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コリア語
基盤教育院 延 恩株(インタビュー) [履修人数、クラス数等] Q(紺野 / 海津):コリア語のクラス数と履修人数、教員数を教えて下さい。 A(延恩株):2011 年度春学期はレベルⅠからⅥまで 26 クラス、秋学期はレベルⅠから Ⅵまで 23 クラスで、各 2 コマです。そのうちレベルⅢは各学期 2 クラス、Ⅳ以上は各 1 クラスずつ設けています。人数は 1 クラス約 30 名の定員となっているため抽選を行って おり、レベルⅠ、Ⅱはほぼ 30 人ですが、レベルⅤ,Ⅵなど上級クラスに行くほど人数は 減る傾向にあります。またコリア語は飛び級希望者も多く、高校、独学、語学学校、交換 留学などで学習した学生を、飛び級が可能なレベルか面接で判断しますが、そうした飛び 級の学生の人数は抽選人数に含まれません。 このごろ履修人数は飛躍的に増加していて、2000 年度には全レベルを合わせても 100 人台でしたが、今年度春学期は 900 人近く、秋学期はおよそ 800 人の履修希望者がありま した。しかし各学期 150 人ほどの学生が抽選から外れましたので、この問題に関しては早 急に対応方法を考え抽選に漏れる学生をなくしてゆきたいと思っています。また、抽選の 優先順位(例えば、外国語を必修とするLA学群生の優先順位が高い)などは、学期初め、 オリエンテーション期間中にでも学生に周知徹底する必要もあるでしょう。 それからコリア語の教員数についてですが、専任1名、非常勤 10 名体制で授業を行っ ています。 [志望動機] Q:学生の志望動機についてはいかがですか。 A:私は、学生の気持ちが知りたいので、常にレベルⅠの初回授業で志望動機についてア ンケートを取っていますが、5、6 年前に比べると最近は志望動機も変化してきています。 最近のパターンとして①誰かに影響を受けた、薦められた、②自分の個人的興味、③友 人、親族との関わり、の三つがあります。①のパターンとしては、「先輩、友人から楽し いと薦められた」「日本語に近い、学びやすいと聞いた」「親が見ていた韓流ドラマに影響 された」「友人がハングル文字が書けるようになったから」など、②としては「以前から 興味があった」「韓国の文化、食べ物、ドラマ、歌、ダンスに興味があった」など、 K-pop ブームの影響や、言語自体に対する興味・関心も見られます。また近年は高校生や86 2011 年度 Obirin TOday ――教育の現場から 86 高校の先生もよく調べていて、「 桜美林に行けばしっかりコリア語が学べる 」 と知って、 桜美林に入学した学生もいるのです。③では「親が在日韓国・朝鮮人だから」「両親の片 方が韓国人だから」などで、桜美林大学は以前から在日韓国・朝鮮人の子弟は多かったの ですが、最近は父・母いずれかが韓国人の学生も多く、家での会話は日本語なので、コリ ア語を学ぶ必要があると考えているようです。また「韓国人の親戚ができたから」という 学生もいます。 そのほか、「 日本と韓国は歴史的に密接な関わりがあり、将来、経済的にも必要になる と考えた 」「アジア圏で最も使う可能性のある言語であり、仕事でも使えそうだと思った」 という将来性を考えた動機や、関西からの学生などは「関西では韓国の観光客が多いので 学んでおかなければと思った」というものもありました。一般に以前の「何らかの外国語 の単位を取らないといけない」「覚えやすいと聞いた」といった単純な動機から、最近は 具体的な目的に変わってきています。 Q:そのほか、コリア語を学ぶ目的などありますか。 A:旅行という目的があります。「高校の修学旅行などで韓国へ行った」「旅行で韓国人に たくさん助けてもらい、また行きたくなった」といったものや、「新宿や新大久保のコリ アンタウンに行って興味を持ったから本場にも行きたくなった」など。また、最初から韓 国留学を目的としている学生もいます。 Q:現在の学生の関心事はどのようなことでしょう。 A:文化、生活、社会から宗教、歴史まで、あらゆること、全般に関心を持っています。 韓国への関心自体が高まっているのですね。そして彼らの目的もはっきりしていて、旅 行で困らない程度の会話を身につけたい、字幕なしで映画・ドラマを観たいなど具体性が ありますから、学生の要望、希望、目標を参考に教授法も考えています。 [授業方法と特色] Q:それでは授業の方法や特色についてお話し頂けますか。 A:現在はコリア語の学習経験がなくとも、挨拶の表現やいろいろな言い回し、コリア語 の文字を知っている学生が出てきていますから、教え方を変える必要を感じていますし、 学生が既に持っている情報に合う教授法を、常に意識しています。そして桜美林大学のコ リア語は、桜美林大学の外でも通用するコリア語でありたいと考えています。コリア語の 授業の成績評価は大学のガイドラインよりも厳しく付けていますが、履修希望者が通年で 1700 人近くいましたので驚いています。
87 コリア語 また、韓国語検定試験にできるだけ多く学生が合格するように力をつけてあげることも 目指しています。昨年度からはレベルⅢ以上の学生には検定料を援助していますが、これ は就職に役立ち、学習の目標もできるという利点につながるでしょう。昨年度から今年度 にかけて 200 名ほどが受験していますが、来年 4 月の試験のための準備も始めています。 [上級クラスの学生] Q:上級クラスを履修する学生は、人数が少ない分、熱心な学生が多いと思いますが、そ うした学生には何か特色がありますか。 A:Ⅰを履修した後、韓国への交換留学ができるので、交換留学希望者、また夏期セミナー (語学研修)に行く学生が増えてきていますし、長期・短期留学ともコリア語履修学生の 留学は参加者が多いです。しかし一方では留学せずに学習を深める目的でレベルⅤ、Ⅵに 進んで韓国語をマスターする学生もいます。 留学を考えている学生の大半は就職の心配などがあるため、いつ行ったらいいのか、ど のレベルまで学んで留学するのがよいのかという、留学の時期や語学レベルに関する相談 がきます。留学は、低いレベルで行くより、基本文法をしっかり学んでから行く方がよい でしょう。そして帰国後の学生に関して言えば、留学から帰国し韓国語が上達し飛び級で 上級クラスに入った場合、留学せずに日本でずっと段階を踏んで上級クラスまで行った学 生とでは、文法知識と言語運用能力 / コミュニケーションスキルのバランスの面で特徴が 異なります。私はそうした学生への対応にも注意を払い、非常勤の先生方とも細かくコミ ュニケーションをとりながら対処しています。 いずれにしても、学生に不公平感や不満を感じさせない授業、また、やる気があって も語学力が伸びない学生への指導法、学習面において学生には大学生としての自覚を持た せるなど、コリア語教育現場で学生の能力を可能な限り伸ばしてゆきたいと思っています。 [今後の課題] Q:それでは最後に、コリア語の授業の今後の課題についてお話し頂けますでしょうか。 A:授業に関しては、今のところ特に大きな問題はありませんが、学生のそれぞれの目標 に対応するには、週 2 コマの授業では限度があります。つまり基礎もきちんと学ばなけれ ばいけないのですが、学生は短時間もしくは短期間で流暢になりたいと願うのでそのあた りにギャップが生じることもあります。それで以前使っていた教科書は文法がしっかりし たものでしたが、現在は初級の段階から会話も同時に身につけられる教材に変えました。 そのほか、多くの学生は授業で韓国の文化なども学びたいと希望していますが、語学の 授業内ではとても無理があります。その理由も踏まえてこれからは韓国の文化・社会・歴
88 2011 年度 Obirin TOday ――教育の現場から 88 史・経済・宗教・政治などについて関心を持つ学生のための授業が必要ではないかと思っ ています。 今後も学生のニーズや時代の流れをキャッチして、学生の気持ちに応えられるコリア語 の授業を行ってゆきたいと思っています。