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全国におけるポジショニング

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Academic year: 2021

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-80 -60 -40 -20 0 20 40 60 H20.11 H21.5 11 H22.5 11 H23.5 11 H24.5 11 H25.5 11 景気 収入 暮らし向き 支出意欲 ▲27.5 ▲7.7 ▲31.5 21.4 平成26年1月 月月 第30回 熊本の消費予報調査(平成25年11月調査)

女性の消費マインド、消費税増税への不安からやや慎重

当研究所では、熊本市在住の女性モニターを対象として、平成11年5月より「熊本の消費予 報調査」を実施しているが、今回はその30回目となる。本調査では、消費マインドに影響す る「景気」、「暮らし向き」、「支出意欲(支出の引き締め)」に対する意識と、実際の消費に関 わる「収入」の増減という4つの項目について、今後半年の見通しを尋ねている。その上で、 以上4つの項目と「支出」から総合的に判断し、熊本の消費予報を行った。 【調査結果のポイント】 1.「景気」の見通しDIは+21.4と、前回を19.8ポイント(以下、p)下回った。アベノミ クスの経済効果や東京オリンピック開催決定への期待はあるものの、4月に実施される 消費税増税の影響に不安を感じているようである。「収入」の見通しDIは前回比1.1p低 下の▲7.7、「支出意欲」の見通しDIは前回比2.7p低下の▲27.5と、前回とほぼ同水準 となった。「暮らし向き」の見通しDIは、物価上昇や消費税増税の影響などを不安視し、 前回を11.8p下回る▲31.5となった。 2.消費予報の指標とする「景気」、「支出意欲」、「暮らし向き」の各項目について、消費 税増税の影響が随所に出ており、物価上昇による負担増や増税後の暮らし向きへの不安 から、4月以降の支出の引き締めを検討している生活者も見受けられ、消費マインドは やや慎重になりそうである。 3.消費税増税を前にした生活者の消費についてみると、消費税増税を見越した消費が「あ る」と回答した人は44.7%だった。購入するものとしては、「家電製品」、「自動車、バ イク」、「日用品」が上位を占めた。また、4月以降、節約や支出を控えるものとしては、 「外食」、「洋服、ファッション雑貨」が4割を超えている。 【今後の見通しDIの推移】  -5p  0  +5p  5ポイント以上下降   ±5ポイント未満  5ポイント以上上昇 (前回比 ▲19.8p) (前回比 ▲11.8p) 収入 支出意欲 (前回比 ▲1.1p) (前回比 ▲2.7p) 前回調査との比較 熊本の消費予報 予報の判断 景 気 暮らし向き 【調査の概要】 1.調査対象:熊本市在住の20代から  60代の女性モニター500人 2.調査期間:平成25年11月5日~15日 【回答者の属性】 年 代 実数(人) 構成比(%) 20 代 50 12.0 30 代 91 21.8 40 代 94 22.5

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第30回 熊本の消費予報調査 平成26年1月 1.景気の見通し 景気の見通し DI は+21.4 と前回を 19.8p下回った。年代別にみても、すべての年代で低 下しているが、プラス水準であった(図表 1、2)。 自由回答をみると、「アベノミクスの影響で企業に活気が出てきた」、「東京オリンピック開 催に期待する」という意見がみられた。一方で、「景気が良くなったことを実感しない」、「消 費税が上がると家計が打撃を受ける」という意見もあった。 当研究所の熊本県内企業業況判断調査(平成25 年 12 月調査)によると、県内企業の業況 DI (平成 25 年 10~12 月期)は調査開始以来最も高い+4 となり、初めてプラスに転じる など、企業経営者の景況感は改善がみられた。その一方で、個人に目を向けると、地方では 大都市ほど個人消費の拡大がみられず、日常生活の中でアベノミクス効果を感じることがで きない生活者もいるようである。さらに、4 月からの消費税増税や円安による物価上昇など が生活者の心理に影響を与えていることも推察され、景気の見通しを低下させたと思われる。 図表1 景気の見通しDI DI=(「良くなる」+「やや良くなる」)-(「悪くなる」+「やや悪くなる」) 図表2 今後半年間の景気の見通し 前 回 前々回 (H25.11) 前回比 (H25.5) (H24.11) 全 体 21.4 -19.8 41.2 ▲ 25.4 20 代 24.0 -16.3 40.3 ▲ 7.5 30 代 17.6 -20.1 37.7 ▲ 25.6 40 代 9.6 -21.8 31.4 ▲ 34.1 50 代 25.1 -21.6 46.7 ▲ 23.4 60 代 31.9 -17.5 49.4 ▲ 31.5 今 回 4.6 2.2 2.0 2.2 2.1 0.0 4.4 43.6 33.3 36.0 30.8 26.6 35.9 38.5 44.8 50.5 48.0 51.6 52.1 53.3 46.2 6.3 10.8 12.0 13.2 13.8 5.4 9.9 0.7 3.3 2.0 2.2 5.3 5.4 1.1 0% 20% 40% 60% 80% 100% 前回(H25.5) 今回(H25.11) 20代 30代 40代 50代 60代 良くなる やや良くなる 今までと変わらない

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第30回 熊本の消費予報調査 平成26年1月 2.収入の見通し 収入の見通し DI は▲7.7 で、前回を 1.1p下回った。しかし、年代別にみると、20 代は前 回より 31.3p悪化し、30 代は 17.7p改善するなど、年代により大きなばらつきがみられる (図表3)。 今後半年間の収入見通しをみると、「今までと変わらない」が前回を6.0p上回る77.5%と 最も多くなった(図表4)。 一部企業における賃上げ実施について報道がなされているが、本県においては、これまで の半年間で収入が増加した生活者は少なかったものと思われ、県内企業の賃上げに向けた動 きはこれからのようである。 図表3 収入の見通しDI DI=「増えそう」-「減りそう」 図表4 今後半年間の収入の見通し 前 回 前々回 (H25.11) 前回比 (H25.5) (H24.11) 全 体 ▲ 7.7 -1.1 ▲ 6.6 ▲ 11.9 20 代 ▲ 12.0 -31.3 19.3 2.9 30 代 7.7 17.7 ▲ 10.0 ▲ 7.8 40 代 ▲ 5.3 8.6 ▲ 13.9 ▲ 17.6 50 代 ▲ 13.0 -1.6 ▲ 11.4 ▲ 17.0 60 代 ▲ 17.6 -8.2 ▲ 9.4 ▲ 15.8 今 回 10.9 7.4 8.0 15.4 9.6 2.2 2.2 71.5 77.5 72.0 76.9 75.5 82.6 78.0 17.5 15.1 20.0 7.7 14.9 15.2 19.8 0% 20% 40% 60% 80% 100% 前回(H25.5) 今回(H25.11) 20代 30代 40代 50代 60代 増えそう 今までと変わらない 減りそう

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第30回 熊本の消費予報調査 平成26年1月 3.暮らし向きの見通し 暮らし向きの見通し DI は、▲31.5 と前回を 11.8p下回り、過去最高となった前回に比べ ると、大きく悪化した。年代別にみると、すべての年代で悪化がみられ、特に 30 代、40 代 を除く年代で 10p以上悪化した(図表 5、6)。 物価上昇や消費税引き上げ後の負担を懸念して、暮らし向きの見通しは悪化したものと思 われる。 自由回答には、「物価は上がるのに収入は変わらない」、「各種税金の負担が増える」という 意見が多くみられた。物価上昇に対して賃金の上昇は見受けられず、負担ばかりが大きくな ると感じている消費者が多いようだ。 図表5 暮らし向きの見通しDI DI=(「良くなる」+「やや良くなる」)-(「悪くなる」+「やや悪くなる」) 図表6 今後の暮らし向きの見通し 前 回 前々回 (H25.11) 前回比 (H25.5) (H24.11) 全 体 ▲ 31.5 -11.8 ▲ 19.7 ▲ 30.6 20 代 ▲ 20.0 -24.8 4.8 ▲ 7.4 30 代 ▲ 22.0 -0.9 ▲ 21.1 ▲ 23.3 40 代 ▲ 40.4 -6.7 ▲ 33.7 ▲ 46.2 50 代 ▲ 40.2 -15.2 ▲ 25.0 ▲ 39.4 60 代 ▲ 29.7 -13.2 ▲ 16.5 ▲ 30.5 今 回 1.5 1.0 2.0 2.2 0.0 0.0 1.1 8.3 4.8 6.0 6.6 4.3 3.3 4.4 60.8 56.9 64.0 60.4 51.1 53.3 59.3 26.3 30.4 22.0 25.3 33.0 34.8 33.0 3.2 6.9 6.0 5.5 11.7 8.7 2.2 0% 20% 40% 60% 80% 100% 前回(H25.5) 今回(H25.11) 20代 30代 40代 50代 60代 良くなる やや良くなる 今までと変わらない やや悪くなる 悪くなる

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第30回 熊本の消費予報調査 平成26年1月 4.支出意欲の見通し 今後支出を緩めるかどうかをみる支出意欲 DI は▲27.5 で、過去最高であった前回を 2.7 p下回った。年代別にみると、20 代と 60 代は前回を 10p以上下回り支出の引き締め傾向が 強まったが、30~50 代はわずかではあるが改善がみられた(図表 7)。 自由回答をみると、「価格が高くても品質の良いものを使いたい」、「4月からは引き締める ので、今のうちに買っておく」という意見や、「消費税が上がるので、今から引き締める」、 「無駄使いを減らす」という意見もみられた。 消費税増税を見据えた駆け込み需要がある反面、早めに引き締めようとする慎重な生活者 もおり、増税に向けて様々な動きがみられるようだ。 一方で、今後の支出意欲の見通しをみると、「今までと変わらない」が最も多く、「必要な ものかを見極めて購入していたので、これからも変わらない」という意見もあり、今まで通 りの支出をする生活者も見受けられた(図表8)。 図表7 支出意欲DI DI=(「緩める」+「少し緩める」)-(「少し引き締める」+「引き締める」) 図表8 今後の支出意欲の見通し 前 回 前々回 (H25.11) 前回比 (H25.5) (H24.11) 全 体 ▲ 27.5 -2.7 ▲ 24.8 ▲ 34.3 20 代 ▲ 38.0 -10.5 ▲ 27.5 ▲ 16.3 30 代 ▲ 25.3 1.4 ▲ 26.7 ▲ 31.2 40 代 ▲ 31.9 0.7 ▲ 32.6 ▲ 50.6 50 代 ▲ 22.8 3.3 ▲ 26.1 ▲ 37.3 60 代 ▲ 24.2 -12.3 ▲ 11.9 ▲ 31.5 今 回 1.0 0.2 0.0 0.0 1.1 0.0 0.0 9.5 9.3 6.0 15.4 6.4 8.7 8.8 54.3 53.3 50.0 44.0 53.2 59.8 58.2 28.5 28.9 36.0 30.8 27.7 25.0 28.6 6.8 8.1 8.0 9.9 11.7 6.5 4.4 0% 20% 40% 60% 80% 100% 前回(H25.5) 今回(H25.11) 20代 30代 40代 50代 60代 緩める 少し緩める 今までと変わらない 少し引き締める 引き締める

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第30回 熊本の消費予報調査 平成26年1月 5.日常的な支出の見通し 日常的な支出の見通し DI をみると、前回を上回る項目が 13 項目中 8 項目となった。 項目別にみると、「日常の食費」は前回を 3.6p上回る+3.8 となった。原材料価格上昇で 食料品の値上がりが多いことが影響しているようだ。 次に、前回を下回る項目をみると、「行楽、レジャー」は前回を 6.3p下回る▲5.3 となっ た。暮らし向きの見通しが悪化したことで、行楽やレジャーに出かける機会が減少すること が推察される。また、「貯蓄」は前回を 5.9p下回る▲11.3 となった。消費税増税や物価上昇 の影響で、全体的に支出が増加し、貯蓄をする余裕が無くなると予想する生活者が多いと思 われる(図表9)。 ※「行楽、レジャー」は、国内旅行・海外旅行を除く。 図表9 日常的な支出の今後の見通しDI DI=「増やす・増えそう」-「減らす・減りそう」 0.2 -20.2 -16.1 -28.2 -26.5 -11.7 -16.6 1.0 -8.3 9.0 10.2 -5.4 8.1 3.8 -16.8 -12.2 -25.6 -26.0 -14.3 -16.5 -5.3 -12.4 9.8 7.2 -11.3 10.3 -40 -30 -20 -10 0 10 20 日 常 の 食 費 外 食 普 段 着 お し ゃ れ 着 靴 、 バ ッ グ 化 粧 品 、 美 容 雑 貨 ・ 小 物 、 文 具 行 楽 、 レ ジ ャ ー ※ 自 分 の 趣 味 、 習 い 事 子 供 の 教 育 費 、 習 い 事 公 共 料 金 、 通 信 費 貯 蓄 医 療 費 前回(H25.5) 今回(H25.11) 貯 蓄 化 粧 品 、 美 容 行 楽 、 レ ジ ャ ー ※ 自 分 の 趣 味 、 習 い 事 公 共 料 金 、 通 信 費

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第30回 熊本の消費予報調査 平成26年1月 6.非日常的な支出の見通し 非日常的な支出の見通し(今後半年間で購入計画ありの割合)をみると、「情報家電」、「A V家電」、「家電製品」、「車」がそれぞれ前回を上回っている。前回調査においても、消費税 増税を見据えた購入と思われる動きが見受けられたが、今回調査でも、消費税増税決定を受 け、多くの項目で購入を計画している生活者が多いものと推察される。 また、「国内旅行」、「海外旅行」は前回をやや下回ったが、年末年始の暦の関係もあり、引 き締めの影響はさほど大きくないと思われる(図表10)。 ※1 情報家電とは、パソコン、パソコン関連機器、携帯電話、ファクシミリなど。 ※2 AV家電とは、テレビ、DVDレコーダー、デジタルカメラ、ビデオカメラなど。 ※3 家電製品とは、冷蔵庫、洗濯機、食洗機、エアコンなど、情報家電とAV家電以外の電気製品。 図表10 非日常的な支出品目の今後半年間の支出見通し 支出見通し=今後半年間で購入計画ありの割合 11.7 11.4 6.6 16.1 40.6 9.2 3.9 5.4 11.0 15.1 6.9 18.4 37.6 8.6 6.7 5.0 0 10 20 30 40 50 イ ン テ リ ア 、 家 具 情 報 家 電 A V 家 電 家 電 製 品 国 内 旅 行 海 外 旅 行 車 ( 新 車 ・ 中 古 車 ) 住 宅 ( 新 築 や 増 ・ 改 築 ) 今後半年間の支出見通し(前回) 今後半年間の支出見通し(今回) %

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第30回 熊本の消費予報調査 平成26年1月 7.消費税増税を見越した消費 これまで見てきたように、調査からは随所に消費税増税の影響が見てとれた。4 月からの 増税が間近に迫り、今回は別途、生活者の消費税増税を見越した消費について質問した。 まず最初に、消費税引き上げ前に買っておきたいものや、それを見越してすでに買ったも のがあるかをたずねると、「ある」と回答した人は 44.7%、「ない」は 55.3%であった。「な い」が「ある」を上回ったものの、4 割を超える人が消費税増税を意識した駆け込み需要が あると答えている(図表 11)。 次に、消費税引き上げを見越した消費があると回答した人に、何を買いたいか(すでに買 ったか)をたずねた(複数回答)。最も多いものは、「家電製品」と「自動車、バイク」でそ れぞれ 29.4%、続いて「日用品」が 21.4%となっている(図表 12)。家電製品や自動車、バ イクは、一度購入すると長く使うことができ、買い替えなどはすぐには発生しない。消費税 引き上げを機に、買い替えを検討していた人や初めての購入を検討していた人にとっては、 購入のよいきっかけとなったようだ。また、生活必需品であるキッチン用品などの日用品は、 ある程度買いだめしておこうという意向が働いたと推察される。全国的に消費税引き上げの 駆け込み需要がみられている「住宅」は、16.6%であった。 高額で増税の負担が大きく、長期に亘って使用する耐久消費財が、消費税引き上げ前に購 入しておきたい商品の上位を占める結果となった。 図表11 消費税引き上げ前に買っておきたいもの、     それを見越してすでに買ったものはあるか ある 44.7% ない 55.3%

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29.4 29.4 21.4 18.2 17.6 16.6 16.6 14.4 10.7 8.6 7.5 5.9 8.0 0 10 20 30 家電製品 自動車、バイク 日用品(キッチン用品、 トイレタリー用品など) 家具、インテリア用品 化粧品、美容用品 住宅(リフォーム、増改築含む) スマートフォン パソコン 洋服、ファッション雑貨 保存食品、冷凍食品 高級ブランド品(腕時計、宝石、 アクセサリーなど) 嗜好品(たばこ、お酒など) その他 第30回 熊本の消費予報調査 平成26年1月 図表12 消費税引き上げ前に買っておきたいものや、     それを見越してすでに買ったものはなにか (n=187 複数回答)

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第30回 熊本の消費予報調査 平成26年1月 8.節約や支出を控えるもの 4月の消費税増税以降、節約や支出を控えようと考えているものをたずねると(複数回答)、 1位は「外食」46.2%、次いで「洋服、ファッション雑貨」が43.1%となり、上位2項目は4 割を超えている(図表13)。 外食については、回数を減らしたり、一回にかける金額を抑えることが考えられ、ちょっ としたぜいたくを控える動きがみてとれる。また、洋服やファッション雑貨は、ワンランク 上の洋服を購入する回数を減らしたり、価格を抑えるなどの工夫をするものと思われる。 次に、「食費」31.1%、「水道光熱費」27.5%と続く。食費や水道光熱費は、生活に必要な 項目であるが、必要最低限の負担に抑えることで支出を減らそうとしているものと推察され る。 多くの項目について支出を抑える動きがある反面、節約や支出を控えるものは「特にない」 と回答した人が 19.9%と 2 割近くを占めることが目を引く。自由回答には、「今までも節約 に努めていたので、特別なことはしない」、「消費税引き上げは仕方のないことなので、今ま でと変わらないと思う」という意見がみられた。消費税増税を特別視せず、自然体で対応す る姿勢が感じられた。 節約や支出を控える以外にどのような工夫をするかを自由回答でたずねたところ、「必要な ものだけを買う」、「衝動買いをしない」、「必要なものかよく考えて購入する」という意見が 多く、堅実な購入で無駄を減らしたいとの意向がうかがえる。また、「今あるものを工夫して 使う」、「長く使えるように丁寧に使う」という意見もあり、手持ちの品を工夫することで代 用したり、使えるうちは使うなど、ものを大切にすることで購入を抑えようとしているよう だ。あるいは「チラシを見比べ、最も安い商品を購入する」、「各種のクーポンやポイントを 大いに利用する」といった工夫や、「健康管理に気を付け、医療費を抑えるようにする」とい うものもあった。さらに、天候不順などの影響を受け、野菜が高値になることが多いためか、 「家庭菜園を充実させたい」、「家庭菜園を始める」という意見が多数みられた。 購入前によく考え、必要最低限のものを購入し、無駄なく使い切る、使えるものは最後ま で大切に使うなど、無駄を極力省いたシンプルな生活を心掛けることで、節約につなげたい と考えている生活者が多いようだ。消費税増税への対応を検討することは、生活を見つめ直 し、ものの使い方などを考えるよいきっかけになるようである。

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第30回 熊本の消費予報調査 平成26年1月 図表13 消費税引き上げを受けて、節約や支出を控えようと 考えているものはなにか 46.2 43.1 31.1 27.5 19.9 19.6 18.7 16.7 15.8 12.7 9.6 5.5 5.0 1.7 0.5 0.2 19.9 0 10 20 30 40 50 外食 洋服、ファッション雑貨 食費 水道光熱費 交通費、ガソリン代 化粧品、美容・エステ費 日用品 旅行、レジャー 通信費 交際費(お歳暮・中元の 贈答など含む) あなたの趣味や習い事 夫、または妻のお小遣い 保険 医療費 子どもの塾や習い事 その他 特にない %

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第30回 熊本の消費予報調査 平成26年1月 おわりに 消費税引き上げについて思うことを自由回答でたずねたところ、「消費税増税は仕方がな い」という意見が多くみられた。日本の財政状況を考えると、皆が等しく負担する消費税を 増税することは必要だと考えている生活者が多いようだ。 また、消費税増税はやむを得ないとする生活者であるが、負担が増えることには不安を感 じており、食品や生活必需品への税率を軽減する「軽減税率」を希望する意見もみられた。 今回の熊本の消費予報は、消費税増税と物価上昇への懸念が大きくでており、先行きへの 不安が生活者の心理に与える影響の大きさを感じた。 安倍政権の打ち出した経済政策は、円安による輸出型企業の業績改善や、株価上昇による 資産効果で、高額品を中心とした個人消費の持ち直しなど、効果が表れ始めている。しかし、 生活者に関係する賃金の上昇は実現しておらず、消費税の負担増や食料品を中心とした物価 上昇などによる負担の増大が懸念され、個人消費の冷え込みも予想される。 生活者の負担軽減や消費拡大のためにも、一日も早い賃金の上昇などが待ち望まれる。 以 上

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