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《卒論報告》防災安全教育における国語科の役割

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Academic year: 2021

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(1)横浜国立大学国語教育研究 No.45(2020) 《卒論報告》. 防災安全教育における国語科の役割 森亜加音 1、問題の所在と本研究の目的 内閣府の予想によると、今後 30 年以内に南海ト. 第1章. 「語り」に着目した防災教育の意義. 第2章. 「語り」教材としての『語り継ぐ』の可. ラフ地震や首都直下地震が発生する確率は 70%. 能性. と非常に高い。個々の防災力を向上させるために. 第3章. 防災教育の必要性が高まっている。後藤(2019). 動の提案. 『語り継ぐ』を教材として用いた言語活. が日本の小・中・高校(高専を含む)における防 災教育の現状を調査したところによると、年に 1. 4、研究の成果. 回以上の実施が約 90%を占めているものの、授業. 第 1 章では、『1.17 防災未来賞「ぼうさい甲子. の中での防災学習は十分とは言えない状況である. 園」記録誌』と『仙台版防災教育研究推進取り組. ことが明らかとなった。その理由の一つとして、. み発表校報告書』から「語り」に焦点を当てた防. 諏訪清二(2015)『防災教育の不思議な力』では、. 災教育の実践を抽出し、「語り」に触れることが児. 教材と教育法の不在が挙げられている。そこで、. 童を実際的なアクションへと向かわせることにつ. 本研究では、過去の大震災による被災者の「語り」. ながることを明らかにした。また、小学校国語科. を語り継ぎ防災学習へとつなげる方法として、小. 教科書から地震を中心的題材とする「読むこと」. 学校国語科における読むことの「語り」教材を提. の教材を調査・分析し、現在の教科書には個別具. 案することを目的とする。. 体的な「語り」に着目した教材がないことを明ら かにした。その理由は児童の心理面における教育. 2、研究方法. 的配慮を必要とするからではあるものの、防災教. 本研究の目的を達成するため、以下の4つの手. 育では「具体性」や「個別性」のある個々の「語. 順で研究を進める。. り」に着目した実践が有用であると論じた。. ⑴ 日本の小・中・高校における「語り」に関連. 第 2 章では、兵庫県立舞子高校環境防災科のカ. した取り組みの現状と課題を調査し、防災教. リキュラム作成に携わった教員と同科卒業生への. 育のねらいの一つである「正常性バイアス」. インタビューから、『語り継ぐ』が子供視点で語ら. に対抗していくために、「語り」に着目した. れた貴重な震災体験の記録であることを述べた。. 実践が有用であることを明らかにする。. それゆえに、被災体験の有無に関わらず『語り継. ⑵ 平成 27 年度版小学校国語科教科書の中から、. ぐ』を読むことで、児童が自分事として震災を考. 地震を中心的題材とした「読むこと」の教材. え意味づけを行うきっかけになるのではないかと. を調査し、「語り」が教材の一つとして有用. 考えられることから、「語り」教材としての『語り. であることを明らかにする。. 継ぐ』の可能性を指摘した。. ⑶ 兵庫県立舞子高等学校環境防災科の初代科長. 第 3 章では、『語り継ぐ』を活用し、被災経験の. と同科卒業生にインタビュー調査を行い、同. ない小学校高学年の児童が、「語り」を朗読し語り. 科の生徒によって書かれた『語り継ぐ』が、. 継ぐことで自分なりに震災を意味づけることがで. 子供の視点による震災体験談であることの有. き、且つ、自分がどのように「語り」と向き合い. 用性を明らかにする。. どう震災を捉え考えたのかが聞き手に伝わるよう. ⑷ 被災者の「語り」を語り継ぐ先行実践を踏ま. な朗読の仕方を考えることができる教材の提案を. え、『語り継ぐ』を教材として用いた言語活. 行った。. 動を提案する。 3、論文の構成 57.

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