第1回近畿大学医学部英国臨床研修プログラムに
参加して
尾 崎
緑
近畿大学医学部6年
私は2017年3月11日から3月25日の2週間,イギ リスの Chelsea and Westminster Hospitalに臨床 研修プログラムで行かせていただきました. 쏯.Chelsea and westminster hospitalでの実習
について 欧州臨床研修の第一弾としてロンドンに行かせて いただくことが決まってから帰国するまでひたすら 手探りだったというのが率直な感想です.研修内容, スケジュールなどが全く からないままロンドンに 到着し,病院に向かいました.しかし,無事に研修 を終えることができた今ではその過程も含めて貴重 な経験をさせていただけたと思っています. 私たちの研修は病院で Dr.Corbettと研修内容に ついて相談するところから始まりました.Dr.Cor -bettは小児外科の先生ですが,他の科も可能であれ ば見学したい旨を伝えると毎日のようにそれぞれの 科の先生に掛け合っていただいたり学生と一緒に授 業を受けられるように手配をしていただき,大変お 世話になりました.その結果,小児外科の手術のみ ならず救急科や adult intensive care,NICUなども 回ることができ,2週間という限られた時間を有効 に うことができたと思います.特に救急科では英 語で問診をとるなど,海外研修ならではの経験をす ることができました.どの科の先生方も突然のお願 いにも関わらず見知らぬ私たちをとても快く受け入 れてくださり,出身地や出身 などに関係なく一医 師を育てることに重きをおいているのかなと感じま した.これは受け入れを許可してくださった Sax-ena先生とお話させていただいていたときにも感じ たことです.Saxena先生は教育制度の整っていな いヨーロッパの国での医師育成に力を注いでいらっ しゃるようで,自らが学んだことを自国のみならず ヨーロッパの他の国,ひいては世界に還元していこ うという先生の えに非常に感銘を受けました.医 学的な知識や技術に限らず,自らを育ててくれた社 会に学んだものを還元するという えを忘れずにい たいと思います. 授業やカンファレンスはリスニング力や医学英語 の知識不足で難しすぎると感じることもありました が,参加型の授業や看護師や薬剤師を含めた医療ス タッフ全員が対等に話し合う様子など海外らしい病 院の様子を肌で感じることは研修留学なしには得ら れない経験だったと思います. 쏰.ロンドンでの生活について 病院はホテルから徒歩15 ほどの場所にあり,毎 日歩いて通っていました.わりと裕福な地域だった こともあり,桜の木が並んでいる綺麗な道を歩くこ とが気 転換にもなりました.基本的に毎日実習が 夕方4時くらいまであったため,平日はホテル周辺 の飲食店のテイクアウトなどで食事を済ましていま したが,多国籍のレストランが充実していたため食 生活で困ることは特にありませんでした.韓国,中 国,インド料理などは日本でもよく見かけますが, トルコ,モロッコ料理など中東系はあまり食べた事 がなかったので新鮮でした.
休日は,アフターヌーンティーやオペラ座の怪人 のミュージカルの観賞のほか,路上マーケットなど に出かけて過ごしました.街を歩いていると観光客 も含め本当に多国籍の人々がおり,日本との違いを 実感しました.その矢先にウェストミンスター寺院 でのテロがあったため(私たちの滞在は大学と多く の先生のご配慮があったためとても安全に終えるこ とができましたが),多人種が共存することはメリッ トだけでなく,それに伴う難しさもあるのだと強く 感じました. 実習では大量の医学英語に囲まれて気持ちが張っ ていることも多かったので休日はゆっくりと観光が できてオンオフのいいバランスがとれていたと思い ます. 쏱.この研修で学んだこと まず一番はやはり日本の病院との違いです.今回 研修させていただいた Chelsea and Westminster hospitalは小児に力を入れている病院だったことも あり,絵画が病院のあちこちに飾ってありとてもア ットホームな 囲気でした.また,白衣,マスクを 身につけている医師がいないことにとても驚きまし た.内科の医師は私服で腕を っていたのですが, 白衣を着ていないと威圧感がだいぶ軽減されるなと 感じました.また手術時の清潔不清潔の概念が日本 と大幅に違い,手術室にマスクなしで入室できるこ とには衝撃を受けました. さらにこの研修を経て,海外で医師として働くと いうことを身近に感じることができたのも大きな収 穫のひとつだったと思います.研修前は,日本でも まだ医学生という立場であるため,海外で医師とし て働くことにいまひとつ現実味を感じられませんで した.しかし,実際にイギリスの病院で多国籍の医 者が活躍している様子を目の当たりにして自 も日 本だけでなく海外でも活躍できる医者になりたいと いう気持ちが生まれました.そのために会話はもち ろんのこと,医学英語も今まで以上に積極的に学ん でいこうと思いました.5年間医学部に通うなかで 自 のなかで見失いかけていた初心を思い出すこと ができた今回のロンドンでの臨床研修に参加させて いただくことができて本当に良かったと思っていま す. 쏲.謝 辞 この留学を計画してくださった近畿大学医学部長 の伊木雅之先生,形成外科学教授の磯貝典孝先生, 安全衛生管理センターの池田行宏先生,基礎医学講 座の武知薫子先生,医学部学務課の方々,Chelsea and Westminster Hospitalの Amulya Saxena先 生,Philip Corbett先生,Shashank Patil先生,Rick Keays先生,一緒にロンドン研修を行った前田華奈 さんに多大な感謝を申し上げます.
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