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保守主義の原則の理論性について: 沖縄地域学リポジトリ

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Title

保守主義の原則の理論性について

Author(s)

照屋, 行雄

Citation

沖大経済論叢 = OKIDAI KEIZAI RONSO, 6(1): 53-70

Issue Date

1981-12-20

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12001/6708

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保守主 義 の原則 の理論性 につ いて

Ⅰ は じめ に Ⅱ 保守主義 の原則の成 立 基盤 Ⅲ 保 守主義 の原則 の企業 会計 原則 上の位置 Ⅳ 保守主義 の原 則 と引当経理 V おわ りに

はじめ に

かつて メイは、 「保 守主 義は依然 と して会計 の第一 の美徳 で ある」とし、「保 守 主 義 を 会 計 帳 簿やそれ に基づ いて作成 され る財務諸表 か ら閉 め 出 して、そ れを脚注 に追いや ろうとす る人々 には全 く同意す るこ とがで きな い 」 と述べて、 1) 企業会計上 、保守 主義 の原則 の積極 的意 義付 けを行 った。 他 方、 ス コ ッ ト、 ペ イ トン、 及び リ トル トンは保守主義 の原則を、首尾 一貫 した会計理論 の体系を 21 組み立 て よ うとす る試みを 台 な しに して い る として厳 しく批判 して いる。 会計上 の保守 主義は、 イギ リスにおけ る企業会 計 の伝統で あり、 それが アメ リカそ の他 の諸 国 に会計実務上 の慣行 として普 及 した も ので ある。 そ して、 19 30年代の アメ リカや 戦後 のわが国 におけ る会 計原則 の形成 過程で保 守主 義の原則 として確立 す るに至 った。 今 日保 守主義 の原則 は、 会計 原則 の一つ として、多 くの人々が その意義 と役 割を認めて い るO わが 国企業 会計 原則 の一般原 則第六 に明定 した保守 主義 の原 則はそ の代表的 な もので ある。 しか しなが ら、保守主 義 の原則 の理論的性格 に

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-53-ついては論者 によ ってかな りの相違が認 め.られ る. 会計 理論 上 は全 く受け入れ る余地が ない ものと考 える論 者が いれば、会計 理論上 は認めが たいが企業 の経 営財務 政策として は必 要で あ る とす る論者 も'ぉ り、 また、 会計 原則上 の位置 を 認め る者 の中 にも、真実性 の原 則やそ の他 の会計 原則 と矛盾す るとしてそ の#. 論 性を 否定 す る者 と積極的 に保 守主義 の原則 の理論 的性格を 明確 に しよ うとす る者 とが 存す る。 このよ うに、 保守主 義 の原則 の理論的性格 及び会計原則_上の位置 をめ ぐる議 論 は多 く、 それ について の見解 も多様で あるO 本稿で は、保守 主義 の原則 の理 論性 を積極 的 に肯定す る立場 に立 って、 その論拠 、 わが国企業 会計原則 の-一般 原則上 の位置 (構造的 理解 )、 及び保 守主義 の原則 の適用範 囲 の拡張、 につ い て論 及 する こととす る。 まず最初 に、保守主義 の原則 の成立 基盤を検討す るこ′とによ り保守主義 の原 則 の もつ 理論 的 性格 を明 らか に し、続 いて、保 守主義 の原則 のわが国企業 会計 原則上 の位置 (と くに真実 性の原則 との関係 )を分析 吟味す る。 最後 に、 それ を受 けて、保守主義 の原則 の適用範囲 の拡 張 について、 引当金概念 の拡張 との 関連で論 及 したい と思 う。

保 守 主 義 の 原 則 の成 立 基 盤

近 代企 業会計 は、企 業 の-会 計期 間 の適正 な経営成績 を算定 表示す ることに 最 も重 要な 目的 を兄 い 出 して お り、従 って、 そ こで の百十算 構造 は、 当該期 間の 経 営成果 た る収 益 とそれを獲得 す るために払われた経営 努力た る費用 との計数 的 対応 をはか る こ とに よ って 当期 利益 を算定 す る方式 を採 用 して いる。 そ して、 当期純 利益 を適正 に算 定す る上で計算 の正 確性 と確実 性 を確保 す る目的か ら、 費用 の認識 に発生主義基 準を、収益 の讃織 に実現主 義基準を各 々適用 し、 さら にそ の上で 、 費用 収益 対応 の原 則 に基づ いて期間収益 と期間費用 の対応 計算を 行 わ しめ る ので ある。換言す れば 、 今 日の企業会計がそ の目的 で ある適正 な期 間損益計算 を行 うに当 って 作用す る最 も中心的 な考 え方 (判 断規範 )が費用収

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-54-益対応 の原則である と理解 されるのである。 このように、発生主義基準や 費用収益 対応 の原則 に従 って会計が横 能 してい くこ とに主 たる特徴が あるのであるが、 しか しなが ら、 費用収益対応 の原則や 発生主義 基準 のみで企 業 に生起す るす べての経済事象を処理す ることは事実上 不可能である。す なわ ち、企業 活動 は常に不確 実性 と危 険の もとに営 まれてお り、従 って、企業 活動 に伴 う経済価値 の変動 の事実 と変動 要因 の存在それ 自体 を正確に記録計算 す る会計行為には、将来 事象の予想 に係 る判断要素が当然 のこ とながら含まれ ることとなる。事実 として生起 した 費用収益 の認識 に当 っては、 発生主義 、実現主義 及び 費用収 益対応 の原則 (さらには費用配分の原則 )によ って正 確に把握す ることがで きるし、 また、 今 日では一般的 にそのよ うな説明 が広 く行 われ る。 ところが企業 の経済活動 に常 に付随 す る不確実性や財務危険 性 にづいて の会計 帳簿や財務諸表 への記希表 示 は、 発生主義や 費用収益対応 の 原則では充分 に説明で きな い ことは明 らかで あり、 しか も、 こ のよ うな損益発 生事象の不確実性 や財務 危険性を会計 システムか ら除外す るとすれば、企業会 計 の本来の 目的で ある真実な報告 が遵成 されない こととな る。 そ こで、企業会 計の実に 「実実 な報告 」を提供 し得る ために、長い間の会計債行 の中で経験原 則 として形成 され 、すで に一般 の東記を受けて いる保守主義 の原則が必 要 とさ れ るので ある。 保守主 義 の原則は、企業活動 の不確実性 や危険 に関す る将来 の 予想 に係る金言十担当者の判断 が会計 に内在 す る限 りにお いて 不可欠 の原則であ ると考え られ るD換言すれば、 費用収益 の認識基準 として発生主義 と実現主義 を、 また、其澗 利 益の算定原則 と して費用収益対応 の原則を採用 してその実質 内容が形成 される真実性 の原則が、 会計 的現実 の中 に示現 し得 るため の媒介 と 3) して機能す るものが保守主義 の原則で あるということがで きる。 さて、近代 会計 にお ける保守主義は、 18世紀頃か らイギ リス会計実務 で育 ち、そ の後 アメ リカや ドイツに伝 わ った古典 的保守主義 (静態論的会計を背景 とす る )とはそ の意味 内容が ま った く異な るもので あることが認識 されなけれ ばな らない

.

「予想 の利益 は計上 せず、予想の損失 は計上 すべ し」 とす る古典 的保守主義 の要請は、企業会計 の計算 構造 の中に無制

に保守的会計 処理 の装 置 を組込 もうとす るものであ り、 経営成果 た る期 間利益 の処分過程 (経常財務 -

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55-政策過程 )と期間利益計算過程 (会計処理過程 )の区別 を不明確 にし、 ひいて は企業会計 のE]的 を没却 す るこ ととな る.近代的保守主義 (動 態論的 会計 を基 盤 とする )と しては、 もはや損失 の過大 計上 によって利益 の過小表示 を意識的 にはか ろうとす る意味 は変質せ ざ るを得ず 、今 日で はこのよ うな保守主義 は過 度 な保守主義 として否定 される。 会計上 広 く認め られてい る保守主義 の原則は、 企業 の不確実事象や財務 的危険 に対する快重 な判折に基づ く会計処理を指示す る内容 と して特定 きれ といる。 そこで は繰 り返す まで もな く、 「計画的 な (刺 益 の )不 正表示は、 もちろんそれが過 大で あろ うと、過′」、で あろうと、拒否 さ 41 れなければな らない」O侯重 な判断 の行使 に保守主義 の原則 の内容を限定する こ とによって、悪意的政策的判断を企業 会計 か ら排除 しよ うとす る。 けだ し、 供重 な判断 の行使は、健全 な (安全 な )財 政を確保す るの に必要であり、従 っ て、 ゴーイ ンク ・コンサー ンとしての企業 の状況 (経 営成練、財政状 態そ の他 ) に関す る真実な報告 を提供す る上で 不可欠 の判断行 為で あるのに対 して、過度 な、従 って、秘密積立金を もた らす ほ どの保守的判 断は企業会計 の真実 な表示 を歪め る結果 となるか らで ある。 保守主 義の原則 は今 日の会計 の中に慎重 の原則 と して裳を新 たに して正当な 位置 づけが あたえ られ るのであるが、 かか る保守主義 の原則の理論的妥当性 に ついて論者 によ って若干 の相違が認め られる。 阪本安一教授 に従 えば保守主義 の主張 は次の三つ に大別で きる。 すなわち、 その一つ は、経営政策 としての保 守主義 、その二つは、会計美徳 と しての保守 主義、そ して その三つは、会計基 5) 準 として の保守主義、で ある。 第一 の経 営 政策 としての保守主義 は、財務 の安全性 を確保するという経営財務 政策上 の要求が会計処理 の上 に支 配す るもの とみなし、保 守主義 の原則 は企業 会計 におけ るすべて の会計 原則 (従 って真実性 の原則を も )に優位 す ると主張 す る立場で ある。 例えば 、山下勝 治教授 は企業 会計 の真実性 を重要 な原則 と認 めなが らも、 「しか し、 企業会計 は、 その真実その ものを追 求す るこ とが至上 命令で はない。 (省略 )企業財政を表示す ることはその結果で あって、企業財 政その ものが充実化 され、それが強化 される ことがより重要 であ る」と述べ ら れ、保守主義 の原則 こそ真実性 の原則 に便位す る根本原則 (企業経営原則 とで

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-56-6I もい うべき )と主張 される。 また、 黒沢清教授 が保守主義 の会計理論上 の欠点 を指摘 された後 に、 「しか しなが らこれ らの多 くの欠点 に もか かわ らず、 それ はその欠点を補 って あまりあ る実 務上 の効果、 と くに企業財政上必要 とする安 全率 の要求 のため に、いまなお重要 な一般原 則 の一つ として支持 されてい るの で ある」と述べ られて いる見解 も経営 政策 として の保守主義を示 す ものと理解 7) される。 しか しなが ら、黒沢教授 は、 だか らといって保守主義 の原則を真実性 の原則 に優位 す るものとはみ な さず、其実性 の原則やそれを支 える継続性 の原 則他 の諸原則 と内部矛盾 関係を保 ちながら会計 原則 それ 自体 の統一的 目的 の連 8I 成 に一定 の有用な働 きをす る原則 と考えてお られ るので ある。 こ のよ うに経営 政策 としての保守主義 は、企業 会計 それ 自体 に内在す る要求 によって保 守主義 の原則を根拠づけ るのではなく、企業会計 の枠 外 あるいは上位 にあ って、企業 会計 vt支配 を及 ぼす経営財務 政策 の要求 す るところのもので あるとみ なす見解 であるため、全 ゆる会計原

に優位す る原則 と して企業会計上無制約 のもと

機能 しうるこ とを許容 した り、他 方で、実 利性 のみ に着 E]す るところか ら、会 計上 の理論 性を否定 するか、 もしくは真実性 の原則その他 の諸原 則 との非論理 的関係を放置す るとい った論述 とな っている。 つ ぎに、会計美徳 としての保 守主義 は、 会計処理過程 におけ る会計 適当者 の 判断 (とりわけ、企業活動 に伴 う不確実性や将来事象 の予見 に当 って の )を行 使す る際、厳密 に正確 な記寿計算が 行えない以上、企業 の財務健全 性 の確保 の 見地か ら、利益の計上 はひかえめ に、逆 に損失 の計上 はおおめに行 うこ とが企 業会計 のとるべ き態度 として推奨 されて きた会 計横行上 の美徳 として保守主義 の原則を理解す る立場である。 この立場 は、 ア メ リカ会計士協会(A IA当時 ) 9) LOl のいわゆる

SHM

会計原則 とメイの主張 に代表的 にみ られ るのであるが、 これ =t まで会計慣行 に極 めて強い影 響を与 えてきた。 この論拠 に立つ保守主義 は、企 業金言†上 、保守的経坪が望 ましいとする点で は会計それ 自体 の必要性か ら生まれ るものとみなす ことがで き、従 って、そ の限 りにおいて 一定 の理論性 を内包す 12) る もので あるといえる. しか しなが ら、保守主義 を もって単 に会計上 の一つの 美徳 とす る場合 には、 「これを実 践 に うつすか香かは、個 人的判断 ない し個人 13I の善意 にまつ ことにな る」わけであ り、 従 って、 「そ の要求 は強制 ではな く、

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-57-147 そ うす るこ とが望ま しいと考え る程度」で ある。 このよ うな美 徳 としての保守 主義 に対 して、阪本教授 は、 r単 に望ま しい とか その弊害が少 ない とか い うだ けでは、積 極的 にこれを とり上 げるだけの論拠 に乏 しい.1ばかりか、逆 に これを 用 いる目的 と程度 によ っては悪徳 とな る場合が起 り易い点に注意 を喚起 されて 15) いる。 保守 主義 の論拠 として主張 され る第三 の会計基準 として の保守主義 は、企業 会計 に内在 す る判断要素 の客 観化を 目的 として、会 計基準 の一つ として設定 さ れ、会計原則体系 の中 に正当 に位置 づけ られた会計理論 として の保守主義を意 味 している。 阪本教授 ご自身 は、 「利益 の操作を排除 し、企業 の真実 を伝え、 利害関係者 の利 益を保護す るとい う企業 会計の 目的を達す るため には、保守主 義 は これを会計 美徳 として受 け入れ るよりは、 む しろ これを会計基準 として受 け入れ る方が妥当である」 と考 え られ、会計基準 として の保 守主義を主張 され 16) て お られる。そ して、かかる意味 での保 守主義 は、 「損益計算 の正確性 と確実 性 とを得 ると同時 に、 これ によ って 企業 の財政的基鍵を強 固な らしめる範岡 に 17) おいて、認め られなければ な らない」とされ るのである。 以上、企業会計上 の保守主 義 の原則 につ いて の論拠 を、阪本教授 の分類に従 って、各 Jtの主張す る論点を明 らか にしてき たので あるが、筆者 は、保守主義 の要求を企業活動 の不確実 性要因や財務危険要因 に対す る判断行為 が金 言tヒに 不可避 の要素で ある限 り、企業会計 それ 自体 の要求 として積極的 に理解 し、保 守主義 の原 則を会計 原則全体 のなか に正当 に位置 づける ことによ って そ の理論 的性格を 明確に しよ うとす る考え に立 ってお り, そ の点 に関す る限 り、基本的 に阪本教授 の主張 される会計基準 として の保守主義 の論拠を共通 にす るもので あ る。 ところが 、保守主義 の原則 をそ のよ うに解 したとして も、そ こに別 のもう一 つ の問題 が認識 されなければ な らない。 す なわち、保守主義 の原則 の企業会計 上 の役割 もしくは機能 す る餌城を どのよ うに考えるか とい う問題である. これ につ いて、山桝忠恕 ・蔦村 剛推両教授 は、近代会計 における保 守主義 の理論性 を問題 にす る場 合、(宣瀬見行会計 の基 本原理 に関連 す る保守主義 と、(亘)予 見計算 における判断基 準と しての保守主義、 の二つ の理論 階層 に分 られ るとして問題 -

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58-▲8) 設定を行 って お られ る(,前者 は、企業 会計 の構造 それ 自体 の形成段 階 で保 守主 義 の原則が機能 し、従 って、 会計処理 の原 則や基 準 の設定 に影 響を 及ぼす と考 える立場 であ る()これ に対 して、後者は、 形成 され た会計構造 あ るいは設定 さ れ た処理 原則や甚 準を前提 と して、かか る処理原則や基 準 を選択運用す る段階 ・91 で保守 主義 の原則 が作用す るとみ なす見解 で あるO 阪本教 授 の保守主義観 や山 桝 ・烏村 両教 授の企業 会計 原則上 の保守主義 の原則 の解釈 は後 者 の立場 を代表 す るもので ある。 次節では、かか る二つ の理論階層 にかか わ ら しめて、保 守主義 の原則 0_)理論 的性格をさらに吟味したいと思うoその際、保 守主義 の原則が制 度 として会計 の現 実 に表 れたところの企業会 計原則における一般 原 則 の構造分析を通 じて、保 守主 義 の原則 の企業 会計原則上 の位置 を明 らか にす る方法で論述を展 開す ることとす る。 皿 保 守 主 義 の 原 則 の 会 計 原 則 上 の 位 置 論 と しての会計原則 の構造 につ いて葦者 の理解す るところを まず 明 らか にして お きたいと思 う。

会 計公準 (コンヴェンション、 Convent10n又 はPostulate)を基盤 として成立 す る会計 原則 (広義 )の内部構造 は

下 部 構 造 と して 会 計慣行 (カス タム、 Custam )、中間構造 として会計 原理 ( ドク トリン、 Doctrine一広義 )、 さら に上部構造 と して会計基 準 (スタ ンダー ド、 Standard-広義 )の三階層 より構 成 され るものとみ るこ とが で きる。 そ して、 さらに中間 構造 として の ドク トリ ンは、下位 にモー レス (Mores、会計倫甥 )、上位 に ドク トl)ン(狭義 )より な る二層構造 を な し、 また、上部構造 として の スタ ンダー ドは、下位 にプ リン シプル (PrlnCLple、会計原 則一狭義 )、上位 にスタンタ」 ド(狭義 )よ りな る二層構 20) 造 となっているものと坤解す ることができる。会計 公準は会計原

に含まれない とす る見方で一般的合意がほぼ形成 されているといえるが、会計慣行 (カスタム)や会計倫 理 (モーレス)を会計 原則)j中に含めて、会計 原 則構造上一定 の役 割を付し、その性 -

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59-格規定を行 うことの理論的妥当性 については多くの異義が存す る ものと考 え られ る。 ここでは耗 幅の関係で この点 に関 して、 これ以上 の論述は展開で きな いが、 本 箱で論 じている保 守主 義 の原則 の会計原月比 の位置づけは、広 義 ドク トリン に属 し、 しか も真実性 の原則 と同様、 ドク トリンの下部構造 をなすモー レスと 21) して位置づけ られ る と考 える立場を明確 匹,表明 して おかなければな らない. 上述 した会計原則 の構造 を図示すれば第1図 の通 りで ある。 く第 1図 会計原則 の理論的構造> 以上 のような会計原則の理 論的 構造 理解 に基づいて、つ ぎにわが国企業会計 原則、一般原 則の構造を吟味す ること とす る。 -

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60-さて、わが国企業会計原則の一般原則は、制度 としての企業会計 の基本 目的 とす る所をまず定め、それを達成 して行 く上で必要な会計処理 及び報告 に関す る基本的考 え方を配す る方式 を とって いる。す なわち、 その第- には、 「企業 会計 は、企業 の財政状態及 び経営成績 に関 して、真実 な報告 を提供す る もので なければ ならない。 」として真実性の原則を うた っている。 そ して、 この真実 性 の原則の要請 をみたす ために、第五 に継続性 の原則、第 二に正規 の簿記 の原 則、第四に明瞭性 の原則 を、 さ らに第七 には単一性 の原則、 また注解 1には重 要性の原則を各 々規定 して いるので ある。他 方、 一般原則 の第六 には、 「企業 の財政 に不利な影響を及ぼす 可能性ある場合 には、 これ に備 えて適当 に健全な 会計処理を しなければ な らない。 」として、 いわゆ る保 守主義 の原則 (又 は慎 重 の原則 )が規定 されている。 この保守主義 の原則 は他 の会計一般 原則 とどの よ うな関係 にあり、 さらに一般原則 における最上位原則で あるが故 に企業会計 原則全体 で の根本 原則 ともなってい る真 実性 の原 則 との関係は どうなのか、ま た、保守主義 の原則の企業 会計 原則上 の役割は どのよ うな ものか、 そ して、具 体的処理原則や手続 の上 にどのよ うな作用を及ぼ してい るのか、 な ど保守主義 の原則をめ ぐる企業会 計原則の構造分析 が ここでの問題設定 の焦点で あった こ とが新ためて確認 されなければな らない。 わが 国 の企 業 会計 原 則 は、 三 部 構 成 とな って お り、 最 終 の 目的である 財務 諸 表 (損 益 計 算書 や 貸 借 対 照表 )の 作 成 基 準 と して 共通す る処理原 則や表示原 則 を- ま とめ に して、 これ を 第 - 一 般 原 則 の 部 に要 約整理す る体系 を と って い る. この場合、一 般原則の性格を どのよ うに考 えるかば論 者 によって異 るo黒沢 清教授は、 ト」投原則がだいたいにおいて、 ここにい う 221 rドク トリン』に該当 」す るとみな し、 さらに、一般 原則 の本質 を、 「一般原 則の一般性は、具体的 に個 々の計算行為 の指導原理 となる点 に存す るので はな

2

3

I

く、-あらゆ る会計 諸基準を有機的 に統一す る点 に存 しなければな らない

と説 いてお られ る。 これは、 -「股 原則を会計 原理 ( ドク トリン )として み る代表的 な見解で ある。 ここで、 かかる黒沢見解 に立 って、先 にみた会計 原則 の理論的構造 理解 に照 して、企業会計 原則 ・一般原則 の構造 を理解す るな らば、第2図 に示 され る構 -

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61-進 として説明す ることがで きる。 < 第2図 企 業会 計原則 の理論的実践的 構造> 一

1-わ が 国 企 業 会 計 原 則 了 会 計 原 ㍍ 理 論 1 . 一 般 原 則 損益 計算書原 則 貸借対照表原則 本 来 の ド ク ト -ン - 62

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-一般 原則 は、第三の資本取 引 ・損益 取 引区別 の原則 を除 いて、 これを会計 ド ク ト1)ン(広義 )として性格規定が行 われる。 そ して、一般原則内部 において は、七つ の原則が単に並 列的関係 にあるので はな く、真実 性 の原則 と保守主義 の原則を下部構造 (原則のもつ支配力 の点か らみ れば上位原則 と呼べ る )とし、 そ の他 の諸原則を上 部構造 (下位原則 )とす る二層構造 とな ってい る。 そ して、 筆者は、美実性 の原則 と保守主義 の原則 で形成 され る階層を モ ー レス (会計倫 理 )と呼び、 その他の諸原則 で形成 される階層を狭義 の ドク トリン (会計原理 ) と呼ぶのであ る。 狭義 の ドク トリンに属す る原則 には、継続性 の原則な どのよ うに現 に一般 原則 に規定 されている本来 の ドク トリンと呼ぶべ きもの と、一般 原則 には規 定 されて いな いが、近代企 業会計 の 目的並 びに計算 構造 を支 える会 24) 計原則で一般性 の本質を有す る原則 、すなわち費用収益対応 の原則及び費用配 分 の原則の特殊 の ドク トリンと呼ぶ べ き もの とか ら成る ものと認識 され る。一 方、モー レスたる真実性 の原則 と保守主義 の原則は対等 の地位 も しくは並列的 関係 にあるか とい う とそ うで はないO狭義 ドク トリンの各 原則間 に相互 に影響 し合 う関係 はみ られて も、全 く一方 が他方 を下位 に置 くとか、 片方的影 響力行 25) 使 の関係はみ られ ないの に対 して、 モー レスの二つ の会計原則は、従 た る一方 が その働 きによって補助す ることによって主たる他方 の役割が現実の企業会計 の世界で達成 されてい くことになるよ うな、 いわば二重 構造 を形成 して いると み なされ る。 つま り、企業会計 の目的 である企業 の状況 (財政状態及び経営成 績 )に関す る真実 な報告 を要請 する真実性 の原則が、現実 の企業 活動 の結果を 報告 す る世 界(会計実践 )で示現する、否、 示現 し得 るため には、保守主義 の原 則 の補助的働 き (実践局面への媒介 )を必 要 とす るとい うことである。 けだし、 企業活動 に不可避的 につ きま とう損益 の不確実性 状況 や財務的 危険負担 の存在 可能性状況 に対する会計判断 とそれ について の会 計的措置 を可能 とす るのは保 守主義 の原則以外 には liTいか らで あるO要すれば、保守主義の原則は、真実性 の原則へ の働 きか けを通 じて企業会計 の目的達成 に奉仕 するこ とになるわけで ある。 このように、保守主義 の原則 は、 真実性 の原則以外 の-一般諸原則 との関係 に おいて、企業会計 原則の働きのうえで上位 に位置 し、会計原則構造か らいえば ドク ー 63

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-トリンと して の一般 原則 内部 において下部構造を形成 す るものである点で 従来 み られなか った積極的理論的 性格づけが行 える羊ととなったO このよ うな意味 で の保守主義 の原則 の会計理論的役割 としては、企業 会計 の基本原理 にかかわる 階層 で の機能 を有 す ることとな り、従 って、会計処理 の原則や手続を設定する 段階か ら企業 会計 に影 響 力を行使す る基本原則の一つで あることが解明 された こととな る。 さらにまた、 モー レスにおけ る真実 性 の原 則 との関係を知 ることによ って、 真実性 の原則の要請す る真実 な報告を阻害 す るどころか、むLろ逆に、美 に r真 実 な報告 」を実 現 し得 るため の不可欠 な原則が保守主義の原則であることが論 証 され たのであ る.保守主義 の原則 の一般原則上 の位置 (毛買割 )を図示すれば 第3図の通 りとな る。 く第 3図 保 守主義 の原則 の企業金言十原則上 の位置> 企業会計 (一般原則 )の理論 的構造 媒 介 企業会計 の実践的 構造 企業 会計 の理論的実践的構造 -

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64-Ⅳ

保 守 主 義 の原 則 と引 当経 理

以上 において、保守主義 の原則の会計理論並 びにわが国企業会 計原則 の一般 原則上 の実質構造的位置が明確 になったわけであるが、本筋では、 このよ うな 保守主義 の原則 の積極 的仕草づけ によ って新た に展開 され る適 用間篤領域 とし て、引当金概 念の拡張す なわち楓失 性引当金 の会 計的性格 (つ まり引当金設定 の理論的根拠 )を探 ることによ り、保守主義 の原則 の企業会計上 の有 用性並 び 杵、保守主 義 の原則が単 に企 業会計 の基本原理 (従 って、会計 処理 原則 や手続 の設定段階で )抽象的 に関わ るだけでな く、同時 に個別的 な会計処理原則や手 続 の選択運用段階 まで も支配適用す る実質原則の性格を も有 することを明 らか 25) に した いと思 うo もともと引当金 の計上 が会計慣行 の上 に登場するのは、 18、 19世紀 に発 達 をみるイギ T)スの保守 主義会計 の もとにおいて であることは周知 の事実 とな って いる。 そ こでは、 「予想 の利益 は計上すべ か らず、予想 の損失 は計上すべ し」とす る考 え方に端的に表現 され るよ うに、財務 の安全性 の確保を会計処理 それ 自体 の内部 において果 そ うとす る企業会計 に対す る要請 となって現 われ、 その代表的 なものが引当金会 計であるといえるO 勿論、本箱 の第2節で も述べた よ うに、今 日で一般 に認め られ た会計原則で ある保守主義 の原則は無制約的 に 財務 の安全確保を はか って よいとす るもので はなく、 いわゆる過度 の保守主義 は企業内容 の不正 な表示 となって、企業会計 のEl的 たる真実 な報告を歪め る結 果 となるため厳 しく排除 され る ことにな るO 引当金には負債性引当金 と特定引当金 の二つ の種類 がある (評価性 引当金は ここでは除 く )。 企業会計 原則 ・注解18には、附 将 来 に お いて特定 の費用 (又は収益の控除 )たる支出が確実 に起ると予想 され、(ロ)当該支出 の原 因 とな る事実 が当期 においてす でに存在 してお り、 及びい 当該 支 出の金額を合理的 に 見積 る ことがで きる場合 には、その年慶 の収益 の負担 に属す る金額を負債性引

2

6

)

当金 と して貸方計上 し、借方科 目に費用を認識計上す ることとな っている

会計上は、かか る負債性引当金 (借方科 目に着 目すれば費用性 引当金 )の計 上が積 篠的 に認め られており、特定 引当金 と呼ばれ るものは、現行商法第

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-65

(15)

-条 の2の規定 による引当 金 の計上 が な され る場合 に限 って のみ会計 上 も引当金 27) と して負債 の部 に計上 を認 め よ うとして いる だけで ある。 ところが、 商 法第 28 7条 の 2の引当金 の解釈 に よ り生 じ、会計実 践 の中で 一 定期 間慣 行 として実 施 され た負 債性 引当 金以 外 の引当 金 につ いて、企業 会計 原 則上 も昭和49年 の改 正 に当 って 、 注解 14に特定 引当 金 として認 容 す るこ ととな ったた め、 周知 の通 り引当金 を め ぐる混乱 が今 日まで 続 いて き た。 筆 者 は、先 に、別 稀 にて 、特 定引当 金 で あって も、将 来 の特定 の損 失 に備 え るた めに正当 な引 当経 理が認 め られ るべ き事項 (範 困 )が あ るこ とを説 き、そ して、 そ れ の会 計的 説 明 原理 と して、 慎重 性 の原 則 た る近代 保守 主義 の原則 の 28) 適用 を行 った。 損 失性 引当金 の計上を 保守主 義 の原 則で説 明す る原理 と、 それ 29) によ って整理 され る引 当金 の会計領 域を 、再 び図示 すれば 第4図 の通 りで ある. <第4図 保 守主義 の原則 の適用 によ る引当金概 念 の拡張> 確 実 事 象 不 確 実 事 象 冒 事実発生 発生の確実性が極めて高い 発生の確実性が極めて低い発生 予 測 可 能 発生予測不可能

発生

主義の原則

費用収

益対応の原則 保守主義の原

(慎重性の原則) 期 間 費 用 見 越 費 用(引当費用) 見 越 損 失(引当損失) 偶 発 損 失 会計事実 (逗 コ コ

(評価性引当金) 費 用性 引 当 金 損失性 引 当金 利益額保佐引当金

(

会計

_

些少

公正妥当 と認め られ る会計処稚 公正妥当と認め ら

D

れない会計処理 会計処理過程

i

l

利益処分過程 -

(16)

66-以上、今 日、企業会計上 の本来 の引当金 と説 明 され る負 債性 引当 金 (費用性 引当金 )以 外 IjC、保 守主義 の原

に基づ き説 明 され る損失 性引当金 の概 念が新 たに正当化 され るこ とをみて きた。か か る考 察は、保 守主義 の原則が ドク トリ ン (広義 )あるいはモー レス として今 日の企業会計原 則上 に正当 に位置 付け ら れ るこ とによ っては じめて 可能 となる論理 で ある。 言 いか えれば 、 引当 金概念 の拡張 す なわち損 失性 引当金 の論拠 を保守主義 の原則が提供 し得 ることを考察 す るこ とによって、保守主義 の原 則が会計 処理 原則 の設 定段階 と選択 通用段階 のいず れ にも適 用 され、企業会計 構造を支 え る基 本原則 の一つで あ ることが理 解 され るので あ る。

おわ りに

以上企 某会計上 の保 守主義 の原則 の理 論性 について、保守 主義 の原則 0)成立 基盤 (もしくは論拠 )を探 り、会計原則 の理論 構造 とわが国企業会計 原則 ・一 般 原則上 の現論的位置 づけを試みた。そして、かかる保 守主義 の原則 の理論的性格 を明確 にした上で、保 守主義 の原則 の適用 により概念 の拡張 が はか られ る引当 金 (と くに損失性 引当金 )につ いて 、保 守主義 の原則 の積極 的 に機 能す る問題 領域 について 明 らか に したo 論 述 の展 開にあ たっては、問題 の設定並 び に論理連用 の方法 にかな り大担な 手法 を採用 して お り、 そのため に論理 体系 そ の ものがかな り粗 雑 な もの とな っ たき らいが ある ことを 告 白せ ざるを得な い。例 えば、 会計原則 の一般理論 を 明 確 にす るに当 って、 モー レスや ドク トリンな どの概念 の充分 な吟味が行 えなか った こと、 原則構造 の解明 に当って も各 原 則間 の有機 的 関係を 充分に考察 でき なか ったこと、 さ らには、 企業 会計 原則 ・一般 原則の理論 構造 的 解釈並 びに保 守主義 の原則 の企 業会 計原則上 の位置 につ いて も、 不充分 な分析 に終 らざるを 得 なか った.特 に、本稲 の論理構成 の基礎 とな って いる会計 原則 の一般 理論的 構造 理解 につ いて は、別稿 にて充分究 明 され な ければ な らない ものと思 って い る。 -67

(17)

-しか しなが ら、本箱 で は、筆 者 の会計 原則 に対す る基本的 見曝並 び に保 守 主 義 の原 則 の理論 的 性格 につ いて の現段階 で の考察 の成果 を とりま とめ る こ とに

よ って 大方 の ご叱 正 を得 るこ とと し、 論理 の飛躍 や考 察 不足 等 については さら に研 究 分析 を続け、 こ の間題 に関す る よ り精 致 な研究 成果 の達成を 目指 したい と考 えて い る。

注 1) GeorgeO.May,

"

FinancLalAccountlng- A Disllllat10n OLExpe-r)er'ce】 (Houston,Texas :SchoJars Book C0.,1972),p.44.

木村重義訳 F財務会計』 ダイヤモン ド社,昭和32年 53- 54長。

2) DR .Scott,"Accountlng PrlnClples and CostAccountlng"`The Journal ofAccounting● Feb・.1 93 91P・74 ・

wilJlam A.Paton,"comments on 'A Statemement ofAccount -1ng PrlLIClples'u, `The Journal ofAccountancy▲,March,1938, pp.2 01- 20 2.

Analias C.Littleton,"The Relat10n Of Func110Jl tO PrlnCIPle

-

,

"The Account■ng RevleW 山 x皿, Sep.1938.

3) ここで、保守主義の原則が媒介の役割をにfiうものであるとの考えは、真実性 の原則が会計実務の局面で具体化 されるためにな くてはな らない作用要因が保 守主義の原則であり、従って、そのような意味合いで、保守主義の原則に対す る論理的関係を認めてい るわけである。 その点で筆者の考えは、黒沢清教授の 保守主義の考え方 (位置づけ) と若干異なる (黒沢清書 F一近代会計学.1く普及 版六訂>、春秋社、 昭和53年、 148頁参照)0 4) 黒沢清書 前掲需 148頁。 5) 阪本安一書 F一新訂財務諸表論J税務経理.協会、昭和 5 1年、 322点。 6) 山下勝治著 r企業会計原則の理論Jl森山書店、昭和3 2年、 67- 78頁O なお、武田隆二教授も、保守主義は、一般に二つの要請か らなるものとされ、 「一つは予想の利益 (未実現の利益)の計上禁止の要請であり、いま一つは予 想の損失の計上義務の要請である。両要請の共通す る面は、企芙財政の強化と い うことであろう」と述べ られ、やは り企巣の経営財務政策としての保守主義 を主張する立場に立っておられる (武川隆二稿 r保守主義の原則」、r税経セミ ナーJl昭和49年12月臨時増刊号、6L頁)0

(18)

-68-注 7) 黒沢清著 前 掲奮 3 17頁。

黒沢教授 は、同寮において、ギルマ ンの保守主義見解 ("AccountlngCon -ceptsofProEll,bわy Stephen GIlma'), 1939・ pp・232 - 235

参凧)に従い、保守主 義の根拠を、企業財政の強化 ・安全の要請を究極の 内容 とす る三つの側面から吟味している(315頁参照)。武 田教授 によればこれ らは次の ように整理 されるOす なわち、 (11銀行家 か らの要請 一財務安全性への 要請、 (2)株主の 観点からの要請一配当維持への 要請、及び(3)経営者からの要請 一資本維持-の 要請 - (武田隆二稿、前掲論文、 62頁参照)。 8) 黒沢清著、前掲番、 192頁0

9) Thornas H.Sanders.Henry R.Hatfield&UnderhJllMooTe,"A statemcrLtOf Accounting PrlnCIF'Les,b (RepTlnted by AmerlCan Accountmg Associat10n. 1968) pp.12- 13 .

0) George 0.May. op.tit., p.44 .

1) 番場嘉一郎著 r新会計原則講 話J中央経済社、昭和50年、 50貢。 2) 河合邦長橋 「保守主義原則の理論的性

「経営論集」 (明治 大学経営学研究 所)、第26巻第3号, 159- 160頁参照。 3) 阪本安一著、前僻 , 329頁。 4) 河合邦艮稿、前掲論文、 160頁。 5) 阪本安一書、前掲書、 327貢。 6) 阪本安「著、前掲書、 3 27頁。 7) 阪本安一着、 r最新財務諸表論J税務経理協会、昭和4 9年、 272頁。 8) 山桝忠恕 ・農村剛雄共著 f'休系財務諸表論<理論編

>J

税務経 粍 協会 、 昭和 54年、 141頁。 19) 鵜村剛雄著 r会計触 りコンメンタ-ルj中央経済社、昭和54年、 72- 74 頁参照。 20) このよ うTi会計原則の構造理解の仕方 は、黒沢桁 教授の 考え方を耗礎としてい る。黒沢教授は、ギルマ ンの会計 ドク トリンの主張を手かか りとして、会計原 則の三層構造分析を説明 されているが、筆者はかかる黒沢教授の考 え方を手か か りとして、 さらに会計原則全休の構造をここに"jjらかにしよ うと試みたわけ である。

S.GIJman ,`●AccounlLng Concepts ofProfLt".1939.参照。 黒沢清著 r近代会吉Iの 理論』白桃書房、昭和33年、 109- 118頁及び

13 1- 142頁参照。

(19)

69-なお、 ドク トリンの意義 と性格については若 杉 明 教授の す ぐれた論述がある (若杉明著 r企業会計基準の構造j財務詳報社、昭和4 4年、 151- 164 頁参蛸の こと)。 21) この点についての筆者のこのような考えは、別隅 にて新ためて論究 されなけれ ばな らないと考 えている. 22) 黒沢清書、前掲書、 117- 118頁o なお,黒沢教授は一般原則の うち資本 取 引 ・損益取 引区別の原則は ドク トリンではないと説明 されている。 2 3) 黒沢清書,前略書、 138貢。 24) ここでいう一般性の本質 とは、黒沢清教授の説明す るところの内容に従 ・1てい る (黒沢清書、前掲書、 I38頁参照)0 25) この問題 に関 してはすでlこ筆者の基本的な考え方 について別稿でまとめてある ので、 ここでは基本的 にそれにもとづいて論をすすめてい くことになる (拙稿 「企 業会計上の 引当金概念の検討」、 rマネジメン ト・リビュー』第 1巻所収、 昭和 56年、 55- 71貢)。 26) 負債性 引当金 (従 って、借方は費用科 目の認識計上)の設定を強制であるとみ る見解と企業の 自由 (任意)であるとす る見解が対立 している。 (例一前者 ; 中村忠稿 「貸借対照表原則に関す る注解 とその間温点」、 r新企業会計原則訳 解」所収、中央経済社、昭和 51年、 314頁、 後者 ;黒沢宿 ・名杉明共著 r対談/新企業会計原則詳論J税務経理協会、昭和 50年、207- 208頁). 27) 商法第 287条の 2の解釈をめ ぐる議論については、拙稿、前掲論文にゆする こ ととす る。 28) 拙稿、前掲論文、 63頁参照。 29) 拙稿、前掲論文、 64貫く図 1引当金概念の 会計的構造>を そのまま引用した。 -

参照

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