2008 年度前期・ 「自然と情報の数理」期末レポート
木村巌
以下の要領でレポートを提出すること:
•
期日:2008
年8
月25
日(月),17:00.
•
提出先:教養教育棟レポート提出箱.•
解答要領:理学部以外の学部に在籍の受講生は「理学部以外向け」から2
問,理学部 に在籍の受講生は「理学部向け」から2
問をそれぞれ選び,解答せよ.1
問につき,A4
用紙1
枚(表裏使用可)程度にまとめること.手書きでもワープロなどで浄書し たものでも良い.•
提出要領:学籍番号,氏名,所属学部を明記し,提出するレポート用紙全てを,左上1
箇所で1
部に綴じて提出すること.レポートは返却しない.•
その他:書籍,ウェブ等を問わず,参考文献など出典を明記すること.また,他の受 講者のレポートを参考にした場合もその旨を明記すること.•
講義の際のプレゼン資料などは,木村のウェブページに掲載する.この講義のシラバ スの最後尾にリンクがある.また,アドレスはQR
コードで次の通り:理学部以外向け
理学部以外の受講生は,下記のうち
2
問を解答すること.問
1. 1.
ミレトスのターレス(624–546BC
)の頃の地中海世界の様子を,アテネを中心 として簡潔に述べよ.2.
ターレスは,二通りの方法でピラミッドの高さを測定したという.測定法を二つ述 べ,なぜその方法で高さが求まるのかを説明せよ.問
2. 1.
ピタゴラスの略歴を簡潔に述べよ.2.
ピタゴラスの定理(三平方の定理)を述べ,証明せよ.問
3. 1.
ペロポンネソス戦争について簡潔に述べよ.2.
ギリシャ三大難問を述べよ.3.
ギリシャ三大難問が,どのように解決したか,それぞれの問題について解説せよ.問
4. 1.
カイロネイア戦争,アレクサンドロスによる帝国建設とその崩壊を中心に,ヘ レニズム時代を簡潔に解説せよ.2.
ユークリッドの「原論」により,三角形の合同条件「二辺とその挟む角が等しい二つ の三角形は合同である」を証明せよ.問
5. 1.
二つの自然数の最大公約数を求めるユークリッドの互除法を述べよ.2.
ユークリッドの互除法により,55
と81
の最大公約数が1
であることを示せ.問
6.
素数が無限個存在することを示せ.問
7. 1.
完全数の定義を述べよ.2.
完全数の例を複数挙げ,それらが完全数であることを計算により確かめよ.(「原論」
9
巻命題36
)問
8.
円の面積が,直径の2
乗に比例することを,ユークリッド「原論」12
巻命題2
に従っ て示せ.問
9. 1.
アルキメデスの生涯について簡潔にまとめよ.2.
アルキメデスの「円の計測」の命題1
を述べよ.3.
アルキメデスの「螺旋について」の命題18
を述べよ.4.
「円の計測」命題1
と,「螺旋について」の命題18
との関係を述べよ.問
10.
放物線y = x
2と,直線y = a(x + 1) + 1, (a > −2)
とが囲む領域を図示し,面積を 求めよ.問
11.
エラトステネスの篩により,100
以下の素数をすべて求めよ.問
12. x
2+ y
2= z
2を満たす有理数(x, y, z)
の例を3
つ挙げよ.ただし(x, y, z) = (0, 0, 0)
は除く.例えば(x, y, z) = (16/5, 12/5, 4)
がそうである.問
13.
放物線y = kx
2(k > 0
は定数)と,円(x − r)
2+ y
2= r
2(r > 0
は定数)との交 点として,3
次方程式k
2x
3+ x − 2r = 0
の実解が得られることを説明せよ.問
14. 1.
ピサのレオナルド(フィボナッチ)の人となりについてまとめよ.2.
フィボナッチ数の定義を述べ,初めの20
項を計算せよ.3.
隣り合うフィボナッチ数は互いに素であることを示せ.このとこから,素数が無限個 存在することを結論せよ.問
15.
ムハンマド・イブン・ハサン・カラジーによる次の公式を示せ:1
3+ 2
3+ · · · + n
3= (1 + 2 + · · · + n)
2.
問
16.
二項定理と数三角形について,それらが世界各地で発見・研究されていた経緯につ いて簡潔にまとめよ.問
17.
カルダーノによる3
次方程式の解法.f (x) = x
3+ px + q = 0, p, q
は実数,という 方程式を考える.1. u, v
を変数とすると,f (u + v) = (u
3+ v
3) + (3uv + p)(u + v) + q
であることを示せ.2.
もしu
3+ v
3= q, uv = −p/3
なら,u + v
はf (x) = 0
の解の一つを与えている.3. u
3, v
3が2
の条件を満たすなら,u
3, v
3は2
次方程式g(y) = y
2− qy − p/3 = 0
の解 である.問
18. 4
次方程式x
4+ x
3+ x
2+ x + 1 = 0
を解け(ヒント:両辺をx
2で割り,x + x
−1 の二次式にまとめる).問
19. 1.
数学者アーベル(N. H. Abel
)の生涯と業績についてまとめよ.2.
数学者ガロア(E. Galois
)の生涯と業績についてまとめよ.参考:高木
[9].
問
20. 1.
シーザー暗号,換字式暗号の原理を述べよ.2.
上記二つの暗号に対する解読法を説明せよ.理学部向け
理学部の受講生は,下記のうち
2
問を解答すること.問
21. 1.
プラトンの正多面体5
個を述べ,概形を図示せよ(手書きでも,パソコンに よる描画でもよい)問
22. 1.
カイロネイア戦争,アレクサンドロスによる帝国建設とその崩壊を中心に,ヘ レニズム時代を簡潔に解説せよ.2.
ユークリッドの「原論」により,三角形の合同条件「二辺とその挟む角が等しい二つ の三角形は合同である」を証明せよ.3.
同じくユークリッドの「原論」により,三角形の合同条件「三辺が等しい二つの三角 形は合同である」を証明せよ.問
23. 1.
二つの自然数の最大公約数を求めるユークリッドの互除法を述べ,証明せよ.2.
ユークリッドの互除法により,55
と81
の最大公約数が1
であることを示せ.問
24. 1. √
2
が無理数であることを示せ.2. m
が平方自由(1
より真に大きい自然数の2
乗では割り切れない)ならば,√ m
は無 理数であることを示せ.問
25. 1.
素数が無限個存在することを示せ.2. { p
1= 2, p
2= 3, p
3= 5, . . . , p
N}
を,最初のN
個の素数とする.3
からp
1p
2· · · p
N+ 1
の間に,少なくとも2
つの素数が存在することを示せ.(ヒント:p
1p
2· · · p
N− 1, p
1p
2· · · p
N+1
は互いに素なので,それぞれの素因数全体には共通部分がない).問
26. 1.
完全数の定義を述べよ.2. p = 1 + 2 + · · · + 2
nが素数ならば,2
np
が完全数である.逆に,偶数の完全数はこ の形である.(「原論」
9
巻36
節)問
27. 4
で割って3
余る素数が無限個存在することを示せ.問
28. 1.
半径1
の円に内接する正方形の面積を求めよ.2.
同じく半径1
の円に外接する正方形の面積を求めよ.問
29.
円の面積が,直径の2
乗に比例することを,ユークリッド「原論」12
巻命題2
に 従って示せ.問
30. 1.
アルキメデスの生涯について簡潔にまとめよ.2.
アルキメデスの「円の計測」の命題1
を述べ,証明せよ.問
31.
アルキメデスの,「螺旋について」の命題18
を述べ,証明せよ.問
32. 1.
アルキメデスの螺旋を極座標表示せよ(xy
平面の原点を始点とし,時計回り に2π
回転したときに(2π, 0)
を通るものとする).2.
上記のアルキメデスの螺旋について,原点から偏角θ
に於ける点までの長さをθ
で 表せ.問
33.
アルキメデスによる放物線の切片の求積法を説明せよ.(ヒント:高木[8]
の第三章 冒頭,若しくは齋藤[6]
のp. 57–
).問
34.
エラトステネスの篩により,100
以下の素数をすべて求めよ.問
35. 1. xy
平面での直線y = t(x + 1)
と原点を中心とし,半径1
の円x
2+ y
2= 1
の 交点を求めよ(実数t
はパラメタ).2.
円x
2+ y
2= 1
上の全ての有理点を求めよ.問
36. 1.
ピサのレオナルド(フィボナッチ)の人となりについてまとめよ.2.
フィボナッチ数F
mの定義を漸化式の形で述べ,初めの20
項を計算せよ.3.
フィボナッチ数の一般項を求めよ.4. m, n
が自然数でそれらの最大公約数がr
なら,F
m, F
mの最大公約数がF
rであるこ とを示せ.このとこから,素数が無限個存在することを結論せよ.問
37. 1.
イブン・ハイサムによる次の公式を示せ:(n + 1)
∑
n i=1i
k=
∑
n i=1i
k+1+
∑
n p=1(
p∑
k=1
i
k)
.
2.
上の等式を用いて,∑
ni=1
i
4をn
の多項式で表せ(n
の5
次式になる).問
38. Jacob Bernoulli
による巾和の公式について調べ,まとめよ.問
39.
カルダーノによる3
次方程式の解法.f (x) = x
3+ px + q = 0, p, q
は実数,という 方程式を考える.1. u, v
を変数とすると,f (u + v) = (u
3+ v
3) + (3uv + p)(u + v) + q
であることを示せ.2.
もしu
3+ v
3= q, uv = − p/3
なら,u + v
はf (x) = 0
の解の一つを与えている.3. u
3, v
3が2
の条件を満たすなら,u
3, v
3は2
次方程式g(y) = y
2− qy − p/3 = 0
の解 である.u
3, v
3を求めよ.4. 3
次方程式x
3+ 6x − 20 = 0
を解け.問
40. 4
次方程式ax
4+ bx
3+ cx
2+ bx + a = 0, (a 6= 0)
を解け(ヒント:両辺をx
2で割 り,x + x
−1の二次式にまとめる).問
41. 1.
公開鍵暗号の原理について調べ,簡潔にまとめよ.2.
公開鍵暗号の実例として,RSA
暗号について調べ,簡潔にまとめよ.参考:シン
[10] 6
章.参考文献
[1]
彌永昌吉他著,「数学の歴史 ギリシャの数学」,共立出版[2] C.
カジョリ,石井省吾訳注「カジョリ 数学史 上巻」,津軽書房[3]
宮崎正勝「早わかり世界史」,日本実業出版社[4] B.
アルトマン著,大屋建正訳「数学の創造者 ユークリッド原論の数学」,シュプリンガー・フェアラーク東京