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運営効率化と安定供給に寄与するICT応用運転維持管理(Ⅲ)

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Academic year: 2021

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(1)運営効率化と安定供給に寄与する ICT 応用運転維持管理(Ⅲ) 令和元年度全国会議(水道研究発表会)令和元 . 11 ○鈴木 拓真(日立製作所) 栗栖 宏充(日立製作所) (1−39)運営効率化と安定供給に寄与するICT応用運転維持管理 (Ⅲ) 横井 浩人(日立製作所) 中村 信幸(日立製作所) 石井○鈴木 拓真 隆智(日立製作所) 横須賀 圭佑(昱) (日立製作所) 栗栖 宏充 (日立製作所) 横井 浩人 (日立製作所) 中村 信幸 (日立製作所) 石井 隆智 (日立製作所) 横須賀圭佑 (昱) . 1.はじめに 日本の水道事業は、将来の人口や料金収入の減少、更新を迎える施設・設備の増加、ベテラン職員の退職に伴 う技術継承などさまざまな経営課題を抱えている 1)。こうした課題の解決に貢献すべく日立製作所は、包括維持 管理や PFI(Private Finance Initiative)といった官民連携への取り組みを強化するとともに、ICT(Information & Communication Technology)を生かした「O&M*支援デジタルソリューション」を通じた効率化を図ってい る。その一環として、茨城県企業局那珂川浄水場の運転管理など業務委託において提案したデータ活用システム を構築した 2)。本報では、本システムの概要、当該浄水場での主要機能の内容と運用状況を報告する。 (*O&M:Operation & Maintenance, 運用・保全). 2.受託業務の概要とデータ活用による解決課題 茨城県企業局では、民間活力導入の検討を重ね、2016 年度から当該浄水場の運転管理業務などを民間企業へ 委託することとなった。公募による事業者選定を経て、㈱日立製作所と昱㈱は、日立・昱特定共同企業体として 計8年間の業務を受託した。表1に業務委託の概要を示す。2019 年度から開始した第二期では、運転管理と保 全に加え、新たに運転管理業務における省エネルギーの取り組み、保全業務における点検内容の最適化やコスト 縮減に寄与するデータ活用も加わることとなった。各業務における責任者や現場従事者のニーズを考慮し、デー 表1. タ活用による解決課題を以下に設定した。 事業名. (1)運転管理業務:点検データ収集と管理の合理化、. 事業期間. 渇水時の塩水遡上対策の負荷軽減、高濁度時の薬. (2)保全業務:主要機器の健全性評価、不具合発生の. 事業内容. 品注入適正化、浄水場の省エネ推進. 運転管理業 務. 保全業務. 低減、中期的保全計画への日常点検結果や監視デ 提案事項. ータの反映. 業務委託の概要. 那珂川浄水場 運転管理等業務委託 2016年4月1日~2019年3月31日(第一期) 2019年4月1日~2024年3月31日(第二期) ・運転管理(中央監視、巡視点検、データの記録・報告・保存) ・簡易な水質検査 保守点検(計装設備、監視制御設備、電気設備、非常用 発電機、クレーン設備) ・定期整備(電気設備、非常用発電機、計装設備(※1)、 水処理機械設備(※1)) ・清掃等(設備清掃、取水口堆積土砂搬出、植栽維持管理) (※1)第一期のみ ・データ活用(データの収集・蓄積、保全管理支援、運転支援) ・省エネ管理(※2)(省エネ運転、見える化・ガイダンス) (※2)第二期より. 3.データ活用システムの機能と運用 民間事業者として培った ICT 基盤や開発体制を最大限活用し、必要なシステムと機能を第一期の業務委託期 間に構築した(図1)。このシステムは点検支援タブレット端末、IoT(Internet of Things)端末、データセンタ(ク ラウド、浄水解析サーバ)などからなり、監視制御システムのデータと河川情報も収集する。以下に主要機能の 内容と運用状況を紹介する。. ( 78 ).

(2) 1. 事 務 部 門 (1) タブレット端末による点検支援とデータ見える化 従来、場内とポンプ場の巡回点検は紙ベー スの管理であり、電子データ化する時間と労 力を強いられてきた。巡回点検にタブレット 端末とクラウドを導入し、約 600 項目の点検 データの管理と帳票作成の負荷軽減を実現し た。さらに、測定値を組み合わせた業務指標 (PI: Performance Indicator)を「見える化」 しており、PI 分析を通じた運転品質の向上に 図1 システム構成. も取り組んでいる。 (2) 渇水時対策を支援する塩水遡上予測. 渇水時は河川調査や取水停止などの非定常作業が必要となる場合があるため、的確な実施判断の支援を目的 として、AI(Artificial Intelligence)学習と水質予測を導入・検証した。昨年度は塩水遡上が頻発し、12 時間後 予測は実務上有効な精度とならないこともあったが、再学習とともに今後予測の活用を協議していく。 (3) CBM(状態基準保全)を取り込む設備異常検出 設備異常検出技術として、ART(Adaptive Resonance Theory, 適応共鳴理論)を用いている。データ個別の評価では検出できな い状態変化も捉えられる点が特長であり、大規模故障の未然防止 や、CBM(Condition Based Maintenance)として機器点検や補修 計画の適正化が期待できる。正常時のデータで学習し、運転中の データのパターンの違いを「レベル」として状態変化の程度を提 示する。2018 年度の運用期間中、 「レベル」の値は何度か増加し た(図2)。この原因は塩水遡上に伴うポンプ運用方法の変更であ ることが分かり、状態変化を検知できたと言える。現状、ポンプ単 体の状態変化検出も含め、効果検証を継続中である。. 図2. ART 分析結果の一例. (ポンプ運用の変更を検知). 4.今後の取り組み データ活用では、定期的な業務改善サイクルの確立と、実務の効率向上の検証を、顧客と連携して推進してい く。さらに、現場で使い勝手のよいシステムへの改善や適用する浄水プロセスの拡大も図っていく所存である。 【参考文献】 1)総務省自治財政局:地方公営企業年鑑(2019.3) 2)栗栖他:運用効率化と安定供給に寄与する ICT 応用運転維持管理(Ⅱ)、水道研究発表会、PP.26-27(2018) ※本研究の実施にあたり多大なご協力を頂いた茨城県企業局の関係各位に感謝申し上げる。. ( 79 ).

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