す る 会 計 実 地 検 査 に お い て 出 張 官 が 記 載 し 又 は 作 成

し た 文 書 は 、 当 然 、 出 張 官 相 互 に お い て 組 織 的 に 共 用 さ れ 、 こ れ を 用 い

る な ど し て 実 地 検 査 最 終 日 に 当 該 検 査 箇 所 に 所 属 す る 職 員 に 対 す る 総 括

的 な 講 評 が な さ れ た も の と 考 え ら れ る 。 当 該 文 書 が 会 計 検 査 院 と し て 行

う 総 括 的 な 講 評 に 用 い ら れ た こ と は 、 そ れ が 組 織 的 に 共 用 さ れ た 文 書 に

な っ た こ と を 示 し て い る 。

ま た 、 現 場 に お い て 作 成 、 記 録 さ れ た 文 書 な く し て 、 正 確 で 適 切 な 復

命 は 行 え な い 。 本 件 検 査 箇 所 の 職 員 と の 質 疑 応 答 記 録 な ど は 、 会 計 検 査

院 に 戻 っ て か ら の 復 命 に も 用 い ら れ て い る は ず で あ り 、 復 命 に 用 い ら れ

た 記 録 文 書 で あ れ ば 、 組 織 共 用 文 書 と い え る 。

し た が っ て 、 こ れ ら は 単 な る 個 人 メ モ と は 異 な り 、 7 号 請 求 文 書 に 該

当 す る も の で あ る 。

( 4) 6 号 対 象 文 書 及 び 7 号 対 象 文 書 に つ き 、 6 号 第 二 次 決 定 、 7 号 第 二 次

決 定 及 び 7 号 第 三 次 決 定 に よ る 変 更 後 も な お 不 開 示 と さ れ て い る 部 分

( 以 下 「 本 件 不 開 示 情 報 」 と い う。) の 不 開 示 情 報 該 当 性 に つ い て

ア 法 第 5 条 第 6 号 に つ い て

( ア ) 6 号 対 象 文 書 に つ い て 、 諮 問 庁 は 、 特 定 の 検 査 箇 所 に 対 す る 会 計

実 地 検 査 に 係 る 出 張 官 の 氏 名 は 、 特 定 の 検 査 事 項 の 検 査 担 当 者 を 特

定 す る こ と が で き る 情 報 で あ る と 主 張 し て い る 。 し か し 、 会 計 検 査

院 で は 多 数 の 者 が 出 張 し て お り 、 本 件 検 査 箇 所 を 担 当 し た 出 張 官 が

他 の 検 査 箇 所 に 対 し て 同 様 の 出 張 を 行 う と は 必 ず し も い え な い か

ら 、 当 該 出 張 官 が 特 定 で き た か ら と い っ て 、 直 ち に 検 査 に 影 響 す る

と は い え な い 。

ま た 、 出 張 官 の 氏 名 が す べ て 明 ら か に な っ た と し て も 、 そ の こ と

を も っ て 法 第 5 条 第 6 号 イ に 規 定 す る 「 お そ れ 」 に 直 接 結 び つ く と

は 考 え に く い 。

( イ ) 7 号 対 象 文 書 に 記 載 さ れ た 内 容 は 、 特 定 の 検 査 箇 所 に 関 す る も の

で あ り 、 こ れ が 明 ら か に な っ た か ら と い っ て 、 必 ず し も 他 の 検 査 箇

所 に 対 す る 会 計 実 地 検 査 に 影 響 が あ る と は い え な い 。

( ウ ) 6 号 不 開 示 決 定 及 び 7 号 不 開 示 決 定 が な さ れ た 年 月 日 に は 、 既 に

本 件 検 査 箇 所 に 対 す る 会 計 実 地 検 査 は 終 了 し て い る の で あ る か ら 、

「 」 。

法 第 5 条 第 6 号 柱 書 き 及 び 同 号 イ の お そ れ が 生 じ る は ず が な い

(4)

を 行 う も の で あ り 、 行 政 機 関 に は 行 政 文 書 の リ ス ト が 備 え ら れ て い

る 。 ま た 、 保 管 に つ い て も 規 定 が あ り 、 違 法 な 廃 棄 に は 罰 則 が 設 け

ら れ て い る 。

し た が っ て 、 行 政 機 関 に 対 す る 検 査 に 関 し 、 法 第 5 条 第 6 号 イ に

規 定 す る 「 正 確 な 事 実 の 把 握 を 困 難 に す る お そ れ 又 は 違 法 若 し く は

不 当 な 行 為 を 容 易 に し 、 若 し く は そ の 発 見 を 困 難 に す る お そ れ 」 が

生 じ る こ と は あ り 得 な い 。

( オ ) 法 第 5 条 第 6 号 が 前 提 と す る 「 適 正 」 と い う 要 件 を 判 断 す る に 際

し て は 、 開 示 の も た ら す 支 障 に つ い て 検 討 す る だ け で な く 、 開 示 の

も た ら す 利 益 と の 比 較 衡 量 も 行 う べ き で あ る と さ れ て い る 。

ま た 、 同 号 に 規 定 す る 「 支 障 」 の 程 度 に つ い て は 実 質 的 な も の で

あ る こ と が 必 要 と さ れ て お り、「 お そ れ 」 も 法 的 保 護 に 値 す る 程 度

の 蓋 然 性 が 必 要 と さ れ て い る 。

し か し 、 諮 問 庁 は こ れ ら の 点 に つ い て 説 明 し て い な い 。

イ 法 第 5 条 第 1 号 に つ い て

6 号 対 象 文 書 に つ い て 、 諮 問 庁 は 法 第 5 条 第 1 号 に も 該 当 す る と し

て い る が 、 他 の 省 庁 で は 決 裁 文 書 の 起 案 者 や 決 裁 者 な ど の 氏 名 を 開 示

し て お り 、 ま た 、 同 号 た だ し 書 ハ で は 「 当 該 公 務 員 の 職 及 び 当 該 職 務

遂 行 の 内 容 に 係 る 部 分 」 は 不 開 示 情 報 か ら 除 か れ て い る こ と か ら 、 出

張 官 の 氏 名 は 同 号 の 不 開 示 情 報 に は 該 当 し な い 。

ウ 法 第 5 条 第 5 号 に つ い て

法 第 5 条 第 5 号 に 規 定 す る 「 不 当 」 で あ る か ど う か は 、 そ の 情 報 の

性 質 に 照 ら し 、 開 示 す る こ と に よ る 利 益 と 不 開 示 と す る こ と に よ る 利

益 を 比 較 衡 量 し て 判 断 す る も の と 解 さ れ て い る 。

そ し て 、 本 件 会 計 実 地 検 査 等 で の 記 録 が 明 ら か に さ れ れ ば 、 会 計 事

務 な ど の 不 正 防 止 や 適 切 な 運 用 に も 役 立 ち 、 一 つ 一 つ 実 地 検 査 を 行 う

よ り も 効 果 が 大 き い と 考 え ら れ る こ と か ら 、 開 示 す る こ と に よ る 利 益

の 方 が 大 き い と 考 え ら れ る 。

エ そ の 他

( ア ) 会 計 検 査 院 の 説 明 責 任

行 政 文 書 は 原 則 と し て 開 示 さ れ る べ き も の で あ る 。 会 計 検 査 の 基

で あ る 行 政 文 書 が 開 示 さ れ る の に 、 当 該 行 政 文 書 を 調 べ た 記 録 が な

ぜ 開 示 さ れ な い の か 。

ま た 、 会 計 検 査 院 は 、 国 民 か ら 行 政 機 関 の 監 査 を 任 さ れ て い る 立

(5)

明 す る 責 任 が あ る 。

( イ ) 内 閣 府 情 報 公 開 審 査 会 の 答 申 と の 整 合 性

会 計 検 査 院 情 報 公 開 審 査 会 の 答 申 も 、 内 閣 府 情 報 公 開 審 査 会 の 過

去 の 答 申 内 容 と 比 較 検 討 し 、 異 質 な 結 論 と な る こ と の な い よ う お 願

い し た い 。

第 3 諮 問 庁 の 説 明 の 要 旨

1 開 示 決 定 等 の 経 緯 に つ い て

( 1) 原 処 分

処 分 庁 は 、 次 の と お り 、 6 号 請 求 文 書 及 び 7 号 請 求 文 書 の 存 否 を 明 ら

か に す る だ け で 不 開 示 情 報 を 開 示 す る こ と と な る こ と か ら 、 法 第 8 条 の

規 定 に よ り 存 否 を 明 ら か に し な い で 開 示 請 求 を 拒 否 す る 旨 決 定 し た 。

ア 6 号 不 開 示 決 定 に つ い て

6 号 請 求 文 書 は 、 そ の 存 否 を 明 ら か に す る こ と に よ り 、 特 定 の 検 査

箇 所 に 対 す る 会 計 実 地 検 査 の 有 無 な ど 、 現 検 査 年 次 の 検 査 過 程 に お け

る 検 査 の 実 施 状 況 若 し く は 実 施 予 定 の 具 体 的 な 内 容 又 は 翌 検 査 年 次 に

お け る 検 査 の 実 施 予 定 を 明 ら か に す る こ と と な る も の で あ り 、 当 該 情

報 が 開 示 さ れ た 場 合 に は 、 外 部 の 圧 力 ・ 干 渉 等 を 招 来 す る な ど し て 当

該 進 行 中 の 検 査 過 程 に お け る 検 査 の 厳 正 か つ 円 滑 な 実 施 に 支 障 を 及 ぼ

す お そ れ が あ る 。 し た が っ て 、 当 該 情 報 は 法 第 5 条 第 6 号 柱 書 き 及 び

同 号 イ に 規 定 す る 不 開 示 情 報 に 該 当 す る 。

イ 7 号 不 開 示 決 定 に つ い て

7 号 請 求 文 書 は 、 そ の 存 否 を 明 ら か に す る こ と に よ り 、 特 定 の 検 査

箇 所 に 対 す る 実 地 検 査 の 有 無 な ど 、 現 に 進 行 中 の 検 査 過 程 に お け る 検

査 の 実 施 状 況 又 は 実 施 予 定 の 具 体 的 な 内 容 を 明 ら か に す る こ と と な る

も の で あ る 。 し た が っ て 、 上 記 ア と 同 様 の 理 由 に よ り 、 当 該 情 報 は 法

第 5 条 第 6 号 柱 書 き 及 び 同 号 イ に 規 定 す る 不 開 示 情 報 に 該 当 す る 。

( 2) 原 処 分 の 変 更

処 分 庁 は 、 原 処 分 に 対 す る 審 査 請 求 に つ い て 会 計 検 査 院 情 報 公 開 審 査

会 に 諮 問 後 の 平 成 1 5 年 1 2 月 、 6 号 不 開 示 決 定 に つ い て は 、 存 否 応 答

拒 否 処 分 か ら 部 分 開 示 決 定 処 分 に 変 更 す る 旨 の 6 号 第 二 次 決 定 を 行 い 、

7 号 不 開 示 決 定 に つ い て は 、 存 否 応 答 拒 否 処 分 か ら 7 号 請 求 文 書 に 該 当

す る 文 書 の 不 存 在 を 理 由 と す る 不 開 示 決 定 処 分 に 変 更 す る 旨 の 7 号 第 二

次 決 定 を 行 っ た 。 そ の 理 由 は 、 そ れ ぞ れ 次 の と お り で あ る 。

ア 6 号 第 二 次 決 定 に つ い て

(6)

結 果 等 が 平 成 1 4 年 度 決 算 検 査 報 告 に 掲 記 さ れ 、 公 表 さ れ た 。 こ の た

め 、 そ れ 以 降 に お い て は 、 6 号 請 求 文 書 の 存 否 に 関 す る 情 報 及 び そ の

記 載 情 報 の 一 部 を 開 示 す る こ と に よ り 明 ら か に な る 1 5 年 次 の 会 計 実

地 検 査 の 実 施 状 況 等 に 関 す る 情 報 は 、 前 記 ( 1) ア で 述 べ た 不 開 示 情 報

で は な く な っ て い る 。 よ っ て 、 当 該 情 報 を 明 ら か に し た と し て も 、 1

5 年 次 の 検 査 の 厳 正 か つ 円 滑 な 実 施 に 支 障 を 及 ぼ す お そ れ は な く 、 ま

た 、 直 ち に 1 6 年 次 の 検 査 の 厳 正 か つ 円 滑 な 実 施 に 支 障 を 及 ぼ す お そ

れ が あ る と も 認 め ら れ な い 。 し た が っ て 、 存 否 応 答 拒 否 処 分 と し て の

6 号 不 開 示 決 定 を 将 来 に わ た り そ の ま ま 維 持 す る 理 由 は 失 わ れ た 。

一 方 、 同 決 定 の 不 開 示 決 定 処 分 と し て の 効 力 に つ い て は 、 一 部 の 記

載 情 報 を 除 き 、 な お 維 持 す る 要 が あ る 。

イ 7 号 第 二 次 決 定 に つ い て

上 記 ア と 同 様 の 事 由 か ら 、 存 否 応 答 拒 否 処 分 と し て の 7 号 不 開 示 決

定 を 将 来 に わ た り そ の ま ま 維 持 す る 理 由 は 失 わ れ た 。

一 方 、 処 分 庁 で は 7 号 請 求 文 書 に 該 当 す る 行 政 文 書 を 保 有 し て い な

い こ と か ら 、 同 決 定 の 不 開 示 決 定 処 分 と し て の 効 力 自 体 に つ い て は 、

当 該 不 保 有 の 事 実 を 理 由 と し て な お 維 持 す る 要 が あ る 。

( 3) 原 処 分 の 再 変 更

7 号 請 求 文 書 に 該 当 す る 行 政 文 書 の 存 否 に つ い て 念 の た め 再 度 調 査 し

た と こ ろ 、 本 件 会 計 実 地 検 査 の 担 当 検 査 課 に お い て 保 有 す る 特 定 の 検 査

事 項 に 係 る 検 査 資 料 中 に こ れ に 該 当 す る も の が あ る こ と が 判 明 し た 。 こ

の た め 、 処 分 庁 で は 、 7 号 第 二 次 決 定 を 変 更 し 、 当 該 文 書 を 7 号 対 象 文

書 と し て 特 定 し た 上 、 そ の 記 載 情 報 の う ち 、 当 該 文 書 の 存 在 な い し 外 形

を 示 す 情 報 に つ い て は 開 示 し 、 そ の 余 の 情 報 に つ い て は 不 開 示 と す る 7

号 第 三 次 決 定 を 行 っ た 。

2 行 政 処 分 の 変 更 及 び 変 更 後 の 審 査 の 対 象 に つ い て

前 記 1 の と お り 、 本 件 に お け る 原 処 分 の 変 更 は 、 原 処 分 が 行 わ れ た 後 に

1 5 年 次 の 検 査 過 程 の 終 了 な ど の 客 観 的 な 事 情 の 変 更 が あ っ た こ と か ら 、

当 該 事 情 の 変 更 に 応 じ た 新 た な 公 益 適 合 性 を 追 求 す べ く 行 わ れ た も の で あ

る 。

こ の よ う な 事 情 の 変 更 に よ り 新 た な 公 益 上 の 必 要 が 生 じ た 場 合 に は 、 原

則 と し て 、 処 分 庁 は 原 処 分 を 自 由 に 撤 回 で き る も の と 解 さ れ て い る 。

そ し て 、 一 般 に 、 あ る 行 政 処 分 ( 先 行 処 分 ) が 行 わ れ た 後 に 、 こ れ を 変

更 ( 一 部 撤 回 ) す る 旨 の 行 政 処 分 ( 後 行 処 分 ) が 行 わ れ た 場 合 、 先 行 処 分

( ) 、

(7)

存 続 す る も の と 解 さ れ る 。

前 記 1 ( 2) の と お り 、 存 否 応 答 拒 否 処 分 と し て 行 わ れ た 6 号 不 開 示 決 定

及 び 7 号 不 開 示 決 定 は 、 既 に 6 号 第 二 次 決 定 及 び 7 号 第 二 次 決 定 に よ り 変

更 ( 一 部 撤 回 ) さ れ 、 さ ら に 、 前 記 1 ( 3) の と お り 、 7 号 不 開 示 決 定 に つ

い て は 7 号 第 三 次 決 定 に よ り 再 変 更 さ れ て い る か ら、い ず れ も 当 該 変 更(一

部 撤 回 ) さ れ た 後 の 部 分 開 示 決 定 処 分 と し て そ の 効 力 を 保 持 し 、 存 続 し て

い る も の で あ る 。

ま た 、 審 査 請 求 を す る こ と が で き る 者 は 、 違 法 又 は 不 当 な 処 分 に よ り 直

接 自 己 の 権 利 利 益 を 侵 害 さ れ た 者 、 す な わ ち 、 審 査 請 求 の 利 益 を 有 す る 者

に 限 ら れ る も の と 解 さ れ て い る 。

し た が っ て 、 6 号 不 開 示 決 定 及 び 7 号 不 開 示 決 定 が 変 更 さ れ た 後 も な お

審 査 請 求 人 が こ れ ら の 取 消 し を 求 め る 法 的 利 益 ( 審 査 請 求 の 利 益 ) を 有 す

る の は 、 当 該 変 更 後 の 原 処 分 の 取 消 し を 求 め る 限 度 に お い て で あ る 。

こ の た め 、 本 件 審 査 請 求 に お け る 審 査 の 対 象 も 、 当 該 変 更 後 の 原 処 分 と

な る も の と 考 え ら れ る 。

3 7 号 請 求 文 書 の 特 定 に つ い て

一 般 に 、 会 計 検 査 院 が 検 査 を 受 け る 者 ( 以 下 「 受 検 庁 」 と い う。) と の

間 で 会 計 実 地 検 査 の 最 終 日 に 行 う 打 合 せ ( 講 評 ) は 、 必 ず し も 各 検 査 課 ご

と の ひ な 形 の よ う な も の に 基 づ い て 行 わ れ る も の で は な く 、 主 任 官 に お い

て 必 ず そ の 原 稿 を 作 成 す る こ と と さ れ て い る も の で も な い 。 ま た 、 打 合 せ

ま で に 、 主 任 官 が 各 出 張 官 か ら 打 合 せ 事 項 に 関 す る メ モ の 作 成 ・ 提 出 を 受

け て い る 場 合 で あ っ て も 、 そ れ は 実 地 検 査 の 実 施 記 録 な い し 実 地 検 査 の 結

果 等 に 関 す る 行 政 文 書 と し て 実 地 検 査 の 終 了 後 も 保 有 さ れ る こ と ま で が 予

定 さ れ て い る も の で は な く 、 実 際 上 も 保 有 さ れ る こ と は な い の が 通 例 で あ

る 。

な ぜ な ら 、 実 務 上 、 会 計 検 査 院 の 実 地 検 査 の 実 施 記 録 な い し 実 地 検 査 の

結 果 等 に つ い て は 、 実 地 検 査 を 終 了 し て 帰 庁 し た 後 に 主 任 官 が 作 成 す る 申

報 書 ( 一 種 の 復 命 に 関 す る 文 書 ) 又 は 受 検 庁 か ら 作 成 ・ 提 出 を 受 け る 各 種

の 検 査 調 書 等 の 記 載 事 項 と し て 整 理 さ れ 、 記 録 さ れ る の が 通 例 だ か ら で あ

る 。

ま た 、 本 件 会 計 実 地 検 査 に 係 る 申 報 書 は 作 成 さ れ て い る が 、 開 示 請 求 書

等 の 記 載 内 容 か ら み て 7 号 開 示 請 求 は 当 該 実 地 検 査 期 間 中 に 作 成 さ れ た 文

書 に 限 定 し て そ の 開 示 を 求 め る 趣 旨 の も の で あ る こ と が 明 ら か で あ る 。 そ

し て 、 申 報 書 は 帰 庁 後 に 作 成 す る こ と と さ れ て い る も の で あ る こ と か ら 、

(8)

さ ら に 、 申 報 書 の 作 成 に 当 た っ て は 、 実 地 検 査 期 間 中 に 各 出 張 官 が 記 録

し た メ モ 等 が そ の 資 料 と さ れ る 場 合 も 考 え ら れ る が 、 実 務 上 、 こ の よ う な

メ モ 等 は あ く ま で も 個 々 の 出 張 官 の 備 忘 録 的 な メ モ ( 個 人 メ モ ) と し て 作

成 さ れ る も の で あ り 、 実 地 検 査 の 実 施 記 録 な い し 実 地 検 査 の 結 果 等 に 関 す

る 行 政 文 書 と し て 作 成 さ れ 又 は 実 地 検 査 の 終 了 後 に 行 政 文 書 と し て 保 有 さ

れ る こ と が 当 初 か ら 予 定 さ れ な い も の で あ っ て 、 実 際 上 も こ の よ う な メ モ

等 が 行 政 文 書 と し て 保 有 さ れ る こ と は な い の が 通 例 で あ る 。

し た が っ て 、 会 計 検 査 院 が 保 有 す る 行 政 文 書 中 に 、 前 記 の 検 査 資 料 以 外

に 7 号 請 求 文 書 に 該 当 す る 行 政 文 書 と し て 特 定 す べ き 文 書 は 存 在 し な い 。

4 本 件 不 開 示 情 報 の 不 開 示 情 報 該 当 性 に つ い て

( 1) 6 号 対 象 文 書

会 計 検 査 院 で は 、 検 査 過 程 で 特 定 の 検 査 箇 所 に 対 し 特 定 の 職 員 を 一 定

期 間 派 遣 し て 会 計 実 地 検 査 を 行 う 場 合 に は 、 そ の 旨 を 記 載 し た 出 張 通 知

を 総 長 名 で 発 し 、 事 前 に 、 受 検 庁 に 通 知 す る こ と と し て い る 。

6 号 対 象 文 書 は 、 1 5 年 次 の 検 査 過 程 に お け る 本 件 検 査 箇 所 に 対 す る

会 計 実 地 検 査 の 実 施 に 当 た り 受 検 庁 あ て に 発 送 さ れ た 出 張 通 知 の 会 計 検

査 院 側 の 控 え ( 写 し ) で あ り 、 そ の 主 な 記 載 内 容 は 、 実 地 検 査 箇 所 、 実

地 検 査 の た め 当 該 検 査 箇 所 に 職 員 を 派 遣 す る 旨 、 当 該 実 地 検 査 に 従 事 す

る 出 張 官 の 官 職 氏 名 、 実 地 検 査 期 間 等 で あ る 。

こ の う ち 、 6 号 第 二 次 決 定 に よ る 変 更 後 の 6 号 不 開 示 決 定 に お い て な

お 不 開 示 と さ れ て い る 部 分 は 、 当 該 実 地 検 査 の 出 張 官 の 氏 名 ( 副 長 以 上

の 職 に あ る 職 員 の 氏 名 を 除 く 。 以 下 こ の 項 に お い て 同 じ。) で あ る 。

そ し て 、 出 張 通 知 に 記 載 さ れ た 会 計 実 地 検 査 の 出 張 官 の 氏 名 は 、 そ れ

が 過 年 次 の 検 査 過 程 に 係 る も の で あ っ て も 、 以 下 の と お り 、 法 第 5 条 第

6 号 及 び 同 条 第 1 号 に 規 定 す る 不 開 示 情 報 の い ず れ に も 該 当 す る 。

ア 法 第 5 条 第 6 号 柱 書 き 及 び 同 号 イ 該 当 性

出 張 官 の 氏 名 に 関 す る 情 報 は 、 特 定 の 検 査 事 項 の 検 査 担 当 者 を 特 定

す る こ と が で き る 情 報 で あ る 。

こ の よ う な 情 報 が 開 示 さ れ た 場 合 に は 、 特 定 の 検 査 事 項 に 関 し 、 そ

の 検 査 担 当 者 に 対 す る 外 部 の 圧 力 ・ 干 渉 等 を 招 来 す る な ど し て 、 現 在

又 は 将 来 に お け る 厳 正 か つ 円 滑 な 検 査 の 実 施 に 支 障 を 及 ぼ す お そ れ が

あ る 。

し た が っ て 、 出 張 官 の 氏 名 に 関 す る 情 報 は 、 法 第 5 条 第 6 号 が 規 定

す る 「 国 の 機 関」「 が 行 う 事 務」「 に 関 す る 情 報」( 同 号 柱 書 き ) で あ

(9)

な 事 実 の 把 握 を 困 難 に す る お そ れ 又 は 違 法 若 し く は 不 当 な 行 為 を 容 易

に し 、 若 し く は そ の 発 見 を 困 難 に す る お そ れ」( 同 号 イ ) が あ る も の

に 該 当 す る と と も に、「 当 該 事 務 」 の 「 性 質 上」、「 当 該 事 務 」 の 「 適

正 な 遂 行 に 支 障 を 及 ぼ す お そ れ が あ る も の」( 同 号 柱 書 き ) に 該 当 す

る 。

イ 法 第 5 条 第 1 号 該 当 性

出 張 官 が 特 定 の 検 査 箇 所 に お い て 実 地 検 査 に 従 事 し た 事 実 は、「 個

人 に 関 す る 情 報 」 で あ っ て、「 特 定 の 個 人 を 識 別 す る こ と が で き る も

の」( 法 第 5 条 第 1 号 本 文 ) に 該 当 す る 。

こ の よ う な 情 報 は 、 公 表 す る 慣 行 が な く 、 ま た 、 当 該 情 報 が 公 表 さ

れ た 場 合 に は 、 前 記 ア の と お り 、 現 在 又 は 将 来 に お け る 厳 正 か つ 円 滑

な 検 査 の 実 施 に 支 障 を 及 ぼ す お そ れ が あ る こ と を 踏 ま え る と 、 公 表 が

予 定 さ れ て い る 情 報 で あ る と い う こ と も で き な い か ら 、 同 号 た だ し 書

イ に 該 当 し な い も の で あ る 。

し た が っ て 、 出 張 官 の 氏 名 は 、 法 第 5 条 第 1 号 に も 該 当 す る 。

な お 、 出 張 官 の う ち 、 当 該 実 地 検 査 の 主 任 官 に 任 じ ら れ て い る 副 長 以

上 の 職 に あ る 職 員 の 氏 名 は 開 示 し て い る 。 こ の よ う に 、 副 長 以 上 の 職 に

あ る 職 員 の 氏 名 に つ い て そ の 他 の 一 般 の 調 査 官 等 と 異 な る 取 扱 い を し て

い る の は 以 下 の よ う な 理 由 に よ る も の で あ る 。

す な わ ち 、 実 地 検 査 の 主 任 官 は 、 他 の 出 張 官 を 指 揮 監 督 し 、 検 査 の 結

果 等 に つ い て の 受 検 庁 と の 打 合 せ そ の 他 の 統 括 的 事 務 の 処 理 、 帰 庁 後 に

お け る 検 査 結 果 の 報 告 等 に 従 事 す る 者 で あ る 。 し た が っ て 、 副 長 以 上 の

職 に あ る 職 員 は 、 主 任 官 と し て 当 該 実 地 検 査 に お け る す べ て の 検 査 事 項

に 関 与 す る が 、 そ の 関 与 は 管 理 者 的 立 場 か ら の も の で あ り 、 ま た 、 特 定

の 検 査 事 項 の 担 当 調 査 官 等 と は 異 な り 、 必 ず し も 特 定 の 検 査 事 項 に 係 る

検 査 を 直 接 担 当 す る も の で は な い 。 さ ら に 、 主 任 官 に は 、 対 外 的 に 出 張

官 を 代 表 す る 職 員 で あ る と の 位 置 付 け が な さ れ て い る 。

こ の た め 、 会 計 検 査 院 に お い て は 、 主 任 官 な い し 副 長 以 上 の 職 に あ る

職 員 の 氏 名 は 、 必 ず し も 法 第 5 条 第 6 号 の 不 開 示 情 報 に 該 当 す る も の で

は な く 、 む し ろ 、 同 条 第 1 号 た だ し 書 イ に 規 定 す る 「 慣 行 と し て 公 に さ

れ 、 又 は 公 に す る こ と が 予 定 さ れ て い る 情 報 」 に 該 当 す る も の と し て 取

り 扱 っ て い る 。

( 2) 7 号 対 象 文 書

7 号 対 象 文 書 は 、 1 5 年 4 月 1 4 日 か ら 1 8 日 ま で 実 施 さ れ た 本 件 検

(10)

る 目 的 で 、 出 張 官 が そ の 検 査 の 結 果 等 を 所 定 の 様 式 に 従 っ て 記 載 す る な

ど し て 作 成 さ れ た 検 査 資 料 で あ る 。

当 該 検 査 資 料 の 記 載 内 容 の う ち 、 7 号 第 三 次 決 定 に お い て な お 不 開 示

と さ れ た 部 分 は 次 の ① 及 び ② で あ る 。

① 表 題 、 様 式 及 び そ の 記 載 内 容

② 作 成 者 の 姓

そ し て 、 こ れ ら の 不 開 示 情 報 該 当 性 に つ い て は 以 下 の と お り で あ る 。

ア 前 記 ① の 情 報

( ア ) 法 第 5 条 第 5 号 該 当 性

前 記 ① の 情 報 は 、 7 号 対 象 文 書 の う ち 、 本 件 会 計 実 地 検 査 に 係 る

検 査 の 結 果 等 を 具 体 的 に 記 録 し た も の で あ っ て 、 当 該 検 査 事 項 な い

し 当 該 検 査 の 結 果 等 を 端 的 に 読 み 取 る こ と が で き る も の で あ る 。

こ の よ う な 会 計 検 査 院 の 検 査 の 一 過 程 で 作 成 又 は 取 得 さ れ た 検 査

資 料 に 記 載 さ れ た 特 定 の 検 査 事 項 な い し 検 査 の 結 果 等 に 関 す る 情 報

が 開 示 さ れ た 場 合 に は 、 様 々 な 憶 測 を 呼 び 又 は 外 部 の 圧 力 ・ 干 渉 等

を 招 来 す る な ど し て 、 現 在 又 は 将 来 の 検 査 過 程 に お け る 同 院 と 受 検

庁 一 般 と の 間 の 率 直 な 意 見 交 換 、 受 検 庁 に よ る 円 滑 な 資 料 の 提 出 等

を 阻 害 す る な ど し 、 も っ て 厳 正 か つ 円 滑 な 検 査 の 実 施 に 支 障 を 及 ぼ

す お そ れ が あ る ほ か 、 同 院 内 部 に お け る 検 査 の 結 果 等 に 対 す る 公 正

か つ 慎 重 な 審 理 ・ 判 断 の 確 保 に も 支 障 を 及 ぼ す お そ れ が あ る 。

し た が っ て 、 前 記 ① の 情 報 は 、 法 第 5 条 第 5 号 に 規 定 す る 「 国 の

機 関 」 の 「 内 部 又 は 相 互 間 に お け る 審 議 、 検 討 」 に 関 す る 情 報 で あ

っ て、「 公 に す る こ と に よ り 、 率 直 な 意 見 の 交 換 若 し く は 意 思 決 定

の 中 立 性 が 不 当 に 損 な わ れ る お そ れ 」 又 は 「 不 当 に 国 民 の 間 に 混 乱

を 生 じ さ せ る お そ れ 」 が あ る も の に 該 当 す る 。

( イ ) 法 第 5 条 第 6 号 柱 書 き 及 び 同 号 イ 該 当 性

前 記 ① の 情 報 は 、 そ の 記 載 内 容 か ら 特 定 の 検 査 事 項 に 係 る 会 計 検

査 院 の 具 体 的 な 検 査 活 動 内 容 を 知 り 又 は 推 知 す る こ と が 可 能 な も の

で あ る 。

し た が っ て 、 こ の よ う な 情 報 が 開 示 さ れ た 場 合 に は 、 現 在 又 は 将

来 の 検 査 過 程 に お い て 、 当 該 受 検 庁 を 含 む 受 検 庁 一 般 に 対 し 、 特 定

の 検 査 事 項 に 係 る 会 計 検 査 院 の 検 査 活 動 内 容 を 告 知 す る 結 果 と な

、 、

り 厳 正 か つ 効 果 的 な 検 査 の 実 施 に 支 障 を 及 ぼ す お そ れ が あ る ほ か

同 院 内 部 に お け る 検 査 の 結 果 等 に 対 す る 公 正 か つ 慎 重 な 審 理 ・ 判 断

(11)

、 、 「 」 よ っ て 前 記 ① の 情 報 は 法 第 5 条 第 6 号 が 規 定 す る 国 の 機 関

「 が 行 う 事 務」「 に 関 す る 情 報」( 同 号 柱 書 き ) で あ っ て、「 公 に す

る こ と に よ り」、「 検 査」「 に 係 る 事 務 に 関 し、」「 正 確 な 事 実 の 把 握

を 困 難 に す る お そ れ」( 同 号 イ ) が あ る も の に 該 当 す る と と も に 、

検 査 に 係 る「事 務」又 は 検 査 の 結 果 等 に 対 す る 審 理 ・ 判 断 に 係 る「事

務 」 の 「 性 質 上」、「 当 該 事 務 」 の 「 適 正 な 遂 行 に 支 障 を 及 ぼ す お

そ れ が あ る も の」( 同 号 柱 書 き ) に も 該 当 す る 。

イ 前 記 ② の 情 報

前 記 ② の 情 報 は 、 特 定 の 検 査 事 項 の 検 査 担 当 者 を 特 定 す る こ と が で

き る も の で あ り 、 前 記 ( 1) に お い て 6 号 対 象 文 書 に つ い て 述 べ た の と

同 様 の 理 由 か ら 、 法 第 5 条 第 6 号 柱 書 き 及 び 同 号 イ 並 び に 同 条 第 1 号

が 規 定 す る 不 開 示 情 報 に 該 当 す る 。

5 審 査 請 求 人 の 主 張 に 対 す る 反 論 等

( 1) 会 計 検 査 の 特 質 に つ い て

審 査 請 求 人 は 、 6 号 不 開 示 決 定 及 び 7 号 不 開 示 決 定 が な さ れ た 年 月 日

に は 、 既 に 本 件 会 計 実 地 検 査 は 終 了 し て い る の で あ る か ら 、 法 第 5 条 第

「 」 。

6 号 柱 書 き 及 び 同 号 イ の お そ れ が 生 じ る は ず が な い 旨 主 張 し て い る

し か し 、 会 計 検 査 院 の 実 施 す る 会 計 検 査 は 、 特 定 の 検 査 箇 所 に 対 す る

実 地 検 査 の 終 了 に よ り 完 結 す る よ う な 性 質 の も の で は な く 、 決 算 検 査 報

告 へ の 掲 記 ・ 公 表 に 至 る 一 連 の 検 査 過 程 と し て 理 解 さ れ る べ き 性 質 の も

の で あ る 。

( 2) 同 種 の 会 計 実 地 検 査 の 実 施 状 況 に つ い て

6 号 第 二 次 決 定 に 関 し 、 審 査 請 求 人 は 、 本 件 会 計 実 地 検 査 の 出 張 官 が

必 ず し も 他 の 検 査 箇 所 に 同 様 の 出 張 を 行 う わ け で は な い な ど と 主 張 し て

い る 。

し か し 、 あ る 検 査 年 次 の 検 査 過 程 に お い て は 、 同 種 又 は 類 似 の 検 査 箇

所 な い し 検 査 事 項 に 関 す る 実 地 検 査 が 繰 り 返 し 行 わ れ る 場 合 が 少 な く な

く 、 ま た 、 当 該 検 査 担 当 課 に 所 属 す る 調 査 官 等 が こ れ に 繰 り 返 し 従 事 す

る 場 合 も 少 な く な い 。

( 3) 検 査 の 実 施 に 支 障 が 生 じ る お そ れ に つ い て

審 査 請 求 人 は 、 出 張 官 の 氏 名 が 開 示 さ れ た と し て も 、 法 第 5 条 第 6 号

イ に 規 定 す る 法 的 保 護 に 値 す る 蓋 然 性 と し て の 「 お そ れ 」 が 生 ず る と は

考 え に く く 、 ま た 、 そ も そ も 会 計 検 査 院 に お い て 「 検 査」「 に 係 る 事 務

に 関 し、」「 正 確 な 事 実 の 把 握 を 困 難 に す る お そ れ 又 は 違 法 若 し く は 不

(12)

の よ う な 事 態 を 想 定 し て い る の か 理 解 で き な い な ど と 主 張 し て い る 。

し か し 、 出 張 官 の 氏 名 が 開 示 さ れ 、 実 際 に 当 該 出 張 官 に 対 し 外 部 の 不

当 な 圧 力 ・ 干 渉 等 が 加 え ら れ た 場 合 に は 、 当 該 出 張 官 に 限 ら ず 、 現 在 又

は 将 来 の 検 査 過 程 に お け る 出 張 官 一 般 を 萎 縮 さ せ る お そ れ が あ る 。

こ の よ う な 事 態 が 生 じ た 場 合 に は 、 会 計 検 査 院 が 実 地 検 査 を 通 じ て 正

確 な 事 実 を 把 握 し 又 は 違 法 若 し く は 不 当 な 行 為 を 発 見 す る こ と を 困 難 に

す る な ど し て 、 実 地 検 査 の 厳 正 か つ 効 果 的 な 実 施 に 著 し い 支 障 を 及 ぼ す

お そ れ が あ り 、 ひ い て は 、 実 地 検 査 を 主 要 な 検 査 の 実 施 方 法 と す る 会 計

検 査 の 厳 正 か つ 効 果 的 な 実 施 に 致 命 的 な 支 障 を 及 ぼ す お そ れ が あ る 。

そ し て 、 出 張 官 の 氏 名 が 開 示 さ れ た 場 合 に 外 部 の 不 当 な 圧 力 ・ 干 渉 等

「 」

を 招 来 す る な ど し て 厳 正 か つ 円 滑 な 検 査 の 実 施 に 支 障 を 及 ぼ す お そ れ

と は 、 単 な る 抽 象 的 な い し 確 率 的 な 可 能 性 に と ど ま る も の で は な く 、 次

「 」 。

の よ う な 事 実 を 評 価 根 拠 事 実 と す る 法 的 蓋 然 性 の あ る お そ れ で あ る

す な わ ち 、 会 計 検 査 院 が 憲 法 上 の 独 立 機 関 と さ れ ( 憲 法 第 9 0 条 第 1

項)、 ま た 、 そ の 意 思 決 定 機 関 で あ る 検 査 官 会 議 を 構 成 す る 検 査 官 に 法

律 上 の 身 分 保 障 が 与 え ら れ て い る こ と ( 会 計 検 査 院 法 ( 昭 和 2 2 年 法 律

第 7 3 号 ) 第 4 条 な い し 第 8 条 ) な ど は 、 同 院 が 常 に 外 部 の 不 当 な 圧 力

・ 干 渉 等 に さ ら さ れ る お そ れ が あ る こ と を 前 提 と す る も の で あ る 。

会 計 検 査 院 の 検 査 の 性 質 上 、 検 査 過 程 で は 外 部 か ら の 様 々 な 働 き か け

若 し く は 圧 力 ・ 干 渉 等 が 加 え ら れ る こ と が 容 易 に 想 定 さ れ る 。 そ し て 、

実 際 、 過 去 の 検 査 過 程 に お い て こ の よ う な 働 き か け 若 し く は 圧 力 ・ 干 渉

等 が 加 え ら れ た 例 も 少 な く な い 。

ま た 、 審 査 請 求 人 は 、 行 政 機 関 は 行 政 文 書 の リ ス ト を 備 え 、 こ れ を 適

正 に 管 理 し な け れ ば な ら な い も の で あ り 、 会 計 検 査 院 は 行 政 文 書 を 検 査

す る の で あ る か ら 、 法 第 5 条 第 6 号 イ に 規 定 す る 「 検 査」「 に 係 る 事 務

に 関 し、」「 正 確 な 事 実 の 把 握 を 困 難 に す る お そ れ 」 は あ り 得 な い な ど

と も 主 張 し て い る 。

し か し 、 会 計 検 査 院 の 検 査 過 程 で は 、 受 検 庁 に よ り 、 関 係 者 の 口 裏 合

わ せ 、 関 係 書 類 の 改 ざ ん 等 の 仮 装 ・ 隠 ぺ い 工 作 と い っ た 不 適 切 な 会 計 検

査 対 応 が 行 わ れ る 例 も 見 受 け ら れ 、 ま た 、 受 検 庁 に お い て 検 査 資 料 の 提

出 を ち ゅ う ち ょ し 又 は こ れ に 難 色 を 示 す よ う な 場 合 も 少 な く な い 。

( 4) 法 第 5 条 第 6 号 柱 書 き の 「 適 正 」 性 の 判 断 に つ い て

審 査 請 求 人 は 、 法 第 5 条 第 6 号 柱 書 き に お け る 「 適 正 」 性 を 判 断 す る

に 当 た っ て は 、 開 示 の も た ら す 支 障 と 開 示 に よ る 利 益 と を 比 較 衡 量 す べ

(13)

し か し 、 一 般 に 、 法 的 な 利 益 衡 量 を 行 う に 当 た っ て は 、 当 該 利 益 衡 量

が 単 な る 主 観 的 価 値 判 断 に 陥 ら な い よ う に す る た め の 適 切 な 判 断 基 準 の

設 定 及 び 判 断 要 素 の 選 定 等 の 具 体 的 な 方 法 論 の 設 定 が 不 可 欠 で あ る 。

こ の た め、「 適 正 」 性 の 判 断 の よ う な 規 範 的 事 実 の 有 無 に 関 す る 判 断

に つ い て は 、 当 該 規 範 的 事 実 を 基 礎 付 け る に 足 る 評 価 根 拠 事 実 及 び 評 価

障 害 事 実 の 有 無 ・ 内 容 ・ 程 度 に 関 す る 精 密 な 検 証 を 行 う こ と に よ り 決 せ

ら れ る も の と 一 般 に 解 さ れ て い る 。

そ し て 、 諮 問 庁 で は そ の よ う な 検 証 を 行 っ た 結 果 と し て 、 本 件 不 開 示

情 報 に つ い て は そ の 不 開 示 情 報 該 当 性 を 基 礎 付 け る に 足 る 評 価 根 拠 事 実

が 存 在 す る と 判 断 し た も の で あ る 。

( 5) 法 第 5 条 第 1 号 該 当 性 に つ い て

6 号 第 二 次 決 定 に 関 し 、 審 査 請 求 人 は 、 法 第 5 条 第 1 号 た だ し 書 ハ に

よ る と 「 当 該 公 務 員 等 の 職 及 び 当 該 職 務 遂 行 の 内 容 に 係 る 部 分 」 に つ い

て は 開 示 す る こ と と さ れ て い る か ら 、 出 張 官 の 氏 名 が 同 号 の 不 開 示 情 報

に 該 当 す る と は 考 え ら れ な い と 主 張 し て い る 。

し か し 、 同 号 た だ し 書 ハ の 規 定 は 、 公 務 員 等 の 職 務 の 遂 行 に 係 る 情 報

の う ち 、 当 該 規 定 に よ り 開 示 さ れ る の は 当 該 公 務 員 等 の 職 名 及 び 職 務 遂

行 の 内 容 に 関 す る 情 報 に 限 ら れ 、 当 該 職 務 遂 行 情 報 に 含 ま れ る 公 務 員 等

の 氏 名 が 当 該 職 務 遂 行 情 報 の 一 部 で あ る こ と を 理 由 と し て 開 示 さ れ る こ

と は な い こ と を 明 ら か に す る 趣 旨 の も の で あ る と 一 般 に 解 さ れ て い る 。

こ の た め 、 公 務 員 等 の 氏 名 が 同 号 の 不 開 示 情 報 と な る か ど う か に つ い

て は 、 同 号 た だ し 書 ハ で は な く 、 同 号 た だ し 書 イ に 規 定 さ れ る 公 表 情 報

又 は 公 表 予 定 情 報 に 該 当 す る か ど う か に よ り 決 定 さ れ る も の で あ る 。

( 6) 本 件 に お け る 原 処 分 変 更 の 法 的 性 質 に つ い て

6 号 第 二 次 決 定 及 び 7 号 第 二 次 決 定 は 、 そ れ ぞ れ 原 処 分 で あ る 6 号 不

開 示 決 定 及 び 7 号 不 開 示 決 定 を 変 更 し た も の で あ り 、 ま た 、 7 号 第 三 次

決 定 は 、 原 処 分 で あ る 7 号 不 開 示 決 定 を 再 度 変 更 し た も の で あ る 。 こ れ

ら の 変 更 処 分 及 び 再 変 更 処 分 の 法 的 性 質 に つ い て 詳 述 す る と 次 の と お り

で あ る 。

ア 6 号 第 二 次 決 定 及 び 7 号 第 二 次 決 定

6 号 第 二 次 決 定 及 び 7 号 第 二 次 決 定 は 、 1 5 検 査 年 次 の 終 了 と い う

、 ( )、

客 観 的 な 事 情 の 変 更 に 伴 い 原 処 分 の 一 部 を 変 更 し 一 部 を 撤 回 し

当 該 変 更 ( 一 部 撤 回 ) 部 分 に つ い て は 、 6 号 不 開 示 決 定 に 関 し て は 、

新 た に 一 部 開 示 決 定 処 分 を 行 い 、 ま た 、 7 号 不 開 示 決 定 に 関 し て は 、

(14)

部 撤 回 ) 部 分 以 外 の 部 分 に つ い て は 何 ら 変 更 さ れ る も の で は な く 、 引

き 続 き 原 処 分 の 不 開 示 決 定 処 分 と し て の 効 力 が 維 持 さ れ る こ と を 明 ら

か に し た も の で あ る 。

イ 7 号 第 三 次 決 定

7 号 第 三 次 決 定 は 、 7 号 請 求 文 書 に 該 当 す る 行 政 文 書 の 存 在 の 判 明

と い う 客 観 的 な 事 情 の 変 更 を 踏 ま え 、 7 号 不 開 示 決 定 の 一 部 を 変 更 し

( 一 部 を 取 り 消 し)、 当 該 変 更 ( 一 部 取 消 し ) 部 分 に つ い て は 新 た に

一 部 開 示 決 定 処 分 を 行 う こ と と す る 一 方 で 、 当 該 変 更 ( 一 部 取 消 し )

部 分 以 外 の 部 分 に つ い て は 何 ら 変 更 さ れ る も の で は な く 、 引 き 続 き 原

処 分 の 不 開 示 決 定 処 分 と し て の 効 力 が 維 持 さ れ る こ と を 明 ら か に し た

も の で あ る 。

こ れ ら の 変 更 処 分 又 は 再 変 更 処 分 に よ る 原 処 分 の 変 更 に つ い て 、 当 該

変 更 は そ れ ぞ れ 原 処 分 の 一 部 撤 回 、 処 分 理 由 の 撤 回 ( 差 替 え ) 又 は 原 処

分 の 一 部 取 消 し の 性 質 を 有 す る も の と 考 え ら れ る 旨 を 説 明 し た の は 、 あ

く ま で も 当 該 変 更 部 分 に 限 っ て の こ と で あ り 、 当 該 変 更 部 分 以 外 の 部 分

ま で も が 撤 回 又 は 取 り 消 さ れ た こ と に な る と か 、 原 処 分 の 法 的 効 力 の す

べ て が 撤 回 又 は 取 り 消 さ れ て 全 く 新 た な 処 分 が 行 わ れ た こ と に な る な ど

と 説 明 し た こ と は な い 。

そ し て 、 こ の よ う な 説 明 を し た の は 、 当 該 変 更 に 関 す る 簡 明 な 理 解 及

び 当 該 変 更 理 由 の 明 確 性 の 確 保 に 資 す る と 考 え ら れ る こ と な ど に よ る も

の で あ る 。

第 4 調 査 審 議 の 経 過

当 審 査 会 は 、 本 件 諮 問 事 件 に つ い て 、 以 下 の と お り 、 平 成 1 5 年 諮 問 第 6

号 及 び 平 成 1 5 年 諮 問 第 7 号 を 併 合 し 、 調 査 審 議 を 行 っ た 。

① 平 成 1 5 年 8 月 5 日 諮 問 書 の 収 受

② 同 年 9 月 1 9 日 諮 問 第 6 号 及 び 第 7 号 の 併 合

③ 平 成 1 6 年 5 月 1 8 日 諮 問 庁 か ら 6 号 第 二 次 決 定 及 び 7 号 第 二 次 決

定 に つ い て の 通 知 文 書 を 収 受

④ 同 年 6 月 2 8 日 諮 問 庁 か ら 意 見 書 を 収 受

⑤ 同 年 7 月 2 日 諮 問 庁 か ら 7 号 第 三 次 決 定 に つ い て の 通 知 文

書 及 び 追 加 意 見 書 を 収 受

⑥ 同 年 7 月 5 日 委 員 交 代 に 伴 う 所 要 の 手 続 の 実 施 、 諮 問 庁 の

( )

職 員 会 計 検 査 院 事 務 総 長 官 房 総 務 課 長 ほ か

か ら の 口 頭 説 明 の 聴 取 、 6 号 対 象 文 書 及 び 7

(15)

⑦ 同 年 7 月 2 6 日 審 査 請 求 人 か ら 意 見 書 を 収 受

⑧ 同 年 8 月 3 日 諮 問 庁 の 職 員 ( 会 計 検 査 院 事 務 総 長 官 房 総 務

課 長 ほ か ) か ら の 口 頭 説 明 の 聴 取 及 び 審 議

⑨ 同 年 8 月 3 0 日 諮 問 庁 か ら 追 加 意 見 書 を 収 受

⑩ 同 年 9 月 1 日 諮 問 庁 の 職 員 ( 会 計 検 査 院 事 務 総 長 官 房 総 務

課 長 ほ か ) か ら の 口 頭 説 明 の 聴 取 及 び 審 議

⑪ 同 年 1 0 月 1 4 日 審 議

⑫ 同 年 1 1 月 2 9 日 審 議

⑬ 同 年 1 2 月 2 0 日 審 議

第 5 審 査 会 の 判 断 の 理 由

1 諮 問 の 経 緯 及 び 当 審 査 会 の 判 断 の 対 象 に つ い て

6 号 開 示 請 求 及 び 7 号 開 示 請 求 を 受 け て 、 処 分 庁 は 、 そ れ ぞ れ 法 第 8 条

の 規 定 に 基 づ く 存 否 応 答 拒 否 処 分 ( 6 号 不 開 示 決 定 及 び 7 号 不 開 示 決 定 )

を 行 っ た 。 そ し て 、 こ れ ら に 対 す る 審 査 請 求 を 受 け て 、 諮 問 庁 は 当 審 査 会

に 対 す る 諮 問 を 行 っ た 。

そ の 後 、 処 分 庁 は 、 平 成 1 5 年 次 の 検 査 過 程 が 終 了 し た こ と に よ り 、 存

否 応 答 拒 否 処 分 を 維 持 す る 理 由 が な く な っ た と し て 、 1 5 年 1 2 月 1 9 日

、 ( ) 、

に 6 号 不 開 示 決 定 を 変 更 す る と し て 一 部 開 示 決 定 6 号 第 二 次 決 定 を

ま た 、 7 号 不 開 示 決 定 を 変 更 す る と し て 行 政 文 書 の 不 存 在 を 理 由 と す る 不

開 示 決 定 ( 7 号 第 二 次 決 定 ) を そ れ ぞ れ 行 っ た 。

こ れ ら の 第 二 次 決 定 に 対 し て は、改 め て そ の 取 消 し を 求 め る 審 査 請 求(第

二 次 審 査 請 求 ) が 提 起 さ れ て お り 、 諮 問 庁 は 現 在 そ れ に つ い て 審 理 中 で あ

る が 、 当 該 第 二 次 決 定 は 、 い ず れ も 審 査 請 求 人 に 対 し 新 た な 不 利 益 を 課 す

処 分 で は な く 、 原 決 定 を 専 ら 審 査 請 求 人 に 有 利 な 方 向 に 変 更 し た も の で あ

る か ら 、 そ の 取 消 し を 求 め る 審 査 請 求 の 利 益 が な い と 考 え て い る と の こ と

で あ り 、 第 二 次 審 査 請 求 に つ い て は 当 審 査 会 へ の 諮 問 は な さ れ て い な い 。

さ ら に 、 そ の 後 、 7 号 開 示 請 求 に 関 し 、 7 号 請 求 文 書 に 該 当 す る 行 政 文

、 、 、

書 の 存 否 を 改 め て 調 査 し た と こ ろ そ の 存 在 が 判 明 し た と し て 処 分 庁 は

1 6 年 7 月 1 日 に 、 7 号 第 二 次 決 定 を 変 更 す る と し て 一 部 開 示 決 定 ( 7 号

第 三 次 決 定 ) を 行 っ た 。 な お 、 7 号 第 三 次 決 定 に 対 す る 新 た な 審 査 請 求 は

提 起 さ れ て い な い 。

こ の よ う に 、 処 分 庁 で は 、 上 記 各 第 二 次 決 定 及 び 第 三 次 決 定 を 、 そ れ ぞ

れ 、 そ れ に 先 行 す る 決 定 に 対 す る 変 更 処 分 と し て 行 っ て い る 。 ま た 、 そ の

内 容 を 見 る と 、 原 決 定 で あ る 6 号 不 開 示 決 定 及 び 7 号 不 開 示 決 定 に よ り そ

(16)

否 を 明 ら か に し 、 最 終 的 に そ れ に 該 当 す る 文 書 の 一 部 を 開 示 す る こ と と し

た も の で あ っ て 、 い ず れ も 審 査 請 求 人 に 有 利 な 方 向 に 、 開 示 請 求 の 対 象 と

な る 文 書 の 存 否 情 報 又 は そ れ に 記 載 さ れ た 情 報 の 一 部 を 開 示 す る こ と と し

た も の と 解 さ れ 、 実 質 的 に も 原 決 定 に 対 す る 変 更 決 定 と 位 置 付 け る の が 相

当 で あ る 。

よ っ て 、 当 審 査 会 と し て は 、 本 件 各 第 二 次 決 定 及 び 第 三 次 決 定 に よ り そ

の 不 開 示 の 範 囲 が 縮 小 変 更 さ れ た 原 決 定 を 対 象 と し て 、 そ の 当 否 を 判 断 す

る こ と と す る 。

2 本 件 対 象 文 書 に つ い て

( 1) 6 号 対 象 文 書

6 号 対 象 文 書 は 、 1 5 年 次 の 検 査 過 程 で 実 施 さ れ た 本 件 検 査 箇 所 に 対

す る 会 計 実 地 検 査 の 実 施 に 当 た り 、 受 検 庁 あ て に 通 知 さ れ た 出 張 通 知 の

写 し で あ り 、 当 該 検 査 箇 所 に 対 し 特 定 の 職 員 を 一 定 期 間 派 遣 し て 実 地 検

査 を 行 う 旨 な ど が 記 載 さ れ て い る 。

( 2) 7 号 対 象 文 書

7 号 対 象 文 書 は 、 本 件 検 査 箇 所 に 対 す る 会 計 実 地 検 査 に お い て 出 張 官

が 作 成 し た 検 査 資 料 で あ り 、 特 定 の 検 査 事 項 に 関 す る 検 査 の 結 果 等 が 記

載 さ れ て い る 。

3 7 号 請 求 文 書 の 特 定 に つ い て

前 記 1 の と お り 、 処 分 庁 は 、 存 否 応 答 拒 否 処 分 を 変 更 す る 7 号 第 二 次 決

定 を 行 っ た 時 点 に お い て は 、 7 号 請 求 文 書 に 該 当 す る 行 政 文 書 は 保 有 し て

い な い と し て い た が 、 そ の 後 、 改 め て 調 査 し た と こ ろ 、 そ の 存 在 が 判 明 し

た と し て 、 処 分 庁 は 、 7 号 第 三 次 決 定 を 行 い 、 上 記 2 ( 2) の 検 査 資 料 を 7

号 請 求 文 書 に 該 当 す る も の と し て 特 定 し た 。

一 方、審 査 請 求 人 は、会 計 実 地 検 査 最 終 日 に 行 わ れ る 総 括 的 な 打 合 せ(講

評 ) の 基 と な っ た 資 料 や 帰 庁 後 の 復 命 の 資 料 と し て 用 い ら れ た 文 書 等 も 7

号 請 求 文 書 に 該 当 す る 旨 主 張 し て い る 。

こ れ ら の 点 に 関 し 、 諮 問 庁 は 、 一 般 に 、 会 計 検 査 院 が 行 う 受 検 庁 と の 検

査 結 果 の 打 合 せ ( 講 評 ) は 、 必 ず し も ひ な 形 の よ う な も の に 基 づ い て 行 わ

れ る も の で は な く 、 主 任 官 に お い て 必 ず そ の 原 稿 を 作 成 す る こ と と さ れ て

い る も の で も な い 。 ま た 、 主 任 官 が 各 出 張 官 か ら 打 合 せ 事 項 に 関 す る メ モ

の 作 成 ・ 提 出 を 受 け て い る 場 合 で あ っ て も 、 そ れ ら の メ モ が 実 地 検 査 の 終

了 後 も 行 政 文 書 と し て 保 有 さ れ る こ と は な い の が 通 例 で あ る な ど と 説 明 し

て い る 。

(17)

報 書 の 関 係 で は 、 実 地 検 査 期 間 中 に 各 出 張 官 が 記 録 し た メ モ 等 が そ の 資 料

と さ れ る 場 合 も 考 え ら れ る が 、 こ の よ う な メ モ 等 は あ く ま で も 個 々 の 出 張

官 の 備 忘 録 的 な メ モ と し て 作 成 さ れ る も の で あ り 、 そ れ ら の メ モ 等 が 申 報

書 の 作 成 後 も 行 政 文 書 と し て 保 有 さ れ る こ と は な い の が 通 例 で あ る な ど と

説 明 し て い る 。

個 人 の 作 成 し た メ モ で あ っ て も 、 そ の 使 用 の 態 様 に よ っ て は 組 織 共 用 文

書 に 該 当 す る 可 能 性 は あ り 、 も し そ の よ う な 文 書 を 保 有 し て い れ ば 7 号 請

求 文 書 に 該 当 し 得 る も の で あ る 。 し か し 、 当 審 査 会 に お い て 、 諮 問 庁 か ら

本 件 会 計 実 地 検 査 に 係 る 申 報 書 の 提 示 を 受 け た り 、 当 該 実 地 検 査 に お け る

打 合 せ ( 講 評 ) の 状 況 に つ い て 説 明 を 受 け た り し て 確 認 し た と こ ろ 、 当 該

実 地 検 査 に 関 し て 、 前 記 の 検 査 資 料 の ほ か に 7 号 請 求 文 書 に 該 当 す る 文 書

を 保 有 し て い な い と す る 諮 問 庁 の 説 明 に 特 段 不 自 然 な 点 は 認 め ら れ な い 。

し た が っ て 、 諮 問 庁 が 7 号 請 求 文 書 に 該 当 す る も の と し て 前 記 の 検 査 資

料 の み を 特 定 し た こ と は 妥 当 で あ っ た と 認 め ら れ る 。

な お 、 前 記 の と お り 、 い っ た ん 7 号 請 求 文 書 に 該 当 す る 文 書 は 全 く 保 有

し て い な い と し て 7 号 第 二 次 決 定 を 行 っ た 後 、 再 調 査 に よ っ て そ の 存 在 が

明 ら か に な っ た こ と か ら す る と 、 結 果 と し て 、 当 初 の 対 象 文 書 の 特 定 の た

。 、

め の 調 査 確 認 が 十 分 で あ っ た と は 言 い 難 い と こ ろ で あ る こ の 点 に つ い て

処 分 庁 及 び 諮 問 庁 で は 、 事 態 を 真 摯 に 受 け 止 め 、 今 後 、 同 様 の 事 態 が 生 じ

る こ と の な い よ う 開 示 請 求 関 係 事 務 に 万 全 を 期 す る と し て お り 、 一 層 適 正

な 事 務 の 執 行 が 望 ま れ る と こ ろ で あ る 。

4 本 件 不 開 示 情 報 に つ い て

( 1) 6 号 対 象 文 書

当 審 査 会 が 6 号 対 象 文 書 を 見 分 す る な ど し て 調 査 し た と こ ろ 、 そ の 記

載 内 容 は 以 下 の と お り と な っ て い た 。

ア 文 書 番 号 及 び 発 信 年 月 日

イ 名 あ て 人 及 び 発 信 人 そ れ ぞ れ の 職 名 及 び 氏 名 並 び に 発 信 人 の 職 名 印

ウ 会 計 実 地 検 査 の た め 、 特 定 の 課 の 特 定 の 職 員 を 主 任 官 と し て 出 張 を

命 じ た 旨

エ 上 記 主 任 官 を 含 む 出 張 官 全 員 の 職 名 及 び 氏 名

オ 検 査 の 期 間

カ 検 査 を 実 施 す る 箇 所

こ の う ち 、 上 記 エ の う ち の 主 任 官 を 除 く 出 張 官 の 氏 名 が な お 不 開 示 と

さ れ て い る 。

(18)

当 審 査 会 が 7 号 対 象 文 書 を 見 分 す る な ど し て 調 査 し た と こ ろ 、 そ の 記

載 内 容 は 以 下 の と お り と な っ て い た 。

ア 表 題

イ 会 計 実 地 検 査 の 実 施 期 間

ウ 検 査 箇 所

エ 当 該 文 書 の 総 枚 数 及 び 当 該 用 紙 が そ の 何 枚 目 で あ る か の 表 示

オ 作 成 者 の 所 属 課 名 及 び 姓

カ 検 査 の 結 果 等 を 記 載 す る 表 の 様 式 及 び そ の 記 載 内 容

こ の う ち 、 上 記 ア 及 び カ 並 び に オ の う ち の 作 成 者 の 姓 が な お 不 開 示 と

さ れ て い る 。

5 不 開 示 情 報 該 当 性 に つ い て

( 1) 6 号 対 象 文 書

6 号 対 象 文 書 に 記 載 さ れ て い る 出 張 官 の 氏 名 は 、 本 件 会 計 実 地 検 査 に

従 事 す る 担 当 調 査 官 等 の 氏 名 で あ る と 認 め ら れ る 。 し た が っ て 、 こ れ を

公 に し た 場 合 に は 、 当 該 実 地 検 査 に お い て 本 件 検 査 箇 所 に 対 す る 検 査 に

従 事 し た 担 当 者 を 特 定 す る こ と が で き る と 認 め ら れ る 。

会 計 検 査 院 と 受 検 庁 及 び そ の 関 係 者 は 、 検 査 を 実 施 す る 者 と 検 査 を 受

け る 者 及 び そ の 関 係 者 と い う 立 場 で 緊 張 関 係 に あ り 、 検 査 の 結 果 、 指 摘

等 を 受 け た 場 合 に は 、 受 検 庁 及 び そ の 関 係 者 に と っ て 金 銭 の 返 還 、 弁 償

等 の 経 済 的 負 担 に つ な が る こ と も あ る ほ か 、 一 定 の 社 会 的 非 難 を 受 け る

こ と が 少 な く な い と こ ろ で あ る 。 こ の よ う な こ と か ら す る と 、 会 計 検 査

院 に 対 し て は 、 指 摘 等 を 免 れ よ う と す る な ど し て 、 常 に 外 部 か ら 不 当 な

圧 力 ・ 干 渉 等 が 加 え ら れ る お そ れ が あ り 、 実 際 、 そ の よ う に 外 部 か ら の

様 々 な 働 き か け 若 し く は 不 当 な 圧 力 ・ 干 渉 等 が 加 え ら れ た 例 も 存 在 す る

と の 諮 問 庁 の 説 明 は 十 分 理 解 で き る も の で あ る 。

一 般 に 、 特 定 の 検 査 箇 所 に 対 す る 会 計 実 地 検 査 の 担 当 者 が 明 ら か に な

る こ と に よ っ て 直 ち に 特 定 の 検 査 事 項 の 担 当 者 が 明 ら か に な る と ま で は

い え な い も の の 、 上 記 の よ う な 事 情 か ら す る と 、 特 定 の 検 査 箇 所 に 対 す

る 実 地 検 査 の 担 当 者 が 広 く 一 般 に 知 ら れ る と こ ろ と な る だ け で も 、 当 該

検 査 箇 所 又 は そ の 実 施 し て い る 事 務 ・ 事 業 に 関 係 を 有 す る 外 部 の 関 係 者

等 か ら 当 該 検 査 担 当 者 に 対 し て 不 当 な 圧 力 ・ 干 渉 等 を 招 来 す る お そ れ が

あ る と 認 め ら れ る 。

ま た 、 諮 問 庁 の 説 明 に よ れ ば 、 会 計 検 査 院 の 実 施 す る 会 計 検 査 は 、 特

定 の 検 査 箇 所 に 対 す る 実 地 検 査 の 終 了 に よ り 完 結 す る よ う な 性 質 の も の

(19)

若 し く は 類 似 の 検 査 事 項 に 関 す る 実 地 検 査 が 繰 り 返 し 行 わ れ る 場 合 が 少

な く な い と の こ と で あ る 。

本 件 会 計 実 地 検 査 自 体 は 既 に 終 了 し て い る も の の 、 こ の よ う な 会 計 検

査 の 継 続 性 ・ 反 復 性 か ら す る と 、 当 該 検 査 担 当 者 に 対 す る 前 記 の よ う な

圧 力 ・ 干 渉 等 は 、 当 該 実 地 検 査 や 当 該 検 査 年 次 の 終 了 後 で あ っ て も 生 じ

得 る も の と 考 え ら れ る 。

そ し て 、 こ の よ う に 検 査 担 当 者 に 外 部 か ら 不 当 な 圧 力 ・ 干 渉 等 が 加 え

ら れ る と い う 事 態 が 生 じ た 場 合 に は 、 当 該 検 査 担 当 者 に 限 ら ず 、 現 在 又

は 将 来 の 検 査 過 程 に お け る 検 査 担 当 者 一 般 の 検 査 活 動 を 萎 縮 さ せ る お そ

れ が あ り 、 そ の 結 果 、 会 計 検 査 院 に お い て 厳 正 か つ 効 果 的 な 検 査 を 実 施

す る こ と に 支 障 が 生 じ る お そ れ が あ る と 認 め ら れ る 。

し た が っ て、6 号 対 象 文 書 に 記 載 さ れ て い る 会 計 実 地 検 査 の 出 張 官(主

任 官 を 除 く。) の 氏 名 は 、 公 に す る こ と に よ り 、 法 第 5 条 第 6 号 イ に 規

定 す る 「 検 査」「 に 係 る 事 務 に 関 し、」「 正 確 な 事 実 の 把 握 を 困 難 に す る

お そ れ 又 は 違 法 若 し く は 不 当 な 行 為 を 容 易 に し 、 若 し く は そ の 発 見 を 困

難 に す る お そ れ 」 が あ る と 認 め ら れ る こ と か ら 、 同 条 第 1 号 該 当 性 等 に

つ い て 判 断 す る ま で も な く 、 法 に 規 定 す る 不 開 示 情 報 に 該 当 す る と 認 め

ら れ る 。

な お 、 諮 問 庁 で は 、 出 張 官 の う ち 、 副 長 以 上 の 職 に あ り 、 会 計 実 地 検

査 の 主 任 官 と な る 職 員 に つ い て は 、 管 理 者 的 立 場 に あ り 、 対 外 的 に 出 張

官 を 代 表 す る 職 員 で あ る こ と か ら 、 出 張 の 責 任 者 を 示 す 意 味 で そ の 氏 名

を 開 示 し た も の で あ る と 説 明 し て い る 。

( 2) 7 号 対 象 文 書

ア 表 題 、 検 査 の 結 果 等 を 記 載 す る 表 の 様 式 及 び そ の 記 載 内 容 に つ い て

7 号 対 象 文 書 は 、 特 定 の 検 査 事 項 に 係 る 検 査 資 料 と す る 目 的 で 、 本

件 検 査 箇 所 に 対 す る 実 地 検 査 の 出 張 官 が 検 査 を 行 っ た 結 果 等 を 、 当 該

検 査 の 担 当 課 が 本 件 検 査 事 項 に 係 る 検 査 の た め に 設 け た 所 定 の 様 式 に

従 い 記 載 す る な ど し て 作 成 さ れ た 検 査 資 料 で あ る 。

そ し て 、 本 件 文 書 の 表 題 及 び 表 の 部 分 を 公 に し た 場 合 、 以 下 の よ う

に 検 査 の 実 施 に 支 障 が 生 じ る お そ れ が あ る と 認 め ら れ る 。

( ア ) 前 記 の よ う に 、 本 件 文 書 は 、 本 件 検 査 事 項 に 係 る 検 査 の た め に 、

担 当 検 査 課 が そ の 検 査 上 の 関 心 に 即 し て 設 定 し た 様 式 に 従 い 作 成 さ

れ た 検 査 資 料 で あ り 、 当 審 査 会 に お い て 当 該 文 書 を 見 分 し て 調 査 し

た と こ ろ に よ れ ば 、 そ の 検 査 の 結 果 等 を 記 載 す る 表 の 様 式 及 び そ の

(20)

体 的 な 対 象 、 検 査 の 基 と な る 資 料 に お い て 確 認 す べ き 項 目 や そ の 検

査 結 果 等 を 読 み 取 る こ と が で き 、 ま た 、 そ の 表 題 は 、 当 該 検 査 事 項

の 内 容 を 端 的 に 表 す も の で あ る と と も に 、 検 査 の 対 象 を 一 定 程 度 推

知 す る こ と が で き る も の と な っ て い る と 認 め ら れ る 。 こ の た め 、 こ

れ ら の 情 報 は 、 特 定 の 検 査 事 項 に 関 す る 会 計 検 査 院 の 検 査 に お け る

検 査 の 着 眼 点 、 検 査 手 法 、 検 査 ノ ウ ハ ウ 等 を う か が い 知 る こ と が で

き る も の で あ る と 認 め ら れ る 。

し た が っ て 、 こ れ ら の 情 報 を 広 く 一 般 に 公 に し た 場 合 に は 、 会 計

検 査 院 の 検 査 の 過 程 に お け る 検 査 の 着 眼 点 、 検 査 手 法 、 検 査 ノ ウ ハ

ウ 等 が 明 ら か に な り 、 受 検 庁 一 般 に お い て い わ ゆ る 検 査 対 策 を 講 じ

る こ と が 容 易 に な る な ど し て 、 現 在 又 は 将 来 に お け る 厳 正 か つ 効 果

的 な 検 査 の 実 施 に 支 障 が 生 じ る お そ れ が あ る と 認 め ら れ る 。

( イ ) 本 件 文 書 は 、 会 計 検 査 院 が 特 定 の 検 査 事 項 に 関 す る 検 査 過 程 に お

い て 作 成 し た 資 料 で あ り 、 そ こ に 記 載 さ れ た 情 報 は 、 当 該 検 査 事 項

に 係 る 検 査 状 況 や そ の 時 点 で の 検 査 結 果 等 を う か が い 知 る こ と が で

き る も の と な っ て い る 。

会 計 検 査 院 で は 、 十 分 な 情 報 ・ 資 料 の 収 集 、 受 検 庁 と の 率 直 な 意

見 交 換 等 を 確 保 し 、 ま た 、 外 部 か ら の 不 当 な 圧 力 ・ 干 渉 等 を 排 除 し

て 、 中 立 的 な 立 場 か ら 厳 正 か つ 公 正 に 検 査 及 び 検 査 の 結 果 等 の 審 理

・ 判 断 を 行 う こ と が で き る よ う 、 検 査 過 程 等 に お け る 情 報 は 外 部 に

公 表 し な い と い う 立 場 を と っ て い る 。

そ し て 、 会 計 検 査 院 と 受 検 庁 と の 間 で は 、 検 査 過 程 に お け る 検 査

の 結 果 等 に 関 す る 情 報 は 、 あ く ま で 検 査 の 一 過 程 に お け る も の で あ

っ て 、 同 院 の 最 終 的 な 結 論 と は 異 な る こ と の 少 な く な い 未 成 熟 な も

の で あ る と い う 前 提 が あ る 。 そ し て 、 そ の よ う な 前 提 の 下 に 、 会 計

検 査 院 と 受 検 庁 と の 間 で は 、 問 題 と さ れ た 事 態 に つ い て 、 十 分 な 情

報 ・ 資 料 に 基 づ い て 率 直 に 意 見 を 交 換 し 、 様 々 な 角 度 か ら 討 議 を 行

う た め 、 各 種 検 査 資 料 等 は そ の ま ま 外 部 に 公 表 さ れ る も の で は な い

と い う 信 頼 の 下 で 、 こ れ ら の 提 出 や そ の 作 成 へ の 協 力 等 が な さ れ て

い る も の と 認 め ら れ る 。

こ の た め 、 本 件 文 書 に 記 載 さ れ た 前 記 の よ う な 情 報 が 公 に さ れ る

と 、 検 査 過 程 等 に お け る 検 査 の 結 果 等 に 関 す る 情 報 の 不 公 表 の 取 扱

い に 対 す る 受 検 庁 の 信 頼 を 損 な い 、 会 計 検 査 院 と 受 検 庁 と の 間 で の

十 分 な 情 報 ・ 資 料 の 提 供 及 び 収 集 、 率 直 な 意 見 交 換 等 に 支 障 が 生 じ

参照

関連したドキュメント

(平成 29 年度)と推計され ているが、農林水産省の調査 報告 15 によると、フードバン ク 76 団体の食品取扱量の合 計は 2,850 トン(平成

平成 28(2016)年 5 ⽉には「地球温暖化対策計画」が閣議決定され、中期⽬標として「2030 年度に おいて、2013

平成 24

回答した事業者の所有する全事業所の、(平成 27 年度の排出実績が継続する と仮定した)クレジット保有推定量を合算 (万t -CO2

○「調査期間(平成 6 年〜10 年)」と「平成 12 年〜16 年」の状況の比較検証 . ・多くの観測井において、 「平成 12 年から

平成 27 年 4

2011 (平成 23 )年度、 2013 (平成 25 )年度及び 2014 (平成 26 )年度には、 VOC

平成 26 年 2 月 28 日付 25 環都環第 605 号(諮問第 417 号)で諮問があったこのことに