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滋賀大学DS教育研究センターの共同研究においては、
准教授以上1名以上、助教1名以上からなるプロジェクト
チームで研究を担当しております。
大阪ガス
大阪ガス株式会社と、ガス機器の高品質化に向けた機器
の故障予知に関するロジック開発の研究を行いました。セ
ンサーで取得したガス設備の運転データから、機器の異
常を速やかに検出することを目指します。同社では、こ
れまで安定稼働時のデータから異常を検出する技術開発を
行ってきましたが、本研究では運転開始時のように機器の
運転状態が遷移するタイミングのデータに着目しました。
ディープラーニングの一種である敵対的生成ネットワーク
(GAN)に正常な運転開始時データを学習させることで、
正常であれば得られるはずのデータを再現できます。この
再現したデータと実測の違いから、異常な時間帯やセン
サーを特定することが可能となります。
(担当准教授:岩山幸治)
デンソー
株式会社デンソーとの間で、自律適応制御の技術確立を
目的とした共同研究を行っています。工場にある製造ライ
ンでは多数の製造機械・装置が動作しており、正常な製品
を安定して生産するためには、製造機械のパラメータを適
切に制御する必要があります。この製造装置パラメータの
数は複雑な製造工程では数百を超える数となるため、製品
品質に変化が生じた際にどのパラメータを調整すれば変化
を修正できるのか分からない、という状況がしばしば起こ
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共同研究報告
ります。そこで本共同研究においては、製造装置パラメー
タと製品品質の関係を記述する適切な統計モデル構築を行
うことで、製品品質を安定に保つような製造パラメータの
自動制御を実現する手法の技術開発を行っています。手法
としては、比較的少数個の近傍データからモデル構築を行
うレイジーラーニングを用いており、近傍データの抽出手
法、近傍性評価基準、制御対象パラメータ選択手法、制御
量算出手法などの確立を行っています。この技術が実現す
れば、これまで熟練の作業員のカンやコツに頼っていたパ
ラメータ制御の自動化が可能となります。
(担当准教授:高柳昌芳)
KOKUSAI ELECTRIC
株式会社KOKUSAIELECTRICと滋賀大学データサイエ
ンス教育研究センターは、半導体製造装置の稼働中に異常
を検知する技術の確立に向けて共同で取り組んでいます。
株式会社KOKUSAIELECTRICは、半導体製造装置を開
発・製造する製造機器メーカーで、世界トップレベルの技
術力を持ちます。特に、縦型拡散CVD装置分野では世界
シェア50%超を占め、業界をリードしています。本共同
研究では、各種センサーデータを分析し、異常検知及び自
律制御技術の確立を目指します。
(担当助教:紅林亘)
データサイエンス2019.indb 8 2019/05/20 11:38:09
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データサイエンス基盤研究
フジテック
フジテック株式会社と滋賀大学データサイエンス教育研
究センターは、エレベーターの稼働ログ情報を活用した、
リスク予測手法の開発に向けた共同研究に取り組んでいま
す。稼働ログ情報を分析し、エレベーターに何らかの問題
が起こる予兆と、発生した問題との相関性などを明らかに
し、予兆段階で将来的なエレベーターの運行リスクを取り
除くことで、社会に安全で快適な移動空間を提供すること
を目的としています。本研究では、エレベーターの稼働ロ
グ情報に統計モデルを適用して、リスクを事前に予測する
モデルを構築しました。また、稼働ログ情報内のテキスト
データを利用して、リスクの原因や対処法の分類を行いま
した。これらの結果に機械学習を適用することで、問題の
予兆から対処法を推定するモデルの生成を目指します。
(担当助教:石川由羽)
SMBC
株式会社SMBC信託銀行と滋賀大データサイエンス教育
研究センター・経済学部の教員で構成されている共同研究
チームは、平成29年度からデータの利活による付加価値
の創出に取り組んでいます。現在は昨今の働き方改革に伴
う従業員の働き方や生産性等をデータを使って分析し、適
材適所やキャリアパスの判断に寄与させること目標として
います。統計学の諸手法を適宜活用した結果、既に一連の
研究成果を上げ、今年も同事業は継続する予定です。
(経済学部担当:吉田裕司教授、DS担当助教:李鍾賛)
アイシン
アイシン精機株式会社と滋賀大学データサイエンス教育
研究センターは、車載カメラ映像を解析することで、車両
に対するカメラの取付姿勢などのカメラの様々なパラメー
タを自動推定する手法を共同で開発しています。車載カメ
ラを使った安全運転支援や自動運転が実用化されつつある
昨今、車両にカメラが搭載されることは当たり前の状況と
なりつつあります。このような車載カメラの映像を活用す
るためにはカメラパラメータの高精度な推定が必須となり
ますが、工場での推定作業には時間やコストがかかるとい
う問題があり、またユーザーの使用状況によってカメラパ
ラメータが工場出荷時の状態から変化してしまうという問
題もあります。本研究では映像を解析することによってカ
メラパラメータを高精度に推定します。これにより、自動
でのカメラキャリブレーションを実現し、またカメラユ
ニットの故障検知やカメラパラメータの自動補正を行うこ
とができるようになります。 (担当助教:中河嘉明)
滋賀県EBPMモデル研究事業
近年、データのオープン化やビッグデータの活用も進み、
データの利活用が積極的に行われ、行政においても、デー
タに裏付けされた証拠に基づく政策の立案、客観的な評価
の導入が強く求められています。そこで、滋賀県と滋賀大
学は、連携してEBPM(EvidenceBasedPolicyMaking)
の進め方やデータ収集・分析に関する知識・技術を学びなが
ら、滋賀県の行政施策の課題についてデータ分析に基づく
解決等を進め、EBPMの推進・定着を目指すこととなりま
した。
2018年度は、滋賀県における女性の年代別労働力率
(M字カーブ)の落ち込みの要因分析等をテーマに設定
しPPDACサイクル(Problem→Plan→Data→Analysis→
Conclusion)の考え方に基づいて本事業を進めました。
各種のデータを収集してデータ研磨を行い、相関分析、主
成分分析、重回帰分析の統計的手法によって要因の絞り込
みとその影響度を分析することで、定量的なエビデンスが
得られるとともに客観的な評価に寄与できることを示すこ
とができました。 (担当助教:中川雅央)
データサイエンス2019.indb 9 2019/05/20 11:38:10