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(1)

6章レールガンプラズマの制御

プラズマを電機子に用いたレールガンでは,プラズマの膨張を如何にして制御するかが 大きな課題である.アブレーションによってプラズマ電機子の質量は増大し,加速方向の長 さが増大する.質量および体積の増大は,たとえばレーリー・テーラー不安定 性の発生を 助長し,プラズマ電機子の分裂というシナリオで加速度の低下を招く.

本章では,レールガンのプラズマを制御するための方針を述べ,実際に試みたいくつか の方法およびその実験結果についてそれぞれ述べる.

6.1プラズマの制御法

プラズマを制御するということは,如何にプラズマをコンパクトに飛翻体の背後に閉じ 込めておくかということに他ならない。プラズマの圧力と磁気圧力を如何にバランスよく 保つかということである。このための方針がいくつかある[41].

a

b

c

アブレーシヨンの抑制一プラズマに浸入する粒子を低減する.

プラズマ電機子内粒子排出一プラズマ内の粒子を排出する.

電磁力制御一磁気圧の低下を抑制する.

それぞれについて以下にもう少し詳しく説明しよう.

(1)加速管におけるアブレーションの低減

加速管壁への熱負荷を低減する、または加速管を耐熱化するなど,アブレーションを抑 制することによってプラズマ内に混入する粒子を低減する.

熱負荷を低減する方法についてもいくつか考えられる。まず、加速初期においては飛翻 体の予備加速が最も効果的である。(3‑2)式に示されるように,加速管への熱負荷は速度が 遅いときほど大きいので,加速管内において飛翻体の初期位置からわずか数cmまでが局所 的に損傷し,他はほとんど傷まない.飛翻体に初速を与えることができれば,加速初期に おけるアブレーションを大幅に軽減でき,加速管の損傷を小さくできる6また,アブレー ションの低減によってプラズマの加速初期における質量が小さく抑えられると、プラズマ の粘性抵抗など加速中の抗力が抑制されるので,射出速度の低下を防ぐことができる.

熱負荷を低減する二番目の方法は,3章で述べたバイアス磁場を用いる方法である.プ ラズマで発生する熱量を低減するために,駆動電流を低減する.電磁力の低下を補うため にレール電流によって生じる磁場を増強するような向きに外部から磁場を印加する.ただ し,バイアス磁場がプラズマに作用し抵抗率が僅かに上昇するので,注入電力は減らした 電流ほどは減少しない.

7

(2)

耐熱化の方法は,加速管を構成する材料として,たとえばレールにタングステン,銅一 タングステン,絶縁壁にセラミック系などの耐熱特性を有する材料を用いようとするもの である.また,レールを裏側から水あるいは液体窒素で冷却するなどの方法も考えられる.

(2)プラズマ粒子数制御

飛期体の予備加速,低電流駆動および加速管構成材料の耐熱化などの考え方は,プラズ マの質量が増加する原因となる加速管壁材料のアブレーションを抑制するための,いわば 事前措置である.これらに対して,増大したプラズマを加速中に一部取り除いて,プラズ マをコンパクトにするという,いわば事後措置がプラズマ粒子数制御の考え方である.

分散電極型レールガン(DiscreteElectrodeRailgun;DERG)[82,83],プラズマ排出孔 (Spouthole)[84,85,86]などがある.DERGは多数の櫛状分岐電極を有し,これら分岐電極 の端面が絶縁体加速管の内面に露出して分散電極面を形成する.この構造利点は,各分岐 電極をフューズ等のスイッチング素子を介してレールと接続することよりプラズマ電流の 空間分布を制御できることである.増大するプラズマの後端への電流を強制的に遮断する ので,それ以降のプラズマは主部に追いつくことがでぎず,結局プラズマ主部から取り除 かれることになる.

プラズマ排出孔は,加速管上の数箇所に直径数mmの孔を設けるだけの非常に単純な構成 である.プラズマが孔の上を通過する際に一部が穴の中に取り込まれるので通過後のプラ ズマがコンパクトになる.従来型レールガンで必ず発生するプラズマ電機子の分裂が排出 孔を設けることによって消滅する場合があるという報告がある.プラズマ排出孔に関して は,6.3で詳しく述べる.

(3)電磁力の制御

我々の実験を含めて幾つかのレールガンの加速実験を見ると,駆動電流が最大値を過ぎ て減少し始めて間もなく異常に加速度が低下する現象がみられる[24,73,87,88]・アブレー ションによってプラズマの質量・体積が増大すると,プラズマを閉じ込める磁気圧力も増 加させなければならない.電流が減少し始めると電磁力は減少するが,そこまでに膨らん できたプラズマの質量は急には減少しないので,プラズマは急激に膨張し始める.プラズ マが膨張すると加速管との接触面積が増加するので,粘性抵抗等の抗力が大きくなる.場 合によってはプラズマ内における電流分布に局在化が起こり,電機子電流の分裂の引き金 になる可能性もある.

アイスペレット加速のように加速中の最大加速力が限られている場合には,駆動電流を 矩形化するなど,加速後半での電磁力の減少を防ぐことが望まれる.また,電流の最大値 付近を除いた加速初期と後半のみにバイアス磁場をかけるなど,加速中の電磁力が変化し ないようにすることが重要である.

(3)

6 . 2 . 1 プ ラ ズ マ 衝 突 法 の 概 念

プラズマ衝突法[45,46]とは,通常飛朔体の背後に密着させて設置するプラズマ源(金属 細線など)を飛朔体後方数cmの位置に離して設置する方法である.ただ単純に飛翻体とプ ラズマ源を離して設置することからPISP(PlasmalnitiatedSeparatedfromProjectile)

と呼ぶこともある.図6−1に概念を示す.飛朔体なしでプラズマのみをレールガンで加速 すると,僅か数cmの加速距離で10数km/sの速度に達する(A).プラズマ源である0.1mg 程度の銅細線がすべて気化して加速されるとすれば,その運動量は19.m/s以上となる.

このプラズマを飛翻 体に衝突させるとプラズマから飛翻体への運動量の伝達がおこる(B).

飛測体が非常に軽い場合,たとえば10mg程度であれば,非弾性衝突が起こるとして飛測 体は数10m/sの初速度を得ることになる.(3‑4)式に示されるように,加速管への熱負荷 は速度が遅いときほど大きいので,初期の僅かな運動量でも加速管壁への熱負荷は大幅に 軽減される.衝突後はレールガンの通常の動 作と同じである(C).

6 . 2 . 2 実 験 装 置 お よ び 方 法

レールガンは図3−6に示される単純型を用いた.ただし,プラズマからの発光が観測で きるように支持物にはFRPの代わりにアクリルを用いた.従来のようにプラズマ源を飛測 体に密着させたものとPISPを用いた場合について,射出速度,加速管壁(レール)のエロー ジョン,動作の安定性(再現性),およびプラズマ電機子の振舞(電流密度分布など)などに ついて比較した.また,プラズマの走行状態を観測するために,ストリークカメラ

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6 . 2 プ ラ ズ マ 衝 突 法

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図6−1プラズマ衝突法の概念

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(C

7

(4)

6 . 2 . 3 実 験 結 果 お よ び 考 察

(1)プラズマ衝突法におけるプラズマの挙動

図6−2に電流およびB−dotプローブの出力波形を示す.図6−3は同一ショットにおいて プラズマの走行状態を観測したストリーク写真である.写真の像はプラズマからの発光の 軌跡をしめす.時間軸と平行な黒い筋状の線は,観測窓に設けた計測ポートの影である.

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図6−2動作後のレール表面(断面)

6m

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6 − 2 卜

(IMACON790,HadlandPhotonics)を用いた.動・作雰囲気は0.1Torrである.

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1U一

図6−3プラズマが加速されて飛測体に衝突する様子(ストリーク写真)

ペレット質量:30mg

プラズマ源(銅細線)質量:QO8mg

ペレットープラズマ源(銅細線)の間隔:15cm

7

1

画⑪. 21 2[

(5)

( 2 ) 飛 翻 体 加 速 実 験

図6−4および6−5はそれぞれ細線を飛翻体に密着させた場合および離しておいた場合

(PISP適用)の典型的な動作である.加速距離は40cmである.B‑dotプローブはx=0 を飛翻体の初期位置として,0,10,20,30,35cmの位置に設置されている. *' は飛 翻体が銃口から射出される時刻をあらわす.

細線を密着させた場合,プラズマはほとんど加速されず,途中で停滞する場合が多い.

図6−4においてプラズマ電流の通過がx=10,20cmの位置で認められるが,飛朔体は既 に8501ルsで射出されており,飛翻体と電流の動きとが全く異なっている.このショットに おける飛翻体の射出速度は820m/sであった.

図6−6に図6−4に示すショットにおけるプラズマ発光のフレーミング写真を示す.フレ ーム間隔は200us,露光時間は201』sである.支持物であるアクリルを通して観測してい るので,散乱・反射等によって少し広がって見える.発光強度の強い部分はほとんど動か ずに停滞しており,発光の先端のみが銃口へと伸びている.発光部分はプラズマの供給源

7

図6‑5細線を離して設置した場合の動作

2 2

,

,

0釦⑩

図6‑4細線を密着させた場合の動作

プラズマ源である銅細線の設置位置をx=0として,飛翻体を加速方向の前方15cmに置 いてある・銅細線は気化する前に移動しないように加速管に固定されている.図6−2およ び6‑3における時間軸のr=0は電流が流れ始める時刻を示す.

電流が流れ始めてから銅細線が気化した後,銅蒸気の絶縁破壊によって放電チャネルが 形成される.ここまでに約51ルsを要する.放電チャネル形成後電磁力によってプラズマが 加速され,!=241ルsで飛翻体に衝突していることがわかる.衝突時の速度は約10km/sで ある.プラズマは加速初期から非常に高速で移動するので,この区間における加速管の損 傷はほとんど見られない.衝突後,一時的に速度が0近くに低下するので,加速管のアブ レーションが激しく起こって発光強度が大きくなる.同時に,発光が前後に膨張し始めて おりプラズマの体積が増大する様子が認められる.細線設置位置において発光が残ってい るのは,気化した細線の一部が加速されずに取り残されていることを示す.

4

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図6−6細線を密着して設置した場合の動作 プラズマからの発光のフレーミング写真

フレーム間隔200us,露光時間20肌S

として機能しているように見える.飛朔体の射出時刻を考えると,発光の先端に飛邦体が あると考えられる.この場合の飛朔体の加速は電磁力による通常のレールガンとは異なり,

むしろ高温プラズマの圧力を利用する電熱ガン[55,56,57]の動作に近い.飛朔体が銃口か ら出ると加速管内の圧力がさがるので,停滞していたプラズマ(発光強度の強い部分)が右 方向へ動き出す.

図6−5ではプラズマ源の銅細線は邦=−5cmの位置にある.この場合,僅かにプラズマ 電流の分裂が見られるものの,主部は電磁力によって加速されていることがわかる.プラ ズマ電流の銃口への到達時刻と飛測・体の銃口脱出時刻はほぼ一致する.射出速度は1120 m/sであった.

図6−7(a)および(b)はそれぞれ細線を飛翻体に密着させた場合およびPISPを用いた場合 のショット後のx=0付近におけるレール表層の断面写真である.細線を密着させた場合 は,レール内部から噴き出すようにな損・傷を受けており,相当なエネルギーが注入された と考えられる.加速管表面から噴出する蒸気の量が電磁力によって前方へ押しやられる量 と同程度かそれ以上であれば,その場で放電を維持すると考えることができる.一旦ある 場所へのエネルギー供給量が放電維持条件を満たすような閑値を超えると,放電は停滞す

る.一方,PISPを用いた場合は放電が停滞することはなく,相当に加速初期における壁へ の熱負荷が低減されていると考えられる.

プラズマ衝突法をもっと効果的に利用するためには,衝突するまでの時間にプラズマの 運動量を増加して飛朔体に与える速度を大きくする必要がある.プラズマ源に電流が流れ 始める時刻をz=0,衝突する時刻を/cとして衝突する直前のプラズマの運動量は,(3‑2)

式をから'

7

(7)

",÷J:

ぐ一Boundary

(a)細線を飛湖体に密着させた場合

& 一

(b)細線を離して設置した場合(PISP法)

図6−7動作後のレール表層断面写真

Boundary

(61

となる.図6−3における衝突時の値を用いてた=241ルs,vp=10km/sとすると,衝突時の プラズマの質量は0.02mgとなる.この 値はプラズマ源として設置した銅細線の約25%で あり,残りは取り残されていることになる.非弾性衝突であるとすると,30mgの飛翻体は 約7m/sの速度を得ることになる.このように,実際には細線溶断によってプラズマを生 成する場合,細線が気化する際に膨張する,あるいは不均一性のためにプラズマの一部だ けが加速されるといったことが起こるため,さほど運動量を大きくできない.この方法を 用いて加速初期のアブレーションを低減するには限界がある.

6 3 孔 に よ る 粒 子 の 排 出

6 . 3 . 1 プ ラ ズ マ 排 出 孔 の 概 念

プラズマ排出孔(SpoutHole)[84,85,86]とは,加速管から外部へ通じるように設けた孔 のことである.この孔の上をプラズマが通過するとき,プラズマ中の粒子が一部この孔か ら排出されることを期待し,プラズマの質量増加を抑制するのがねらいである.図6−8に 概念を示す.排出孔のアイデアはすでに他の研究グループによって実証されており,排出

7

(8)

孔によってプラズマの膨張・分裂を遅れさせたという報告がある[84]、この排出孔を適当 な形状で適所に設置することによって,長距離加速でも電機子分裂のない安定した加速を 実現できる可能性がある.このためには,排出孔を通過することによって,プラズマの構 造にどのような変化が起きるのかということを調べておく必要がある.

本節では,排出孔を設置した場合と設置しない場合においてプラズマ電機子中の密度分

、布を調べ,密度分布の 情報から排出孔がプラズマにどのように作用するのかについて;検討 した.密度分布計測には,一回のショットで加速方向の分布を一度に獲得できることから,

He‑Neレーザを用いたMach‑Zehnder干渉法[91,92]で行った[90]

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図6‑8プラズマ排出孔の概念

(A)通過前,(B)通過中,プラズマの一部が孔から出る (c)通過後,プラズマはコンパクトになる.

6 . 3 . 2 実 験 装 置 お よ び 方 法

図6−9に計測部分のレールガン装置の│断面図を示す.測定に使用したレールガンは50cm の永久磁石を用いた磁場バイアスレールガン(ARGPM50)である.本実験では,プラズマの挙 動の再現性が良い加速初期の5〜10cmの部分の挙動を調べるため,図6−1Oのように銃口 から10cmの部分を使用した.飛朔体は銃口から8cmの 位置に置かれ,排出孔は飛邦体か ら4.5cmに設けられている.排出孔の直径および長さは3mm。および40mmである.干渉 計測用の窓は,絶縁壁を一部切り取り5mm×5mmの石英ガラスを取り付けることによって レーザ光が加速管を貫通するようにした.また,B‑dotプローブを干渉計測用の窓と同じ位 置に設け,電流分布の変化を観察した.動作雰囲気は0.1Torr,飛測体の質量は25mgと

した.レーザ干渉計測についての詳細は付録1.1.2に譲る.

7

(9)

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図6−9レールガンの断面および測定系

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3.5cm

図6−11および6‑12に排出孔を設置しない場合および設置した場合のレールガンの典型 的な加速動作を示す.通常,排出孔を設けない場合はx=20〜30cm付近でプラズマの分 裂が見られる.#1660ではすでにX=25cmの位置のプローブに電流の分裂が見られる.一

78

4.5cm

Rail9upL(r 1cm..一…

実 験 結 果 お よ び 考 察

3.

図6−10レーザ干渉計測におけるレールガンの詳細設定

( 1 ) レ ー ル ガ ン の 動 特 性

(10)

︵Eu︶色︒憲吻◎ユぢぢ里④口 505050的釦⑩釦鋤00町2211

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0 1 0 0 2 0 0 3 0 0 釦 0 5 0 0 6 0 0 7 0 0 G O O

(Usec

図6−11排出孔なしの場合の加速動作

505050釦釦⑩鈎釦拘0旧2211

(2)レーザ干渉法を用いたプラズマの電子密度分布測定

図6−13および6−14に排出孔を設置しない場合および設置した場合の動作を示す.それ ぞれ上から順に電流,B‑dotプローブ信号,PINフォトダイオードによって検出される干渉 信号である.プラズマが観測窓を通過するとき,電流は約16kAである.B‑dotプローブ信 号の2901ルsに見られる負の信号は,プラズマが銃口に到達して電流が減少し始めることに よって生じる.干渉信号の218ILS付近に見られる負のスパイクは飛朔体がレーザ光を遮断 したことを示す.vlとv2で囲まれる範囲は計測システムの機械的な振動で生じる振幅で,

レーザ光の強度に変化がなければ干渉信号はこの範囲内で振動する.しかしながら,プラ ズマからの発光や,レーザ光がプラズマを通過する際に減衰,偏光等が生じるため,この 範囲を上下に超えることがある.v3は測定光を遮断した場合のPINフォトダイオードの出 力であり,信号の大きさがv3以下になることはない.

図6−11において干渉信号は501ルs付近からゆっくりと上下に振れ始める.飛翻体の通過 直前までに干渉信号はl周期分以上振動しており,直前で電子密度は約9×l0l7cm‑3に達す ることがわかる.しかしながら,B‑dotプローブの信号から電流飛翻体前方に洩れたプラズ マにはほとんど電流が流れていないと思われる.飛翻体の通過直後にみられる大きな膨ら みは,プラズマからの発光が重畳されたものである.図6‑11(b)は干渉信号波形内の斜線部 方,x=10cmの位置に排出孔を設けた場合は,25cm以降も分裂が生じていないことがわ かる.排出孔を通過して数10cmは効果が持続することがわかる.

図6−12排出孔を設けた場合の加速動作 排出孔位置:x=10cm

7

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8 図6−13排出孔がない場合の動作

1804 1807

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心.06

︷・己・田︶ので︒﹄ロヱーユ

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の拡大図である.

238ILS付近から密度の変化に起因する細かい振動が見られる.いったん255us付近で 振動は停止するが,再び振動がはじまりその周期は徐々に短くなる.その後284usで再び 振動の周期が長くなる.この振動はプラズマ内における密度変化を暗示している.密度分 布のピーク付近では密度勾配が小さいので干渉信号はゆっくり振動し,その両側では急な

密度勾配によって速く振動するはずである.したがって,255Ms付近が電子密度のピーク であると考えることができる.しかしながら,プラズマ前部では振動が観測されなかった.

図6‑14排出孔を設けた場合の動作

2 2 0 2 3 0 2 4 0 2 5 0 2 5 0 2 m 2 8 0

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(b)干渉信号の拡大 (図(a)におけるハッチング部分)

z 2 p 2 3 0 2 4 0 2 5 0 2 6 0 2 7 U

(1s

(b)干渉信号の拡大 (図(a)におけるハッチング部分)

︵︒.︒⑮︶⑩ロ◎一ロヱーユ ︵︒.・両︶①で○一口z一匹 000086420 1807

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(a)上から順に電流,B−dOtプローーブ,干渉信号(a)上から順に電流,B−dotプローブ,干渉信号

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︵︒︒・両︶①で○一つヱーユ

1804 1807

(12)

8642042086420420864200000111111

これは,プラズマ密度が大きいためレーザ光が透過できなくなったことと,電子密度の急 勾配に起因するレーザ光の偏光によって干渉パターンがおびただしく乱されたことが原因 であると考えられる.

一方,排出孔を設けた場合は,飛朔体が排出孔を通過するまではほとんど排出孔がない 場 合 と ほ と ん ど 同 様 で あ る . こ の 場 合 に も 飛 翻 体 の 前 方 に プ ラ ズ マ が 洩 れ て い る が , 飛 翻 体直前における電子密度は5×1017cm‑3程度とわずかに小さい.しかし,干渉信号の拡大波 形波は明らかに異なる.この場合,細かい振動は見られず,ゆっくりとした振動が253ILS から始まっている.#1807ではプラズマ後部において密度減少に伴う細かい振動が見られな いが,これはレーザ光の偏光によると考えられる.プラズマの後部において相当に大きな 密度勾配があると考えられる.干渉信号を電子密度分布に変換すると図6−15の様になる.

無損失理論速度はr=2201Asにおいて約700m/sであることを利用して,プラズマ主部(飛 翻体から電子密度が急激に立ち上がる部分まで)の長さを求めると,#1804および#1807そ

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図6‑15排出孔の有無による電子密度分布の比較

(13)

れぞれの場合で4.3cm,22cmとなる.排出孔を通過したばかりのプラズマは非常にコン パクトであることがわかる.

このように,排出孔はプラズマの瞥肉を削ぎ落とす役割がある.長距離で加速する場合 は複数個の排出孔を適所に設けることによって,電流分裂のないスムーズな加速を実現で

きる可能性がある.

6 . 4 加 速 管 構 成 材 料 の 耐 熱 化

6 . 4 . 1 セ ラ ミ ッ ク 壁 を 用 い た 飛 翻 体 加 速 実 験

(1)実験装置および方法

耐熱材料の熱負荷試験では,入力がわかっている熱源に材料を晒して損傷を評価するの であるが,レールガンにおいては加速管と熱源であるプラズマの相互作用は動的であり,

静的な評価はあまり意味がない.しかもレールガンのプラズマは高エネルギー密度であり 通常では実現しがたい条件である.したがって,実際に加速管に組み込んで飛朔体の加速 実験をするのがよい.

レールガンは永久磁石を用いた磁場バイアスレールガンを用いた.セラミック(SiO2:45%,

MgO:17%,Al203:16%)をポリカーボネートと同型に加工して加速管に組み込んである.

絶縁壁にポリカーボネートを用いた場合とセラミックを用いた場合について,射出速度,

加速管壁(レール)のエロージョン,およびプラズマ電機子の振舞などについて比較した.

レール材は何れの場合も銅を用いた.動作雰囲気は0.1Torrである.飛翻体は25mgのバ ルサ材である.電源はPFN型の4段で,電流は20±1kA,パルス幅は500usである.加 速管に使用した材料の特性は付録2に示す.

( 3 ) 実 験 結 果

図6−16および6−17に加速管の絶縁壁にそれぞれポリカーボネート(PC)およびセラミッ ク(CR)を使用した場合の典型的なプラズマの振舞を示す.また,図6‑18にそれぞれのB‑dot プローブ信号にデコンボリュージョン演算を施して求めた電流分布幅の時間推移を示す.2 本の線はそれぞれプラズマ電機子の先端および後端を表す.2本の線の垂直方向の差はそれ ぞれの時刻におけるプラズマ電機子の長さとなる.x=5cmまでの加速初期では,電流分 布幅はほとんど両者で差がないが,10cm以降,時間にして3001ルs以降ではセラミックを 用いた場合に幅が狭くなっていることがわかる.300us以降は平均25%の短縮率である.

しかしながら,プラズマ先端の変位には顕著な差が見られなかった.加速管との接触面積 が異なるので粘性抵抗の影響が加速動作に現れると考えられるが,この比較ではその差が 確認できない.

8

(14)

0 1 0 0 2 0 0 3 0 0 4 0 0 5 0 0 6 0 0

Time(psec

4 40

0 1 0 0 2 0 0 3 0 0 4 0 0 5 0 0 6 0 0

(usec

#1778

poIycarbonatewaI1

#1768 Ce「amicwall

3 3

︵E○︶×匡○窪のoQ 舎匡︒︶×こ◎毒②◎ユ

2 2

1 1

1

︵一上︒︶×匡○窪moq

図6‑16カーボネート壁の場合の加速動作図6‑17セラミック壁の場合の加速動作

3

1 2

2

(3)SEMによるレール表面の観察一

ポリカーボネートおよびセラミックを用いたそれぞれの場合について熱負荷を評価する ために,ショット後の加速管表面を電子走査顕微鏡(ScanningElectronMicroscopy:SEM)

を用いて撮影した.物質それぞれに熱的損傷の様子が異なるので,共通に用いたレール材 (銅)の陰極表面を比較した.図6−19に#1778および#1768においてレール上で異なる場所 (x=0,5,10mm)の表面写真を示す.左がポリカーボネート壁の場合,右がセラミック壁 の場合である.x=0において明らかに異なるのは,セラミック壁の場合,直径〜50umの 孔が多く見られることである.このような孔は,粘性の大きな流体が沸騰している場合に

8

1 0 0 1 5 0 2 0 0 2 5 0 3 0 0 3 5 0 4 0 0 4 5 0

(usec

図6‑18プラズマ電流分布の時間推移

(15)

よく見られる.レール内部まで熱が侵入し,内部から蒸発が起こっていると考えられる.5 mmにおいても同様の孔が見られ,広い範囲にわたって熱負荷が大きいいことがわかる.一 方,ポリカーボネート壁の場合は,損傷しているものの孔は全く見られない.以上述べた ように〆セラミック等の熱的に優れた特性を持つ材料を絶縁壁に用いた場合,加速管への 熱負荷が大きくなるということが強く示唆される結果となった.熱負荷に関する考察は次

節で行う.

x 二 0 m m

階』

灘謹

露旦軍亜

x = 5 m m

x = 1 0 m m

ポ リ カ ー ボ ネ ー ト 壁 の 場 合 セ ラ ミ ッ ク 壁 の 場 合

図6−19動作後のレール表面

84

(16)

6 . 4 . 2 熱 負 荷 に 関 す る 考 察

( 1 ) 方 法

5章にて述べた熱負荷解析コードを用いて,銅とセラミック組み合わせで加速管を構成 した場合について計算した.同じ電流波形を用いて銅とポリカーボネートを組み合わせた 場合についても計算し,両者を比較した.

絶縁壁にセラミックを用いた場合,アブレーションによる気化粒子数の計算は(5‑15)式

に代えて

Wce,2α(,)

C

(62

を用いる.E冊",腕 はそれぞれセラミックの気化潜熱および気化粒子の質量である.実験 に用いたセラミックは複数の成分から成るが,簡単のために気化粒子を全てSiO2のみであ るとみなしてその後の過程を考える.この計算で用いたセラミックに関する物理定数を付 録2に示す.

(2)シミュレーション結果

絶縁壁材料としてポリカーボネートおよびセラミックを用いた場合のプラズマ電機子の 代表的なパラメータの時間推移を調べた。その結果を図6‑20に示す。左列上から順に電流,

圧力,温度,右列上からプラズマ質量,飛翻体(プラズマ先端)速度,及びプラズマの位置 の時間変化を表す。一連のグラフにおいて実線がポリカーボネートを用いた場合,点線が セラミックを用いた場合の解析結果である。

電流波形は同じである.プラズマ源である細線に電流が流れ始めると,細線は溶融を経 て気化する際に瞬時圧力を発生する。気化したガスが後方に拡散して体積が増加すると圧 力は一旦小さくなり,その後電磁力と釣り合いながら電流の増加に伴って大きくなる。

温度変化はプラズマに混入する粒子数に依存する.ポリカーボネートと銅の組み合わせ では比較的低温でポリカーボネート表面の気化が始まるので,プラズマ内に混入する粒子 は水素および炭素などの軽い粒子である.一方,セラミックと銅の組み合わせではセラミ

ックよりもむしろ銅レールからの粒子供給が多い.質量変化に注目すると,ポリカーボネ ートとセラミックでは質量増加がさほど変わらないように見えるが,含有粒子の相対比が 異なるので全粒子数に換算するとその差は大きい.速度は主にプラズマ質量に僅かに依存 するだけなので,速度変化を見ても両者の違いはほとんど見られない.しかしながら,プ ラズマの長さに注目すると,セラミックを用いることによって長さは1/2以下に抑えられ ていることがわかる.セラミックを用いた場合,2001ルs以降はプラズマ質量に変化がみら れない.つまり加速管における気化がゼロになったことを示す.

8

(17)

麺唖麺

︵ヱ︶﹄巴三四①︒Eの﹄ 5050502211

0 5 0 1 0 0 1 5 0 2 , 0 2 5 0 3 0 0 3 5 0 4 0 0

Timet4s)

SE︶どの吻mEmE吻︑一匹

一 電

一匡凹ピコ︒

0 5 0 1 0 0 1 5 0 2 0 0 2 5 0 3 0 0 3 5 0 4 0 0

Timet4s)

0 5 0 1 0 0 1 5 0 2 0 0 2 5 0 3 0 0 3 5 0 4 0 0

Timet#s)

6543210 1500210525150

8

︵︑ユ室︶Q9コ叩⑮色ユ 唖迦

︵望E︶妾曇一○○一①ン

0 5 0 1 0 0 1 5 0 2 0 0 2 5 0 3 0 0 3 5 0 4 0 0

Timet#sリ

0 5 0 1 0 0 1 5 0 2 0 0 2 5 0 3 0 0 3 5 0 4 0 0

TimetIls)

2mm、 025

g40oO

母2Coo

︵三三︶言︒E﹄①芸◎Q 哩掲︑000

︵E︶志琴匡◎一一一の◎ユ 76543210●■︒Pa060OOOOOO

0 5 0 1 0 0 1 5 0 2 0 0 2 5 0 3 0 0 3 5 0 4 0 0 Timet#s)

図6−20レールガンプラズマの動特性 左列上から順に電流,プラズマ圧力,プラズマ温度,

右列上から順にプラズマ質量,速度,プラズマの位置

実線は絶縁壁にポリカーボネートを用いた場合,点線はセラミックを用いた場合

図6−21プラズマからの輯射

10000

Timet胸 Timet鯛

図6‑22プラズマへの注入電力

(18)

セ ラ ミ ッ ク を 用 い た 場 合

0500100015002000250030003500 Temperature(K)

000 h岬

50

︵戸一律一︶×こ□一一一mロユ

000

50

︵EE︶〆﹇一口一一一のロュ 顧讃認

P岬

jLd4q郡邸川叫恥ひ1JⅣ0■クサ.伊仙堺﹃11︲901494

1階、 150

0 2 5 5 0 7 5 Depthf「omsurfaced(um)

0 2 5 5 0 7 5 Depthfromsurfaced(lJlm)

ポ リ カ ー ボ ネ ー ト を 用 い た 場 合 セ ラ ミ ッ ク を 用 い た 場 合

(b)レール(銅)側

図6−23プラズマ通過直後の加速管壁内温度分布

5 0 0 1 0 0 0 1 5 0 0 2 0 0 0 2 5 0 C Tempe「ature(K)

68,由

0 2 5 0 5 0 0 7 5 0 1 0 0 0 1 2 5 0 Temperature(K)

蕊涛雰..

ポリカーボネートを用いた場合

(a)絶縁壁側

8

10打

一一再

OO0

50

︵EE︶×こ□一一一⑩口旦

000

50

︵EE︶×こ□一一一のロa

﹃げ

0 5 0 0 1 0 0 0 1 5 0 0 2 0 0 0 2 5 0 C Temperature(K)

150 1吋0

0 5 0 1 0 0 1 5 0 Depthfromsurfaced(リ、)

5 0 1 0 0 1 5 0 Depthfromsurfaced(l」、)

(19)

図6−21および6‑22にそれぞれプラズマ単位面積当たりから放出される頼射エネルギー およびプラズマへ供給される電力を示す.轄射は温度の4乗に比例するので,セラミック 壁を用いた場合の方が温度が高い分頼射も大きい.レールガンプラズマは電離度が0.5%程 度と非常に小さく導電率に対する中性粒子の影響が大きい.プラズマの抵抗は温度よりも むしろ断面積の影響を受けるので,セラミック壁を用いた場合が大きくなる.したがって,

セラミック壁を用いた方が注入電力も大きくなる.

絶縁壁にポリカーボネートを用いた場合およびセラミックを用いた場合についての絶縁 壁およびレール内部の温度分布を図6‑23に示す.縦軸が加速管上の位置,横軸は加速管表 面からの深さを示す.ポリカーボネート壁の場合は,飛翻体を設置したx=0周辺の熱負 荷が極端に大きいことがわかる.絶縁壁側では,熱の侵入速度が遅く熱が表面に蓄積され るので,表面の損傷が激しい.ポリカーボネート壁は全区間で沸点に達しており,プラズ マに粒子を供給する.一方,レール側ではx=0周辺で沸点に達しているが,それ以外で は融点にも達しておらず,エロージョンが極めて局所的である.

一方,絶縁壁をセラミックにした場合,レール表面上の広範囲にわたって融点を超えて おり,実験結果と傾向が同じである.

6 . 5 ま と め

本章では,レールガンにおけるプラズマ制御の意義とその方針を述べた.本論文ではプ ラズマを制御するための方法を幾つか提案または実証しているが,ここではそのうち3つ の方法について述べた.

まず,プラズマ衝突法なる単純レールガンの加速初期の振舞を改善する方法について述 べた.プラズマの運動量は大きくないので軽量ペレットを加速する際にのみ有効である.

理論的にはプラズマ源の質量を増加することによって衝突時のプラズマの運動量を増加す ることが可能である.しかしながら,実際には細線溶断によってプラズマを生成する場合,

細線が気化する際に膨張する,あるいは不均一性のためにプラズマの一部だけが加速され るといったことが起こるため,さほど運動量を大きくできない.この方法を用いて加速初 期のアブレーションを低減するには限界がある.

次に,プラズマ排出孔の効果について述べた.レーザ干渉法によって加速方向の電子密 度分布を測定した結果,排出孔を通過したプラズマは非常にコンパクトであることがわか った.プラズマの一部の粒子が孔から排出されていることによると考えられる.加速管に孔 を設けるだけの単純なアイデアであるが非常に有効であることが示された.この孔を加速 管に沿って適所に設けることができれば,電流分裂のないスムーズな加速が実現できる可

能性があることを示した.

また,加速管構成材料に関する実験および考察を行った.セラミックを加工して加速管 に絶縁壁として組み込み,飛翻体加速実験を行った.セラミックを用いた場合,ポリカー

8

(20)

ボネート絶縁壁の場合に比べてプラズマがコンパクトになった.また,耐熱材を用いるこ とによって損傷が減少すると思われたが,逆にレール面上では損傷が激しくなった.5章で 示した熱解析コードを用いて絶縁壁にポリカーボネートおよびセラミックを用いた場合そ れ ぞ れ に つ い て シ ミ ュ レ ー シ ョ ン を 行 い , 材 料 の 特 性 が プ ラ ズ マ の 挙 動 に 与 え る 影 響 を 調 べた.セラミック壁の場合,予想通り加速管から噴出する粒子数が減り,実験結果同様に プラズマがコンパクトになった.しかしながら,増加粒子数が少ないためにプラズマの温 度が上昇し,加速管全体の熱負荷が増加することがわかった.

加速管材料が熱的に優れた特性を有しても,プラズマの温度が上昇して熱負荷が増加す るので,加速管の損傷を完全に回避することは不可能であると思われる.ただし,耐熱材 の使用することによって壁から出てくる粒子数が減少するので,プラズマの制御という観 点からは非常に効果がある.

8

(21)

フ章レールガン動作の駆動電流波形依存性

レールガンの駆動電源についてはコンデンサバンク,単極発電機[21,47],コンパルセー タ[48]等が利用されており,駆動電流の最大値はレールガンの寸法および飛翻体の質量に 応じて数kA〜数MAと非常に幅広い.電流波形に関しても電源の構成によって様々である.

しかしながら,レールガン動作の電流波形への依存性を系統的に調べた研究はほとんどな い.電流波形とレールガンプラズマの挙動の関係を明らかにすることができれば,電源回 路によってプラズマの挙動を積極的に制御することも可能である.

本章では,まず駆動電流の立ち上がりにおける電流上昇率を変化して,立ち上がりがレ ールガンの動作に及ぼす影響を調べた。駆動電流波形の立ち上がり部分を変化するために,

銅細線の溶断を利用した開放スイッチ[50]を用いた。また,5章で示したシミュレーション コードと,減衰電流の模擬波形を用いて加速後半における電流の減衰率とプラズマの挙動 について考察した.

7.1レールガン動作の電流立ち上がり依存性[94]

7 . 1 . 1 実 験 装 置 お よ び 方 法

図7−1に実験装置の概略を示す。装置は大きく分けてレールガン本体と駆動電源との2 つの部分からなる。レールガンは永久磁石磁場バイアスレールガン(ARGPM50)を用いた.飛 翻体は質量25mgの木製である。雰囲気圧力は0.lTorr以下とした。

初期プラズマ源となる銅細線はレール間を短絡し,かつ飛朔体に接するように配置した。

細線の直径は0.04mmである。プラズマの一部は銃尾方向に拡散して銃尾領域においてレ ール間を短絡する可能性があるので,これを防ぐために細線を設置した位置から銃尾側に4 cm離れたところに絶縁物で栓をした。なお,飛翻体の初速度は0である。

電源部は、コンデンサとインダクタの組み合わせによるパルス成形網と,レールガンに 供給する電流の立ち上がりを変化するための開放スイッチ(OS)からなる。開放スイッチで は,銅細線の液化・気化時の抵抗率の変化を利用して電流を遮断し,設定する銅細線の本 数および開放スイッチとレールガンの間に設けたスパークギャップスイッチ(SG)の間隙に よって電流の立ち上がりを調節する[50]・図7‑2にギャップ間隙を0.5mm一定として,銅 細線の本数を0,7,15とした場合の電流波形を示す。銅細線の直径は0.15mmである。こ こでは最大値の50%値ム0に達するまでの時間r5oを用いて,ISO/'50を電流の立ち上がりと定 義する。銅細線の本数を0,7,15とした場合の電流の立ち上がりは,それぞれ(2.1±0.1)×108,

(5.7±0.4)×108,(7.5±0.5)×108A/sである。測定器は3章の実験で用いた機器と同じなの

で,記述を省略する.

9

図 7 − 1 実 験 装 置 飛 期 体 速 度 検出用細線網ILエu1 1 倉ピックアップコイルパルス成形回路(PFN)‑に出曇l l l l l電 源源仙粍、‑[二子T……‐ー……レ ー ル ガ ン ー − − −8kJ/sJ/s]x430,F15m卜lを 『真 空 容 器クヮリコ イ ルポ ン プ へ 9 150 100 時間t(us) スパークギャップ間隙0.5m2C︵順ベエ︶10鵜厩5ロ017. 1剛0 閏 0 1 @ 図7−2開放スイッチの銅細線本数に対する電流立ち上りの変化実 験 結 果陽(

参照

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