台所用洗剤の洗浄効果について

全文

(1)Title. 台所用洗剤の洗浄効果について. Author(s). 上野, 洋子. Citation. 北海道教育大学紀要. 第二部. C, 家庭・養護・体育編, 33(1): 9-16. Issue Date. 1982-09. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/6619. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) . ３巻第１号北海道教育大学紀要（第２部Ｃ）第３. ＩｉＳｅｉｌｏｆＨｏｋｋａｉｉｉｄｏＵｎｔｔＩＣ）ＶＯｔｊｏｕｒｓｏｎ（ｃｏｎｌｖｅｒｎａｙｏｆＥｄｕｃａ．ｌ．３３，Ｎｏ. 昭和５７年９月ｓｅｐｔ２ｅｍｂｅｒ，１９８. 台所用洗剤の洗浄効果について. 上. 野. 洋. 子. 北海道教育大学函館分校家政学教室. ＡＳｔｕｄｙｏｆＣ１ｅａｎｓｉｎｇＥｆｆｉｃｉｅｎｃｙｏｆＶａｒｉｏｕｓＫｉｔｃｈｅｎＤｅｔｅｒｇｅｎｔｓＹｏｋｏＵＥＮＯｉｉｉｌｌｉｄｏＵｎｔｙｏｆＥｄｕｃａｔＨ０ｍｅＥｃｏｎｏｍｉｏｎ，ｓｖｅｒｅＣｏｅｇｅｃｓＬａｂｏｒａｔｏｒｙ，Ｈａｋｏｄａｔ，ＨｏｋｋａＨａｋｏｄａｔｅ０４０. ＳＵＭＭＡＲＹｉｏｎｇｌｖｅｉｎｄｉｎｇｏｕｔｗｈａｔｋｉｎｄｏｆｄｅｔｅｒｇｅｎｔｍａｔｅｒｉａｌｓａｎｄａｔｗｈａｔｃｏｎｃｅｎｔｒａｔｖｖｉｔｈａｖｉｅＷｔｏｆｉｓｔａｎｃｅｉ１ｈｈｄｔｈｔｈｅａｓｓｉｎｇｅｆｆｅｃｅｎｔＷｉｔｅｒＣ１ｅａｎｓｔｉｔｃｈｅｎｎｔｈｅｋｉａｂｅｔ，ｔｈｅａｕｔｏｒａｓｍａｅａｎｅ×ｐｅｒｒｒ. ｌｓｔｕｄｅｎｔｓｂｙｗａｓｈｉｎｇｏｉｌｉ ‐ｃｏｎｔａｎｎｉｎａｔｅｄｂｒｅａｄｐｌａｔｅｓｒｏｆｔｅｎｇ．ｉａ１Ｔｅｓｔｅｄｍａｔｅｒ１ｏｗｉｎｇｓｉｘｄｅｔｅｒｇｅｎｔｓ；ｈｅｆｏ１ｓｗｅｒｅｔ. １）Ｒｉｃｅｂｒａｎ２）Ｃ１ｅａｎｓｅｒ３）Ｗｏｏｄａｓｈ４）Ｓｏａｐｐｏｗｄｅｒ５）Ｌｉｑｕｉｄｓｏａｐ６）ＮｅｕｔｒａｌｄｅｔｅｒｇｅｎｔｌｌｏｗｉＴｈｅｒｅｓｕｌｔｓｏｆｔｈｉｎｇｐｏｉｎｔｓ：ｓｅｘｐｅｒｉｍｅｎｔｉｎｄｉｃａｔｅｔｈｅｆｏｉｃｉｅｎｔｃｌｅａｎｓｉｎｇｗａｓｏｂｔａｉｎｅｄｉｎｔｈｅｃａｓｅｗｈｅｒｅｓｏａｐｐｏｗｄｅｒｗａｓｕｓｅｄｉｎａ）Ｔｈｅｍｏｓｔｅｆｆ. ｌｕｔｉｏｎｉｏｎ．Ｔｈｅｓｅｃｏｎｄｍｏｓｆｆｉｉｔｅｅｎｔｗａｓｓｈｏｗｎｔｏｂｅｗｏｏｄａｓｈｓｏａｌ％ｓｏｌｕｔｃ．Ｔｈｅｗｏｒｓｔｉｆｔｈｅｓｉｘｗａｓｇｉｖｅｎｂｙｌｑｕｉｄｓｏａｐ．ｐｅｒｆｏｒｎｎａｎｃｅｏ. ｆｅｃｔｓｉｏｎｔｈｅａｕｔｈｏｒｈａｓｔｏａｄｄｔｏｔｈｉｓｒｅｐｏｒｔｔｈａｔｔｈｅｄｉｆｆｅｒｅｎｃｅｓｏｆｔｈｅｃｌｅａｎｓｉｎｇｅｆｔｌｎａｄｄｉ. ｉｎｅｄａｆｔｅｒａｓｅｒｉｅｓｏｆｔｅｓｔｓｗｉｔｈｖａｒｉｏｕｓｃｏｎｃｅｎｔｒａｔｉｏｎｓｏｆｅａｃｈｍａｔｅｒｉａｌｗｅｒｅｇａ，ｆｅｃｔｂｕｉｑｕｉｄｓｏａｐｗａｓａｂｌｅｔｏｈａｖｅａｂｅｔｔｅｒｅｆｂ）Ａｃｃｏｒｄｉｎｇｔｏｔｈｅｉｎｃｒｅａｓｅｉｎｑｕａｎｔｉｔｙ，ｌ，ｔｌｈｔｔｈｉｌｉｆｆｔｔｋｉｂｄｔｌｄｔｂｌｔａｅｓｔｏｅｐｅｒｅｎｃｅｎｅｕｒａｅｅｒｇｅｎｗａｓｎｏａｅｏｍａｅｓｕｃａｖｓｅ．ｉｎｇｅｆｆｉｃｉｅｎｃｙｏｆｔｈｅｄｅｔｅｒｇｅｎｔｍａｔｅｒｉａｌｓｃｌｏｓｅｌｙｒｅｌａｔｅｓｔｏｔｈｅｉｒｈｙｄｒｏｇｅｎｉｏｎｃ）Ｔｈｅｃｌｅａｎｓ. ｉｎｅｄｆｅｃｔｔｈａｔｃａｎｂｅｏｂｔａｉｏｎｓａｎｄｔｈｅｈｉｉｒｐＨ，ｔｈｅｂｅｔｔｅｒｔｈｅｗａｓｈｉｎｇｅｆｃｏｎｃｅｎｔｒａｔｇｈｅｒｔｈｅ．，ｉＴｈｅａｕｔｈｏｒｈａｓａｌｓｏｔｏｒｅｐｏｒｔｈｅｒｅｔｈａｔｉｎｔｈｓｅｘｐｅｒｉｍｅｎｔｔｈｅｐＨ。ｆｓ。ａｐｐｏｗｄｅｒａｎｄｗｏｏｄ. ５ｃｈｗａｓｍｕｃｈｈｉｇｈｅｒｔｈａｎｔｈｅＰＨ。ｆｔｈｅｏｔｈｅｒｄｅｔｅｒｇｅｎｔｓ．ａｓｈｗａｓｍｏｒｅｔｈａｎｌｏ．，ｗｈｉ. ｉｏｎｓｏａｐｐｏｗｄｅｒａｎｄｗｏｏｄａｓｈｈａｖｅｐｒｏｖｅｄｔｏｂｅｍｕｃｈｂｅｔｔｅｒｃｌｅａｎｓｉｎｇｌｎｃｏｎｃｌｕｓ，. ｉｄｓｏａｐｉａｌｓｔｈａｎｎｅｕｔｒａｌｄｅｔｅｒｇｅｎｔｏｒｌｍａｔｅｒ；ａｔｔｈｅｓａｍｅｔｉｍｅ，ｈｏｗｅｖｅｒ，ｔｈｅｙｈａｖｅｒｅｖｅａｌｅｄｑｕｉ. ｔｓｓｕｐｅｒｉｏｒｃｌｅａｎｓｉｎｇｅｆｆｉｃｉｅｎｃｙ，ｔｈｅｆｅｃｔｓｉｎａｃｔｕａｌｕｓｅｉｎｔｈｅｈｏｍｅ．ｌｎｓｐｉｔｅ。ｆｉｓｅｖｅｒａｌｄｅｌｙｔｏｂｅｐｏｉｎｔｅｄｏｕｔｉａｌｉｌｕｂｉｌｉｄｔｙ。ｆｓｏａｐｐｏｗｄｅｒｉｎｔｏｃｏｌｄｗａｔｅｒｏｕｇｈｔｅｓｐｅｃｓｏｕｇｈｔｔｏｂｅ；ｔｈｉｓｓｏ（９）.

(3) . 上. １０. 洋野マ. 子. ｉｌｉｍｐｒｏｖｅｄｉｆｔｈｅｐｏｗｄｅｒｉｓｔｏｂｅｕｓｅｄｄａｎｔｈｅｎｅａｒｆｕｔｕｒｅ，ｉｙ．. １. 序. ＡＢＳを主原料とした台所用中性洗剤が市販されたのは１９５０年であった（８）．発売当初から「皮膚への悪影響が大きい，安全性には問題がある」と指摘されていたにもかかわらず（１），今日まで使用され続け，３０余年経過した．これは，厚生省が「台所用中性洗剤は使用基準を守れば安全である」との見解をとり，中性洗剤の使用を推進してきたことによる．ところが，洗剤の使用基準は守られているとは言い難く（６．８），特に使用時の濃度が高いことなど台所用中性洗剤の使用方法はや，洗剤使用後のすすぎ時間が短いこと，健康上好ましくない，と考えている．. 筆者がこれまでに実施した調査結果の考察は，次のように要約される．１）中性洗剤の使用にあたっては，必要最少限として守らせたい「表示」「使用基準」の内容が，まだ一般に定着していないので，野菜・果物洗浄に使用することは中止させたい．. ２）中性洗剤の購入に際して，多くは安全性への不安を持ちながらも，広告や宣伝によって選択し，使用する実態があるのでこれを改めたい．３）中性洗剤の使用者は，油汚れに対して中性洗剤が最も効果的であると考えているため，これを中心とした生活習慣から脱皮せず，他の洗剤を試みることをしない，などである．市販の中性洗剤は，水に溶けやすく，油汚れが落ちることを理由に使用されるが，油汚れに対す. る効果については，再考の必要があると考え，本実験を試みた．ここでは，食器や調理器具の洗浄に古くから用いられていた石けん・木灰・クレンザーと，合成洗剤が市販されて以後用いられるようになった台所用の中性洗剤・石けん水の洗浄効果を比較検討した．なお今回は，食器の油汚れ洗浄にしぼって実験した．. １１実験材料と実験方法実験材料：洗浄効果を判定するために使用したのは，油汚れのパン皿（直経１５ｃｍ）である．これは磁製パン皿にサラダオイルｌｍｇを，皿の中央部の中心から半経１ｏｃｍの部分に均等に付着させたもので，これを油汚れのパン皿として用いた．. 洗浄剤として使用したのは第１表に示した６種類である．. 実験方法：①米ねか・クレンザー・木灰・粉石けんは，それぞれ一枚の皿に２ｇを使用した．油汚れのパン皿に，洗浄剤２ｇを直接入れて，スポンジで皿の油と混合させてから５ｍａの水を加えた．洗いを開始した時点から１分３０秒間皿を洗う″ ことを続けた． ②米ぬか，クレンザー，木灰，粉石けんのそれぞれをｌｏｇ測り，２８の班郡製ボールに１種類づ. ０℃の温湯つ入れ，７℃の水で１ｇに定容し，１％の容量パーセント溶液を調製した（粉石けんは３油汚れ６０ｍｌに事前に溶解してから用いた）．この溶液でスポンジ（８ｃｍ ×１２ｃｍ）を使いながら，のパン皿を１分３０秒間こすり洗いした．. ③石けん水の容器に記載してあった標準使用量は，水１ｇにつき５ｍｇであったので，基準どうりの０．５％溶液１ｇの両方を調整した．また，中性．５％溶液１ゑと，基準量の５倍の濃度に相当する２（１０）.

(4) . １１. 台所用洗剤の洗浄効果について. 第１表. 実験材料として使用した洗浄剤一覧番号. ぬ. 製造. 成分・（液性）. 洗剤名. 所. か. 米. ぬ. か１００％. 函館市内筒井米穀店. 灰. 木. 炭. 灰１００％. 自. 古くから使用されていた. １. 米. 洗剤. ２. 木. ３. クレンザー. けんま材. ８７％. 石けん分. ８％. 家. 株式会社. 製カゴメ. （弱アルカリ性）. ４. 粉石けん. 脂肪酸系、脂肪酸塩. 太陽油脂株式会社. ５％界面活性剤２. ミワケンコー株式会社. 炭. ９５０年以後主に使われる１. ５. 石けん水（カリ石けん）. 酸. 塩. 脂肪酸系、高級脂肪酸系. ようになった洗剤６. 界面活性剤２７％. 中性洗剤. 花王石けん株式会社. 直鎖アルキルベンゼン系高級アルコール系（陰イオン）（中. 性）. ５％溶液をそれぞれ１８調整し，縦郡洗剤の場合も標準使用量に準じて０．１５％溶液と，５倍量の０，７製ボールに入れて使用した．この４種類の溶液で， ②と同様の方法で油汚れのパン皿を洗浄した．次に， ①， ②， ③の方法で洗浄したパン皿のすすぎを行った．すすぎの条件は，水温７℃の水１０秒間で落下するように調節した場所で，皿を手でこすりながらすすぎをした．８が，３洗浄効果の判定には，０，１％オイルレッド溶液を指示薬として用い，すすぎが完了した皿の全体に流して油分をオイルレッドで染色した．皿に洗色された色の薄いもの程，洗浄効果が高いものとし２枚のパン皿の洗浄を終えたのち，被検者以外の者にて判定させた．被検者が１２種の方法，即ち１皿のオイルレッド付着の程度を観察させ洗浄効果の高い順から皿に番号をつけて判定させた．なお，０名である．本実験の対象者は，本学の家政専攻生１. ｍ. 実験結果. ２種の方法で油汚れのパン皿を洗ったのち，オイルレッド指示薬第２表は，実験対象者１０名が，１の付着程度から，洗浄効果の高い順に番号をつけた結果である．. 順位による総合判定の結果，洗浄効果の最も高かったのは，１％粉石けん溶液であり，続いて木灰の溶液である．効果が低いと判定されたのは，石けん水を基準量に準じて用いた場合であった．中性洗剤・米ぬかの場合も同様，今回の実験条件では，粉石けん・木灰・クレンザーより洗浄効果が劣ることが明らかとなった．. 図１‐一１），図１－２）は米ぬか・クレンザー・木灰・粉石けんのそれぞれを１％溶液１８で皿を洗浄した場合の効果を示したものである．洗浄効果の高い順に皿を配置し（）内に番号を付した（図１‐一２）は，図１－１）を基にした模式図）．. １％米ぬか洗浄では，油が皿の全体に広がって残り，クレンザーでは皿の縁に汚れが残る特微がみられる．これに対して，洗浄効果が良かった粉石けん・木灰の１％溶液の場合には，双方とも油. 分は極少量認められたものの両者の判定はつけがたい．（１１）.

(5) . １２. 上. 第２表. 子. 洗浄効果が高いと判定した順位. 洗剤名・濃又. 順位合計. １. ２. ３. ４. ５. ６. ７. ８. ９. １０. か. ６. ６. １２. ８. １１. １２. １０. ８. １１. １０. ９４. ※. クレンザー. ３. ５. ７. ９. ７. ９. ７. ３. ９. ５. ６４. ｎｓｒｌｓ. ｇ米〃. 洋. 洗剤別にみた皿の洗浄効果の判定パネル番号. ２. 野. ぬ. 〃. 木. 灰. ５. ２. ３. ３. ８. ３. ３. ５. ７. ３. ４２. “. 粉石けん. ４. ４. ４. ５. ４. ４. ４. ４. ４. ４. ４ｌ. ｎｓ. １％米ぬか. ７. ８. ９. １２. １０. ６. ６. １１. １２. ９. ９ｏ. ｎｓ. 〃. クレンザー. ８. ９. ６. ７. ２. ５. ５. ６. ８. ６. ６２. ｎｓ. 〃. 木. １. ３. ２. ２. ３. ２. ２. ２. ２. ２. ２１. ※※. 〃. 灰. 粉石けん. ２. １. １. １. １. １. １. １. １. １. １１. ※※. ０．５％石けん水２．５％石けん水. １２. １２. １１. １０. １２. ８. １２. １２. １０. １２. １１１. ※※. ９. １１. ５. ４. ９. ｌｏ. ｌｌ. ９. ５. １１. ８４. ｎｓ. ０．１５％中性洗剤０．７５％中性洗剤. ｌｏ. ｌｏ. ｌｏ. ｌ１. ５. ７. ９. １０. ６. ８. ８６. ｎｓ. ｌ１. ７. ８. ６. ６. １１. ８. ７. ３. ７. ７４. ｎｓ. ※※ ※ ｎｓ. １％有意５％有意有意差なし. Ｋｒａｍｅｒの順位合計法による. 第３表と第４表は，第１表を基にして作成したものであり，第３表は米ぬか・木灰・クレンザー・粉石けんを２ｇ用いて皿を洗浄した場合の効果判定の結果である．. 第２表の総合順位と変わり，粉石けんより木灰の方が有意に効果的であることがわかった粉石．けんをそのまま用いた場合，木灰より劣るのは，粉石けんが充分溶解せず，汚れをとる作用が発揮できなかったのであろう．. 米ぬかは，どのようにして用いても効果は低い．第４表は，洗剤の種類と濃度の関連から，洗浄効果の判定を二点別試験法によって行ったもので. ある．. １（）. （２）. （３）. ４（）. 図１－１）粉石けん．木灰・クレンザ・米ぬかの１％溶液で皿を洗浄にした場合の効果（（）内の数字は洗浄効果の高い順位）（）１２.

(6) . . 台所用洗剤の洗浄効果について. １３. ー〈ミ二キ（１）. （２）. （４）. （３）. 図１－２）粉石けん・木灰・クレンザー・米ぬかの１％溶液で皿を洗浄にした場合の模式図（（）内の数字は洗浄効果の高い順位）. 米ぬかラクレンザ「・木灰・粉石けんを２ｇ使用した場合の洗浄効果. 第３表. パネル番号洗. 剤. ２. ３. か、ザークレン. ４. ４. ４. １. ３. ３. 木. 灰. ３. １. １. ん. ２. ２. ２. ２. ぬ. 米. 粉. 石. け ※※ ※. 第４表項目. 洗浄効果が高いと判定した順位１. 名. ４. ５. 順位合計. ６. ７. ８. ９. １０. ４. ４. ４. ４. ４. ４. ３９. ４. ２. ３. ３. １. ３. ３. ２６. １. ３. １. １. ３. ２. １. １７. ※. １. ２. ２. ２. １. ２. １８. ｎｓ. ３. １％有位５％有意有意差なし. ※※ ｎｓ. Ｋｒａｍｅｒの順位合計法による. 木灰・粉石けん・石けん水・中性洗剤で皿を洗浄した場合の効果洗剤名. 洗浄効果が高い. １％木灰：１％粉石けんｏ．５％石けん水：２．５％石けん水ｏ．１５％中性洗剤：０．７５％中性洗剤１. と判定した人数 ※※ ｎｓ. ：. ９. １. ：. ※※. ９. ３. ；. ※※. １％有意有意差なし. 二点識別試験法による. １％溶液の木灰と粉石けんでは，後者が優れた効果をもつことは，前述した総合判定の結果と一致した，また石けん水は，濃度を上げることによる効果が認められたのに対して，中性洗剤では，. 高濃度で使用しても有意差を認める程の効果は無い．以上の結果から，石けん水や中性洗剤の洗浄効果が，粉石けん・木灰・クレンザーに劣るのは，水素イオン濃度に関係があるのではないかと考えた．. ＩＶ. 考. 察. 洗浄実験の結果，石けん水や中性洗剤に比べて，粉石けん，木灰が油汚れの食器洗浄に対して優れた効果を得たが，使用時の濃度で洗浄力に差のあることが明らかとなった．）（１３.

(7) . 上. １４. ずＮａｏ日. 野. 洋. ぞ聾磨き. （２）. （１）. 子. ヱ％ｉｚ憂欝瞬. ‐ ｒａｏ日. （３）. （４）. 図２－１）石けん水にＮａＯＨを添加し皿を洗浄にした場合の効果. 〆. ．イ．. ２（）. （１）. （３）. ）｛４. 図２－２）石けん水にＮａＯＨを添加し皿を洗浄にした場合の効果の模式図. すでに大木等は，石けんの牛脂溶解率の実験結果で，合成洗剤に比較して，石けんの溶解度が数倍高くなると報告した（３），水素イオン濃度と牛脂溶解率の関係であっ．この実験で着目された刻ま. た．そこで，洗浄効果の最も悪かった石けん水を用いて，次のような実験を試みた．. ），２．５％石けん水１８（ＰＨＩＯ．８）のそれぞれに１０％ＮａＯＨ２ｍｅを入０．５％石けん水１ゑ（ＰＨ９．５. ）れて，強いアルカリ液にかえ（ＰＨＩＩ．４，前記同様の方法で皿を洗浄した．この結果を図２－－１），図２－－２）に示した（図２－２）は，図２－１）を基にした模式図）．. これによると，どの濃度で用いた場合でも，洗浄液のアルカリ度上昇によって洗浄効果が高くなることがわかった．そこでさらに，本実験中の水素イオン濃度がどのようになっていたかを測定してみた．. 洗剤を直接皿につけて用いた場合には，水５ｍｌを加えて洗剤と混合させた時，ＰＨ試験紙で調べ，溶液の場合にはｐＨメーターで測った．第５表の洗剤とｐＨとの関係を点線で６区分してみると，水素イオン濃度と洗浄効果とは明らか. に関連があった．効果の高かった粉石けん・木灰・クレンザーはいづれもｐＨＩＯ．０以上のアルカリ性である．しかし，アルカリ性が同程度であっても，石けん水のように効果の悪いものもあった．. 現在市販されている石けん水は，カリ石けん又は水石けんと呼ばれるもので，液が薄められると効果が著しく低下する．またすすぎを冷水で行うと，水温が低いため，一度食器から離れた汚れが皿に再付着し，洗浄効果が悪い．. ）（１４.

(8) . 台所用洗剤の洗浄効果について. 第５表. １５. 洗浄効果の高い順位別にみた水素イオン濃度. 洗浄効果の高い順位（順位合計値を基にした）. 洗剤名. １. 粉石けん. １. ％. ２. 木. １. ％. 濃度，す吏用量. 灰. 粉石けん木灰. ９船ｎ１２. １０，５. １１．６. ％. 中性洗剤. ０，７５％２，５％. 中性洗剤. １０，９１１．４. クレンザークレンザー石けん水. ｐＨ. １０．Ｏ１１，Ｏ. ０，１５％. ７，１１０，８７，１. 米. ぬ. か. １. ％. ７０. 米. ぬ. か. ２. ｇ. ６２. ０．５％. ９，５. 石けん水. 米ぬかや中性洗剤は，ほぼ中性に近かった。中性洗剤の場合には，液性と関係なく，油脂を分散させる界面活性力が作用したものと考えるが，今後の検討に委ねた。米ぬかは，古くから洗浄剤として用いられてきたが，油汚れ洗浄にみる限り効果的ではないこ。れは，米ぬかそのものに油分が含まれるためか，他の成分によるかのいずれかは検討しなかったので，今後の課題にしたい．. これらのことから，洗浄効果と水素イオン濃度とは関連があることが明らかとなったが，食器洗浄の作用は，化学的・物理的要因が複雑に伴ないあっている．汚れの種類や量の問題とあわせて，さらに研究する必要があろう．東京都都民生活局が実施した１９７７年の消費生活調査では，台所用石けんの使用経験者に，使用時. の感想を質問している（５）．３５２名の回答内訳は， ①お湯でないと使いにくい４５．５％， ②においが悪く，汚れが落ちにくい３１％ ③合成洗剤に比べて高価で入手しにくい３１．５％， ④特にない２７，．８，８％， ⑤その他２．８％であり，この調査でも石けんが，冷水にとげにくいとする回答がある．この問題を解決するため大木等は（２），一般家庭での食器洗浄は「予洗い→０，３％粉石けん温湯液で洗う. →温湯に１０～１５秒間浸す→湯をかけてすすぐ」方法をとることが堂ほしいとし，中性洗剤中心の生活実態を改善するよう推進している。食材料や料理法の多様化に伴い，食器の汚れそのものの内容や，今日使われている食器の材質，種類が多いことも加えて，食器の汚れは複雑になっていることが予想されるが，現在のところ食器洗浄を多角的，総合的に検討しょうとする研究は遅れている．. 食生活の安全を自らの手で確立するためには，知識獲得の手段を積極的に行ない，健康を最優先した実践が必要であろう．この点から学校教育，特に家庭科教育の果す役割は大きい．小学校・中学校で，中性洗剤を野菜・果物洗浄にも使うよう指導してきたこと（４．９）や中性洗剤が他に勝る最も優れた洗剤であるとしてきた実態を改め，食生活教育では，古くから用いられ. てきた石けんや木灰・クレンザーの使用をとり入れた教材構成に変えたい．. （１）５.

(9) . １６. 上. 野洋. Ｖ. 要. 子. 約. 台所用洗剤の種類や濃度が，食器の洗浄効果にどのような影響を与えるかを知るため，大学生女子１０名を被検者として，油汚れのパン皿を洗浄させ実験した．実験材料は，米ぬか・クレンザー・木灰・粉石けん・石けん水・中性洗剤の６種類である．. これらの結果は次のように要約される．１（）食器の洗浄効果が高かったのは，１％粉石けん溶液，続いて木灰の溶液であった．効果が低いのは，石けん水であったが，これらはいづれも使用時の濃度によって洗浄力に差のあることがわかった．. －. （２）石けん水は，濃度を高くすることによって効果を上げることができたのに対して，中性洗剤では，濃度を上げても効果が期待できない．（３）洗浄剤としての効果は，水素イオン濃度と密接な関連を有し，ＰＨが高くなることによって洗浄力が増すことが明らかであり，粉石けん・木灰を用いた場合のｐＨは１０．５以上で，他の洗剤に比較して高く，これが洗浄効果に結びついたものとみられた．以上のことから，古くから用いられていた粉石けんや木灰が，中性洗剤や石けん水に比較して，優れた洗浄剤となりうることが明らかとなったが，使用上では，いくつかの問題が提起された．特に粉石けんが洗浄力の優れた点を持ちつつも，冷水に対しての溶解率が悪い，いわゆる石けんの欠陥ともいうべき点を，実生活に即した形で克服するような対策が考えられなければならない．. 文. 献. ）１９５７１）藤原邦達・小林勇：洗剤汚染．合同出版，東京（，Ｐ２３．）石けんと合成洗剤の洗浄力を比較する．静岡大学工学部１９７７２）大木昭八郎・馬塚丈司・渡辺春夫・吉田真一（９研究報告，２８，４７一５．７０）市販粉石けんの特性を比較する．静岡大学工学部研究報告，２１９３）大木昭八郎．吉田真一（７６，１１一２）１９６９・学校「家庭科」５年．開隆堂，東京（４）武田一郎・野上象子・小野テルｉ，Ｐ１８３）洗剤（台所用・衣料用）について，１－３１５）東京都都民生活局（９７７．ＩＣ，３０（１））台所用洗剤の使用量とすすぎ方について，北教大紀要１１９６）上野洋子（７９，１‐一１１．ＩＣ，３１（１）１ｒ３２１９）台所用洗剤の使用量とすすぎ方について，大学生の場合，北教大紀要１７）上野洋子（８０，２．）Ｐ２６４１９７１８）柳沢文正・山越邦彦・柳沢文徳：台所の恐怖．オール日本社，東京（）Ｐ１１９８７０９）全国職業教育協会：「技術・家庭女子用」１年．開隆堂，東京（．. ）（１６.

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