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仮想環境を利用したマルチテナントシステムの性能の考察

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Academic year: 2021

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(1)情報処理学会第 73 回全国大会. 5G-3. 仮想環境を利用したマルチテナントシステムの性能推定の一考察 市原. 利浩†. 三菱電機(株)†,. 魚住. 光成†. 北山. 泰英‡. 小笠原. 大治‡. 三菱電機インフォメーションシステムズ(株)‡. 1. はじめに 近年注目を浴びているクラウドコンピューテ ィングを活用する技術の一形態として、マルチ テナント[1]がある。マルチテナントとは、一つ のハードウェア資源を使って、複数の利用者に あたかもシステムを占有しているかのようにサ ービスを提供する形態のことである。このマル チテナントのテナント数を増やすと、例えばハ ードウェアコストを上昇させずに契約数を上昇 させることが可能となるが、時間性能の劣化も 発生する。そのため、テナント数の増加に伴う 時間性能の変化を予め把握しておくことが、マ ルチテントでサービスを提供する上で必要であ る。 本稿では、仮想環境を利用したマルチテナン トシステムにおいて各テナントの同等のアプリ ケーションが繰り返し動作する場合の性能推定 方法について、我々のアプローチを報告する。. P T平均 c. 1-c. CPU. Wait≒I/O. Tq_cpu. Tq_io. Ts_cpu. Ts_io. P:プロセス T平均:平均処理時間 C:CPU使用率 Tq:待ちを含む 処理時間 Ts:実処理時間. 図 1:1 処理のモデル 2.2. マルチテナント性能推定モデル 我々が提案するマルチテナント性能推定モデ ルは、2.1節の処理モデルに基づき、あるアプリ ケーション実行時の実処理時間を算出する関数 を Ts(λ)、同等ハードウェア環境における別ア プリケーション実行時の実処理時間の関数を Ts’(λ)とした場合、これらは、下記(2.1)の関 係になると考え、計測により導出したαと 2. 我々のアプローチ Ts’(λ)の近似式によって Ts(λ)を定義するもの 2.1. マルチテナント処理のモデル である。 対象とするマルチテナントのアプリケーショ Ts(λ) = α×Ts’(λ) (2.1) ンは、CPU 処理とディスクアクセス処理を繰り 図 2に示すマルチテナント性能推定モデルは、 返し行うものとし、1テナントの1回の処理モ 汎用的なプログラムによって、多重度が1~n ま デルを図 1のように考える。図 1が示す CPU 処 での計測を行い、Ts’(λ)を導出する。また、同 理時間 Tq_cpu とディスクアクセス時間 Tq_io に 等ハードウェア環境で多重度が1の場合におい は、CPU コアの割付け待ちや他のテナントのデ て、使用するアプリケーションの Ts を導出し、 ィスクアクセス処理優先のための待ち時間が含 多重度が1の場合の Ts(λ)と Ts’(λ)の値、及び まれると考え、それぞれの実処理時間を Ts_cpu、 (2.1)の関係式から係数αを算出する。 Ts_io としたモデルである。 このモデルに従い、CPU 処理とディスクアク この時、CPU 処理とディスクアクセス処理の セス処理における係数α_cpu とα_io、実処理時 待ちを含む処理時間 Tq と実処理時間 Ts、1秒 間 Ts(λ)_cpu と Ts(λ)_io をそれぞれ導出し、 あたりの処理件数λの関係は、待ち行列モデル 2.3 節 の 待 ち 行 列 モ デ ル の 式 に 適 用 し て 、 を利用して Ts(λ)の関数で表すことができるこ Tq_cpu(λ)と Tq_io(λ)を算出する。処理時間 T とから、マルチテナントの時間性能は、アプリ は、図 1の処理モデルより、下記(2.2)の式と ケーション単体の性能 Tq(=Ts)と、使用するサー なることから、n 多重時に処理時間が算出できる。 バの Ts の特性 Ts(λ)から導出できると考えられ T =Tq_cpu(λ)+Tq_io(λ) (2.2) る。 2.3. 待ち行列モデル アプリケーションのターンアラウンドが、 Performance estimation of a MutltiTenant System in Virtual Environment CPU(および CPU の割り付け待ち)と、ディス †Toshihiro Ichihara,Uozumi Mitsunari, クアクセス(および I/O Wait)からなるとき、 Mitsubishi Electric Corporation それぞれの処理時間は、実処理を行なうサービ ‡Yasuhide Kitayama,Daiji Ogasawara ス時間 Ts と、待ち行列の待ち時間 Tw から構成 Mitsubishi Electric Information Systems Corporation.. 1-29. Copyright 2011 Information Processing Society of Japan. All Rights Reserved..

(2) 情報処理学会第 73 回全国大会. されると考えられる。 CPU 処理は、複数のコアが存在する場合、コ アの割り付け要求に対して複数の窓口が存在す る待ち行列の M/M/m のモデルで表すことができ ると仮定する。ディスクアクセス処理は、アプ リケーションが書き込みもしくは読み込みの要 求を発行する段階で、対象はユニークに特定さ れるため、待ち行列の M/M/1 のモデルで表すこ とができると仮定する。これより、窓口 m にお いて、Ts と Tq、λの関係式を、窓口数ごとに表 すことが出来る。なお、本稿における窓口とは、 待ち行列モデルにおける逐次処理をする場所の ことである。. 3. 性能推定の手順 3.1. サーバ特性の計測 対象となるサーバ上で、計測用の汎用プログ ラムを用意して性能特性の計測を行なう。この プログラムは、CPU 処理とディスクへの書込み を交互に繰り返し行うもので、テナント数 n を 1から目標とする数まで変え、各汎用プログラ ムを並行して動作させる。汎用プログラムは、 隙間無く連続して実行し、1回の平均処理時間 (ターンアラウンド時間)T、CPU 使用率 C を 計測する。これにより、到着率λ、待ちを含む CPU とディスクアクセスの処理時間 Tq_cpu、 Tq_io は、それぞれ次の式によって求められる。 λ=n/T (2.3) Tq_cpu =T×C (2.4) Tq_io=T×(1-C) (2.5) 上記(2.3)~(2.5)の式と待ち行列モデルによ って、テナント数毎の CPU とディスクアクセス の実処理時間 Ts_cpu、Ts_io を求める。CPU に ついてはコア数が窓口数となり、ディスクアク セスの窓口数は1となる。次に、Ts_cpu とλ、 Ts_io とλの関係から多次元の関数 Ts_cpu(λ)、 Ts_io(λ)をそれぞれ導出する。 計測用汎用 プログラム. ・ ・ ・. 計測用汎用 プログラム. 3.2. アプリケーション性能の計測 使用するアプリケーションを1テナント(単 体)で隙間なく連続動作させ、3.1節同様に、1 回の平均処理時間(ターンアラウンド時間)T と CPU 使用率 C の計測値から、λ、Ts_cpu、 Ts_io を求める。次に、このλ、Ts_cpu、Ts_io と3.1節で導出した Ts_cpu(λ)、Ts_io(λ)、及び 2.2節の(2.1)に基づいた下記の関係式から、α _cpu、α_io をそれぞれ算出する。 Ts_cpu = α_cpu×Ts_cpu(λ) Ts_io = α_io×Ts_io(λ) 3.3. マルチテナント時間性能の算出 2.2節の(2.2)の式より、アプリケーションの 処理時間 T は、Tq_cpu(λ)と Tq_io(λ)の和であ る。Tq_cpu(λ)と Tq_io(λ)は、3.1節で導出した Ts_cpu(λ)と Ts_io(λ)、3.2節で求めたλ、係数 α_cpu、α_io から算出する。. 4. まとめ CPU 処理とディスクアクセスの実処理時間 Ts_cpu(λ)と Ts_io(λ)は、ハードウェア構成で 決まり、アプリケーションには依存しないため、 同一ハードウェアを使用する場合、Ts_cpu(λ) と Ts_io(λ)を再利用することができると考えら れる。そのため、使用するサーバの多重時の CPU 処理とディスクアクセスの実処理時間を汎 用プログラムによって予め計測しておき、使用 するアプリケーションの1テナント時の平均処 理時間を計測することで、複数テナント時の平 均処理時間が推定できると考える。今後は、本 手法の評価に取り組む予定である。. 参考文献 [1] 米持幸寿,クラウドを実現する技術,インプ レスジャパン,2009 年 9 月. アプリケーション. 対象 サーバ. 対象 サーバ. 計測用汎用 プログラム. λ:単位時間当たり の処理件数. 多重度を変化させて、 平均処理時間と CPU使用率を採取. Ts(λ)を取得. 単体の平均処理時 間とCPU使用率を 採取. 係数αを決定. 図 2:マルチテナント性能推定モデル. 1-30. Copyright 2011 Information Processing Society of Japan. All Rights Reserved..

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