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Academic year: 2021

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第回 月例発表会(年月) 知的システムデザイン研究室

ヘテロ環境における



の性能評価

       

片浦 哲平

                                       !  "#!"$     

はじめに

   以下は多点探索のため膨大 な計算時間を必要とする.この問題を解決するためにの 並列モデルのひとつに  以下が ある.において母集団は複数のサブ母集団以下 島に分割され,各島ごとにプロセッサが割り当てられ それぞれ独自にが実行される.プロセッサ間の通 信は移住の時のみに限られるのでクラスタシステムなど のような低速なネットワーク下でも高い分散効果が期待 される. 一方で,大量の処理が必要な場合にはグロー バルコンピューティングの分野が注目をあびている.グ ローバルコンピューティング環境でを実行する場合 に問題となると考えられるのが,各サイトごとの処理速 度の違いである.クラスタなどでは,各プロセッサの処 理速度が一定であるため,移住の際に同期を簡単にとる ことができるが,グローバルコンピューティング環境に おいては,サイトごとの処理速度が異なるため,各プロ セッサごとの計算速度に偏りが生じ,移住の際の同期も 難しくなる. 本報告ではグローバルコンピューティング環境におけ る並列について検討する. 

ヘテロな環境における

 ヘテロな環境におけるとは,各島ごとに計算速 度が異なるのことをいう.これに対し均質な環境 のをホモな環境のという.ヘテロな環境の では,計算速度の違いから,移住の際の同期や,遅 い島の個体の扱いなどホモな環境のに比較してさ らにパラメータの設定等が困難になる. 

数値実験方法

処理速度の均質なクラスタシステムにおいてヘテロな 環境下のを作成するために  ように計算実 行世代と待機世代を作り,プログラム上でヘテロな環境 を作成した. ታⴕ਎ઍ ታⴕ਎ઍ ታⴕ਎ઍ ታⴕ਎ઍ ታⴕ਎ઍ ታⴕ਎ઍ ᓙᯏ਎ઍ ᓙᯏ਎ઍ ᓙᯏ਎ઍ ᓙᯏ਎ઍ ਎ઍᢙ ፉᢙ ታⴕ਎ઍ ታⴕ਎ઍ ᓙᯏ਎ઍ ᓙᯏ਎ઍ ᦨㆃ ᦨㅦ ⒖ ૑   ヘテロな環境の実装 ヘテロな環境のは,まず初期パラメータで島の 移住を行うまでの世代数を定める.各島の移住までの世 代数を比較して移住世代数の最も大きいものを基準にし て,移住を行う.従って,最も大きい値の移住世代数か ら各島の移住世代数を引いた世代数が待機状態の世代数 となり,待機状態の多い島ほど遅い島となる.移住の際 の同期に関しては,前述の方法の仕様から,同期を合わ せてとる形になっていて,本来のヘテロ環境で必要な非 同期な通信は行っていない. 

ヘテロな環境の



の性能評価

  との性能比較 ヘテロな環境のは各島ごとに計算世代数が異な るので全島からの最適解の履歴を表示するには移住で同 期をとった世代に限られる.しかし,移住の世代ごとの 履歴は他の手法の世代数の履歴と評価計算回数が異なる ため比較することができない.このため,その代わりと して計算に要した時間で履歴を表示することにした.時 間は最も計算速度の速い島を基準にして,遅い島は時間 軸をスケーリングして比較できるようにした. まず,ヘテロな環境のの遅い島に解探索の効果 があるのかを調べた.比較する方法として,次の種類 の測定を行った.

(2)

¯ 処理速度の異なる島で実行 ¯ 最も遅い島を消して島で実行 ¯ 遅い島を消して島で実行 ¯ 最も速い島だけで実行 番目の方法は個体数が分のになったという ことになる.初期パラメータを に,各島の実行 状態,待機状態を に,   関数の実行結果 を  に, 関数の実行結果を  に示す.  初期パラメータ 世代数 最速島が 世代 総個体数  交叉率  突然変異率 !" 遺伝子長  設計変数  島数  移住率 # 移住個体 # 目的関数   $  移住トポロジー ランダムリング 試行回数 #  実行条件 島     移住間隔 実行 #$ #$ #$ #$ # 実行 #$ #$ #$ % # 実行 #$ #$ % % # 実行 % % % % % TCUVTKIKP KUNCPF KUNCPF KUNCPF KUNCPF   ヘテロな環境のの効果&    ITKGYCPM KUNCPF KUNCPF KUNCPF KUNCPF   ヘテロな環境のの効果&    ,  から,遅い島も移住に加わることで解 探索に影響を与えているということが分かった.特に   関数において効果が顕著であった.  島ごとの処理速度差を大きくした場合 次に上記の結果から,ヘテロな環境のにおい て,遅い島がどのような影響を与えるかについて調べ た.初期パラメータをに,実行状態,待機状態 を に示し,実行結果を  ∼  'に示す.  初期パラメータ 総世代数 # 総個体数  交叉率  突然変異率 !" 遺伝子長  設計変数  島数  移住率  エリート個体 # 移住エリート個体 # 移住トポロジー ランダムリング 試行回数   各島の状態 実行世代数 待機世代数  #  #   #   #  実行結果から   関数,  関数で移住間隔差 が少ない条件のものが良好な解を得た.ヘテロな環境の

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㫉㪸㫊㫋㫉㫀㪾㫀㫅 㪈㪅㪜㪄㪇㪏 㪈㪅㪜㪄㪇㪎 㪈㪅㪜㪄㪇㪍 㪈㪅㪜㪄㪇㪌 㪈㪅㪜㪄㪇㪋 㪈㪅㪜㪄㪇㪊 㪈㪅㪜㪄㪇㪉 㪈㪅㪜㪄㪇㪈 㪈㪅㪜㪂㪇㪇 㪈㪅㪜㪂㪇㪈 㪈㪅㪜㪂㪇㪉 㪈㪅㪜㪂㪇㪊 㪇 㪌㪇 㪈㪇㪇 㪈㪌㪇 㫋㫀㫄㪼㪲㫊㪴 㪽㫀㫋㫅㪼㫊㫊 㪿㪼㫋㪼㫉㫆㪊㪇㩷㫀㫊㫃㪸㫅㪻㪈 㪿㪼㫋㪼㫉㫆㪉㪇㩷㫀㫊㫃㪸㫅㪻㩷㪈 㪿㪼㫋㪼㫉㫆㪈㪇㩷㫀㫊㫃㪸㫅㪻㩷㪈 㫊㪾㪸     関数の実行結果 㪞㫉㫀㪼㫎㪸㫅㫂 㪇㪅㪇㪈 㪇㪅㪈 㪈 㪈㪇 㪇 㪉㪇 㪋㪇 㪍㪇 㪏㪇 㪈㪇㪇 㫋㫀㫄㪼㪲㫊㪴 㪽㫀㫋㫅㪼㫊㫊 㪿㪼㫋㪼㫉㫆㪊㪇㩷㫀㫊㫃㪸㫅㪻㪈 㪿㪼㫋㪼㫉㫆㪉㪇㩷㫀㫊㫃㪸㫅㪻㪈 㪿㪼㫋㪼㫉㫆㪈㪇㩷㫀㫊㫃㪸㫅㪻㪈 㫊㪾㪸  # 関数の実行結果 の中で比較すると,   関数では,移住間隔 差が少ない方が速く収束しているため遅い島も解探索 に影響を及ぼしているが,ある程度収束してしまうと, 解の改善が行われにくくなり,移住間隔差のあるヘテロ な環境のとあまり精度は変わらなくなった.この ことから,解探索の進んだ後半は,逆に頻繁に遅い島か ら移住が行われることで解探索の妨げになってと考え られる.  関数は,単峰性の関数であるため,島の 数がそのまま解の精度に影響を及ぼしているようであ る. 関数では,とほとんど変化は見られ なかった.  ホモな環境の との性能比較 次に,ホモな環境のに対して性能にどのような 違いがあるかを調べた.ホモな環境のとヘテロな 環境のは処理速度の違いから単純な履歴では比較 をすることができない.そこで, #のように終了 世代を調整することで計算量と情報交換量を等しくし た.また,時間とリソース個体数×世代数を比較す るために,適合度にしきい値を定めて,適合度がしきい 値に到達した時間とその時の世代数の合計を求めること でヘテロな環境のとホモな環境のの時間と 㫉㫀㪻㪾㪼 㪇㪅㪇㪇㪇㪇㪈 㪇㪅㪇㪇㪇㪈 㪇㪅㪇㪇㪈 㪇㪅㪇㪈 㪇㪅㪈 㪈 㪈㪇 㪈㪇㪇 㪈㪇㪇㪇 㪇 㪉㪇 㪋㪇 㪍㪇 㪏㪇 㪈㪇㪇 㪈㪉㪇 㪈㪋㪇 㪈㪍㪇 㫋㫀㫄㪼㪲㫊㪴 㪽㫀㫋㫅㪼㫊㫊 㪿㪼㫋㪼㫉㫆㪊㪇㩷㫀㫊㫃㪸㫅㪻㪈 㪿㪼㫋㪼㫉㫆㪉㪇㩷㫀㫊㫃㪸㫅㪻㪈 㪿㪼㫋㪼㫉㫆㪈㪇㩷㫀㫊㫃㪸㫅㪻㪈 㫊㪾㪸  '  関数の実行結果 リソースを比較した.また,その際の最終的な適合度を 表し性能を比較した.初期パラメータを ',実行 結果を  (∼   に示す. # 実行条件 島    移住間隔 終了世代 実行 #$ #$ #$ #$ # '# 実行 '$ '$ '$ $ ' (# 実行 )$ '$ $ $' )  実行 *$ *$ $) $) * # ' 初期パラメータ 総世代数 # 総個体数  交叉率  突然変異率 !" 遺伝子長  設計変数  島数  移住率   エリート個体  移住エリート個体  移住トポロジー ランダムリング 試行回数    (の結果から,   関数ではしきい値をクリ アしたリソースは概ね各条件の処理速度通りとなった. また,  )の結果から 関数では処理速度の 差が大きいほど良い結果が得られなかった.この結果は   #の結果からも言えることである.設計変数間に依 存関係のある関数は,世代後半は解の探索が進むかどう かは交叉,突然変異の確率に大きく依存してしまうので, 個体にバラツキの出るヘテロな環境のの方が,良

(4)

㫉㪸㫊㫋㫉㫀㪾㫀㫅 㪇 㪉㪇㪇㪇 㪋㪇㪇㪇 㪍㪇㪇㪇 㪏㪇㪇㪇 㪈㪇㪇㪇㪇 㪈㪉㪇㪇㪇 㪈㪋㪇㪇㪇 㪈㪍㪇㪇㪇 㪇 㪉㪇 㪋㪇 㪍㪇 㪏㪇 㫋㫀㫄㪼㪲㫊㪴 㫉㪼㫊㫆㫌㫉㪺㪼 㪻㪾㪸 㪿㪼㫋㪼㫉㫆㪍㪍㪍㪉 㪿㪼㫋㪼㫉㫆㪏㪍㪋㪉 㪿㪼㫋㪼㫉㫆㪐㪐㪈㪈  (   関数の時間とリソース 㪾㫉㫀㪼㫎㪸㫅㫂 㪇 㪈㪇㪇㪇 㪉㪇㪇㪇 㪊㪇㪇㪇 㪋㪇㪇㪇 㪌㪇㪇㪇 㪍㪇㪇㪇 㪎㪇㪇㪇 㪇 㪌 㪈㪇 㪈㪌 㫋㫀㫄㪼㪲㫊㪴 㫉㪼㫊㫆㫌㫉㪺㪼 㪻㪾㪸 㪿㪼㫋㪼㫉㫆㪍㪍㪍㪉 㪿㪼㫋㪼㫉㫆㪏㪍㪋㪉 㪿㪼㫋㪼㫉㫆㪐㪐㪈㪈  ) 関数の時間とリソース い結果を得られると思われるが, 関数では設 計変数を増やすと依存関係が弱くなる傾向にあるので, 設計変数を減らして実行した場合を計測する必要がある と考えられる.   *の結果から,ヘテロな環境のの方が良好 な解を得られた.設計変数が増え,後半世代で解の探索 が進みにくくなる場合には解のバラツキは重要な要素の ようである.   の結果から最終的な精度はどの方 法でもほとんど違いは見られなかった.  )の結果を 考えると,ヘテロな環境のは後半世代で解探索が 進んだと言える. 

結論と今後の課題

ヘテロな環境のにおける処理速度の遅い島は と性能比較を行うことによって効果があるという ことが分かった.また,ヘテロな環境のはホモな 環境のと比較してリソースの面ではほぼ同等の性 能があると分かった.しかし,ヘテロな環境のと ホモな環境のを同じパラメータで実行したならば, 実行時間は確実に遅くなることも分かった.今後はヘテ ロな環境のに適応した移住モデルを検討,具体的 㫉㪸㫊㫋㫉㫀㪾㫀㫅 㪇 㪇㪅㪌 㪈 㪈㪅㪌 㪉 㪉㪅㪌 㪊 㪊㪅㪌 㪋 㪋㪅㪌 㪽㫀㫋㫅㪼㫊㫊 㪻㪾㪸 㪿㪼㫋㪼㫉㫆㪍㪍㪍㪉 㪿㪼㫋㪼㫉㫆㪏㪍㪋㪉 㪿㪼㫋㪼㫉㫆㪐㪐㪈㪈  *   関数の適合度 㪾㫉㫀㪼㫎㪸㫅㫂 㪇 㪇㪅㪇㪈 㪇㪅㪇㪉 㪇㪅㪇㪊 㪇㪅㪇㪋 㪇㪅㪇㪌 㪇㪅㪇㪍 㪽㫀㫋㫅㪼㫊㫊 㪻㪾㪸 㪿㪼㫋㪼㫉㫆㪍㪍㪍㪉 㪿㪼㫋㪼㫉㫆㪏㪍㪋㪉 㪿㪼㫋㪼㫉㫆㪐㪐㪈㪈   関数の適合度 には,無理に同期を合わせるような移住方法ではなく, 非同期の移住モデルを考え,それに合わせて移住トポロ ジーをランダムリングから他の方法で検討したいと考え ている.

参考文献

 畠中一幸『遺伝的アルゴリズムの分散並列化』(同志 社大学卒業論文,**))  吉田純一『+,+-と分散遺伝的アルゴリズムの 性能比較』(同志社大学研究報告資料, )  上浦二郎『分散遺伝的アルゴリズムにおけるパラメー タの検討 第報:母集団内パラメータの解探索能 力への影響』(理工研報告書, )  上浦二郎『分散遺伝的アルゴリズムにおけるパラメー タの検討 第報:移住に関連するパラメータの検 討』(理工研報告書, ) # 金子美華『分散における解探索能力』(人工知能 学会全国大会,***)

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