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参加型処分行動にアイデンティティ形成意識と倹約志向がもたらす影響

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Academic year: 2021

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(1)商経学叢. 第59巻 第1号2012年7月. 参 加 型処 分 行 動 に ア イ デ ンテ ィテ ィ形 成 意 識 と 倹 約 志 向 が もた らす影 響. 玉 概要. 置. 了. 本 研 究 で は,消 費 者 集 団 に よ る リサ イ クル や フ リー マー ケ ッ ト,ネ ッ トオ ー ク シ ョン,. 寄 附 に よ る社 会 貢 献 な ど参 加 型 の 処 分 行 動 へ の 参 加 意 欲 が,ア イ デ ンテ ィテ ィ形 成 意 識 と倹 約 志 向 に よ り異 な る こ とを 明 らか にす る。 ま ず,消 費 者 の 処 分 行 動 に 関 わ る研 究 を レ ビ ュー した 上 で,消 費 者 の 参 加 型 の 処 分 行 動 は,消 費 に よ るア イ デ ンテ ィテ ィ形 成 意 識 との 関 わ り が 深 い こ とを 指 摘 す る。 しか し,本 研 究 は参 加 型 処 分 行 動 へ の 参 加 意 欲 は消 費 者 が 持 つ 倹 約 志 向 に も影 響 され る こ とを 指 摘 し,本 研 究 で は購 買 時 の ブ ラ ン ド志 向 と 自己 の 価 値 観 との 一 致 志 向 とい う視 点 か ら2つ の仮 説 の構 築 と,質 問 紙 法 に よ る調 査 と分 析 を行 った。 その 結 果, 1つ め の 仮 説 か らは 製 品 購 買 時 に ブ ラ ン ド志 向 の 高 い消 費 者 は倹 約 志 向 が 高 ま る と参 加 型 処 分 行 動 へ の 参 加 を 抑 制 す る。 一 方 で,ブ. ラ ン ド志 向 が 低 い消 費 者 は倹 約 志 向 が 高 ま る と参 加. 型 処 分 行 動 へ の 参 加 が 促 進 され る こ とが 明 らか に され た 。2つ め の 仮 説 か ら は,購 買 時 に 自 己 の 価 値 観 との 一・ 致 を 強 く求 め る消 費 者 は,倹 約 志 向 が 高 ま る ほ ど参 加 型 の 処 分 行 動 へ の 参 加 意 欲 は 強 ま るが,自 己 の 価 値 観 との 一 致 志 向 が 低 い場 合 は,倹 約 志 向 が 高 ま って も参 加 型 の 処 分 行 動 へ の 参 加 意 欲 は高 ま らな い こ とが 明 らか にな った 。. Abstract. This. disposition. behavior.. and frugal. mind. study with. about. study. analyzes. as the participation. consumer's. Identity. mind.. and higher. frugal. behavior.. Meanwhile,. First,. behavior. the consumer. Frugal. who doesn't mind. higher. frugal. mind. consistency. 処 分 行 動,ア. 原 稿 受 理 日2012年5月15日. イ デ ン テ ィ テ ィ,倹. 約 志 向,消. 費 と 自己. mo-. formation. consciousness disposition and higher. higher. product. to participation-based. behavior.. キ ー ワー ド. brand. has positive with. former. participation. consciousness who demands. buying. relationship. for participation-based. brand. The consumer. for motive. some. by them identity. who has higher. motivation. demand. has no effect. We review. consumer's. are affected. has lower. motivation.. by product. out they are some. the consumer. mind has more negative. formation. and point. We hypothesize. disposition As a result,. for the participation-based. for that.. image and self image and has higher. In case of consumer self image,. behavior. formation.. gal mind has more positive. of identity. motive. disposition. tive for participation-based. with product. of motivation. We focus on the mind. consumer's. mind and frugal. differences. fru-. consistency motivation. image. and. disposition.

(2) 第59巻. 1.問. 第1号. 題. 意. 識. 今 日の 消 費 者 行 動 を 捉 え る上 で,所 有 物 の 処 分 と い う視 点 が 重 要 にな って い る。 社 会 的 に は持 続 可 能 な 地 球 環 境 の 実 現 に向 けて,資 源 循 環 の 必 要 性 が 指 摘 され る一 方 で,ビ. ジネ. ス と して は フ ァス ト ・フ ァ ッシ ョンな ど に代 表 され る よ う に,流 行 の 遷 移 が め ま ぐる しい 今 日 に お いて,大 量 の 新 製 品 が 市 場 に投 入 され,大 量 の 廃 棄 を 促 す 状 況 も生 まれ て い る。 ま た,衣 服 や 本 な どで は,中 古 品 の 販 売 や 下 取 りが ビジネ ス と して 成 長 しつ つ あ る。 消 費 者 の 心 理 と して は 「断 捨 離 」 と呼 ぶ モ ノへ の 執 着 を 捨 て,生 活 を 見 直 す 行 為 が 注 目 され る 一 方 で ,「 お直 し」 な ど,モ ノ を長 く大 切 に使 お う とす る行 動 も見 られ て い る。 こ う した 中で,本 研 究 は消 費 者 が 所 有 物 を 地 域 で の リサ イ クル や フ リー マ ー ケ ッ ト,ま たネ ッ ト ・オ ー ク シ ョン,寄 附 な どの 社 会 貢 献 活 動 に よ る消 費 者 参 加 型 の 処 分 行 動 に焦 点 を あて,そ の 参 加 意 欲 を 向 上 ・抑 制 す る要 因 を 明 らか にす る。 近 年 で は,上 記 の よ うな 消 費 者 型 の 処 分 行 動 が 盛 ん とな って お り,こ う した現 象 は消 費 者 間 の 協 働 に よ る処 分 行 動 と して も興 味 深 い し,リ サ イ クル や 寄 附 な どを 目的 と した処 分 行 動 の 促 進 はそ の 社 会 的 な 意 義 も大 き い。 本 研 究 で は,こ の よ うな 消 費 者 の 参 加 型 処 分 行 動 へ の 参 加 意 欲 を 消 費 者 の ア イデ ン テ ィ テ ィ形 成(1)とい う視 点 か ら分析 す る。Belk[1988]に. 見 られ る よ う に,モ ノ は消 費 者 の 自. 己 を拡 張 し,ア イ デ ン テ ィ テ ィ形 成 へ とつ な が る。 自 己の 存 在 価 値 を 高 め よ う とす る消 費 は今 日の 購 買 ・使 用 行 動 の 原 動 力 とな って お り,こ う した ア イ デ ン テ ィ テ ィ形 成 の た めの 消 費 の 最 終 段 階 で の 処 分 行 動 を 明 らか にす る こ と は,現 代 の 消 費 を 明 らか にす る上 で 重 要 な 意 味 を持 つ 。 そ して,自. 己の 一 部 とな っ た モ ノ に対 す る意 識 は,単 な るモ ノの 処 分 と異. な る様 式 で その 処 分 の 意 思 決 定 に影 響 を及 ぼす と考 え られ,自. 己の 存 在 価 値 を 高 めた モ ノ. を手 放 す こ と とな った と き,消 費 者 は 何 らか の プ ロ ジ ェ ク トや 取 り組 み に 対 す る参 加 に よ って 処 分 す る こ と に価 値 を求 めて そ こで の 処 分 を意 思 決 定 す る と本 研 究 で は考 え る。 一 方,今. 日の 消 費 行 動 を 考 え る上 で,長 期 的 に 自 己や 他 者 の 生 活 を 考 え,モ. ノを 大 切 に した. り,お 金 をや り く りす る と い う意 味 で の 倹 約 志 向 が 現 代 の 消 費 者 にお いて 高 ま って きて お り,こ う した倹 約 志 向 も消 費 者 参 加 型 処 分 行 動 に影 響 を 及 ぼす と考 え られ る。 そ こで 本 研. (1)ア イ デ ンテ ィテ ィ とは,自 分 を 自分 た ら しめ て い る 自我 の 性 質 で あ り,他 者 の 中 で 自己 が 独 自 の 存 在 で あ る こ とを 認 め る と同 時 に,自 己 の 生 育 史 か ら一 貫 した 自分 ら し さの 感 覚 を 維 持 で きて い る状 態 で あ る と定 義 され て い る。(鐘 ・山本 ・宮 下[1984]) -304(304)一.

(3) 参加型処分行動にアイデ ンテ ィテ ィ形成意識 と倹約志向が もた らす影響(玉 置) 究 で は,消 費 者 の 参 加 型 処 分 行 動 へ の 参 加 意 欲 に,ア イデ ン テ ィ テ ィ形 成 意 識 と倹 約 志 向 が も た らす 影 響 を 明 らか にす る。. 皿.先. 1.消. 行. 研. 究. 費 者 の 処 分 行 動 に関 す る先 行 研 究. 消 費 者 行 動 研 究 と して,購 買 後 の 処 分 行 動 に焦 点 を あて た もの は数 少 な い。 しか し,そ の 研 究 の 類 型 と して(1)処分 行 動 を 意 思 決 定 の 視 点 か ら捉 え た研 究,(2)意 味 的 消 費 の 観 点 か らモ ノの 処 分 を捉 え た研 究,(3)消 費 の 意 味 を ふ まえ た上 で 処 分 行 動 の 意 思 決 定 を 論 じる研 究 と い う3つ の 研 究 が あ げ られ る。. 1)処. 分 行 動 を 意 思 決 定 の 視 点 か ら捉 え た 研 究. 処 分 行 動 を 意 思 決 定 の 視 点 か ら捉 え た 研 究 と して,Jacobyetal.[1977]の られ る 。 こ のJacobyら. の 研 究 は 処 分 行 動 の 端 緒 的 な 研 究 で も あ り,消. る 意 思 決 定 は,(1)保 持,(2)永 久 的 処 分,(3)一 消 費 者 の 内 的 要 因,製. 品 特 性,状. っ た り,貸. で は 無 く,消. 費 者 が 寄 附 や リサ イ ク ル,別. 為 と して 捉 え る 。 他 に も,処. わ ず に 保 管 して お い. 題 の 認 識,情. 研 究 で も モ ノの 処 分 を 永 久 的 な 処 分. の モ ノ との 交 換 と い った 形 で 所 有 物 を 手 放 す 行. 分 行 動 に お け る 意 思 決 定 に つ い て は,処. 分 行 動 に も購 買 行 動. 報 探 索 と そ れ に 基 づ く評 価 プ ロ セ ス が 存 在 す る と モ デ ル 化 した ッ ト ・オ ー ク シ ョ ン や,リ. サ イ クル とい った近 年 の処 分 方 法 を 考. 慮 し た 意 思 決 定 を 論 じ たMorganandBirtwistle[2009]の. 2)意. は,. し た りす る こ と も 処 分 行 動 と して 含 め て い る 。 こ う した 処 分 行 動 の と. の 後 の 処 分 研 究 で も 踏 襲 さ れ て お り,本. Hanson[1980]や,ネ. の 意 思 決 定 は,. 況 要 因 に 影 響 さ れ る と して い る 。 ま た,Jacobyら. らえ 方 は,そ. と 同 様 に,問. 費 者 の 処 分 に関 わ. 時 的 処 分 に 大 別 さ れ る と し,こ. モ ノ の 処 分 を ゴ ミ と して 永 久 的 に 処 分 す る と い う 行 動 だ け で な く,使 た り,譲. 研究が あげ. 研 究 が 存 在 す る。. 味 的 消 費 の 観 点 か らモ ノの 処 分 を 捉 え た研 究. ま た,消 費 の 意 味 的 側 面 を 研 究 す る文 脈 の 中で,モ. ノの 処 分 と い う行 動 が もつ 意 味 が 議. 論 され て い る。 役 割 ・地 位 の 変 化 の 強 調 や 新 しい 自 己概 念 の 強 化 と い う視 点 か ら処 分 行 動 が 持 つ 意 味 を論 じたYoung[1991]や. 離 婚 に よ る人 生 の 転 機 にお いて モ ノの 処 分 が 新 た. な ア イ デ ンテ ィ テ ィの 構 築 に繋 が る と い うMcALexander[1991]の て 大 事 な 所 有 物 の 処 分 は人 生 の 回 顧 に 繋 が る が,そ 一305(305)一. 研 究,高 齢 者 に と っ. の 処 分 に は葛 藤 が 伴 う こ と を論 じた.

(4) 第59巻 Price,ArnouldandCurasi[2000]な [2005]は 離 し,写. 第1号. ど の 研 究 が 見 られ る 。他 に もLastovickaandFernandez. 自 己 に と っ て 意 味 あ る 所 有 物 の 処 分 す る 上 で,そ 真 を 撮 り,儀. の 処 分 プ ロセ ス で は モ ノを 隔. 式 と して ク リー ニ ン グ を し た り,さ. ら に ガ レー ジ セ ー ル や オ ン ラ イ. ン ・オ ー ク シ ョ ン と い っ た 関 係 の 中 で 所 有 物 を 処 分 し,新. しい所 有 者 と ア イデ ン テ ィ テ ィ. を 共 有 す る と い う こ と を 明 らか に して い る 。 こ れ らの 研 究 に 加 え て,他 Peters[2006],Pavia[1993]な. ど,処. に もSheltonand. 分 行 動 の 意 味 を 自 己や ア イデ ン テ ィ テ ィ と い った. 視 点 か ら論 じ た 研 究 が 数 多 い 。. 3)消. 費 の 意 味 を ふ まえ た上 で 処 分 行 動 の 意 思 決 定 を 論 じる研 究. こ う した,上 述 の2つ の 研 究 の 成 果 を う けて,近 年 で は消 費 の 意 味 を 取 り入 れ た 処 分 行 動 の 意 思 決 定 を 論 じる研 究 が な され て い る。処 分 過 程 の 心 理 的 な 作 用 を モ デ ル 化 したRoster[2001]の. 研 究 や,モ ノを 捨 て る こ とが 出来 な い性 質 の 消 費 者 とそ うで な い消 費 者 と比. 較 して,前 者 の タ イ プの 消 費 者 は消 費 に お け る意 味 の 存 在 が モ ノへ の 執 着 とな り,保 管 や 転 用,寄 附,思. い 出の 想 起 と い っ た行 動 を と る こ とを 明 らか に したCoulterandLigas. [2003]の 研 究 が あ るが,こ. う した消 費 の意 味 を 踏 ま え た処 分 行 動 の 意 思 決 定 を論 じた 研. 究 は ま だ ま だ数 少 な い。. 2.処 1)消. 分 行 動 と ア イデ ン テ ィ テ ィ研 究 にお け る課 題 と本 研 究 の 問 題 意 識 費者参加型の処分行動. 上 述 の よ うな 既 存 研 究 か ら見 る と,消 費 者 の 処 分 行 動 を ア イデ ン テ ィ テ ィ と い う視 点 か ら捉 え る上 で 興 味 深 い側 面 と して,消 費 者 の 処 分 行 動 は,時 に それ に関 わ る関 係 や 集 団 に お いて 行 わ れ る と い う点 に あ る。 ガ レー ジセ ー ル や フ リー マー ケ ッ ト,ネ ッ トオ ー ク シ ョ ンで は,他 の 消 費 者 へ の 譲 渡 や 転 売 が 行 わ れ た り,ま た地 域 に お いて は,リ サ イ クル や 不 用 品 の 寄 附 を通 じた社 会 貢 献 の た めの 集 団 が 形 成 され た りも して い る。 消 費 者 はそ う した 関 係 や コ ミュニ テ ィへ の 所 有 物 の 提 供 を 通 じて 処 分 を 行 うの で あ る。 そ して,先 行 研 究 で は,自 己 と関 わ りの 深 い モ ノを 処 分 す る と き に,こ う した消 費 者 参 加 に よ る処 分 行 動 を 行 う こ とが 若 干 な が ら示 唆 され て い る。 しか し,自 己 との 関 わ りの 深 さや 自己 との 関 わ りの あ り方 に よ って 処 分 行 動 へ の 参 加 に対 す る意 思 決 定 の 態 様 が 異 な る こ と まで は明 らか に さ れ て お らず,ア. イデ ン テ ィ テ ィ形 成 の た めの 消 費 が 活 発 にな され,ま た 次 に述 べ る よ うな. 消 費 者 間 の 関 係 性 が 重 要 視 され る現 代 に お いて 消 費 者 参 加 に よ る処 分 行 動 と ア イデ ン テ ィ テ ィの 関 係 は さ らに研 究 を 進 め る必 要 が あ る。 -306(306)一.

(5) 参加型処分行動にアイデ ンテ ィテ ィ形成意識 と倹約志向が もた らす影響(玉 置) ま た,こ の よ うな 関 係 や 集 団 へ の 参 加 に よ る消 費 行 動 は,近 年,ネ. ッ ト上 で の ロ コ ミや. 消 費 者 間 の イ ンタ ラ ク シ ョ ンが 購 買 行 動 や 使 用 行 動 に及 ぼす と い う視 点 か ら も注 目 され て お り,関 係 や 集 団 に お け る処 分 行 動 を 明 らか にす る こ と は,こ う した 消 費 者 間 の 関 係 性 と い う視 点 か ら消 費 者 の 行 動 を 明 らか にす る上 で 理 論 的 な 意 義 を もつ と考 え られ る。 また, 現 代 的 な 視 点 か ら見 れ ば,資 源 の 循 環 と い う問 題 に対 して,消 費 者 参 加 に よ る問 題 解 決 が 図 られ る今 日 に お いて,消 費 者 が 他 の 消 費 者 との 関 係 や 集 団 の 中で 所 有 物 を 処 分 す る態 様 を明 らか にす る こ と は意 義 を 持 つ と いえ る。. 2)消. 費 者 参 加 型 処 分 行 動 と ア イデ ン テ ィ テ ィ形 成 意 識. こ う し た 消 費 者 参 加 型 処 分 行 動 へ の 参 加 意 欲 を 説 明 す る 要 因 と して,本. 研 究 で は,こ. れ. ま で 処 分 行 動 の 意 思 決 定 に 影 響 す る 要 因 と して も 取 り あ げ られ て き た 消 費 に よ る ア イ デ ン テ ィ テ ィ 形 成 意 識 を 取 り あ げ る 。 と い う の も 玉 置[2011]は 成 ス タ イ ル の 違 い が,モ. ノの 処 分 を 意 思 決 定 す る契 機 に違 いを もた らす こ とを 明 らか に し. て い る 。 ア イ デ ン テ ィ テ ィ を 形 成 す る と い っ て も,(1)ブ 行 い,ブ. こ う した ア イ デ ン テ ィ テ ィ 形. ラ ン ドの イ メ ー ジ 重 視 した 購 買 を. ラ ン ドの 持 つ イ メ ー ジ を 投 影 す る こ と に よ る ア イ デ ン テ ィ テ ィ 形 成,(2)自. 値 観 と 一 致 し た 製 品 を 購 買 し,自 テ ィ テ ィ 形 成,(3)流. 己 イ メ ー ジを 強 化 す る こ とに よ って 実 現 す る ア イ デ ン. 行 を 意 識 し た 購 買 を し,他. る ア イ デ ン テ ィ テ ィ形 成,(4)製. 己の価. 者 よ りも先 端 的 な 消 費 を す る こ とで 実 現 す. 品 の 取 揃 え や コ ー デ ィ ネ ー トを 行 い,そ. の 取 揃 え や コー. デ ィ ネ ー トに よ っ て 実 現 し た 自 分 な りの ス タ イ ル を 自 己 イ メ ー ジ と して 実 現 す る ア イ デ ン テ ィ テ ィ 形 成,(5)製. 品 利 用 に 熟 知 す る こ と に よ り,そ. の 製 品 の い わ ば 専 門 家 と して の 自 己. イ メ ー ジ に よ っ て ア イ デ ン テ ィ テ ィ を 形 成 し よ う と す る ス タ イ ル,最 カ ス タ マ イ ズ と い っ た 創 造 的 消 費 に よ っ て,そ 力 に よ っ て 自 己 イ メ ー ジ を 創 造 し,ア. 後 に(6)製 品 の 改 造 や. の カ ス タ マ イ ズ した 製 品 や カ ス タ マ イ ズ 能. イ デ ン テ ィ テ ィ を 形 成 す る と い っ た6つ. テ ィ テ ィ 形 成 ス タ イ ル が 存 在 す る と し た 。 こ の う ち,(1)(2)に つ い て は,単 よ る ア イ デ ン テ ィ テ ィ 形 成,(4)に ま た,(3)に. つ い て は,単. 一製品の購買 に. つ い て は 複 数 製 品 の 購 買 に よ る ア イ デ ン テ ィ テ ィ 形 成,. 一 製 品,複. テ ィ テ ィ 形 成,(5)(6)に つ い て は,製 と み る こ と が で き る 。 そ して,玉. の ア イデ ン. 数 製 品 ど ち ら と も限定 で きな い購 買 に よ る ア イ デ ン 品 の 購 買 後 の 使 用 過 程 に お け る ア イデ ン テ ィ テ ィ形 成. 置[2011]で. は,消. 費 者 が どの よ うな ア イデ ン テ ィ テ ィ. 形 成 ス タ イル を意 識 す るか に よ って 処 分 を 意 思 決 定 す る タ イ ミン グが 異 な る こ とを 明 らか に して お り,処. 分 を 意 思 決 定 す る タ イ ミ ン グ だ け で は 無 く,そ. 形 成 意 識 に よ っ て 異 な る と 考 え られ る 。 -307(307)一. の 方 法 も ア イデ ン テ ィ テ ィ.

(6) 第59巻 3)消. 第1号. 費 者 に よ る参 加 型 処 分 行 動 と倹 約 志 向. 本 研 究 で は,消 費 者 参 加 によ る処 分 行 動 へ の 参 加 意 欲 に影 響 す る もう一 つ の 要 因 と して, 消 費 者 が 持 つ 倹 約 志 向 を と り入 れ た分 析 を 行 う。 近 年,消 費 者 にお いて お 金 を 大 切 に使 お う と い う意 識 が 高 ま って お り,そ う した意 味 で の 倹 約 志 向 は,厳. しい経 済 状 況 が 続 く今 日. の 消 費 者 行 動 を分 析 す る上 で 重 要 な 位 置 づ けを 帯 びて い る。 そ して,倹 約 志 向 は製 品 の 購 買 時 ・使 用 時 の み な らず,そ の 処 分 過 程 に も影 響 し,そ れ は消 費 者 に よ る参 加 型 の 処 分 行 動 と い う視 点 か ら見 た と き,そ の 参 加 へ の 抑 制 要 因 と して も ま た逆 に促 進 要 因 と して も機 能 す る と考 え られ る。 と い うの も,倹 約 志 向 は まず 「も っ た いな い」 と い う意 識 と して, 所 有 物 に対 す る執 着 と して 現 れ,モ. ノの 処 分 自体 を 抑 制 し,参 加 型 の 処 分 行 動 へ の 参 加 を. 抑 制 す る と考 え られ る。 一 方 で,モ. ノの 処 分 を これ まで 述 べ て きた よ うな フ リー マ ー ケ ッ. トで の 処 分 や リサ イ クル な ど,参 加 型 の 処 分 行 動 を 何 らか の 社 会 参 加 に よ り価 値 を 生 み 出 す 行 為 と考 え た と き,倹 約 志 向 の 高 い消 費 者 に と って は,自 な モ ノで も,フ. らに と って 価 値 を 失 った よ う. リー マー ケ ッ トや ネ ッ トオ ー ク シ ョ ンで 経 済 的 な 価 値 を 手 に入 れ る こ と も. で き る し,ま た リサ イ クル や 社 会 貢 献 を す る こ とで,社 会 に価 値 を 提 供 して 処 分 を す る こ と につ な が る と も考 え る こ とが で き る。 ま た 自分 に と って 社 会 に貢 献 した と い う情 緒 的 な 価 値 を得 る処 分 行 動 だ と考 え る こ と もで き る。. 4)倹. 約 志 向の 定 義. 本 研 究 に お いて 倹 約 志 向 と い う消 費 者 の 意 識 を と りあ げ る た め に は こ こで,そ の 倹 約 志 向の 定 義 を明 確 に して おか ね ばな らな い。 一 般 的 に倹 約 志 向 と い う と,支 出を で き るだ け 控 え た り,ま た支 出す る と して も特 売 や 低 価 格 の 商 品 を 多 数 購 買 した り,他 に も 自己 の 利 益 の た め に お金 を 貯 め る ばか りで 使 お う と しな い守 銭 奴 と も言 うべ き行 動 を と った りす る 意 識 を倹 約 志 向 と して 表 現 され る こ と も あ る。 一 方 で,自. 己や 他 者 の 将 来 を 考 え て,で. き. る だ け お金 や 所 有 物 を 大 切 に使 お う と い う意 識 も倹 約 志 向 と い う こ とが で き る。 本 研 究 で は,リ サ イ クル や 消 費 者 間 の モ ノの 交 換 な ど,地 球 環 境 や 他 者 との 共 同的 な 活 動 を 意 識 し た処 分 行 動 を と らえ る た め,最 後 の 意 味 に お け る意 識 を 倹 約 志 向 と して と らえ,モ 買 や 使 用 時 に お け る 自 己や 他 者 の 将 来 を 考 え た倹 約 志 向 が,自. ノの 購. 己や 他 者 に向 けた 処 分 行 動. に及 ぼす影響 を分析 す る。そ こで本 研究 で は,倹 約 志 向 をはか るため の尺度 と してLastovicka etal[1999]の. 倹 約 志 向 尺 度 を 用 いて 分 析 を 行 う。Lastovickaら. は倹 約(Frugality)と. い う言 葉 を,消 費 者 が 長 期 的 な 目標 を 達 成 す る た め に,節 度 の あ る モ ノの 獲 得 と経 済 的 な 製 品 や サ ー ビスを 上 手 くや り く り して 利 用 で き る程 度 に よ って 示 され る ラ イ フ ス タ イル の 一308(308)一.

(7) 参加型処分行動にアイデ ンテ ィテ ィ形成意識 と倹約志向が もた らす影響(玉 置) 特 徴 と定 義 し,8項. 目か らな る倹 約 志 向尺 度 を構 成 した上 で信 頼 性,収. 束 妥 当 性,弁. 別妥. 当性,法 則 的 妥 当性 と い っ た尺 度 の 妥 当性 を 検 証 して い る。 と りわ け,弁 別 妥 当 性 の 検 証 に お いて,社 会 的 望 ま しさ,モ ノの 獲 得 意 識,環 境 意 識,家 庭 内の 在 庫 管 理 意 識,衝 動 買 い意 識,ク. ー ポ ン利 用 意 識,価 格 意 識 と い っ た倹 約 志 向 に関 わ る諸 意 識 に基 づ いた 各 尺 度. と 自 らが 構 成 した尺 度 の 弁 別 妥 当性 を 検 証 して お り,倹 約 志 向 が 本 研 究 で と りあ げ る倹 約 志 向 と して の 意 識 と符 合 す る こ とか ら,こ のLastovickaら. 5)本. の尺 度 を用 い る こ と と した。. 研究の分析視角. 本 研 究 で は,上 述 の よ うな ア イデ ン テ ィ テ ィ形 成 意 識 の な か で も購 買 時 にお け る意 識, つ ま り本 節2)で. 述 べ た(1)ブラ ン ドの イ メー ジを 重 視 した製 品 を 購 買 す る こ と に よ る ア イ. デ ンテ ィ テ ィ形 成,(1)自 己の 価 値 観 と一 致 す る製 品 の 購 買 に よ る ア イデ ン テ ィ テ ィ形 成 と の 対 比 か ら,参 加 型 処 分 行 動 へ の 参 加 意 欲 を 明 らか にす る。 先 に あ げ た玉 置[2011]で. は,(1)ブ ラ ン ドの イ メー ジ を重 視 した購 買 を行 い ア イ デ ン. テ ィ テ ィ を形 成 しよ う とす る志 向 を もつ 消 費 者 は,流 行 遅 れ とな った り,所 有 す るモ ノが 安 っぽ く感 じた と き に モ ノを 処 分 しよ う とす る と い う こ とを 明 らか に して い る。 この こ と は,ブ ラ ン ドの イ メー ジ に よ って ア イデ ン テ ィ テ ィを 形 成 の 実 現 を 求 め る消 費 者 は所 有 す る モ ノの 経 済 的 な 価 値 の 高 さを 自 己の 価 値 と して 投 影 しよ う とす るの で あ り,処 分 はそ の 所 有 物 の 価 値 を低 く感 じた と き に行 わ れ,価 値 の 低 い 自 己 との 決 別 と して の 処 分 行 動 の 意 味 を もつ と考 え られ る と した。 ま た,(2)自 己の 価 値 観 と一 致 した 購 買 に よ る ア イデ ン テ ィ テ ィ形 成 志 向 を持 つ 消 費 者 は,自 己 イ メー ジ との 不 一 致 や 新 たな 節 目 にモ ノを 処 分 しよ う と し,ま た流 行 に左 右 され ず,長. い間 モ ノを 使 用 し続 け よ う とす る と い う傾 向 が あ る と い. う こ と を明 らか に して い る。 この よ う に見 る と,参 加 型 の 処 分 行 動 に対 す る参 加 意 欲 を ア イ デ ンテ ィ テ ィ形 成 意 識 と倹 約 志 向 との 関 わ りに お いて み る と き,次 項 の 仮 説 の 導 出 にお いて 述 べ る よ う に,消 費 者 の 倹 約 志 向 は消 費 者 の 参 加 型 の 処 分 行 動 へ の 参 加 に,ポ ジ テ ィ ブ に もネ ガ テ ィ ブ に も作 用 す る こ とが 想 定 され る。. 3.仮. 説の導出. 上 述 の よ うな 問 題 意 識 を も と に,本 研 究 で は,製 品 購 入 時 にお け る ア イデ ン テ ィ テ ィ形 成 志 向 と倹 約 志 向 が 参 加 型 処 分 行 動 へ の 参 加 意 欲 に も た らす 影 響 を 明 らか にす るた め,以 下 の 仮 説 を設 定 す る。 本 研 究 で と りあ げ る倹 約 志 向 は 自 己や 他 者 の 将 来 を 考 え,お 金 や 所 有 物 を大 切 に使 お う と い う意 識 を 倹 約 志 向 と して と らえ る と既 に述 べ た 。 この よ う に考 え 一309(309)一.

(8) 第59巻. 第1号. る と,永 久 的 に廃 棄 処 分 の 対 象 とな る よ うな 使 わ な くな っ た モ ノで も,将 来 自分 が いつ か 使 うか も知 れ な いか ら捨 て ず に保 管 して お こ う と い う心 理 に繋 が り,参 加 型 処 分 行 動 を 抑 制 す る要 因 にな る と考 え られ る。 一 方 で,こ の よ うな 意 味 で の 倹 約 志 向 は,処 分 す るの で あ って も,ゴ. ミと して 無 価 値 な モ ノ と して 捨 て るの で は無 く,フ リー マ ー ケ ッ トや オ ー ク. シ ョ ンで す る こ と に よ って 換 金 した り,ま た他 者 の 将 来 を 考 え た行 動 と して 社 会 貢 献 と し て 社 会 に対 す る価 値 と して 還 元 しよ う とす る と い う心 理 を 生 む と考 え る と,参 加 型 処 分 行 動 へ の 参 加 を促 進 す る要 因 とな る と考 え られ る。 こ う した参 加 型 処 分 行 動 へ の 参 加 意 欲 に影 響 す る ア イ デ ン テ ィ テ ィ形 成 意 識 を,前 項 で 上 げ た玉 置[2011]に. お いて 単 一 の 製 品 の 購 買 に よ る ア イデ ン テ ィ テ ィ形 成 意 識 と して 位. 置 づ け た,(1)ブ ラ ン ドの イ メー ジを 重 視 した購 入 し,そ の ブ ラ ン ドが もつ イ メー ジを 基 礎 と して ア イ デ ンテ ィ テ ィを 形 成 す る消 費 者 が 製 品 を 処 分 す る意 思 決 定 と,(2)自 らの 望 む イ メ ー ジが あ り,そ れ を 補 強 す る道 具 と して 製 品 を 使 用 し,ア イデ ン テ ィ テ ィを 形 成 す る消 費 者 が 製 品 を処 分 す る意 思 決 定 と と い う2つ の 側 面 か らと りあ げ る。 この2つ の 視 点 に も とつ いて,以 下 の 仮 説 を 構 築 した。 この2つ の ス タ イル の み に限 定 した 理 由 は,購 買 時 に お け る製 品 に対 す る意 識 が 処 分 行 動 に も た らす 影 響 を 明 らか にす るた めで あ り,複 数 製 品 の 取 揃 え で はな く,単 一 製 品 の 購 買 に よ る ア イデ ン テ ィ テ ィ形 成 と い う視 点 を よ り明 確 に す る た めで あ る。. 【仮 説1】 H1:製. 品 購 入 時 に ブ ラ ン ド志 向 の 強 い消 費 者 は,倹 約 志 向 が 高 ま る ほ ど,参 加 型 処 分 行 動 へ の 参 加 意 欲 は低 くな る。 一 方,ブ. ラ ン ド志 向 の 弱 い消 費 者 は,倹 約 志 向 が. 高 ま る ほ ど参 加 型 処 分 行 動 へ の 参 加 意 欲 を 高 め る。. 玉 置[2011]で. は,ブ. ラ ン ドを 重 視 し て モ ノ を 購 入 す る 消 費 者 は,流. 行 や 時 代 遅 れ,. 安 っ ぽ く感 じ た と い う の を 理 由 に 処 分 を 意 思 決 定 す る と い う こ と を 明 ら か に した 。 こ こ か ら は,ブ. ラ ン ド志 向 の 高 い 消 費 者 は,ブ. ラ ン ドと い う 社 会 的 に 支 持 さ れ た 価 値,価. 格的 に. も 高 価 で あ る と い う 経 済 的 に も 価 値 あ る モ ノ を 所 有 して い る と い う 実 感 を 持 っ て お り,そ う した 価 値 あ る モ ノ を 所 有 す る 自 己 を ア イ デ ン テ ィ テ ィ と して い る と考 え られ る 。 そ し て, そ れ らの 価 値 が 低 くな っ た と 自 己 認 識 さ れ た と き,ア 処 分 さ れ る と い う こ と が 示 唆 さ れ る 。 先 に 消 費 者 は,こ 処 分 す る 際 に 消 費 者 は,そ. イデ ン テ ィ テ ィを 再 構 築 す るた め に う した 自己 の 変 化 を 契 機 に モ ノを. の 自 己 と の 関 わ りの 深 い 所 有 物 を ガ レー ジ セ ー ル や フ リー マ ー -310(310)一.

(9) 参加型処分行動にアイデ ンテ ィテ ィ形成意識 と倹約志向が もた らす影響(玉 置) ケ ッ ト,寄 附 や 集 団 に よ る リサ イ クル な どの 社 会 貢 献 と い っ た参 加 型 の 処 分 行 動 を 行 う こ と を先 行 研 究 に拠 って 述 べ た。 つ ま り,ブ ラ ン ドに よ って 自 己 イ メー ジを 高 め,そ れ を 自 己の ア イ デ ンテ ィ テ ィ と して い た モ ノを 処 分 す る と き,参 加 に よ る処 分 行 動 を と る と考 え る こ とが で き る。 さ らに,ブ ラ ン ドを 重 視 して 購 入 した モ ノを 処 分 す る意 思 決 定 に倹 約 志 向 と い う意 識 が か か わ る と き,ブ ラ ン ド志 向 が 強 い消 費 者 は,倹 約 志 向 が 高 ま る ほ ど,自 己 に と って 価 値 が 無 くな くな っ た と言 って も,上 述 の よ うな 社 会 的 ・経 済 的 に価 値 が あ った もの で あ り, 倹 約 志 向が 高 いが ゆえ に ま た いつ か 役 立 つ か も知 れ な いの で 保 管 して お こ う と い う感 覚 を もつ た め,自 己の 将 来 に向 けて 何 らか の 形 で 有 効 活 用 で き るか も知 れ な い と考 え そ の 価 値 を保 持 して お こ う と し,参 加 型 処 分 行 動 へ の 参 加 を 抑 制 す る と考 え られ る。 一 方 で,ブ ン ド志 向の 弱 い消 費 者 は,自. ラ. らの 所 有 物 に社 会 的 ・経 済 的 な 価 値 を 見 いだ さな いた め,処. 分 時 に上 述 の よ うな いつ か 役 立 つ か も知 れ な い と い う感 覚 は も たな い。 そ の た め,倹 約 志 向が 高 ま る ほ ど処 分 時 に社 会 の 役 に立 つ と い う観 点 か ら処 分 方 法 を 決 定 し,参 加 型 処 分 行 動 へ の 参 加 を強 め る と考 え られ る。 つ ま り,倹 約 志 向 と ブ ラ ン ド志 向 との 間 に参 加 型 処 分 行 動 へ の 参 加 に対 す る相 殺 作 用 が 生 まれ る と考 え,具 体 的 な 参 加 型 処 分 行 動 の 形 態 を 踏 まえH1-1∼H1-3の. 仮説を設定. した。. H1-1:製. 品購 入 時 に ブ ラ ン ド志 向 の 強 い 消 費 者 は,倹 約 志 向 が高 ま る ほ ど,不 要 品 の リサ イ クルへ の参 加 意 欲 は低 くな る。 一 方,ブ. ラ ン ド志 向 の弱 い消 費 者 は,. 倹 約 志 向 が高 ま る ほ ど不 要 品 の リサ イ クルへ の参 加 意 欲 を高 め る。 H1-2:製. 品購 入 時 に ブ ラ ン ド志 向 の 強 い 消 費 者 は,倹 約 志 向 が高 ま る ほ ど,不 要 品 の交 換 の 場 へ の 参 加 意 欲 は低 くな る。 一 方,ブ. ラ ン ド志 向 の弱 い 消 費 者 は,. 倹 約 志 向 が高 ま る ほ ど不 要 品 の交 換 の場 へ の参 加 意 欲 を高 め る。 H1-3:製. 品購 入 時 に ブ ラ ン ド志 向 の 強 い 消 費 者 は,倹 約 志 向 が高 ま る ほ ど,不 要 品 を社 会 貢 献 に活 用 す る場 へ の 参 加 意 欲 は低 くな る。 一 方,ブ. ラ ン ド志 向 の 弱. い 消 費者 は,倹 約 志 向 が高 ま る ほ ど不 要 品 を社 会 貢 献 に活 用 す る場 へ の 参 加 意 欲 を高 め る。. 【仮 説2】 H2:製. 品 購 入 時 に 自 己の 価 値 観 と一 致 した イ メー ジを もつ 製 品 を 求 め る志 向 が 強 い消 一311(311)一.

(10) 第59巻. 第1号. 費 者 は,倹 約 志 向 が 高 ま る ほ ど,消 費 者 参 加 型 処 分 行 動 へ の 参 加 意 欲 が 高 ま る。 一 方 ,自 己の 価 値 観 との 一 致 志 向 が 低 けれ ば,倹 約 志 向 の 高 低 に関 わ らず,参 加 型 処 分 行 動 へ の 参 加 意 欲 は よ り低 くな る。. 玉 置[2011]に. お いて,自. 己の 価 値 観 と一 致 した イ メー ジを もつ 製 品 を 購 入 す る消 費 者. は 自 己の イ メ ー ジが 変 わ っ た と き,新. しい生 活 の 節 目な ど,新. しい 自己 イ メー ジが 生 まれ. るの を契 機 に モ ノを 処 分 す る こ とが 明 らか に され て い る。 そ して,先. に述 べ た よ う に,先. 行 研 究 で は 自己 の変 革 を契 機 に,参 加 型 の 処 分行 動 を と る こ とが指 摘 され て い る。つ ま り, 購 入 時 に お け る 自 己の 価 値 観 との 一 致 志 向 は,自 己 イ メー ジの 基 盤 とな る価 値 観 と い う も の が が 仮 説1の. ブ ラ ン ドと い っ た企 業 と社 会 との 相 互 作 用 に よ って 構 築 され た もの と は異. な り,自 分 が 思 い描 くイ メー ジで あ る と い う点 で こ とな る けれ ど も,自 己 との 関 わ りが 深 い製 品 で あ る こ と は変 わ りな く,そ う した モ ノを 処 分 す る と き も参 加 型 の 処 分 行 動 を と る と考 え られ る。 ま た,自 己の 価 値 観 と一 致 した イ メー ジを もつ 製 品 を 購 入 す る消 費 者 は, 同 じ く玉 置[2011]に. お いて,手 狭 にな っ た こ とを 契 機 に処 分 を 意 思 決 定 した り,換 金 目. 的 で 出品 しよ う と は思 わ な い と い う こ とが 示 され て い る。 す な わ ち,先 の ブ ラ ン ド志 向 の 消 費 者 と比 較 して,処 分 対 象 とな る所 有 物 に それ ほ ど経 済 的 な 価 値 は求 めて いな い と い う こ とが 考 え られ る。 この こ とを 踏 まえ て,倹 約 志 向 と い う意 識 を,自 己 の 価 値 観 との 一 致 志 向 と参 加 型 処 分 行 動 との 意 思 決 定 に組 み 込 ん だ と き,次 の こ とが いえ る。 まず,自 己 の 価 値 観 との 一 致 志 向 が 高 い消 費 者 は,そ も そ も 自 己の 変 革 を 契 機 に関 係 の 中で 処 分 を 行 う こ とで 新 しい所 有 者 と ア イデ ン テ ィ テ ィを 共 有 した り,自 己の 存 在 価 値 を 何 らか の 形 で 残 して お くと い う欲 求 を もつ こ とを 先 行 研 究 で 述 べ た。 その た め,自 己 の 価 値 観 との 一 致 志 向が 強 い消 費 者 は参 加 型 処 分 行 動 へ の 参 加 意 欲 は も と も と高 く持 って い る もの と考 え られ る。 さ らに,倹 約 志 向 が 高 ま る と,経 済 的 価 値 が 少 な い もの で もで き るだ けそ の 処 分 過 程 に お いて,リ サ イ クル や 社 会 貢 献 な どの 形 で 他 者 に対 して の 価 値 を 見 いだ す 形 で 処 分 した い と考 え る た め,そ う した意 味 で 参 加 型 処 分 行 動 へ の 意 欲 を よ り高 く持 つ よ う にな る と考 え られ る。 一 方 で,倹 約 志 向 が 低 くて も,自 己価 値 観 との 一 致 志 向 が 強 い場 合,関 係 の 中 で の 処 分 の 欲 求 を 生 み 出す と考 え られ るが,処 分 の 対 象 物 が もつ 経 済 的 価 値 の 低 さの 認 識 に よ り,参 加 型 処 分 行 動 へ の 参 加 意 識 は,自 己の 価 値 観 との 一 致 志 向 と倹 約 志 向 の 高 い消 費 者 よ りも低 くな る と考 え られ る。 ま た,自 己の 価 値 観 との 一 致 志 向 の 低 さ は,参 加 型 処 分 行 動 へ の 参 加 意 欲 の 向 上 に影 響 しな い と考 え られ る。 一 方 で,倹 約 志 向 が 高 けれ ば関 係 や 集 団 の 中で 自己 や 他 者 へ の 将 来 一312(312)一.

(11) 参加型処分行動にアイデ ンテ ィテ ィ形成意識 と倹約志向が もた らす影響(玉 置) に 向 けて 何 か し らの 価 値 に変 え て 処 分 しよ う と い う意 識 につ な が る と考 え られ るが,そ の 参 加 型 処 分 行 動 へ の 参 加 意 識 の 高 さ は 自 己の 価 値 観 との 一 致 志 向,倹 約 志 向 の 双 方 が 高 い 場 合 に比 べ て 低 い こ とが 想 定 され る。 この よ うな こ とか ら,自 己の 価 値 観 との 一 致 志 向 と倹 約 志 向 は,参 加 型 処 分 行 動 へ の 参 加 に正 の 相 乗 効 果 を も た らす と考 え られ,仮 説H2と. その 細 目 た るH2-1∼H2-3を. 設. 定 した。. H2-1. 製 品 購 入 時 に 自己 の 価 値 観 と一 致 した イ メ ー ジ を もつ 製 品 を 求 め る志 向 が 強 い 消 費者 は,倹 約 志 向 が 高 ま る ほ ど,不 要 品 の リサ イ クル へ の参 加 意 欲 が 高 ま る。 一 方,自. 己 の価 値 観 との 一 致 志 向が 低 け れ ば,倹 約 志 向 の 高 低 に関 わ. らず,不 要 品 の リサ イ クルへ の参 加 意 欲 は よ り低 くな る。 H2-2. 製 品 購 入 時 に 自己 の 価 値 観 と一 致 した イ メ ー ジ を もつ製 品 を 求 め る志 向 が 強 い 消 費者 は,倹 約 志 向 が 高 ま る ほ ど,不 要 品 の 交 換 の 場 へ の参 加 意 欲 が 高 ま る。 一 方,自. 己 の価 値 観 との 一 致 志 向が 低 け れ ば,倹 約 志 向 の 高低 に関 わ ら. ず,不 要 品 の交 換 の場 へ の参 加 意 欲 は よ り低 くな る。 H2-3. 製 品 購 入 時 に 自己 の 価 値 観 と一 致 した イ メ ー ジ を もつ製 品 を 求 め る志 向 が 強 い 消 費者 は,倹 約 志 向 が 高 ま る ほ ど,不 要 品 を 社 会 貢 献 に活 用 す る場 へ の 参 加 意 欲 が 高 ま る。 一 方,自. 己 の 価 値 観 と の一 致 志 向 が低 け れ ば,倹. 約志向の. 高 低 に関 わ らず,不 用 品 を社 会 貢 献 に活 用 す る場 へ の 参加 意 欲 は よ り低 くな る。. 皿.調. 1.調. 査の方法. 上 述 の 仮 説 を 検 証 す る た め に,本 奈 良 県 の 生 活 協 同 組 合 に 加 入 し,直 出 し た2,000名 で あ り,有 な お,分. 査 の 設 計. 研 究 で は 質 問 紙 に よ る 調 査 を 行 っ た 。 配 布 の 対 象 は, 近3ヶ. 月 で 共 同購 入 の 利 用 が あ る組 合 員 を 無 作 為 に抽. 効 な 回 答 と し て691通 が 得 られ た 。(回 収 率 は34.6%)で. 析 に 用 い た 質 問 項 目 は 以 下 の 通 りで あ る 。 配 布 と 回 収 は2010年9月. ま た 分 析 に あ た っ て は,回. 答 者691名. の う ち,女. 128名(21.1%),50代:141名(23.2%),60代:130名(21.4%),70代:72名(11.8%), 回 答:2名(0.3%)と -313(313)一. に行 わ れ た 。. 性 の み608名 の み を 対 象 と す る 。 ま た,年. 代 に つ い て は,10代:1名(0.2%),20代:7名(1.2%),30代:105名(17.3%),40代:. 80代:22名(3.6%),無. あ った。. な って い る。.

(12) 第59巻 2.消. 第1号. 費者参加型処分行動への参加意欲. 処 分 過 程 に お け る参 加 型 の 処 分 行 動 へ の 参 加 意 欲 と して は,以 下 の3つ を と りあ げた 。 まず,不 要 に な って 再 資 源 化 で き るモ ノ を地 域 で 集 団 的 に(1)リサ イ クル す る活 動 へ の参 加, 地 域 の バ ザ ー な どで(2)お互 い に不 要 に な った モ ノ を譲 り合 う活 動 へ の参 加,不 要 品 を集 め, (3)国や 地 域 へ の 寄 附 な どの 形 で 社 会 貢 献 に活 か す 活 動 へ の 参 加 で あ る。 そ して,こ 「一 年 以 上 使 用 し,か つ 自分 に と って高 価 な 商 品」 を 処 分 す る 際 に,そ. こで は. れ ぞ れ の参 加 型 の. 処 分 行 動 に対 して 参 加 した い と思 うか ど うか を5段 階 尺 度 で 問 うて い る。. 3.ア. イデ ン テ ィ テ ィ形 成 意 識. 最 後 に ア イ デ ンテ ィテ ィ形 成 意 識 と して,本 研 究 で は,購 買 時 に お け る ア イ デ ン テ ィ テ ィ形 成 志 向 と倹 約 志 向が 消 費 者 参 加 型処 分 行 動 へ の参 加 に与 え る影 響 を と らえ る。ま た, 仮 説 に従 って,(1)製 品 購 入 に ブ ラ ン ドの イ メー ジを 重 視 す る,(2)商 品 を 買 う と き は 自分 の 価 値 観 ・性 格 に一 致 す る イ メー ジの もの を 選 ぶ と い う2点 か らア イデ ン テ ィ テ ィ形 成 意 識 に も とつ く購 買 と い う2つ の 項 目を,そ. れ ぞ れ 独 立 した設 問 と して設 定 した(5段. 階尺. 度)。. 4.消. 費者の倹約志 向. 消 費 者 の 倹 約 志 向 に つ い て は,Lastovickaら[1999]の を 用 い た 。 質 問 項 目 に つ い て は,Lastovickaら と は,長. 倹 約 志 向 尺 度(FrugalityScale) に 従 い,(1)モ. ノを大 事 に手 入 れ を す る こ. い 目 で 見 れ ば 貯 蓄 に 繋 が る と 思 う 。(2)一 般 家 庭 で は 捨 て ら れ る よ う な も の で も,. 我 が 家 で は 充 分 現 役 で 使 っ て い る も の が あ る 。(3)お 金 を 上 手 に 使 っ て 買 い 物 を す る と 気 分 が 良 くな る 。(4)も し既 に 持 っ て い る も の を 再 生 で き る な ら,新. しいモ ノを 買 う必 要 は無 い. と 思 う 。(5)自 分 の お 金 を 慎 重 に 使 う の は よ い こ と だ と 思 う 。(6)自 分 の お 金 を 最 大 限 活 か せ る よ う に 日 々 自 分 を 律 して い る 。(7)貯 蓄 す る た め な ら,欲 慢 す る 。(8)貯 蓄 す る た め に,現. しいモ ノを 買 う こ とを 進 ん で 我. 在 買 う の を 我 慢 して い る モ ノ が あ る 。 以 上 の 項 目 を5段. 階. 尺 度 と して 問 う た 。. IV.分. 1.製. 析. と 考 察. 品 購 買 時 にお け る ブ ラ ン ド志 向 と倹 約 志 向 が 参 加 型 処 分 行 動 に及 ぼ す 影 響. 仮 説H1-1∼H1-3を. 検 証 す る た め に,前 述 した5つ の 参 加 型 処 分 行 動 そ れ ぞ れ を 被 一314(314)一.

(13) 参 加 型 処 分 行 動 に ア イ デ ンテ ィテ ィ形 成 意 識 と倹 約 志 向 が もた らす 影 響(玉 置) 説 明 変 数 と し,購. 買 時 に お け る ブ ラ ン ド志 向 と 倹 約 志 向 を 効 果 要 因 と す る 二 元 配 置 の 分 散. 分 析 を 行 っ た 。 な お,ブ. ラ ン ド志 向,倹. 尺 度 の 得 点 を 上 位 ・下 位 で2分 仮 説H1-1∼H1-3を. した もの で あ る。. 検 証 す る た め に は,分. 加 意 欲 に 対 して,要 分 析 の 結 果,リ. 約 志 向 そ れ ぞ れ の グ ル ー プ は,各 意 識 を 示 す 設 問 ・. 因 間 で 交 互 作 用 が あ り,そ. サ イ ク ル へ の 参 加,交. 散 分 析 を 行 い,参. 加型の処分行動への参. れ も相 殺 効 果 が 見 られ る必 要 が あ る。 分 散. 換 の 場 へ の 参 加,社. 会 貢 献 へ の 参 加 に 対 して,ブ. ラ. ン ド志 向 と 倹 約 志 向 の 間 に 交 互 作 用 が 見 られ た 。(リ サ イ ク ル へ の 参 加(F(1,575)=14.304, p=0.000),交. 換 の 場 へ の 参 加(F(1,577)=4.819,p=0.029),社. =9 .160,p=0.003))ま と か ら,仮. 説H1-1か. が 高 ま る ほ ど,参 者 は,倹. た,図1∼ らH1-3の. 図3の. 会 貢 献 へ の 参 加(F(1,574). よ う に要 因 間 で 相 殺 作 用 が み られ て い る。 この こ. 製 品 購 入 時 に ブ ラ ン ド志 向 の 強 い 消 費 者 は,倹. 加 型 処 分 行 動 へ の 参 加 意 欲 は 低 くな る 。 一 方,ブ. 約志向. ラ ン ド志 向 の 弱 い 消 費. 約 志 向が 高 ま る ほ ど参 加 型 処 分 行 動 へ の 参 加 意 欲 を 高 め る と い う こ とが 実 証 され. た。 製 品 購 入 時 に ブ ラ ン ド志 向 が 高 い 消 費 者 は,自 考 え て い る こ と が 想 定 さ れ る 。 そ して,倹. らの 所 有 して い る モ ノ が 価 値 あ る も の と. 約 志 向 が 低 く,ブ. し よ う と して い る モ ノ の 価 値 が 高 い と 考 え る 消 費 者 は,他 え る こ と が 想 定 さ れ る 。 一 方,ブ 値 が 低 い と 考 え る た め,他. ラ ン ド志 向 が 高 く 自 ら の 処 分. 者 へ その 価 値 を 提 供 しよ う と考. ラ ン ド志 向 の 低 い 消 費 者 は,自. らの 持 って い る モ ノの 価. 者 に 価 値 を 提 供 し よ う と して も 意 味 が 無 い と 考 え る た め,参. 的 処 分 意 欲 が 低 くな る と 考 え られ る 。 一 方,倹. 約 志 向 が 高 い 消 費 者 に 目 を 向 け る と,ブ. ン ド志 向 が 高 い 消 費 者 は 価 値 あ る モ ノ を 自 らの 手 に 置 い て お こ う と 考 え る た め,参 分 に よ っ て 他 者 に 価 値 を 提 供 す る 意 欲 が 少 な くな る 。 一 方,ブ 約 志 向 の 高 い 消 費 者 は,自 に よ っ て,何 あ げ た3つ. 加. らか の 形 で 他 者 に 価 値 を 提 供 し よ う と す る の で あ ろ う 。 ま た,本 と り あ げ た,交. 加的処. ラ ン ド志 向 が 低 くて も,倹. らの 持 つ モ ノ の 価 値 を 処 分 時 に も 活 か す た め,参. の 参 加 型 処 分 行 動 の 中 で,H1-2で. ラ. 加 に よ る処 分 研究で と り. 換 の 場 へ の 参 加 は 唯 一,. 互 い に不 要 に な っ た モ ノ を 譲 り合 う と い う 形 で 他 者 に 不 要 と な っ た モ ノ を 譲 る だ け で な く, 自 ら も 対 価 と して の 価 値 を 手 に す る こ と が で き る 行 為 で あ る と い え る 。 そ の た め,交 用 は み られ た が,他. の2つ. の 参 加 と は 異 な り,ブ. ラ ン ド志 向 の 高 い 消 費 者 が 倹 約 志 向 を 強. く持 っ て も 参 加 意 欲 は 大 き く低 下 しな い と い う 結 果 が 見 られ て い る 。. 一315(315)一. 互作.

(14) 第59巻 H1-1:リ. 第1号. サイク ルへの 参 加. H¶-2」 交 芽 典の 場 へ の 養 加. 400. ユ.70・. 乱51. ユ.45. 四.20 3.17 ε.o且 三.ヨ5. ・!. 定3諺. 呂.70 倹 靹 志 向:低. H1-3:社. 倹納 志向:高. 会 貢 献の 場 への参 加. 410. Oブ ラ ンド 志 向:低 去 ゴラ ンド 志 向:高. ヨ10 倹 約 志 向:低. 倹絢志向:高 図1仮. 2.製. 説1に 対 す る 分 析 結 果. 品 購 買 時 にお け る 自己 の 価 値 観 との 一 致 志 向 と倹 約 志 向 が 参 加 型 処 分 行 動 に及 ぼ. す影響 仮 説H2-1∼H2-3を. 検 証 す る た め に,前 項 と 同様 の 参 加 型 処 分 行 動 を 被 説 明 変 数 と. し,購 買 時 に お け る 自 己の 価 値 観 との 一 致 志 向 と倹 約 志 向 を 効 果 要 因 とす る二 元 配 置 の 分 散 分 析 を行 っ た。 ま た,各 要 因 の グル ー ピ ン グ も前 項 と 同様 に行 った 。 仮 説H1-1∼H1-3を. 検 証 す る た め に は,分 散 分 析 を 行 い,参 加 型 の 処 分 行 動 へ の 参. 加 意 欲 に対 して,要 因 間 で 交 互 作 用 が あ り,相 乗 効 果 が な けれ ばな らな い。 分 散 分 析 の 結 果,2つ. の 要 因 間 で リサ イ クル へ の 参 加(F(1,578)=6.245,p=0.013),交 一316(316)一. 換の場へ参加.

(15) 参 加 型 処 分 行 動 に ア イ デ ンテ ィテ ィ形 成 意 識 と倹 約 志 向 が もた らす 影 響(玉 置). H2-1:1」. サ イ ク ル へ の 参 加. 4003-6丁. ノ. 孕,75. 孕,,o. .. ヱ. △. △踊. a量5. a21. ユoo. 2-70. 倹 的 志向. 低. 倹 約志 向:高. 倹約 志 向. 低. 倹 酌 志向. 高. 古 自 己の 価値 観 との 一致 志 向:低 O自 己の 価値 観 との 一致 志 向:高. △ 臼35. 講一尋7. △. ε .3呂. 臼10. 倹鞄志向・高. 倹 柚 志 向'低. 図2仮. (F(1,580)=4.988,p=0.026),社. 説2に 対 す る 分 析 結 果. 会 貢 献 へ の 参 加(F(1,577)=2.786,p=0.096)に. 交 互 作 用 が 見 られ,図4∼6の. お いて. よ う に 相 乗 効 果 が 見 られ た 。 こ の こ と に よ り仮 説2,H2:. 製 品 購 入 時 に 自 己 の 価 値 観 と 一 致 し た イ メ ー ジ を も つ 製 品 を 求 め る 志 向 が 強 い 消 費 者 は, 倹 約 志 向 が 高 ま る ほ ど,参 一 致 志 向 が 高 くて も. ,倹. 加 型 処 分 行 動 へ の 参 加 意 欲 が 高 ま る 。 一 方,自. 約 志 向 が 低 い 場 合,ま. 観 と の 一 致 志 向 が 低 け れ ば,参. 己 の 価 値 観 との. た 倹 約 志 向 の 高 低 に 関 わ ら ず,自. 己の価値. 加 型 処 分 行 動 へ の 参 加 意 欲 は よ り低 くな る の 仮 説 が 実 証 さ. れ た。 仮 説2に. お い て は,製. 品 購 入 時 に 自 己の 価 値 観 と一 致 した イ メー ジを もつ 製 品 を 求 め る 一317(317)一.

(16) 第59巻. 第1号. 志 向が 強 い消 費 者 は,倹 約 志 向 が 高 ま る ほ ど,消 費 者 参 加 型 処 分 行 動 へ の 参 加 意 欲 が 高 ま る と い う正 の 相 乗 効 果 につ いて,3つ 見 られ た。 ま た,図4:リ. の 消 費 者 参 加 型 処 分 行 動 に対 す る参 加 意 欲 にお いて. サ イ クル へ の 参 加,図6:社. 交 換 の 場 へ の 参 加 の 検 証 に用 い た図5に. 会 貢 献 の 場 へ の 参 加 と比 較 して,. お いて は,前 項 の ブ ラ ン ド志 向 と 同様,自 己 の 価. 値 観 との 一 致 志 向 が 低 くて も,倹 約 志 向 が 高 ま る と交 換 へ の 参 加 意 欲 が 高 ま る傾 向 が 強 い こ とが み られ,こ の こ と は交 換 の 場 へ の 参 加 に よ って 自 己 に と って も対 価 と して の 価 値 を 手 に入 れ られ る こ と に強 く反 応 した もの と思 わ れ る。. 論. V.結. 1.理. 論的示唆. 本 研 究 で は,消 費 者 の 処 分 行 動,ア. イデ ン テ ィ テ ィ形 成 意 識,倹 約 志 向 と い った,消 費. 者 の3つ の 行 動 ・心 理 につ いて 分 析 と考 察 を 進 めて き た。 本 研 究 で の 議 論 は,こ れ まで の 消 費 者 行 動 研 究 に関 す る諸 議 論 に対 して 以 下 の 示 唆 を も た らす 。 まず 本 研 究 で は,処 分 行 動 につ いて,消 費 者 が 参 加 型 の 処 分 行 動 に関 して 行 う意 思 決 定 を論 じて き た。 第II節 で 論 じた よ う に,こ れ まで 処 分 行 動 に関 す る研 究 にお いて は,処 分 行 動 の 意 思 決 定 に関 す る研 究 に お いて は,参 加 型 の 処 分 行 動 が 詳 細 に論 じられ て 折 らず, 特 に本 研 究 で 取 りあ げ た よ うな ア イデ ン テ ィ テ ィ形 成 意 識,倹 約 志 向 と い った 意 識 との 関 わ りを論 じた研 究 はな され て こな か っ た。 その 中で 本 研 究 は,製 品 購 入 時 にお け る ブ ラ ン ド志 向 と 自 己の 価 値 観 との 一 致 と い う2つ の 側 面 で あ る けれ ど も,ア イデ ン テ ィ テ ィ形 成 ス タ イル の 違 い と倹 約 志 向 の 高 低 に よ って,参 加 型 処 分 行 動 へ の 参 加 意 欲 が 異 な る こ とを 明 らか に した。 ま た,本 研 究 を 消 費 者 の 倹 約 志 向 を 巡 る研 究 と して 見 た 場 合,倹 約 志 向 が ア イ デ ンテ ィ テ ィ形 成 意 識 が 処 分 過 程 に お け る参 加 型 の 処 分 行 動 へ の 参 加 意 欲 に違 いを 及 ぼす と い う こ とを 明 らか に した。 本 研 究 で 取 りあ げ た倹 約 志 向 と は,製 品 購 入 時 にお いて 低 価 格 で 購 入 した り,支 出を 抑 え る行 動 が 想 起 で はな く,自 己や 他 者 の 生 活 を 長 期 的 に捉 え,モ. ノ を大 切 に使 っ た り,お 金 を 上 手 くや り く りす る行 動 と して と らえ た 。 そ う した 意. 味 で の 倹 約 志 向 は それ の み で 捉 え る と参 加 型 処 分 行 動 へ の 参 加 意 欲 を 高 め る と考 え られ る が,本 研 究 で は製 品 購 入 時 に意 識 す る ア イ デ ンテ ィ テ ィ形 成 志 向 に よ って そ の 作 用 が 異 な り,自 己の 価 値 観 との 一 致 志 向 と倹 約 志 向 の 高 さが 相 ま って 参 加 型 処 分 行 動 へ の 参 加 意 欲 が 高 ま る こ と も あれ ば,ブ ラ ン ド志 向 が 高 い消 費 者 に と って は倹 約 志 向 が 低 い方 が 参 加 意 欲 が 高 ま る と い っ た作 用 も明 らか に され た。 -318(318)一.

(17) 参加型処分行動にアイデ ンテ ィテ ィ形成意識 と倹約志向が もた らす影響(玉 置) 2.参. 加 型 処 分 行 動 へ の 参 加 意 欲 向上 に対 す る示 唆. 以 上 の 分 析 と考 察 の 結 果,以 下 の よ うな 示 唆 が 得 られ る。 まず,参 加 型 処 分 行 動 へ の 参 加 意 欲 を高 め る た めの 方 策 に対 して は以 下 の 点 が あ げ られ る。 本 研 究 で は,製 品 購 入 時 に ブ ラ ン ド志 向の 強 い消 費 者 は,倹 約 志 向 が 高 ま る ほ ど,参 加 型 処 分 行 動 へ の 参 加 意 欲 は低 くな る と い う こ とを 明 らか に した。 この こ とか ら,い わ ゆ る ブ ラ ン ド品 を 参 加 型 の 処 分 と して 促 す 場 合,消 費 者 は 自 らの 所 有 物 に対 して 価 値 を 認 識 して 保 管 しよ う とす るた め,消 費 者 に流 行 や ブ ラ ン ド ・イ メー ジの 変 化 を 強 く明 示 して,所 有 物 の 価 値 を 低 め る こ と も参 加 的 処 分 を促 す 上 で 重 要 で あ ろ う。 ま た,ブ ラ ン ド志 向 の 高 い消 費 者 に対 して は,リ サ イ クル や 社 会 貢 献 な どの 参 加 型 の 処 分 に積 極 的 に取 り組 む 企 業 と して の イ メー ジを 訴 求 す る こ と も有 効 で あ る と考 え られ る。 本 研 究 で は,製 品 購 入 時 に 自 己の 価 値 観 と一 致 した イ メー ジを もつ 製 品 を 求 め る志 向 が 強 い消 費 者 は,倹 約 志 向 が 高 ま る ほ ど,参 加 型 処 分 行 動 へ の 参 加 意 欲 が 高 ま る。 また,自 己の 価 値 観 との 一 致 志 向 が 高 くて も,倹 約 志 向 が 低 い場 合,ま ず,自. た倹 約 志 向 の 高 低 に関 わ ら. 己の 価 値 観 との 一 致 志 向 が 低 けれ ば,参 加 型 処 分 行 動 へ の 参 加 意 欲 は よ り低 くな る. と い う こ と を明 らか に した。 この こ とか ら,自 己の 価 値 観 を 重 視 して 製 品 を 購 買 す る消 費 者 層 に は,参 加 型 の 処 分 を す る こ とが,所 有 以 上 に 自 己や 他 者 に と って 価 値 の あ る行 為 で あ る と認 識 させ る こ とが 重 要 で あ る。 2つ の 仮 説 の 検 証 過 程 に お いて,ブ. ラ ン ド志 向 が 強 く,倹 約 志 向 の 高 い消 費 者,自 己 の. 価 値 観 との 一 致 志 向 が 高 く,倹 約 志 向 の 低 い消 費 者 が 参 加 型 の 処 分 へ の 参 加 意 欲 が 低 い と 言 う こ とが 明 らか にな っ た。 こ う した ア イデ ン テ ィ テ ィ形 成 志 向 は高 い もの の,参 加 型 の 処 分 へ の 参 加 意 欲 が 低 い消 費 者 に は,リ サ イ クル や 社 会 貢 献 な どの 参 加 型 の 処 分 が 自己 や 他 者 に対 して 価 値 を も た らす こ とを 強 調 す る こ と も有 効 か も しれ な い けれ ど も,参 加 型 処 分 行 動 に対 す る他 の 経 済 的 な イ ンセ ン テ ィ ブを 提 供 す る こ と も必 要 で あ ろ う。. 3.本. 研 究 の 限 界 と今 後 の 課 題. 最 後 に,本 研 究 の 限界 と今 後 の課 題 に つ い て触 れ て お き た い。 まず,本 研 究 に お い て は, 消 費 者 に よ る参 加 型 処 分 行 動 へ の 参 加 につ いて,特. に製 品 カ テ ゴ リー を 限 定 せ ず に調 査 ・. 分 析 を お こな っ た。 現 代 に お いて,消 費 者 は本 調 査 で 取 りあ げ た ア イデ ン テ ィ テ ィ形 成 意 識 を多 様 な 製 品 カ テ ゴ リー に対 して 抱 くた め,本 調 査 に お いて は,ア イデ ン テ ィ テ ィ形 成 意 識 を限 定 せ ず に調 査 して い る。 しか し,よ り実 践 的 な 示 唆 を 導 くに は,カ テ ゴ リー を 限 定 した調 査 を行 う必 要 が あ ろ う。 -319(319)一.

(18) 第59巻. 第1号. ま た,本 研 究 で は,単 一 製 品 の 購 買 に よ る ア イデ ン テ ィ テ ィ形 成 意 識 と参 加 型 処 分 行 動 との 関 係 を明 らか に した。 今 後 は,製 品 の 取 揃 え に よ る ア イ デ ンテ ィ テ ィ形 成 や,製 品 の 創 造 的 使 用 や 熟 練,知 識 の 習 得 な ど,購 買 後 の 使 用 に よ る ア イデ ン テ ィ テ ィ形 成 と消 費 者 参 加 型 処 分 行 動 へ の 参 加 に関 す る研 究 に関 す る研 究 が 課 題 とな る。. 本 研 究 は文 部 科 学 省 ・科 学 研 究 費 補 助 金(若 手 研 究(B)22730344)の. 参. 考. 文. 助 成 を受 け た もの で あ る。. 献. • Belk , Russell W. [1988] , "Possessions and the Extended Self," Journal of Consumer Research. 15 (September), 139-168. • Coulter , Robin A. and Ligas Mark [2003] , "To Retain or To Relinquish: Exploring the Disposition Practices of Practices of Packrats and Purgers," Advances in Consumer Research, Vol.30, 38 —43. • Hanson , James. W. [1980], "A proposed Paradigm for Consumer Product Processes," The Journal of Consumer Affairs, summer 1980, Vol.14, No.1, 49-67. • McAlexander , James H. [1991], "Divorce, the Disposition of the Relationship, and Everything," Advances in Consumer Research, Vol.18, 43-48. • Morgan and Birtwistle [2009] , "Youngh fashion consumers' disposal habits," Journal of Consumer Studies 33, 190-198. • Jacoby , J, Carol K. Berning and Thomas F. Dietvorst [1977], "What about Disposition," Journal of Marketing; Vol.41 Issue 2, 22-28. • Lastovicka , J., Bettencourt, L., Hughner, R., Kuntze, R., [1999] , Lifestyle of the Tight and Frugal. Journal of Consumer Research, 26, 85-98. • Lastovicka , J. L. and Fernandez, K. V. [2005] , "Three Paths to Disposition: The Movoment of Meaningful Possessions to Strangers," Journal of Consumer Research, Vol.31, 813-823. • Pavia , Teresa [1993] , "Disposition and Perceptions of Self in Late Stage HIV Infenction," Advances in Consumer Research, Vol.20, 425-428. • Price , Linda L., Arnould, Eric J. and Curasi, Carolyn Folkman [2000] , "Older Consumers' Disposition of Special Possessions," Journal of Consumer Research, Vol.27, 179-201. • Roster , C. A., [2001], "Letting GO: The Process and Meaning of Dispossession in the Lives of Consumer," Advances in Consumer Research, Vol.28, 425-430. • Shelton , Jeremy A. and Peters, Cara Lee Okleshen [2005], "Action Speak as Loud as Products: Disposition. as a Self-Perspectice. Market and Culture, Vol.9, No.3, September • Young , Melissa Martin [1991] , "Dispositon vances in Consumer Reserch, Vol.18, 33-39.. Method of Identity Incorporation," 2006, pp.207-233. of Possessions During. Consumption,. Role Transitions,". Ad-. ・鐘 幹 八 郎 ,  山本 力,宮 下 一 博 共 編L1984」,「 ア イ デ ンテ ィテ ィ研 究 の 展 望1」,ナ カ ニ シヤ 出 版 ・玉 置 了 [2011]「 消 費 に よ るア イ デ ンテ ィテ ィ形 成 志 向 と処 分 行 動 の 意 思 決 定 」 『商 経 学 叢 』(近 畿 大 学 商 経 学 会)第58巻2号,203-217.. -320. (320)-.

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参照

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