【韓国】
1 月の市場動向トピックス
単月として過去最高の 625,400 人が訪日 2017 年 1 月の訪日韓国人数は、前年同月比 21.5%増の 625,400 人となり、単月として過去最高を記録。初めて 単月で 60 万人の大台を突破した。熊本地震後、ソウルからの直行便が運休していた熊本にチャーター便の運航が 開始されるなど、航空路線が拡大し、前年比で大幅に座席供給量が増加した。また、昨年は 2 月にあった旧正月 (ソルラル)の連休が今年は 1 月となったことから、前年比で 1 月の訪日者数を押し上げる要因となった。1 月の主なプロモーション活動
韓国のテレビ番組「あなたと一緒に(JTBC)」を東京と岐阜に招請した。韓国では、1 月 4 日から公開された日本の アニメーション映画「君の名は。」が観客動員数 350 万人を突破し、これまでに韓国で公開された日本映画の中で 歴代 1 位となるなど大ヒットを記録している。今回の招請では、その舞台となった飛騨地域でもロケを行い、韓国内 で「君の名は。」が話題になっているタイミングに合わせて放送した。この結果、1 月 31 日の番組放送後には、キュレ ーションサイト NAVER の検索数で「岐阜県」が第 3 位になるなど、多くの消費者の注目を集めることができた。 テレビ番組「あなたと一緒に(JTBC)」 「君の名は。」を取り上げたニュース番組 韓国市場では、昨年 5 月に開設した Instagram、カカオトークの他、JNTO 公式サイト、Facebook ページなど様々 なSNSを活用し、継続的にリアルタイムでの情報発信を行ってきた。1 月は、城崎温泉(兵庫県)、大通公園とテレ ビ塔(北海道)などを紹介した投稿に多くの反応があり、温泉や冬の魅力を訴求する記事掲載により、冬季の訪日 意欲喚起を図った。 Facebook への投稿例【中国】
1 月の市場動向トピックス
1 月として過去最高の 630,600 人が訪日 2017 年 1 月の訪日中国人数は前年同月比 32.7%増の 630,600 人となり、1 月として過去最高を記録。昨年 2 月 にあった旧正月(春節)休暇が今年は 1 月に移行したため、1 月の訪日者数が増加した(2016 年:2 月 7 日~13 日/2017 年:1 月 27 日~2 月 2 日)。現地旅行会社からも、春節期間中の訪日旅行需要が好調であり、旅行 先も定番のゴールデンルートや人気の北海道のみならず、新しいルートを好む傾向も見られつつあるとの声が聞かれ た。また、同休暇期間中には、クルーズ船の寄港やチャーター便の就航も多く見られ、訪日需要を後押しした。1 月の主なプロモーション活動
1 月 14 日に深圳、1 月 21 日に上海、1 月 22 日に北京にて、日本の食をテーマとした SNS オフライン交流会(オフ 会)を開催した。これは、2016 年 11 月 28 日~12 月 18 日に JNTO の公式微博上で実施した日本のグルメ写真 投稿キャンペーンと連動させた企画で、各都市から日本への個人旅行経験が豊富な男女約 30 名が参加した。旅 行やグルメに関する記事を多く投稿している美食家ブロガーをゲストに迎え、日本全国の食と旅の魅力について講 演を行った後、グループに分かれて、自らがお薦めする日本の食について情報交換を行った。上海会場では、ゲスト が岐阜や長崎、岡山を中心に各地域の魅力を紹介。グループ毎に選んだ「日本の食ベスト 3」の発表では、各地の ラーメンや神戸牛、てんぷら、蕎麦など定番のグルメのほか、網走の地ビールや馬肉焼肉、北海道で宿泊した宿の 主人が手作りした和菓子など、多様なジャンルのグルメが名を連ね、大いに盛り上がった。 集合写真(上海) グループディスカッション(上海) ゲストによるプレゼンテーション(深圳) 北京会場では、岐阜、石川を中心とした中部地方、青森や岩手を中心とした東北地方の観光エリアや魅力を紹 介。ゲストによるプレゼンテーションが多くの参加者を惹き付け、上海会場同様、大盛況となった。特に、飛騨牛や 金沢の近江町市場を紹介した際には、多数の参加者が画面を写真に収めていた。 初めてのオフ会開催となった深圳会場では、主に首都圏のお薦めグルメ情報やおしゃれなカフェ、ドラマや漫画にも 登場する居酒屋などを紹介。グループ毎におすすめベスト 3 を発表した際には、河豚鍋や小倉トースト、鈴虫寺近 くのカフェなど、多岐にわたるコンテンツが紹介され、訪日旅行に対する関心の高さが窺えた。【台湾】
1 月の市場動向トピックス
旧正月休暇が訪日需要を下支え 2017 年 1 月の訪日台湾人数は、前年同月比 9.3%増の 350,800 人となり、1 月として過去最高を記録。昨年は 2 月にあった旧正月休暇が 1 月に移行し、休暇を利用した訪日需要が増加した。また、LCC 路線の座席供給量が 前年同期比で約 29%増加したことも、リピーター層を中心に訪日意欲を喚起した。一方、LCC の新規就航や増便 によりアクセスが向上した近隣諸国や、訪日旅行との価格差が小さくなった欧州などへの旅行需要が増加しており、 訪日需要にとってはマイナスであった。1 月の主なプロモーション活動
1 月 13 日に、スターバックス台北保安門市店にて「精彩日本 楽遊大使」日本中国地方オフ会を実施。1 人あた り 10 分程度のプレゼンテーションや訪日旅行に関する情報交換を行い、大変盛況であった。本イベントには訪日旅 行の経験や知識が豊富な参加者が多数参加し、宿泊施設や最新の格安交通、グルメなどについて情報交換す る姿が見られた。このようなイベントの実施などにより、更なる訪日旅行ファンの獲得に努めていく。 台湾の人気ブロガーを兵庫県に招請し、六甲山スキー旅行の取材を支援した。今回取材を行ったツアーは、往路 は 6 時に台北発、復路は 22 時に台北着と日本での滞在時間を最大限満喫できる 2 泊 3 日のプランで、費用は 親子 3 人で約 13 万円(1 人当たり約 43,000 円)と高いコストパフォーマンスが魅力である。旅程には有馬温泉の 日帰り入浴や六甲山スキー、神戸アンパンマンミュージアムが含まれ、共働きの子供連れのニーズに合わせた内容 になっている。招請したブロガー一行の旅程は、当該ツアーを販売する「日本旅遊活動」のウェブサイトからダウンロー ドすることができ、日本で個人旅行をする際のモデルプランとしても活用されている。 「精彩日本 楽遊大使」オフ会の様子 六甲山スキー旅行へのブロガー招請【香港】
1 月の市場動向トピックス
1 月として過去最高の 185,500 人が訪日 2017 年 1 月の訪日香港人数は、前年同月比 48.4%増の 185,500 人となり、1 月として過去最高を記録。昨年は 旧正月休暇が 2 月 6 日~10 日、1 月の連休は年始の 1 月 1 日~3 日の 3 日間であったが、今年は 1 月 28 日 ~1 月 31 日と旧正月休暇が 1 月末に移動し、前年同月を大幅に上回る訪日者数となった。このような休日の増 加に加え、旧正月休暇に合わせたチャーター便の運航も訪日需要を後押しした。1 月の主なプロモーション活動
香港市場では、新コンセプト「ゆるたび」および重点プロモーション地域(北海道、中国・四国、昇龍道)を市場に浸 透させるための施策として、訪日旅行商品の造成や、共同広告による露出強化に力を入れている。2016 年 12 月 5 日~2017 年 2 月 10 日の期間には、現地の旅行会社 13 社との共同広告により、訪日意欲を喚起した。当該広 告のクリエイティブには、北海道や岐阜県で撮影した冬編の素材を用いて、これに連動する形で重点地域への旅行 商品を PR した。 1 月 9 日~22 日まで、格安航空会社の Jetstar と共同プロモーションを実施した。20 代の初訪日層をメインターゲ ットに、東京行き片道 588 香港ドル(8600 円相当)、大阪行き片道 568 香港ドル(8300 円相当)の航空券を販売 し、訪日旅行の手軽さを PR した。 共同広告の一例 Jetstar との共同プロモーション【タイ】
1 月の市場動向トピックス
各月の過去最高を継続して更新 2017 年 1 月の訪日タイ人数は、前年同月比 6.7%増の 65,200 人となり、1 月として過去最高を記録。前国王崩御 の後 30 日が過ぎた昨年 11 月中旬頃から、企業広告やイベントも徐々に再開され始め、一般消費者の旅行需要 も回復傾向にある。また、旅行自粛や報奨旅行の延期等、一部に影響も見られたものの、LCC や格安ツアー商品 の販売が好調だったことなどから、訪日者数は増加傾向を維持した。崩御直後から一時中止していた情報発信や 共同広告などJNTOの訪日旅行プロモーションについても、昨年 11 月から順次再開している。1 月の主なプロモーション活動
九州の各地域の認知度向上と旅行商品の販売促進を目的として、12 月中旬から1月下旬まで、熊本や大分など 九州地方のクリエイティブを用いた広告宣伝事業を、交通広告や新聞広告、テレビCM、ウェブサイトなどのメディアミ ックスにて実施している。同時に、バンコクの旅行会社等と連携して訪日旅行商品の購入者にギブアウェイを配布す るウェブキャンペーンも実施するなど、1 月以降の訪日、特に九州への旅行需要の増加を図った。 12 月中旬から 1 月中旬にかけて、タイの富裕層・中間層の冬期の訪日旅行の販売促進を目的に、現地の旅行会 社と、新聞やオンラインメディアなどに共同広告を掲載した。また、12 月には、タイ国際航空(TG)の年末チャーターを 販売する旅行会社コンソーシアムとの共同広告も実施し、年末の訪日需要の喚起に貢献した。 九州広告宣伝事業 旅行会社との共同広告事例【シンガポール】
1 月の市場動向トピックス
前年同月比 35.2%増の 20,400 人、1 月として過去最高を記録 2016 年は、日星外交関係樹立 50 周年(SJ50)にあたる記念の年であり、シンガポール市場では連続的に SJ50 事業を展開し、周年効果の拡大と日本のブランド力向上を図ってきた。シンガポールの月別外国旅行者数の伸び 率が 2016 年 5 月より鈍化傾向にある中、チャンギ国際空港ターミナルへのメガフラワーアレンジメントの展示(3 月 10 日~4 月 10 日)、航空会社と連携した割安航空券キャンペーン(4 月 1 日~5 月 18 日)、「日本の食」をテ ーマにオンライン・トラベル・エージェント(OTA) と共同で実施したオンラインキャンペーン(9 月)など、消費者に直接 訴求する様々な取り組みにより訪日意欲を喚起した。また、10 月には旅行博「Japan Travel Fair 2016」を開催、 さらに、在星日系公的機関による日本文化イベント「SJ50 Matsuri」とも連携するなど、官民一体となって総合的な 訪日旅行プロモーションに取り組んだ。このようなオフライン×オンライン双方による取り組みの効果が、2017 年におい ても継続しているものと考えられる。1 月の主なプロモーション活動
✸ 2016 年 10 月 28 日~30 日に、シンガポールの高島屋地下催事場にて旅行博「Japan Travel Fair 2016」を開 催した。3 日間合計で約 5 万 3 千人が来場する大盛況の中、JNTO は現地の大手旅行会社 12 社、及び日 本側出展者 16 団体とともに訪日旅行プロモーションを展開した。併せて、10 月 29 日~30 日には在星日本国 大使館をはじめとする在星日系公的機関が共同で主催したイベント「SJ50 Matsuri」とも連携するなど、オールジャ パンでの総合的な訪日旅行プロモーションを実施した。 ✸ シンガポール市場では、一般消費者向けの取り組みとして、Facebook での情報発信も継続的に行っている。1 月 の投稿で特に人気が高かったのは、日本国内の桜の名所 6 選を紹介した記事であった。 コミュニティサイト ランキングイメージ 桜シーズンに向けた Facebook への投稿例
【マレーシア】
1 月の市場動向トピックス
前年同月比 73.9%増の 34,500 人 2017 年 1 月の訪日マレーシア人数は、前年同月比 73.9%増の 34,500 人となり、1 月として過去最高を記録。 2016 年は 2 月 8 日~9 日であった旧正月が、今年は 1 月 28 日~29 日と 1 月に移り、休暇とその前後を利用し た訪日需要が増加した。また、エアアジア X が新千歳線を週 5 便から週 7 便に増便し、雪のシーズンが到来とも相 まって、マレーシアで人気の高い北海道への旅行意欲を一層後押しした。同便の増便は 12 月~1 月までの期間 限定であったことから、増便が終了する前の駆け込み需要もあったものと考えられる。1 月の主なプロモーション活動
2016 年 12 月 18 日~2 月 18 日まで、Expedia Malaysia のウェブサイト内に訪日プロモーションページを掲載した。 マレーシアでは桜を目的とした訪日需要が高いことから、今回は特に東北、北海道などの、まだ桜の名所として認知 されていない場所を中心にその魅力を紹介し、同地域への個人旅行者(FIT)の誘客を図った。 2016 年 12 月 15 日~2 月 14 日まで、マレーシア向け Facebook ページのファン数増加と、訪日需要促進を目的 として、同ページ上にて動画コンテスト「My Dream Trip in Japan」を開催した。実際に訪日した際に撮影した動画、 訪日旅行に対する思いを語る動画など、参加者はそれぞれの言語で訪日旅行の魅力を紹介。一般消費者による リアリティのある情報発信が、今後の訪日意欲喚起に繋がるものと期待される。Expedia Malaysia サイト内における
【インドネシア】
1 月の市場動向トピックス
1 月の訪日者数 22,500 人(前年同月比 63.8%増) 2017 年 1 月の訪日インドネシア人数は、前年同月比 63.8%増の 22,500 人となり、1 月として過去最高を記録。航 空会社との共同広告やテレビ CM、Facebook などを活用した冬シーズンの訪日旅行プロモーションが奏功した。加え て、昨年 9 月に実施した旅行博「ジャパン・トラベル・フェア」や、8 月~10 月に多数の旅行会社・航空会社が独自に 開催したトラベルフェアで販売された安価な航空券の売れ行きが堅調であったことも、個人旅行者(FIT)を中心とし た訪日者数の増加に繋がったと考えられる。 ANAが羽田~ジャカルタ線増便、8月から 全日本空輸(ANA)は、今年8月1日から羽田~ジャカルタ線を増便すると発表した。増便分のスケジュールは以下 の通りである(時刻はいずれも現地時間)。なお、航空券は1月26日から発売が開始されている。 往路(NH871便): 午後11時30分羽田空港発/翌日午前5時5分ジャカルタ スカルノ・ハッタ国際空港着 復路(NH872便): 午前6時55分ジャカルタ スカルノ・ハッタ国際空港発/同日午後4時30分羽田空港着1 月の主なプロモーション活動
まだツアー造成が進んでいない地方の魅力を発信し、訪日需要の地方分散を促進することを目的に、瀬戸内と南 東北の 2 コースに現地の旅行会社 24 社を招請した。瀬戸内コースでは、原爆ドームや宮島、道後温泉などを訪れ、 しまなみ海道のサイクリングを実施。南東北コースでは、蔵王や会津などを訪れ、スノーシュー体験を実施した。参加 した旅行会社からは、「今後、ぜひ旅程に組み込みたい」といった前向きな感想が聞かれた。 全日本空輸、キャセイパシフィック航空、シンガポール航空、シルクエアの合計 4 社の航空会社との共同広告を実施 した。今回は、大手新聞 Kompas 社への共同広告だけでなく、新聞広告に比べ低価格でより多くの広告回数を得 られるラジオを活用した共同広告も実施した。旅行会社招請(南東北コース) 航空会社との共同広告(新聞広告)
【豪州】
1 月の市場動向トピックス
単月として過去最高の 61,100 人、前年同月比 9.0%増を記録 2016 年 12 月 16 日より、カンタス航空のメルボルン-成田便が新規就航。ジェットスターも同区間に路線を持っており、 両便が利用可能となったことから訪日需要を押し上げる要因となった(ジェットスターの運航は 2 月まで)。また、継続 的に実施してきた訪日旅行プロモーションなどによる訪日機運の高まりも後押しとなり、堅調に推移した。1 月の主なプロモーション活動
1 月 14 日に、シドニーにて、観光庁、(一社)日本旅行業協会(JATA)とともに、現地のメディアや旅行業界関係者 等を対象とした「日豪観光セミナー」を開催し、JNTO とオーストラリア政府観光局(TA)との間で日豪双方向の旅 行需要拡大を目的とした協力覚書を締結した。ご臨席いただいた安倍内閣総理大臣は、「2020 年の東京オリンピ ック・パラリンピック開催に向け、国を挙げて海外からのお客様を歓迎する体制を整えている」と述べられるとともに、豪 州の海岸リゾート、食やワイン等の豪州の魅力にも触れながら、双方向交流の拡大を呼びかけられた。 大手メディア「Newscorp」が発行する新聞(ニューサウスウェールズ州:Sunday Telegraph 紙、ビクトリア州:Sunday Herald Sun 紙、クイーンズランド州:The Sunday Mail 紙)の日曜版や、オンライン媒体「News.com」に、スキー旅行、 子供連れの海外旅行に日本がいかに素晴らしいかを紹介する記事や、日本で泊まれるユニークな宿泊施設等の記 事広告を掲載した。オンライン媒体 News.com に加えて、Air Asia とともにバナー広告キャンペーンを実施した。
(左上)日豪観光セミナー (右上)News.com への掲載記事 (左下)オンラインバナー広告
【米国】
1 月の市場動向トピックス
前年同月比 16.2%増、1 月として過去最高を記録 2017 年 1 月の訪日米国人数は、前年同月比 16.2%増の 88,200 人となり、1 月として過去最高を記録。2014 年 4 月から 34 か月連続で各月の過去最高を更新している。トランプ新大統領が、イラン、イラク、リビア、ソマリア、スー ダン、シリア、イエメンの 7 か国からの入国を一部制限する大統領令を発令。現地では、有効なパスポートとビザを有 していても入国を拒否されるケースも発生するなど、混乱が生じている。米国に在住するこれら 7 か国の国籍保有 者が旅行や出張による国外への移動を控えるようになるだけでなく、他地域でも同様の対応や制限が行われた場 合、国境を越えた移動に後ろ向きな風潮が生まれることが懸念される。1 月の主なプロモーション活動
1 月 27 日~29 日の 3 日間、ニューヨーク市において「The New York Times」が開催する旅行博「The New York Times Travel Show(NYTTS)」にビジット・ジャパン(VJ)ブースを出展した。出展にあたっては、事前に共同出展者 を募集し、計 15 団体の自治体や旅行会社等観光関係団体にご協力いただいた。主催者発表で過去最高となる 3 万人を超える入場者数を記録し、多数の来場者が VJ ブースを訪問される中、共同出展者とともに日本の地方 の魅力やアクセスなどについて幅広く情報発信を行った。 1 月 22 日と 26 日に、ロサンゼルス市内とオレンジカウンティのアーバインでヒスパニック系を顧客にもつエージェントを 対象としたセミナーを開催した。総勢 47 名の参加者に対し、訪日旅行の基礎的な情報発信を行うとともに、米国 人口の約 2 割近くを占め、今後の訪日旅行需要の拡大が期待されるヒスパニックマーケット開拓のための市場調査 的役割も兼ねたセミナーであった。 ヒスパニック向けエージェントセミナーの様子 NYTTS における VJ ブースの様子
【カナダ】
1月の市場動向トピックス
欧米豪市場でトップの伸び率を記録 2017 年 1 月の訪日カナダ人数は、前年同月比 27.8%増の 22,600 人となり、1 月として過去最高を記録。主な増 加要因として、昨年は 2 月であった旧正月が 1 月末に移行し、休暇に合わせて多くの中華系カナダ人が訪日したこ となどが考えられる。また、昨年 6 月に中華系 TV 局を招請した結果が、現地のテレビ番組で放映されたことや、旅 行会社との共同広告などにより露出を強化したことなども訪日意欲を喚起し、好調な伸びに結び付いた。 アジアでもトップクラスの伸び率を記録カナダの政府系調査機関である Conference Board of Canada(CBoC)が発表した 2016 年 1 月~11 月のカナダ 人観光客数の推移を見ると、カナダ全体では前年同期比 3.4%減となっているが、米国を除いた場合は同 3.5%増、 アジア・オセアニア地域では同 7.7%増と全体に比べて高い伸びを示している。その中でも、日本はアジア地域において 人数では中国、香港に次いで 3 位、伸び率でも韓国(同 20.7%増)に次ぐ 2 番目(同 18.7%増)となっており、カナダ市 場における訪日需要の好調ぶりが窺える。
1月の主なプロモーション活動
JNTO では、海外の有力媒体への露出強化を目的として、日本の観光記事を執筆するために訪日するジャーナリ ストの取材支援(メディア広報支援事業)を行っている。継続的な事業実施の成果として、1 月は、カナダの季刊旅 行雑誌「Canadian World Traveller」に、「The Japanese Onsen, The Naked Truth」というタイトルの九州探訪記 事が、また、オンライン旅行サイト Travel IndustryToday.com に、「John Lennon Slept Here」というタイトルで軽井 沢に関する記事が掲載された。いずれも興味深いトピックであり、訪日旅行への興味関心の喚起に繋がるものと期 待される。
Canadian World Traveller の
「The Japanese Onsen, The Naked Truth」
Travel Industry Today.com の 「John Lennon Slept Here」
【英国】
1 月の市場動向トピックス
2017 年 1 月の訪日英国人数が過去最高を記録 2017 年 1 月の訪日英国人数は、前年同月比 18.1%増の 20,800 人となり、1 月として過去最高を記録。例年、
冬季は訪日旅行のオフシーズンとなるが、経由便を中心に比較的安価な航空券が販売されていることや、
英国経済が堅調であることなどが、訪日旅行プロモーションの効果を後押しし、堅調に推移した。 英国における訪日旅行人気 昨今、英国では訪日旅行への関心が高まり、様々な媒体で注目の旅行先として紹介されている。英国の主要旅 行雑誌「Wonderlust」の読者投票による Wanderlust Travel Awards 2017 では、ベストシティ部門で京都が 1 位に、 国別部門で日本が 5 位にランクインした。同時に、ベスト TV およびラジオ番組には、JNTO が取材を支援し、昨年 9 月に ITV で放映された「Joanna Lumley’s Japan」が選ばれた。同番組では、英国で幅広い年齢層に愛される女 優が訪日旅行を楽しむ様子が 3 回にわたって放映され、多くの視聴者に訪日旅行の魅力を訴求することができた。 また、英国の主要紙「The Sun」では、アマゾン UK の旅行本セールスにおいて、日本に関する書籍が最も多く販売さ れていると報道され、訪日人気の高まりが窺える。JTNO では、今後より一層、訪日需要の喚起に向けた訪日旅行 プロモーションを続けていくとともに、訪日旅行に関心のある層に対し、実際の旅行行動に繋がるような取り組みを行 っていく。1 月の主なプロモーション活動
2016 年 12 月から 2017 年 3 月にかけて、JNTO では「ビジット・イースト・アジアキャンペーン」の一環として、日本・中 国・韓国を周遊するルートを促進する取り組みを行っている。日中韓 3 か国を周遊するクルーズ商品を取り扱う旅行 会社と連携した共同広告や、航空会社と連携した日本から中国・韓国に安価で渡航できる国際航空券をPRする 共同広告を実施。特にクルーズについては、アジアの複数国を周遊するルートが多数販売されているため、こうした 取り組みを通じても、訪日英国人数の増加を狙っていく。 クルーズ会社との共同広告例【フランス】
1月の市場動向トピックス
2017 年 1 月も堅調、各月の過去最高を更新 2017 年 1 月の訪日フランス人数は、前年同月比 19.2%増の 14,400 人となり、1 月として過去最高を記録。昨秋以 降の大規模な広告宣伝の結果、訪日旅行への関心が高まっていることや、比較的低廉な航空券が販売されてい ることなどが後押しとなり、順調な滑り出しとなった。また、フランス政府が、非常事態宣言の再延長に関する法案を 閣議決定したことをはじめ、国際的なテロ活動の発生や、近隣諸国の政局不安により、日本の安全性が評価され る結果となっている。関係者へのヒアリングによると、日本行きの航空券予約は増加傾向にあり、春のシーズンに向け た訪日需要増加が期待される。1月の主なプロモーション活動
1 月 23 日~2 月 5 日に、フランスの大手ハイパーマーケット、カルフール(Carrefour)に付属する旅行会社 Carrefour Voyage 及び ASIA 社との共同キャンペーンを実施した。キャンペーンの実施にあたっては、カルフールのカタログやオン ラインでの広告掲載、マーケット内の家電コーナーで販売しているテレビや旅行会社の店舗内にあるモニターでの動 画放映など、様々な媒体で露出強化を図った。キャンペーン商品は 7 泊 9 日、2490 ユーロからで、ASIA 社が造成、 Carrefour Voyage が販売を行った。 *参考 URL: http://new.voyages.carrefour.fr/ 1 月 23 日~2 月 27 日に、日系航空会社と共同キャンペーンを実施し、パリ、リヨンでの交通広告にオンライン広告 を組み合わせて展開した。また、1 月 23 日~29 日には、シャルル・ド・ゴール(CDG)空港、及びパリ・メトロ駅構内の 電光掲示板など訴求力の高い場所で動画を放映し、日本の露出強化を図った。いずれも、欧州における訪日需 要促進のために、新たに定めたブランドコンセプトに基づいた統一クリエイティブを用いた広告を展開した。 パリの地下鉄における交通広告 Carrefour 及び ASIA 社との共同広告【ドイツ】
1 月の市場動向トピックス
2017 年 1 月の訪日ドイツ人数が過去最高を記録 2017 年 1 月の訪日ドイツ人数は、前年同月比 6.6%増の 10,300 人となり、1 月として過去最高を記録。例年、1 月~3 月は外国旅行のオフシーズンとなることから、閑散期の需要促進を目的に実施した航空会社との共同広告 や昨秋以降継続的に実施している広告宣伝事業などが訪日意欲を後押しし、堅調に推移した。 ドイツ市場のアウトバウンド動向 2016 年のドイツからアジア各国への訪問者数は、それぞれタイ 83.6 万人(前年比 10%増)、香港 22.7 万人(同 6% 増)、韓国 11 万人(同 10%増)となる中、日本は 18.3 万人(同 12.7%増)と周辺諸国よりも高い伸びを示した。一方 で、閑散期である年末の訪問者数の伸びは各国とも 1 桁台に留まり、冬季の人気の旅行先であるタイも落ち着い た伸び率となった。1 月の主なプロモーション活動
1 月 14 日~22 日に、シュトゥットガルトで開催された旅行見本市「CMT 2017 The Holiday Exhibition」にビジット・ ジャパン(VJ)ブースを出展した。CMT は、欧州最大級の B to C 旅行見本市であり、9 日間の会期中、約 22 万人 が来場した。VJ ブースでは、現地の旅行会社や運輸機関に加え、中部・関西・広島からの共同出展者とともに、日 本各地の旅行先の紹介と訪日旅行商品をワン・ストップで提供した。 昨年同様、全般的に高い訪日意欲のある来場者が多い中、今年は特に、訪日旅行に対する具体的なニーズの 高まりが感じられた。今年は、「今年、または来年中に日本に行きたいと考えている」という来場者が非常に多く、具 体的な地名を出して行き方を尋ねるなど、個別、具体的な質問が多く聞かれた。特に照会の多かった地域は北海 道と沖縄で、それぞれスキーと手つかずの自然、ビーチリゾートを目的に旅行を検討する様子が多く見受けられた。当 該 2 地域がドイツ人の関心を集めている大きな理由として、1 つには地道かつ継続的に実施してきた訪日旅行プロモ ーションの結果、ドイツでの認知度が高まったこと、2 つにはその結果として、大手オペレーターにより関連の旅行商品 が造成され、カタログなどに掲載されるようになったことが考えられる。 本見本市の来場者の多くは、ドイツの中でも比較的高所得者が多い州に居住しており、本見本市でターゲットとす る中間~富裕層にリーチする貴重な機会となる。JNTO では、来年度は規模を拡大して出展することも視野に、引 き続き訪日意欲喚起に向けて取り組んでいく。 VJ ブースの様子 来場者の質問に応じる様子