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2.2.4
2012 年 9 月現在、ブラジルの鉄道は全長 30,051 キロメートル、うち民間経営が 28,614 キロメートル である。1997 年から 2011 年までに、政府投資は 13.9 億レアルに比べ、民間投資は 285.8 億レアルに達 した。2011 年の鉄道投資は計 47 億レアルであったが、2012 年は 53 億レアルに増加することが見込まれ ている。しかし、依然として他の主要穀物生産国に比べて鉄道網の発達は遅れている段階にある。2011 年現在で鉄道貨物のうち農産物の割合は11.5%である。輸送貨物は年々増加しているものの、増加の大部 分は主に鉄鉱石や石炭等となっており、一般貨物(約半分が農産物)は過去 10 年間ではあまり目立った 増加はみられず、今後の鉄道拡張に期待が寄せられている。 ブラジル運輸省は、2020 年までに現在の鉄道網約 3 万キロメートルをさらに約 1 万キロメートル延長 し、計4 万キロメートルに延長する計画を持つ。西部・東部横断、北部・南部横断に加えて、北東部を強 化し、マトグロッソ州やマピトバ地域からの輸送増を支援するほか、南部の強化も含む。現在工事が進め られているPAC2 が完了すれば、およそ 3,000 キロメートルが延長される見込みである。2012 年 8 月に 発表された計画によれば、これに加えて更に2037 年までに 1 万キロメートルを延長する方針である。 図 37 鉄道に対する投資の推移(1997-2012) 出所)ブラジル全国鉄道協会(ANTF) 図 38 鉄道貨物輸送量の推移 5,300 0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 百万レアル 政府 民間 0 50 100 150 200 250 300 350 400 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 百万トン 鉄鉱石・石炭等 一般貨物24 図 39 鉄道貨物輸送量におけるシェア(2011) 出所)ブラジル全国鉄道協会(ANTF) ブラジルの鉄道15 路線のうち、南部は主にアメリカラティーナロジスティカ(ALL)社が 4 路線、北 部はヴァーレ(VALE)社が 4 路線を運営しており、それぞれの地域で独占的な体制を築いている(次頁 参照)。 ALL 社は、ブラジルとアルゼンチンで鉄道等を持つ運輸企業であるが、砂糖・エタノール大手コサン (Cosan)社が同社株式のうち 49%を有している。地域ではほぼ独占的な取扱いであるため、運送料金が 自由に設定でき、穀物取扱各社はそれぞれ独自に運賃交渉の必要がある。現状では、トラック輸送よりも やや低い程度の価格設定となっており、運送料金の高さが指摘されている。 VALE 社は、ブラジルの鉄鋼石等資源生産大手で、旧国営企業が民営化されたもので、鉄道の他、海運、 発電も手掛ける。同じく独占的取扱いであるために運送料金が高いとの問題点のほか、ヴァーレ社の鉄道 はもともと鉱物輸送のために設計されているため穀物輸送の際には物量が非常に大きい場合でなければ利 用できず、さらに事前に輸送の割当を得ることが必要であるが、割当取得も困難である等の問題が指摘さ れている。 鉄鉱石・石炭等 鉱物資源 77% 農産物 11% 鉄鋼 4% 石油等 3% 道路建設資材 1% その他 4%
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ALL 社 VALE 社
ALL – Norte (América Latina Logística Malha Norte S.A.) EFVM (Estrada de Ferro Vitória a Minas) ALL – Oeste (América Latina Logística Malha Oeste S.A.) FCA (Ferrovia Centro-Atlântica S.A.) ALL – Paulista (América Latina Logística Malha Paulista S.A.) EFC (Estrada de Ferro Carajás)
ALL – Sul (América Latina Logística Malha Sul S.A.) FNS (Ferrovia Norte-Sul)
その他
FERROESTE – Estrada de Ferro Parana Oeste EFT – Estrada de Ferro Trombetas
FTC – Ferrovia Tereza Cristina S.A. EFJ – Estrada de Ferro Jari MRS - MRS Logística S.A. EFA – Estrada de Ferro do Amapa TLSA – Transnordestina Logística S.A.
図 40 ブラジルの現在の鉄道網
出所)ブラジル運輸連盟(CNT)2011「ブラジル鉄道の輸送能力の成長(Cresce o transporte de cargas nas ferrovias brasileiras)」 VALE 社
24 PAC1 PAC2 2007 年に発表された PAC1 では、2007 年から 2010 年までの 4 年間に民間と政府併せて約 5000 億レ アルの投資を実施することを計画、このうち鉄道は総延長2,518 キロメートルの建設を予定し、77 億レア ルを見込んでいた。(下図赤枠参照) 2010 年に発表された PAC2 は、PAC1 の延期分を含む広軌鉄道を中心とする鉄道路線の延長で計 4,696 キロメートルを予定し、さらに将来的な延長に向けた調査・計画策定を2,985 キロメートルで行うほか、 高速鉄道(TAV)建設 510.8 キロメートルを予定していた。このために 2011~2014 年に 439 億レアル、 2014 年以降に 21 億レアルの計 460 億レアルの投資を見込んでいた。(下図青枠参照) および 建設段階 ■PAC1 の当初範囲 ■セラード地域 および 調査・計画段階 ■PAC2 の当初範囲 ←2012 年 10 月現在の状況 図 41 PAC1 及び PAC2 における鉄道延長計画 出所)ブラジル政府 経済成長加速化計画(PAC)ウェブサイト 注)*鉄道と道路に係る物流インフラ整備計画(2012~2037)を指す PAC1 の対象となった主要な鉄道延長路線は、北南鉄道、新北東鉄道、北部鉄道、東西統合鉄道の 4 路 線であった。ただし、PAC1 の期間中に建設が完了したのは、北南鉄道のうち Estreito – Palmas 間(約 560 キロメートル)にとどまる。 PAC2 の対象となった主要な鉄道延長路線は、北南鉄道、新北東鉄道、北部鉄道、東西統合鉄道、中部・ 西部統合鉄道、西部統合鉄道の6 路線であった。実際の PAC2 の 2012 年4月現在での進行状況としては、 北南鉄道 Estreito-Palmas 間 のみ PAC1 で完成 残りは PAC2 で 建設中 北部鉄道 PAC2 で建設中 西部統合鉄道 2012 年計画*で実施予定 北南鉄道 Estrela D’oeste-Panorama 間 2012 年計画*で実施予定 東西統合鉄道 PAC2 で建設中 新北東鉄道 2012 年計画*で実施予定 中部・東部統合鉄道 2012 年計画*で実施予定
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これら工事が完了すれば、2,968 キロメートルの延伸となる。また、中部・西部統合鉄道、西部統合鉄道
の2 路線については PAC2 では入札段階には至らず、次項に述べる 2012 年 8 月の新計画で改めてこの 2
24 PAC1 で完了 既存路線 計画/調査中 建設段階 調査・計画段階 完了 実施中 入札中 準備中
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表 19 PAC2 の主要な鉄道路線の計画遂行状況(高速鉄道を除く、2012 年 4 月現在)
鉄道名 鉄道名(伯語) 番号 距離 状況 物流インフラ整備状況
北南鉄道 Ferrovia Norte-Sul EF151 1,301km ■
■ ■
Palmas/TO‐Uruaçu/GO 457 km 93.5% Uruaçu/GO‐Anápolis/GO 162 km 98.9% Anápolis/GO‐Estrela d’Oeste/SP 682km 17.1% 新北東鉄道 Ferrovia Nova Transnordestina EF232 874 km ■ Missão Velha/CE‐Salgueiro/PE 96km 99%
Salgueiro/PE‐Trindade/PE 163km 80% Eliseu MarUns/PI‐Trindade/PE 420km 39% Salgueiro/PE‐Suape/PE 522km 50% Pecém/CE‐Missão Velha/CE 527km 4%
北部鉄道 Ferronorte EF364 247 km ■ Alto Araguaia/MT‐Rondonópolis/MT
Segment 2 163km 99%
Segment 3 e Pátio de Rondonópolis 84km 5% 東西統合鉄道 Ferrovia de Integração Oeste-Leste EF334 536 km ■ Trecho Ilhéus/BA‐CaeUté/BA 536 km 7.6%
中部・西部統合鉄道 Ferrovia de Integração Centro-Oeste EF354 準備中
西部統合鉄道 Ferrovia de Integração de Oeste EF267 準備中
出所)ブラジル運輸省(MT) 注)■順調 ■やや遅れ ■遅れ
24 EF151 EF354 EF232 EF334 EF267 EF364 EF280 EF451 EF222 EF333 新北東鉄道 ■ 東西統合鉄道 ■ 大陸横断鉄道 調査・計画中 中部・西部統合鉄道 計画済み・準備中 北部鉄道 ■ 北南鉄道 Palmas- Anápolis■ Anápolis - Estrela d'Oeste ■
西部統合鉄道 計画済み・準備中 高速鉄道 高速鉄道 鉄道(広軌 1.6m) 鉄道(狭軌 1.0m) 高速鉄道 緑:計画中/黄:建設中 検討中 Litoranea 鉄道 Frango 鉄道 2020 年までに計画中の鉄道の総延長増加 11,800 ㎞ (広軌:10,700 ㎞、狭軌:1,100 ㎞) *
Palmas
Anápolis
Estrela d’Oeste
24 パラ州ベレンからサンパウロ州パノラマ間の北南鉄道EF151 は 3,100 キロメートルの延長が計画され ており、鉄道利権(コンセッション)はVALE 社を含む数社が持つ。 南北鉄道は、PAC 計画の中で唯一工事が完了した区間がある鉄道計画で、現在バルサス−フランコ間が 完了しており、トカンチンス州クリナスまで線路が届いており、クリナスのターミナルが近いうちに建設 される予定である。マピトバ地域の位置する北東部の物流を大幅に改善するとして期待されている。ただ、 同じく今後の生産拡大が期待されているマトグロッソ州東部から、南北鉄道へアクセスするルートについ てはまだ整備が進んでおらず、間に湿地帯を挟むために工事コストが嵩むほか、環境面での認可を得るの が難しく、今後の整備が期待されている。 北南鉄道では、ALL 社の鉄道の旧来型の契約方式(大口顧客しか契約できず、4 年前には予約しないと いけない、など)とは異なり、政府が新しい規制を導入したので、貨車での運搬サービスは、VALE 社な いし他のコンセッション会社に多少料金を支払って、他の会社も手がけることができるため、料金も比較 的安くなるのではないかと期待されている。 2012 2037 2012 年 8 月に発表された新たな鉄道と道路に係る物流インフラ整備計画では、2012 年から 2037 年ま での25 年間で、鉄道分野で 1 万キロメートルの延長におよそ 910 億レアル(約 3.6 兆円)の投資を誘致 する。PAC1 の 77 億レアル、PAC2 の 460 億レアルと比べても更に規模が大きい。うち 560 億レアルが 2017 年までの 5 年間、350 億レアルがその後 20 年間での投資と見込まれている。 対象としては鉄道12 路線を挙げ、うち 6 路線(2,600 キロメートル)をグループ 1 として、2013 年 4 月の入札実施、残り6 路線(7,400 キロメートル)をグループ 2 として、2013 年 6 月の入札実施を目指す。 なお、このうち 2 路線(中部・西部統合鉄道(EF354)と西部統合鉄道(EF267))は、経済成長加速化 計画2(PAC2)において建設が予定されていたが、計画実施が遅れ、まだ入札準備が完了していない路線 が含まれている。その他の路線は PAC2 において建設の調査・計画が実施されているものである(2012 年8 月時点では調査・計画が完了したものと未完了のものを含む)。また本計画では、新たに 5 路線で将 来的な鉄道建設に向けた調査・計画をスタートさせる。 いずれもコンセッション契約に基づく民間企業の投資によって進められ、ブラジル経済社会開発銀行 (BNDES)の長期低利融資が利用でき、参加企業の投融資リスクを引き受ける保険公社設立も準備され ている。2013 年から順次契約締結作業を開始し、締結後 5 年間で建設を行う。 政府が民間事業者に道路・鉄道の建設・運営・メンテナンスとそれに伴う資金調達を含めた事業権を付 与するコンセッション方式で行われる。鉄道輸送能力は鉄道建設公社(VALEC)が全量購入し、それを公 募方式で提供する。輸送能力は実需者、オペレーション企業、又はコンセッション企業へ販売する。 マトグロッソ州の大豆・トウモロコシ生産者の団体であるマトグロッソ州大豆トウモロコシ生産者協会 (Aprosoja)によれば、マトグロッソ州からサンタレンに至る道路である BR163 の建設が現在進められ ているが、この道路にほぼ沿う形で鉄道を敷設することに対して中国が興味を示しており、すでに調査が 進められている模様である。道路の交通量が多く道路の劣化が激しくなることが予想されている一方、ブ ラジル政府の計画する河川ルートの開発にはまだ長い時間がかかると考えられており、鉄道敷設の利点が
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- - - 調査段階 - - - PAC、PAC2 において既に進行中 ― 既存のネットワーク
鉄道名/連結地域 グループ スケジュール
① Rail Ring SP – Northern stretch グループ 1 グループ 1(2,600 キロメートル) 2012 年 8~12 月 調査 2013 年 1 月 公聴会 2013 年 3 月 公募 2013 年 4 月 入札 2013 年 5~6 月 契約 グループ 2(7,400 キロメートル) 2012 年 8 月~2013 年 2 月 調査 2013 年 3 月 公聴会 2013 年 5 月 公募 2013 年 6 月 入札 2013 年 7~9 月 契約 ② Rail Ring SP – Southern stretch グループ 1
③ Access to the Port of Santos グループ 1 ④ Lucas do Rio Verde – Uruaçu グループ 1 ⑤ Uruaçu – Corinto – Campos グループ 2 ⑥ Rio de Janeiro - Campos – Vitória グループ 2 ⑦ Belo Horizonte – Salvador グループ 2
⑧ Salvador – Recife グループ 2
⑨ Estrela d’Oeste – Panorama Maracaju グループ 1
⑩ Maracaju – Mafra グループ 2
⑪ São Paulo – Mafra – Rio Grande グループ 2 ⑫ Açailândia – Vila do Conde グループ 1