奈良教育大学学術リポジトリNEAR
自閉症スペクトラムの青年・成人に対する就労支援 の開発的研究 −職場を模した作業場面における特 性の整理および自己理解のとりくみ−
著者 角光 裕美, 米田 英雄, 玉村 公二彦
雑誌名 奈良教育大学紀要. 人文・社会科学
巻 60
号 1
ページ 41‑48
発行年 2011‑11‑30
その他のタイトル Research on Career Support for Adults and Youths with Autism Spectrum Disorders: A Program for Self‑Understanding of
Characteristics on Scene Imitating Workplace
URL http://hdl.handle.net/10105/8179
1.問題と目的
2005年に施行された発達障害者支援法の中では、発達 障害のある人々に対する、生涯にわたる一貫した支援に
ついて定めているが、施行後5年経過した段階において は、特に自閉症スペクトラム障害のある人(以下ASD者)
の就労をどのように支援するかが大きな課題となってい る。
自閉症スペクトラムの青年・成人に対する就労支援の開発的研究
−職場を模した作業場面における特性の整理および自己理解のとりくみ−
角 光 裕 美
(特定非営利活動法人 地域活動支援センターぷろぼの)米 田 英 雄
(特定非営利活動法人 地域活動支援センターぷろぼの)玉 村 公二彦
(奈良教育大学学校教育講座)(平成23年5月6日受理)
Research on Career Support for Adults and Youths with Autism Spectrum Disorders: A Program for Self-Understanding of
Characteristics on Scene Imitating Workplace
Hiromi KAKUMITSU and Hideo YONEDA
(Local Activity Support Center Probono, Specified non-profit juridical person)
Kunihiko TAMAMURA
(Department of Special Needs Education, Nara University of Education) (Received May 6, 2011)
Bull. Nara Univ. Educ., Vol. 60, No. 1 (Cult. & Soc.), 2011
Abstract
Act on Support for Persons with Developmental Disabilities provides for the support throughout
their life for people with developmental disabilities, and especially it is a big problem how we can support a career on people with autism Spectrum Disorders. It is the important point they have a self- understanding by knowing the characteristics and they get appropriate understanding about the characteristics and reasonable accommodation in workplace. This research aims at planning the career support program of assessment for the personal characteristics and trying it in the welfare institution, and finds out if it is effective as a career support.This research shows that the people with autism spectrum disorders can get appropriate
information of the personal characteristics in workplace and have a self-understanding of it by the program for assessment. In addition, the support program helps acquiring business manner. On the other hand, it leaves the problem of improving the objectivity and precision of the assessment and studying reasonable accommodations in workplace.Key Words
: Autism Spectrum Disorders Career Support
Self-understanding Self-advocacy skill
キーワード:自閉症スペクトラム障害 就労支援
障害の自己理解
セルフ・アドボカシー・スキル(自己権利
擁護)
自閉症スペクトラムの人の就労率の推移を表した最も新 しい報告では、養護学校高等部の自閉症卒業生の進路に ついての「自閉の生徒の就労研究会」の調査で、中根ら は、青年期に達した自閉症者の約5人に1人は職業的自 立を果たしていることになるが、逆に5人に4人は一般 就労以外の道をたどっていると指摘している。また、1994 年に国立特殊教育総合研究所が行った調査では、知的障 害養護学校の高等部及び中等部の自閉症者の進路に関し て、一般就労以外では、小規模作業所、更生施設、授産 施設などの福祉的就労が主な進路先になっていると報告 されている。ただし、これらのデータは、養護学校卒業 の生徒を対象とした調査であり、通常学校卒業後に診断 を受けた人は対象となっておらず、高機能のASD者を対 象とした就労率に関するデータはまだない状況であるが、
いずれにしてもASD者の就労率はまだまだ低く、就労支 援の充実が必要とされている。
発達障害支援センターへの相談者の分析を行った報告
(石井、2003)によると、知的障害を伴わないASD者に は、青年期・成人期になってから診断を受けたために、
適切な支援や訓練を受ける機会がなかった人も多く、自 己肯定感の低さや、障害特性を含めた自己理解や自己受 容の乏しさから、就労意欲の低下や就労イメージの乏し さへと繋がっていることも多い。そのため、実体験ので きる場における「やってみる」体験を通じて支援を行う ことが、ASD者の就労に向けた支援として効果的である とされている。
ASD者が就労する場合、山崎らは、ASD者には、状況 判断やコミュニケーション、集団状況への適応、作業実 行能力等における困難さや、感覚やこだわりに関する問 題を抱えていることが多く、このような特性が就労上の 課題となりやすいと指摘している。しかし、具体的な状 態像や困難さ、必要な配慮は一人ひとり異なっており、
個人の特性の適切なアセスメントと自己理解に基づいた ジョブマッチングが非常に重要である。
奈良県においても、ASD者を含む発達障害者の就職は 難しい状況にあり、一方で従来の福祉サービスの中で受 けとめることも困難な場合も多い。2003年に奈良県でIT 訓練による障害者の就労支援を始めた特定非営利活動法 人地域活動支援センターぷろぼのは、発達障害者の就労 支援へのニーズの高まりと、効果的な就労支援の方法及 び体制を検討する必要性から、2009年4月、新たにZ事 業所を設立した。Z事業所では、利用者の半数近くが ASD者であることが特徴的であり、ASDの特性に即した 適切な就労支援を考える必要があった。また、Z事業所 に通うASD者は、これまでの学校教育の中では意識的な 特別支援教育の対象とはなっておらず、特性に即した支 援を受けてこなかった人が多い。また、診断後間もない 人や、失敗経験を積み重ね、自信を失っている人も相当
数おり、自己肯定感を高める取り組みや、自分に合った 仕事を適切に探すことについての支援が大切であると考 えられた。さらに、障害特性もしくは経験の少なさから、
職場で必要なビジネスマナーの習得やルールの理解にも 大きな課題を抱えている場合が多かった。
2009年4月、独立行政法人福祉医療機構より研究助成 を受け、Z事業所において「発達障害者及び高次脳機能 障害者への在宅と通所を併用した訓練事業」の取り組み がなされた。同研究事業では、就労支援の流れ(表1)
を整理し、発達障害者の就労支援において技能訓練とし ての「トレーニング」や本人の特性及び技能に合う仕事 に就く「ジョブマッチング」の重要性と共に、特性を的 確に捉える「アセスメント」の充実が課題として示唆さ れた。
また、同研究事業の総括では、自らの障害を理解した 上で、ニーズを他者に伝えていく力である「セルフ・ア ドボカシー・スキル(自己権利擁護スキル) 」を養成す るための内容と方法を含ませることが重要であることが 示唆された。
このように、ASD者の就労支援においては、①特性を 的確に捉えるアセスメント、②「やってみる」体験を通 じた本人の自己理解、③セルフ・アドボカシー・スキル の習得の3点の重要性が挙げられているが、本研究では これらを踏まえた就労支援プログラムを考案・実践し、
プログラムに参加したASD者の事例検討を通じて、その 有効性と課題を確かめることを目的とする。
なお、同法人は2010年、奈良県ふるさと雇用再生特別 基金事業「障害者雇用を担保するIT就労支援センター事 業」を受託し、奈良県ITソーシャル・インクルージョン センターを設立した。同センターは研究事業を1つの柱 としており、本研究は、この研究事業の一環としてZ事 業所における開発研究の成果を就労支援プログラムの充 実に活用することを目指した。
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表1 Z事業所の支援の流れ
面談(フェースシートの作成)、アセスメ ントプログラム
アセスメント 基
礎 訓
練 トレーニング IT基礎訓練、ビジネスマナー講座、SST IT復習コース、IT上級訓練(HP制作、会 計)、ビジネスマナー講座、SST
トレーニング 応
用 訓
練 就職準備 職場体験(事業所内)、ジョブガイダンス 企業実習
実習 就 職 支 援
関係機関と連携した就職活動(トライアル 雇用や職場適応援助者の利用)
就職活動
フォローアップ支援、余暇活動支援 就職後
2.方 法
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.1.研究の方法本研究では、Z事業所において利用者全体に向けて実 施する、アセスメントを中核においた就労支援プログラ ムを研究の対象とした。研究対象期間は20XX年4月から 20XX+1年3月までであるが、プログラム自体はそれ 以降も継続して実施される。各参加者は1回2時間、週 2〜3回の頻度で参加する。なお、アセスメントには、
プログラム内の作業経験及びコミュニケーション練習の 効果や、それによる対象者の変化も考慮するため、6〜
10 ヶ月間という中期的なプログラムとして設定すること とし、他の技能訓練の効果も含めて検討する。参加者そ れぞれの特性や習得速度を加味するため、作業結果や参 加者の状態を見ながら、作業期間を延長することも行っ ており、参加期間や頻度は通所日や通所時間によっても 一人ひとり異なる。また、就労に向けて参加者がチャレ ンジするという意味から、同プログラムの名称は「チャ レンジプログラム」にした。
プログラムとしての特徴や実施内容の変化から、本研 究では研究期間を「開発準備期」 、 「第Ⅰ期」 、 「第Ⅱ期」
の3つに区分し、事例対象者のアセスメント成果及びプ ログラムによる変化を中心として考察することにより、
プログラムの効果及び課題の検討を行う。時期ごとの結 果分析には、①プログラム参加時の行動観察記録、②感 想等を記入する訓練日報、③プログラム後半の自己整理 シート、④プログラム以外の場面での様子を記した会議 録、⑤インタビュー記録の5つの資料を使用する。
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.2. 事例対象者本研究では事例対象者をAさんとする。Aさんは20代 男性で、高校まで通常教育を受けていたが、対人関係の 苦手さ、失敗経験から、卒業後は在宅生活を送った。そ の後の就職活動中に障害を疑われ、アスペルガー症候群 と診断された。20XX−1年8月よりZ事業所を利用開始 し、パソコン訓練を受講しながら生活リズムや睡眠リズ ムを整え、20XX年以降はホームページ制作コースやビ ジネスマナー講座、ジョブガイダンス、職場体験に参加 して、徐々に就労に向けた準備を進めている。WAIS−Ⅲ ではFIQ114、VIQ122、PIQ99で、言語的な知識は多く論 理的な思考をもとにした会話をすることはできるが、他 人の気持ちを推し量ることの難しさから人間関係に困難 さがみられるほか、聴覚や触覚に関する感覚過敏などの 困難さもある程度みられる。 「チャレンジプログラム」
には、20XX年6月から参加している。
また、Aさんは利用を開始した20XX−1年8月から、
前述の研究事業「発達障害者及び高次脳機能障害者への 在宅と通所を併用した訓練事業」においても、対象者と
して参加した。その後、20XX年10月には、 「発達障害者 支援セミナー」において、当事者として自らの経歴やZ 事業所における訓練について講演を行った。20XX+1年 2月には、全国放送のドキュメンタリー番組において、
就労を目指す発達障害のある当事者として出演している。
なお、Aさんを事例として検討するにあたって、本研 究の趣旨と研究方法を文書及び口頭で説明した上で、本 人から研究協力の同意を得た。
3.結 果
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.1.プログラムの概要20XX年4月からの開発・実施は、目的や内容の変遷 から、開発準備期(同年4月から6月まで) 、第Ⅰ期(同 年7月から9月まで) 、第Ⅱ期(同年10月から12月まで)の 大きく3つの期間に分けられる。
開発準備期を通じて試行錯誤を重ね、その結果、 「チャ レンジプログラム1」の基本的な枠組みを構築した。第
Ⅰ期では、後述の入力作業2種(キーボード入力、デー タ入力)及び手作業2種(ボールペン作業、ボルト作業)
の具体的な課題内容とアセスメント時の観点を設定した ほか、ビジネスマナーや時間の管理について意識するこ と求めるなど、職場としての環境を設定し始めた。10月 には、参加者にビジネスマナーに対する意識向上及びそ の習慣化などの変化が見られたが、そうした中で参加者 の積極性や自主性、及び自己理解の深化が新たな課題と して明らかになってきた。そこで、参加者の積極性・自 主性の向上を目指し、第Ⅱ期には、プログラム全体を通 じて、 「他者を手伝うこと」 「お礼を言うこと」等の対人 関係における好ましい行動を全体に示し、促すことや、
作業の空き時間に行う掃除等の雑務や他者の片づけ手伝 いを自分で探して行うことを求めた。また、第Ⅱ期には より複雑な組立作業であるリール作業を追加した。
第Ⅱ期までに整理されたチャレンジプログラム1の作 業内容には、まず表2のような入力作業がある。
入力作業には、 「キーボード入力ドリル」及び「デー タ入力」の2種類があり、約1ヶ月半の作業を通じて、
入力の正確性、本人に合った適切な見直し方法や、個人 の注意集中の特性に合わせて入力時間と休憩時間の配分
キーボード入力
「五十音」 「単語」 「英単語」 「ことわざ」 「短文」 「数 字」 「英文」 「長文」の計ページ8の文字・文章を所定 のExcelシートに入力する。
データ入力
模擬アンケートの入力(15分・30分・45分・60分)
表2 入力作業の指示内容
を考えることなどを行う。
手作業では、表3のようなボールペン作業とボルト作 業に約1ヶ月半取り組む。
この作業を通じて、指先の器用さ、長時間の単純作業 や立ち作業の耐性、手作業の正確性・作業速度の評価を 行う。
チャレンジプログラム1の最後の作業として、表4の ような、リール作業に約1ヵ月間取り組む。
リール作業は規定のマニュアルを参考にし、ドライバー 及びモンキースパナを利用して、約40個の部品から組み 立てる。作業手順の理解力や手順の記憶力、不明な点を 相談する力、道具使用時の器用さ、作業に慣れるにした がって習熟がみられるかどうか、複雑な組立作業の正確 性・作業速度の評価を行う。
なお、表2〜4の各作業では、最初に作業方法や手順 を説明するが、その際特性に合う指示方法を見極めるこ とも行う。
また、第Ⅱ期に課題として挙げられた自己理解の深化 については、重点的な取り組みの必要性が感じられたた め、 「チャレンジプログラム1」終了者がその続きとし て参加する発展的な取り組みとして、10月末より「チャ レンジプログラム2」の実践及び開発をそれまでの実践 と並行して開始した。表5のような共同作業や締め切り の設定及び自己理解を進めるための自己整理シートの記 入を取り入れた。
チャレンジプログラム1と2の大きな違いは、コミュ ニケーション面では、1では個人作業の中で指示者との 報告・連絡・相談等の基本的なやり取りを求められるの みであるのに対して、2ではさらに共同作業の中で他者 との複雑な対人スキルが必要になることである。作業面 では、1では短時間の単純な個人作業の繰り返しの中で、
個々の作業上の要素に沿って特性と傾向及びその変化を
評価することに主眼を置くが、2では数日を要する作業 量に対して締め切りを設定したことや応用的なスキルが 必要な作業を設定したことにより、作業そのものへの負 荷が高まり、より実際の職場に近い状況におけるアセス メントが可能となった。
また、1で口頭による振り返りのみで本人の作業を通 じた実感と自己理解を促していたが、2においては自己 整理シート記入及びそれを使った振り返りが追加され、
自己理解の深化へとつながることを目指した。
チャレンジプログラム2を通じて、表6のような手順 で、本人と自分の特性や配慮点をまとめた『ナビゲーショ ンブック』を作成した。
まず、チャレンジプログラム2の初回では、チャレン ジプログラム1の作業を振り返って、 「得意なことやで きること」 、 「苦手なことやできないこと」 、苦手なこと やできないことに対する「自分でできる工夫」及び「配 慮してほしいこと」を『自己整理まとめシート』に記入 してもらった。
その後、毎回の作業後に、約15分間の時間を確保し、
『自己整理シート』にその日の作業について、 「上手くいっ たこと」 、 「上手くいかなかったこと」 、 「工夫したこと」
を記入した。
また、共同作業が終了する時にはグループで振り返り を行い、その後、個人ごとに『自己整理まとめシート』
に作業を振り返って記入した。
2〜3種類の共同作業に取り組んだ後は、 『自己整理ま
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ボールペン作業
4つの部品(キャップ、インク、ボディ、尾栓)から 成るボールペンの組立、分解を座り作業で行う。
ボルト作業
ボルト・ナット・平ワッシャー・スプリングワッシャー の4種の部品を組み合わせるボルトセットの組立、そ の分解を立ち作業で行う(20個〜100個、30〜80分間) 。
表3 手作業の指示内容
表4 リール作業の指示内容 リール作業
釣り用リールの組立作業(1個組立:2回、3個組 立:4回、5個組立1〜3回)
『自己整理まとめシート』の作成(1回目)
初回
毎回の作業後に『自己整理シート』を記入 2回目〜
『自己整理まとめシート』記入
*作業後にグループで振り返った後記入 共同作業
終了後
毎回の『自己整理シート』を見返して、 『自 己整理まとめシート』に追加で記入する。
個人
作業時 記入した『自己整理まとめシート』を基に、
面談及び記入時間を通じて、 『ナビゲーショ ンブック』を作成する。
表6 ナビゲーションブック作成手順 共同作業(入力作業)
入力作業:障害福祉サービス事業者情報の入力 100件を3名で入力/75件を2名で入力(締切:6回目)
*必要に応じて、同じグループで同様の作業を複数回 行う場合もある。
共同作業(手作業)*研究期間中に実施せず ボルトのさび取りを2名で4回掛けて行う。
*今回の研究期間中には実施できなかった。
表5 チャレンジプログラム2の主な作業内容
とめシート』の作成を進めていった。ここでは、毎回の
『自己整理シート』を見返して、 『自己整理まとめシー ト』に自分の「得意なことやできること」 、 「苦手なこと やできないこと」 、 「自分でできる工夫」 、 「配慮してほし いこと」を記入した。見落としている視点や作業から言 える特性は、面談の中で振り返り、追加で記入してもらっ た。その後、記入した『自己整理まとめシート』を基に、
面談及び記入時間の中で、就職時に自分の特性や周囲に 配慮してほしいことをどのような言葉で伝えるか、本人 と一緒に整理を進め、 『ナビゲーションブック』として まとめた(表7、表8) 。
ナビゲーションブックの項目は、 「作業面の特徴」及 び「コミュニケーション面の特徴」 、 「アピールポイン ト」 、 「Z事業所における評価」 、 「就労についての本人の 考え」で構成されている。 「作業面の特徴」及び「コミュ ニケーション面の特徴」については、1項目ずつ番号を 振っており、同じ番号ごとに「自分の特徴」及び「自分 の対処法」 、 「周囲に配慮をお願いしたい事項」が対応す る形となっている(表7) 。
「アピールポイント」及び「就労についての本人の考 え」は本人と整理したものを記述し、 「Z事業所におけ る評価」はAさんの特性や能力についての事業所の評価 を簡潔に記述した(表8) 。
作成後、Aさんは就職活動時に履歴書と併せて『ナビ ゲーションブック』を提出し、自分の特性を伝えること に活用している。
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.2.事例AさんのアセスメントAさんは、20XX年6月から20XX+1年3月まで同プ ログラムに参加した。各作業における状況は以下の通り であった。
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.2.1.入力作業入力作業は、20XX年6月上旬〜7月上旬に行い、全9 回の作業に取り組んだ。
キーボード入力作業の初日には、作業の期日や方法の 指示があいまいな場合、自分からの確認はなく、指示を 誤解しやすい傾向が見られ、作業課題を渡すと自分で当 日中に終わるべきものだと解釈していた。入力は速かっ たが、当日中に終わらなければならないことに対する焦 りを感じている様子であった。初日1日で入力を終えた 後、ミスはないと言って見直しをしないまま提出したが、
実際には約1550字の入力で、30箇所のミスがみられた。そ の後見直しを4回行うが、何度丁寧に見直しをしてもミ スが見つからない箇所が、長文に2個みられた。入力作 業に苦手さを感じている様子であった。
その後のデータ入力では、初期は見直しの重要性を意 識しながらも、約70文字のアンケートデータ1枚を平均 2分8秒で入力・見直しを行うと1時間で平均1.5か所の ミスが出ていた。見直し回数を2回に増やすことと、画 面にアンケート用紙を近づけ、画面を指差しながら目で 作業面の特徴
①作業が複雑な時は、口頭のみの説明だと 理解しづらいことがある。
②初めて使う道具や初めての作業は、どの ような作業なのか想像しづらいため、間違 うことがある。
③複雑な作業を初めて行う場合など、注意 力が必要な時に、人より雑音が気になりや すい。作業に慣れると問題はない。
自分の 特徴
①口頭の指示はメモをとるようにしている。
また、分からないことがある時には、自分 から上司に相談しに行く。
②ミスしないように慎重に取り組む。
自分の 対処法
①言葉だけでなく、作業のお手本や完成品 の見本などを見せてもらえると、作業が進 めやすくなる。
②道具の使い方や、作業の方法を教えても らえると分かりやすくなる。
周囲に配 慮をお願 いしたい
事項
コミュニケーション面の特徴
①あいまいな言葉や内容を理解することが 難しく、誤解することがある。
②大きな雑音がある場所では、雑音にまぎ れて人の声が聞き取りづらいことがある。
自分の 特徴
①上司と確認をし、誤解を防ぐ。
②雑音が多い場所で言われたことについて、
聞きなおして確認する。
自分の 対処法
①説明するときは、具体的にお願いする。
②雑音の多い場所で指示をする場合は、大 きな声で言ってもらえると聞き取りやすい。
周囲に配 慮をお願 いしたい
事項
表7 ナビゲーションブック①
・無遅刻無欠勤で通うことができる。
・単純作業を含め、どのような作業でも真 面目に取り組み続ける。
・報告、連絡、相談、確認のコミュニケー ションを大事にする。
アピール ポイント
・単純な手作業も複雑な手作業も、どのよ うな作業にもまじめに取り組んでいる。
・最初の内は慣れるまで上手くいかないこ ともあるが、慣れると標準的な速度で作業 することができる。
・困った時には、自分から相談することが できる。
Z事 業 所 における 評価
・自分でお金を稼ぎ、自立して生活したい。
・モノ作りを通じて、社会に貢献したい。
・働く上で協力し合い、感謝することを大 事にしたい。
就労につ いての本 人の考え
表8 ナビゲーションブック②
見直す方法を取り入れると、1枚70文字当たり平均2分 38秒でミスのない入力を行うようになった。
この時期にビジネスマナー講座を受け始めており、講 座内では理解及び実践に高い能力を示したが、講座外で はほとんど意識しておらず、本プログラム内においても 必要な場面におけるビジネスマナーの実践はほとんど見 られなかった。この時期は研究期間としては開発準備期 後半から第Ⅰ期初めにあたり、職場としての環境設定の 徹底や支援者からのビジネスマナー実践の意識付け及び 促しが不十分であったことも、ビジネスマナーの実践に 繋がらなかった要因の一つとして考えられた。
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.2.2.手作業20XX年7月中旬から11月中旬には手作業に取り組み、
全30回の作業に取り組んだ。
手作業自体は、慣れるまで作業ルールの理解及び実行 でミスがみられたが、3回目にはルールや手順に沿って 問題なく作業を行っていた。長時間の単純作業の繰り返 し(ボルト作業)もやや疲れを感じながらミスなく取り 組んだ。単純な作業でも、1つ1つの作業を真面目に取 り組み続け、どうすればより速い作業を行うことができ るかと言う工夫を絶えず考え実行していた。作業速度は 標準値と同じ水準であり、作業に慣れることで、職場で 求められる速度に十分対応が可能であると推察された。
また、リール作業では、必要な際に自分から質問・相 談に来たが、初回ではリール1個を組み立てるために2 時間以上を要し、ミスも2か所見られた。回数を重ねる にしたがって、マニュアルを見ずにミスのない作業を行 い、20個組み立てる頃には、1個当たり平均18分間で組 立終えることができるようになった。作業効率の向上を 強く意識しており、手順を暗記することや道具・部品の 準備の仕方において、より速く組み立てるための工夫を 絶えず考えて実行して行った。
手作業を開始した20XX年7月には、メモ帳に指示をメ モする習慣はなかった。しかし、作業時に「10本セット 8袋、8本セット5袋、2本セット2個」などと複数の 数字や作業組立方法を口頭で指示された際に、自ら必要 性を感じてメモすることを始めた。それ以来、複雑な指 示や新しい指示を受ける際にはメモ帳にメモをし、復唱 した。指示受けの他にも、必要な際の報告・連絡・相談 及び質問を自分から行うようになっており、ビジネスマ ナーの習慣化が見られた。この期間は第Ⅰ期後半から第
Ⅱ期にあたり、ビジネスマナーの実践をチャレンジプロ グラム全体で周知させ、実践が見られない場合の促しも 積極的に行っていたことが、習慣化に繋がった要因の一 つと考えられた。
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.2.3.共同作業:入力作業20XX年12月上旬から20XX+1年3月下旬には、他の 参加者と全25回の共同作業を行った。
他の参加者2名と事業所データ約100件の入力を5回
(約7.5時間)で行う作業を、合計で3クール行い、各作 業終了後に振り返り行った。また、作業終了後にミスが あったため、各作業終了後に2〜3回程度の修正期間を 設けることとなった。
共同作業全体を通じて、Aさんはグループ内でリーダー の役割を果たすことが多く、作業方法の提案・決定やス ケジュール管理を率先して行った。作業を重ねるごとに、
作業の効率化及び円滑化を行った。ただし、円滑に効率 よく進めるという自分のペースにこだわる場面が見られ、
共同作業者の分担した作業が進まないことに苛立ちを覚 えることや、共同作業者の消極的な発言に声を荒げるこ とが何度か見られた。本人と後から振り返ると、本人と してはそのような意図は全くなく、また、口調がきつく なっていることを自覚していないことも多かったため、
そのような口調が相手にどう受け取られるかを本人と考 えた上で、翌日の共同作業に参加した。その際には、時々 口調が荒くなることがみられるものの、基本的に、周り のペースに合わせた声かけを行うほか、口調も優しく相 手にとって受け取りやすいものに変わっていた。
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.2.4.総合的アセスメント以上から整理されたAさんのアセスメント情報は、次 のようにまとめることができる。
Aさんは、論理的な説明によって納得することで、ア ドバイスや注意を素直に受け取って自らの言動を修正す る傾向が強く、作業意欲は高い。さらに、同プログラム や職場体験で基本的労働習慣の実践を積み重ねたことか ら、作業速度や正確性の意識の高さについて向上がみら れた。
全体を通じて、プログラム内のアプローチと同時期に 受講したビジネスマナー講座においてビジネスマナーに 関する知識を習得することによって、就労上の適切な行 動様式の学習・習慣化を進めていった。以前はチャレン ジプログラム以外の場面において必要なビジネスマナー の実践が全く見られなかったが、その後の練習の積み重 ねを経て、20XX+1年1月の施設外の職場体験実習にお いて、挨拶や必要な報告・連絡・相談など基本的なビジ ネスマナーを実践できるという成長が見られた。
配慮点としては、初めてのことに対する苦手さから作 業に慣れることに多少時間がかかるものの、工夫や相談、
周囲の適切なアドバイスから作業の習熟や作業状況の改 善が見込まれるため、就労導入期の職場環境の調整等の 適切な支援を行えば、継続した就労に繋がりやすいと推 察された。
20XX+1年2月以降、約2ヵ月間かけ、チャレンジ プログラム2において作業への参加と並行して『ナビゲー ションブック』を作成した。その中で、Aさんは自分の できることや苦手なことを特性としてはっきりと自覚し、
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自分の言葉で説明するものも多かった。その後、Aさん は就労に向けた準備を進めており、それまでのプログラ ムにおける作業体験を基に、ミスが出にくく継続して作 業が可能な軽作業への就職を目指している。一方で、特 性から入力ミスがでやすいため、入力作業は仕事として 避けた方がよいと理解しており、自分の特性に合った就 職活動を支援者と共に進めている。その中で、本人と支 援者で作成した『ナビゲーションブック』も、就職活動 の面接時に自分の特性や必要な工夫・配慮を伝えること に活用されている。
4.考察と課題
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.1.事例を通じたプログラムの成果や課題の考察Aさんのアセスメント情報及びプログラムの様子を、
①アセスメントを通じた特性に関する情報の整理、②実 感を通じた自己理解の深化、③セルフ・アドボカシー・
スキルの向上、④基本的労働習慣の獲得、⑤対人関係や コミュニケーションスキルの向上、⑥就労イメージの獲 得の6つの観点からを考察する。
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.1.1.アセスメントを通じた特性に関する情報の整理
研究を通じて開発・実践を行った「チャレンジプログ ラム」の主な目的は、アセスメントを通じた特性に関す る情報の整理であるが、その成果の考察は慎重に行う必 要がある。10カ月間のプログラムの参加を通じて、前述 のようなAさんの障害特性及び作業特性に関する情報を まとめた。そこでは、障害特性及び作業特性についての 情報を整理しており、就職時に想定される状況をある程 度反映したものと言える。ただし、障害特性や作業特性 がどのようなことを背景に起こっているか、それがどの ように作業結果や作業時の様子に繋がっているかについ ての分析及び検討は、それらを適切に関連付けて検討す るための課題設定及び体系的な評価の設定が不十分で あったため、今回の研究では十分に行うことができてい るとは言い難い。結果として、整理した特性についての 情報を訓練に活かすことはできるが、訓練の環境及び設 定とは異なる、就労時の環境及び設定における情報が不 十分であると言える。今後、作業結果及び作業の様子に ついて、より丁寧な分析及び他の先行研究等を活用した 作業結果検討を行い、均一して的確なアセスメントを行 うための構造化も考慮する必要がある。
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.1.2.実感を通じた自己理解の深化『ナビゲーションブック』作成時、Aさんは自分の作 業の様子を思いだしながら、各作業における自分の特性 として整理することを円滑に行っていた。Aさんの作業 特性や障害特性に関する自己理解が進んだ背景として、
仕事経験のないAさんが、模擬的な職場環境で作業を実
際に「やってみる」中で様々なことを感じ、それを振り 返りや日報作成を通じて口頭及び文字で書き表したこと が自分を振り返る機会として効果的だったと考えられる。
また、同時に、Aさんが私生活の中で、家族に薦められ て発達障害に関する書物を数冊読み、障害特性に関する 情報を知識として得ていたことも大きい。このように、
自らの障害特性について知識として知ることと、実際に
「やってみる」体験との両方を通じて、自己理解を深め ていったのではないかと推察される。ただし、自らの障 害特性について知識として知ることは、Aさんの場合は 自主的に機会を得たため、自己理解への効果と繋がった ものの、利用者に広くそのような機会があるとは言い難 い状況である。障害特性を知識として知ることをどのよ うな支援の形で行うことが好ましいかは、今後丁寧な検 討及び実践を重ねていく必要がある。
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.1.3.セルフ・アドボカシー・スキルの向上20XX+1年1月以降、Aさんは作業時に、自分のこ とを「○○という特性」という言葉を用いて説明し、配 慮や対応を自分の言葉で求める場面が増えていった。例 えば、不規則な雑音が続く環境における作業で集中でき なかった時、聴覚過敏の特性を支援者に伝えた上で、席 の移動を認めてほしいことを申し出たことがあった。ま た、20XX+1年1月に実施した施設外実習において、
指示されたテープ起こし作業を苦手だと説明した上で、
作業の変更を相談した。このような様子から、Aさんの セルフ・アドボカシー・スキルが研究期間を通じてある 程度まで向上していったことを認めることができる。
一方で、この施設外実習においては、特性の説明や相 談の仕方について課題を得ており、職場でどのような言 葉で説明すると伝わりやすいかを意識しながら、本人と 一緒に『ナビゲーションブック』作成を通じて整理を進 めた。Aさんは現在、就職活動を行っているところであ るが、今後、自分自身のことを伝えるために『ナビゲー ションブック』が就労時に効果的かどうかについては、
実際の就労の結果を踏まえて、引き続き検討を行う必要 がある。
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.1.4.基本的労働習慣の獲得Aさんは、ビジネスマナー講座でビジネスマナーを学
習していたが、20XX年6月時点では、講座以外の場で
はビジネスマナーの実践が見られなかった。その理由は
実践の場が少なかったためであると考えられるが、20XX
年7月よりチャレンジプログラムにおいてビジネスマナー
の実践練習を始めたところ、まずチャレンジプログラム
内におけるビジネスマナーの般化が見られ始めた。その
後、チャレンジプログラム以外の場では実践が見られな
かったが、練習を積み重ね、20XX+1年1月には施設
外の実習の場においてもビジネスマナーの実践が高く評
価された。Aさんは知識としてビジネスマナーを学習す
ることと、実際の場面においてそれをどう使うかを体験 することの両方の場があることで、ビジネスマナーや時 間の管理などの基本的労働習慣について効果的に学習し、
徐々に広い場面に般化していったと考えられる。
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.1.5.対人関係やコミュニケーションスキルの向上
プログラムを通じ、Aさんに相手の気持ちを推し量る ことや自分の言動を意識することなどの対人関係やコミュ ニケーションにおけるスキルの向上が見られた。チャレ ンジプログラム参加当初、1日のみ行われた共同作業の 場面で、Aさんは自分のペースで作業を進められないこ とに苛立ちを感じ、強い口調で共同作業者に声かけを行 う姿が見られた。それを本人と振り返り、どのような行 動が好ましいか考えたところ、翌日の同様の場面におい て、他者のペースを待つことや優しい言葉を選んで声か けするなど、明らかな変化が見られた。その後も、共同 作業時に自らの感情をコントロールできずに強い口調で 相手に話し、その後自分で行動を振り返り、相手に謝罪 するや、同様の場面で同じような態度を取らないように 意識することを心がけるようになった。余裕のない場面 における感情コントロールがAさんの課題であるが、支 援者との振り返りを通じて相手の気持ちを推し量ること や自分の言動を意識することが徐々にではあるができる ようになってきている。
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.1.6.就労イメージの獲得就職活動の準備を始めた20XX+1年3月に関係機関 との面談を行った際、自分の障害特性や作業特性を自ら 説明しながら、自分の向いている仕事や避けた方がよい 仕事を自分の言葉で話していた。そのようなことは以前 のAさんには見られなかったが、チャレンジプログラム を通じて、結果を1つ1つ振り返ったことや特性を自分 の言葉で表現したことが、自らの特性を意識するという 変化の1つの要因であると考えられる。
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.1.7.プログラムの成果と課題以上の考察から認められるプログラムの成果は、①障 害特性及び作業特性に関する情報の整理、②自己理解の 深化、③セルフ・アドボカシー・スキルの向上、④対人 関係・コミュニケーションスキルの向上、⑤基本的労働 習慣の獲得、⑥就労イメージの獲得の6点が挙げられる。
これらの成果は、青年期・成人期に診断を受けたASD者 の課題となりやすい事項に対応しているといえる。
一方で、プログラムの今後の課題として、①職場で活 用するための情報として特性の分析及び検討が不十分で あること、②自己コントロールに関する取り組みがほと
んど取り入れられていないことの2つを整理することが できる。
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.2.本研究の限界と総括本研究を通じて、研究の主な目的であるアセスメント について、実際に職場で活かすためにはまだまだ不十分 なことが示唆された。今後は、現状では客観性について 弱さのある作業の評価基準の設定についてさらなる検討 を行い、客観性の高い量的データを積み重ね、企業に受 け止められやすい形で資料を示すことや、行動観察によ り得られた状態像から障害の本質に迫り、表面的なこと にととどまらない質的なアセスメントを行って支援へ繋 げることが大きな課題である。
また、自己理解の深化やセルフ・アドボカシー・スキ ルの向上、基本的労働習慣の獲得など、ASD者の就労支 援において重要な成果が示されたものの、それらが最終 的に実際の就労時に有効となり得るかという点について は就労後の検討等を含め長期的な視点を持つことが必要 である。
参考文献
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者の理解と支援−医療・教育・福祉・心理・アセスメント の基礎知識−,教育出版
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障害者職業総合センター(2009)発達障害者の就労支援の課題 に関する研究,独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構障 害者職業総合センター
石井哲夫(2003)高機能自閉症への社会的支援−自閉症・発達 障害支援センターの発足と課題−,自閉症スペクトラム研 究編集委員会,自閉症スペクトラム研究第2巻第1号,日 本自閉症スペクトラム学会
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関する実態調査,奈良県障害福祉部障害福祉課
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障害者職業総合センター(2007)トータルパッケージの活用の ために〜ワークサンプル幕張版(MWS)とウィスコンシン カードソーティングテスト(WCST)幕張式を中心として
〜,独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構障害者職業総 合センター
角 光 裕 美・米 田 英 雄・玉 村 公二彦 48