「ロボットは東大に入れるか」という企て:0.編集にあたって
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(2) かかわらず,比較的容易な会話文の穴埋め問題にお. 数理論理の力によって意味が分かっているかのごと. いて明確な成果を上げることができなかった.成功. く振る舞っているにすぎない.その際どのようなエ. 事例だけが掲載される傾向が強い論文誌や技術系ニ. ラーが発生するのか.それを市民に開かれた形で正. ュースの情報だけからは決して見えてこない AI の. 直に公開することで,どのような制約のもとで AI. 課題を東ロボは浮彫りにした.. 技術を社会受容していくかを市民が自ら決定するリ テラシーを獲得することを支援することを目指した. サイエンスコミュニケーションとしての プロジェクト. のが「ロボットは東大に入れるか」という「企て」 だったといえよう. AI が万能ではないならどこかに限界がある.た. プロジェクトが発足した 2011 年を振り返って. だし,それは個別タスクの中に潜む容易に言語化で. みたい.ちょうど,IBM の Watson がクイズ番組. きないようなタイプのものになろう.産学連携で「入. 「Jeopardy!」でチャンピオン 2 人を破り,第三期. 試」という多様かつ困難なタスクに取り組むことで,. AI ブームの幕開けとなった年である.すべてのブ. 「できる・できない」の境界に関する勘を,日本の. ームやバブルは,期待とともに,誤解と混乱をもた. 企業の研究者・技術者が身につけるためのオープン. らす.少なからぬ人々が,データを大量に集めさえ. な教育プラットフォームになることも,東ロボの隠. すれば,どんな知的活動も AI によって模倣できる. れた使命の 1 つであった.. ようになると期待したのではないだろうか.. 本小特集を通じて,現代の AI の可能性と限界に. 残念ながら,現在の AI の理論と技術では「意味. ついてのイメージが読者と共有されることを願って. とは何か」の解明の見通しは立っていない.統計と. やまない. (2017 年 5 月 10 日). 情報処理 Vol.58 No.7 July 2017. 599.
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