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まえがき

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Academic year: 2021

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全文

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まえがき

著者

奥田 聡

権利

Copyrights 日本貿易振興機構(ジェトロ)アジア

経済研究所 / Institute of Developing

Economies, Japan External Trade Organization

(IDE-JETRO) http://www.ide.go.jp

シリーズタイトル

研究双書

シリーズ番号

558

雑誌名

経済危機後の韓国−成熟期に向けての社会・経済的

課題-ページ

i-ii

発行年

2007

出版者

日本貿易振興機構アジア経済研究所

URL

http://hdl.handle.net/2344/00011819

(2)

ま え が き

 1997年末,韓国がに対して救済融資を申請したとき,韓国には自国の ふがいなさを嘆く声とともに,経済的な失政を非難する声が満ちていた。当 時,1997∼98年の経済危機にともなう苦痛は長期間にわたって続くかと思わ れたが,韓国はしたたかにもその絶望の淵から這い上がった。このしたたか さをみた世界が韓国に対して最大級の賛辞を送ったことはいまだ記憶に新し い。その後も韓国は成熟した先進国に向けての歩みを進めている。  編者は韓国が経済危機の克服にほぼめどをつけた2000年9月から2年半に わたって韓国・ソウルに滞在して研究活動を行った経験がある。韓国滞在中 に見聞したのは,外国からの高評価,すなわち「光」の部分とはいささか落 差のある韓国内の「影」の実態であった。「教育費のせいでいくら働いても家 計が楽にならない」と嘆息する中間管理職,成果主義で疲弊する若手サラ リーマン,起業に失敗した元銀行員,職場での変化について行けず寂しげ に自嘲する中年サラリーマン,利子収入の減少で生活に支障が出始めたとい う退職者,親族内に老人介護の必要が相ついで生じて途方にくれる主婦, 等々。  もちろん,地域研究者の一人としてこうした問題が韓国に存在していたこ とは編者も知っていたが,「影」の部分を実際に見聞して,研究課題として新 たに取り上げる必要性を痛感するようになった。すでに成熟段階に入った日 本にも同様の問題が存在するが,しばしば問題が急速に深刻化する韓国の事 例は日本への示唆が大きいのではないかとも考えた。カバーすべき領域は広 範でとても編者一人の手に負えるようなものではなかったが,幸いにも編者 は外部専門家諸氏および内部韓国専門家との共同研究を行う機会を得た。本 書は2004∼05年度にわたりアジア経済研究所が実施した「経済危機後の韓国

(3)

――成熟期に向けての経済・社会的課題」研究会の最終成果である。  本書の主要な目的は経済危機後の韓国経済の目覚しい回復の陰にひそむ社 会および経済的課題を摘示することであるが,やや社会的側面に重心が傾い た嫌いはある。それでも当初の目的は果たされたのではないかと考える。本 書では都市自営業層,非正規労働,福祉政策,就業貧困層,年金,財政,財 閥,対外経済関係を扱う8カ章を置いた。前半5カ章はいずれも経済危機後 の韓国において問題となっている事柄もしくは問題が起きている分野を扱っ た。また,後半3カ章はもっぱら経済分野を扱ったが,財政を取り上げたの は問題解決のための所要資金がファイナンスされる仕組みをみるためであり, 財閥と対外経済関係を取り上げたのはこれら韓国経済の主要動力が今後どの ように展開されるかとの関心からである。  2年間にわたる研究会活動において,まず,研究会の委員諸氏の協力に衷 心より感謝の意を表したい。ことに,研究会幹事の安倍誠氏(新領域研究セン ター)は研究会立ち上げから成果取りまとめにいたるまで献身的な協力を惜 しまなかった。とくに記して感謝したい。また,講師として有益なお話をし ていただいた外部専門家諸氏,研究会委員の現地調査の際に快くインタ ビューに応じて下さり貴重な意見・情報を頂戴した多くの韓国の方々,原稿 取りまとめを手伝ってくれた留学生のアルバイト諸氏にもこの場を借りて感 謝申し上げたい。そして最後に,内部および外部の匿名査読者の方々はすべ ての初稿に目を通し,厳しくも温かく,かつ本書の完成度を高める有益なコ メントを下さった。このことに心からの謝意を表したい。   2007年1月 編  者  ii

参照

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