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Academic year: 2022

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(1)

【整番FE-14-IG-002】 【標題】非円形断面流れの圧損計算

分類:熱(熱伝達)/種別:初心手引き 作成年月:H25.3/改訂:Ver0.5 (R3.8) 作成者:N.Miyamoto 改訂:誤記訂正など 全 11 枚

プラント設備ではの大半管路/ダクトは円形断面をしており、通常の設計データ/資料で支障なく流れ 計算ができる。然るに、低圧のダクト/機器内の流路などでは、やや特殊な形の非円形断面(例えば矩形 断面)の流れが現れることがある。この流れは円形断面ほどに均一で一様な流れではなく、コンピュ-タ による流れ解析(CFD)の対象になるのかもしれないが、単に目途をたてるといった検討では過剰反応に なる。むしろ、

① JSME技術資料の摩擦損失データ(2)を用いた計算

②一般的な水力径またはJonesの等価径(1)(3)を用いた簡易的な計算、

で十分な場合が多い。よく知られた①については割愛し、ここでは②について紹介する。

1. 水力径を用いた計算法

(1) 水力直径Dhは本来、さほど理論的なものではなく一種のエンジニアリング技法である。テキストでも 心なしか少し粗略に扱われているようなので、ここで丁寧に説明してみる。なお、流れは直管イメージ の1次元非圧縮性流れ(あるいは近似的に非圧縮性として扱える気体流れ)とする

まず図のような断面一様な流路を考える。斜線部分をとりだしこれに作用している力を考えると 断面1に作用する圧力による力➞P1A

断面1に作用する運動エネルギ➞MV=(ρVA)V=ρV2A 断面2に作用する圧力にゆる力➞P2A

断面2に作用する運動エネルギ➞MV=(ρVA)V=ρV2A 切り出し体積部分の移動に伴なう壁面摩擦力➞Ff=CLτo

ここで、P=静圧(Pa)、M=質量流量(Ns/m)、V=断面の平均流速(m/s)(=Q/A)、Q=流量(m3/s)

A=流れ断面積(m2)、C=斜線部分の周長(m)、L=斜線部分の長さ(m)、

ρ=密度(㎏/m3)、τo=壁面せん断応力(Pa)、なおCL ➞ 斜線部分の壁との接触面積

これらの力は次のようにバランスしている。

(P1A+ρV2A)-(P2A+ρV2A)=CLτo ➞ (P1-P2)A=CLτo

P1-P2=⊿P(=圧損)であるから、

⊿P・A=CLτo ➞ ⊿P=(CL/A)τo ---(a)

ここで、せん断応力は圧力の単位を持ち、摩擦損失係数f x動圧 即ち[(1/2)ρV2] で表わされるので、

τo=(1/2)fρV2 ここでf=Fanningの摩擦損失係数

(2)

これを上記の⊿P式に代入して

⊿P=(1/2)(CL/A)fρV2=(1/2){CL/(4A)}(4 f )ρV2=(1/2){CL/(4A)}λρV2 ---(b) ここで λ=Moody線図の摩擦損失係数(=4 f )

円形断面のときは流路の周長はC=πD、流れ断面積はA=πD2/4であるから

⊿P=(1/2)λ(L/D)ρV2 ここで D=円形断面の直径(m) ---(c)

(c )式は、式中の4fをλに置き換え圧損式 [⊿P=(1/2)λ(L/D)ρV2] として、日常的に配管の圧損計算

で使われている。

ここで、径Dhの非円形断面と等価な円形断面を考えると、圧損は(c)式から⊿P=(1/2)λ(L/Dh)ρV2 になるが、更にこれを(b)と等置すれば、次の式が得られる。

{CL/(2A)}fρV2=(1/2)(4 f )(L/Dh)ρV2 ➞ Dh=4(A/C) ---(d)

Dhは(流れ断面積の4倍)/(流路断面の周長)になり通常、水力径(水力直径)と呼ばれている。複雑な 非円形断面が円形断面で扱えるので、流れ計算がシンプルになり便利である。

なお流路断面の周長Cは濡れ長さ(濡れ縁長さ)とも云われている。また(A/C)は流体平均深さと呼ばれ

通常mで表示される(この場合Dh=4mになる)。これは上図(b)のイメージで理解すればよいと思う。

(2) 水力径Dhを用いれば、非円形断面をもった流路の圧力損失は円形断面流れと同様に計算できる。即ち (ⅰ) 流れ断面積Aを計算し、平均流速V(=流量/A)を求める。

(ⅱ) 次に水力径Dhを計算し、レイノルズ数Re(=DhV/動粘度)を求める。

(ⅲ) このReを用い、Moody線図より摩擦係数λを読取る。

(ⅳ) ⊿P=(1/2)λ(L/Dh)ρV2 から圧損⊿Pを計算する。

これは層流にも乱流にも適用できる。なお水力径自身は、圧損計算以外の流れ計算(例えば壁面の粗さ 計算や臨界流の予測)にも使用できるが、本来、圧損計算の利便から派生した仮想的なパラメータなので 過度な運用は控えた方がいい。Table 6.2に各種断面の流れ断面積および水力径の算定式を示す。もし

Table 6.2に該当がなければ、(d)式から直接、計算すればよい。

2.Jonesの等価径を用いた計算法(1)

(1) 上記の水力径を用いた圧損計算は、比較的ずんぐりした断面形状に適しており、その場合、実験値の

10%内に収まるといわれる。ただ形状が間延びしてくると誤差が大きくなるので、Jonesは次の等価径

Deをもって水力径Dhに替えることを提案している(3) (ただし乱流域に限るので注意)。

De=(64/k)Dh ---(e) ここで、Dh=前述の(d)式から得られる水力径(m)、k=層流摩擦係数(-)

摩擦係数kについては、Table 6.2にデータが与えられている(1)

Jonesの等価径は、非円形断面に層流における摩擦係数λとレイノルズ数Reの一般関係を適用して

λ=(当該流路形状に依存する定数)/(レイノルズ数)=k/Re

とするとともに、これと等価な円形断面のλを64/Re*とおいて得られたものと思われる。即ち λ=k/Re=64/Re* ➞ Re/Re*=(VDh/ν)/(VDe/ν)=k/64 ➞ De/Dh=64/k ➞ De=(64/k)Dh

(3)

層流領域については、Table 6.2でk値が与えられているので、水力径を用いて摩擦圧力損失が 計算すればよい。乱流域については、摩擦係数計算が複雑になるので、簡易的には、層流と乱流の 間に一定に近い関係があると仮定し、水力径を層流摩擦係数比でスライドすることで、より近似性が 強まると考えているようだ。

(2) 狭い環状ダクトやアスペクト比の高い矩形ダクトでは、Jonesの等価径は、水力径よりも圧損の 予測や臨界流域の予測で優れていると云われる。しかし、強い2次流れが存在する三角形管とか、

広い層流域を確保するために狭隘なコ-ナ-を付けたダクトでは、等価径によるより精度の高い流れ 予測は期待できない。そのような特異な流れにはコンピュータによる流れ解析(CFD)やJSME技術 資料に含まれる理論解析の成果が適していると思われる。

3. 比較計算

ここで、流体は40℃空気、いずれも流量1.62m3/sとする (➞ν=0.175x1042/s、ρ=1.091㎏/m3)

(1) 断面形状:正三角形 a=0.5m、θ=60°、L=10m (Table6.2フレーム10)

平均流れ断面積A=(a2/2)sinθ=(0.52/2)sin60=0.108m2 ➞平均流速V=Q/A=1.62/0.108=15m/s まず水力径による場合、

Dh=a・sinθ/{1+sin(θ/2)}=0.5xsin60/(1+sin30)=0.289m

Re=VDh/ν=15x0.289/(0.175x104)=2.48x105 ➞ Moody線図よりλ=0.015 ⊿P=0.5λ(L/Dh)ρV2=0.5x0.015x(10/0.289)x1.091x152=63.7Pa

次に等価径による場合、

De=(64/k)Dh=(64/53.33)x0.289=0.347m 但しk=fRe=53.33 (表より) Re=VDh/ν=15x0.347/(0.175x104)=2.97x105 ➞ Moody線図よりλ=0.0145 ⊿P=0.5λ(L/De)ρV2=0.5x0.0145x(10/0.347)x1.091x152=51.3Pa ➞約20%減

(2) 断面形状:矩形 a=1.0、b=0.2、L=10m (Table6.2フレーム11)

平均流れ断面積A=ab=1x0.2=0.2m2 ➞平均流速V=Q/A=1.62/0.2=8.1m/s まず水力径による場合、

Dh=2ab/(a+b)=2x1x0.2/(1+0.2)=0.333m

Re=VDh/ν=8.1x0.333/(0.175x104)=1.54x105 ➞ Moody線図よりλ=0.0165 ⊿P=0.5λ(L/Dh)ρV2=0.5x0.0165x(10/0.333)x1.091x8.12=17.7Pa

次に等価径による場合、

De=(64/k)Dh=(64/76.28)x0.333=0.279m 但しk=fRe=76.28 (表より) Re=VDh/ν=8.1x0.279/(0.175x104)=1.29x105 ➞ Moody線図よりλ=0.017 ⊿P=0.5λ(L/De)ρV2=0.5x0.017x(10/0.279)x1.091x8.12=21.8Pa ➞約23%増

(4)

(注) 層流入口抵抗係数Kは流路入口圧損を計算する時に使用するもので本TSとは関係なし。

下記に引用文献(Ref.)を示す(以下同)。

<後に続く>

(5)

<後に続く>

(6)

<後に続く>

(7)

<後に続く>

(8)

<後に続く>

(9)

引用文献)

(1) R. D. Blevins「Applied Fluid Dynamics Handbook」 (Von Nostrand Reinhold Co.) 6.3.2 Friction factor for Laminar flow

6.3.4 Friction factor for turbulent flow Noncircular ducts

(2) JSME技術資料「管路ダクトの流体抵抗」 3.2 円形以外の断面を有する直管

(3) ”An Improvement in the Calculation of Turbulent Friction in Rectangular ducts” Jones, O. C.

J. Fluid Eng. 98, 173-180(1976)

(10)

[Table 6.2で引用された文献(Ref.)のリスト]

(11)

参照

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