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3. 新魚種種苗生産技術開発試験

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Academic year: 2021

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3. 新魚種種苗生産技術開発試験

松田 成史 目的

キジハタの栽培漁業化に向けて,種苗生産技術の開 発と,採卵用の親魚群を作成する.

方法

①親魚群の養成と採卵:一本釣りで漁獲された魚を漁 業者から買い取り,飼育環境下に馴致した.また 7 月 1 日から 23 日まで,昨年度集めた親魚群から採卵を試 みた.

②種苗生産の実施:飼育には 100kl 角形コンクリート 水槽 1 面を使用した.水槽の 4 辺に通気用配管を設置 し,反時計回りの水流ができるようにした.更に日齢 6 からエアー配管の 1 つを酸素発生器に繋いで酸素を 供給した.通気量は仔魚の成長および時間帯で 0.5L〜

2.5l/min の間でコントロールした.

飼育水は紫外線照射海水を使用し,日齢 0 から換水 を開始した.換水率は最初は 10%から始め,水質およ び油膜の状況を見ながら,最大で 250%まで増やした.

供試卵は玉野栽培漁業センターで養成された天然 親魚から得られた受精卵を 1 回次 96 万粒, 2 回次は 150 万粒使用した.

飼育水中にはワムシの栄養強化と仔魚のストレス軽 減を目的に適時ナンノクロロプシスおよびクロレラを 添加した.また,水質の安定を図るために,各種水質 改善剤等を使用した.他にも初期の浮上斃死を防ぐた めにフィードオイルを添加した.

餌料はワムシ,アルテミアノープリウス(以下アル テミア)および配合餌料を使用した.

照度を確保するために,蛍光灯 2 器,投光器 8 器お よびイカ釣り用の LED 照明灯 1 器を設置した.

種苗取揚げ後は選別を行い中間育成を試みた.

結果

①親魚群の養成と採卵:昨年と同様に県内漁業者の協 力を得て, 一本釣りで漁獲されたキジハタ 54 尾を購入 した.寄生虫の被害を防ぐため 5 分間の淡水浴を実施 してハダムシを除去し,イカリムシは手作業にて除去 した.餌はスルメイカ,ホタルイカ,オキアミなどを 中心に与え,3 月からはモイストペレットへの餌付け を行った.昨年度購入群は,2010 年 3 月 31 日現在 45 尾を飼育している.

期間中得られた卵は 759 万粒, そのうち受精卵は 261 万粒で受精率は 34.4%だった.得られた浮上卵の平均 卵径とその標準偏差は 763±31.7μm(n=240)だった.

0 20 40 60 80 100 120

7/1 7/6 7/11 7/16 7/21

日付

産卵量(万粒)

浮上卵 沈下卵

図1 7 月 1 日から 23 日までの産卵状況

②種苗生産の実施:7 月 13 日に開始した1回次は極端 に生残率が悪かったため,日齢 4 で廃棄した.7 月 24 日に開始した 2 回次は日齢 51 で取り揚げた. 生産尾数 は90,286尾で卵からの生残率は6%, 平均全長29.4mm,

水量 1 トンあたりの生産尾数は 903 尾だった.この 7 月 24 日開始群(2009)と昨年度の生産群(2008)の水温,

仔魚の生残率,pH,全長,DO および水槽内のワムシ密 度を図 2 から 7 に示した.

今年度は天候が悪い日が多く,平均水温は 24℃台 で,一番高い日でも 25℃台だった.その影響があるの か,昨年度より成長が悪かった.また,エアーブロッ クを利用して酸素を供給したため,溶存酸素は非常に 高い濃度(最大 234%)で推移したが,それによる斃死 等はみられなかった.取り揚げ種苗をソフテックス撮 影して脊椎骨を調べたところ,顕著な脊椎骨の異常率 が昨年度の 63%から今年度は約 30%(n=119)に半減し た.

生産した種苗のうち,大型個体を選別して中間育成 を行った.収容時(9 月 18 日)の平均全長は約 44mm,

収容尾数は 17,218 尾で開始し,取上げ時(10 月 19 日)

には 72mm にまで成長し,生残尾数は 14,972 尾だった.

今年度は VNN の発生もなく,試験放流に稚魚を供給 した.当県産種苗の形態異常の状況は鰓蓋欠損 62%,

頭部陥没 4%,背部陥没 2%,短躯 10%(n=107)となり,

鰓蓋の欠損が非常に高い割合で出現した.

(2)

20 22 24 26 28 30

-1 4 9 14 19 24 29 34 39 44 49 日齢

水温(℃)

2009 2008

図2 水温の推移

0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0

-1 4 9 14 19 24 29 34 39 44 49

日齢

生残率(%)

2009 2008

図3 仔魚の生残率の推移

6 6.5 7 7.5 8 8.5 9

-1 4 9 14 19 24 29 34 39 44 49 日齢

pH 2009

2008

図4 pH の推移

0 5 10 15 20 25 30 35 40 45

-1 4 9 14 19 24 29 34 39 44 49 日齢

全長(mm)

2009 2008

図5 平均全長の推移

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18

-1 3 7 11 15 19 23 27 31 35 39 43 47 51

日齢

DO(mg/L)

2009 2008

図6 DO の推移

0 10 20 30 40 50

-1 4 9 14 19 24 29 34 39 44 49 日齢

個体/mL

2009 2008

図7 水槽内の残ワムシの密度の推移

参照

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