電気回路学Ⅱ
通信工学コース
5
セメ山田 博仁
講義日程と内 容
日程 ( 回目 ) 講義内容 教 科書の章との対応
1)
2)
4/16 (
第1
回)
RL, RC
回路の過渡現象2.1, 2.2
-
4/23 (
第2
回)
RLC
回路の過渡現象2.3, 2.4
-
4/30 (
第3
回)
ラプラス変換
5.1, 5.2
-
5/7
(
第4
回)
過渡現象とラプラス変換6.1
~6.2
-
5/14 (
第5
回)
過渡現象とラプラス変換の続きと演習6.3
-
5/21 (
第6
回)
過渡関数波、周期波、時間域・周波数域解析5.3
~5.5,
7.1
-
5/28 (
第7
回)
微分、積分回路、二次系の伝達特性7.2
~7.4
-
6/4
(
第8
回)
RLC
回路、インパルス・ステップ・任意波形応答7.5, 7.7
~7.9
-
6/11 (
第9
回)
歪波交流、周期波3.1, 3.2
6/18 (
第10
回)
複素フーリエ級数、歪波交流回路の計算3.4
6/25 (
第11
回)
パルス信号のフーリエ変換4.1, 4.2
7/2
(
第12
回)
特異な信号のフーリエ変換4.3, 4.5
7/9
(
第13
回)
演習問題7/16
(
第14
回)
まとめひずみ波交
電気回路では、様々な要因
(
素子の非線形性など流 )
によって信号波形が歪むことがある その歪み方は、基本周波数の波(
基本波)
にその整数倍の周波数の波(
高調波)
が重畳されたものとなることが多い
周期 T の波に周期 T/3 の波 ( 第3 高調波 )が重畳された波形
そのような波形をひずみ波交流と呼ぶ
(基本波 )
� ( � ) = ∑
�=0
∞
�
�sin ( ��� + ∅
�)
:
直流成分:
基本波:
第 n 高調波 (n 次高調波 ): n
次高調波の振幅: n
次高調波の位相 ひずみ波交流の瞬時値�
3=1 /3, ∅
3= �
ひずみ波交 流
周期 T の波に周期 T/3 の波 ( 第3 高調波 )が重畳された波形 基本波と
n
次高調波の振幅 波形そのものを問題視する通信系や制御系では、高調波の位相関係も重要となる一方で、電力系や音声伝送系では位相関係はあまり重要ではなく、高調波 の振幅比のみに着目することが多い
高調波の振幅比のみを見れば、
前のスライドの波形も左の波形 も同じ
�
3=1 /3, ∅
3=0
エネル ギー
波のエネルギー
ある波の瞬時値を
f(t)
とすると、その絶対値の2
乗積分は、その波のエネルギーf(t)
が電圧或いは電流であれば、単位抵抗(1Ω
の抵抗)
で消費されるエネルギー従って、
f(t)
がある時間範囲だけ存在する波(
孤立波)
でなければ、周期的波動など、そのエネルギーは無限大となってしまう しかし、時間平均をとれば有限であり、
( 平均 ) 電力
周期
T
の周期波(
ひずみ波交流)
の電力は、電力
であり、
t
はどの時刻であっても値は同じT t
正でかつ有限な平均電力を有する波形を、電力信号と呼ぶ
エネル ギー
ひずみ波交流の電圧
e(t)
および電流i(t)
を、n = 1, 2, 3, …
として� ( � ) = �
0+ ∑
�=1
∞
√ 2 �
��sin ( ��� + ∅
�)
� ( � ) = �
0+ ∑
�=1
∞
√ 2 �
��sin ( ��� + ∅
�− �
�)
と表すことにすれば、
E
ne およびI
ne はそれぞれ第n
高調波の電圧およ び電流の実効値� = 1
� ∫
0
�
� ( � ) � ( � ) �� = �
0�
0+ ∑
�=1
∞
�
���
��cos �
�ひずみ波交流の電力は、各調波電力の和に等しい
1
周期T
についての平均電力 を求めれば、実効値と力 率
�
�= √ � 1 ∫
�0�
2( � ) �� = √ �
1�2+ �
2�2+ ⋯
�
�= √ � 1 ∫
�0�
2( � ) �� = √ �
1�2+ �
2�2+ ⋯
従って、ひずみ波交流の電圧および電流の実効値は、直流成分は
0
と して(0
で無い場合はそれを除いて)
以下の様に表せる電圧の実効値 電流の実効値
実効値とは、平均電力が等しくなる直流に相当する電圧或いは電流値のこと
また、ひずみ波交流の有効電力、皮相電力は、
皮相電力
= �
��
�= √ (
�∑
=1∞�
��2)( ∑
�=1∞�
��2)
となり、力率は
力率
有効電力
= ∑
�=1
∞
�
���
��cos �
�ひずみ 率
本来は基本波成分のみの正弦波交流に対して、何らかの要因で高調波成分 が含まれるようになってしまった信号波形に対して、以下の量が用いられ
る ひ
波形率
(form factor)=(
実効値)/(
絶対値の平均)
波高率(peak factor)=(
最大値)/(
実効値)
リップル率
(ripple factor)
ブリッジ構成による全波整流回路
E0
全波整流波形
E
0 は直流成分周期波
周期波
(periodic wave)
とは、ある一定の時間間隔T
をもって同じ振動を繰り返す波形
が全ての
t
に対して成り立ち、T
のうち最も小さい値をその波形の周期(period)
と呼ぶ。� (� )=� (� +�� ),�=0,±1,±2⋯
様々な周期波の例
(a)
整流波形(b)
鋸歯状波形(c)
パルス列周期波のフーリエ級数展 開
我々が通常扱う周期波
f(t)
は、以下の様にフーリエ級数に展開可能� ( � ) =�
0+ ∑
�=1
∞
( �
�cos �
�� + �
�sin �
�� )
�0= 1
�
∫
−�/2
�/2
� (�) ��
��= 2
�
∫
−�/2
�/2
� (�)cos��� �� (�=1, 2,⋯)
��= 2
�
∫
−�/2
�/2
� (�)sin ��� ��(�=1, 2,⋯)
}
フーリエ ( 三角 ) 級数
ここで、
b
0, b
n, a
n をフーリエ係数と呼ぶただし
f(t)
は実関数で、任意の時刻t
に関してまでを1
周期と考えて、基本周期
T
に対する基本角周波数とする。また、正の整数n
に より、書けば、例題 3.2.
1
より までを基本周期とする関数
f(x)
を、� ( � ) =�
0+ ∑
�=1
∞
( �
�cos �� + �
�sin �� )
式( 1 )
上式の両辺を から まで積分すると、
−
∫
��
� ( � ) �� = �
0∫
−�
�
�� + ∑
�=1
∞
( �
�−∫
��
cos ���� + �
�∫
−�
�
sin ���� ) =2 � �
0∴�0= 1 2�
∫
−�
�
� (�)��
次に、式
(1)
の両辺に(m
は整数)
を掛けて から まで積分すると、例題 3.2.
1
0
ここで、以下の三角関数の公式を用いると、例題 3.2.
1
��= 1
�
∫
−�
�
� (�)cos����
同様に、式
(1)
の両辺に(m
は整数)
を掛けて から まで積分すると、従って、 ��= 1
�
∫
−�
�
� (�)sin����
ここで変数変換、 を行うと、 に対して で、これが半周期 に等しく、かつ であるから、基本周期
T
の周期波f(t)
のフーリエ級数およびフーリエ係数 の式が導き出せる。−
∫
��
� (�)cos�� ��=� �� 従って、
高調波成分の大き さ
ところで、
b
0 はf(t)
の時間平均であるから、直流成分の大きさを表す。�=tan−1(��/��)
従って、
f(x)
に直流成分が無い時にはb
0 はゼロとなり、また、となるところから、第
n
高調波の大きさは、 によって与えられる。� ( � ) = ∑
�=1
∞
�
�sin �
��
� ( � ) =�
0+ ∑
�=1
∞
�
�cos �
��
さらに、
f(x)
が奇関数の時、フーリエ係数の内のb
0 およびb
n はゼロとなり、のように、フーリエ・サイン
(
正弦)
級数で表される。一方、
f(x)
が偶関数の時はフーリエ係数の内のa
n はゼロとなり、のように、フーリエ・コサイン
(
余弦)
級数で表される。方形波のフーリエ ( 三角 ) 級数
0 t 1
-1
-T/2 T/2
{
�� ((��)=−) =1(01(−<��</2�</20))奇関数なので、フーリエ係数の内の
b
0 およびb
n はゼロである。従って、方形波のフーリエ
(
三角)
級数は、6 �
� �+ 4
5 � sin 10 �
� �+¿⋯
� (� )=∑
�=1
∞ 2(1−(−1)�)
� � sin 2� �
� �= 4
� sin 2�
� �+ 4
3 � sin ¿
鋸波 ( 直線波 ) のフーリエ ( 三 角 ) 級数
� (� )= 2
� � (−�/2<� <� /2)
奇関数なので、フーリエ係数の内の
b
0 およびb
n はゼロである。0 t 1
-1
-T/2 T/2
4 �
� � + 2
3 � sin 6 �
� � +¿ ⋯
� (� )=∑
�=1
∞ 2(−1)�+1
� � sin 2� �
� �= 2
� sin 2 �
� � − 1
� sin ¿
従って、鋸波のフーリエ
(
三角)
級数は、三角波のフーリエ ( 三角 ) 級数
� (� )=1−4
|
�|
� (−� /2<�<� /2)
偶関数なので、フーリエ係数の内の
a
n はゼロである。また、図から直流成分は無いことが分かるが、敢えて計算をすると、
0 t 1
-1
-T/2 T/2
三角波のフーリエ ( 三角 ) 級数
従って、三角波のフーリエ
(
三角)
級数は、一方、