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パブリッククラウドと構成管理ツールを活用した試験効率化に関する検討

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Academic year: 2021

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(1)情報処理学会第 80 回全国大会. 1B-05. パブリッククラウドと構成管理ツールを活用した 試験効率化に関する検討 長谷 亮†. 松浦 陽平†. †. 三菱電機株式会社 情報技術総合研究所. はじめに 情報システムの大規模・複雑化に伴い、システム の品質を担保するシステム試験の労力が増大してい る。そこで、試験の労力を軽減するためのソフトウ ェアが活用されている。ここでは、上記のソフトウ ェアを試験ツールと呼ぶ。試験ツールの例として、 システムの性能試験において複数のユーザからの操 作を自動で模擬し、スループットなどの性能指標を 測定する OSS である JMeter [1]などが挙げられる。 しかし、試験ツールを用いる場合も、試験用機材の 調達や試験ツールのインストールなど、試験に要す る労力は依然として大きい。 試験の労力を軽減するサービスとして、クラウド を活用した試験自動化機能を提供する TaaS (Testing as a Service) が提案されている[2]。TaaS では、機能 試験に加え、性能やセキュリティなどの非機能試験 のためのサービスが提供される。ただし、システム の特徴に合わせた特殊な操作を模擬する試験など、 TaaS として提供される試験の手段では対応できな い試験の場合、特定の試験ツールを用いた試験を別 途行う可能性も考えられる。そのため、試験ツール を用いた試験の労力を削減する方式が求められる。 本稿では、試験ツールを用いた試験における環境 構築や試験実施を自動で行い、試験を効率化する方 式を述べる。また、試験ツールを用いた試験につい て、従来方式と提案方式の作業時間を試算し、試験 における労力として比較した結果も記載する。 1. 提案方式の概要 今回は、クラウドベンダが保有する仮想マシン (VM) などのリソースを従量課金制で利用できる、 パブリッククラウドに着目した方式を検討した。提 案方式は、パブリッククラウド上に 2 種類のサーバ を構築し、Web システムなどの試験を自動的に実 施する。図 1 に、提案方式の概要を示す。試験サー バは、試験ツールを実行するサーバである。試験サ ーバの数は、試験ツールが試験サーバに与える負荷 に応じて調整する。管理サーバは、試験を実施する 試験担当者の操作を受け付け、試験サーバの生成、 試験ツールのインストールなどの環境構築、試験ツ ールの実行など、試験の一連の作業を自動で実施 2. A study on automated testing using a configuration management tool on a public cloud. † Information Technology R&D Center, Mitsubishi Electric Corporation.. パブリッククラウド. 試験対象. ユーザ操作模擬 試験サーバ. 試験サーバ. 試験サーバ 生成、環境構築、 試験ツール実行. 管理サーバ 自動化 担当者. 自動化 設定. 操作. 試験 担当者. 図 1 提案方式の概要 表 1 クラウドサービスの形態 分類 提供されるサービス IaaS (Infrastructure as VM や仮想ネットワークなど a Service) の IT インフラ PaaS (Platform as a Service). OS やミドルウェアを含めた アプリケーション実行環境. SaaS (Software as a Service). クラウド上に構築したアプリ ケーション(ソフトウェア). するサーバである。図 1 における自動化担当者は、 試験を自動化する準備作業を行う。 パブリッククラウドは、クラウドベンダから提供 されるサービスの形態ごとに、表 1 に示す 3 種類に 分類される[3]。提案方式は試験ツールのインスト ールを伴うため、IaaS か PaaS が検討対象となる。 しかし、PaaS では OS の設定やツールのインストー ルなどに関して制限があり、試験ツールを利用でき ない可能性がある。そのため、提案方式では IaaS の VM を自動的に生成し、試験サーバとすることと した。 構成管理ツールによる作業自動化 管理サーバから、試験サーバの試験環境構築、試 験の実施を自動で行う方法には様々な選択肢があ る。今回は、サーバの設定を自動化するソフトウェ アである構成管理ツールに着目した。構成管理ツー ルは、サーバの設定内容を記載したテキストファイ ルをもとにサーバ設定を自動で行う “Infrastructure as Code” を実現する。自動化用のテキストファイル の作成は、図 1 における自動化担当者が行う。 構成管理ツールとしては多くのソフトウェアが開 発・提供されているため、評価基準を設け、利用す る構成管理ツールを選定した。今回は、(1) OS 設定 やソフトウェアインストールを自動化できること、 3. 1-177. Copyright 2018 Information Processing Society of Japan. All Rights Reserved..

(2) 情報処理学会第 80 回全国大会. 表 2 試験における作業の分類 作業の分類 実施する作業の概要 自動化準備 構成管理ツールによる自動化 用のテキストファイルを記述 機材確保 試験サーバの調達、試験環境 のネットワークの構築など スクリプト作成 テストスクリプトの作成 SW インストール 試験ツールのインストール ツール実行 試験ツールの実行、試験実施 表 3 各方式における作業の実施方法 作業の分類 従来方式 提案方式 自動化準備 なし 手動 機材確保 手動 自動 スクリプト作成 手動 手動 SW インストール 手動 自動 ツール実行 手動 自動. 1回目. 従来. 機材確保 SWインストール 系列6 30.65. 今回. 12.27. 30.65. 今回. 0.21 0. 10 20 作業時間 [HOUR]. 30. 図 2 実施方式ごとの作業時間の比較. (2) パブリッククラウドの VM や仮想ネットワーク などのリソースの生成・削除が可能なこと、(3)構 成管理ツールのインストール先は管理サーバのみで よいこと、の 3 点を評価基準とした。上記の評価基 準は、OSS の構成管理ツールである Ansible[4]が全 て満たす。Ansible 単体で基準を満たし、他のソフ トウェアと組み合わせて利用する必要ないことも特 長と考え、今回は Ansible を利用する方式とした。 構成管理ツールを用いる場合、自動化用のテキス トファイルの記述など、従来方式には含まれない作 業が発生する。表 2 に、試験で発生する作業の分類 を示す。なお、表 2 中のテストスクリプトは、試験 ツールが試験時に入力として用いるテキストファイ ルを指し、試験に関するパラメータを記載する。表 3 に、従来方式と提案方式における、各作業の実施 方法を示す。従来方式は自動化準備を含まず、他の 作業を手動で行う。提案方式は、自動化準備、スク リプト作成を手動で行い、他の作業は自動で行う。 作業時間の比較 従来方式と提案方式における作業時間を試算し、 比較を行った。今回は、試験サーバ 10 台を利用 し、各試験サーバに JMeter をインストールして試 験を行う場合を想定した。従来方式は、試験サーバ としてレンタル PC を用意して手動で環境構築、試 験を行うもので、レンタル PC の調達に 24 時間要 するものとした。提案方式は、試験サーバとしてパ ブリッククラウド上の VM を利用し、自動で環境構 築、試験を行うものとした。 表 2 の作業の分類ごとに試算した作業時間を、図 2 に示す。今回は、同様の環境を繰り返し構築して 試験を行うことを想定して、1 回目の試験、2 回目 の試験に必要となる作業時間を試算した。 従来方式と提案方式では、パブリッククラウドの 利用による効果と、構成管理ツールの利用により、 作業時間に違いが生じたと考えられる。パブリック 4. 従来. 2回目. 実施方式. 自動化準備 スクリプト作成 試験ツール実行. クラウド利用による効果として、機材確保に要する 時間の短縮が挙げられる。従来方式ではレンタル PC を調達することのリードタイムが大きいが、提 案方式では VM の生成をオンデマンドで実施できる ため、機材確保における時間を短縮できる。パブリ ッククラウドは従量課金制のため、試験時間の短縮 により、試験用機材の費用削減も期待できる。 構成管理ツール利用による効果は、機材確保、 SW インストール、ツール実行における作業時間短 縮として表れている。ただし、提案方式の 1 回目の 試験では自動化準備が発生するため、作業時間にお いて自動化準備が占める割合が高い。2 回目の試験 では、自動化準備が不要となるため、作業時間削減 の効果が大きくなる。3 回目以降の試験でも、2 回 目の試験と同等の作業時間が発生すると考えれば、 繰り返し回数が多い試験ほど、構成管理ツールを利 用するメリットが大きいと考えられる。 おわりに 本稿では、パブリッククラウド上で試験環境構 築、及び試験実施を自動で行う方式を述べた。パブ リッククラウドと構成管理ツールを組み合わせて利 用することで、試験ツールを用いた試験を効率化 し、試験に要する労力の軽減が期待される。 今後の課題として、複数種類の試験ツールを用い た実際のシステム試験において、作業時間を測定、 評価することが挙げられる。また、パブリッククラ ウドではネットワークのトラフィックの状況によっ て遅延が変化する可能性もあるため、トラフィック 状況が作業時間に与える影響の検討も必要である。 5. 参考文献 [1] [2]. [3]. [4]. 1-178. “Apache JMeter,” http://jmeter.apache.org/ (閲覧: 2017 年 12 月 14 日) P. Harikrishna and A. Amuthan, “A survey of testing as a service in cloud computing,” 2016 International Conference on Computer Communication and Informatics (ICCCI), pp. 1-5, 2016. P. Mell and T. Grance, “The NIST Definition of Cloud Computing,”http://nvlpubs.nist.gov/nistpubs/Legacy/SP/n istspecialpublication800-145.pdf (閲覧: 2017 年 12 月 14 日) “Ansible is Simple IT Automation,” https://www.ansible.com/(閲覧: 2017 年 12 月 14 日). Copyright 2018 Information Processing Society of Japan. All Rights Reserved..

(3)

表 2  試験における作業の分類  作業の分類  実施する作業の概要  自動化準備  構成管理ツールによる自動化 用のテキストファイルを記述  機材確保  試験サーバの調達、試験環境 のネットワークの構築など  スクリプト作成  テストスクリプトの作成  SW インストール  試験ツールのインストール  ツール実行  試験ツールの実行、試験実施  表 3  各方式における作業の実施方法   作業の分類  従来方式  提案方式  自動化準備  なし  手動  機材確保  手動  自動  スクリプト作成  手動

参照

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