ファージによる稲白葉枯病菌の生存の検定
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(2) 495. ファ ー ジ に よ る稲 白葉 枯 病 菌 の 生 存 の検 定*† 脇. The. determination. 本. 哲. of the presence by the. phage. Satoshi. of Xanthomonas. oryzae. technique. Wakimoto. 緒. 論. 稲 白葉 枯病 菌 ファ ー ジは 寄 生 し得 る細 菌 の種 類 が 系 統 特 異 的 で あつ て,稲 白葉 枯 病 菌 の 限 られ た範 囲 の 系統 に しか 寄 生 し得 な い もの で あ る.こ の特 異 性 を 利 用 し,叉 そ の他 の生 物 学 的或 は物 理 学 的 な性 質 か ら判 断 し て,目 的 とす る稲 白葉 枯 病 原 細 菌 が 若 し試 料中に 存 在 す る な らば,こ. の細 菌 に 特 異的 な ファ ー ジを使 用 して ・例 え如 何 な る雑 菌 が混 在 して い. よ うとも,そ の増 殖 現 象 を確 認 す る こ とに よ りこれ を検 出 し得 る筈 で あ る. 稲 白葉 枯 病 菌 の 越冬 は,従 来 土壌 中 で行 われ る と 云 わ れ てお り・ 叉 最 近 後 藤 ら に よ り或 種 の雑 草中で の冬 期 生 存 が 確 認 され た.3)然 し,罹 病 稲 葉,稲 籾中で の越 冬 に関 し ては 極 く 間接 的 な実 験 方法 に よ る証 明 しか 存 在 しな い. こ こに著 者 は,昭 和27年 本 教 室 で発 見 され た 稲 白葉 枯 病 菌 に 特 異 的 な バ クテ リオ フ ァ ー ジを利 用 して この 越 冬場所 を究 め よ う とした.. 材. 料. 供 試 罹 病 葉 及び 罹 病 個 体 か らの籾 は,昭 和28年10月14日. 福 岡県 農… 業 試 験 場附 近 の発. 病 田で 採 集 した も の を室 内に 貯 蔵 し て使 用 した ・ 罹 病 地 の土 壌 は ・ 昭 和28年12月20日 佐 賀 県 農 業 試 験 場 附 近 の発 病 田 で 採 集 した も の を供 試 した.培 養 基 は下 記 の 組 成 の もの を 使 用 した. potato300gr(煎. 汁). NaNO31gr Na2HPOイ2gr NaCl2gr Peptone5gr Sucrcse15gr HastingandSendroybuffer(pH7)U. *九 州汰学農学部植物病理学教室業績. †本 研究に於て終始御懇篤 な御指導を戴いた 吉井 甫教授,木 場三朗助教授並 びに松井千秋氏に謝 意を表す る..
(3) 496. 方 培 養 基101n1に. 罹 病 葉0.5gr(籾. 磨 砕 し て 加 え,振盪 植 物 体 の 砕 片,雑. 法. し て こ の 約3分 菌 等 を 沈 澱 さ せ,上. の場合 は30粒,土 の1を. 取 り,直. 間 放 置 し,含. り3分. 乳鉢 で よく 間 遠 心 分 離 し,. に 試 料 中 に 含 まれ て い た の2の. 試 料 は30℃. の定 温器 中に. ま れ て い る か も知 れ な い 稲 白 葉 枯 病 菌 を 増 殖 さ せ る.15時. ー ジ の 一 定 数 を 加 え,振盪 6時 間 後,前. ち に5,000rpm,15分. 澄 をPlaquecountし,既. 活 性 フ ァ ー ジ の 濃 度 を 決 定 す る(Check2).残 約15時. 壌 の 場 合 は2gr)を. し て 再 び30。Cの. 間 後 ファ. 定 温 器中に 入 れ て フ ァ ー ジ を 増 殖 さ せ る .約. と 同様 な 方 法 で 活 性 フ ァ ー ジ の 濃 度 を 決 定 す る(Test). .若. し 実 験 結 果 に於. て溶 菌斑 数 が Test>Check1十Check2 な ら ば,稲. 白 葉 枯 病 菌 フ ァ ー ジ の 増 殖 に 必 要 な 稲 白 葉 枯 病 菌 が そ の 試 料中に 存 在 し て い た. こ と は 明 ら か で あ る.. 実. 験. 結. 果. (1)罹 病葉中に 於け る稲 白葉枯病菌 の生存 第1表. 〔註 〕 値は0.1ml当. りの溶菌斑数を示す.. ・:こ の時 使 用 した 試 料 は昭 和28年12月10日. 佐 賀県 農 試 附 近 の農 家 で貯 蔵 して い. た 稲 藁 か ら採 集 した 罹 病 葉 で あ る. N:1シ. ャ ー レ 中に現 れ た溶 菌 斑 が 多過 ぎ て全 く菌 の発 育 を 許 さ なか つ た か,或 は 溶. 菌斑 が 数 え得 られ ぬ程 慶 に多 か つ た場合 で あ る. (2)籾. 中 に於 け る稲 白葉 枯 病 菌 の生 存. 第2表. 〔註 〕. 値 は0.1ml当. りの溶 菌 斑 数 を 示 す..
(4) 497. (3)発. 病 田 の 土 壌 中 に於 け る稲 白葉 枯 病 菌 の 生存. 結 果 は す べ て 一 に な り,時 に は加 え た ファ ー ジ粒 子 数(Check1)よ. りもTestの. 方が. 少 い結 、 果 に な つ た. 考. 察. 罹 病 稲 葉 を試料 と した実 験結 果 に 於 て は 何 れ も"Test>Check1+Check2"で. あ. り,稲 白葉 枯 病 菌 の生 存 は 明 らか で あ る.籾 の場 合 は 初 期 の実 験 で数 回+の 結 果 が得 られ て い るが,他 は何 れ も 一 で あ る.第2表. の他 に 更 に11月27日,12月1日,12月10日. に夫 々5試 料 宛 に つ い て実 験 した が 何 れ も 一 の結 果 が得 られ た.従 つ て,稲 白葉 枯 病 菌 が 籾 中 で越 冬 す る か否 か は 断 言 団来 な い. 検 定 に 当 つ て は,試 料 中 に存 在 す る菌 の濃 度 が 高 い程 判 然 た る結 果 が得 られ るの は 当然 で あ る.故 に ファ ー ジを加 え る前に 一定 時 間30℃ るが,こ. の定 温器 中 で菌 を増 殖 させ るわ け で あ. の場 合,試 料 中 に含 まれ て い る雑 菌 も同 時 に 増 殖 す る為,そ. ア ル カ リを生 ず る性 質 の も の であ れ ば 培養 基 のpH価 性 側 に傾 く場 合 が 多 く,pH価5以 に,pH価5以. 下 で は300Cに. の雑 菌 が若 し酸 叉 は. は 変 化 す る.土 壌 に於 て は急 激 に酸. 下 に な る こ と も度 々で あ る.既 に前 報 で 明 らか な よ う 於 て ファ ー ジは 急 速 に 不 活 性 化 され る.叉pH価5位. で は 細 菌 は 存 在 し て い て も フ ァ ー ジは 増 殖 しな い.こ のpH価. い. の変 化 を防 ぐ為 に緩 衝 液 使. 用 培 養 基 を 使 用 し て い るが 未 だ 完 全 で は な い.更 に 土壌 を試 料 と した場 合 に考 え られ る こ とは,土 壌 コ ロ イ ドと ファ ー ジ粒子・ と の関 係 で あ る.土 壌 コ ロ イ ドにファージ 粒 子 が 吸 着 す る こ とは 当然 考 え られ る し,こ の吸 着現 象 と液 の 組 成 及 びpH価. との 関係,更. に この吸. 着 が 細 菌 が 存在 した 場合 の ファ ー ジの増 殖 に如 何 な る影 響 が あ るか とい う点 も考 慮 す べ き 問 題 で あ る.即 ち,土 壌 の場合 に はpH価. の変 化 と土 壌コロイド が 主 な障 碍 に なつ て い る. よ うで あ り,従 つ て,実験 結 果 が 一 に な つ た けれ ど も,必 ず し も 菌 の生 存 を否 定 す るわ け には ゆ か な い. 要. 約. (1)稲. 白葉 枯 病 菌 に特 異 的 な ファ ー ジ を利 用 して 菌 の 越冬場所 を 究 め よ うと した.. (2)実. 験 結 果 よ り被 害 稲 葉 中 に於 て は 菌 の越 冬 し て い る こ とが 明 らか に な り,籾 に於. て は,初 期 に数 回+の. 結 果 が得 られ た が 以 後 す べ て 一 とな り,菌 が この 中 で越 冬 して. い るか ど うか は断 言 出来 な い.土 壌 に於 て は結 果 はす べ て 一 に なつ た. (3)土. 壌 に 於 ては,含. まれ る雑 菌 の為 に 液 のpH価. が 急 激 に 変 化 し,フ ァ ー ジを 不 活. 性 化 し,或 は 生 細 菌 が 存 在 して い て も ファ ー ジが増 殖 しな い と思 わ れ る.叉 土 壌コロイド との 関 係 も考 慮 す る必 要 が あ り,こ の結 果 か ら必 ず し も菌 の生 存 を 否定 し得 な い.. 参 1. Craigie, 2. Delbriick,. J.. Bact. M.. Revs.,. J. Gen.. 考. 文. Vol.. 10, 7388,1946.. Physiol.,. Vol. 23,. 献. 631-642,1940..
(5) 498. 3.後. 藤 和 夫,深. 津 量 栄,大. 畑貫 一. 4,後. 蔭 和 夫,深. 津 量 栄,大. 畑 貫 一"日. 東 海 近 畿 農 試 中間 報 告,1951,1952. .. 植 病 会 報,Vo1.17,Nos.3‑‑4,1953.. 5.Katznelson,H.andM.D.SuttonJ.Bact..Vo1.61,689‑701,1951. 6.向. 秀 夫,土. 7.向. 屋 行 夫,草. 秀 夫,渡. 葉 敏 彦,吉. 辺 実,山. 中. 達. 田 孝 二,田. 部井 英 夫,梶. 原敏宏. 農… 抜 研 中 間 報 告,第6号,1953.. 農 技 研 中 間 報 告,第7号,1954.. 8.Thomas,R.C.Phytopath.,Vol.33,1119‑一. ・1120,1943(abst.).. 9.Thornberry,H.H.,A.C.BraunandP.P.ElrodPhytopath.,Vo1.39,152‑154,1949.. Summary 1. Attemption. to verify. the causal organism 2.. of rice leaf-blight,. It was found. from the. diseased. leaves. bacteria. was. collected. from the diseased. 3. change. results. of rice plants. determined. Generally the. the overwintering. speaking,. pH value. the X. oryzae unhulled. grain,. 30 days only.. paddy, negative soil contains. of media. of Xanthomonas. using specific X. oryzae that. On the. at a initial. method. With. results. many. by producing. phage was made.. could the. oryzae,. overwinter. presence. in. of the. the soil which. was. were obtained.. kinds of microorganisms acid. or alkali. at the. which culture. period of this technique. As it is clear in the last report that the phage is inactivated rapidly in the media in which pH values were under 4 or above 12. Still more it must be considered. the relation. particles under various conditions. not present the objective bacteria. between. the phage and soil colloidal. So it is difficult to conclude that there are in the sample which shows negative results. Laboratory of Plant Pathology, Faculty of Agriculture, Kyushu University.
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