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結合:110201g047

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Academic year: 2021

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-第2学年

社会科学習指導案

1 単元 「EUを事例に地域統合について考えよう」 ※新指導要領(平成20年版):内容(1)世界の様々な地域 ウ 世界の諸地域 (エ)ヨーロッパ 現行指導要領(平成10年版):内容(2)地域の規模に応じた調査 ウ 世界の国々(事例地域:フランス) 2 単元について ○単元観 本単元は,新学習指導要領(※平成 20 年版),地理的分野の内容(1)ウ世界の諸地域(イ)ヨーロッパ に対応して, 主題を設けて,ヨーロッパ州の地域的特色を理解させることを目的に構想したものである。なお,その構想にあ たり,来年度まで続く「移行措置期間」における地理的分野学習指導の在り方を究明する,という本授業研究の 目的に鑑みて,現行指導要領(※平成10 年版)の内容(2)地域の規模に応じた調査 ウ 世界の国々 にも配慮しつつ, かつ「主たる教材」として,現在使用中の教科書を最大限活用して指導にあたろうとするものである。 本単元で主な学習対象とするヨーロッパ地域は,古くから世界の牽引役としての地位を保持してきた。例えば, ローマ帝国,フランク王国,産業革命,市民革命,植民地支配などが挙げられ,今日においても政治,経済,社 会制度,文化に至るまで,その影響の大きさは広範囲に及んでいる。 20 世紀に入り2度の世界大戦を経た後のヨーロッパでは,戦争被害や混乱からの復興と平和への誓いからEU (欧州連合)が結成された。EUは,世界的なグローバリゼーションの流れの一方,「地域統合」の先駆として語 られ,その姿は「ヨーロッパから国境が消えていく」「これまでの国家のあり方を見直す壮大な実験場」と形容 される。EUは,今日 27 ヶ国にまで拡大し,通貨(ユーロ)の統一,自由貿易,開発協力などの多方面で,その 結び付きを強めてきている。しかし反面,旧東側諸国と旧西側諸国との間の経済格差問題,EU憲法制定におけ る加盟国間の不協和音など,課題も少なくない。こうした長短両面を併せ持つEUの特徴の要因として,ローマ 文明,キリスト教,風土をはじめとする「共通性」,民族,言語,キリスト教宗派といった「多様性」がある。 このような地誌的特徴は,ヨーロッパを説明する上で不可欠な知識である。 もはや,世界経済への圧倒的な存在感をもつEUの存在を抜きに,ヨーロッパの地域的特色は語れない。翻っ て,ここ数年日本を含めたアジア地域においても,「東アジア共同体」としての地域統合の動きが高まってきた。 以上のことから,ヨーロッパ州の地域的特色を把握する上で,さらには,我が国の今後の在り方を考える上か らも,地域統合のモデルとされるEUを中心としたヨーロッパ地域の学習は,大きな意義がある。 ○生徒観 本学級の生徒36 名(欠席者を除いた有効回答者数 30 名)を対象に,本単元の学習内容についてのレディネス, 授業前の意識等に関して,以下の三視点から事前調査を実施した。(※全ての質問で記述による回答を求めた。) ①一般的な地域区分において,ヨーロッパ州に属する国をできるだけ多く挙げてください。②ヨーロッパの国々のイメ ージとして,頭に浮かぶのはどんなことですか。③「EU」について説明してください。 ①については平均回答数 6.2 ヶ国であり,代表的な国名としては,イギリス・フランス・イタリア・ドイツ・ ロシアといった国名が挙げられた。一方で,アルゼンチン・オーストラリアなど,誤った国を答えた生徒も 10 名(全体の3割)ほどみられた。また,いわゆる「北欧」(スウェーデンやフィンランド)の国々については,5名 (約17 %)のみが回答,「東欧」(リトアニア,スロヴァキアなど)の国々について,回答した生徒は皆無であった。 ②については,「世界の工場」「最新ファッション」「フランス料理」「美術・博物館」など,フランスを中心とし て,諸分野における世界の先進地であるといった,どちらかといえば“華やかな”イメージの語句を回答した生 徒が 16 名(53 %)であった。③については,EU=ヨーロッパ連合の正式名称について回答した生徒が7名(23 %),「地域統合」に関する説明をした生徒が4名(13 %)であった。 以上のことから,次の3点の課題が浮き彫りとなった。 (1)そもそも学習の前提である,ヨーロッパ州に属する国名の知識に乏しい。(①より) (2)「先進国」として,マスメディアを通じ,日常生活で耳目に触れる機会の多い主にヨーロッパ中央部の 国々をもって「ヨーロッパ州」とする認識があり,「東欧」の国々を知らない,あるいはヨーロッパ州の一 部とはみなしていない。また,豊かな国の一方で,厳しい経済状態の国があることや労働問題,政策面での

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2 -意見の不一致など,どちらかといえば“負の側面”も持ち合わせた地域であるとの捉えがない。(①②より) (3)EUの名称および地域統合の意味やその影響に関する認識は,(もちろん未習事項ではあるが)不十分であ ると言わざるを得ない。(③より) また,前実践:「北アメリカ州の地域的特色を明らかにしよう」時(平成22 年6月下旬~7月にかけて実施)から, 次の2点の課題も残されている。 (4)前実践事前調査において,「地理学習のイメージ」について問うた。結果,事象を空間的な広がりや地域の 枠組みで考察するといった地理的な見方や考え方,地理的技能(地図・主題図の活用,地域的特色(地誌)の 説明)に言及した生徒は皆無であった。 (5)前実践において「習得」した知識を「活用」する課題として,「北アメリカは○○な地域だ!」のテーマで 短作文を作成させた。80 %を超える生徒が学習内容を生かして短作文を作成したという点では成果といえる ものの,それまでに使用した学習プリントの記述内容を,単に「書き写した」だけの説明も目立った。課題 解決にあたり思考・判断する学習の不足,いわゆる「活用」に関わる単元の授業設計上の課題が示唆された。 ○指導観 これらの問題点を念頭に,本単元では,次のような手だてを取ることとする。 問題(1)(2)については,前実践同様,地図帳活用および白地図への作業を通じて,生徒の空間認識形成に配慮 した指導を行う。なお,問題(2)におけるEUやヨーロッパの“負の側面”については,統合の影響を良い面・ 悪い面の両面から考察させ,総合的な理解を図ることで対応したい。 問題(3)の克服は,本単元の学習意義そのものであると考える。そこで,単元を次のように展開していく。導 入としての第1次では,まず,記憶に新しいギリシャ経済破綻問題に関する新聞記事を提示し,EUに着目させ る。そこから,EUの機能,制度について概要を調べさせる。第2次は,問題(2)とも関連し,統合によるヨー ロッパの変化を多面的に捉えさせることで,その影響を把握させる。第3次では,ヨーロッパ州に関する学習成 果の習得を促進し,地域統合に関する知識を概念化させるため,我が国を含めた東アジア共同体の統合構想に目 を向けさせ,その可能性を判断させる活動を行う。これら本単元の学習に関しては,授業研修の目標としても示 すように,事前に教科書・資料から知識を抽出し問いの構造化を行った上で,計画的に活動させてゆく。なお, このような問題(3)への対処は,問題(5)の克服にもつながるものである。 合わせて,以上のような単元の授業設計は,問題(4)のような生徒の実態にも配慮したものである。なお,授 業設計にあたっては,概念探究学習(情報収集,予想・仮説,資料収集,調査,検証)に依拠することを基本とす る。 問題(5)については,単元の過程を,第1,2次「習得」,第3次「活用」ととらえる3次構成とすることで対 応する。第1次では学習の前提となる基礎的・基本的知識(記述的・分析的知識)を「習得」させる。第2次では, 第1次の学習の上に立ち,本単元の主題であるEUの発展と地域格差について,現状と課題を質の高い知識とし て捉えさせる。さらに第3次では,それまでに学習したEUの統合事例を参考に,視点をアジアのそれに向けさ せる課題として,前述,「東アジア共同体の可能性について判断しよう」を提示する。すなわちこれを,課題に 対して「習得」した知識を駆使させる「活用」の段階と位置づけるものである。それは,地域統合の先行モデル としてEUを位置づけ,それらの現状や課題を踏まえた上で,我が国に関わる問題を考察することである。こう した学習は,知識や概念の「習得」をより強固にし,我が国の国土認識を深めることにも寄与するものと考える。 3 単元の目標 ○ギリシャ経済破綻を報じる新聞記事から,EU統合による特殊な体制に着目し,一連の学習への見通しを持つ。 ○ヨーロッパの基本情報(国名・首都,人口,気候,主な産業,つながり,文化)を白地図に整理して示すことが できる。 ○教科書掲載の統計やグラフ等,各種資料を通じて,自然,産業,生活・文化をはじめとしたヨーロッパの地域 的特色について説明できる。 ○EU統合による影響を,成果(良い面)と課題(悪い面)の両面から説明できる。 ○EUを例にして,日本を含めたアジアの地域統合(東アジア共同体)の可能性について判断できる。 ○EUや東アジア共同体の事例を通して,グローバリゼーションの流れのもとで,地域統合が進もうとしている ことの意味・意義を説明できる。

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3 -4 単元指導計画(7時間) 段 次 時 主な学習活動,内容 教師の支援・援助 評価規準 評価方法 階 数 (指導上の留意点) 習 第 0.5 1 ギリシャの財政破綻に関する新 ○ギリシャに対して,EUが財 【関】ギリシャ経済 学習プリ 得 一 聞記事を読み,第1次のめあてを 政支援する決議をしたことを報 破綻を報じる新聞記 ント①, 1 次 確認する。 じる新聞記事から,「EU」に着 事を通して,EUを 様相観察 ( 目させる。 中心としたヨーロッ E パ州の学習への見通 U しを持つ。 の 1.5 2 EUの概要について調べ,主題 ○資料を用いて,EU組織の概 概 を設定する。 要についてまとめさせる。 要 ○EUについて学んだ上で,再 ) 歴史は? ・構成国は? 度同じ新聞記事を読ませ,学習 ・どんな制度なの? 意義(成果)を実感させる。 ・通貨は? ○第1次をまとめる際,教師が 第2次の問い=単元の中心的問 いを提示する。 習 第 得 二 2 3 ヨーロッパの基本情報として, ○問い-答えの形式で,学習プ 【資】ヨーロッパの 学習プリ 2 次 各項目について調べ,その内容を リントにまとめさせるとともに, 基 本 情 報 ( 国 名 ・ 首 ント白地 ( 白地図に整理する。 ヨーロッパの白地図にもその内 都,人口,気候,主 図編 地 (1)自然環境…位置,気候,地形, 容を書き込ませる。 な産業,つながり, 域 面積など ○地図やグラフなど,資料の読 文 化 な ど ) を 白 地 図 的 (2)産業…資源,工業,農業,貿易 み取りが必要な場合は,液晶テ に整理して示すこと 特 など レビを活用して資料提示し,指 ができる。 色 (3)交通・生活・文化…観光,交通 名した生徒や教師が示範しなが 【知】ヨーロッパの 学習プリ と 網,宗教,言語,文化など ら行う。 自然,産業,生活・ ント②③ E 文化をはじめとした , 定 期 U 1 4 EUによる統合の影響につい ○まずは,それまでの学習内容 地域的特色について テスト 統 て,良い面(メリット),悪い面(デ から,予想できることも含めて 説明できる。 合 メリット)の両面から考える。 考えさせる。 【知】EU統合によ に 例)[良い面] ○教科書や資料プリント中の説 るヨーロッパ各国へ よ ・各国の協力体制による工業化 明記述からも,調べさせる。 の 影 響 を , 成 果 (良 学習プリ る ・ヒト・モノ・カネの移動促進による世界経済 ○EUとしての統合が必ずしも い 面 ) と 課 題 ( 悪 い ント③, 影 への影響力拡大 など 良いことばかりではなく,問題 面 ) の 両 面 か ら 説 明 定期テス 響 [悪い面] 点や課題も生んでいることをお できる。 ト ) ・経済格差の拡大 さえる。 ・各国の利害の対立(困難な意見調整) ・失業者の増加 など 活 第 【思】EUの事例を 学習プリ 用 三 もとに,日本を含め ント④ ( たアジアの経済統合 地 1 5 EUの事例をもとに,日本を含 ○「東アジア共同体」に関する (東アジア共同体)の 域 むアジアの地域統合=東アジア共 資料を配付し,アジアへと視点 可能性について判断 統 同体の可能性について判断する。 を向けさせる。 できる。 合 構成国,気候,宗教,産業,歴史などから ○資料として新聞記事や内閣メ の ールマガジンを使用し,リアル 意 な問題であることを実感させる。 味 1 6 東アジア共同体の可能性に関す ○アジアの統合に関して,一つ 【知】EUや東アジ 学習プリ ) る考えの交流,専門家の意見と自 の考えを絶対視させず,今後の ア共同体の事例を通 ント⑤ 己の意見との比較を通して,地域 動きに興味を持たせる。 して,地域統合のも 統合の意味について考える。 ○ヨーロッパ・アジアの統合の つ意味・意義を説明 流れおよびその学習内容の振り できる。 返りから,地域統合の意味につ いて考えさせる。 [第1次を通した問い(めあて)] EUとは,どのような組織なのだろう? [第2次を通した問い(めあて)] = 習得過程における中心的な問い EU加盟国では政治・経済的統合が人々の生活にどのような影響を与えているのだろう? ・地域統合は,数カ国がまとまることで経済力を強固なものと し,世界的な競争力を獲得するために行われる。 ・地域統合は,文化的・宗教的・政治的・経済的など,様々な 価値観の近さが前提となり,その相互理解が求められる。 [第3次における問い(めあて)] = ※活用課題 EUのような地域統合は,アジアでも可能だろうか? 本 時

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4 -5 本時 平成22年9月22日(水) 第2校時(第3次) 第2学年1組教室に於いて (1)主眼 ○アジアにおける地域統合について,学者・識者の主張を資料から読み取り,自己の考えと比較できる。 ○EUや東アジア共同体の事例をもとに,地域統合の意味・意義について説明できる。 (2)指導観 生徒達は,前時までに,EU統合によるヨーロッパの変化について学習している。さらに,我が国を含 めた東アジア共同体構想に関し概要をまとめ,EUの事例との比較から,その統合の可能性について,自 らの考えをまとめている。 本時では,まず,東アジア共同体の可能性について,各自の考えを交流する。その後,東アジア共同体 に関して,代表的な研究者・識者の主張から,肯定的・否定的両面の根拠を整理させ,自らの考えと比較 させる。まとめとして,EUや東アジア共同体に共通する要素を考えさせ,地域統合の概念を捉えさせた い。これらの活動は,一連の学習成果を活用させることによって,本単元で身につけさせたい知識の習得 を,より強固なものとすることをねらいとしている。加えて,本単元の学習がより身近で,かつリアルな 問題であることに気付かせ,学習の意義を実感させたい。 [授業仮説] 前時までの一連の学習で身につけたEUに関する知識を,東アジア共同体の事例へと活用しその 可能性を判断する学習を行えば,本単元で身につけさせたいヨーロッパに関する基礎的・基本的知 識の習得が強化されるであろう。 (2)準備 生徒:学習プリント 教師:資料プリント,資料テレビ提示用メディア(SD カードデータ) (3)展開 学習活動[5 知識の構造に関わる主な問い] 教師の支援・援助 評価規準(評価方法) 1 前時までの学習内容を振り帰り,本時の学 ○学習プリントを返却し,これま 習のめあてを確認する。 での学習内容を振り返り,単元の まとめとしての,本時の見通しを 持たせる。 2 東アジア共同体の可能性についての各自の ○これまでの学習内容だけから, 考えを交流する。 自由に判断させたものであること 【予想される考えの例】 を強調し,発表することへの抵抗 可 能 ・EUでできたのだから,アジアで に配慮する。 も可能。・大きな時差がない。・近年,アジア ○可能・不可能の両立場の人数を, の国々の結び付きは強くなっている。・日本 挙手によって把握し,少数意見か 以外の国の経済力が高まっている。など ら発表させる。 不可能 ・日本と大陸との間には日本海があ ○後の比較に使用できるよう,ス り,交通が不便。・経済格差が大きすぎる。 ペースを分けて,板書する。 ・政治的,外交的な問題がある。・宗教がバ ○意見の根拠となった内容につい ラバラ。・総人口が大きすぎる。など ては,関連するEUの事例につい ても説明させるようにする。 3 資料から,東アジア共同体の可能性に関す ○どちらかの意見が,正しい“答 [資料活用の技能・表現] る専門家の主張の根拠を読み取り,自己の考 え”ではなく,現在進行中の問題 資料 か ら,各立 場の 主張を えと比較する。 であり,両者をふまえ考えること 読み取ることができる。(学 [可能] が大切であることを説明する。 習プリント) ・文化的,経済的な相互依存関係が急速に進んでいる。○自分の考えと似たところ,近い ・首脳会議開催など,動きが積極的になってきている。ところ,あるいは新たに気付いた (※共同体意識の形成) 視点等を指摘させ,この一連の学 [不可能(しかし必要)] 習を意義づける。 ・経済の発展段階の違い・社会体制の違い・文化的, 文明的違い・歴史認識の違い(※政治的・社会的問題) 4 EU,東アジア共同体の例を元に,地域統 ○ヨーロッパ,アジアの両地域統 [知識・理解] 合の意味についてまとめる。 合において,共通して言えること, 地域 統 合の意味 につ いて, [なぜ,地域統合は各地で行われるのだろう? 課題となっていることを挙げさせ 経済 力 ,国際競 争力 ,文化 EUや東アジア共同体の例から考えよう。] る。 等の 差 異の理解 とい った複 数の キ ーワード を用 いて説 明できる。(学習プリント) めあて: 東アジア共同体の可能性について考えを交流し,地域統合の意味について考えよう。

参照

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