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最新のイギリス詩,みたび
伊 藤 武 久
0.イギリスの週刊誌7 舵Sク杉crαroγの1996年1月6日号(通巻8738号)か ら9月28日号までの期間に掲載された34篇のうち15篇をえらび,日本語になお しておいたものに,じぶんの考えをそえて,以下にしるす。丁舵Sρεcτ耐oγ 誌の詩は各号の豊富で充実した書評欄のすみに一つか二つがひっそりと紹介さ れるのが常であって,それは突然11年前の1985年1月から始まったのであるが,
どういう理由によるものか,今年になって,5月11日号から姿を見せなくなっ た。それでも9月28日号に一つ現れたから,あるいはと続きを期待したが,い まもってそれきりである。この週刊誌は詩誌でも文芸一般の専門誌でもなく,
社会,政治,経済,文化を論評する硬派の高級誌であるだけに,そこに掲載さ れるイギリス詩は文芸愛好家ばかりでではないであろう読者を対象とすること で,かえって現代イギリス詩の傾向や受容の現状を異邦人が瞥見するのに好都 合であった。惜しい掲載中断である。
1. Afte r
After the red wines and the white or spiced or resinous, and after the coffee from Columbia or Kenya,
liquers or rarest Malts, and after all such, to find myself
after long climb beside a mountain burn
and there, amid the birch and rowan,
where it falls over the granite boulders,
to bow my head and kneel and taste again.
Gael Turnbull 6/1/1996
その前に
その前に赤ワイソいろいろと白,
もしくは香料入りとか樹脂入りとか,また コロソビアもしくはケニヤ出来のコーヒー,
リキュール,もしくは絶品のモルト・ウイスキー,など そんなのをとりどり飲んでいて,気が付くと自分は 長い登禁をすませ,どこかの山の焼畑わき,
そこはカバとナナカマドのただ中,
真下に花嵩岩の漂礫が覗かれるあたりで,
頭ぐんなり,膝がっくり,やおら また一杯といきたいもの。
こんなに喫茶,飲酒していいものか。飲むために登るのか,登るために飲むの か。新年そうそうの酒祝い唄というところ。
2. Crunch Line
Did you see the red admiral this morning?
The query slotted rather neatly, I thought,
if edgeways, into a lull in his whirring
最新のイギリス詩,みたび 17 al1−electric garden. No. And that was that.
But when his hoover made a defensive pass at a bronze leaf trespassing on the grass
and missed, he felt obliged to add the crunch line,
Inever watch TV before lunchtime.
Sam Gardiner 6/1/1966
とどめの一言
「今朝はレッド・アドミラルを見ましたか。」
この質問,横合からにしても,わりときれいに,
彼のオール電化庭の手入れの音のとぎれに,
投げ入れたと思う。「見ません。」,とにべもない。
だが銅色の葉の一枚が芝生を侵犯したのに,草刈機で 防御の突きをいれて,、外したあと,気がさしたか彼,
とどめの一言をこう加えた。
「昼食まえにはテレビは見ません。」
red admira1はヨーロッパアカタテハ。「赤の提督」はいかにもテレビ番組の 題名に聞こえる。そういえば,yellow jacket(黄色いジャケット。ホホナガ スズメバチ),blue bottle(青い瓶。キソバエ),black widow(黒後家。
クロゴケグモ)等,色つきの昆虫名がある。押韻は8行の詩節によくある
ababccddタイプにほぼなっている。微苦笑を誘われるlight verse仕立て。
3. A廿ie Campbell
1900−1967