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教科・領域教育専攻 言語系(英語)コース 糸 永 伸 哉

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Academic year: 2021

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U t i l i z a t i o n  o f V i s u a l  O r g a n i z e r s  f o r  Highe r ‑ L e v e l  P r o c e s s e s   i n  E n g l i s h  Reading C l a s s e s  i n   J  apanese High S c h o o l s  

教科・領域教育専攻 言語系(英語)コース 糸 永 伸 哉

1. 

はじめに

国際化と

IT

化の進む現在、英語教育の分野 においても、英語リーディング観の変容が求め られている。それは、高校現場に直猿の影響を 与える大学入試の問題傾向にも影響を与え、従 来型の逐謝句な文法訳読式の読み方では対応で きない問題が増えてきている。つまり、英文の 内容を情報として理解し、運用できるような、

いわば「コミュニカティブ・リーディング」と でも呼ぶべきリーデイングの力が求められてい るのである。しかしながら、そのような変化は、

多くの場合、ますます多忙化する高校現場には あまり反映されず、実際の指導にも生かされて いないのが現状であろう。前述の「コミュニカ ティブ・リーディング」も、語葉・文法をおざ なりにしたトップダウン式のリーディング指導 であるように瑚卒され、生徒の英語能力から言 っても、現実味は薄いように捕らえられている のではないだろうヵ、私自身、「コミュニカティ ブ・リーディング

j

においても、一語葉・文法の 果たす役害

IJ

を疑うものではないが、授業がその 指導のみで終わり、情報運用能力の育成を生徒 自身のセンスや自助努力にゆだねてしまうのは、

英語教師としての責任を回避してしまうことに なると考える。本論考を通して、「コミュニカテ ィブ・リーディング」の実態をつかみ、それに もとづいた具体的・実践拘な指導法を提案して いきたし

10

指 導 教 員 伊 東 治 己

2.概要

1

章では、生徒のリーデイングのスタイル を変えるために、読みの「目的」を意識するこ とが効果的ではないかと考え、様々な先行研究 の分析をもとに目的の分類を試みた。その中で、

目的にも階層性があり、最下層の、例えば「情 報を統合するために読む

j

、「指平をするために 読む」といった、より具体的な目的は、直族的 に読みのスタイルに影響を与えることを見いだ した。そして、その具体的な目的を意識させる ために、適切なタスクの設定が必要であること を示唆した。

2

章では、まず、様々な先行研究をもとに

「読んで分かる

j

とし、うことがどういうことで あるのかを考察した。そして多くの場合、第一 言語と、第二言語や外国語の場合とで、大きな 違いがあること、現在の英語リーディングに求 められているのは、むしろ第一言語において求 められていたものであることを指摘した。この 二者をつなぐものを考察する中で、Kin

tschら

( 1

978,1986,1994)

の認知言語勃句な文章理解研 究に鰍もた。それによると、「調卒」とは、ある テキストを読んで読み手がそのテキストに即 し て 首 尾 一 貫 性 の あ る 心 的 表 象

(menぬl repsentatiow

を構築した状態で、あり、またそ の心的表象には、言語的な段階「表層的記憶

(surfaa memory) J

、概念的な段階「命題的テ キストベース

(textbase)J

、全体表象的な段階

h u

q δ 

(2)

「状況モデソレ (SituationModeD Jの3つのレ ベルが想定されているO ここにおいて、 lower levelの読解過程(readingprocess)で、ある「表層 的記憶」にとどまる伝統的な高校現場での英語 リーディング指導を越え、「テキストベース」さ らには「状況モデ〉レJといったhigherlevelの 読解過程を促して、「コミュニカティブ・リーデ イングJへと導くものにするのが、「適切なタス クjであると規定した。

一方で、現場の高校耕市へのアンケート調査 によって確認された、高校生の英語能力面に関 する懸念や、主にそれから導かれる、誤った状 況モデ〉レ出現の可能性、さらには、第一言語と は違う、そもそもの外国語教育としての役割を 考慮する必要性も感じた。よって、本論考で、は、

あくまで「状況モデ〉レjを駆使する、コミュニ カティブなコンテントリーディングを念頃に置 いた上で、正確なテキストベースを構築するこ とを目的とした活動を中心に、考察を進めるこ ととした。

第 3章では、第 2章で述べた読解と visual

11llageの関係をふまえ、実際の授業での図表 (visuaDの活用方法lこっし、て、多様な先行研究の 分析をし、形態面、授業での機能面の両面から 図表の分類をして、それぞれ考察を進めた。

形態においては、概念地図(∞nceptmap)に代 表される、単文や節等の命題を中心として成り 立つnodeと、それらをつなぐ矢印などのlink で表される、命題組織図(node‑linkorg自 由er) に着目した。理由として:

任胸語文法や因果ネットワークなどの文章理解 研究で、の様々なモデル提示に利用されていた

という難賓と汎用性

②各情報開の関係性を視覚化することで複雑な 概念の構造を一目で苦境卒させたり、 linkを自

由に張ることで読解を深め、思考を発展させ ていくのにも役立つとしりた利便性

などがあげられる。授業における機能面では、

読解の前・中・後のどのタイミングで使うのか ということを縦軸に、親市・生徒の誰が作るの かということを横軸にした分類を試みた。中で も、読解中、あるいは翻磯における、親市主 導で、生徒が図表を完成させるといった活動に、

「適切なタスク Jとしての可能性を見いだした。

つまり、図表を使ってhigherlevelの読解プロ セスを疑似体験させるのである。

それを受け、第4章では実際の高校の英語I の教科書の樹オをもとに 図表を効果的問l

した、具体的な授業案を提示した。その中では、

協同授業への展開の可能性など、図表を使った、

吏に発展的な学習を示唆した。

3.終わりに

2005年12月7日付けの新聞各紙は、経済協 力開発樹薄(OECD)が2003年に実施した、各国 の 15歳(日本では高1)の総合的学力を測る学 習到達度調査において、文章やグラフの読解力 で日本は 14位(498J京)と、前回の8位(522J京) からIJ開立も平均点も下がったことを伝えている。

これは、第一言語である国語教育においても、

情報運用能力としての読解力の低下を示唆する ものであると考えられる。英語教師として、こ の結果を対岸の火事とするのではなく、同じリ ーディング指導に関わるものとして、お互いに 協力をして、問題の解決を目指ずべき時が来て いるのかもしれない。入力文字にとらわれない 図を活用した授業というのは、その架け橋とし ての役割が果たせるようにも思うD そのために も、まずは今後、提案した授業案を中心にした 現場での実践を通して、本研究の有効性を示し ていきたいと考える。

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参照

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