磁気記録媒体を用いたハードディスクドライブは,サー バーや PC,ハードディスクレコーダー等各種ディジタル 機器の情報記録装置として広く利用され,その記録容量は 情報量の増加に伴い年々大きく増加している.記録装置の 大容量化のためには記録密度の向上が不可欠であり,メー カー各社は記録密度向上に向けた技術開発にしのぎを削っ ている. 近年,ハードディスクドライブの記録密度を飛躍的に向 上させる技術として,熱アシスト磁気記録方式1)が注目 されている.これは,光記録と磁気記録を融合させた記録 方式で,記録の瞬間に媒体をレーザー光で加熱しながら磁 界を印加し,媒体に情報を記録する.現行の磁気記録方式 は,記録密度が 1 Tb/in2に近づくと,熱的なゆらぎにより 記録情報が自然に消去される問題をもつが,この方式を用 いれば,この限界を超えた高密度な記録が実現できる.製 品の記録密度はいよいよ 1 Tb/in2 に近づきつつあり,この 限界を打破するための有力候補として,メーカー各社,熱 アシスト磁気記録装置の開発に力をいれている. 熱アシスト磁気記録では,記録密度が光スポットの大き さで決まるため,1 Tb/in2 以上の高記録密度を実現するに は,数 10 nm 以下の微小な光スポットが必要となる.この ような微小光スポットは,レンズを用いた光学系では光の 回折限界により発生させることができないが,近接場 光2,3)を用いれば発生可能である.近接場光は光波長以下 の微小構造近傍に発生する局在光で,その光スポット径は 光波長に依存せず,微小構造の寸法で決まる.記録媒体を 近接場光発生素子に近接させる必要があるが,この素子を 用いることで,数 10 nm 以下の光スポットを発生させるこ とができる. 近接場光を用いて媒体を加熱する際,近接場光の発生効 率が課題となる.例えば,径が 50 nm 以下の微小開口で 近接場光を発生させるとき,光の透過効率は 0.001%以下 となる.しかし,実際の記録デバイスでは低出力の半導 体レーザーを用いて高速に記録する必要があり,そのよ うな効率では不十分である.近接場光発生素子の効率 を向上させるために,熱アシスト磁気記録では,C アパ チャー4,5),ロリポップトランスデューサー6,7),三角形の 形状をしたアンテナ(ナノビーク)8―11)などの表面プラズ モン12)を用いた素子が用いられる.表面プラズモンは金 属表面に生じる電荷振動の共鳴状態で,それを用いること により強い近接場光を発生させることができる.これら素 子を用いることで,1 Tb/in2 級の記録密度実現が報告され
光と磁気 ― 最近の展開 ―
解 説
熱アシスト磁気記録への近接場光の応用
松 本 拓 也
Optical Near-Field Technology for Heat Assisted Magnetic Recording
Takuya MATSUMOTO
Heat assisted magnetic recording (HAMR) is one of the promising ways to achieve areal recording densities over 1Tb/in2. For HAMR, we need to use an optical near-field transducer to generate an optical
spot less than several tens of nanometers, which is smaller than the di›raction limit of light. An optical field transducer using a triangular antenna (nanobeak) was developed to generate the optical near-field e¤ciently. The light utilization e¤ciency (ratio between the absorbed power in recording medium and the input power) is about 8%, and it is expected recording at an areal density of 2.5 Tb/in2 can be
achieved by using the magneto optical integrated head with the nanobeak.
Key words: optical near-field, heat assisted magnetic recording, plasmon, hard disk drive, nanobeak
ている. 本稿では,熱アシスト磁気記録の原理を説明後,これに 用いるための近接場光発生素子,特にナノビークについて 解説する.さらに,ナノビークを用いた光・磁気集積ヘッ ド,記録再生シミュレーション結果について解説し,高密 度記録の可能性について説明する. 1. 熱アシスト磁気記録 ハードディスクでは,磁気媒体の磁化を磁気ヘッドで反 転させて情報を記録する.媒体は微小な磁性粒子で構成さ れ,記録ビット内には複数の粒子が含まれる.記録密度を 上げて記録ビットの寸法が小さくなったとき,磁性粒子の 寸法も小さくする必要がある.もし粒子径が大きいと,記 録ビットの境界線が粒子の形に沿って大きく曲がり,再生 信号に混入するノイズが増加するからである. 磁性粒子の寸法がある限界よりも小さくなると,熱エネ ルギーの影響による磁化の自然反転が問題となる.磁化反 転に必要なエネルギーは,磁性体の異方性エネルギーを Ku,粒子の体積を V としたとき,KuVと表されるが,磁化 を長期間安定に保つには,熱エネルギーとの比(KuV/kT) は約 70 以上でなければならない.ここで,ボルツマン定 数を k,温度を T とした.粒子の体積が小さくなりすぎる と,この条件を満たせなくなり,磁化の自然反転が問題と なる.これを防ぐには,媒体の異方性エネルギーを大きく する必要があるが,その場合,磁化反転に必要な磁界(保 磁力)が大きくなる.従来の磁気ヘッドで発生できる磁界 には物理的限界があり,現在の磁気ヘッドの磁界強度は, すでにその限界に達している.したがって,異方性エネル ギーの大きな媒体を用いると,媒体に情報を書き込むこと ができない. 上記の問題を解決するために,熱アシスト磁気記録で は,図 1 に示すように,記録の瞬間に媒体をレーザー光で 加熱する.媒体をキュリー温度 Tc 付近まで加熱すると, 保磁力が低下するため,保磁力の大きな媒体(異方性エネ ルギーの大きな媒体)を用いても,弱いヘッド磁界で磁化 を反転させることができる.記録後は,媒体温度は急速に 低下し,記録状態は安定に保持される.記録した情報は,従 来の磁気記録と同じように,巨大磁気抵抗(giant magneto- resistance: GMR )センサーやトンネル磁気抵抗( tunnel magnetoresistance: TMR)センサーなどで読み取る. 熱アシスト磁気記録では,光スポットの大きさは,ト ラック幅よりも小さくする必要がある.もしトラック幅よ りも広い領域を光で加熱すると,隣接するトラックに記録 された情報が消去されてしまうからである.例えば,ビッ トアスペクト比(記録ビットのトラック方向の幅とトラッ クに垂直な方向の幅の比)を 1:4 とすると,記録密度が 1 Tb/in2 のときの記録トラック幅は 50 nm である.媒体中の 熱拡散により熱分布は光スポットより大きくなることを考 慮すると,必要な光スポット径は数十 nm となる. 2. ナ ノ ビ ー ク 数十 nm の微小光スポットを発生させるためには,近接 場光の利用が必須である.高効率な近接場光発生素子とし て,ナノビークとよばれる素子が提案されている8―10).図 2 に示すように,素子は,三角形の形状をした金属のアン 図 2 ナノビークの構造. 図 1 熱アシスト記録概念図.(a)記録ヘッドの構造.(b)媒体の保磁力と温度の関係.
テナにより構成される.図の x 方向に偏光した光を素子に 入射させると,アンテナ中の電荷は光の偏光方向と同じ向 きに振動し,三角形の頂点に集中する.この集中した電荷 により,頂点近傍には,局在した電磁場,すなわち近接場 光が発生する.微小球に発生する局在プラズモン12)と同 様に,アンテナ中の電荷振動には共鳴状態が存在し,光の 振動数がその共鳴振動数に一致するようにアンテナを設計 すると,三角形の頂点近傍に強い近接場光が発生する. アンテナの先端以外の表面に窪み(リセス)を形成し, 先端部を三次元的に先鋭化させると,光スポット径をさら に小さくすることができる.アンテナを記録媒体に近づけ たとき,媒体との相互作用によりアンテナ中の電荷は媒体 側に引き寄せられるが,先端部が三次元的に先鋭化されて いると,先端の,より小さな部分に電荷が集中する.その 結果,さらに局在した近接場光が発生する.また,金属中 を振動する電荷は,頂点と反対側の 2 点およびその間の辺 にも集まり,そこに弱いバックグランド光(局在光)を発 生させる.リセスを形成することにより,バックグランド 光が媒体に到達することを防ぐことができる. 図 3 に,FDTD(finite-di›erence time-domain)法を用い て計算した,アンテナ近傍の近接場光強度分布を示す.ア ンテナは SiO2の基板表面に形成されたと仮定し,アンテ ナの材質は金,頂点の曲率半径は 12 nm,長さ L は 100 nm,厚さ T は 50 nm とした.リセス深さ D は 15 nm とし た.アンテナ近傍には Co/Pd 媒体が置かれていると仮定 し,媒体の厚さは 20 nm,アンテナと媒体の距離は 5 nm と仮定した.入射光の波長は 785 nm とした.分布は,ア ンテナから 4 nm 離れた面内で計算した.図 3 に示すよう に,頂点近傍に強い近接場光が発生し,そのピーク強度は 入射光強度の約 3600 倍に達する.光スポット径(半値幅) は,x 方向が 10 nm,y 方向が 17 nm となる. 3. 記録検証実験 ナノビークを石英スライダー表面に形成し,記録実験を 行った.ここでは,磁気パターン媒体を用いた実験につい て説明する. ナノビークを作製するために,まず石英スライダー表面 に電子線リソグラフィーを用いて三角形の溝を形成した. つぎに,溝の中に金を成膜し,最後に表面にイオンビーム を斜めに当てることでリセスを形成した.図 4(a)に示す ように,先端径約 25 nm のアンテナを作製することがで きた. 光源としては波長 785 nm の半導体レーザーを用い,そ の光を,スライダーを通してアンテナに照射した.磁界 は,媒体下に置かれた磁石により印加した.入射光パワー は 8.5 mW,パルス幅は 25 ns,磁界強度は 1.8 KOe とした. 記録された磁化パターンは,磁気力顕微鏡(MFM)で観 察した.記録媒体としては,磁気パターン媒体とよばれ る,基板上に磁性体のドットが一様に配列したもの13,14) を用いた.媒体は,Co(0.3 nm)/ Pd(0.7 nm)の多層膜 を,ジブロックコポリマーをマスクに利用してエッチング することにより作製された(ドット間はカーボンで埋めて 平坦化した).室温の保磁力は約 6 kOe,キュリー温度は 約 430 度,ドットの直径は 20∼25 nm,中心間距離は 30 nm であった.この寸法は,1 つのドットの磁化を選択的 に反転させることができれば,830 Gb/in2の記録密度に相 当する. 図 4(b)に,記録ピッチ 125 nm で記録したときの,媒 体の MFM 像を示す.この図に示すように,ピッチ 125 nm で並び,MFM 像における大きさが約 30 nm の記録 マークを観察することができた(矢印 A で示した箇所). MFM の 分 解 能 は 約 30 nm で あ り,ド ッ ト 径 が 20∼25 nm,ドットピッチが 30 nm であることを考慮すると,も し 2 個以上のドットで磁化反転が起きた場合,観察される 磁化パターンは 60 nm 以上になる.このことから,観察さ れた磁化パターンは,単一ドットの磁化反転に相当すると 図 4 (a)作製後のナノビーク,(b)記録後の媒体の磁 気力顕微鏡像. 図 3 アンテナ近傍における近接場光強度分布.アンテナか ら 5 nm 離れた位置に Co/Pd 媒体を置き,アンテナから 4 nm 離れた面内で計算した.近接場光強度は,近接場光のパワー 密度と,入射光のパワー密度の比を表す.
考えられる.なお,ところどころ大きなパターンも観察さ れたが(矢印 B),これは,ドットが完全に規則正しく並 んでいなかったため,加熱位置とドットの中心がずれ,複 数のドットが反転されたためと考えられる. 4. 光磁気集積ヘッド 実際の記録ヘッドでは,近接場光が発生するアンテナ先 端部は,磁気ヘッドの磁極に近接させて配置する必要があ る.また,半導体レーザーからの光を近接場光発生素子に 導くために導波路をアンテナ近くに配置する必要がある が,このときアンテナの上部に導波路を置くと,導波路と 磁極が近接し,導波路中の光強度が低下してしまう. 上記の問題を回避するために,ウィングつきナノビーク が提案された11).その構造を図 5 に示す.ウィングは,下 部にテーパー部をもつ長方形の形状をした金属膜で,三角 形の形状をしたアンテナ上部に配置される.ウイングは, 導波路の横に配置され,導波路中を伝搬する光の偏光方向 は,ウィングの面に垂直になるようにする.このとき,導 波路コア表面を伝わるエバネセント光により,ウィング表 面には,表面プラズモンが励起される.発生した表面プラ ズモンはウィング下部に向かい伝搬し,テーパー部により 中心部に集められる.このプラズモンにより,三角形のア ンテナに局在プラズモンが励起され,その頂点に強い近接 場光が発生する. 磁気ヘッドとしては,垂直磁気記録に用いられる単磁極 ヘッドを用い,それをナノビークの近傍に配置する.記録 は,媒体を光で加熱しながら,磁極の磁界の向きを上下に 反転することで行う.ウィングを用いた場合,導波路がア ンテナの横に配置されるため,導波路と磁極の距離が大き くなり,磁極が導波路の光の伝搬を妨げることがなく なる. 上記アンテナにより発生する近接場光分布を,FDTD 法 を用いて解析した.計算では,アンテナの材料は金とし, 導波路のコアの材質は Ta2O5, クラッドの材質は Al2O3とし た.導波路コアの寸法は,x 方向が 200 nm,y 方向が 500 nm とし,導波路に入射する光の波長は 830 nm とした.磁 極の材質は FeCo とし,その周辺は Al2O3と仮定した. ヘッドは,FePt 媒体上を浮上していると仮定し,媒体 は,厚さ 2 nm のカーボン保護膜,厚さ 8 nm の FePt 記録 層,厚さ 5 nm の MgO 下地層,厚さ 100 nm の Cu ヒート シンク層から成ると仮定した.記録ヘッド表面は厚さ 2 nm のカーボン保護膜により覆われていると仮定し,ヘッ ド表面と媒体表面の間の空気層厚は 2 nm とした(保護膜 を含むヘッド─媒体間距離は 6 nm). 図 6 は,媒体に吸収された光エネルギーのエネルギー密 度分布を示す.計算において,アンテナの長さ L は 70 nm,近接場光が発生する頂点の頂角は 60 度,ウィングの テーパー部の角度q1は 45 度,リセス深さ D は 10 nm,浮 上面からテーパー部までの距離 Haは 150 nm,テーパー部 の高さ Hbは 300 nm とした.ウィングの幅 W は 1.5 mm, 高さ Hcは 850 nm,ウィングと導波路コアの距離は 20 nm とした.磁気ヘッドの磁極の幅は,x,y 方向ともに 120 図 5 ナノビークを使った光磁気集積ヘッド.(a)断面図,(b)ウィングの形状. 図 6 媒体に吸収された光エネルギーのエネルギー密度分布.
nm であるとし,磁極の高さ Hdは 700 nm とした.アンテ ナ先端部と磁極の距離は 30 nm とした.この図に示すよう に,アンテナ先端部において光が強く吸収される.アンテ ナの先端径(先端が円形と仮定したときの直径)を 12 nm としたとき,吸収エネルギー分布の y 方向の幅は 16 nm と なった.記録膜に吸収されたエネルギーをアンテナ先端付 近の 50 nm×50 nm の領域で積分したとき,吸収されたエ ネルギーと導波路中の光エネルギーの比は 8%であった. すなわち,媒体への吸収効率も考慮した全光利用効率は, 8%に達する. 5. 媒体温度計算および記録・再生シミュレーション 図 7( a )に,熱計算により求めた媒体表面のクロスト ラック方向の温度分布を示す.点線は吸収されたエネル ギー分布,実線は上昇温度を表す.媒体は,ヘッドに対し て速度 20 m/s で図 5 の x 方向に移動するとした.FePt 記録 膜の熱伝導率は,媒体面に垂直な方向が 5 W/m⭈K,水平 な方向が 0.5 W/m⭈K であるとした.FePt 記録膜の熱伝導 率に異方性をもたせたのは,実際の FePt 粒子の間には熱 抵抗の原因となる酸化物やカーボンなどの異なる材料が存 在するからである15).アンテナの先端曲率半径が 12 nm で あるとき,温度分布のクロストラック方向の半値全幅は 16 nm であった.媒体温度を 350 度上昇させるのに必要な 光パワー(導波路中のパワー)は 1 mW であった. 図 7(b)中の点線は,磁気ヘッドより発生する磁界のト ラック方向の強度分布を示す.この分布は,磁極から 8 nm 離れた面内における実効磁界強度(x, y, z 方向の磁界を Hx, Hy, Hzとしたときの Hx+Hy+Hz)の分布を示す.ピー ク強度は 17.8 KOe となる. 図 7(b)中の実線はトラック方向の温度分布を示す.こ の温度分布において,記録ビットの遷移点は,温度勾配 (磁極側の勾配)が最大となる点になる.その点における 温度勾配および磁界強度が大きいほど,明瞭な磁化パター ンが記録可能で,高い線記録密度を実現することができ る.図 7(b)の分布では,温度勾配が最大となる点はアン テナ先端から 10 nm 離れた位置となり,その位置における 温度勾配は 14 K/nm,磁界強度は 11.4 KOe であった. 上記熱分布および磁界分布を用いたときに媒体に記録さ れる磁化パターンの計算結果を,図 8 に示す.計算には, LLG(Landau-Lifshitz-Gilbert)法を用いた.媒体の磁性粒 子の粒子径は 4.5 nm,室温の異方性磁界は 44 kOe,飽和 磁化 820 emu/cm3 ,粒子間交換相互作用 0.2 erg/cm2 ,保 磁力 16.5 KOe,キュリー温度 600 K とした.図 8(a)は ビット長が 18 nm,図 8(b)はビット長が 9 nm のときの 記録パターンを表す.この図に示すように,いずれのビッ ト長の場合も,記録マークの書き込みが可能であることが わかる.ビット長が 18 nm のときのトラック幅は 27 nm で あり,これは,記録密度が 2.5 Tb/in2 であるときの 2 ビッ トの繰り返しパターン( 2T 信号)に相当する.再生ヘッ ドのクロストラック方向の幅を 18 nm,トラック方向の厚 さを 20 nm としたとき,見積もられる信号対雑音比は 14.1 dB であり,記録再生デバイスとして十分な値であ る.すなわち,上記熱アシスト記録ヘッドを用いること で,2.5 Tb/in2 の記録密度が達成可能と見込まれる. ハードディスクドライブの記録密度を向上させる技術と 図 7 (a)クロストラック方向の温度分布および媒体に吸 収された光エネルギーのエネルギー密度分布,( b )ト ラック方向の温度分布および磁界分布. 図 8 媒体上の磁化パターンの計算結果.(a) ビット長 18 nm,(b) ビット長 9 nm.
して注目されている,熱アシスト記録について解説した. 熱アシスト記録には,数十 nm 以下の光スポットを高効率 に発生させる近接場光素子が必要であり,そのために開発 された素子(ナノビーク)について解説した.ナノビーク を用いれば,8% の光利用効率(入射光のエネルギーと媒 体に吸収されたエネルギーの比)が実現可能であり,それ を用いた光・磁気集積ヘッドにより,2.5 Tb/in2 以上の記 録密度が実現可能と見込まれる. 本解説で報告された研究の一部は,経済産業省の資金を もとに,平成 14 年度に(財)光産業技術振興協会が受託し た「大容量ストレージ技術の開発」プロジェクト(平成 15 年度から独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機 構( NEDO )のプロジェクト),および NEDO「超高密度 ナノビット磁気記録技術の開発(グリーン IT)」プロジェ クトの一部として行われた. 文 献
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