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静磁場に垂直に設置された平行平板誘電体導波路内を伝播する電磁波による荷電粒子の加速 利用統計を見る

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(1)

静磁場に垂直に設置された平行平板誘電体導波路内

を伝播する電磁波による荷電粒子の加速

(昭和61年9月1日受理) 竹内智 坂井一雄 松本道男 杉原亮

Acceleration of a Chahged Particle by Electromagnetic Wave

Propagating inside of a Parallel-Plane Dielectric Waveguide

Placed Perpendicularly to Static Magnetic Field

SatoshiTAKEUCHI KazuoSAKAI MichioMATSUMOTO RyoSUGIHARA       Abstract   New mechanisms of a particle trapping and acceleration by two slow electromagnetic wave modes are shown. One of the modes is a transverse magnetic wave(TMW)and the other is a transverse electric wave(TEW). Each of them propagates inside of a parallel−plane dielectric waveguide placed perpendicularly to an externally applied static magnetic field. As long as the original form of the waves is held without breakdown, a particle trapped by the slow TMW or TEW continues to be accelerated unlimitedly along the wave fronts in the relativistic regime. Energy gain, accelerating length, trapping condition and transverse instability of the trapPed particle are also discussed.

1.序

論  最近,静磁場中における静電波と荷電粒子の相互作 用として今までにない粒子捕捉の概念と加速機構が注 目されている。静磁場に垂直に伝播する静電波による 粒子捕捉と加速は,Sugihara達1)とDawson達2)1こよ って示された。静電波の位相速度と同じ速度で運動す る粒子は,波に捕捉され波の進行方向に対し垂直な方 向へ加速される3)”5)。この機構をVp×B加速と呼ぶこ とにする。相対論的な領域において,静電波が壊れな い限り粒子加速が際限なく起こることをKatsouleas 達6)が示し,その応用としてレーザーを用いてプラズ マ中に強い縦電場を励起し,この電場によって荷電粒 子を加速する新しい加速器(Sufatron)を提案した。 *工学基礎教室,Department of Basic Engineering ** シ古屋大学プラズマ研究所,Institute of Plasma Phys三cs,  Nagoya University またSakai達7)は,斜めに伝播する静電波によっても 際限のない粒子加速が存在することを示した。この加 速機構の実験的な検証はNishida達8)・9)によって行わ れた。  さらに,電磁的な横波による粒子捕捉の新しい概念 がTakeuchi達1°)によって示され, Vp×B加速の研究 は新しい展開を見せはじめた。静磁場と波の磁場から 生成された磁気中性点に荷電粒子が捕捉され,粒子は 波の進行方向に対し垂直な方向へ加速される。相対論 的な領域において静電波の場合と同様に際限なく粒子 加速が起こることが示された11)。自由空間における電 磁波は光速度で伝播するので荷電粒子とのコヒーレン トな相互作用を実現することは困難である。しかし, 中性ガス中あるいは誘電体導波路内を伝播する電磁波 の位相速度は光速度より小さくなるので,荷電粒子と 電磁波のコヒーレントな相互作用が可能となることが 示されている。

(2)

 この論文では,静磁場に垂直に設置された平行平板 誘電体導波路内を伝播する縦電場的な性質を持つ TM波(Transverse Magnetic Wave)と,横電場的 な性質を持つTE波(Transverse Electric Wave)を 用いてそれぞれのVp×B加速に基づいた粒子捕捉と 加速を議論する。静電波によるVp×B加速の研究は プラズマを対象として行われてきたが,ここではプラ ズマを必要としない。このような性質の相異なる二つ の波において,似通った粒子捕捉と加速の機構が存在 することを示し,より具体的な加速器への応用につい て検討する。次の2章において誘電体導波路内を伝播 するTM波, TE波の伝播特性について述べる。3章と

4章において,TM波とTE波に捕捉された粒子の運

動を解析し,捕捉条件,エネルギー増加率,加速距離 と捕捉された粒子の軌道の不安定性について議論す る。さらに,5章ではここで示された粒子加速の実験的 な検証に必要となるパラメタの選択,あるいはいくつ かの問題点について議論する。 2.平行平板誘電体導波路内を伝播する電磁波  図一1に示すような誘電体導波路を三つの領域に分 割し,誘電体1,IIIの領域における誘電率,透磁率, 伝播定数をε1,μ1,κ1とする。また領域IIは真空としそ れぞれ,ε。(=1),μ。(=1),x。とする。誘電体と真空の境 界面はy=±dに位置し,y=±1においては完全導 体(電気伝導度σ一∞)と仮定し,誘電体の厚さはAd ==1−dとする。誘電体内部を伝播する電磁波は真空 との境界面上で反射される。しかし,境界面から漏れ 出す電磁波が存在し,それは境界面から離れてゆくに したがって指数関数的に減衰する。このような電磁波 の位相速度は光速度より遅いので,境界面の近くでは 荷電粒子と電磁波とのコヒーレントな相互作用を実現 することが可能となる。  この誘電体導波路内を伝播する電磁波の各電磁界成 分が  F(y,9,t)=f(y)exp[i(舷一ωの]       (1) であらわされるような平面波とすると,Maxwell方程 式から電磁界成分E。,Bzについての波動方程式 駿+(κゴ2−le2)Ez−・ (2a) 42c・+(κ」2−k2)B....O   (2b) が得られる。ここで ・了一(f)2ε・防[・+i(砦)]  (2・) ノ=0,1である。ただし,誘電体の電気伝導度はσ1= 0とする。B。成分が存在しない電磁波(2a)はTM波, またE。成分が存在しない電磁波(2b)はTE波である。 (q) y

CONDUCTOR

DIELECTRIC

y=1 y=d 兀

VACUUM

z X y=−d (b) PARTICLE

BEAM

:皿[ DIELECTRIC

CONDUCTOR

y=・一 t 図一1導波路の概略図   (a)導波路は平行平板の誘電体から構成されており,),=0の平面に対し対称となっている。   (b)静磁場は編体導波路の壁に対して垂直に印加される・TM波あるい1まTE波は・方向に伝     播する。電子ビームはz軸に斜めにy=0の平面上に注入される。 Fig. l Schematic diagrams of the waveguide.    (。)Th, w。v。g。id・i・c・mp・・ed・f p・・all・1−pl・n・di・lect・ics and・・nd・・t・「s・lt is      symmetric with respect to the plane y=O.    (b)The st。ti、 m・g・・ti・fi・ld・Bb・i・apPli・d p・・p・ndi・ul・・t・th・w・1i・TM・・TE waves      propagate in the z−direction、 The particle beam is injected in the y=O plane obliquely      to the z−axis.

(3)

 2.1TM波の伝播

 電界成分E。が波の進行方向に存在するTM波の伝 播について考える。誘電体導波路の幾何学的対称性か ら,Ezはy=0について対称あるいは反対称となる。 y=0において電磁波の進行方向に電場が存在するよ うなcosh型の対称な伝播モードを用いると,導波路 内の伝播モードは領域1とIIにおける境界条件から 決定される。  領域IIにおいて波動方程式(2a)を満足する電界成分 ESiは  ESi−A, cosh(β。y)       (3) また領域1において,電磁界成分EEは  ES=A, exp(i9,y)十B, exp(−iB,y)      (4) とおくことができる。y方向の減衰定数β。と位相定数 β1は(2)式より次の関係式を満足する。  β。2+κ。2− le2=0      (5 a)  一β12+x、2−k2=0       (5 b) 各領域における電磁界成分は,境界条件によって次式 のように関係づけられる。完全導体の境界面上(y= 1)において  E』(1)=0      (6a) が与えられ,誘電体境界面上(y−d)においては  E膓(d)=:E膓i(d)       (6b)  εiE}(d)=εoESi(d)       (6 c) が与えられる。また,E。とEyは次式によって関係づ けられる。

瓦一

剄ヤ    (7)

したがって領域IIにおけるTM波の電磁界成分は次 式のように求められる。  EY=α。 cosh(β。y)      (8 a) EI’ 一 −i−

堰@ao・i・h(B・y)  (8b)

Bli一

垬q・i・h(B・y)  (8・)

ここでaoは振幅であり,他の領域における電磁界成分 は付録Aの1に示す。

 2.2TE波の伝播

 波の進行方向に磁場成分B。をもつようなTE波の 伝播は,TM波の場合と同様な計算手順にしたがって

求められる。ただし領域IIにおいてy=OでBz=0

となるsinh型の反対称な伝播モードを用いる。それ は,TE波に捕捉された粒子のy方向の運動}ご対して B。が不安定を誘起する原因となるからである。これに ついては4章で詳しく説明する。  領域IIにおいて波動方程式(2b)を満足する磁界成分

BYは

 B』i=C2 sinh(β。y)       (9) とおくことができる。また,領域1においては  B2−Cl exp(iBly)+D, exp(−iβ,y)     (10) となる。ただし,β。,β、は(5)式を満足する定数である。 各領域における磁界成分は境界条件からy=1にお いて

 BKI)=0         (11a)

となり,またy=dにおいては  BKd)=B膓i(d)      (11b)  μ。BE(d)=μ,BS’(d)      (11c) となる。ただしBzとByは次式によって関係づけられ る。

島一

K竺が砦      ω

 したがって領域IIにおけるTE波の電磁界成分は 次式のように与えられる。  BEi=・b。 sinh(β。y)       (13 a)

E膓一

d・・c・sh(B・y)  (13b)

Bび一一‘☆疏・・sh(B・y)  (・3・)

ここでboは振幅であり,他の電磁界成分は付録Aの2 に示す。  2.3伝播モードの同定

 平行平板誘電体導波路内に励起されるTM波と

TE波は,以下に示すような関係式に従う。 P2+q2−(x。d)2(ε。−1) E。P・・th(P)+qt・n(・普)一・ q・・th(P)+・P・P・t・n(4晋)一・ (14a) (TM波) (14b) (TE波)       (14c) ここでp=β。d, q=β,d,比誘電率ε、=ε1/ε。,比透 磁率μ、ニμ1/μ。である。伝播モードとして高次モード の励起も可能であるが,ここでは基本モードにのみ注 目する。例えば比誘電率ε、−2.3の誘電体を用い,Ad/ d=1,μ、=1とすると(14b)と(14c)式からpとqの関 係が求まる。さらに入力電磁波の波数Xoとdをパラ メタにすると(14a)式との交点から導波路内の伝播モ ードが決まる。(14b)式を図一2(a)に,(14c)式を図一2(b)に それぞれ示す。図から円の半径がある程度の大きさに ならないと交点が存在しないことがわかる。これは誘 電体導波路にカットオフが存在し,ある波長以上の電 磁波は伝播できないことを示している。

(4)

σ

3

2 1 (q)

u

3 2 1 (b)

0       0

 0

     1   2   3       0    1    2    3

      P       P 図一2伝播モードの同定   比誘電率ε,ニ2.3,比透磁率μ、=1,△d/d=1とする。入力電磁波の波数絢と誘電体の間隔dを   パラメタとして設定すると伝播モードが決まる。   (a)TM波の伝播モード     th=2.09(cm), dニ1.47(cm)のときp=2.07, q=2.82   (b)TE波の伝播モード     k=2.09(cm), d=1.40(cm)のときp=1.57, q;2.16 Fig.2 1dentification of the propagation mode.    The specific permittivity and the specific permeability are assumed to beεs=2.3 and ps=    1,respectively. The propagation modes are determined by the wave numberκb of the    insident electromagnetic wave and the distance d between dielectrics given as parame・    ters.    (a)The propagation mode of TM wave.      th=2.09(cm), d=1.47(cm),△d/d =1, p= 2.07, q ・2.82    (b)The propagation mode of TE wave.      icb = 2.09(cm), d=1.40(cm),△d/d=1, p=1.57, q=2.16 3.電磁波と荷電粒子の相互作用  電磁界中における荷電粒子の相対論的な運動方程式 は

沈院一qE+号v×B     岡

によって与えられる。ここでγ≡[1−(v/c)2]−1/2であ る。もし,荷電粒子の速度が波の位相速度と同じくら いであるとすると,両者の間にはコヒーレントな相互 作用が起こる。そのとき,荷電粒子と電磁波のエネル ギー授受は次に示す関係式

勿確一4E・v      (16)

に従う。一方,磁場は荷電粒子に対して仕事をしない ので,粒子のエネルギー増加に寄与することはない。 しかし,電磁波による荷電粒子の捕捉において重要な 役割を担う。この章では静磁場に対し垂直に設置した 平行平板誘電体導波路(図一1参照)を考え,その中を 伝播する電磁波(TE波, TM波)による粒子捕捉の新 しい機構と荷電粒子の際限のない加速について議論す る。また,捕捉条件,加速距離,エネルギー増加率等 についてそれぞれ検討する。  3.1TM波による荷電粒子の加速  静磁波B==Bo夕 (夕はy方向の単位ベクトル)内 をz方向に伝播するTM波(電磁界成分:E。, Ey, Bx)と相互作用する粒子の運動方程式は,個式より各 速度成分ごとに 勿誓一一一[}B・ ・・

勿響一qEy+6』

勿警一qE2+号』一鋤

y (17a) (17b) と与えられる。ただし各電磁界成分は(8)式より E・ ==一Z・・sh(B・・)・i・(le・一ωt) (17c) (18a)

(5)

E・− 堰Gli−E・si・h(B・y)…(he 一 wt)  Bx=−E。 sinh(β。y)cos(kz− Ut) である。 (18b) (18c)  荷電粒子の速度が波の位相速度Vpと同じくらいの 大きさであるとすれば,波に乗った座標系において粒 子の運動を解析することができる。実験室系での運動 をあらわす各変数(小文字)は波に乗った座標系にお いて対応する変数(大文字)によって次のようにあら わされる。       dT       (19a)

 x=x, Vx=Vx

      dt          dT

y=Y, Vy=Vy

         dt       dT 2=:γP(z十レ「)T),vz== γP(Vz十「レ偏)       dt t一γ,(T+4z)

     c

γ一

浮e

(19b) (19c) (19d) (19e) ただしγp≡[1−(Vp/c)2]−1/2,1「≡…[1−(V/c)2]−1/2で ある。電場と磁場は実験室系から見た値を用いる。  これらの変数を用いて(1 7)式を変換すると次式を得 る。 勿砦一一号B・7・(・v・+Vp)

勿砦一㍗

勿砦一娠+6&泌

(20a) (20b) (20c) y=Oの近傍における荷電粒子の運動を考えると,Ey ≒0とおくことができる。(20b)式に示すようにEyは 粒子の横方向の運動に影響を与えるが,それについて の議論は4章で行うことにする。  変数変換  dτ=1「−idT によって(20c)式は F・−r(T)[− 求CCV,E・si・(KZ)

   +三B・姻

と書き換えられる。 伽) (22)       ここでβ。/x。一γρ(c/Vp),凡= m(d2Z/dτ2), K=k/γρである。⑳式の右辺第1項は縦 電場が粒子を捕捉しようとする力であり,第2項はそ の捕捉を妨げようとする力をあらわしている。また, 一様静磁場B。中をz方向に一定の速度Vpで進む荷 電粒子(q>0)は(20a)式の右辺に相当する力(q/ c)Vp×B。一一(q/c)Vp7。B。元によって一x方向へ加速 される。もし㈱式の右辺第1項が第2項よりも常に大 きいならば,荷電粒子は縦電場に捕捉され続け,波が 壊れない限り際限なく加速される。x方向に加速され た粒子の速度をV。 ・=−cとすると,このとき縦電場 と静磁場の間には次の関係式  Eo> γρ(γP2−1)1/2Bo      (23) が必要となる。また捕捉されている粒子に対して万 ≒0とおくことができ,(20a)式の積分は  1[Vx= Wo一γP VpS?T      (24) となる。ただしWo=ro Vxo+γp VpS2 ToはT=Toに おける初期値であり,実験室系ではt=0における値 に相当する。rの定義式を用いてVxを消去すると  1「(7「)=[1十(P}る一γρ VpS2 T)2/c2]1/2      (25》 が得られる。ただし巧=0とし,9=qBo/mcはサイ クロトロン振動数である。不等式㈱が成立するときの

具の形を図一3に示す。具=0となる点をA,Bで示

し,荷電粒子がAまたはBの近傍に存在する場合の 運動について述べる。いま,荷電粒子(q>0)がAの 近傍にあるとき,粒子の感じる力具はA点の両側か ら内側へ向いている。つまり㈱式が成立している限り, 粒子は縦電場の復元力によってA点の近傍に捕捉さ れ続ける。しかも1「は㈱式に示すように時間について 単調に増加してゆくので,粒子に働く復元力は次第に 強くなる。したがって,一度捕捉された粒子は時間が ↑

B

A

↓ ↓ 図一3静磁場に垂直に伝播するTM波による粒子捕   捉の機構   A点の近傍において力瓦は復元力として粒子   に作用するがB点の近傍では斥力として作用   する。 Fig.3 Mechanism of the particle trapping by    TM wave propagating Perpenicularly to    the static magnetic丘eld.    The particle feels the restoring force Fz    near the point of A,」on the contrary, it    feels the repulsive force near the another    oneofB.

(6)

経つにしたがいA点に収束してゆく。一方B点では 凡は荷電粒子に対し斥力として作用するので,B点に おいて粒子が捕捉されることはない。  粒子の捕捉について定量的な面からもう少し詳しく 調べる。⑫,⑭,㈱式から次式を得る。 d2Z   ∂σ dτ2   ∂Z σ[Z;r(T)]=c9γP(1「2−1)1/2Z

㍍隠・・S(KZ)

(26a) (26b) ここでUは時間に依存するポテンシャルである。不等 式㈱が成立すると図一4に示すようなポテンシャルの 井戸が形成され,そこに荷電粒子が捕捉されることに なる。一度捕捉された粒子は捕捉から逃れることはで きないので,粒子の捕捉条件は,T=T。において粒子 がポテンシャルに捕捉されるかどうかによって決ま

る。初期の粒子の運動エネルギーに相当する値

(τ6陥o)2/2がポテンシャルのピーク値σ(Z‘,r,)より 小さいとき,粒子はポテンシャルの井戸に捕捉される。 そのとき捕捉条件は †(r・Vz・)・〈u(Zl;n)        −u(Zo;To)        ㈲ と与えられる。ただしZ,<Z。<Z.(図一4参照),で なければならない。Z。−Vz。の位相空間において㈱式 を満足する領域を閉曲線で図一5に示す。この位相空間 を等分割し,格子点上の値を荷電粒子の初期値として 1.0 岱 、0.5 ⊃  0.O

       ZI    Zm   Zr

図一4TM波におけるポテンシャルの形   ポテンシャルは初期値V.,V.,乙によって決   まり,Z=Z,で極大値をとる。 Fig.4 Potential pro丘le of the TM wave.    The profile is determined by the speci丘c    initial values of Vo, Vo and 4, and the    potential takes the maximum at Z・・Z,. 与える。数値計算によってこれらの粒子軌道を追跡し, 最終的に粒子がポテンシャルの井戸に捕捉されるかど うかを調べる。捕捉された粒子の初期値を黒点で示す。 閉領域以外に初期値をもちながらも,ポテンシャルの 井戸に捕捉された粒子の運動は次のように説明され る。図一6(a)に示すように,初期の運動エネルギーが σ(Z,;To)より大きい粒子は,ポテンシャルのピーク を乗り越えポテンシャルの井戸に入ってくる。そのよ うな粒子の慣性力が,時間とともに増大する復元力よ りも小さくなると,最終的に粒子は捕捉される。しか し,慣性力が復元力よりも大きいと,粒子は図一6(b)に 示すようにポテンシャルのピークを乗り越え,波の後 方へ落ちてゆく。捕捉された粒子はV。 ==−cまで加 速され,その運動はA点に収束してゆくので凡=0 となる。そこで,㈱式をA点の近傍で展開しτ》1と すると,A点の近傍における粒子の運動方程式は次式 によって与えられる。

彩+r(・)㎡z−・   (28)

ただし,バウン硝瀬ω∈κ

ヲ恒一1)

1.0 0.5 り も0.0 一〇.5 一1.O        ZI     Zm    Zr        ZO 図一5 位相空間Z6− V.における捕捉粒子の分布(TM   波の場合)   各点は捕捉粒子の初期値であり,閉曲線の領域   は(27)式を満足する。パラメタとしてVp/c=   0.83,五6/璃=6.9,V./、=0.2が与えられた。 Fig.5  Distribution of trapped particles in the    phase space Z6− V.(TM wave).    The closed circles indicate the initial val−    ues of the trapped particles. The solid line    indicates the marginal line of the condition    (27).The parameters are given as Vp/c=    0.83,E)/β)=6.9 and V./c=0.2.

(7)

1 り

、0

・−P 1 り 、る0    一1       ZO 図一6位相空間乙一 V.における捕捉粒子と非捕捉粒   子の軌道   (a)初期に捕捉条件を満足しない粒子でも捕捉     される。   (b)粒子の初期位置は(a)の粒子と少しだけ違     っている。 Fig.6 Trajectories of a trapped particle and    untrapPed one in the phase space乙一V■,・    (a) Even the particles which do not sat・      isfy the trapPing condition(27)can be      trapped.    (b) Only the initial position 乙 of the      particle is slightly different from that      of the particle in(a). 一rp・i旦Eo)2]である・この方程式の解1まWKB法を用 いると近似的に Z(τ)−Z。・[r(τ)]’1/4exp      卜iω・fr(T’)’・2d・’]  eg) と求められる。ここでZ。は初期値である。これより周 期運動の振幅はT“i/4に比例して減少し,その周期は Tlt2で増大する。TM波に捕捉された粒子について行 われた数値計算の結果を図一7に示す。v。とγの時間 変化はここで示された解析的な結果とよく一致する。  実験室系において,TM波に捕捉され加速された荷 電粒子の単位時間および単位距離あたりのエネルギー 1.0 Vp ミ0.5

40

 〈

20

0・00   100  200 0

      ωt 図一7 捕捉粒子のVgとγの時間変化   Vxはしだいに位相速度Vpに収束してゆく。ま   た,運動エネルギーmc2γは際限なく増加し続   ける。パラメタはFig.5で与えられている。 Fig.7 Time evolution of the velocity vz andγof    atrapped particle. The velocity vz gradu・    ally converges to the phase velocity Vp・    The kinetic energy mc2γ continue to    increase unlimitedly. The parameters are    the same as those in Fig.5. 増加AU=MC2(γ一γo)と加速距離の比Ax/a2は(19)式 から次式のように得られる。  ∠IU/∠lt= qcBo(γp2−1)lt2      (30 a)  AU/ax=qBo 7p(γp2−1)1/2        (30 b)  ∠1U/Az= qBoγP       (30 c)  ∠x/.∠lz=(γρ2−1)−1/2      (30 d) ただし図一3のA点の近傍に強く捕捉されている粒子 についてトр煤^dT≒γρ, Ez≒一γP2Bo(Vx/c),(Vx,〃z)≒ (−c/γp,c)が成り立つと仮定した。(30d)式より加速距 離は粒子が捕捉されたTM波の位相速度によっての み与えられることがわかる。

 3.2TE波による荷電粒子の加速

 電磁波の進行方向に磁界成分が存在するようなTE 波(電磁界成分:B。,By, Ex)による新しい粒子捕捉と 加速について議論する。TM波の場合,縦電場によっ て粒子は捕捉され加速されたが,TE波の場合には横 方向の磁界成分Byが粒子の捕捉に際して重要な役割 を担うことになる。したがって,静磁場に垂直な方向 に伝播するTE波による粒子捕捉は縦電場によるそれ とは異なる捕捉機構となる。⑬式の電磁界成分を用い ると,各成分についての粒子の運動方程式は㈲式より

 勿歌一qE・+号鋤・

(8)

一壬(B・+B・)Vz 弗i・一一{liB・Vx 勿警一三(B。+B・)Vx と与えられる。ただし,各電磁界成分は

瓦一

vE・si・h(B・y)・i・(le・−cvt)  ExニーE・cosh(β。y)cos(舷一ωの B・ ==一 テc・sh(B・y)…(k・一ωt) (31a) (31b) (31c) (32a) (32b) (32c) となる。 (19)式を用いて波の座標系に変換すると次式を得る。 勿砦一号乃B・Vp+−ilB・ Vy 一4Bt Vz

 c

勿誓芸一一芦万

卿芸芸一号B必

(33a) (33b) (33c) ただしB,=By/γρ+γpB。である。 Y=0の近傍にお ける荷電粒子の運動について考えると磁界成分B。≒ 0とおくことができる。TM波の場合と同じように荷 電粒子の横方向の運動は(33b)式であらわされるが,こ れについては4章で議論する。  波の磁場By/γpが一様磁場γpBoより大きいとき,つ まり次の不等式  Eo> γp(γp2−1)1/2Bo       (34) が成り立つとB,はゼロ点をもつ。つまり図一8に示す ような磁気中性点が形成される。TE波の位相速度と 同じ速度で移動する荷電粒子は,時間的に変化しない 波の電場と磁場の影響をうける。特に,粒子が磁気中 性点A,Bの近傍に存在する場合,粒子(q>0)が感じ るのは一定方向の電場E。だけである(図一8参照)。し たがって粒子はこの電場によって一X方向へ加速さ れることになる。A, B点の近傍ではB,≒0であるか ら粒子は力孔=(q/C)VX−×Bo=一(q/C)万γoBo Zを感 じる。この力はA点の近傍では両側から内側へ向いて いるので,その近傍の粒子に対し復元力として作用す る。復元力兄は粒子が加速される(つまりVxが大き くなる)にしたがい次第に大きくなる。これは一度捕 捉された粒子は捕捉から逃れることができずA点へ 固定されてしまうことを示している。一方,B点の近 Ex 0 { Bt 1 0 1 Bl … iA b

i→

   1ィ!鴫一(q’c)ぬBt KZ KZ 図一8静磁場に垂直に伝播するTE波による捕捉と   加速の機構   B,は静磁場と波の磁場の総和であり,波の系に   おいてy成分だけである。磁気中性点Aの近傍   でローレンツカ(q/C)V。Btは復元力として作   用するが,B点の近傍では斥力として作用する。   捕捉された粒子(q>0)は電±a E.によって一x   方向に加速される。 Fig.8 Mechanism of the trapping and accelera・    tion by TE wave propagating perpendicu−    larly to the static magnetic丘eld.    The magnetic丘eld Bt is the sum of the    static magnetic丘eld and the wave one, and    it has only y−component in the wave    frame. The particle near the magnetic    neutral point A feels the Lorentz force(q/    c)VxBt as the restoring force, on the other    hand it feels the repulsive force near the    point of B. The trapped particle is acceler・    ated in the negative x−direction by the    electric丘eld Ex. 傍における粒子に対し凡は斥力として作用する。  時間Tについて(33a)式を積分すると次式を得る。  rレ}= r,Vxo一γρレ》32(7「−T,))     一(9/K)[w(z)−w(Zo)]      閲 ただし・W(Z)一γ・KZ−7・”1(治。)・i・働であ る。磁気中性点に強く捕捉された粒子に対して㈱式右 辺第3項は無視することができる。つまり,」「とVxは TM波に捕捉された粒子の場合と同じように変化す る[e4),㈱式を参照]。⑮式を(33c)式に代入し,変数変 換(21)を行うと

砦一一%+F(Z,・)  (36・)

(9)

σ(Z,r・)一曇[W(Z)−VV・]2 (36b)  F(Z,τ)= 一γρ92Vp[W(Z)−Wo]       ・[T(τ)−To]       (36 c) が得られる。㈹式は図一9に示されるようなポテンシャ ルσ(Z,r。)と外力がF(Z,τ)であらわされるような, 非線形な運動方程式と考えることができる。磁気中性

点はZiとZmに位置する。捕捉条件はTM波の場合

と同様に,粒子の運動エネルギーとポテンシャルの関 係から得られる。(36c)式で与えられる外力は不等式(34) が成り立つとF=0の値をとることができる。そし て,外力がゼロとなる点は磁気中性点と一致する。つ まり外力Fは復元力あるいは斥力として粒子に作用 することがわかる。  磁気中性点に一度捕捉された粒子は捕捉から逃れる ことはできないので,捕捉条件はT−T。の初期状態 から求まる。これより(36c)式の外力F=0となり,捕 捉条件は外力に依存しないことになる。図一9に示した ポテンシャルのピークσ(Z,,To)より粒子の運動エネ ルギーに相当する値(r。Vz。)2/2が小さいとき粒子はポ テンシャルの井戸に捕捉される。したがって,捕捉条 件は次式で与えられる。 丁(几ぼくσ(硫一σ(z・,・T・) ・7) TM波の場合と同じように, Z。−Vz。の位相空間にお いて粒子の運動を調べると図一10のようになる。捕捉 粒子の分布はTM波の場合と同じ傾向を示している。 (37)式で示された領域外の捕捉粒子の分布は復元力F の影響によるものである。また図一11に捕捉粒子(a)と 非捕捉粒子(b)の位相空間における粒子軌道を示す。外 力Fの影響により,粒子軌道が複雑に変化することが 品 ∋ 1.5 1.0 0.5 0.O      Zt      Zm   Zr 図一9TE波におけるポテンシャルの形 Fig.9 Potential profile of the TE wave. わかる。捕捉された粒子の運動は,TM波の場合と同 じように⑯式を磁気中性点の近傍で展開することによ って与えられ,㈱,⑳式と同じ結果が得られる。(19)式 から得られる捕捉粒子のエネルギー増加はTM波の 場合と同じ結果㈹式になる。ただし,磁気中性点に強

く捕捉された粒子についてdt/dT≒γp, Ex≒

一 7p2Bo(Vp/c),(Vx, v。)≒(−c/γp, c)が成り立つと仮 定した。 4.捕捉粒子軌道の不安定性

 TM波とTE波による荷電粒子の捕捉と加速につ

いて議論してきたが,いずれの場合にも,横方向(波 の進行方向に垂直なy方向)の粒子軌道の微小変化に 対して粒子の運動は不安定になる。この不安定性は

TM波において電界成分Ey,またTE波において磁界

成分B。によって誘起される。捕捉粒子に対しy=0 の近傍で電磁界成分Ey, Bzを展開し,⑳式によって変 数変換すると,y方向に対する粒子の運動方程式は,

TM波とTE波の間で同じ形となり次式のように与

えられる。 1.0 0.5 v 、0.0 一〇.5 一1.0 Zt Zm Zr ZO 図一10位相空間Z6−V.における捕捉粒子の分布    (TE波の場合)    実線が捕捉条件(37)の境界線である。F(Z,τ)    の影響によって捕捉条件を満足しない多くの    粒子が捕捉されている。 Fig.10 Distribution of trapped particles in the    phase space乙一V.(TE wave).    The solid line indicate the marginal line of    the condition(37). Many particles which    do not satisfy the trapPing condition also    trapped under the strong influence of F(Z,    τ).

(10)

1

o

No O 一1 1

v

「50

>N 一1

ZO

図一11TE波における捕捉粒子と非捕捉粒子の軌道   (a)F(Z,τ)の影響によって捕捉された粒子の     軌道   (b)捕捉されなかった3個の粒子の軌道 Fig.11 Trajectories of the trapped and untrapped    particles in the case of TE wave.    (a) The trajectory of the trapped particle      under the strong influence of F(Z,τ).    (b) Trajectories of three untrapped parti・      cles. 謬一w12r(・)Y−・ ㈱ ただし,㎡一警[(γ・一・)一・7P2(豊]である・ y方向の粒子軌道の変位は中心からはずれるにしたが い急速に大きくなり,最終的に荷電粒子は誘電体壁に 衝突してしまう。このような粒子軌道の不安定性は, EyあるいはB。の符号を逆転することによって安定 化することが可能である。つまり,  Ey=−Es Y        (39 a)  Bz=−Bs Y      (39 b) であらわされるような電場あるいは磁場を外から印加 することである。ただし,E。〉(c/Vp)E。でありB、〉 (β。/x。)E。でなければならない。図一12にTE波に捕捉 された粒子の不安定軌道と外部から磁場を印加するこ とによって安定化された粒子軌道を示す。   / y=d y=0 y=−d\ DIELECTRIC DIEL ECT RIC 図一12y−2空間における粒子軌道の安定化(TE波の    場合)    記号sとuが付いた粒子軌道は安定化のため    の磁場B。=−B。Y(Bs=0.7Eb)が存在する場合    と存在しない場合にそれぞれ対応する。 Fig.12 Stability of the particle orbits in the Y−z    space(TE wave).    The particle trajectories labeled with sym・    bols s or u are corresponding to the case    with or without the stabilizing field(盈=    0.7・El,), respectively.

5.考

 位相速度が光速cより遅いTM波とTE波による

粒子加速において,粒子捕捉が起こる条件は㈱,(34)式 に示すように両方の波について同じ形となっている。 これはTM波とTE波の電磁界成分が,それぞれ(18), ⑬式のように与えられるからである。電磁界成分の強 さE。については,さらに検討すべき必要がある。ま た,このような同じ条件を持つTM波とTE波の粒子 捕捉の違いは次のように説明される。TM波における 粒子捕捉が起こるか否かは,縦電場が粒子を捕捉しよ うとする力と,粒子が捕捉から逃れようとする力つま りローレンツカとの関係によって決まる。一方,TE波 では時間とともに強くなってゆく外力が粒子に対して 復元力として作用すること,すなわち静磁場と波の磁 場によって磁気中性点が形成されるか否かによって粒 子捕捉が決まる。  ここで示した加速機構を実験的に検証するために は,実際的なパラメタの設定といくつかの問題点につ いての考察が必要である。誘電体導波路の加速器への 適用は強電場による誘電体の破壊限界に依存する。例 えば,波長1cmの電磁波を用いた場合の破壊限界は1 GV/m程度であると指摘されている12)。このような大 電力の電磁波を用いた場合,誘電体のごくわずかな損 失がその破壊原因につながると考えられる。ここでは 比誘電i$ es == 2.3の誘電体(ポリエステルに相当す

(11)

る)を使用すると考え,電磁波の電場強度をパラメタ にして粒子エネルギーの増加率を算定する。図一3に示 したTM波とTE波の分散関係をもとにして,各パラ メタを計算し表一1に示す。また,静磁場と電場につい ての関係式㈱,(34)からB。を計算し,捕捉粒子のエネル ギー増加率を表一2に示す。  誘電体の表面から漏れ出た電磁波は指数関数的に減 衰するので平行平板誘電体導波路間の距離は波長程度 の長さでなければならない。したがって,ここではマ イクロ波領域(周波数;109−101°rad/sec;波長:数 mm一数cm)の電磁波を使用するとする。また,誘電体 の表面に沿って運動する荷電粒子は,電磁波を放射し て誘電体と相互作用する。この場合,損失エネルギー はdw/dr=q2/2d2=0.72×10−7/d2 eV/cmとなる。

dは荷電粒子と誘電体の距離であり,dがmmから

cmのオーダーであれば損失エネルギーは無視でき る。  誘電体導波路内を伝播するTM波の性質として,位     表一1図2から求めた各パラメタの値 Table l Values of parameters evaluated from Fig.2.    Input electromagnetic wave    wave length λo(cm)=3, wave numberκb(rad/    cm)ニ2.09, frequencyω(GHz)=10. 入力電磁波 波長λo(cm)=3,波数th(rad/cm)=2.09,振動数ω(GHz)=10

TM

TE

κ。4(ε。−1)1/2 マ4 3.50 Q.07 Q.82 2.67 P.57 Q.16 4(cm) 「4(cm) 1.47 P.47 1.12 P.12 β。=ρ/4(cm−1) タ、=σ/4(cm−1) 1.41 P.93 1.40 P.93 〃(rad/cm) ノ(cm) 2.53 Q.49 2.52 Q.49 %/6=κ。/〃 ィ△κ/△z 0.83 P.79 O.67       ’ O.83 P.80 O.67 表一2TM波とTE波に捕捉された粒子のエネルギー増加率 Table 2 1ncreasing rates of energy of the particle trapped    by TE or TM waves. 瓦 105V/cm 106V/cm 107V/cm

TM

島4σ/〃  0.1KGS.45MeV/m

 1KG

S5MeV/m   1Tn.45GeV/m

TE

属4σ/〃  0.1KGS.49MeV/m

 1KG

S5MeV/m   1T n.45GeV/m 相速度が光速に近づくにつれ縦電場E。が小さくなる ことがLawson13)によって指摘されている。これは縦 電場にかかる係数がβ。/ん一γp/(γρ2−1)であらわされ るからである。波の進行方向に粒子を追加速するよう な方法では,位相速度が光速に近づくにしたがいこの 影響は大きくなる。しかし,Vp×B加速のように電磁 波の波面に沿って粒子を加速する方法では,位相速度 は一定でよい。しかもその速度は比誘電率で決まるの でγpはそれほど大きな値とはならない。したがって, この影響は小さいと考えられる。TE波における磁場 B。についても同様のことがいえる。前述したように, この磁場は粒子の横方向の運動に不安定を誘起する原 因となる。相対論的な粒子の運動に対してBzが小さ くなることは,TE波を使用した粒子加速について有 利に作用することになる。

6.結

(1)平行平板誘電体導波路内を伝播するTM波と

  TE波の電磁界成分が求められ,伝播モードが同   定できる。 (2)導波路内を伝播する電磁波の位相速度は光速より   遅くなるので,位相速度と同じ速度で運動する粒   子と電磁波の間でコヒーレントな相互作用が可能   となる。

(3)静磁場に垂直に伝播する遅いTM波とTE波に

  よる新しい粒子捕捉と加速の概念が示された。こ   れら二つの相異なる電磁波において,似通った粒   子加速の機構が存在する。 (4)相対論的な領域において,遅い電磁波に捕捉され   た荷電粒子は波が壊れない限り,波面に平行な方   向に際限無く加速される。 (5)捕捉粒子の加速距離は粒子が捕捉された遅い電磁   波の位相速度によって決まる。 (6)ここで示された加速機構の実験的な検証における   パラメタの設定と問題点が明確になった。  この研究は名古屋大学プラズマ研究所の共同研究計 画のもとで行われたことを付記する。 付録A 各領域における電磁界成分

 Maxwell方程式からTM波の電磁界成分E。と

Bx,さらにTE波におけるB。とExはそれぞれ次式

によって関係づけられる。 B・ ・・ 一一 d5(’22cx

?Q−k2)砦   (A−・)

(12)

  1.TM波の場合   領域1あるいはIIIにおける電磁界成分E。は(4)式 のように与えられる。したがって各電磁界成分は   領域1において   ES=ai Sin[β1(1−y)]         (A−3) E膓一一i音・lc・s[β1(1−y)] (A−4) Bk−‘器・12C・S[β・(1−y)] ただしal=i2a。 exp(iβ,)である。  領域IIIにおいて   E膓ii=a3 sin[β、(1+y)] E膓II−‘音・・C・S[β1(1+・)] Bkii−一ソ・・C・S[β1(1+y)] ただしa3=i2a。 exp (iβi)である。   2.TE波の場合   領域1あるいはIIIに を用いて次式のように与えられる。   領域1において   B膓一b,sin[β1(1−y)] (A−5) (A−6) (A−7) (A−8) おける電磁界成分Bzは(10)式 El・・一一‘諸1 bl si・[β1(1−y)] Bl === −if, bi si・[β・(1−y)] ただしb,=−i2 bo exp(iB、)である。  領域IIIにおいて   BEii=b, COS[β1(1−y)] E呈1−‘。61b・si・[β1(1+y)] Bk”一 Mb・si・[β1(1+y)] ただしb,=一 i2b。 exp(iβ,)である。 References (A−9) (A−10) (A−11) (A−12) (A−13) (A−14) 1)R.Sugihara and Y. Midzuno:Non−Stochastic Heating of   Magnetized Plasma by Electromagnetic Wave, J. Phys.   Soc. JPn.,47,1290(1979). 2)JM. Dawson, V.K. Decyk, RW. Huff,1. Jechart, T.    Katsouleas, J. N. Leboeuf, B. Lembege, R.M. Martinez, Y.    Ohsawa, and S.T. Ratliff:Damping of Large−Amplitude    Plasma Waves Propagating Perpendicular to the Mag−    netic Field, Phys. Rev. Lett.,50,1455(1983). 3)R.Sugihara, S. Takeuchi, K. Sakai, and M. Matsumoto:    dc Acceleration of Charged Particles by an Electrostatic    Wave Propagating Obliquely to a Magnetic Field, Phys.    Rev. Lett.,52,1500(1984). 4)B.Lembege, S.T. Ratliff, J.M. Dawson, and Y. Ohsawa:    Ion Heating and Acceleration by Strong Magnetosonic    Waves, Phys. Rev, Lett.,51,264(1983). 5)B.Lembege and J.M. Dawson:Plasma Heating and    Acceleration by Strong Magnetosonic Waves Propagat−    ing Obliquely to a Magnetostatic Field, Phys. Rev. Lett.,    53,1053(1984). 6)T.Katsouleas and J.M. Dawson:Unlimited Electron    Acceleration in Laser−Driven Plasma Waves, Phys. Rev.    Lett.,51,392(1983). 7)K.Sakai, S, Takeuchi, M. Matumoto and R. Sugihara:    Relativistic vp×BAcceleration of Charged Particles by    aObliquely Propagating Electrostatic Wave, Institute of    Plasma Physics, Nagoya University, Research Report,    No. IPPJ−680(1984). 8)Nishida, M. Yoshizumi and R. Sugihara:New Accelera・    tion Mechanism of Electrons by an Electromagnetic    Wave in a Weakly Magnetized Plasma, Phys. Lett.,105A,    6,300(1984)、       ’ 9)Nishida, M. Yoshizumi and R. Sugihara:Electron Ac−    celeration by Electromagnetic Waves in a Weakly    Magnetized Inhomogeneous Plasma, Phys. Fluids,28,    1574(1985). 10)S.Takeuchi, K. Sakai, M. Matsumoto and R. Sugihara:    Unlimited Acceleration of Charged Particles by an Elec−    tromagnetic Wave with a Purely Transverse Electric    Field Propagating Perpendicularly to a Static Magnetic    Field, Institute of Plasma Physics, Nagoya University,    Research Report, No. IPPJ−740(1985). 11)S.Takeuchi, K. Sakai, M. Matsumoto and R. Sugihara:    Unlimited Acceleration of a Charged Particle by an    Electromagnetic Wave:Relativistic Theory, Institute of    Plasma Physics, Nagoya University, Research Report,    No. IPPJ−781(1986). 12)R.B. Palmer:Near Field Accelerators, AIP Conf. Proc.    No.91, ed. J. Channel, New York, AIP, p.179(1982). 13)J.D. Lawson:Laser Accelerators?, Rutherford Lab.,    Report, RL−75−043(1975).

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