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2017 年 11 月ジェトロ バンコク事務所作成 タイ国インフラ レポート ~ 高速鉄道整備計画について ~ 概要と経緯 高速鉄道計画は タイ国運輸省とタイ国有鉄道が進めている国家プロジェクトである 2009 年 当時のアピシット政権 ( 民主党 ) 時代に高速鉄道建設案を採択 翌 10 年に中国

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ジェトロ・バンコク事務所作成

タイ国インフラ・レポート~高速鉄道整備計画について~

概要と経緯 高速鉄道計画は、タイ国運輸省とタイ国有鉄道が進めている国家プロジェクトであ る。 2009 年、当時のアピシット政権(民主党)時代に高速鉄道建設案を採択。翌 10 年 に中国企業との共同計画として、5 路線案を承認する。中でもバンコク〜ノンカー イ、バンコク〜マレーシアを起点に構想を進めた。 ところが11 年にインラック政権(タイ貢献党)が発足すると、計画改定が行われ、 国際連結ではなく国内地方都市間の連結を重視。11 年 9 月 20 日、バンコク〜ナコ ーンラチャシーマー〜ノンカーイルートを閣議決定。その後、入札が行われる予定 だったが、中国のラオス高速鉄道整備計画の遅延により延期。バンコク〜ナコーン ラチャシーマー間を急ぐことになった。12 年 6 月には、当時のタイ副運輸相が日本 の国土交通省幹部と会談。バンコク〜ピッサヌローク、バンコク〜ナコーンラチャ シーマー、バンコク〜ホアヒン、 バンコク〜ラヨーンの 4 路線で事業仕様書(TOR) を取りまとめ、13 年に国際入札を行い、14 年着工を目指した。しかし 13 年末に起 こったバンコク封鎖デモ、14 年の軍事クーデタ一により計画は一端、白紙となった。 2014 年 5 月 プラユット暫定首相が所信表明 タイの全権を掌握する国家秩序維持評議会(NCPO)のプラユット議長(前陸軍司 令官)を首相とする暫定内閣が2014 年 5 月に発足。同暫定首相は 12 日、立法議会 で所信表明演説を行い、輸出依存型経済から脱却するための内需向け投資重視を発 表。内需拡大の切り札として、バンコク都内の大量高速鉄道整備や都と郊外を結ぶ 鉄道整備、スワンナプーム空港の第2 期工事の早期着工、タイ湾やレムチャバン湾 といった重要港の再整備など、景気の下支えとなる大型公共事業計画を発表した。 (出典:週刊ワイズ/2014 年 5 月 21 日発行号) 2014 年 12 月 タイ政府が、鉄道整備に関する覚書を中国と締結 中国、タイ両国政府は鉄道整備事業に関する覚書を締結した(2014 年 12 月 19 日)。 タイ東北部のノンカーイ県と東部ラヨーン県マプタプット工業地帯を結ぶ734 キロ と、首都バンコクから中部サラブリー県ケンコイまでの133 キロを結ぶ、総延長 867 キロ。2016 年着工、2022 年の完成を目指す。 中国と結んだ覚書は2 件。高速鉄道整備事業と、もう 1 件は農産品売買に関する協 力。これはタイの鉄道事業を中国に任せる見返りに、米や天然ゴムを購入してもら うという、物々交換のような覚書である。(出典:週刊ワイズ/2014 年 12 月 31 日発行 号)

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2014 年 12 月 日本とも交渉を進める 中国と覚書を締結した翌日、プラチン運輸相は「日本側から中国との締結は早過ぎ るとの声があがったため、他の3 路線は日本を優先する」と発言。プラユット暫定 首相が15 年 2 月に日本を初訪問すると明かした。 タイが日本に整備を求める路線は、ミャンマー国境のターク県〜ラオス国境に近い ムクダハーン県、タイ東部からバンコクを通って西部につながるカンチャナブリー 県〜バンコク〜ラヨーン県、バンコク〜チェンマイ県〜チェンライ県チェンコンの 3 区間。総延長約 1500 キロ。(出典:週刊ワイズ/2014 年 12 月 31 日発行号) 2015 年 2 月 鉄道整備(複線化)に関する覚書を締結 プラユット暫定首相が3 日間の訪日を終え、2 月 10 日に帰国した。政府専用機でバ ンコク空軍基地に降り立った同暫定首相は、開口一番「今回の訪日は満足した」と 成果を語った。2 月 9 日の安倍晋三首相との首脳会談では、日本側から早期総選挙 の実現による「民生復帰」と「新幹線」の売り込み、原発事故後にタイが実施して いる日本産食品の輸入規制の撤廃が求められた。それに対しプラユット暫定首相は 「総選挙は年末から来年初め」と回答した上で、タイの鉄道整備計画や難航するダ ウェー経済特区への経済協力を求め、鉄道整備(3 路線の複線化)に関する覚書の 締結にこぎ着けた。(出典:ポスト・トゥデイ/2015 年 2 月 11 日付) 2015 年 5 月 進む日タイ高速鉄道計画 和泉洋人首相補佐官は11 日、訪問先のタイでプラジン運輸相と会談し、鉄道整備事 業に関する両国の協力覚書(MOC)に同相と太田昭宏国土交通相が署名することを 申し合わせた。覚書にはタイ北部チェンマイと首都バンコクを結ぶ約700 キロと、 ミャンマー国境沿いのカンチャナブリ県からバンコクを経由して東部サケオ県につ ながる約500 キロ(バンコク-東部チョンブリ県の支線含む)の 2 路線を優先的に 整備することを盛り込む。 同日記者会見したプラジン運輸相によると、日本は優先整備する2 路線の調査専門 チームを6 月に派遣し、これまでタイ側が行ってきた実現可能性調査を基に、さら に詳細な調査を実施する。このうちチェンマイ-バンコク線について、同相は「12 年から(タイが)調査を進めており、日本側が納得するだけのデータが集まってい る」として、早ければ16 年初めにも同線の着工が可能との考えを示した。 2 路線のほか、ミャンマー国境に接する北部ターク県とラオス国境沿いの東北部ム クダハン県を結ぶ路線についても、日タイで協力して整備する可能性を模索する。 覚書はプラジン運輸相が訪日し、太田国交相と26 日か 27 日に署名する方向で調整 している。(出典:バンコク時事/2015 年 5 月 11 日付) 2015 年 9 月 中国担当の高速鉄道の着工延期

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れ込むことが確実となった。10 月 23 日の着工を予定していた両国政府の検討会議 で、中国側が提示した建設費がタイ側の概算見積より2~3 割も高額だったことが理 由。タイ政府は中国に対し、詳細な見積書の提示を求め、延期が決まった。アーコ ム・テームピッタヤーパイサーン運輸相は「延期されたが、12 月には着工する。工 期は3 年を予定」と言明した。 タイ側の試算では、建設費は約4000 億バーツを見込んでいる。中国側には鉄道建設 により、雲南省からラオスを経由しタイ湾に至る”輸送網”を確保する狙いがある。 (出典:ポスト・トゥデイ/2015 年 9 月 13 日付) 2015 年 10 月 高速鉄道新線中央駅が決定 日本と中国が各々建設を請け負うことで合意されている高速鉄道新線を巡り、運輸 省の会合が開かれた。それぞれ設置される中央駅を、日本が請け負うバンコク〜チ ェンマイ線( 全長 672 キロ)についてはバンコク郊外のバンスー駅に、中国が請け 負うバンコク〜ケンコーイ〜ノーンカーイ及びケンコーイ〜マプタプット線(全長 873 キロ)についてはアユタヤ県のチェンラークノーイ駅に置くことが正式に決ま った。(出典:マネジャー/2015 年 10 月 5 日付) 2016 年 2 月 中国との鉄道事業、一部区間の単線を提案 タイのアーコム運輸相は4 日、中国と共同で整備を進める 鉄道複線化事業(バンコ ク~中部サラブリ・ケンコイ~東北部ナコンラチャシマ~ノンカイ、ケンコイ~東 部ラヨン・マプタプト/計873 キロ)のうち、ナコンラチャシマ~ノンカイ区間は 単線に据え置くとともに、一部区間の建設を延期するよう中国側に提案したことを 明らかにした。5000 億バーツに上るとみられる総事業費の削減が狙い。 中国との 鉄道複線化事業では(1)バンコク~ケンコイ(2)ケンコイ~マプタプト (3)ケンコイ~ナコンラチャシマ(4)ナコンラチャシマ~ノンカイの 4 区間に分 けて整備することになっている。このうちバンコク~ケンコイとケンコイ~ナコン ラチャシマの両区間は当初の計画通り複線化する。 アーコム運輸相は「ナコンラチャシマ~ノンカイ区間はケンコイ~マプタプト区間 より投資に引き合うため、建設を優先させる」とした上で、事業費を削減するには 単線への据え置きが必要と指摘。ケンコイ~マプタプトの区間は「貨物輸送の需要 が低水準」として、同区間の建設を当面延期する考えを中国側に伝えたと述べた。 ナコンラチャシマ~ノンカイ区間の単線据え置きとケンコイ~マプタプト区間の建 設延期により、事業費は約1600 億バーツ減少するとみている。 またアーコム運輸省は 、鉄道整備事業の推進母体となる特別目的会社(SPV)の出 資比率について中国60%、タイ 40%とするよう申し入れたことも明らかにした。 中国側は今回のタイの提案について検討し、今月末に北京で開かれる中タイ 鉄道合 同委員会の第10 回会合で再協議すると答えたという。(出典:バンコク時事/2016 年 2 月 4 日付)

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2016 年 8 月 新幹線方式を導入 タイで日本企業が受注し製造した都市鉄道「パープルライン」が8 月 6 日に開業し た。式典に出席した石井啓一国土交通相は、その後アーコム運輸相と会談し、日本 の新幹線システムを採用する高速鉄道の共同整備などに関する協力覚書に署名した。 今後は国際協力機構(JICA)がまとめる事業性調査を経て、来年にも基本計画策定 に着手する。タイ側は「2018 年にも着工したい」(アーコム運輸相)と、整備促進 を望む。 日本の鉄道システム輸出の本丸である“新幹線システム”の採用は、首都バンコク と北部チェンマイを結ぶ総延長約 670 キロに及ぶ国家プロジェクト。覚書によれば、 バンコク〜ピサヌローク間(約380 キロ)を優先的に整備するという。日本側は、 整備促進につながるよう沿線上の都市開発でも技術協力する。両国は、インドシナ 半島を横断する東西経済回廊のタイ国内を結ぶムクダハーン〜メーソート間や、南 部経済回廊沿いのアランヤプラテート~カンチャナブリー間の鉄道整備でも協力を 確認した。(出典:週刊ワイズ/2016 年 10 月 5 日付) 2017 年 6 月 石井国交相:タイ新幹線、専用軌道を全線確保 石井啓一国土交通相は6 日の閣議後記者会見で、タイの首都バンコクと北部の主要 都市チェンマイを結ぶ新幹線方式の 高速鉄道を整備する案について「全線の専用軌 道が確保できることになった」と述べ、主要な技術的課題の一つが解消できるとの 見通しを明らかにした。これを受け、今週来日するタイのアーコム運輸相と新たな 覚書を交わすという。 国交相は「複数路線が計画されるターミナル駅のバンスー駅に近い一部区間で、新 幹線の専用軌道をどう確保するかが課題とされてきた」と指摘。「この区間に専用 軌道を整備することが確認された」と説明した。 国交相は 高速鉄道について「実現に向けて大きく前進することができる」と強調し た。(出典:バンコク時事/2017 年 6 月 5 日付) 2017 年 6 月 超法規的手段で高速鉄道事業を加速 プラユット暫定首相は15 日、タイと中国が共同整備する高速鉄道事業のうち、バン コク~ナコーンラチャシーマー間(約250 キロ)に対して超法規的権限(暫定憲法 44 条)を行使。これにより、工事着工を阻んできた農業以外の利用が規制される 「農業改革地」内の制限、つまりはハードルが取っ払われた。また、中国企業の設 計、電気・技術者といったエンジニアのほか、関連する専門家(人材)のタイでの 就労(資格取得の免除)を許可。50 億バーツ以上の予算執行に際して第三者機関に よる審査も免除するという。 計画遂行を願うアーコム運輸相は「44 条の発動で計画がスタートできる。第一期工 事(3.5 キロ)は 3 カ月以内に着工する」、ソムキット副首相も「ナコーンラチャシ ーマー間が終われば、すぐにノンカーイまで延伸させる」と諸手を挙げて(発動を) 歓迎した。

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のドゥアンリット氏は「中国人の建築家やエンジニアが許可無しで働けることに納 得できない。タイ人の建築家やエンジニアは仕事がなくなる」と異論を唱える。タ イ国鉄道エンジニアリング協会のディサポン会長も「そもそも中国の安全基準を信 用できない。数年前に脱線事故もあった。技術力は信頼に値するのか」と疑問を呈 した。 一方、こうした反論に運輸省のチルット広報官は「今回の決定は中国とのMOU(了 解覚書)に基づいている。中国は2 万キロの高速鉄道の整備実績を持ち、全て国際 的な安全基準に従っていた」と一蹴した。(出典:バンコク・ポスト、マティション/ 2017 年 6 月 15 日付)

2017 年 新たな高速鉄道整備計画

タイ東部経済回廊(Eastern Economic Corridor=EEC)で高速鉄道を整備

チョンブリー、ラヨーン、チャチューンサオの東部3 県にまたがり、電気自動車 (EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)といった次世代自動車をはじめ、医療、 航空、ロボットなどハイテク産業の特定業種の投資促進と陸海空インフラなどを一 体的に開発する“東部経済回廊構想”が本格始動した。 EEC 開発政策委員会(委員長・プラユット暫定首相)のカニット事務局長は 3 月 23 日、日系企業向けセミナーに出席。「4 月 5 日に同委員会の初会合を開き、先ずは ウタパオ空港の拡張工事と、同空港からスワンナプーム、ドンムアン両空港とを結 ぶ高速鉄道計画の承認を得て開発をスタートさせる」と意気込んだ。さらに同事務 局は、プラユット暫定首相の思いを代弁。政権交代により全政権の計画が白紙撤回 されるといった過去の例から、近くEEC 法を可決させ、時の政権に関係なく継続さ せる一大国家プロジェクトとする。今後5 年間には、約 1・5 兆バーツをかけ、前述 の計画に加えレムチャバン・サタヒップ・マプタプット3 港湾の拡張、高速鉄道と は別に貨物用の鉄道複線化計画、高速道路整備など巨大公共事業が目白押しだ。 また、同地域はIOT 技術を使った環境配慮型エネルギー・社会インフラの次世代型 管理を行う都市“スマートシティ”構想など、途方も無い計画が用意されている。 (出典:週刊ワイズ/2017 年 4 月 17 日発行号) EEC 構想によるインフラ整備案(出典:週刊ワイズ/2017 年 4 月 17 日発行号)

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2017 年 9 月 バンコク〜ラヨーン高速鉄道、23 年に開業と発表 タイ国鉄は日タイで整備するバンコク〜東部ラヨーン間の 高速鉄道(193 キロ)を 2023 年に開業すると発表した。事業費は 2150 億バーツ。 タイ政府はバンコク首都圏と東部経済回廊(EEC)間の交通網整備を計画している。 ドンムアン(バンコク)、スワンナプーム(サムットプラーカーン)、ウタパオ (ラヨーン)の3 空港を 高速鉄道で結ぶ構想を進めており、バンコク~ラヨーン間 はその一部。(出典:バンコク・ポスト/2017 年 9 月 4 日) 2017 年 9 月 日タイ高速鉄道、建設費2700 億バーツ アーコム運輸相は8 日、日本とタイで進めるバンコクと北部ピサヌロークを結ぶ 高 速鉄道(380 キロ)の建設費が 2700 億バーツになるとの見通しを明らかにした。同 日、日本側と協議。同相は年内に閣議提案し、19 年に着工、22 年に運転開始を目指 すという。 同路線は、 バンコク〜チェンマイ間(673 キロ)の 高速鉄道建設の一部。日本側は 昨年6 月の中間報告でバンコク~ピサヌローク間は旅行需要が見込まれるとし、同 区間を優先して開発するよう提案していた。 バンコク〜チェンマイ間の 高速鉄道はドンムアン空港、ロブリ、ナコンサワン、 ピチット、ピサヌローク、スコータイに駅を設置する予定。(出典:バンコクビズ/ 2017 年 9 月 9 日付)

「タイの切り札“

EEC

”を忘れずに」

タイ政府が望むのは中進国の罠からの脱却です。20 代〜30 代のタイ人に話を聞くと 「夢の超特急“新幹線”がタイに来る日がくるなんて、幼い頃からの都市伝説が実 現することに驚きです」と口を揃えます。日本の発展をテレビで見て育ち、実際に 日本へ行き、それが本当だったことを実感してきた世代にとっての本音でしょう。 それだけタイが経済発展を遂げ、先進国へ向けた分岐点に差し掛かっている証拠で もあります。

EEC の開発事務局「EEC 開発管理委員会」は、EEC 域内のウタパオ空港とスワン ナプーム、ドンムアン両国際空港を結ぶ高速鉄道建設事業の入札を年内にも実施す る方針だといいます。3 空港を結ぶ同整備計画の投資額は 1,580 億バーツ(約 45 億 ドル)を予定。この計画は 公民が連携して公共サービスの提供を行うスキームで PPP 方式(パブリック・プライベート・パートナーシップ)を採用することになり ます。 ドンムアン空港~スワンナプーム空港~ウタパオ空港間に高速鉄道を敷設し、既存 の鉄道を複線化することにより、ドンムアン空港~ウタパオ空港間を1 時間以内、 スワンナプーム空港~ウタパオ空港間を45 分で移動することが可能になるとされて います。 本計画はEEC の目玉事業のひとつですが、壮大な計画であるため、路線の候補地の 確保など不透明な課題が多く「本当に実現するのだろうか」と懐疑的な見方をする 人も少なく無いでしょう。

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ないと思います。 同国には中国と共同で進める計画が他にもあります。バンコクとラオス国境のタイ 東北部ノンカイ市を結ぶ高速鉄道計画の第1弾である、バンコクとタイ東北部の主 要都市ナコンラチャシーマーを結ぶ高速鉄道の建設計画は、全長 253 キロ、全 6 駅、 2021 年の開業を目指した計画として注目されています。 このようにバンコク~ナコーンラチャシーマー~ノンカーイ間と、日本と進めるバ ンコク~チェンマイ間(新幹線方式)の両高速鉄道計画もあり、バンコク首都圏に おける複数の都市鉄道計画も進み、まさに鉄道整備花盛りです。当然ビッグプロジ ェクトが続くわけですから、鉄道業界は技術者など人材の需要も大幅に増えます。 今後5年間で首都圏の都市鉄道や地方鉄道網(複線化計画など)が順次開通するこ とで、鉄道業界の人材は現在の約1万人に加えて、さらに2万人の需要が見込まれ ています。 また日本企業の優位性を持つ技術要素の一つとして、世界に誇る安全性や正確性を 支えるネットワーク技術があります。既に欧州で開発が進められているIoT

(Internet of Things)技術の進化に伴い、鉄道の分野でも IoT 技術を活用した顧客サ

ービスの向上や業務の効率化、無線による列車制御技術の連携など近代化に向けて 展開される見通しです。 さらに建設分野では、鉄道網の計画が進むとレールなどの資材が必要となります。 このレールの素材には、耐久性等の問題から高炉材(溶鉱炉で銑鉄をつくる製鉄技 術)が必要になりますが、タイにはこのような技術の一貫した製鉄所が無いため海 外から輸入する必要があります。そのため、タイ国内では調達できない日本の技術 の製品を使った建設材料などに、特殊需要が発生すると見込まれています。 今後もタイ国内の鉄道におけるインフラ情勢を見極め、日本の優秀な技術を活用し た独自のビジネスで、長期間に渡る活躍の場を期待したいと思います。 タイ国インフラ・レポート~高速鉄道整備計画について~ 2017 年 11月作成 日本貿易振興機構(ジェトロ)ものづくり産業部 環境・インフラ課 〒107-6006 東京都港区赤坂1-12-32 Tel. 03-3582-5542

参照

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