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情報メディア研究第 16 巻第 1 号 見を提供すると考えられる. そこで本稿では, ネットツールの中でも, 今日普及が著しい LINE を対象に検討を行う. LINE は,2011 年にサービスが開始された SNS(Social Networking Service) ツールであり, 今日では幅広

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LINE の使用が社会関係資本及びレジリエンスに及ぼす影響の検討

桂瑠以* *川村学園女子大学 *[email protected] 本研究では,大学生500 名を対象に,2時点のパネル調査を行い,LINE の使用が LINE での社会 関係資本及びレジリエンスに及ぼす影響を検討することを目的とした.その結果,第1に,LINE の 使用量がLINE での互酬性を高め,LINE の使用量,所属感が LINE での信頼感を高める効果が認め られたことから,LINE の使用が LINE での社会関係資本を高める可能性があるといえる.第 2 に, LINE での互酬性がレジリエンスを高める効果が認められたことから,LINE での社会関係資本の一 部はレジリエンスを高める可能性があるといえる.これらのことから,LINE の使用が LINE での社 会関係資本を醸成し,LINE での社会関係資本が高いほど,使用者のレジリエンスが高まることが示 唆された.

The effect of LINE use on social capital and resilience

Rui KATSURA*

*Faculty of Liberal Arts, Kawamura Gakuen Woman's University

This study consisted of panel surveys of 500 university students at two points of time, with the aim of investigating the effects of LINE use on social capital and resilience. According to the results, the following effects were confirmed: (1) LINE use amounts increased reciprocity on LINE, and the sense of belonging created a sense of trust on LINE, suggesting that LINE use may increase social capital; (2) Reciprocity on LINE was found to increase resilience, suggesting the possibility that a portion of the social capital generated through LINE may serve to increase resilience. The study results in total thus suggest that LINE use fosters social capital; the higher this social capital, the higher the resilience of individual LINE users.

1. はじめに 今日,情報化が急速に発展していく中で,ICT 活用は日常生活において不可欠となっている.中 でもパソコンや携帯電話の普及と発展に伴い,イ ンターネット(以下,ネット)を有効に活用するこ とは重要な課題であり,ネットの使用が及ぼす心 理的影響についての関心も高まっている. ネットの使用が使用者個人や社会にどのような 影響を及ぼすかについては,これまでに多数の研 究が行われてきた.従来のネットに関する研究で は,ネット使用による社会的不適応,攻撃性の促 進,精神的健康の低下,ネット上の問題行動など のネガティブな面に注目されることが多かったが, その一方で,対人関係や社会的ネットワーク,社 会性を促進する等のポジティブな影響も指摘され ている.こうした両面がみられる理由の一つに, ネットツールが多様化し,使用するツールによっ て影響が異なる可能性がある他,ネットの使用量 だけでなく,使い方によっても異なる影響が及ぼ される可能性が考えられる.ネットが生活の様々 な場面に浸透し,さらに新たなネットツールが 次々と開発されていく中で,ネットの影響を検討 する実証研究を蓄積させていくことは,重要な知

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見を提供すると考えられる.そこで本稿では,ネ ットツールの中でも,今日普及が著しいLINE を 対象に検討を行う.

LINE は,2011 年にサービスが開始された SNS(Social Networking Service)ツールであり, 今日では幅広い年代に普及している.総務省情報 通信政策研究所[1]によれば,日本での普及率は 2016 年で 67.0%であり,主な SNS の中で最も多 く利用されている.LINE は,ネット上で他者と の交流を行うことで,人と人との結びつきを促進 させるツールであり,社会的ネットワークを形成 し,発展させる可能性が考えられるが,LINE を 対象とした実証研究は少ない.またLINE は,SNS の一形態であるが,既知の人間関係を基盤として ネットワークが形成される点や,「トーク機能」や 「既読機能」など,他の SNS とは異なる特徴を もっており,こうした独自の機能によって,他の SNS とは異なる影響が及ぼされる可能性が考え られる.これらのことから,LINE の使用が使用 者 にど のよ うな影 響を及 ぼす のか を検討 し, LINE の使用の有効性を明らかにすることは,重 要な課題と考えられる. そこで,本研究では,LINE の使用量にあわせ て,LINE の使い方によって使用者にどのような 影響が及ぼされるかを検討する. 1.1 LINE の使用が社会関係資本に及ぼす影響 LINE の使用が及ぼす影響の 1 つに,社会関係 資本への影響が考えられる.社会関係資本とは, “個人間のつながり,すなわち社会的ネットワー ク,およびそこから生じる互酬性と信頼性の規範” [2]とされている.そして,社会的な集団や組織の 中に見出されるものであり,それを活用すること で,社会関係の中で人々に相互的な利得を獲得さ せるための協調と調整が促進される原資である [3].したがって,社会関係資本は,コミュニティ とのつながりの強さや関与度,そこでのソーシャ ルサポートの授受,互酬性や信頼性の規範などの 側面を含む,社会的ネットワークにおける集合財 といえる.さらに社会関係資本は,日常的なコミ ュニケーションの蓄積によって醸成され,他者と の継続的な関わりの中で生み出されるものとされ る[2]. また,社会関係資本は,一般的互酬性,一般的 信頼感から構成されると考えられる[2].一般的互 酬性とは,他者のためになる行動をすることによ って,その相手からの見返りは得られなくても, 巡り巡って自分も利益を享受できるという期待で ある.また一般的信頼感とは,「一般的に人は信頼 できるものである」といった社会全般に対する信 頼感のことである.池田[3]では,ネット上とオフ ラインでの一般的互酬性,一般的信頼感を比較し た結果,ネット上ではオフラインに比べて,一般 的信頼感が低い一方,一般的互酬性は同程度かむ しろ高いことが示されており,両者には違いがみ られることが指摘されている.このことから,ネ ット上の社会関係資本を検討する際には,両者を 区別して扱う必要があると考えられ,とりわけネ ット上では一般的互酬性が促進されやすいと考え られる. ネット使用と社会関係資本との関連を検討した 先行研究では,ネット使用の中でも,メールなど のコミュニケーションを目的としたネット使用が 社会関係資本を高めることが指摘されており[4, 5],Ellison, Steinfield, & Lampe[6]では,SNS の1 つである Facebook の利用により,社会関係 資本が形成されることが指摘されている.また, Ikeda, Kobayashi, & Miyata[7]は,オンライン・ コミュニティへの参加が,一般的信頼感及び一般 的互酬性を高めることを指摘している.これらの 知見を踏まえて,LINE に着目すると,Facebook やtwitter 等の従来の SNS は,ネットワークの開 放性が高く,対人関係を拡大していくツールと考 えられるが,LINE は,既知の人間関係を中心に ネットワークを構築するツールであり,従来の SNS に比べ,ネットワークの閉鎖性が高く,親密 な対人関係を形成していくという特徴が挙げられ る.山岸[8]では,一般的信頼感の形成過程の1つ として,親密で繰り返しのある対人関係等の安全

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な環境に積極的に参加することで,他者が信頼に 値することを学習し,そのような環境以外の状況 においても他者を信頼するようになることを指摘 している.また宮田[9]では,オンライン・コミュ ニティ内の特定少数間での親密なコミュニケーシ ョンにより,特定者間での信頼感が高まり,それ をもとに一般的信頼感が形成されていくことが指 摘されている.これらのことを踏まえると,LINE の使用により,親密な関係を形成していくことで, LINE 上での信頼感が高まる可能性が考えられる. そこでこの点を検討するため,本研究では,一般 的信頼感の指標をLINE の使用における信頼感に 適するように修正して,LINE での信頼感を検討 することとする. また,オンライン・コミュニティにおいて,一 般的互酬性の規範が形成され,その期待により, 一般的互酬性が高まることが指摘されていること から[9],LINE の使用により,LINE での互酬性 への期待が高まり,互酬性が高まる可能性が考え られる.そのため,一般的互酬性の指標を LINE における互酬性に適するように修正して,LINE での互酬性を検討することとする. 次に,LINE の使用が社会関係資本に及ぼす影 響について,LINE の機能や使用の仕方という観 点から考えてみると,LINE の機能的特徴として, 「トーク機能」及び「グループトーク機能」が挙 げられる.トーク機能は,選択した相手と1対1 のチャット形式でやりとりをする機能であり,グ ループトーク機能は,複数人でやりとりをする機 能である.こうした機能を用いて,やりとりする 相手やグループを友だちリストから選別し,やり とりを行うことにより,相手やグループとの結び つきや連帯感が強まると考えられる.そして相手 との相互作用を繰り返し,つながりが強まること で,信頼感や互酬性が高まっていくため[10], LINE における所属感や連帯感が高いほど,LINE での社会関係資本が高まる可能性が考えられる. またLINE は,友だち申請や ID の交換等によ って,対人関係を容易に構築・拡大し,維持する ことができる.対人関係の拡大は,より多くの社 会的資源や社会的サポートを得ることを可能にす るため,LINE 上でのやりとりにより,対人関係 を構築・拡大することで,社会関係資本が促進す るのではないかと考えられる. 1.2 LINE での社会関係資本がレジリエンスに及 ぼす影響 他方,社会関係資本が個人に及ぼす心理的影響 として,レジリエンスを高めることが指摘されて いる.レジリエンスは,心理学のみならず,医学, 社会学,教育学などの様々な分野で広く用いられ ている概念であり,研究領域により多様な定義が なされているが,“困難な状況にもかかわらず,う まく適応する過程,能力,あるいは結果”[11]と いった精神的回復や社会適応を目指す積極的な意 味合いをもつものとされている.なお,困難な状 況とは,被災体験やトラウマを伴うような深刻な 被害体験ばかりではなく,日常生活における些末 な混乱や困難なども包括した概念とする定義もみ られる[12].このことから,レジリエンスは,極 めてネガティブな状態からの回復や適応だけでは なく,より適応的な状態へと向かう変化も含むも のと考えられ,本稿でも,レジリエンスを,個人 がよりポジティブに適応し,精神的健康が促進す ることとして扱うこととする. 防災・災害復興等の研究領域からは,社会関係 資本が個人及びコミュニティのレジリエンスを高 めることが指摘されている[13, 14].カワチ[15] は,災害時における社会関係資本がレジリエンス と関係するメカニズムを検討し,個人の社会参加 が盛んで,社会的つながりが強く,社会関係資本 が豊かであるほど,ソーシャルサポートや社会的 資源をより多く得ることができるため,レジリエ ンスが高まる可能性があることを指摘している. また,Lösel, Bliesener, & Köferl[16]は,より大 きな社会的ネットワークをもっている者ほど,レ ジリエンスが高いと述べている.齋藤・岡安[17] では,ソーシャルサポートがレジリエンスを高め る可能性が指摘されている.これらのことから,

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社会関係資本が高いほど,対人関係や社会的資源 がより豊かになり,レジリエンスが高まるといえ る. ネット上での社会関係資本とレジリエンスとの 関連を検討した研究は少ないが,先行研究から, ネット上での社会関係資本が精神的健康を高める 可能性が考えられる.ネットの使用の影響を検討 し た 初 期 の 研 究 で あ る Kraut, Patterson, Lundmark, Kiesler, Mukophadhyay, & Scherlis[18]では,ネットの悪影響が指摘されてい たが,その後の追跡調査ではそうした悪影響は認 められず,むしろ使用者のパーソナリティによっ てポジティブな影響がみられ,外向性が高い者は, ネットの使用により対人関係がより豊かになり, 精神的健康が高まる可能性が指摘された[19].ま た,橋元・木村・石井・辻・金[20]では,パソコ ンメールの利用時間が長いほど,孤独感,抑うつ が低く,精神的健康が高いことが示されており, Cummings, Sproull & Keisler[21]では,オンライ ン・コミュニティに参加することで,実用的な情 報や精神的な支えが得られ,精神的健康が高まる ことが指摘されている.これらの研究を踏まえる と,ネット上で,他者と活発に関わり,社会関係 資本が高いほど,様々なサポートや資源を得るこ とが可能となるため,精神的健康が向上し,レジ リエンスが高まるのではないかと考えられる. 1.3 本研究の目的 先行研究の知見をまとめると,LINE の使用が LINE での社会関係資本を高め,LINE での社会 関係資本がレジリエンスを高める可能性が考えら れる.ただし先行研究では,LINE を対象とした 研究は少なく,どのような LINE の使用により, 社会関係資本及びレジリエンスが促進するのかに ついて,実証的に検討されていない.さらに,先 行研究は横断的研究が多く,パネル研究などの縦 断的研究により因果関係を検討した研究は少ない. そこで本稿では,2 時点のパネル調査を実施し, 以下の2つの仮説に基づいて検討を行う. 仮説1:LINE の使用量,所属感,連帯感,対人 関係拡張が高いほど,LINE での社会関係資本が 高くなるだろう. 仮説 2:LINE での社会関係資本が高いほど,レ ジリエンスが高くなるだろう. なお,本研究では,大学生を対象に検討を行う. 大学生は,大学の授業での友人関係や部活・サー クル,アルバイト等の様々な集団に所属しており, 対人ネットワークが広がる時期であり[22],より 多様な社会的資源が得られ,社会関係資本が促進 すると考えられる.また,大学生の友人関係に関 する研究によれば,この時期の友人関係は,お互 いに助け合い,信頼できる親密な関係が形成され ていくことが指摘されていることから[23, 24],友 人や仲間集団との助け合いや信頼感が高まること により,互酬性や信頼感が促進していく可能性が 考えられる.また大学生を含む青年期世代は,全 世代の中でもLINE の使用量が最も多い世代であ り[25],LINE の使用が LINE での社会関係資本 に及ぼす影響も大きいものと考えられる.これら のことを踏まえて,本研究では大学生を対象とす る. 2. 方法 2.1 調査時期と調査対象者 実査の期間は,1 時点目調査は 2016 年 5 月 21 日から23 日,2 時点目調査は 2016 年 8 月 22 日 から 25 日であった.調査は,株式会社クロスマ ーケティングが保有する全国のアンケートモニタ ーのうち,18 歳から 25 歳までの大学生を対象に, 該当するモニターに調査情報が配信され,モニタ ーがWeb 上の回答画面にアクセスし,回答した. 配信対象となったモニターは57103 名であり,回 答が得られた対象者は,1 時点目 1000 名(男性 47.9%,女性 52.1%),2 時点目 500 名(男性 47.2%, 女性 52.8%)で,2 時点とも回答が得られた 500

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名(平均年齢=20.6 歳; SD=1.39)を分析対象とし た.なお,本研究の実施にあたり,川村学園女子 大学の研究倫理委員会の承認を得た. 2.2 調査内容 1 時点目,2 時点目ともに同一内容を同一質問 項目で尋ねた. (1) LINEの使用に関する項目 1)LINE使用の有無 現在LINEを利用している かについて,「1:利用している」か「2:利用し ていない」の2肢択一で回答を求めた. 2)LINE 使用量 LINE を 1 日に大体どのくらい 使用しているかについて,「1:1 秒~5 分未満」「2: 5 分~15 分未満」「3:15 分~30 分未満」「4:30 分~1 時間未満」「5:1 時間~2 時間未満」「6:2 時間~3 時間未満」「7:3 時間~5 時間未満」「8: 5 時間~10 時間未満」「9:10 時間以上」の 9 肢 択一で回答を求めた. 3)所属感 藤・吉田[26]のインターネット行動尺 度のうち,「所属感獲得」に関する9 項目(「LINE には自分の居場所があると感じられる」等)につい て,「1:あてはまらない」から「5:あてはまる」 の5件法で回答を求めた.本研究では,インター ネットの中でもLINE での行動に絞って測定する ため,教示文及び質問項目中の「インターネット」 を全て「LINE」に修正して用いた(対人関係拡張 も同様). 4)連帯感 LINE による連帯感に関する 4 項目を 独自作成した(「LINE により,人とのつながりが 感じられる」「LINE により,人とつながりやすい」 「LINE により,人とのふれあいが感じられる」 「LINE により,人とふれあいやすい」).「1:あ てはまらない」から「5:あてはまる」の 5 件法 で回答を求めた. 5)対人関係拡張 藤・吉田[26]のインターネット 行動尺度のうち,「対人関係拡張」に関する 5 項 目(「知り合った人から,たくさんの情報を得るこ とができる」等)について,「1:あてはまらない」 から「5:あてはまる」の5件法で回答を求めた. (2) LINE での社会関係資本 1)LINE での互酬性 池田[3]の一般的互酬性に関 する項目を参考に 3 項目を作成した(「人を助け れば,いずれ人からも助けてもらえると思う」「困 ったときはお互いに助け合うように世の中はでき ていると思う」「人から親切にしてもらったら,自 分も人に親切にしようという気持ちになる」).教 示中に「LINE を用いてやりとりを行っている場 面を想定して」回答するように指示し,「1:全く あてはまらない」から「4:とてもあてはまる」 の4 件法で回答を求めた. 2)LINE での信頼感 池田[3]の一般的信頼感に関 する項目を参考に 3 項目を作成した(「一般的に 人は信頼できるものだと思う」「色々な人がいるが, 基本的に人を信頼して接していると思う」「信頼で きる人と信頼できない人を見分ける自信がある」). 教示中に「LINE を用いてやりとりを行っている 場面を想定して」回答するように指示し,「1:全 くあてはまらない」から「4:とてもあてはまる」 の4 件法で回答を求めた. (3)レジリエンス 小塩・中谷・金子・長峰[27] の精神的回復力尺度21 項目(「動揺しても自分を 落ち着かせることができる」等)について,「1:い いえ」から「5:はい」の 5 件法で回答を求めた. (4)デモグラフィック項目 年齢,性別,学年な どについて回答を求めた. 3. 結果 3.1 LINE の使用量,尺度の得点化 全調査対象者のうち,LINE 利用者は,1 時点 目で91.6%,2 時点目は 91.8%であった[28].次 に,所属感,連帯感,対人関係拡張,LINE での 互酬性,LINE での信頼感,レジリエンスの各得 点を合計し,尺度得点を算出した.各得点の平均 値,標準偏差,α係数の値を表1 に示す.また影 響の分析に先立ち,1, 2 時点目ごとの各変数 (LINE 使用量,所属感,連帯感,対人関係拡張, LINE での互酬性,LINE での信頼感,レジリエ

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ンス)間の相関係数と再検査信頼性係数を算出し た(表 2). 3.2 LINE の使用,社会関係資本及びレジリエン スの影響関係の推定 LINE の使用が LINE での社会関係資本に及ぼ す影響及び,社会関係資本がレジリエンスに及ぼ す影響を検討するため,2 時点目の LINE での互 酬性,LINE での信頼感,レジリエンスを従属変 数とし,1 時点目の LINE 使用量,所属感,連帯 感,対人関係拡張を独立変数としたモデルを想定 して,共分散構造分析を行った.その際,統制変 数として,各従属変数の1 時点目の変数をモデル 内に含めた.その結果,モデルの適合度は,χ2(10) =18.82(p<.05),GFI=.99,AGFI=.95,CFI=.99, RMSEA=.046 であり,十分な値が示されたこと から,このモデルを採用した.分析の結果得られ たパス係数の値を表3, 4 に示す.有意な効果が見 られた変数として,LINE 使用量が高いほど LINE での互酬性が高まること,LINE 使用量,所属感 が高いほどLINE での信頼感が高まること,LINE での互酬性が高いほどレジリエンスが高まること が示された(図 1). 平均値 (SD) α 平均値 (SD) α LINE使用量 3.30 (1.59) 3.21 (1.61) 所属感 2.84 (0.79) .89 2.92 (0.72) .88 連帯感 3.12 (0.91) .85 3.18 (0.82) .83 対人関係拡張 2.76 (0.86) .84 2.82 (0.77) .81 LINEでの互酬性 2.39 (0.72) .83 2.39 (0.70) .83 LINEでの信頼感 2.23 (0.68) .75 2.29 (0.67) .78 レジリエンス 3.05 (0.49) .85 3.03 (0.44) .81 1時点目 2時点目 表1 各変数の平均値・SD・α 注 LINE使用量は1-9の範囲,LINEでの互酬性,LINEでの信頼感は1-4の範囲,そ の他は1-5の範囲の得点を示す. n =500 レジリエンス LINE使用量 .21** .19** .19** .17** .14** .07 所属感 .24** .77** .81** .30** .37** .26** 連帯感 .15** .73** .65** .27** .25** .27** 対人関係拡張 .27** .76** .54** .25** .30** .24** LINEでの互酬性 .18** .29** .30** .21** .70** .20** LINEでの信頼感 .19** .34** .25** .30** .72** .15** レジリエンス .09* .26** .22** .18** .26** .21** 所属感 連帯感 (.79**) (.41**) (.33**) (.36**) (.72**) 対人関係 拡張 表2 各変数間の相関 注 対角線の上三角部分は1時点目の値,下三角部分は2時点目の値,括弧内は 再検査信頼性係数の値を示す. *p<.05, **p<.01 n =500 (.37**) (.35**) LINEでの 互酬性 LINEでの 信頼感 LINE 使用量 LINE使用量 .09* .09* 所属感 .07 .11** 連帯感 .02 .07 対人関係拡張 .03 .08 表3 LINE使用が社会関係資本に及ぼす影響 LINEでの 信頼感 LINEでの 互酬性 *p<.05, **p<.01 LINEでの互酬性 .09 * LINEでの信頼感 -.01 表4 社会関係資本がレジリエンスに 及ぼす影響 レジリエンス 表3と同様

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4. 考察 本研究では,LINE の使用が LINE での社会関 係資本に及ぼす影響及び,社会関係資本がレジリ エンスに及ぼす影響について,2つの仮説に基づ いて検討を行った.そこで以下に,それぞれの仮 説に基づいて知見と考察を述べる. 4.1 仮説の検討 1つ目の仮説は,「LINE の使用量,所属感,連 帯感,対人関係拡張がそれぞれ高いほど,LINE での社会関係資本が高くなるだろう.」であった. 分析の結果,LINE の使用量,所属感が高いほど LINE での信頼感が高くなること,LINE の使用 量が多いほどLINE での互酬性が高くなることが 認められたが,その他の変数の影響は認められな かったことから,仮説は一部支持されたといえる. まずLINE の使用が LINE での互酬性,信頼感 を高める効果が認められた.ネットの使用がネッ ト上での一般的互酬性,一般的信頼感を高めるこ とは,先行研究でも指摘されており,本研究の結 果もそれに沿ったものと考えられる. LINE は,既知の対人関係を基盤として対人的 ネットワークが形成されるツールであり,未知の 対人関係によるネットワークを基盤とする従来の SNS に比べて,対人関係が親密になりやすい.ま た,トーク機能等の閉鎖性の高いコミュニケーシ ョンを繰り返し行うことにより,特定者間での信 頼感が高まりやすいのではないかと考えられる. また,LINE の使用が多いほど LINE での互酬 性が高まることが認められたが,これも,個人や グループでのトーク機能の利用により,集団内で 互酬性の規範が形成され,LINE での互酬性への 期待が高まり,互酬性が高まる可能性が考えられ る.このように,本研究では,LINE の使用が LINE 上での互酬性,信頼感を高める効果が認められた が,他者一般に対する互酬性及び信頼感への影響 は明らかになっていないため,この点は今後検討 する必要があると考えられる. また,所属感が高いほどLINE での信頼感が高 まることが示されたが,これはLINE の使用によ って,やりとりする相手やグループとの結びつき が強くなり,所属感が高くなるほど,親密なコミ ュニケーションが多く行われ,相手への信頼感が 高まるためではないかと考えられる. 2つ目の仮説は,「LINE での社会関係資本が高 いほど,レジリエンスが高くなるだろう.」であっ た.分析の結果,LINE での互酬性が高いほど, レジリエンスが高まることが認められたが, LINE での信頼感がレジリエンスに及ぼす影響は 認められなかったことから,仮説は一部支持され たといえる. その理由として,一つに,ネット上での一般的 信頼感は,ネット上での一般的互酬性やオフライ ンでの一般的信頼感に比べて低いことが指摘され ており[3],本研究の結果でも,1,2 時点ともに LINE での信頼感は LINE での互酬性より低い結 果が認められた.このことから,LINE での信頼 感は比較的低いものであり,その効果も小さい可 能性があるのではないかと考えられる.一方, LINE での互酬性は,社会的資源やソーシャルサ ポートのやりとり等によって,LINE 上で多くみ られる.山岸[29]では,一般的互酬性への期待が 高いほど,集団内での協力行動が促進することが 指摘されており,LINE においても,互酬性への 期待から協力行動が促進し,サポートや資源がよ り多く得られる結果,レジリエンスが高まるので はないかと考えられる.このようにLINE 上では, 社会関係資本の中でも,とりわけ互酬性によって レジリエンスが高まり,精神的健康が向上する可 能性があると考えられる. 4.2 今後の課題と結論 今後の課題として,1つに,他の SNS の影響 の検討が挙げられる.SNS には,LINE 以外にも Twitter や facebook 等の様々なツールがみられる. 石井[30]では,SNS の種類別に特徴を検討した結 果,既知の友だちが多く,強いつながりを形成し

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ているSNS として,Facebook,mixi などが挙げ られ,既知の友だちが少なく,弱いつながりを形 成しているSNS として,twitter,モバゲー,グ リーなどが挙げられている.LINE は SNS の中で は,比較的強いつながりを形成するツールと考え られるが,ツールによってネットワークの構造や 使い方等も異なるため,異なる影響がみられる可 能性も考えられる.そのため,LINE 以外の SNS の使用についても検討を行い,どのようなネット の使用が社会関係資本に影響を及ぼすか検討する ことが課題と考えられる. 第2 に,LINE での社会関係資本がオフライン での社会関係資本に及ぼす影響の検討が挙げられ る.本研究では,LINE の使用が LINE での社会 関係資本を高める効果が認められたが,それが日 常生活での社会関係資本や社会参加にまで影響を 及ぼすかについては検討されていない.そのため, 今後はLINE の使用が LINE での社会関係資本だ けでなく,オフラインでの社会関係資本にも影響 を及ぼすかを検討することが課題と考えられる. 第3 に,レジリエンスは,個人の精神的健康の 向上やストレスの低減といった個人レベルだけで はなく,社会的行動の増加や社会規範の向上とい った社会レベルでの「コミュニティ・レジリエン ス」という視点からも捉えられる.そのため,ネ ット使用がネット上及びオンラインでのコミュニ ティ・レジリエンスに及ぼす影響についてもあわ せて検討し,ネット使用の社会的影響を明らかに していくことが挙げられる.これらの課題は残さ れているものの,本研究では,LINE の使用が LINE での社会関係資本を高め,社会関係資本が レジリエンスを高める可能性があることを実証的 に検討した点に意義があると考えられる. 注・文献 [1]総務省情報通信政策研究所. 平成 28 年情報通 信メディアの利用時間と情報行動に関する調 査報告書. 総務省, 2017.

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