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JAXA Repository AIREX: DSEND#2搭載カメラの検討と試験結果

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(1)

宇宙航空研究開発機構研究開発資料

JAXA Research and Development Memorandum

2016年10月

October 2016

宇宙航空研究開発機構

Japan Aerospace Exploration Agency

D-SEND#2搭載カメラの検討と試験結果

Development and light test results about the onboard camera on the

D-SEND#2 airplane

高戸谷 健,平野 義鎭

(2)

Development and flight test results about the onboard camera on the D-SEND#2 airplane

by

Takeshi Takatoya*1 and Yoshiyasu Hirano*2

Abstract

The D-SEND project is a flight demonstration of low sonic boom design technology which is carried out by Japan Aerospace Exploration Agency. In the D-SEND#2 drop test, an unmanned experimental airplane was dropped around 30km altitude and glide over the sonic boom measurement point. The drop test was conducted on 24th July, 2015 at the Esrange Space Center, Sweden. On the experimental airplane, an onboard camera was installed in front of the vertical stabilizer. Several topics about the onboard camera were described in this report. A separated type of action camera was selected to satisfy requirements. Environment tests are conducted to check the behaviors at the high altitude environment. The images were obtained successfully from the balloon launch, ascent, high altitude floating, free flight to landing.

Keywords: D-SEND#2, onboard camera, flight test.

概 要

ソニックブームを半減させる技術の獲得に向け て小型の無人機供試体を用いた低

ソニックブーム設計概念実証プロジェクトを進め,第二回飛行試験を 2015 年 7 月 24

日に実施した.D-SEND#2 供試体に搭載した搭載カメラについて仕様を定め,候補を

選定し,確認試験を行い搭載カメラの構成を決定した.同時に供試体のプライムメーカ

の FHI や JAXA 内との調整を実施して,搭載カメラを載せる位置やカメラカバーの形

状,作業手順などを順次決めていった.第二回飛行試験においては,放球から着地まで

の映像を取得することができた成果について報告する.

*

平成28年9月14日受付 (Received September 14, 2016)

*1

航空技術部門 次世代航空イノベーションハブ

(Next Generation Aeronautical Innovation Hub Center, Aeronautical Technology Directorate)

(3)

単位[mm]

7913(ス タ ビ レ ー タ 舵 角0°時)

3

5

1

0

FSTA 1000

BL 0

FSTA WL BL

WL

172

1. はじめに

宇宙航空研究開発機構(以下JAXAと

呼 ぶ ) 航 空技 術 部 門 では ソ ニ ッ クブ ー ム

を 半 減 さ せ る 技 術 の 獲 得 に 向 け て 小 型

の無人機を用いた低ソニックブーム設計

概念実証(以下D-SENDと呼ぶ)プロジ

ェ ク ト を 進 め,飛 行 試 験 を ス ウ ェ ー デ ン

ESRANGE実験場で 2015 年7 月 24

日に実施した[1],[2]. D-SEND プロジェク ト は 無 人 で 推 力 を 持 た な い 供 試 体 を 気

球 から 自由 落下 さ せ 超音 速 飛行 中 に 発

生するソニックブームを地上付近で計測

した機構プロジェクトである.

本 報 告 で は,D-SEND#2 供 試 体 に 搭

載 し た 搭 載 カ メ ラ に つい て 仕 様 ・ 機 種 選

定 か ら 搭 載 ・ 飛 行 試 験 準 備 ま で の 一 連

のプロセスと飛行試験で得られた搭載カ

メラの結果について報告する.

2. D-SEND#2飛行試験の概要

D-SEND#2 試験は,JAXA の低ブー

ム設計概念を適用して設計・開発した供

試体を気球を用いて高度約 30km 上空

から自由落下させることにより, 所定の経

路上で超音速飛行を実現させ,超音速飛

行で発生するソニックブームを地上付近

で 計 測 し,設 計 し た 圧 力 波 形 と 比 較 す る

ことにより JAXAの低ブーム設計概念の

有効性を確認するための試験である.

こ の 試 験 に 用 い る 供 試 体 の 空 力 形 状

と制御系は JAXAにおいて設計した.制

御 系 の 実 装 と 供 試 体 の 詳 細 設 計 ・ 製 造

および飛行試験のための作業支援は富

士重工業株式会社(以下FHIと呼ぶ)が

担当した.

供 試体 は全 長 7.913m, 主翼 幅

3.510m の機体で,無推力の無人機であ

る.気 球 放 球 時 に 用 い ら れ る ク レ ー ン 車

のアーム高さ(約 12m)から,気球と供試

体を接続するゴンドラの高さ,および地面

と の ク リ ア ラ ン ス を 差 し 引 い て,供 試 体 の

全長は 8m 以下となるように仕様を定め

た. 主要諸元を表1 に,三面図を図1に

そ れ ぞ れ 示 す.な お,ソ ニ ッ ク ブ ー ム 計 測

地点を通過後,計測フェーズは終了し,投

棄 に 移 行 し,き り も み で 投 棄 す る た め,脚

(4)

等 の 降 着 系 統 や エ ア バ ッ グ ・ パ ラ シ ュ ー

トといった回収系統は装備されていない.

表1 D-SEND#2供試体の主要諸元

全長 7.913 m

全幅 3.510 m

翼面積 4.891m2

3. 【参考】小型超音速実験機(ロケット実

験機;NEXST-1)の搭載カメラについて

航 空 技 術 部 門 の 前 身 で あ る 航 空 プ ロ

グラムグループが2005 年 10 月に実施

した小型超音速実験機第二回飛行試験

[3]に お い て は,小 型 超 音 速 ロ ケ ッ ト 実 験

機に,カメラを搭載しており機体回収後に

映像を確認し,打ち上げ・上昇・打ち上げ

ロケットからの分離・パラシュートの開傘・

エ ア バ ッ グ の 放 出 ・ 着 地 ま で の プ ロ セ ス

が正常に行わ れたこと が視覚的にとらえ

られた.詳細な経緯は不明であるが,装備

品 で あ る も の の オ プ シ ョ ン 扱 い と し

て,JAXAが責任を持つことで搭載するこ

とになった.また,レンズは後ろ向きに設置

さ れ て お り,映 像 は機 体後 方 の 打 ち 上 げ

ロケットとの分離機構,水平尾翼,エアバッ

グ の 展 開 な ど が 撮 影 さ れ て い た.記 録 部

はDVに記録する形式で,電源は機体電

源 か ら 供 給 さ れ て い た.撮 影 さ れ た 映 像

の代表的なものを図 2 に示す.打ち上げ

ロケットで加速中にマッハ数約 2.5 で飛

行した場合,空力加 熱で レンズ の保証温

度 を 越 え る 可 能 性 が あ っ た こ と か ら 当 初

はレンズの覆いに断熱材を入れてあった

が,断熱材が溶けた場合の影響を考慮し

て最終的には断熱材を外す処置をした.

4. 搭載カメラの検討

2011年度にD-SEND #2供試体の詳

細 設 計 が 本 格 化 し た こ と を 受

け,D-SEND#2 供試体にカメラを搭載し

て 気 球 か ら の 分 離 お よ び 分 離 後 の 飛 行

状況を映像に記録することは有用である

ことから搭載カメラの検討を開始した.

気球にスマートホ ンを載せて成層圏ま

で飛ばした 事例な どが 映像サイ ト[4],[5]等

図2 NEXST-1搭載カメラの映像

a)打ち上げ b)分離 c)飛行

d)ドローグシュート開傘 e)エアバッグ展開・着地

単位

ス タ ビ レ ー タ 舵 角 時

はじめに

宇宙航空研究開発機構(以下 と

呼 ぶ ) 航 空技 術 部 門 では ソ ニ ッ クブ ー ム

を 半 減 さ せ る 技 術 の 獲 得 に 向 け て 小 型

の無人機を用いた低ソニックブーム設計

概念実証(以下 と呼ぶ)プロジ

ェ ク ト を 進 め 飛 行 試 験 を ス ウ ェ ー デ ン

実験場で 年 月

日に実施した プロジェク

ト は 無 人 で 推 力 を 持 た な い 供 試 体 を 気

球 から 自由 落下 さ せ 超音 速 飛行 中 に 発

生するソニックブームを地上付近で計測

した機構プロジェクトである

本 報 告 で は 供 試 体 に 搭

載 し た 搭 載 カ メ ラ に つい て 仕 様 ・ 機 種 選

定 か ら 搭 載 ・ 飛 行 試 験 準 備 ま で の 一 連

のプロセスと飛行試験で得られた搭載カ

メラの結果について報告する

飛行試験の概要

試験は の低ブー

ム設計概念を適用して設計・開発した供

試体を気球を用いて高度約 上空

から自由落下させることにより 所定の経

路上で超音速飛行を実現させ超音速飛

行で発生するソニックブームを地上付近

で 計 測 し 設 計 し た 圧 力 波 形 と 比 較 す る

ことにより の低ブーム設計概念の

有効性を確認するための試験である

こ の 試 験 に 用 い る 供 試 体 の 空 力 形 状

と制御系は において設計した制

御 系 の 実 装 と 供 試 体 の 詳 細 設 計 ・ 製 造

および飛行試験のための作業支援は富

士重工業株式会社(以下 と呼ぶ)が

担当した

供試体 は 全長 主翼 幅

の機体で無推力の無人機であ

る 気 球 放 球 時 に 用 い ら れ る ク レ ー ン 車

のアーム高さ(約 )から 気球と供試

体を接続するゴンドラの高さおよび地面

と の ク リ ア ラ ン ス を 差 し 引 い て 供 試 体 の

全長は 以下となるように仕様を定め

た 主要諸元を表 に三面図を図 に

そ れ ぞ れ 示 す な お ソ ニ ッ ク ブ ー ム 計 測

地点を通過後計測フェーズは終了し 投

棄 に 移 行 し き り も み で 投 棄 す る た め 脚

(5)

に公開されていたが,設計当時は正規の

装 備 品 と し て 環 境 条 件を 満 足 す る よう な

器 材 は 市 販 さ れ て お ら ず,搭 載 カ メ ラ は

開発品に なる こ とからコ ストやス ケジ ュー

ル を 圧 迫 す る こ と が 懸 念 さ れ た こ と を 受

けて,供試体のプライムメーカである FHI

と調整を行った結果,NEXST-1と同様に

JAXA の 責 任 で 搭 載 す る 装 備 品 と し て

扱 う こ と に な っ た.そ の た め,搭 載 カ メ ラ の

映像取 得はオプ ショ ン 扱い として い る.ま

た,D-SENDプロジェクトチームにおいて

は,システム班と構造班が担当することに

なった.

D-SEND#2 供 試 体 に カ メ ラ を 搭 載 す

る 検 討 の 概 要 と し て は,ま ず 第 一 に 搭 載

カメラの要求仕様を検討し,候補となる機

種を選定した.簡易環境試験を実施して,

気球で高度30km 付近を滞空する高真

空・低温条件で稼働することを確認した.

さ ら に ス ウ ェ ー デ ン SSC(Swedish

Space Corporation)社が実施した気球

の試験に便乗して搭載カメラを試験した.

そ の 後,搭 載 カ メ ラ を 供 試 体 に 搭 載

し,FHI が実施したシステム統合試験に

供 し,他 系 統 に 影 響 を 与 え な い こ と を 確

認し,現地に輸送して,計2回の飛行試験

を実施した.スケジュー ルと主要なイベ ン

トを列挙して,図 3 に示す.本報告では,イ

ベントに沿って説明していく.

4.1 要求仕様の策定

プロジェクトチーム内でD-SEND#2供

試体にカメラを搭載する際に満たすべき

条 件を 洗 い出 し,その 条件 を元 に仕 様を

策 定 し た.満 た す べ き 要求 と し て は,① 前

方を撮影する,②空力抵抗の増加を最小

限におさえる,③市販品を利用する,④操

作 が 簡 単,⑤ 成 層 圏 で 曝 さ れ る 高 真 空 ・

低温環境に対する耐環境性を有する,⑥

機 体 の 電 源 は 使 わ ず に独 立 し た 電 源 を

使 う,⑦ 映 像 を ダ ウ ン リ ン ク し な い 等 が 挙

げ ら れ た.こ れ ら の 満 た す べ き 要 求 を 仕

様にまとめたものを表2に示す.

(6)

表2 搭載カメラの要求仕様

項目 小項目 仕様

カメラ本体 画質 解像度VGA(640×480)以上

撮影コマ数 15 fps以上

撮影時間 6時間(滞空)+3分(飛行)以上

電源 独立した電源(機体電源を使わない)

供試体とのI/F 突起物の高さ 50mm 以内

映像信号 記録メディアに保存(ダウンリンクしない)

その他 電磁干渉しないこと

スイッチ類は供試体に設けない

環境条件 温度 -13℃~42℃で動作すること

圧力 大気圧~高度32kmで動作すること

飛行時の急加圧に耐えること

荷重 装備品に準ずること

4.2 候補の選定

数 多 くの 市 販 品 の 中 か ら 搭 載 カ メ ラ と

し て 使 え る 可 能 性 の あ る も の を 探 し て 検

討 した と こ ろ,レ ン ズ部 が独 立 して い て 研

究 用 に 使 用 し た 実 績 も あ る 株 式 会 社 エ

ルモ社のELMO SUV-Cam Professio

nal シリーズが有力であるということから,

第一候補 とし て次の 段 階に進 める こ とに

した.表3 に候補の選定結果を示す.ロケ

ッ ト 実 験 機 (NEXST-1) の 搭 載 カ メ ラ は

機体電源を必要とすること,記録部がメカ

ニ カ ル な 記 録 な た め,実 績 が あ る も の の

総 合 評 価 と し て は × と し た.Apple 社 製

iPhone4に代表されるスマートホンは,気

球 に 載 せ て 成 層 圏 ま で 撮 影 し て 回 収 し

た実績が映像サイトな ど に公表され てい

る も のの,レ ン ズ の向 きを前 方 にす る と 本

体の高さが高いので突起の高さが高くな

る た め 総 合 評 価 は × と し た.ア ク シ ョ ン カ

メラのWoodman Labs 社製 GoProは

付属品も充実し ていて 候補として 検討し

たが,防水ケースと外部電源が両立せず

に総合評価は×とした.ビデオカメラJVC

ケンウッド社製 GZ-E220 は少々高さが

高いものの,それ 以外の 条件は満足 でき

る見込みのため第二候補とした.

4.3 簡易 環 境試 験 ( 圧力 ) に よ る 搭 載 カ

メラの性能確認

第 一 候 補 と し て 挙 げ ら れ た ELMO

SUV-Cam Professional シリーズにつ

いて,環境条件の中で一番クリティカルと

考 え ら れ る 圧 力 に 関 す る 簡 易 試 験 を 実

施 し,動 作 を 確 認 し た こと に よ り,搭 載 カ メ

ラとして選定した.

簡易環境試験(圧力)について詳細を

記 す.国 際 標 準 大 気 の 線 形 モ デ ル[6]に 定 め ら れ る 高 度-圧 力 の 関 係 よ り,高 度

32km における大気圧は 8.68×102Pa

となるため,汎用の真空ポンプとデシケー

タ を 用 い た 簡 易 設 備 で 実 施 す る こ と と し

た.大気圧から高度32km相当圧力まで に公開されていたが設計当時は正規の

装 備 品 と し て 環 境 条 件を 満 足 す る よう な

器 材 は 市 販 さ れ て お ら ず 搭 載 カ メ ラ は

開発品に なる こ とからコ ストやス ケジ ュー

ル を 圧 迫 す る こ と が 懸 念 さ れ た こ と を 受

けて供試体のプライムメーカである

と調整を行った結果 と同様に

の 責 任 で 搭 載 す る 装 備 品 と し て

扱 う こ と に な っ た そ の た め 搭 載 カ メ ラ の

映像取 得はオプ ショ ン 扱い として い る ま

た プロジェクトチームにおいて

は システム班と構造班が担当することに

なった

供 試 体 に カ メ ラ を 搭 載 す

る 検 討 の 概 要 と し て は ま ず 第 一 に 搭 載

カメラの要求仕様を検討し候補となる機

種を選定した簡易環境試験を実施して

気球で高度 付近を滞空する高真

空・低温条件で稼働することを確認した

さ ら に ス ウ ェ ー デ ン (

)社が実施した気球

の試験に便乗して搭載カメラを試験した

そ の 後 搭 載 カ メ ラ を 供 試 体 に 搭 載

し が実施したシステム統合試験に

供 し 他 系 統 に 影 響 を 与 え な い こ と を 確

認し 現地に輸送して計 回の飛行試験

を実施した スケジュー ルと主要なイベ ン

トを列挙して 図 に示す本報告では イ

ベントに沿って説明していく

要求仕様の策定

プロジェクトチーム内で 供

試体にカメラを搭載する際に満たすべき

条 件を 洗 い出 し その 条件 を元 に仕 様を

策 定 し た 満 た す べ き 要求 と し て は ① 前

方を撮影する ②空力抵抗の増加を最小

限におさえる ③市販品を利用する ④操

作 が 簡 単 ⑤ 成 層 圏 で 曝 さ れ る 高 真 空 ・

低温環境に対する耐環境性を有する ⑥

機 体 の 電 源 は 使 わ ず に独 立 し た 電 源 を

使 う ⑦ 映 像 を ダ ウ ン リ ン ク し な い 等 が 挙

げ ら れ た こ れ ら の 満 た す べ き 要 求 を 仕

様にまとめたものを表 に示す

(7)

表3 搭載カメラの候補の選定結果

候補 NEXST-1

同等品

スマート

ホン

iPhone4

ビデオ

カメラ

JVC GZ-E220

ア ク シ ョ ン

カメラ

GoPro

アクション

カメラ

SUV-Cam

性能 ○ ○ ○ ○ ○

価格 × ○ ○ ○ ○

電源 × 外付け必要 外付け必要 × 外付け必要

欠点 メカニカルな

記録(DAT)

レ ン ズ の 向 き

が合わず

高さ55mm 外 付 け バ

ッ テ リ が 使

えない

解 像 度 が

VGA

実績 ◎ ○(JAXA外) NA NA ○

その他 防 水 ケ ー

スあり

レンズ部は

防水

総合

評価

× × ○ × ◎

の減圧・保持・圧力回復は表4に示す 条件で実施した.減圧 時および圧力回 復時の圧力履歴を図 4,5 に示す.高度

32km 相当圧力での保持時間は,録画部

本 体 の 液 晶 を 点 灯 さ せ た ま ま 内 蔵 バ ッ テ リ の み で 撮 影 可 能 な 時 間 の 制 約 から46分間とした.

表4 減圧・保持・圧力回復の条件

減圧 保持 圧力回復

圧力 大気圧

⇒850Pa

850Pa

保持

850Pa

⇒大気圧

試験

時間

17分13秒 46分 6分05秒

合計 69分18秒

動 画 は 圧 力 変 化 の 全 て の プ ロ セ ス に

お い て 正 常 に 取 得 さ れ て お り,高 度

32km 相当圧力から大気圧まで の環境

下において搭載カメラが正常に機能する

こ と が 確 認 で き た.ま た,試 験 終 了 後 の 外

観,液晶部,レンズ部には視認できる損傷

は確認されなかった.内蔵バッテリに関し

て も 変 形,液 漏 れ 等 は 発 生 し て い な い こ

とを確認できた.

そ の 他,環 境 条 件 と し て は,温 度 環 境 ・

荷 重 条 件 な ど が 他 に も あ る が,録 画 部 は

供試体内部のケースに入れることで低温

環 境 に は 曝 さ れ な い よ う に 保 護 す る こ と

で対策することにして回避することにした.

また,荷重条件については,アクションカメ

ラとして市販されていることもあり,装備品

に近い 耐荷 重性能 があ ると 考えら れる こ

と か ら 問 題 な い と 判 断 し,環 境 試 験 は 実

施 し て いな い.な お,録画 部 のケ ー スに ス

タ イ ロ フ ォ ー ム な ど の 衝 撃 を 吸 収 で き る

素材を入 れ る こ とで 耐 衝撃性を 上げ るこ

とにした.

これらの結果から,ELMO SUV-Cam

(8)

図4 減圧時の圧力履歴

図5 圧力回復時の圧力履歴 表 搭載カメラの候補の選定結果

候補

同等品

スマート

ホン

ビデオ

カメラ

ア ク シ ョ ン

カメラ

アクション

カメラ

性能 ○ ○ ○ ○ ○

価格 ○ ○ ○ ○

電源 外付け必要 外付け必要 外付け必要

欠点 メカニカルな

記録

レ ン ズ の 向 き

が合わず

高さ 外 付 け バ

ッ テ リ が 使

えない

解 像 度 が

実績 ◎ ○( 外) ○

その他 防 水 ケ ー

スあり

レンズ部は

防水

総合

評価

○ ◎

の減圧・保持・圧力回復は表 に示す 条件で実施した 減圧 時および圧力回 復時の圧力履歴を図 に示す 高度 相当圧力での保持時間は 録画部 本 体 の 液 晶 を 点 灯 さ せ た ま ま 内 蔵 バ ッ テ リ の み で 撮 影 可 能 な 時 間 の 制 約 から 分間とした

表 減圧・保持・圧力回復の条件

減圧 保持 圧力回復

圧力 大気圧

⇒ 保持 ⇒大気圧

試験

時間

分 秒 分 分 秒

合計 分 秒

動 画 は 圧 力 変 化 の 全 て の プ ロ セ ス に

お い て 正 常 に 取 得 さ れ て お り 高 度

相当圧力から大気圧まで の環境

下において搭載カメラが正常に機能する

こ と が 確 認 で き た ま た 試 験 終 了 後 の 外

観液晶部 レンズ部には視認できる損傷

は確認されなかった内蔵バッテリに関し

て も 変 形 液 漏 れ 等 は 発 生 し て い な い こ

とを確認できた

そ の 他 環 境 条 件 と し て は 温 度 環 境 ・

荷 重 条 件 な ど が 他 に も あ る が 録 画 部 は

供試体内部のケースに入れることで低温

環 境 に は 曝 さ れ な い よ う に 保 護 す る こ と

で対策することにして回避することにした

また荷重条件についてはアクションカメ

ラとして市販されていることもあり装備品

に近い 耐荷 重性能 があ ると 考えら れる こ

と か ら 問 題 な い と 判 断 し 環 境 試 験 は 実

施 し て いな い な お録画 部 のケ ー スに ス

タ イ ロ フ ォ ー ム な ど の 衝 撃 を 吸 収 で き る

素材を入 れ る こ とで 耐 衝撃性を 上げ るこ

とにした

これらの結果から

シリーズを搭載カメラに選

経過時間 [分]

力[

P

a

経過時間 [分]

力[

P

a

15:00

00:00 05:00 10:00 20:00

1.0E+05

1.0E+04

1.0E+03

1.0E+02

1.0E+05

1.0E+04

1.0E+03

1.0E+02

(9)

表5 ELMO SUV-Cam Professionalシリーズの仕様

[7]

レンズ部 全体 防水性能 IPX8

外形寸法 φ20mm×84.8mm

レンズ 焦点距離 3.8mm

Fナンバ F2.0

カメラ 撮影素子 1/4型CCD

有効画素 44万画素

記録部 全体 記録メディア SDHCメモリーカード

質量 約130g

外形寸法 W58mm×H102mm×D30mm

(突起除く)

外部端子 DC-IN端子 専用ジャック

電源部 内蔵バッテリ 種別 リチウムイオンバッテリ

定格容量 1,660mAh

使用環境 使用温度 0℃~40℃(記録部)

-10℃~50℃(レンズ部)

定 し た.ELMO SUV-Cam Professio

nalシリーズの代表的な仕様を表5に示

す.

4.4 空力形状の設計

供試体に搭載カメラのレンズを搭載す

るに あたり,空力性 能に 影響を与え る こと

から空力班と搭載位置・突起物の形状と

高さ等について調整を行った.結果を以

下に列挙する.

・ 供 試 体 上 面 に レ ン ズ を 配 置 す る こ と

でソニックブームへは影響しないことを数

値流体力学(CFD)で確認できたため,レ

ンズは上面に配置することにした.

・ 供 試体 上面 の 中で レン ズ の 配置 と し

て は 境 界 層 の 厚 さ と の 兼 ね 合 い で 垂 直

尾翼の手前にすることにした.

・ 抵 抗 増 加 を 出 来 る だ け 少 な く す る た

め,要求仕様にもあるように 50mm 以内

に抑えるようにすること.

・ レ ン ズ を 保 護 す る こ と,外 形 形 状 を 滑

らかにするため,レンズにはカバーを付け

るこ と.その 外形に つい ては,構 造班 が形

状を定義し,汎用 CADソフト CATIAを

用いて空力班が図 6 に示すような形状

データを作成した.

・カバーと機体外板の隙間は外板のギ

ャップ・クリアランス要求と同一とすること.

例えば,想定される搭載位置ではギャッ

プ2mm以下等の条件が決められている.

図6 レンズ部のカバーの外形 φ20

90

1.5

1.5 45

10

OML Line

OML Line 1.5 1.5

50 φ20

φ20 90

1.5

1.5 45

10

OML Line

OML Line 1.5 1.5

(10)

4.5 カメラカバーの設計と製造

搭 載 カ メラ の レ ン ズ 部 を保 護 す る カ バ

ー ( 部 品 名 称 : カ メ ラ カ バ ー ) は,外 形 形

状以外の詳細については,FHI と調整し

ながら設計を行った.供試体の搭載位置

前後の外板の強度計算書を参考に,カメ

ラ カ バ ー の 材 質 ・ 最 小 板 厚,供 試 体 へ の

固定方法,表面処理や塗装などを設計し

た.代表的な仕様を表6に示す.

表6 カメラカバーの仕様

項目 仕様

材質 A-5056

板厚 一般部 5mm

表面

処理

研磨後アノダイズ処理

塗装 エポキシプライマ

EPORA#3000S+トップコート

スカイハロー#200

供 試 体

への

固定

NAS1203-5(φ3/16IN.)

×8本

こ れ ら の 仕 様 を 元 に,加 工 メ ー カ ー に

製造を依頼した.その他,レンズの固定部

や録画部を収めるケースなども合わせて

製造した.完成した部品を図7に示す.

4.6 外付け電源の検討

内 蔵 バ ッ テ リ だ け で は 必 要 な 撮 影 時

間を確保できない ことか ら外付け電源が

必 要 で あ る.( 株 ) エ ル モ 社 の ELMO

SUV-Cam Professional シリ ー ズ の オ

プション品 として,外 付け が用意さ れて い

るが,乾電池ケースのため,容量が十分で

は な い.ま た , 汎 用 乾 電 池 は 低 温 , 低 圧

環 境 下 で の 動 作 が 保 証 さ れ て い な い .

カメラ本体にはDC +5Vを供給すればよ

いことから, 乾電池ケースのコネクタのみ

a)カメラカバー

b)ケース

c)レンズの固定部

図7 完成したカメラカバー等

表 シリーズの仕様

レンズ部 全体 防水性能

外形寸法 φ

レンズ 焦点距離

ナンバ

カメラ 撮影素子 型

有効画素 万画素

記録部 全体 記録メディア メモリーカード

質量 約

外形寸法

(突起除く)

外部端子 端子 専用ジャック

電源部 内蔵バッテリ 種別 リチウムイオンバッテリ

定格容量

使用環境 使用温度 ℃~ ℃(記録部)

℃~ ℃(レンズ部)

定 し た

シリーズの代表的な仕様を表 に示

空力形状の設計

供試体に搭載カメラのレンズを搭載す

るに あたり空力性 能に 影響を与え る こと

から空力班と搭載位置・突起物の形状と

高さ等について調整を行った.結果を以

下に列挙する

・ 供 試 体 上 面 に レ ン ズ を 配 置 す る こ と

でソニックブームへは影響しないことを数

値流体力学( )で確認できたためレ

ンズは上面に配置することにした

・ 供 試体 上面 の 中で レン ズ の 配置 と し

て は 境 界 層 の 厚 さ と の 兼 ね 合 い で 垂 直

尾翼の手前にすることにした

・ 抵 抗 増 加 を 出 来 る だ け 少 な く す る た

め要求仕様にもあるように 以内

に抑えるようにすること

・ レ ン ズ を 保 護 す る こ と外 形 形 状 を 滑

らかにするためレンズにはカバーを付け

るこ と その 外形に つい ては構 造班 が形

状を定義し,汎用 ソフト を

用いて空力班が図 に示すような形状

データを作成した.

・カバーと機体外板の隙間は外板のギ

ャップ・クリアランス要求と同一とすること

例えば想定される搭載位置ではギャッ

プ 以下等の条件が決められている

図 レンズ部のカバーの外形 φ20

90

10

(11)

流 用 し , USB の モ バ イ ル バ ッ テ リ を 接

続することとした.

ま た,外 付 け 電 源 に つ い て は,「4.10

現 地 作 業 手順 の 事前 調整 作 業 」に 後 述

す る 調 整 結 果 に よ り,電 源 投 入 し て か ら

10 時間後に録画開始し,6 時間+3 分の

撮 影 時 間 を カ バ ー で き る よ う に 容 量

10,000mAhのものを選定した.

4.7 詳細設計審査会指摘事項の検討

2012 年 5 月 7 日 に 実 施 し た

D-SEND#2 詳細設計審査会(CDR)に

おいて,審査委員の一人である宇宙科学

研 究 所 教 授 吉 田 哲 也 氏 よ り 「 不 時 の

電 源 断 が 起 き た 際 , オ ン ボ ー ド カ メ ラ の

ファイルクローズ処理が適切に行われな

い た め に 画 像 が 全 く 保 存 さ れ な い 可 能

性が大きい」と指摘を受けた.また,外付け

電 源 が 外 れ な い よ う に 保 護 す る よ う に と

助言を頂いた.

搭 載 カ メ ラ の 仕 様 を 確認 す る と と も に,

不 意 の 電源 断を 模 擬する 等 の 確 認を 行

っ た 結 果,録 画 中 の 動 画 フ ァ イ ル が 破 損

し て 再 生 で き な く な る こ と が あ る こ と が 確

認 さ れ た.そ の た め,動 画 フ ァ イ ル を

128MB で 分 割 し て 録 画 し て い くモ ー ド

を 使 う こ と で電 源 断 の一つ 前 の 動 画 フ ァ

イルを保存するようにした.また,最高画質,

最高フレームレートで 128MB の動画フ

ァイルは撮影時間にして4 分22 秒に相

当 す る た め,最 悪 の 場 合,予 定 飛 行 時 間

3 分間の映像が保存で きない可能性が

あ る こ と か ら,着 地 時 の 衝 撃 で 外 付 け 電

源 が 外 れ な い よ う 衝 撃 吸 収 材 で 録 画 部

を覆った上で ケ ースに 固定す る とと もに,

録 画 部 の 取 り 付 け 作 業手 順 に 外 付 け 電

源 コ ネ ク タ の 固 定 作 業 を 追 加 す る こ と で

対応した.

4.8 気球を使った確認試験

D-SEND#2 飛 行 試 験 を 実 施 す る 実

験 場 に お い て,ヨ ー ロ ッ パ の 学 生 向 け の

気球実 験 BEXUS15[8]が計画 さ れ てい たため,その実験に便乗する形で搭載カ

メ ラ の 実 環 境 で の 確 認 試 験 を 実 施 し た.

確認試験は2012年9月25日に実施し

た.放球シーケンスの 1 時間前からの作

業 工 程 に お い て,録 画 を 開 始 し た.容 積

12,000m3

の気球(D-SEND#2 飛行試

験の気球334,705m3の1/25程度)を用

いて,ペイロード約100kgを搭載したゴン

ド ラ を 放 球 し た.気 球 は 放 球 後,高 度

25km 付近まで上昇し,滞空した.その後,

パ ラ シ ュ ー ト を 使 い ゴ ン ド ラ の み 降 下 し,

放 球 し て か ら 約 6.5 時 間 後 に 着 地 し

た.JAXAからはD-SENDプロジェクトチ

ームの佐々木・原田・菊池3名が参加し,

搭載カメラの設置・操作等を実施した.搭

載カメラの設置状況を図8に示す.

ゴ ン ド ラ を 回 収 後,搭 載 カ メ ラ を 取 り 外

し,撮 影 さ れ た 映 像 を 確 認 し た と こ ろ,動

画ファイルは 128MB 毎に記録されてい

ることが確認できたが,着地後も撮影を継

続し,内蔵バッ テリと 外 付け電源が つきる

まで約 15 時間撮影しているのに対して,

記録メディアの16GBのSDHCメモリー

カードは約12時間分しか記録できず,記

録容量の不足分 3 時間分が上書きされ

ていることが分かった.代表的な撮影した

画像を図 9 に示す.また,記録部・レンズ

部 ・ 外 付 け 電 源 等 に 破損 ・ 変 形 ・ 液 漏 れ

(12)

図8 気球確認試験における

搭載カメラの設置状況

図9 撮影した画像

こ の 確 認 試 験 の 結 果を受 け て,選 定 し

た搭載カメラは上空の低温・高真空環境

下 で 動 作 す る こ と が 確 認 で き た の

で,D-SEND#2 供試体に搭載することを

決 定 し た.な お,上 書 き さ れ て 映 像 が 消 さ

れ る こ と が な い よ う に,記 録 メ デ ィ ア の 容

量を32GBに増大させるとともに,バッテリ

がつきるまで撮影するのではなく,作業手

順に撮影時間を設定することを追加する

ことにした.

ま た ゴ ン ド ラ の 回 収 状 況,お よ び

D-SEND#2に先立って2011年に実施

されたD-SEND#1落下試験[9]の結果を

受けて,湿地帯に D-SEND#2 供試体が

着地して水没したとしても,映像が入って

いる SD カードを回収する可能性を高め

るためにSDカードは防水・防塵のものを

採用することとした.

4.9 搭載カメラの調達と FHI への支給・

関連試験の実施

環境試験や気球確認試験に使用する

た め に順 次 構成 品の 購入 や ケ ース 等 の

加 工 を 行 い,仕 様 を 最 終 的 に 決 め た.最

終的に採用した搭載カメラと構成品の一

覧と個数を表7にまとめて示す.

D-SEND#2 供試体#1001,#1002 号

機 用 に 識 別 す る た め,S/N を 記 載 し た リ

ストを作成し,各部品にラベルを貼って管

理 し た.な お,ス ウ ェ ー デ ン ま で の 輸 送 に

あ た り,搭 載 カ メ ラ ELMO SUV-Cam

Professional 記 録 部 と レ ン ズ 部 は ( 株 )

エ ル モ 社 よ り 輸 出 貿 易 管 理 令 規 制 貨 物

等 に 関 す る 該 否 判 定 書 に よ り 非 該 当 で

あると回答を得ている. 流 用 し , の モ バ イ ル バ ッ テ リ を 接

続することとした

ま た 外 付 け 電 源 に つ い て は 「

現 地 作 業 手順 の 事前 調整 作 業 」に 後 述

す る 調 整 結 果 に よ り 電 源 投 入 し て か ら

時間後に録画開始し 時間 分の

撮 影 時 間 を カ バ ー で き る よ う に 容 量

のものを選定した

詳細設計審査会指摘事項の検討

年 月 日 に 実 施 し た

詳細設計審査会( )に

おいて審査委員の一人である宇宙科学

研 究 所 教 授 吉 田 哲 也 氏 よ り 「 不 時 の

電 源 断 が 起 き た 際 , オ ン ボ ー ド カ メ ラ の

ファイルクローズ処理が適切に行われな

い た め に 画 像 が 全 く 保 存 さ れ な い 可 能

性が大きい」と指摘を受けたまた外付け

電 源 が 外 れ な い よ う に 保 護 す る よ う に と

助言を頂いた

搭 載 カ メ ラ の 仕 様 を 確認 す る と と も に

不 意 の 電源 断を 模 擬する 等 の 確 認を 行

っ た 結 果 録 画 中 の 動 画 フ ァ イ ル が 破 損

し て 再 生 で き な く な る こ と が あ る こ と が 確

認 さ れ た そ の た め 動 画 フ ァ イ ル を

で 分 割 し て 録 画 し て い くモ ー ド

を 使 う こ と で電 源 断 の一つ 前 の 動 画 フ ァ

イルを保存するようにしたまた最高画質

最高フレームレートで の動画フ

ァイルは撮影時間にして 分 秒に相

当 す る た め 最 悪 の 場 合 予 定 飛 行 時 間

分間の映像が保存で きない可能性が

あ る こ と か ら 着 地 時 の 衝 撃 で 外 付 け 電

源 が 外 れ な い よ う 衝 撃 吸 収 材 で 録 画 部

を覆った上で ケ ースに 固定す る とと もに

録 画 部 の 取 り 付 け 作 業手 順 に 外 付 け 電

源 コ ネ ク タ の 固 定 作 業 を 追 加 す る こ と で

対応した

気球を使った確認試験

飛 行 試 験 を 実 施 す る 実

験 場 に お い て ヨ ー ロ ッ パ の 学 生 向 け の

気球実 験 が計画 さ れ てい

たためその実験に便乗する形で搭載カ

メ ラ の 実 環 境 で の 確 認 試 験 を 実 施 し た

確認試験は 年 月 日に実施し

た放球シーケンスの 時間前からの作

業 工 程 に お い て 録 画 を 開 始 し た 容 積

の気球( 飛行試

験の気球 の 程度)を用

いてペイロード約 を搭載したゴン

ド ラ を 放 球 し た 気 球 は 放 球 後 高 度

付近まで上昇し滞空した その後

パ ラ シ ュ ー ト を 使 い ゴ ン ド ラ の み 降 下 し

放 球 し て か ら 約 時 間 後 に 着 地 し

た からは プロジェクトチ

ームの佐々木・原田・菊池 名が参加し

搭載カメラの設置・操作等を実施した搭

載カメラの設置状況を図 に示す

ゴ ン ド ラ を 回 収 後 搭 載 カ メ ラ を 取 り 外

し 撮 影 さ れ た 映 像 を 確 認 し た と こ ろ 動

画ファイルは 毎に記録されてい

ることが確認できたが着地後も撮影を継

続し 内蔵バッ テリと 外 付け電源が つきる

まで約 時間撮影しているのに対して

記録メディアの の メモリー

カードは約 時間分しか記録できず記

録容量の不足分 時間分が上書きされ

ていることが分かった代表的な撮影した

画像を図 に示す また記録部・レンズ

部 ・ 外 付 け 電 源 等 に 破損 ・ 変 形 ・ 液 漏 れ

(13)

表7 搭載カメラの仕様と数量

項目 仕様 数量

搭載カメラ記録部 ELMO SUV-Cam Professional 2式(S/N 001, 002)

レンズ部 ELMO SUV-Cam 用 カ メ ラ ヘ ッ ド

(80cm)

2式(S/N 001, 002)

内蔵バッテリ ELMO SUV-Cam用内蔵バッテリ 4 式 (S/N 001, 002,

003, 004)

外付け電源 KOGES Enecycle EN03 3式

(S/N 001, 002, 003)

SDHCカード サンディスクSDSDXPA-032G-J35 3 式 (S/N 001, 002,

003)

カメラカバー 専用設計品 2式(S/N 001, 002)

レンズ固定部 専用設計品 2式(S/N 001, 002)

その後,搭載カメラ一式が揃ったところ

で,D-SEND#2 供試体に組み込むため

FHI に支給した.FHI 宇都宮製作所に

おいて,D-SEND#2供試体に搭載カメラ

の 組 み 込 み を 実 施 し た.そ の 後,関 連 試

験の一つであるシステム統合試験(電磁

干渉試 験)を実 施した.搭載カメラも 電源

を入れて撮影し,供試体の他系統に影響

を与えないことを確認した.試験は空調さ

れている電波 暗室で実 施したが,装備品

か ら の 発 熱 な ど に よ り 搭 載 カ メ ラ 記 録 部

が 加 熱 さ れ る 懸 念 が あ っ た た め,ケ ー ス

には衝撃吸収材を入れず,養生テープで

固 定 す る だ け に と ど め た.試 験 終 了 後 に

搭載カメラを取り出して確認したところ,外

付 け 電 源 と 搭 載 カ メラ記 録 部 は か な り の

発熱があることが確認されたことを受けて,

現地での地上試験においては衝撃吸収

材を入れずに試験する手順とした.

その後,搭載カメラは D-SEND#2 供

試 体 に 組 み 込 ま れ た 状 態 で ス ウ ェ ー デ

ンまで輸送された.

4.10 現地作業手順の事前調整作業

搭載カメラの準備と並行して,現地での

作業手順についてJAXA内およびFHI

と調整を行い,作業手順書を用意した.考

慮 し た 項 目 と 作 業 手 順 に 反 映 し た 項 目

を下記に記す.

・ カ メ ラ カ バ ー と 周 囲 の 外 板 と の 隙 間

はシーラント材でギャップを埋めてスムー

ズな表面にすること. ⇒ シーラント材の

塗 布 ・ 硬 化 ・ 乾 燥 ・ 補 正 な ど で 最 大 四 日

程 度 必 要になるの で,カ メラのピ ン ト調整

作 業 を 早 め に 実 施 す る.ピ ン ト 調 整 作 業

は休憩時間等を用いてFHIの作業を妨

げないようにする.

・ 現 地 で は 気 球 関 連 の 電 波 と 干 渉 す

る 懸 念 が あ る た め 2.4GHz 帯 の 電 波

(Bluetooth 等 が 該 当)が 使 え な い. ⇒

遠隔操作で録画開始を検討したが,導入

(14)

・屋内から屋外にD-SEND#2供試体

を 出 す 際 に は,ほ こ り や 異 物 の 侵 入 を 避

け る た め ア ク セ ス パ ネ ル は 締 め て お く.

⇒ 屋 内 で ア ク セ ス パ ネル は 締 め て お く

よう に なるため,録画 部 には外から アクセ

スできない.

・トランスポンダーの電源を投入した後

は,ト ラ ン ス ポ ン ダ ー の ア ン テ ナ か ら 一 定

の離隔距離が必要. ⇒ 搭載カメラを先

に取り付け,その後,トランスポンダーを取

り 付 け た 後,ト ラ ン ス ポ ン ダ ー の 電 源 を 投

入する.

・D-SEND#2 供試体が倒立した状態

お よ び ゴ ン ド ラ に 吊 り 下 げ ら れ た 状 態 で

は,安全のため D-SEND#2 供試体から

離隔距離 10m が必要.レンズ部は高さ

6m 程度に位置するためレンズ部にはア

クセスできない. ⇒ カメラカバーのレン

ズ保護窓のカバーは倒立前に外す.

これらの要件を満たしつつ,搭載カメラ

の 現 地 で の 作 業 手 順 書 と し て 用 意 し た

手順書を表8に示す.

表8 搭載カメラに関する現地作業

手順書リスト

フェーズ 番号 手順書名称

準備 P-AP-003 機上カメラ

準備手順書

P-AP-004 機上カメラ

搭載・取り外し

手順書

試験 L-AP-001 機上カメラ

運用手順書

5. 第一次キャンペーン現地作業と

第一回飛行試験結果

5.1 準備フェーズ

第 一 次 キ ャ ン ペ ー ン に お い て,2013

年6月24日から構造班平野・高戸谷が

現 地 で 作 業 を開 始 し,準備 フ ェー ズ の 作

業手順書P-AP-003, P-AP-004に従い,

搭載カメラの準備を進めた.搭載カメラの

ピントおよびレンズの向きの調整は,7 月

18 日に D-SEND#2 供試体#1001 号

機を,7月24日に 同#1002号機を実施

した.その後,FHI がカメラカバーの周囲

を シ ー ラ ン ト で 処 理 し て い る.内 蔵 バ ッ テ

リ と 外 付 け 電 源 は 充 電 器 に 接 続 し,満 充

電を保つようにした.また,空いている時間

を 使 い,搭 載 カ メ ラ の 録 画 部 の 操 作 を 習

熟するようにした.

搭 載 カ メ ラ を 使 っ た 地 上 試 験 と し て

は,7 月 15 日にシステム統合試験(現地

連成・水平ケース),7月17日にシステム

統合試験(現地連成・垂直ケース),7 月

23日にフル・リハーサルを実施した.それ

ぞ れ 搭 載 カ メ ラ の 電 源 を 入 れ た 状 態 で,

他系統へ影響を与えないことを確認した.

そ の 際 に は,熱 対 策 で搭 載 カ メ ラ 記 録 部

は衝撃吸収材を用いず,養生テープでケ

ー ス に 固 定 し て い る こ と,外 付 け 電 源 は

S/N003の予備品を使用したことが,本試

験と違う点である.

また,搭載カメラの準備を担当していた

平 野 は , 現 地 で は BMS(Boom

Measurement System)班 の 作 業 を 優

先 す る こ と に し て 搭 載 カ メ ラ の 操 作 は 行

わ な い こ と に 役 割 を 変 更 し た た め,高 戸

谷が引き継いでいる. 表 搭載カメラの仕様と数量

項目 仕様 数量

搭載カメラ記録部 式( )

レンズ部 用 カ メ ラ ヘ ッ ド

( )

式( )

内蔵バッテリ 用内蔵バッテリ 式 (

外付け電源 式

( )

カード サンディスク 式 (

カメラカバー 専用設計品 式( )

レンズ固定部 専用設計品 式( )

その後 搭載カメラ一式が揃ったところ

で 供試体に組み込むため

に支給した 宇都宮製作所に

おいて 供試体に搭載カメラ

の 組 み 込 み を 実 施 し た そ の 後 関 連 試

験の一つであるシステム統合試験(電磁

干渉試 験)を実 施した 搭載カメラも 電源

を入れて撮影し供試体の他系統に影響

を与えないことを確認した 試験は空調さ

れている電波 暗室で実 施したが装備品

か ら の 発 熱 な ど に よ り 搭 載 カ メ ラ 記 録 部

が 加 熱 さ れ る 懸 念 が あ っ た た め ケ ー ス

には衝撃吸収材を入れず養生テープで

固 定 す る だ け に と ど め た 試 験 終 了 後 に

搭載カメラを取り出して確認したところ外

付 け 電 源 と 搭 載 カ メラ記 録 部 は か な り の

発熱があることが確認されたことを受けて

現地での地上試験においては衝撃吸収

材を入れずに試験する手順とした

その後 搭載カメラは 供

試 体 に 組 み 込 ま れ た 状 態 で ス ウ ェ ー デ

ンまで輸送された

現地作業手順の事前調整作業

搭載カメラの準備と並行して現地での

作業手順について 内および

と調整を行い作業手順書を用意した考

慮 し た 項 目 と 作 業 手 順 に 反 映 し た 項 目

を下記に記す

・ カ メ ラ カ バ ー と 周 囲 の 外 板 と の 隙 間

はシーラント材でギャップを埋めてスムー

ズな表面にすること ⇒ シーラント材の

塗 布 ・ 硬 化 ・ 乾 燥 ・ 補 正 な ど で 最 大 四 日

程 度 必 要になるの で カ メラのピ ン ト調整

作 業 を 早 め に 実 施 す る ピ ン ト 調 整 作 業

は休憩時間等を用いて の作業を妨

げないようにする

・ 現 地 で は 気 球 関 連 の 電 波 と 干 渉 す

る 懸 念 が あ る た め 帯 の 電 波

等 が 該 当 が 使 え な い ⇒

遠隔操作で録画開始を検討したが導入

(15)

5.2 試験フェーズ

第 一 回 飛 行 試 験 は,8 月 15 日

12:00UTCからT-12H(12時間前)のカ

ウ ン ト ダ ウ ン を 開 始 し た.翌 16 日

2:00UTC 放 球 を 目 標 と し て い た.T-9H

か ら の シ ー ケ ン ス 作 業 に お い て,APL

(Airplane:JAXA 冨田 )の 指示で

D-SEND#2 供試体への搭載カメラの搭

載を開始した.作業手順書 L-AP-001 に

従い,搭載カメラの設定は,放球予定時刻

の10分前の1:50UTCから16時間10

分間撮影するように予約録画を設定した.

図 10 にカメラカバーのレンズ保護窓の

カバーを外した様子を示す.

降 雨 に よ る 中 断 や 準 備 の 遅 れ な ど に

より,放球は 5:10UTC 頃になったことに

加え,上空での滞空時間も最大値に近い

と こ ろ ま で 延 び て , 気 球 か ら の

D-SEND#2 供 試 体 の 分 離 は

10:55UTC となった.飛行試験の結果に

ついては参考文献[10]をご参照ください.

図10 レンズ保護窓のカバーを外した

様子

5.3 搭載カメラの結果について

D-SEND#2 供 試 体は上 面 の 姿 勢 の

ま ま 乾 い た と こ ろ に 着 地 し て い た の で,ス

ウェーデン SSC社が回収して,現地での

作業場所まで持ち帰ることができた.下面

の ア ク セ ス パ ネ ル は 衝 撃 で 胴 体 に 食 い

込んだ状態であったが,何とかアクセスパ

ネ ル を 取 り 外 し て,搭 載 カ メ ラ の ケ ー ス を

取り外すことができた.

保存された映像を確認したところ,予定

さ れ た 記 録 開 始 時 刻 の 1:50UTC から

9:37UTC までの7 時間47 分間撮影さ

れていた.要求仕様の 6 時間+3 分間の

撮影時間は 満足して い たものの,飛行試

験の推定終了時刻10:58UTCには1時

間 21 分間分の電源が不足しており,飛

行中の映像が取得できなかった.天候不

順 の 影 響 等 で , 当 初 予 定 し て い た シ ー

ケンスから待機時間が大幅に延びたこと

に伴い ,予 約録画 で待 機中の電 力消費

が 想 定 以上 に 必要 と なり,撮 影時 間 が 短

くな った こ と も一 因で ある.な お,取得 さ れ

た 映 像 を 確 認 し た と こ ろ,ピ ン ト と コ ン ト ラ

ス ト は問 題 な い こと,音声 も 取得 で き て お

り,地上の大気のあるところでの音から,放

球され,上昇していくにつれ大気が薄くな

り 音 が 伝 わ ら な く な っ て い る 状 況 が 記 録

されていた.

図11に搭載カメラのケースを外した際

の搭載カメラの様子を示す。外付け電源

の 固 定 の 様子 が 見 て 取れ る.取 り 付 け 時

と 変 わ り が 見 ら れ な い こ と か ら 固 定 に は

問題なかったと考えている.図 12に撮影

(16)

図11 搭載カメラの回収後の状況

a) 放球直後

b) 最後の映像

図12 撮影された映像

6. 外付け電源の改修

第一回飛行試験において飛行中の映

像を取得できなかったことを受けて,外付

け電源を改修することにした.放球するま

で の シ ー ケ ン ス は 天 候 な ど の 影 響 で 当

初想定より大幅に延びる可能性があるこ

と が 分 か っ た た め,待 機 時 間 が 増 え て も

対 応 で き る よ う に す る こ と,上 空 で の 最 大

滞空時間を 7 時間に延ばす検討がされ

ていたことを受け, 撮影時間も 9 時間以

上 確 保 す る こ と を 目 標 に し た.ま た,外 付

け電源は二次電池の特性上,満充電でも

最大容量 まで使え るか 懸念さ れたこ とか

ら,容量 を正 確 に 見積 もる こ と が で き る 一

次電池に変更することにした.

現地での入手性と実績も考え,トランス

ポンダーの電源として使われている単一

形 状 の 塩 化 リ チ ウ ム チ オ ニ ル 電 池

SAFT LSH 20HTS (3.6V, 11,

000mAh)を候補とした.電圧を一定に保

つ た め 3 本 直 列 接 続 に し て,降 圧 型

DC-DC コンバータCC BEC HMJ000

4-00を用いて+5.1Vの電圧を得ることに

した.

6.1 簡易環境試験(圧力・温度)

環 境 試 験 を 再 度 実 施 して 新 た に 導 入

した外付け電 源の動 作 確認を行った.汎

用の真空ポンプとデシケータを用いて大

気圧から高度 32km 相当圧力までの減

圧した状態で 3 時間の録画を実施した.

降圧型 DC-DC コンバータ・塩化リチウ

ム チ オ ニ ル 電 池 を 含 め 異 常 は 認 め ら れ

ず,録 画 も 正 常 で あ る こ と を 確 認 で き た.

図 13 にデシケータに設置した搭載カメ

ラを示す. 試験フェーズ

第 一 回 飛 行 試 験 は 月 日

から ( 時間前)のカ

ウ ン ト ダ ウ ン を 開 始 し た 翌 日

放 球 を 目 標 と し て い た

か ら の シ ー ケ ン ス 作 業 に お い て

( 冨田 )の 指示 で

供試体への搭載カメラの搭

載を開始した作業手順書 に

従い搭載カメラの設定は放球予定時刻

の 分前の から 時間

分間撮影するように予約録画を設定した

図 にカメラカバーのレンズ保護窓の

カバーを外した様子を示す

降 雨 に よ る 中 断 や 準 備 の 遅 れ な ど に

より放球は 頃になったことに

加え上空での滞空時間も最大値に近い

と こ ろ ま で 延 び て 気 球 か ら の

供 試 体 の 分 離 は

となった飛行試験の結果に

ついては参考文献 をご参照ください

図 レンズ保護窓のカバーを外した

様子

搭載カメラの結果について

供 試 体は上 面 の 姿 勢 の

ま ま 乾 い た と こ ろ に 着 地 し て い た の で ス

ウェーデン 社が回収して現地での

作業場所まで持ち帰ることができた下面

の ア ク セ ス パ ネ ル は 衝 撃 で 胴 体 に 食 い

込んだ状態であったが何とかアクセスパ

ネ ル を 取 り 外 し て 搭 載 カ メ ラ の ケ ー ス を

取り外すことができた

保存された映像を確認したところ予定

さ れ た 記 録 開 始 時 刻 の から

までの 時間 分間撮影さ

れていた要求仕様の 時間 分間の

撮影時間は 満足して い たものの 飛行試

験の推定終了時刻 には 時

間 分間分の電源が不足しており飛

行中の映像が取得できなかった天候不

順 の 影 響 等 で , 当 初 予 定 し て い た シ ー

ケンスから待機時間が大幅に延びたこと

に伴い ,予 約録画 で待 機中の電 力消費

が 想 定 以上 に 必要 と なり 撮 影時 間 が 短

くな った こ と も一 因で あるな お 取得 さ れ

た 映 像 を 確 認 し た と こ ろ ピ ン ト と コ ン ト ラ

ス ト は問 題 な い こと 音声 も 取得 で き て お

り地上の大気のあるところでの音から 放

球され上昇していくにつれ大気が薄くな

り 音 が 伝 わ ら な く な っ て い る 状 況 が 記 録

されていた

図 に搭載カメラのケースを外した際

の搭載カメラの様子を示す。外付け電源

の 固 定 の 様子 が 見 て 取れ る 取 り 付 け 時

と 変 わ り が 見 ら れ な い こ と か ら 固 定 に は

問題なかったと考えている図 に撮影

(17)

図13 デシケータ内の搭載カメラ

2014年 5月 29日~30 日にかけて,

降圧型 DC-DC コンバータ・塩化リチウ

ム チ オ ニ ル 電 池 を 用 い た 外 付 け 電 源 の

低温での実力値を知るため,恒温環境槽

内 に 衝 撃 吸 収 材 で 覆 っ た 搭 載 カ メ ラ 一

式 を 入 れ,環 境 温 度-42℃ に 保 持 し た 状

態で,待機時間10時間ののち,録画を開

始 し,電 源 が 落 ち る ま で の 時 間 を 計 測 し

たところ16 時間以上の撮影ができること

が確認された.ただし,圧力環境は大気圧

である.一次電池の容量が低温でも低下

しないこと,降圧型DC-DC コンバータの

低温での動作が確認できた.図 14 に恒

温環境槽と計測装置を示し,図 15 に温

度の測定結果を示す.

図14 恒温環境槽と計測装置の状況

図15 温度の測定結果

6.2 外付け電源の改修の採用

簡 易 環 境 試 験 の 結 果 を 受 け,降 圧 型

DC-DC コンバータ・塩化リチウムチオニ

ル 電 池 を 用 い た 外 付 け 電 源 を 採 用 す る

こ と に し た.こ の 改 修 に よ る 搭 載 カ メ ラ 一

式 の 重 量 は 改 修 前 後 で ほ ぼ 同 じ で あ り,

機体重量1,000kgには影響を与えない.

た だし,降圧 型 DC-DC コ ン バ ータ は ス

イッチング電源の一種でありノイズ源にも

な る た め,現 地 で の リ ハ ー サ ル を 兼 ね た

電磁干 渉試 験に おい て 不具合 が生じた

場 合 は,元 の外 付 け 電源 に 戻 す こ とを 代

替案とすることにした.

7. 第二次キャンペーン現地作業

第 一 次 キ ャ ン ペ ー ン の 約 一 年 後 に 現

地 作 業 を 再 開 し,保 管して お い た 搭 載 カ

メラ を開 梱 して 準 備を 実施 した.搭載 カメ

ラを使った地上試験としては,2014 年 7

月 20 日にフル・リハーサルを実施し,改

修した外付け電源を含む搭載カメラの電

源を入れた状態で,他系統へ影響を与え

な い こ と を 確 認 し た.こ の 確 認 を 受 け,降

(18)

チオ ニ ル 電 池 を 用 い た 外 付 け 電 源 を 使

用 す る こ と に 決 定 し た.気 球 放 球 に 向

け,8月22日~23日,25日の2回カウン

ト ダ ウ ン を 開 始 し た が,天 候 不 良 に よ り い

ずれも途中で中止となった.図16に搭載

カメラの搭載状況を示す.

図16 搭載カメラの設置状況

搭載カメラの設定等は一年ぶりになる

こ と か ら,習 熟 し て 思 い 出 す よ う に 心 が け

て い た が,取 扱 い 説 明 書 に 小 さ く 記 載 さ

れ て い る も の や 作 業 手 順 書 に 書 い て い

な い ノ ウ ハ ウ に 近 い も の も あ り,い ろ い ろ

経 験 を 学 ん だ.例 え ば,予 約 録 画 を 開 始

し て 外 付 け 電 源 を 外 す と 内 蔵 バ ッ テ リ で

動作を継続す るが,外 付 け電源をつ なぎ

直 し て も 認 識 せ ず, 内 蔵 バ ッ テ リ が つ き

たとこ ろで 録画が止 ま る こと,予約録画の

設定をしたつもりでもRECボタンを長押

し し て 点 滅 し な い と 予 約 録 画 さ れ な い こ

と,HOLDボタンをHOLDにセットすると

録 画 が 始 ま っ た こ と が あ る の で 注 意 す る

こと等である.できるだけ作業手順書に注

意書きとして書き込むとともに,REC ボタ

ンの点滅についてはFHIの品証に確認

してもらいダブルチェックするようにした.

8. 第三次キャンペーン現地作業と

第二回飛行試験結果

第三次キャ ンペ ーン に おい ては,搭載

カメラを使った地上試験として,2015年6

月 17 日にフル・リハーサルを実施し,搭

載 カ メ ラ の 電 源 を 入 れ た 状 態 で,他 系 統

へ影響を与え ない ことを 確認した.キャン

ペーンに先立ち記録メディア SDHC カ

ー ド は 新 品 を 購 入 し たの で,新 品 に 入 れ

替 え て 実 施 した.経 年 劣化 が 心 配 さ れ た

た め , 内 蔵 バ ッ テ リ の 新 規 購 入 を 検 討 し

たが,構 想開始より 年月 が経過したため

終息品となっており,新たにバッテリを購

入することが出来なかった.従って,これ

まで使用してきた内蔵バッテリを引き続き

使 用 す る 事 と し た . 電 力 容 量 と し て は ,

一 次 電 池 で あ る 外 付 け 電 源 の 方 が は る

かに大きく,経年劣化に伴う内蔵バッテリ

の 容 量 低 下 の 影 響 は 僅 少 で あ る と 判 断

した.

8.1 第二回飛行試験

第 二 回 飛 行 試 験 は,7 月 23 日

14:00UTCからT-10H(10時間前)のカ

ウ ン ト ダ ウ ン を 開 始 し た.翌 24 日

0:00UTC 放 球 を 目 標 と し て い

た.T-9H45M か ら の シ ー ケ ン ス 作 業 に

おいて,APL(Airplane:JAXA 冨田)の

指示で D-SEND#2 供試体への搭載カ

メラの搭載を開始した.搭載カメラの設定

は,放球予定時刻の5分前の23:55UTC

から16時間05分間撮影するように予約

録画を設定した. 図 17 に搭載カメラの

設置状況,図18,19にD-SEND#2供試

体のレンズの状況と搭載位置を示す.

予 定 よ り 多 少 遅 れ,放 球 は 2:43UTC 図 デシケータ内の搭載カメラ

年 月 日~ 日にかけて

降圧型 コンバータ・塩化リチウ

ム チ オ ニ ル 電 池 を 用 い た 外 付 け 電 源 の

低温での実力値を知るため恒温環境槽

内 に 衝 撃 吸 収 材 で 覆 っ た 搭 載 カ メ ラ 一

式 を 入 れ 環 境 温 度 ℃ に 保 持 し た 状

態で待機時間 時間ののち録画を開

始 し 電 源 が 落 ち る ま で の 時 間 を 計 測 し

たところ 時間以上の撮影ができること

が確認されたただし圧力環境は大気圧

である一次電池の容量が低温でも低下

しないこと降圧型 コンバータの

低温での動作が確認できた図 に恒

温環境槽と計測装置を示し図 に温

度の測定結果を示す

図 恒温環境槽と計測装置の状況

図 温度の測定結果

外付け電源の改修の採用

簡 易 環 境 試 験 の 結 果 を 受 け 降 圧 型

コンバータ・塩化リチウムチオニ

ル 電 池 を 用 い た 外 付 け 電 源 を 採 用 す る

こ と に し た こ の 改 修 に よ る 搭 載 カ メ ラ 一

式 の 重 量 は 改 修 前 後 で ほ ぼ 同 じ で あ り

機体重量 には影響を与えない

た だし 降圧 型 コ ン バ ータ は ス

イッチング電源の一種でありノイズ源にも

な る た め 現 地 で の リ ハ ー サ ル を 兼 ね た

電磁干 渉試 験に おい て 不具合 が生じた

場 合 は元 の外 付 け 電源 に 戻 す こ とを 代

替案とすることにした

第二次キャンペーン現地作業

第 一 次 キ ャ ン ペ ー ン の 約 一 年 後 に 現

地 作 業 を 再 開 し保 管して お い た 搭 載 カ

メラ を開 梱 して 準 備を 実施 した搭載 カメ

ラを使った地上試験としては 年

月 日にフル・リハーサルを実施し改

修した外付け電源を含む搭載カメラの電

源を入れた状態で他系統へ影響を与え

な い こ と を 確 認 し た こ の 確 認 を 受 け 降

(19)

頃になった.気球からの D-SEND#2 供

試体の分離は 8:00UTC となった.今回

は録画開始から8時間10分程度であり,

電源は余裕があることから飛行中の映像

が期待できた.飛行試験自体の結果につ

いては参考文献[11]をご参照ください.

8.2 搭載カメラの結果について

第 一 回 飛 行 試 験 と 同 様 に D-SEND

#2 供試体は上面の姿勢のまま乾いたと

こ ろ に 着 地 し て い た の で,ス ウ ェ ー デ ン

SSC社が回収して,現地での作業場所ま

で 持 ち 帰 る こ と が で き た.下 面 の ア ク セ ス

パネルは衝撃で胴体に食い込んだ状態

であったが,アクセスパネルを取り外して,

搭載カメラのケースを取り外すことができ

た.

保存された映像を確認したところ,予定

された記録開始時刻の 23:55UTC から

16:00UTCまでの16時間05分間撮影

さ れ て い た.今 回 は 放 球 ・ 上 昇 ・ 滞 空 ・ 分

離 ・ 飛 行 ・ 着 地 ま で の 映 像 が 取 得 で き て

いた.取得された映像を確認したところ,ピ

ン ト と コ ン ト ラ ス ト は 問 題 な い こ と,音 声 も

取得できてお り,地上の 大気のある ところ

で の 音 か ら,放 球 さ れ,上 昇 し て い く に つ

れ 大 気 が 薄 く な り 音 が 伝 わ ら な く な っ て

いる状況に加え,着地の衝撃の音も記録

されていることが確認できた.図 20 に撮

影された映像を示す.

図17 搭載カメラの設置状況

図18 レンズ保護窓の状況

図19 D-SEND2供試体のレンズ位置

(20)

a)放球直後

b)気球からの分離

c)引き起こし

d)計測フェーズ付近

e)着地直前

f)最後の映像

図20 撮影された映像

9. おわりに

ソ ニ ッ ク ブ ー ム を 半 減 さ せ る 技 術 の 獲

得に向けて小型の無人機供試体を用い

た低ソニックブーム設計概念実証プロジ

ェクトを進め,第二回飛行試験を2015年

7月24日に実施した.

D-SEND#2供試体に搭載した搭載カ

メ ラ に つ い て 仕 様 を 定 め,候 補 を 選 定 し,

確 認 試 験 を 行 い 搭 載 カ メ ラ の 構 成 を 決

定した.同時に供試体のプライムメーカの

FHIやJAXA内との調整を実施して,搭

載 カ メ ラ を 載 せ る 位 置 や カ メ ラ カ バ ー の

形状,作業手順などを順次決めていった.

第 一 回 飛 行 試 験 で は 想 定 よ り も 待 機 時

間 が か か り 電 源 容 量 が 不 足 し た た め,飛

行 中 の 映 像 が 取 得 で きな か った が,そ の

頃になった気球からの 供

試体の分離は となった 今回

は録画開始から 時間 分程度であり

電源は余裕があることから飛行中の映像

が期待できた飛行試験自体の結果につ

いては参考文献 をご参照ください

搭載カメラの結果について

第 一 回 飛 行 試 験 と 同 様 に

供試体は上面の姿勢のまま乾いたと

こ ろ に 着 地 し て い た の で ス ウ ェ ー デ ン

社が回収して 現地での作業場所ま

で 持 ち 帰 る こ と が で き た 下 面 の ア ク セ ス

パネルは衝撃で胴体に食い込んだ状態

であったがアクセスパネルを取り外して

搭載カメラのケースを取り外すことができ

保存された映像を確認したところ予定

された記録開始時刻の から

までの 時間 分間撮影

さ れ て い た 今 回 は 放 球 ・ 上 昇 ・ 滞 空 ・ 分

離 ・ 飛 行 ・ 着 地 ま で の 映 像 が 取 得 で き て

いた取得された映像を確認したところピ

ン ト と コ ン ト ラ ス ト は 問 題 な い こ と 音 声 も

取得できてお り 地上の 大気のある ところ

で の 音 か ら 放 球 さ れ 上 昇 し て い く に つ

れ 大 気 が 薄 く な り 音 が 伝 わ ら な く な っ て

いる状況に加え着地の衝撃の音も記録

されていることが確認できた図 に撮

影された映像を示す

図 搭載カメラの設置状況

図 レンズ保護窓の状況

図 供試体のレンズ位置

表 2  搭載カメラの要求仕様  項目  小項目  仕様  カメラ本体 画質 解像度 VGA(640×480) 以上 撮影コマ数 15 fps 以上 撮影時間  6 時間(滞空)+3 分(飛行)以上  電源  独立した電源(機体電源を使わない)  供試体との I/F  突起物の高さ 50mm  以内 映像信号 記録メディアに保存 ( ダウンリンクしない )  その他  電磁干渉しないこと  スイッチ類は供試体に設けない  環境条件  温度  -13℃~42℃で動作すること  圧力 大気圧~高度 32km で
表 3  搭載カメラの候補の選定結果  候補  NEXST-1  同等品  スマート ホン  iPhone4  ビデオ  カメラ   JVC GZ-E220  ア ク シ ョ ンカメラ  GoPro  アクション カメラ   SUV-Cam  性能 ○ ○ ○ ○ ○ 価格 ×  ○ ○ ○ ○ 電源  ×  外付け必要  外付け必要  ×  外付け必要  欠点  メカニカルな 記録(DAT)  レ ン ズ の 向 きが合わず  高さ 55mm  外 付 け バッ テ リ が 使 えない  解 像 度 がV
図 4  減圧時の圧力履歴   図 5  圧力回復時の圧力履歴表搭載カメラの候補の選定結果候補同等品スマートホンビデオカメラア ク シ ョ ンカメラアクションカメラ性能○○○○○価格○○○○電源外付け必要外付け必要外付け必要欠点メカニカルな記録レ ン ズ の 向 きが合わず高さ外 付 け バッ テ リ が 使えない解像度が実績◎○(外)○その他防 水 ケ ースありレンズ部は防水総合評価○◎の減圧・保持・圧力回復は表に示す条件で実施した減圧 時および圧力回復時の圧力履歴を図に示す高度相当圧力での保持時間は録画
表 5  ELMO SUV-Cam Professional シリーズの仕様 [7] レンズ部  全体  防水性能  IPX8  外形寸法 φ 20mm×84.8mm  レンズ 焦点距離 3.8mm  F ナンバ  F2.0  カメラ  撮影素子  1/4 型 CCD  有効画素 44 万画素 記録部 全体 記録メディア SDHC メモリーカード 質量  約 130g  外形寸法  W58mm×H102mm×D30mm  (突起除く)  外部端子 DC-IN 端子 専用ジャック 電源部 内蔵バッテリ 種別
+5

参照

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