平成
23
年度 高専-長岡技科大(機械系)教員交流研究集会 研究情報交換会 予稿集N−5
マイクロチャネル内二相流に対する有限要素解析
曵地 玲香*(機械創造工学専攻)、倉橋 貴彦(機械情報・制御工学大講座)、 古口 日出男(機械情報・制御工学大講座)
*
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1.
はじめに流体中に含まれる溶媒の抽出,混合等を短時間,高効率,
省スペースで行えること等から,図
1
に示すマイクロ化学 チップが近年注目されている.現在,マイクロ化学チップ は研究段階にあり,環境,医療,化粧品等,幅広い分野で 利用が期待されている.しかし,マイクロ流路において多 相流形成が困難であることが問題点として挙げられる.そ こで,本研究では,マイクロ流路内の界面安定性に関する 検討に先立ち,マイクロ流路内における二相流に対する有 限要素解析を行う.2.
有限要素法による定式化流れ場を表現する基礎方程式として,式(1)~(3)に示す 運動方程式,連続式,移流方程式を用いる.
( ) ( 1 )
1
, , , , ,
V j i i j j i i j i j
i
V V P V V f
V + + − ν + =
& ρ
) 2 (
,i
= 0
V
iφ & + V
iφ
,i= 0 ( 3 )
ここで,
V
iは流速,P
は圧力,ρは密度,νは動粘性係数,f
iVは外力,φは界面位置を表す指標関数(以後,指標関 数)を示している.また,界面張力を表すCSF
モデルで は,体積力f
iVは式(4)
となる.式(4)
内のκ( x )
は式(5)
で与 えられる界面曲率である.[ ] ( 4 )
2 ) (
) ) (
( ] [
) ) ( ( ) (
2 1
2 1 1 , 2
+
=
<
−
= =
ρ ρ ρ
ρ ρ ρ ρ ρ ρ ρ ρ
σκ x ρ x x
x
f
iV i( ) ( 5 )
|
| |
|
|
| ) 1
( n
i ,jn
i,jn
i ,ix φ
κ =
−
= n
n n
ここで,σは界面張力係数,
n
iは界面上の法線ベクトルを 表している.本研究では,分離型解法により流れ場と圧力場を分離し て計算を行う.流れ場,指標関数には安定化気泡関数要素,
圧力場には三角形一次要素を用いた有限要素法による解 析を行う.
図
1.実験モデル
図2.Q
1=Q
2=5[μl/min]時の実験結果
3.
数値解析例およびマイクロ化学チップを用いた 実験の比較図
1
に示すチップを使用して,デジタルマイクロスコープ(倍率
540
倍)により界面観察を行った結果を図2
に 示す.Q
1,Q
2=5[
μl/min]
と設定した場合,界面位置が流路 中心線上付近で安定した.この観察結果を基に,界面張力効果を考慮したマイクロ 流路内の二相流の解析を行う.図
1
に示した観測領域での 解析モデル,及び,境界条件を図3
に示す.また,解析結 果を図4
に示す.図
3.計算モデルと境界条件
図
4.t=0.025[s]での計算結果(上:指標関数,下:流速分布)
結果として,図
2
の観察結果との比較より,界面位置の 変動の様子を良好に示せていると考えられる.4.
おわりに本稿では,安定化気泡関数要素を用いたマイクロ流路内 の流れ解析について,実験の観察結果との比較を行った.
今後は,他条件においても解析結果と観察結果との比較を 行うことで,マイクロ流路内の流れの再現性の更なる検討 を行う予定である.