VBA を用いたプレゼン作成の授業実践
著者 亀山 寛, 中村 誉
雑誌名 技を媒介とした学びに熱中する子どもの育成プログ
ラム ; 2011
ページ 63‑68
発行年 2011‑03‑31
出版者 静岡大学教育学部
URL http://hdl.handle.net/10297/7195
VBAを 用いたプレゼン作成の授業実践
技 術 教 育 講 座
亀 山寛
中村 誉 (掛 川 西 中)
1
は じめ にプ レゼン作成には、パ ワーポイン ト等のプ レゼンテーション作成アプ リケーシ ョンを使用す る 場合が多い。中学校技術・家庭科の技術分野 (以下、技術科
)に
おいて、プ レゼ ン作成を主題 に 授業を展開 した時、アプ リケーシ ヨンソフ トの リテラシー教育 とな り技術的であるとは言い難い。またアプ リケーションソフ トで作成 した場合はスライ ドを次か ら次へ映 してい く単方向 リンクで あ り、生徒の独創性・創造性が存分に発揮できない と考えている。著者の一人は以前か ら
VBAに
よるハイパーテキス ト作成のプログラミング教育の研究を行つてきたlll 121。 ⅦAに
よるプ レゼン作 成は、ページ同士をWebペ
ージのように リンクさせ る事で生徒が 自由な発想でプ レゼンを作成で きる。また、ハイパーテキス トの作成にはプログラムが必要であ り、本教材において情報技術の 基礎であるプログラムを生徒に教授す ることができる。静岡大学附属静岡中学校の選択技術における授業 (2009年 度
)と
掛り│1西中の選択技術における 授業 (2010年 度)で
実践 したVBAによるプ レゼン作成の授業報告を行 う。2 VBAを
用 いた プ レゼ ンVBAの UserFormを 「ページ」 とみな し (図 1)、 「私のプ レゼ ンテーシ ョン」 と題 して手始めに メニューのページ作 りを行 つた。 このペー ジ作成 において、生徒 は
Labelオ
ブジェク トと、Collullandbuttonオ ブジェク ト、文字のサイズや色、背景色の変更を扱 う。 この UserFormに オブジ
ェク トを単純に貼 り付ける作業において、オブジエク ト指向スタイルを体験す る。ページのデザ インは既製オブジェク ト部品の再利用で簡単にでき、プログラム初心者である中学生でも容易に 扱 うことができる。
次 に、 自己紹介 のペー ジ作成 を行 い、 メニ ューペー ジ と自己紹介 のペー ジ同士 をプ ログラムに よつて リンク させ る (図 2)。 プ ログラムは、図
3で
ある。斜体 の部分 はVmに
よって 自動生成 され るため生徒 は
2行
の コー ドの追加 を行 う。プ レゼ ンテー シ ョンソフ トでは作成 したスライ ドを順次切 り替 えてい く電子紙芝居的な単方向 リンクで あるが、VBAによる リンクは、Webペー ジの よ うに複数のページに リンクを貼 ることがで きる。 この こ とによ り、次 の連想へ と思い を巡 らす連想記憶 に対応 したハイパーテ キス トを作成 す ることがで き、生徒 の創造性豊かな創意 工夫 あるプ レゼ ンを作成す ることがで きる。
Private Sub CommandButton 1_ Click0 UserForml.Hide
UserForm2.Show End Sub
図
2
ペ ー ジ間の リンク 図3
リンクのプ ログラム図
4は
オブジェク ト指 向入P号 とい うペ ー ジであ り、Imageオ
ブジェク トとTextbOxオブジェク トを主 に扱 った。Imageオ
ブジェク トはペ ージに画像 を付加す るために必要 である。ページ作成 の技能習得 の観点か ら、生徒 には半完成 品のページを与 え、生徒はテキス トボ ックスに文書 を貼り付 ける作業 を行 った。
図
5は
、構造化 プ ログラ ミングのペー ジで、 ここでは順次、選択 、反復 の3制
御 を学習す る。授業 では、プ ログラムをプ リン トで配布 し、生徒がプ ログラムを打ち込む とい う形 を取つた。
"d . 1 メニ■二人 │
好きなアニメ 好きな武将:
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■│‐オ ブ ジ ェ ク ト指 向 プ
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図
4
オ ブ ジ ェク ト指 向入 門ペ ー ジ 図5
構 造化 プ ログ ラ ミングのペ ー ジオブジェウト
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疇
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構造化プログラミング
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:ジョギング 献血
3.授
業 実 践静岡大学附属静岡中学校における
2009年
度は前期の選択科 目の内容 として2年
選択13名、3
年選択31名
(選択115名
、選択 Ⅱ16名)を
対象に行つた。2010年
度は同様な授業を掛川西中 で行つたが、報告は主 として2009年
度の実践を主 として行 う。3‑1.授
業展開授業の流れ は表
1に
示す とお りである。 プ レゼ ン内容 は、情報 に関す るテーマに限定 し、テー マ に従 つて生徒はイ ンターネ ッ トを使 い、情報技術 に関す る調べ学習 を行 つた。生徒の選んだテ ーマは、OS、 HDD、 イ ンターネ ッ ト、P2P、
ウィル ス、ハ ッキング、情報モ ラル、著作権 、拡張 子 、暗号、Amazon、 Google、 ビル ゲイ ツ、ゲーム機 、アニメ、ブルー レイ、地デ ジ等 である。また、総ペー ジ数
10枚
以上 を 目指す ことを 目標 とした。 なお、2010年
度での調べ学習のテーマ は 日本 の古典であつた。表
1
授 業 内容 (1時間 は50分)全
10時間時 数
学習 内容2 ・ メニ ューペー ジ と自己紹介 のペー ジ作成 Labelと
Commandbuttonを
扱 うフォン トや色 の変 え方
・ リンクのプ ログラム
・オブジェク ト指 向入 門ペー ジ 画像 、textboxを 扱 う
・構造化 プ ログラ ミングのペー ジ
3制
御構造のプ ログラム5
・プ レゼ ンテー シ ヨン作成 生徒個人 に よる調べ学習1 ・ プ レゼ ン発 表 会
図
6
授業風景¬
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″ 」
3‑3.生
徒の作成 した作品中学校 の耐震 工事 で予定 よ り時数 が確保 できなかったが、多 くの生徒がプ レゼ ン発表会までに 制作できた。生徒 の作品例 として、図
7に
ブ ラウザ クラ ッシャーについて、図8に
AmazOnに つい て、図9にOSに
ついての作品を示 した。また図10には2010年
度 に行 つた古今和歌集&新
古今 和歌集 の作品例 を示 した。生徒 の作成 した これ らの作品例か ら、
VBAを
用いて も、かな りのプ レゼ ン作成が可能であるこ とがわか る。図
7
ブラウザクラッシャーについての作品 図8 Amazonに
つ い ての作 品図
9 0Sに
ついての作品 図10
古今和歌集&新
古今和歌集次 に、生徒 の作成 したペー ジの数 を表
2に
示す。最小 のペー ジ数 は、7枚
であ り、最多ペー ジ を制作 した生徒 は、23枚
であつた。生徒 の制作 したページ数 を平均す る と9。98枚
であった。 こ の ことはVBAに
よる複数ペー ジのプ レゼ ン作成 は、中学校生徒 に とって難 しい課題ではない こと を示 してい る。鮮 次へ進む︲ 一
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OSとは
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ll表
2
生徒の製作 したページ数 総ペー ジ数人 数
7
4
8
10
9 6
10
13
04
14
115
11
3‑4
生徒の感想授業 を終 えての生徒 の感想 を一部紹介す る。
・エ クセル のマ クロは初 めてだつたので、最初 は難 しくて何 をや つた らいいのかわか らなかった。
だ け ど、す こ しずつ慣れて最終的には完成 させ るこ とができま した
・発表 は初 めてだ ったので とて もむつか しかつたけ ど、楽 しかった。一人一人 とて もユニー クで 個性 的 なサイ トになつていて見ていてお も しろかつた。 もつ と上手 にエ クセル を使 い こなせ た ら いいな
。みんなよく調べてあつて、 とてもた くさん工夫 を していた。 どの人 を とつて もす ごいな と感心 して しま う
・今回は簡単なプログラ ミングだつたけ ど、いつか もつ と高度なものをや つてみたい
。分か りやすいな と思つたのがブラクラについてで、たちの悪 さを伝 えるよ うな背景が印象 に残 っています
・ 中途半端 に終わつて しまつた感 じが して、本 当に残念だった。で も、最後のほ うはけつこ うプ ログラムの仕方 とかわかつてきて楽 しかつた
・イ ンターネ ッ トにはた くさんの情報 があるので気 をつ けなが らも、興 味 を持 つた ものは調べて いきたい と思 つた
・ タイ トル が 「迷惑 メール 」なので画像 で表現す ることが難 しか つた。パ ソコンが苦手なボ クで す が、 ここまで きた こ とは嬉 しいです
4
ま とめVB̲Aに
よるプ レゼン作成の授業実践を中学校で行った。本教材の特徴である多方向 リンクのプ レゼンは生徒の倉」意工夫を引き出 し、想像性豊かなプ レゼンを制作できることがわかった。VBA
で行 うことで情報技術の基礎であるプログラムが教授でき、授業を通 して生徒がプログラムにつ いてより興味・関心が増 したことがわかつた。これにより従来のプ レゼンテーシ ョンソフ トより本
参考文献
[11亀山寛、竹原高度『「情報 とコンピュータ」必修内容における情報技術教育』静岡大学教育学部研究 報告 (教科教育学篇
)第 34号
、2005年、pp 175〜 185[2]亀山寛、内山真路『「情報 とコンピュータ
J教
育におけるオブジェク ト再利用プログラミング教育』静岡大学教育学部付属教育実践総合セ ンター紀要、2005年、pp 65〜80
[31中村誉、亀山寛『 情報に関す る技術における制御教材の検討』日本産業技術教育学会第26回東海支 部大会講演論文集、2008年、pp 131‐134
[41亀山寛、中村誉『 プログラム駆動による音声制御茶運び人形の教材化』静岡大学教育学部研究報告
(教科教育学篇