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(1)

第6回自治体職員有志の会シンポジウムin東京

日時:平成21年8月8日(土)午後2時∼

会場:ティアラこうとう(東京都江東区)

■ 開 演

(司会)有志の会会員(兵庫県播磨町職員) 上田 淳子

■ 有志の会代表挨拶

有志の会代表(三重県庁職員) 山路 栄一

みなさんこんにちは。自治体職員有志の会代表で、三重県庁職員の山路です。 第6回目となるシンポジウムにご参加いただきありがとうございます。

基調講演の講師をお引き受けいただいた佐賀県多久市の横尾市長、パネルディスカッシ ョンの出演をお引き受けいただいた佐賀県の古川知事、神奈川県開成町の露木町長、会津 若松市末廣酒造の新城専務、アドバイザーをお引き受けいただいた日本総研の山中様、コ ーディネーターをお引き受けいただいた大阪成蹊短期大学の国枝様、そして基調報告をし

目 次

開演及び代表挨拶・・・・・・・・・・・・・・ P. 1

【1部】

事例報告の記録 ・・・・・・・・・・・・・・ P. 3

【2部】

基調講演の記録 ・・・・・・・・・・・・・・ P. 6

【3部】

パネルディスカッションの記録 ・・・・・・・ P. 22

(2)

ていただく、新しい霞ヶ関を創る若手の会代表の朝比奈様には心からお礼申し上げます。 このシンポジウムは、会員の手作りで準備運営されていることを申し上げます。

今回は、総務省の椎川審議官を初め、「飛び出せ公務員ネットワーク」とのコラボレーシ ョンで実施しており、沢山の参加をいただいております。

自治体職員有志の会を若干説明させていただきます。

今年で、設立7年目で、当初は二、三十名の集まりでした。きっかけは改革派知事の動 きから、改革を真に実効あるものにするためには、職員も自治体の枠、担当の業務を越え て連携協働し、高位平準化する必要があります。つまり、改革派といわれる首長が交替し たとしても、住民にとって改革・改善が必要なのは変わらないので、その実務を職員が担 っていかなければという想いからです。今では、全国47都道府県に652名の会員がい ます。

年に数回のオフ会、毎年夏にはシンポジウムを開催するまでになりました。

今年のテーマは「地方分権改革とそれを担う自治体職員のキャリアデザイン」としまし た。地方分権改革は、明治維新、戦後改革に続く、第三の改革と言われていますが、未完 の改革といわれています。

その理由としては二つです。

一つは、地方分権改革そのものに国民の関心が低いことです。それは、分権のメリット がわからないからです。受益と負担が明らかでないのは、税の非報償性というのがありま す。つまり、どういう負担をすればどういうサービスが受けられるのかが明らかになって いません。だから、税財源の移譲を含む抜本的な分権改革が必要だと思います。

もう一つは、私たち自治体の中にあり、分権改革の受け皿論、「できるのか」ということ です。国へのお伺いや、国のせいにするぬるま湯意識が分権を阻む要因のひとつです。し かし、こういった意識が通用しないのは、夕張市の破綻を見ても明らかです。

私が嫌な言葉に、「お役所仕事」というのがあり、非効率の代名詞として使われています。 私たちは、この言葉を死語に、あるいは効率的な仕事を意味する言葉に変えることができ たとき、分権改革も住民の信頼のもとに成し遂げられると考えます。

私たちが地域で、「たかが小役人」から「されど役人」、仕事ぶりで「さすがはお役人」 と尊敬されることが、分権改革が進展することだと思います。これは簡単なことではあり ません。しかし、海の向こうでは、困難な夢を実現した人がいます。

ChangeYes,we can」を合言葉に、大統領になったバラク・オバマ氏です。

今日のシンポジウムが住民のための分権改革への確かな一歩となることを祈念し、期待 し、そして何より確信し、挨拶とさせていただきます。

(3)

■ 【第1部】事例報告①

経済産業省職員 朝比奈 一郎 さん

「新しい霞ヶ関を創る若手の会(プロジェクトK)のこれまでと今後」

みなさんこんにちは。新しい霞ヶ関を造る若手の会の代表の朝比奈といいます。

平成9年に入庁した頃は、薬害エイズの問題や、大蔵省のノーパンしゃぶしゃぶ接待な ど、霞が関の信頼が揺らいできて、行政に対する国民の視線が代わって来た時期であった。 それまでは、国のため、社会のために役立つのは、やっぱり霞ヶ関、官僚だと思ってい た。優秀な先輩も当たり前のように霞ヶ関を選んでいた。

しかし、給料も安い、残業も長い、唯一の支えである国民の信頼すらがた落ちになって、 良いことがないということが言われ出した。霞ヶ関志望を辞める人も多くなった。

そういう批判の中で、国のために、社会のために役立にちたいという思いを実現する場 としては、霞ヶ関、公務員はやっぱり大きな選択肢としてあった。

問題もあると思うが、「中から変えてやろう」という気持ちを持って入った世代だった。 入って思うのは、すべてにやりがいがある分野だということだ。

私自身は、事実上の最初の部署は海外経済協力に関わる部署であった。日本にとって、 海外へは軍事的な協力ができないことから、資金的な援助は、国際社会におけるプレゼン スを保つ上でも、非常に重要なことは間違いない。

しかし、その中で、仕事のやり方、進め方は改善すべき余地がある。

例えば、援助の面で言えば、外務省、財務省、経済産業省が議論して決めていくが、司 令塔がいないことから、それぞれの立場の意見があり、すべて正論でる。文書に落とし込 む際には、みんなの思いがうまく入ったような方針案になってくるため、逆に何が言いた いのかわからない、いわゆる「霞が関文学」が出来上がる。

分野としては大切だが、こういう仕事の進め方が本当にいいのかと思った。

財務省においても、強大な力があると言われるが、予算の分配は、実際問題として事務 的にはやりにくい。総論的にはメリハリがついた改革というけれど、最終的には一律カッ トになる。

国民の期待があるのはわかっているが、この仕事の進め方でいいのかと思っている。 わたしたちも、みなさんの職場と同様である。働き過ぎ、精神的に疲弊する人も多い。 働いても、日本経済その他は一向に良くなっている感じをもてない。

「成績の上がらない受験勉強をやっている」ようなものである。

そういった中で、国家公務員は国民全体のために奉仕すべきという原点に立ち戻って、 霞ヶ関の政策の質が高まるようにという思いでこの会を作った。

今では、NPO法人として改革を進めている。

一番大きな転換となったのは、2005年11月に出版した「霞ヶ関構造改革・プロジ ェクトK」である。小泉政権、安部政権とのタイアップもあって、多少、改革も進んだ。

今は、メンバーが国家公務員制度改革推進本部事務局に出向したりしている。

(4)

私たちの中で「架け橋」という交流の場があるので、是非参加していただきたい。 以上、事例報告とさせていただきます。ありがとうございました。

■ 【第1部】事例報告②

東京都職員 藤田 正樹 さん

「きっかけは“ N on−Pur pos e∼首都圏の W A( ノンパ)) ” ∼ノンパ、新たなス

テージへ!!∼」

東京都職員の藤田です。よろしくお願いします。

自主活動グループ、ノンパの活動を紹介させていただいます。

NonPurpose(ノンパーパス)」とは、目的なしということではなく、「人生の目的は 自分自身で見つけ出していくもの」という意味が込められている。

自主活動を行う楽しさは、①自分が成長する「きっかけ」をつくれる、②行動を共にす る「仲間」が得られる、③活動の輪が広がり、仕事や社会に対して新たなアクションを起 こせるということだと考えている。

ノンパは、毎月1回、ゲストを呼んでのセミナーや街歩き活動を実施している。参加資 格は、とくになく、自治体職員、NPO、企業の方、学生さんもO.Kである。

ノンパの理念は、役所の仕事は地域課題を解決することであるので、「役所ごとに考える ことはないのではないか」、「一緒に集まって、課題の解決を考えることが効率的ではない か」、「地域の方と一緒に考えていくことが大事じゃないか」ということである。

この理念を実現するため、立場を越えてアクションを起こせる場を作る。ノンパの参加 者が、人との交流の中で、一歩を踏み出せるきっかけづくりになる場を目指している。

今回は、ノンパセミナーについて説明させていただく。

ノンパセミナーは、ゲストを招いて、参加者同士を結ぶ「ご縁の場」である。

最初に自己紹介やミニゲームのアイスブレークを行う。その後にゲストの講演、グルー プワーク、ノンパのひろば(参加者同士の事例報告)、懇親会という流れであり、普通のセ ミナーと違うのは、参加者同士の多くの交流の機会を設けるようにしていることだ。

ノンパの主役は、参加者である。参加自身が、何を気付いて、どうアクションに移せる かを考えている。

2005年の11月から開始し、参加者も増え、ネットワークが広がった。 次に、ノンパから生まれた新たなアクションについて説明する。

①メンバーでボランティアサークルを作って、2ヶ月に1度、児童養護施設にボランテ ィア(遊びに)に行っている。

②都の日本の心プロジェクトということで、メンバーのふるさとの鞆の浦(広島県福山 市)で、街づくり活動を地域の住民と一緒に行っている。

③ノンパで出会った講師の方に、職場でも講師として来ていただいたことがある。

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次に、ノンパの新たなステージについて説明させていただく。

ノンパという出会いの場を活用して、単なる勉強会ではなく、いろいろなアクションを 生み出していく流れになってきている。ノンパに参加することで、「自分も何かできるかも」 という同じアクションの中で、新たな出会いがあり、更なるアクションにつながる。

最後に、個人的な体験として、入庁二年目の終わり頃から、仕事を漫然と続けることに 対する疑問も生まれた時期があった。しかし、ノンパに参加して、いろんな人たちと出会 って、自分も一歩を踏み出す勇気を得ることができた。一歩踏み出してみたら、思いがけ ず仕事につながったりした。そのつながりの中で、だんだん自分も変わってきた。

制度や社会を変えるということ以上に、ささいな一歩を踏み出すことで、自分自身を変 えるきっかけになった。

一歩を踏み出すきっかけを求められていたら、是非ノンパに参加していただければと思 う。ご清聴ありがとうございました。

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■ 【第2部】基調講演

佐賀県多久市長 横尾 俊彦 さん

日本の将来を決定する地方分権改革と「有志」への期待

こんにちは。高校の甲子園大会のスタートの日に、孔子の里・多久からやってまいりま した、多久市長の横尾俊彦と申します。

なぜ、多久市を「孔子の里」というかと申しますと、300年前に孔子廟ができたとい うことからです。名刺にも「孔子の里」と記しています。私も宮崎の東国原さんに負けな い気合いで営業活動をしており、例えば企業誘致とか飛び込みセールスとかもをすること があります。そんな時にこの名刺を出します。でもお会いしたいVIPはだいたい忙しく 方でなかなか時間をとってもらえません。そこで名刺を出して、すぐ言います。「公私(孔 子)共によろしく」と(会場笑い)。今、皆さんの笑いが出るように、出会った半分以上の方 が面白いと反応されます。ということで、「ちょっと座って」と言われて、座ります。そこ からは、帰れと言われるまで立たないでずっと営業をします。霞ヶ関の某役所の方にもそ うやって初めてお目にかかりました。その後、事務次官になられた時、お祝いに駆けつけ ましたが、座れとは言ってもらえませんでした。「こいつは座ると根が長い」と思われたの でしょうね(笑)。

それはまあさておき、今日は良い機会を与えていただいて心から感謝いたします。 本来は、本日の冊子の特別寄稿にもありますように、丹羽宇一郎・伊藤忠会長、また、 我々にとっては地方分権改革推進委員会の委員長にご依頼が来たのですけれども、怪我を なさいまして、急遽、丹羽委員長から電話がありまして、「リリーフに行ってくれ」という ことで、これも甲子園みたいだなという感じですが、やってきました。

○ 丹羽委員長のメッセージ

今日は、まず、元々の当番予定だったエースの言葉を引用したいと思います。

お手元の冊子を開いてください。読んでいただくとわかることですが、「私たちは国民で あるという以前に、住民である」という部分です。その1ページ目後段には、「義務付け・ 枠付けには、足かせを外すことの重要性などを今まで委員会として訴えてきた」。そして、

「地方行政の自由度を今後拡大していって、地方自治体が自主性を強化して、自らの責任 において地方行政を実施できる地方政府を作り上げていくことが、地方分権の目指す姿で あります」。続いて、「委員会は、今年は総仕上げの年にあたります。この実行力の鍵とな るのは住民のための政府であります地方自治体の職員である皆さんの決意と決断でありま す。霞ヶ関に頼ることをやめて、地方自治体が強い自立の精神を持ち、実行していく勇気 を示すことが、今ほど求められることはありません。皆さんが、地域経営の担い手として、 自信を持って行動し地方分権の実現に向け全力をあげて行動してほしいということを心よ り期待しております」というメッセージを寄せていただいております。

私に今回のリリーフ要請の電話が来た時も、同趣旨のお話がございました。また、委員

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会でお目にかかった時も、同じような言葉で「皆さんに、くれぐれもよろしく」と期待を こめた言葉でおっしゃっていましたので、その意を汲みながら、私は必ずしも委員長ほど には及びませんけれども、自分なりの体験や感じていること、また今日は地方分権改革推 進委員会の同僚委員でもある露木委員も後のこのパネルディスカッションでもっと生のお 話もされるでしょうし、あるいは知事会からは古川知事もお見えで、いろんな議論になる と期待していますが、その前座を務めさせていただきたいと思います。

○ 地方分権の関心の高まり

さてこの地方分権に関しまして、最近大変ありがたいと思っていることがあります。分 権といっても、「世論的には分かりにくい」と山路代表のお話しがあったように、効果がわ かりにくいとそのビジョンを描きにくいということがあります。けれども、テレビ討論会 で橋下・大阪府知事さんや東国原・宮崎県知事さんはじめ、あるいは古川知事も出ておら れましたマニフェスト検証等、そういったことで「地方分権」といったことが改めて注目 を浴びているのは大変ありがたいことだと思っております。

これまではどうだったかと振り返ると、地域間格差の是正とか、地域の活性化とか、地 方経済を良くしようとかいう表現や政策でおさまっていたのです。そこを、“ 地方分権” と いう4文字が各党のマニフェストに入ったことは大変喜ばしいことだと思います。

「地方主権」や「地域主権」という言葉もそうです。これは個人的な見解ですが、自民 党のマニフェストを見てみると、比較的、分権推進委員会が過去に出した勧告等をふまえ ながら書いていただいているような気がしますし、最終的には一括法を出して地方分権を 進めようということや、道州制にも触れていただいています。また、地方と国の協議の場 を公的にも作ろうという内容記述があったと思います。

一方、民主党の方では、この地方と国の協議の場については、当初のマニフェストには 書かれていなかったのですが、新聞等によれば、追加事項三項目か何かが出て、これを進 めていくという方向性を出されています。「政策インデックス」と「マニフェスト」では、 少し内容が違うので、私は個人的に気にしているのですが、レベルの高いより充実したも のにしてほしいなあと期待をもっています。

とはいえ、こういった議論が出て、それにより国民的な論戦になり、そのことを1つの エネルギーとして地方分権に関心が高まるとともに、その改革が具体的に進むことを期待 したいと思います。

これも全く個人的意見ですが、「地方と国の協議の場」を設けるということは、もしも私 が霞ヶ関の官僚だったら簡単なことだと思います。とりあえず「“ 場” を作れば良い」と思 うでしょう。でも、そういう程度ではなくて、本当はその先にあるはずの、財源はどうす るのか、権限をどこまで移譲するのか、自由度をどの程度まで高めるのか、そして法的な 縛りである義務付け・枠付けをどのように解放するのかなど、それらを本格的に是非改革 してもらう必要があります。

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○ 本質から考え行政を創造する

今日のパネリストの資料を拝見しましたら、ある方は「私は人事委員会委員長になった けれど、そこですら、こんなに法律やルールとかに縛られるとは思いませんでした」とい うコメントを載せておられます。このように、いろんなことをやる際に、実は遵法精神や コンプライアンスがありますから法を守らなければならないのですけれども、では何が大 事かということを考えていかなくてはならないという思いを強くしています。

例えば、この間の7月256日九州は大雨でした。私も午前3時から詰めて、25日は朝 の8時過ぎまで、26 日は朝の8時頃から夕方まで10時間市役所に詰めて対策をし、途中 出たり入ったりもしました。なぜか玄界灘、有明海の南は雲が通って去っていくのに、佐 賀県の上だけ、ずっと雲が残っているのです。しかも雨雲レーダーを見ると黄色と赤色、 つまり強雨に豪雨です。すると国の機関から、「避難勧告をそろそろ検討したほうが良いか もしれません」と電話が入り、「私もそう思っています」と応じました。でも「ただですね、 市長さん。30分後には雨がやむという予報も片方であるのですよ」ということでした。「そ うですか、なかなか予測は難しいですね」とやり取りをして、30 分後に雨が止むのを期待 していたら、これが全然変わらないで振り続け、しかも大粒雨に変わったのです。最後は どうなったかというと、市内を流れる大きな川の堤防天端まで 2030 ㎝になったのです。 下流の方では、もう堤防ぎりぎりまできていたということでした。そんな訳で、避難勧告 を初めて出しました。

こういうとき、何をどのように考えたら良いのかです。仮に勧告が空振りだったら「避 難したけど何もないじゃないか」と批判も出るはずです。そういうこともいろいろ思い巡 らしもしますけど、「市民の生命と財産をどう守るか」、「地域の安全をどう確保するか」と いうことを重視した視点に立てば、いろいろなことが整理され、判断もスパッと決まるな というように作っていける。あるいは、自治体にいらっしゃる皆さんの安全や幸せ感を高 めていくために、どうしたら良いかという原理原則の一番真ん中の所に立つようにする。 この辺りは是非考えてほしいことだと思います。

職員のみなさんの力が発揮でき、また、市民のみなさんの希望や願いが叶っていけるよ うな地域づくりが出来ていく、これが地方分権のとても大切なことだと思います。

○ 地域おこしから学んだこと

ちょっと余談が続きますが、私は市長になる前に地域おこし活動をしました。何にもな いところ、ご縁があるだけ、声をかけられただけで手伝いに行きました。

ある都市で、市民の有志の方々が会を作り、「こうして、ああして、こうやったらうちの 町は元気になるかな」と知恵を出し、手銭も出そう、手弁当でも良い、あるいは一緒に汗 をかこうという会が出来ました。そこで、その地域の市役所に行って「こういう計画があ るので、市も是非協力して欲しい」と話をしました。すると、当時のその市役所の人はこ

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う言われました、「そんな年度途中で言われても困る。まず予算がない」、続いて「それを しなきゃならないという計画も今はないし、国とか県とかその他の関連から、こういった ことを新たにしてくれという訳でもないし… 」と言われたのです。そして最後には「前例 がない」とも言われたのです。

つまり、「前例がない、法律がない、しなければいけない義務もない、何にもない」と4 つ5つとたたみこまれたのです。私は当時267歳だったので、純粋に、素直に「世間と はこういうものなのか」と思って、最初は市役所から帰り始めたのです。

でも、市役所を出て5歩目に・・・「これは、おかしい」と思いました。市民のみなさん が「こうしたい、金も出す、汗もかく、手弁当でも良い、市にはここの分だけやってほし いと言っているのに、なんで出来ないのだろう」と思えてならなかったのです。そこで、 もう一回、市役所に戻って、重ねて言いに行ったのです。そこから動き出して、地域の動 きが始まっているところがあります。

まさにそういう地域の方々の思いを汲んでいけるのも分権だと私は思います。そういっ たところを、今日は有志の方々の集まりですから、是非生かしていただきたいと思います。 たくさん言いたいことがありますけれども、限られた時間ですのでお手元のレジュメを 使いながらお話をさせていただきたいと思います。

○ 分権改革は「第三の改革」か・・・

冒頭に書いています「第三の改革?」は、山路さんからの最初のご依頼の中にもあった メッセージです。つまり、明治維新の改革、そして戦後の改革、今回の分権の改革は「第 三の改革か?」、ということです。

その「第三の改革」についてですが、私は松下政経塾で学んだ一人です。政経塾時代に 行革を調べる機会があり、いわゆる土光臨調という有名な臨調を調べました。この臨調は 第二臨調といわれました。つまり実はもっと前に第一次臨調というのがあったのです。そ こでその第一次臨調の資料を見せていただきに、当時の行政管理庁に行って、奥の部屋の 中にある鍵のかけてあるロッカーを開けていただいて、その中から書類を自由に見させて いただきました。全てわら半紙の状況で、そして謄写版で刷った資料のものでした。

その中で一番印象に残ったのは、当時の鈴木会長が、書かれた一言であります。

「わが国は戦後の改革をするときは、外の力で変えてきた。明治維新もよくよく考えて みれば、外の黒船とかいろんなことで変えてきた。本来は、内から思い立って、内の努力、 お互いの市民の努力を重ねていって、夢をかなえていける改革を出来ることが必要ではな いだろうか。それこそ本当の行政を変える改革であり、市民改革のようなものだろう」と いう基調で書かれた一文がありました。大変感銘しました。その本質的な要請に、未だに 日本の政治行政は応じていないのです。まさに第一次臨調の遺言と思えました。

その視点に立ってみると、まだまだやるべきことはあるなあと感じます。

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○ 「稚心を去れ」

明治維新を担った志士たちがたくさんおられますが、私は好んで志士の方々の本を読ん でいます。その群像の中に橋本左内という人物がおられ、その若い頃に書いた『啓発録』 という本があります。是非読んでいただきたい本です。

この『啓発録』の中に、「稚心を去れ」という言葉があります。これは、自分自身が将来 世に役立つようになっていきたいけれども、自分を振り返ってみたら、自分の中のこの幼 き心、すなわち人に頼ったり自分でしなきゃいけないことを誰かに何とかなるだろうと思 ったり、その自分の幼稚な心を自分自身去らなきゃいけないということを自分に戒める言 葉で書いてあるのです。そんな心をお互いに持つべき時代だと思います。

また、有名なアルビン・トフラーという未来学者が、著書『第三の波』を著し、提唱さ れました。そこでは、まさに情報化とIT、ICTを使っての改革を唱えられています。 本当に知識、知恵といったことが力になる、そんな時代ということをひしひしと感じます。 インフルエンザのパンデミックは困りますが、知のパンデミックは大いに結構なことなの で、みなさんがメーリングリストでいろんな意見を戦わせているように、情報を共有して やっていくという意味では、インフラは本当に整ってきています。10年前、20年前に、こ んなにインターネットは普及してもいませんでしたので、今はもっともっといろんなこと が可能になり、出来るのではないかと期待できます。

しかし、現状はいろいろ課題があります。

例えば、グローバル化が進みました。私どもの市にある企業もほとんど世界を相手に仕 事をされています。世界の為替相場が動けば影響も受けるし、米国のリーマンブラザーズ 破綻以降の激しい、奈落に落ちるような経済の激変があれば、生産量も3割とか 4割に落 ち、やっと回復して、最近では7割から75%という状況になっている。そういう影響の中 に自治体はあります。そういう厳しい経済を支えないといけないですし、さらに企業や個 人などを応援もしなければいけないと思います。

○ 「どこの地域にも未来はある」

片や先ほど言いましたように、私は地域おこしをお手伝いしてきたのですが、たまたま 私がお付き合いしたところは、「金がない、特に材料もない、どうしたらいいかわからない、 でも何とかしなければならない」というところばかりでした。それらの市の職員のみなら ず、あるいは町の職員さんのみならず、参加者に共通していたことは、その中にいらっし ゃる方々が非常に強い思いをお持ちでいらっしゃることでした。どんな思いかと言います と、「俺の眼の黒いうちでなくていい。俺が死んだ後でもいい。あの時おじいちゃんが、う ちのお父さんが頑張ったので今これがあるんだな、今こういう動きがあるんだな、嬉しい なとか、誇らしいなとか、口で言わなくてもいいからそう思ってもらえるような働きを是 非自分はしたい」ということを、異口同音おっしゃる方が必ずおられるのです。そういう 人たちの熱い思いを汲みながら地域を応援していく、活性化していく、その時の大きな流

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れに分権改革の流れがプラスになることを心から願っています。

また、先ほど言いましたように、地域おこしは何にもないところからやる場合がほとん どです。ですから、皆さんと一緒です。目標を決めて、方法を考えて、必要だったら材料 を持って来てやればいい、という発想にならないといけないのです。ところが、材料はこ れしかないし、人材はこれしかないので、できることはここまでだ、という考え方ではダ メなのです。是非、こうあるべきだと考えてほしいと思います。

資料レジュメ 3 の次にかぎカッコで書いてある言葉「どこの地域にも未来はある」は、 フランス人から教えてもらったものです。フランスでは「どこの地域にも未来はある」と 言うそうです。つまり、無いのは作戦と戦略とやり方がないのだということです。そして

「必ず何か出来るはずだ。それをわれわれは求めて努力しなきゃいけない」という話を聞 きまして、分権社会を支える思いに非常に通じるものがあるなあと思いました。そこでこ こに紹介しています。

○ 日本の行政が克服すべきこと

さて、私は平成9年の9月の半ばに市長に就任しました。さきほどの朝比奈さんも平成9 年と言われ、いろいろ変化が出てきた年なのだと感じながら、拝聴しました。それからこ れまでの間、市長の仕事をさせていただきながら感じた問題点を述べてみます。

まずは、「経営感覚の欠如」です。もっともっと日本の行政には「経営感覚」があった方 がいいと思います。また、「中央集権の弊害の克服」も必要です。これも細かく見ていくと 経営感覚の問題と関係します。

さらに、全ての予算が「単年度消化型予算主義」になっているのではないかという問題 点もあります。例えば、私の同世代の職員の話です。20∼30年程前だと思いますが、 入庁23年目に「経費を残しました」と誇らしく係長の所に飛んで行ったら「全部使わな かったのか」と怒られたらしいのです。「節約した方がいいでしょう」と言うと、「使って いいんだ。使い切らなきゃいけないんだ」と言われて、当時はがっくりきたと言っていま した。そういう経営感覚とか単年度予算型で本当に良いのかどうかということがあります。

次は、今でも良くありますが、「“ 縦割り、縄張り、天下り” 」です。なんとなくキャッチ・ コピーみたいですが、実際にあるようで、いろんな同じような調査を重複してやったりす るということがあるようです。

「前例追随傾向」というのは、新しいことをやらなきゃいけないとなっても、県内の他 の自治体がどの程度かを考え、それに合わせようかとか、九州管内ではどの程度とか調べ て、そういうところまでは行くけれど、それ以上はなかなか行かないという面もある。そ んなことで本当に良いのかなということです。

「創造的な政策立案の必要性」は、これから必要になっていきます。でも、それにどう 応えるのか。また、単純に行政だけではできないものもいっぱいあり、市民参加や「市民 協働推進」をしていただいてやるほうがいいこともいっぱいあります。例えば、福祉関係

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で昨日職員と議論しましたけれども、いろいろ真面目な職員なので抱えて、抱え込んであ あした方がいい、こうしたほうがいいと考えてくれました。ある時、話をして、半分くら い団体に投げたら良いよと、例えば身障者の方々のお気持ちや立場といったものは健常者 にはわからないことが多いのだから、もっとお願いして、そこで提案があったらそれを実 現するようにあなたが努力したほうが良い。ゼロから考えるのではなく、ゼロからは当事 者に考えてもらう。それをどう行政に生かすか、そんな風にした方が良いのではないのと いったこともあります。市民活動団体等に関してもそうだと思います。

さらに、「世界標準からの視点」です。これは地方分権改革推進委員会の参加前後から考 えていたことですが、世界に目を転じるとヨーロッパには「世界自治憲章」的な動きがあ ります。そこでは、「補完性・近接性」というものを常に意識をし、それに基づく法律とか 行政を作っていこうという 1 つ大きなコンセンサスがあります。けれども、日本はまだそ こを追いかけている状況にあると思いますので、そこをどうしていくのかです。

世界標準についてはもう1つあります。私は今から20数年前に研究調査活動でアメリカ に行きましたが、その時にシティー・マネジメント・システムを研究しました。その時に 感じたのは「生産性」という考えを行政が持っても良いということでした。コスト&パフ ォーマンスというか、まあ、呼び方はいろいろあっても良いですが、要はこういう思考で 考えていくことがとても大切だと思います。

このようなことがあまり大きく変わることなく、行政の大きな体系の中でなされてきて いると思いますので、ここを変えていく、改革する必要があると感じています。

○ ベースキャンプを出てトップをめざす

そういう中央集権にまつわる課題解決の意味でも、今回の地方分権改革が重要で、その 方策として第一次地方分権の流れを受けて第二次地方分権が動き出しました。

第一次の地方分権改革はみなさんもご存知のとおり、いわゆる機関委任事務を廃止して、 法定受託事務と自治事務に変えるという大きな改革を柱とした改革がなされ、評価されて います。典型的な例で言いますと、パスポートが都道府県庁じゃなくて市町村でも受けら れるようになるとか、わかりやすい事例もあります。しかし、それでも、市民から見れば

「まだまだ役所の中のことでしょう」と言われる面があります。しかし、第一次分権があ り、改革はあったのです。

その第一次分権改革のベースキャンプからもう1回飛び出して、本当のピークというか、 目指すべき分権社会の実現に向けてお互いしっかり頑張っていこうというのが、第二次改 革のスタートであります。

○ 地方分権改革推進委員会

地方分権改革推進委員会は、2年前の2007年4月にスタートをしました。任期は来年 2010年 3 月までです。来たる総選挙結果がどうなるかという側面もありますが、これ

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はやっていかなければいけない改革だと思います。

委員会の具体的な内容につきましては、インターネットを使っていただいて、地方分権 改革推進委員会と文字を入力してサーチ検索をかければ、ホームページが出てきますので 是非ご覧下さい。委員会の会議があったら、会議に提出されている資料は全部掲載されて います。会議があれば、その日のうちにオンデマンドで音声と映像で視聴出来ます。議事 録については1週間から10日前後で要約版を見ることができます。そして数週間で本編を 一言一句たがわず見ることもできます。いわば最も開かれた、透明度の高い委員会です。 ご覧頂いて、どんなものかを見て頂くことが、私がいちいち話すよりも良いと思います。 これまで、地方分権改革推進委員会では、各自治体の本音を聞くために現場にも行き、 実際の様子を見、そして、首長さんたちの細かなご苦労や職員さんたちの努力、そして自 治の課題等も拝聴しました。また、中央官庁の方にもたびたび委員会に来ていただいてい ヒアリングしています。「自由度を高めるにはわれわれはこう思うけれどどうか」とか、そ のようなことに関して意見を求めたり、というように、頻繁にやりました。担当レベルか ら審議官レベル、局長レベルからも聴き取りました。また、基本的に現場重視であり、是 非行こうということで動きもしていますし、そういう議論をしています。

ただそこでいつも感じていることが、中央の地方軽視というか、もう少し地方を信じて 良いんじゃないとかということです。市民をもっと信頼して、住民をもっと信頼して、任 せて良いのではないか、と思うことがたびたびあります。どんな言い方をされるかと言え ば、「いや、これは都道府県、市町村やったことがないから無理ですよ。やらない方が良い」 ということから始まり、「いや、A県では出来ても隣のB県では出来ないから、国が引き続 きやるほうが良い」とか、「やっぱり国から出先機関に出かけていってチェックして戻って こないとダメでしょう」とか。一番印象深いこととしては、国立公園がありますけれど、 その管理は国家公務員でないと出来ないということになっていますが、そばには県立公園 もあるし、双方とも作業は入札して業者を決めますから、実際の作業は民間の方がされた りしています。そこで「国家公務員が手入れをすると花が咲いて、地方公務員がすると花 が咲かないんですか」と質問してみたら「そうです」という感じの反応なのです。思わず 私は「えっ!」と思いました。細かい文言までは覚えていませんが、そんな感じなのです。 あきれると同時に、怒りすら感じるでしょう。ここは一番、「俺たちに任せろよ」って事な のですよね。

ご家庭で例えると、うちの息子はずっと一人立ちしたことがないから、ずっと保護しま すということと同様の感じです。このままだと永遠に成人になれないし、社会人になれな い。是非、自立のチャンスを与えて創意工夫でやれることをやらしてみるのが良いと思い ます。すると、特区制度がありますからどうだとも言われますが、特区制度はあくまで例 外扱いですので、そうではなくて特区制度を考えることも自由に考えて良いというように、 全面的に変えることが自由度を高めることなると思います。こういうやり取りをやってい

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る訳です。

○ 地方分権改革に関する基本的な視座

さて、そういう分権委員会が目指している基本的な枠組みを、お手元の資料レジュメに 沿って、プロット的に用語で説明いたします。細かいことは話す時間がありませんので。 まず1つは、最初の報告書に書いていますが、「地方が主役」ということです。それに「地 方政府」です。先ほど丹羽委員長のメッセージにもありましたように「自治行政権、自治 財政権、自治立法権」といったものをしっかりと確立していって、「地方政府」ということ を確立していこうというものです。これまで日本の法律には、国と地方公共団体という言 葉や都道府県・市町村という用語がありますが、「地方政府」という言葉はまだ確立されて いません。しかし、欧米では「ローカル・ガバメント」という言葉が当たり前のように使 われるし、法律上も、行政用語上でも使われます。市民の方と話をしてもローカル・ガバ メントということ、私のコミュニティという言葉を当然のように言われます。そういうレ ベルにしようじゃないかということです。

また、「基礎自治体を重視」ということをうたっています。現在で言いますと市町村にあ たります。かつて3300ありましたが、806の市と約1000の町村となっています。この基 礎自治体に権限移譲をしようということです。実はこれがまだ完全に進んでいませんので、 前回の委員会でもその辺の実態は今調査中ということであるならば、「もう一度各省庁に求 めてその実態はこうなっているということも報道を通じて世間に出してほしい」というこ とを申し上げました。

次に、「近接性・補完性」です。これはみなさん既にご存知だと思います。

さらによく議論になるのは、三位一体改革で財源も権限、補助金改革、交付税改革など、 いろいろいあったのですが、まだまだ不十分という議論もありました。それじゃ困るとい うものもありましたが、今回は是非とも、「権限と財源、人的な力」、つまり人材も併せて、 フルセットで移譲するというと大げさですが、「セットで移譲」して、そういう心配も考慮 してやれるようにしようということです。直近の委員会でも議論しましたが、そういう裏 打ちがあれば地方としてもやれるだろうと思います。仕事は増えたけれど財源は国が渡さ ないと、それは回るわけがありません。そこもしっかり担保してくれと言っています。 次が「二重行政の弊害打破」で、これはよく話題になる「出先機関の改革」の問題です。 いろいろ二重行政的なこともあるので、これを改革して、人の移動を含めて大きく改革す べきだろうと思います。たとえば、典型例で言うと、沖縄には沖縄総合庁みたいなものが あるのですが、その庁舎の中にいろいろ関係している中央政府の出先組織があり、人が居 るのですが、それらを改革統合して自立する沖縄県というまとまりみたいにされたらどう かと感じました。北海道もそんな感じだなあと感じました。しかも、北海道の村長さんや 町長さんは、国の予算要望に行く時には、国(本省)にも行かれますが、国の出先機関に も行かれます。さらに北海道の出先の支庁にも行かれますし、道庁にも行かれます。通常

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の都道府県よりも要望回数が多く、輻輳しているのです。

また、九州のA市の例ですが、市長さんは以前から知っている、同世代の方です。そこ はかつて10くらい市町村がありましたが、合併で今は1つの市になっています。そこには 熊本県の出先機関がありますが、市長さんに言わせれば「いらない」と言われるのです。 さらには「もしそこにお金を使うなら、お金と人をくれ」とも言われます。そこの地域振 興の出先機関の支長さんの仕事は何かというと、その地域の市長さんの所に来て「市長、 この間知事に何を要望されましたか」と確認に行くのだそうです。するとA市長は「知事 に聞いてくれ」と言われるのです。そういう状況のため、A市長は、このために存在する ことで良いのかなと疑問をもたれている。昔だったらそれぞれの町村で調整があったけれ ども、合併して一つの自治体になったのだから、市長部局の中で開発や福祉ケア、あるい は教育充実などをトータルで考えられるのだから、仕組みを変えて欲しいとおっしゃって おります。そういう事例が、平成の大合併を通じてそこかしこにあると思います。いわば 地方版の出先機関の二重行政であり、それはまさに国にももちろんありますので、これら を変えていかなければならないのです。

次には「自由度の拡大」です。委員会では、約 1 万にも及ぶ事務項目を挙げ、そのうち の半分 5000 近くをもう自治体のフリーにして良いじゃないかというまとめをしています。 地方の自主性を持たせる、標準的なところは決めるけれども、あとは自主的な細かい対応 をしてくださいというふうにすべきだということです。このことについては、小早川委員 のチームで詳細な調査に基づいてまとめ作業に入っているところです。

そして、「税財政の本格議論」です。ここは非常に重要な部分です。今、論点整理で細部 の確認、あるいは見解をお互い述べ合っている所で、今後早急にまとめていき、税制財政 の根本議論と関わりますが改革をやるべきだと思います。

ここで当初から議論になっているのが、国と地方の財源「55」の話です。テレビで言 う「5050」の議論ではありません。つまり、国と地方に64の比率で税収が入るけれ ども、支出は46の比率で、地方で多く使っているという、財政学教科書の最初の章あ たりに書いてある議論から始まり、せめて比率を同じにすべきだろうということです。

特に、消費税の扱いについてです。消費税5%のうちの地方消費税の枠を増やして同等 にするくらいの感じで権限・財源の移譲をしていただく、仕事の役割も分けていただく、 財源を負担していただく、という議論はどうかという大きな話があります。さらに、地方 交付税はどうするべきだとか、直轄事業負担金をどうするか、ということは今詰めていま すが、近々詰めて外に出てくるようになります。

また、全体を通じてかなり意識しておりますのが、「透明性の確保」です。先ほど言いま した委員会の進行の仕方もきわめて透明性を高くやっているように、今後は住民への説明 責任や、議会のチェック機能を高める意味でも透明性を確保する。あわせて自治体の経営 力を高めていくべきだろうということも述べています。

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○ 分権改革推進のために

さてそこで、次の(資料レジュメ)6項目目に書いているのは、改革推進のための要件で す。その1つは、「地方は分権を受けて立つ」ということの心意気を高めるしかないという ことです。例えば、市長会は出来るけれども、あるいは逆に、都道府県は出来るけれども 市長会は出来ない、あるいは市長会の中でも北の方は出来るけれども南の方はできないと いうように議論が分かれてくると、「結局、地方はまとまって受けられないのですから、無 理です」と言われてしまいます。そうではなく、1つの自治体でできないなら、隣と協力 してやるとか、広域連合でやるとか、そういう連携・連合をやりながらやっていくという ことをして、基本的には地方はガンと受けて立ちますよと、権限を与えてくれるならちゃ んとやりますよ、ということを明言をしていく、言い続けるしかないと思います。

また、町村会もこのあたりをご心配で意見を言われるのですが、であるなら他自治体と の連携で行うとか、合併はしないけれどそういう連携工夫でどうでしょうかということで す。国内の地方自治体も、300万人台の横浜市から200300人あたりの青ヶ島まで、まさ に規模は本当にいろいろあります。ですから、町村会の、自治体の自主自立の個性を尊重 したいとの思いを受けながらも、この「受けて立つ」が極めて大事だと思います。

もうひとつは、国の「前例のない改革への踏み出し」です。国にとってはまだ改革に思 い切って踏み込めないところがあるかもしれません。実際、各府省から、委員会のヒアリ ングに来られても、その方が総責任者ではありませんので、あくまで省庁としての立場の 意見を話されます。「変えたらどうですか」と改革を求めても、「いやそれにはこういうこ とがありますから」という説明がどんどん続きます。やはり前例がない改革を生み出す決 断力や勇気と想像力というものを、是非とも各府省の方々に発揮していただきたいなあと 感じます。その意味でも、先ほどの朝比奈さんの“ プロジェクトK” には期待しています。 そして、「自己改造」をしていただきたいと心から思っております。

○ 地方分権の旗手たる“ 自治体有志” への期待

意識は「脱・お役所仕事」 、首長はCEO

そういう大きな話をふまえて、今日は自治体職員有志の会の方ですので、少し細かいこ とも含めて、皆さんへの激励の話にしたいと思います。

1つは「脱・お役所仕事」です。実は市長になって初めて辞書で引いた言葉は、この「お 役所仕事」という言葉でした。ややネガティブなニュアンスがありますが、辞書で読んだ ら、まさにそのとおりの意味合いで書いてありまして、正直がっかりしました。広辞苑に は、「形式主義で非能率的な官庁の仕事ぶりを皮肉っていう語」とあります。定型的な無駄 な仕事をだらだらとやることなどという意味で、皮肉の表現とも書いてある。これが変わ り、誉めてもらい、憧れになるようにしていかなくちゃいけないと思います。

市長になって最初に読んだもうひとつは、『日本国憲法』ですが、制定過程の経緯のこと もあり、あえて英文で読んでみました。そうすると、「地方公共団体の首長は」という地方

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公共団体のくだりの部分は、英語では「the chef executive officers of local entities」と書 いてあるのです。つまり、もともと我々首長はCO(最高経営者)なのです。

ということは、ビル・ゲイツ氏と一緒だし、優良企業の経営者と一緒ですから、経営マ インドを持つのは当然だということです。でも、儲かるか儲からないかという話をする訳 ではありません。もちろん社会的使命を果たさなければいけませんが、財源も三割自治の ところも多くありますので、交付税などを活用しながらやるしかありません。でも、その ルールの範囲の中で、ベストを尽くしていくという意味では、CEOとしてより効率的な 効果の高い仕事をするべきなのです。そういう意味では、仕事をどうしていくかというこ とが大事です。その時、職員の存在が非常に大きいと思います。市長がいなくても市役所 は回りますが、職員がいないと回らないことが多々あります。詳しい知識と経験を持つ職 員ほどそうですね。皆さんの企画力で首長や議会を動かすくらいの気迫で頑張ってほしい と思います。

でも、それが難しいなと感じたのは、この会場で先ほど名刺交換をしていて聞いた、あ る職員さんの話です。ある時に職場の上司に呼ばれたそうです。「君、自治体職員有志の会 とかなんとかやっているの… ?」「セミナーとか、ほどほどにしなさいよ」と言われたそう です。きっと、そういう同じようなご苦労が皆さんにはあるのでしょうね。でもそんなつ まらない意見に惑わされず、是非頑張ってやってほしいと思います。

○ 難しいからワクワクする、簡単だからドキドキする

その次は仕事のさばき方ですが、スピード感があり、スマートにやることが大事です。 この「スマート」とは、かっこよくじゃないですよ、頭脳や英知のスマートさです。しか も、知恵を出し、笑顔でやってほしいですね。特に、各種事務局は重要です。私も県の市 長会長もさせていただいていますから、知事と会うとか、あるいは自治体の調整とかをし ますが、前年と同じ事をする必要が必ずしもある決まりではないので、過去のコピーでは なく、より創造的なことを是非やってほしいと思います。素人感覚というのは素人なりに 思うこと、つまり「知ろうと」思うことから始まります。そういう市民そのものの感覚で、 市民感覚に近い仕事や発案をされたら良いと思います。

大事なのは、「誰かやれば良いや」とか、「無難にやれば良いや」ではなくて、「これは私 がやってみせる」という気迫を持っていただいて、事を仕掛けていただいたら良いと思い ます。今、首長さんたちは、どんどんそういう意識を持っている方が増えていますので、 ご提案をされるのに勇気を持ってやっていただけたらと思います。

私の仕事を通じてのことですが、行政において変だなと思うことが時々あります。たと えば、決裁起案を読みながら気付いたら、担当者を呼んで「これおかしいと思わない」と 尋ねます。例えば、国の予算が 1 月過ぎの国会で決まり、補助要綱が降りてきて、しかも 年度内に執行しないといけませんねと、その説明を聞きます。「そうですか」と一応聞きま す。でも年度内完了は無理で、越年しなければなりません。ところが決裁起案書類に書い

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てあるのは、「地域その他、地権者への交渉に時間を要し… 」とあり、越年の明許繰越の手 続きに入るようにあるものですから、再び担当者を呼んで「この記述はおかしいんじゃな いか」と言い、「もともと国の予算決定が遅かったからだと書いてはだめなのか」と尋ねた ら、「ダメです」と言われたことがあります。「そのように書くと後でいろいろありますの でぜひこのままで」という例がありました。そこで改革したいと思っても、単なる思いつ きで言うと新米市長が… と認識され、発言も不十分ですので、問題点としてきちっとまと まった時点で発言できるときに提案していくようにした方がいいと話したりしています。 ですから、一項目目に書いてありますように、「問題を集め、あとで提案を」とさせていた だいています。

また、執務遂行には「目的と手法」をよく考えることが大事です。同じような仕事を同 じようにして、時間ばかりかかることがあります。残業されている職員さんへの激励では ありませんが、「もっと楽に、早くして良いよぉ∼」と声をかけます。すると「えっ?」と いう顔をする人もいましたが、その方がお互い良いでしょう。市としてはコストもかから ないし、あなたも早く帰れる、ということを言ったりします。また、難しいといろいろ躊 躇しがちになりますが、ワクワクしていただきたいし、簡単だとなめてかかりますから是 非ドキドキしながら慎重にやっていただきたい。これ、本当に大切だと思います。

○ 天与の試練と受けとめる姿勢から

次は「天与の試練ととらえる」ということです。実は今日も総務課長から電話があった のですが、総務課長からの電話って、あまり良くない時が多いですよね(笑)。何かあった 時しかないですからね(笑)。そこで「今日はどうしたのですか」と思っていると、「今ど こですか」というメールも来て、「何かあったの」と電話したら、「○ ○ があったのですが」 と急ぎの相談があります。そういう時に、「また何かが起きたか」と思うことが時々ありま した。例えばこんなこともありました。私の市は孔子廟があり、その御縁で、孔子生誕の 町・曲阜市と交流しています。あるとき、向こうからのお客様が、手続きの手違いで福岡 の入国管理局で止められ、「24時間以内に対応できなければ強制送還になります」という第 一報がきたことがあります。その対応は大変でしたが、23時間30分で解決しました。それ はドラマチックで本当に難しかったのです。そういうことが、時々あります。

そういう時に、私は途中から「思い」を変えました。「トラブルと思わない」ことにして、

「天与の試練」と思うことにしました。「これはまた神様が市役所と多久市長を試している のだな」と思うようにしたのです。そして、「今回は何の力を伸ばすため、誰を鍛えるため に、このようなことをされているのかな」と思うようにしたのです。すると「これは誰々 課長さん頑張れということだよ」と口には出しませんが、そんな気持ちで受けとめ、念力 で「頑張ってね」ということで対応していると、万事について全然怖くもありません。あ とは、残された時間にベストをつくすだけの話です。

そんな時に大事なのは、何よりもまず「解決できると信じ込む」ことです。そして、あ

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らゆる方法を考えて全部手を打つことです。さっきの入国の例では、法律を夜通しで読み ました。入国法からいろんな法律です。なぜ読んだかというと、どこかの事項に拡大解釈 が出来て、あと23日伸ばせるかなとか、そういうものはないかという読み方をしたので す。しかし、その知恵を直接使うことなく、いろいろな人的ネットワークがありましたの で解決できたのですが、是非そういうトラブル解決対応をやりながら、自治の力を高める ということも大切なのだと思います。

そういう意味で、話は飛びますけれども、「法律は作るもの」ですので、「作ったものに しばられすぎるといけない」なと思います。例えば、新型インフルエンザがありましたが、 県内で複数の人が発生してしまったというニュースになり、県庁から情報が入ってきたの です。ある大会に出ていた人たちが感染したらしいのです。そこに出た市民の方も感染し て発生する訳です。そこで、どういうタイミングで、どのように発表するかという問題に なったのです。その時私が一番に思ったのは、どういう手順とか、どういうガイドライン とかを考えるのも良いけれど、「やはり市民の安全を守るということを第一に考えて市役所 は考えなければいけない」ということです。内部でも議論したことですが、そういう意味 では、何が本来の目的なのか、どういう方法がいいのかという「本質を考えて対応を考え る」ということを、是非みなさんやっていただきたいと思います。

そういうことの積み上げが市民の信頼を高めていきますし、その信頼がなければ分権社 会において、市役所は、町役場は、県庁は、「頑張っているけど… 」といわれないようにな る基本だと思います。

そういうことを考えると、自治体職員の皆さんにお伝えしたいこととして、お手元の資 料に 6 つのパワー項目を書いています。法律力、企画力、仕掛力、完遂力、使命感、そし て、挫折回復力です。最後も是非忘れないでください。時には挫折するようなこともある と思いますが、ぜひそこで、屁とも思わないで立ち上がってほしいと思うのです。

今日もこの会場で名刺交換をしたある方が、「横尾市長さんは、がばいばあちゃんの県か らですね」と言われました。あの「がばいばあちゃん」で有名な話に「腹が減った」とい う話があります。ご存知ですか。洋七少年が、ばあちゃんに「腹減った」と言うのですが、 ばあちゃんは「気分の問題だ」「気のせいだ」と答えるのです。つまり、「思わなければ気 にならない」ということです。これは有名なシーンのことですけれども、まさに気持ちは 前向きにという事が大切だと思います。

○ 未来へのビジョンと変革をめざして

ここまで、あちこちと、いろいろな話をしてしまいした。時間もあり、資料の後半の方 について、最後に申し上げます。実は、ご縁があっていろんな学者の方たちと意見交換も しているのですが、その中に 1 つ面白いなと言う事例があります。フランスです。お手元 資料には、「ビジョンと変革をめざして」と書きました。

フランスでは1990年代前後に分権の議論が行われて、実は憲法の一部が改正されていま

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す。そこには、分権的な改革をやるとあり、国が決めたらそのことに関する費用・予算・ 財源は国が責任を持って持つという趣旨で、その後の行政が動き出しているのです。です から、日本でも、地方分権改革基本法なり、道州制法案などが必要になるでしょう。そう いった流れの中、同じような趣旨で臨まないと、仕事は増えますが、金は出しませんとい うことでは、多分、改革の実行は無理だなと思います。

現状の日本を見ていると、地方政府の建て直しが極めて大切です。先ほど言いましたよ うに、地方がなかなか国に信じてもらえないというか、地方公務員に任せられるのかなと いったご意見があったりしますが、ここはひとつ任せて頂く必要があると思います。

特に、中央官庁の方々を批判する訳ではありませんが、その相手先は都道府県庁であり、 その先に政令市や市町村があるものの、お互いパブリック・サーバント、つまり公務員な のです。だから、たいしてトラブルなどにはなりません。でも、市役所、町役場、村役場 が相手をしているのは目の前の村民、町民、市民の皆さんです。たとえば、納得できなか ったらすぐに窓口に来られますし、それでも納得できなかったらすぐに市長室にも来られ ます。そういう、いわば直接住民の方が訴えてくださる、訴えにこられる環境にあります。 だから、いい加減なことをしてはいけないのでありまして、そこにどう応えるかというこ とが基礎自治体のスタンスを大切にする、ものすごく大事なことだと思っております。

そういう意味でも、「市民の暮らしに近い行政は、市民の暮らしに近い基礎自治体が根本 的には担う」という、そこで出来ないものは広域自治体に、さらに国にという感じでやっ ていくのが、1つの大きな仕組みだろうと思います。

あとは、財源ですけれども、まさに独自の、その地域なりに必要なニーズにどう応える かという財源をどう確保できるかです。最近の話題では、景気の大変動で税収が激変して 減ってしまう都道府県の場合等があります。その影響が愛知県などでかなり出ていますけ れども、そこはまあ消費税的なものでどう補うかという議論を含め、税財源議論をもっと もっとしなければならないのです。

けれども、今回は総選挙もあるためか、そこまでの本格的な財源議論になっていないの です。この傾向は、個人的には残念に思います。是非そういったものも含めて、権限財源 等をしっかりやっていくことが必要だと思います。

○ 議会の改革も重要になる

また、併せて非常に重要なのは議会だと思います。地方分権改革推進委員会では、今、 税財源に議論を集中させていますが、その前にもヒアリングもし、議論も一部行い、最終 的な勧告まとめの時にはもう一度議論すると思いますが、議会や行政委員会のあり方につ いても触れる予定も検討しています。議会については、第29次地方制度調査会で、その 改革、変革について提言がなされています。要は、議会の質を高めるということだと思い ます。通年議会を始めた三重県のように、または、一問一答方式の議会があちこちで出来 ているように、あるいは議会基本条例とか、さらには逆質問権とかありますけれども、こ

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ういったことも含めて、地方議会をより良く変えていくことがとても大切だと思います。 なぜならば、自治行政権、自治立法権という言葉がありますように、今後は、標準は国 が決めても、細かい細則までは分権が出来たら国では作らなくなると思います。その時、「で はうちの地域に合ったやり方はこうだ」とか、「うちの標準はここまでやろう」とかといっ たことを決めるのは議会になります。その意味からも、議会には適切な人材と仕組みが今 後ますます必要になります。

つまり、議会の活性化ということですが、これについても、私は首長からも提案をして いく必要があるかもしれないと強く感じているところです。

また、市民の皆さんに聞いても、「ケーブルテレビ放送で議会放映を見てるけれども、あ まり長い質問とかはやめて、もっとコンパクトな質問を手際よくやってよ」という意見を よく聞きます。あるいは「言うだけじゃなくて、もっと動く議員がほしい」という声もい ろんな所で聞いたことがあります。住民の皆さんの関心も高まり、議会が良い意味での「公 益=パブリック・インタレスト」を高めていくということを是非やって欲しいという関心 がますます高まってきているのです。そのような意味でも、私は議会も含めた地方分権の あり方を進めていく必要が本当に重要だと思うのです。

分権改革については今後議論が高まっていくと思いますが、是非今日お集まりの有志の みなさんは、将来、それぞれの部門で、5年か10年後には課長さんになられる方ばかりだ と思いますし、ひょっとしたら行政の三役や議員や首長になられる方もおれるかもしれま せん。しっかりと時代を担うという心意気で頑張っていただきたいと思います。

○ 治政の要諦

最後に、私の町の孔子廟にちなんで、いつも大事にしている言葉を紹介します。

「近き者 説(よろこ)べば 遠き者 来たる」。

あるとき、孔子様に弟子が質問します。「どんな行政、政治が良いのでしょうか」と。す ると孔子様は「近くの者がよろこぶようなことをすれば、それを聞きつけて、遠くの人が 寄ってくるというような治世をすれば良い」と言われたくだりであります。

また、もうひとつ有名なのは「信なくば 立たず」という言葉も有名です。

さらには「行くに径(こみち)に由らず」です。簡単に行けるような道はもともとない のだから、しっかりと難しくても良いから王道を行きなさい、そして着実な成果を出しな がら前に進んで行け、という忠告をされているのです。

これらの内容はまさに今、私自身、自分自身に言い聞かせているつもりですが、分権改 革はこれからがピークの議論になりますし、総選挙の結果次第によってはいろいろな議論 のあり方も多様化する可能性もあります。しっかりと力を尽くして、とても大切な地方分 権改革推進委員会の委員として、その辺の役割・使命を担っていきたいと思います。

ちょうど時間になりました。大変熱心にご清聴いただき有難うございました。

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