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遠藤オリ パラ大臣 それでは 議事を進めます 初めに 舛添東京都知事から10 分程度で御説明をお願いいたします 舛添都知事 きょうはお招きいただきまして ありがとうございました 皆様方のお手元に資料 2という東京都と書いた資料がございます 2 枚紙です レジュメが1 枚目で 2 枚目に地図がついてご

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新国立競技場整備計画再検討のための関係閣僚会議(第2回)

議事録

日時:平成27年8月10日(月) 17:30-18:30 場所:官邸4階大会議室 出席者:遠藤東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会担当大臣、菅内閣 官房長官、岸田外務大臣、麻生財務大臣、下村文部科学大臣、太田国土交通大臣、加藤内 閣官房副長官、世耕内閣官房副長官、杉田内閣官房副長官、和泉内閣総理大臣補佐官、古 谷内閣官房副長官補、舛添東京都知事、朝原宣治氏、北澤豪氏、清宮克幸氏、根木慎志氏、 ヨーコ ゼッターランド氏 【遠藤オリ・パラ大臣】 ただいまから第2回「新国立競技場整備計画再検討のための関係閣僚会議」を開催いた します。 オリンピック・パラリンピックの主役は、国民やアスリートの皆様です。新しい計画の 策定に当たっては、国民やアスリートの皆様の声に耳を傾けていくことが極めて重要であ ります。このため、本日は、開催地の首長である舛添東京都知事にお越しいただくととも に、各界の代表的アスリートの方々から、朝原宣治様、北澤豪様、清宮克幸様、根木慎志 様、ヨーコ ゼッターランド様の5人にお集まりいただき、新国立競技場について御意見 を賜りたいと思います。 また、広く国民の皆様の声を聞くため、インターネットによる「ヤフーニュース!意識 調査」を実施しており、本日の午前6時の時点におきまして、既に約19万件の回答をいた だいており、引き続き首相官邸ホームページでの御意見募集とあわせ、取り組みを進めて まいります。 関連の資料、お手元の資料1を配付しておりますが、7月下旬から私自身がアスリート、 有識者とお会いして御意見を伺っており、その中で、スタジアムの早期完成、選手、観客、 障害者へのアクセシビリティー確保を初め、機能や設備に対する要望など貴重な御提案を 数多くいただいております。オリンピック・パラリンピック東京大会がみんなから祝福さ れ、世界の人々からも賞賛される大会となるよう、内閣全体として責任を持って新しい計 画の策定を行い、2020年春までの確実な完成に向けて進めていきたいと思います。 関係閣僚会議の皆様の御協力をよろしくお願いいたします。 それでは、プレスの方はここで御退室をお願いいたします。 (プレス退室)

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2 【遠藤オリ・パラ大臣】 それでは、議事を進めます。 初めに、舛添東京都知事から10分程度で御説明をお願いいたします。 【舛添都知事】 きょうはお招きいただきまして、ありがとうございました。皆様方のお手元に資料2と いう東京都と書いた資料がございます。2枚紙です。レジュメが1枚目で、2枚目に地図 がついてございます。それをご覧いただきながら、お話を進めたいと思います。 まず初めに申し上げたいことは、新国立競技場は、2020年の東京オリンピック・パラリ ンピック大会に当たりまして、開会式・閉会式、それからサッカー、陸上競技のメインス タジアムとなる極めて重要な施設でございます。したがいまして、大会の成功に向けて、 きちんと期限内に完成させる必要があると思います。 それから、東京都は大会開催都市として、新国立競技場が大会の開催はもとより、準備 にも支障なく整備できるように、また、大会の後も将来にわたって末永く都民、国民に愛 され、親しまれるレガシーとなるように全面的に協力してまいります。 次に、新国立競技場の整備について、①、②、③、④と丸で囲んでいますが、4点申し 上げたいと思います。 最初は、何といってもアスリートや観客の視点に立っていただきたいということで、ま ずはアスリートファーストということであります。選手が競技に集中できる環境を整える 必要がございまして、そのためにも、オリンピアン、パラリンピアンなどのアスリートの 意見をよく聞き、その声を反映させていただきたいと思います。また、観客の皆さんが心 地よく観戦を楽しめるようにすることも重要であります。例えば、座席や歩行者導線など のバリアフリー化を図るなど、アクセシビリティーの確保にも努めていただきたいと思い ます。 ②ですが、「大会開催とレガシーを踏まえる」と書いていることであります。大会はも ちろんですけれども、その後のレガシーも踏まえて準備することが重要でございます。オ リンピック・パラリンピックの整備基準に適合するということは、これはまず第一に必要 であります。それから、20年後、30年後も、アスリートだけでなく、都民、国民からも愛 され、親しまれるスポーツの拠点としていただきたいと思います。その際、過剰な機能を つける必要はございませんけれども、逆に、安かろう、悪かろうということであってもな らないと思っております。また、大会開会までの時間的余裕がございませんために、大会 の開催に必要な機能は、竣工時に確保していただきたいと思います。例えば、開会式・閉 会式の演出機器とか照明器具、これはかなり重いものが入りますので耐荷重が十分か、そ れからテレビカメラ用の配管、こういうことも相当気配りをしていただかないといけない と思います。 ③に「2020年1月までの完成を目指す」ということですが、これはいろいろ非公式にIOC

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3 の方々とも議論をしますと、2020年春に竣工と聞いているけれども、ちょっと間に合わな いのではないかという危惧の念を漏らされておりました。どうしてもプレイベント、リハ ーサル、これには約半年がかかるということで、できれば少し前倒しをしてほしいなとい うことでありますので、プレイベント、特にリハーサルがきちんとできないと大会そのも のがうまくいきません。この点は、調整委員会の委員長のコーツさんが近いうちにお見え になって日本側と調整なさるということでございますので、ぜひその点もよろしくお願い いたします。なお、この整備に当たりましては、さきのクアラルンプールの総会でもIOC が進捗状況に関与していくという意向を示しておりますので、組織委員会とも十分連携し て調整を進めていただきたいと思います。 ④でございます。「神宮外苑地区のまちづくりとの調和を図る」という項目であります けれども、新国立競技場は神宮外苑地区にございますが、この地区では、再整備に向けて 関係6者と具体的な協議が4月にスタートいたしました。したがって、この神宮外苑地区 のまちづくりと調和した整備計画とする必要がございます。具体的には、覚書や地区計画 を踏まえて、緑豊かな歴史と風格ある都市景観との調和を図っていただきたいと思います。 また、災害発生時に避難者や帰宅困難者を受け入れるなど、地域の防災拠点としての活用 も図っていただきたいと思います。新国立競技場の整備を契機に、神宮外苑地区をにぎわ いと風格を兼ね備えた魅力あるスポーツの一大拠点へと生まれ変わらせて、次の世代に継 承していきたいと思っております。 最後に3番目、今後の具体的な進め方でありますが、一言申し上げたいと思います。ま ず最初に、事業の進行に遅れが生じないように、工程管理を的確に行っていただきたいと 思います。 それから、何といっても情報公開ということが非常に必要でございまして、検討結果を 節目節目で公開して、都民、国民に丁寧に説明して納得を得る。このプロセスを欠きます と、最終的なコンセンサスが得られないと思いますので、ぜひ情報公開というのを徹底し ていただきたいと思います。 以上、私のほうからの御説明を終わります。 【遠藤オリ・パラ大臣】 どうもありがとうございました。 今、都知事から説明がございましたが、閣僚の皆様方から御質問でも何でも結構ですか ら、ありましたら、どうぞお願いをいたします。 なければ、よろしいですか。 (「はい」と声あり) 【遠藤オリ・パラ大臣】

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4 どうもありがとうございました。 それでは次に、アスリートの方々との意見交換に移ります。恐縮でございますが、お一 人当たり4分程度で御発言をお願いいたします。一通り御発言をいただいた後に、閣僚の 皆様方からの御質問の機会を設けさせていただきます。 では、最初に、朝原宣治さんからよろしくお願いいたします。 【朝原氏】 本日はありがとうございます。元陸上選手の朝原と申します。 私は、陸上選手ということもありまして、やはりサブトラックというのはないと国際試 合等々が行われないということで、ぜひとも設営していただきたいなと思います。 設計的にルールがあったりはよくわからないのですけれども、2階建てにできたらして いただければ、サブトラックの分のスペースが縦になるということで、雨天、我々アスリ ートがウオーミングアップするときは雨の影響を受けないというのが一番いい条件なので、 地下なのかよくわからないのですけれども、メインスタジアムの下にサブトラックがある と雨天練習場にもなりますし、スペースもとらないということで、これは私が勝手に考え ている、ルールもわからないのですけれども、意見です。 もう一つは、ただ単にサブトラックをつくるというだけではなくて、やはり市民に開放 された有効的に利用されるサブトラックということで、そこでスポーツクラブをつくった り、オリンピック・パラリンピックのレガシーということなので、活躍した選手、アスリ ートがそこで社会的責任というか、活躍ができる場になると非常にうれしいなと。 サブトラックがもし屋根のあるところだとすると、お年寄りの方から子供まで、そうい う開放されたところで、ちょっと暗いかもしれないですけれども、天候関係なしにそこで 体を動かせるというスペースになるのではないかと考えます。 もう一つは、建て終わって、オリンピック・パラリンピックが終わってからの興行的な ことを考えると、陸上競技というのはなかなか運営的にも厳しいし、収益も少ないと思い ます。今回のは武道館みたいなものとは違って、屋根をつくるのも非常にコスト的に難し いという話ですので、収益的に回すというよりは、もっと緑を増やして公園のようなもの にして、いろいろな方に利用していただけるようなものにしたほうがいいのではないかと 思います。 緑を多くすると、今、最近では猛暑が続いていますけれども、そこ全体が森のような形 になっていると結構温度も下がって、子供たちとか高齢者たちもそこに来やすいのではな いかと思います。 今後の進め方のところにもありますように、やはり国民全体で信頼関係というのがない といけないなと思いますので、共通価値とは何かというのを明確にする必要があると思い ます。競技観もそうですし、景観もそうですし、市民との共通の考え方もそうなのですけ れども、そういう共通価値に対するしっかりとした投資というものを行っていく必要があ

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5 るのではないかと思います。 以上です。ありがとうございました。 【遠藤オリ・パラ大臣】 ありがとうございました。 次に、北澤豪さんにお願いいたします。 【北澤氏】 よろしくお願いします。 まず、そもそも東京オリンピック・パラリンピックを招致したのはということから考え まして、当初このオリンピック・パラリンピック招致に当たっては、目標の一つとしてス ポーツ文化の醸成が掲げられていたと考えています。その目的の一つがそこにありながら、 オリンピック・パラリンピックを通じてスポーツの持つ力ということを、国民に夢や感動 を与え、日本が元気になるという大きな目標を、皆さんが開催に向けて御努力していると いうことの理解でいます。そういった観点で、我々サッカーのワールドカップも同じであ って、サッカー界としても、サッカー、スポーツを通じて人々の幸せやこの国の発展に貢 献できるという思いでワールドカップの招致を目指しているところでございます。 そういった理念を達成するためには、スタジアムは非常に重要なものになると考えてい ます。そのスペックや持つべき機能については、競技者や設計者だけでなく、さまざまな 視点からそのあり方を考えていくべきだと考えています。 私が、これを踏まえてアスリートの側面で言いますと、やはり皆さんと同じように、芝 生が管理されているフィールドでベストなパフォーマンスが出せる環境、これはどの競技 も同じことだと思います。そしてまた、観客が見やすく快適であり、一体感のあるスタジ アム。そして、旧国立のこれまで積み重ねてきたことを継承することを大前提とした上で、 競技者、観客、そういった視点から、それぞれ新国立に求めていきたいものを少し具体的 に挙げていきたいと思います。 まず1つは、8万人収容人数のスタジアムであること。これは、先ほどお話しさせても らったとおり、ワールドカップ招致には絶対に必要になってくるものだと考えます。 2つ目は、トラックを覆う可動席ということです。競技場が陸上競技場となる場合は、 観客がスポーツの躍動感だったりとか、迫力だったりとか、すばらしさだったりとか、や はり臨場感というのは欠かせないと思うので、このトラックを覆う可動席ということは求 められていくと考えています。 3つ目は、全ての観客席を覆う屋根の設置です。これは観客が雨や風、そして直接日光 を浴びてしまうのを避けたりとか、快適に観戦できる環境があってからこそ、また行きた いという思いにもなれると思うので、そういった意味も込めまして、この安心安全化とい うことも必要なのではないかと考えています。

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6 一方、今、ジャーナリストである側面から海外のスポーツに触れる機会も多いのですけ れども、そこで感じるのは、世界基準のスタジアムがあるということですね。そこにはや はり地域の人々が集い、愛される場所として必要な要素が幾つかあるということを感じて います。それは社交ラウンジだったりとか、ホスピタリティーのスペースだったりとか、 ラウンジだったりとか、一般の人たち、競技者、地域の人たち、ビジネスにおいての社交 の場、地域コミュニティーとしてのスタジアム化、人が集う場所という形は世界基準だな と見ています。 もう一つは、商業施設の併設です。収益を生み出す場としてのスタジアムの活用、これ らによってスタジアムが365日活用されるように整備されることが望ましいと考えていま す。 最後に、現在、新国立をめぐる議論においては、さきにお話ししたとおり、当初の皆さ んの思いや理念よりも、お金や予算が先行して、あるべき姿が議論されていない感じを受 けています。やはりスポーツ文化の醸成にあって、スタジアムというのは重要な手段であ るので、とりあえずつくればいいというような雰囲気のまま、建設自体が目的化してしま ってはいけないと思っています。今あるべき姿を真剣に考える時期でもありますし、当然、 国民の税金を使って建設されるものなので、我々としても無駄なお金が使われることを望 んでいません。50年後もオリンピックのすばらしいレガシーとして誇れるスタジアムにす るために何が必要か、そしてまた、日本のシンボルとなるようなスタジアムをつくってい ければと思っています。 お手元に配らせてもらったスタジアムの未来ということに、その世界基準となるような 世界のスタジアムを見た中で8つの必要な要素を項目として書かれている部分があると思 うので、そこを見ていただければと思っています。そして今、一つの例ではないですけれ ども、イギリス・ロンドンにあるウェンブリー・スタジアムがこういう形でつくられてい ったという一つの事例も見ていただけると、シンボルとするためのふさわしさというもの を感じとっていただけるのではないかと思っています。 以上です。 【遠藤オリ・パラ大臣】 どうもありがとうございました。 次に、清宮克幸さん、よろしくお願いいたします。 【清宮氏】 こんにちは。ラグビーの清宮です。幸太郎君の父親ではなく、きょうはラグビーで参り たいと思います。 とは言いながら、2日前も甲子園に行ってまいりました。2日後も甲子園に行ってまい ります。すばらしいスタジアムですね。大正13年ですか。先人が当時全く必要ない場所に、

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7 日本人が皆反対する中、アメリカのニューヨークにあるようなスタジアムをつくろうとい う先見の明を持った人が甲子園球場をつくりました。とてもとてもすばらしいスタジアム です。当時は身の丈に合っていなかったかもしれませんが、ああいうスタジアムがあった から日本に野球文化が生まれました。熱狂的な阪神ファンが生まれて、私も阪神ファンで すけれども、甲子園の文化が生まれて、そして今のスポーツがあります。こういう志を持 った人がつくったものが将来の日本のスポーツを支えるということを絶対に忘れてはいけ ないと思います。 では、この新国立が、同じような志を持って将来、30年、50年、100年後に日本のスポー ツ文化を支えるものになるのかというところの議論がちょっと欠けているような気がしま す。お金がどうだとか、平等にみんなにスタジアムを使えるようにしましょうとか、そう いうことではないと思うのです。このスタジアムがあったから日本にこういうスポーツが できたというようなものをぜひつくりたいと思っていまして、私の意見は、世界では常識 と言われていたことなのですけれども、陸上のスタジアムと球技のスタジアムはそもそも 理念が違うのだ、必要なものが違うのだというところです。スタンドの角度も違えば、グ ラウンドまでの距離も違います。 私は、2週間ほど前に町田市の陸上競技場でラグビーの試合を見に行きました。ナイタ ーです。南アフリカのプロチームが来て、キヤノンの御手洗さんのチームとやったのです。 私は一番上から見ていました。背番号が見えないのですよ。私の視力は2.0です。背番号が 見えない中で単純にスポーツの、ラグビーのおもしろさを感じようと思っても無理なので す。そもそもやはりスタジアムがそのスポーツに合ったものであるか、これが大前提で、 私は、今からでも遅くないです。この新国立は球技専用のスタジアムとしてつくるべきだ と思っています。陸上競技はいろいろこれから工夫を考えるべきですけれども、30年、50 年と考えたときに、陸上競技の仕様でいいサッカースタジアム、いいラグビースタジアム は絶対にできません。それが将来に財産として残すものになるのではないかと思っていま す。 ちなみに、オーストラリア・シドニーやロンドンオリンピックのスタジアムは、設計段 階から陸上トラックは変更するということを前提にして建てられています。これが世界の 常識です。ヨーロッパでは、北澤さんが詳しいでしょうけれども、イタリアなどが遅れて いるのですね。ローマオリンピックとかああいうところの影響か、陸上のトラックを排除 せずにそのままサッカーをしているので、一体感がなくなるのですね。それに比べて、ド イツやイングランドといったところは観客と選手たちの距離が非常に近いので、サッカー のゴールの裏に人の顔があるのですよ。ラグビーのトライをしたシーンの後ろにファンが いるのです。日本のスタジアムは、ゴールやトライの後ろにあるのは壁です。そもそもそ こが、私は世界に誇れるスポーツ施設としては胸を張って表に出られないと思っています。 問題はいろいろあるでしょうけれども、ここまで先発ピッチャーが、ちょっと予想どお りにいかなかったわけですから、思い切った方向転換で、球技専用でアジア一の聖地をつ

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8 くる、そういうふうに考えたらいかがかと思います。いろいろなものが、その決断をする ことで解決すると思います。 ちなみに、ラグビーのワールドカップ、もちろん新国立を使わせていただく予定だった のが使えなくなりましたけれども、これも非常に恥ずかしいことが起こりますね。例えば、 今、うわさに出ているような味の素スタジアムでラグビーのワールドカップの決勝戦をや ろうものなら、そもそもラグビーをやるスタジアムではないところでラグビーの決勝をや り、インゴールに芝生がないようなスタジアムでラグビーのワールドカップをやったとし たら、これはもう本当に国の恥です。世界中から笑われる。私はそう思っています。 【遠藤オリ・パラ大臣】 どうもありがとうございました。 次に、根木慎志さん、お願いいたします。 【根木氏】 パラリンピアンの車椅子バスケットボールの根木慎志といいます。きょう、こういう場 所に呼んでいただき、本当にありがとうございます。パラリンピアンの視点からというこ とでお話をいろいろさせていただきます。 皆さん御存じのように、ロンドンオリンピック・パラリンピック、パラリンピックは大 成功した。過去にない観客が入り、そのことによってパラリンピックの競技を超え、また、 障害者の理解につながったということ、障害者にとっての社会が変わったとまで言われて います。 2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、既にパラリンピックの注目度と いうのがとてつもなく大きい波になっていっています。私自身も東京都の中で、先日、舛 添知事も来ていただいたのですけれども、小学校で車椅子バスケットボールの体験会が行 われたりとか、そういうものがあって、恐らくこの2020年のパラリンピックの注目度は、 本当にロンドンを超えるすばらしいものになってくると思います。 その中で競技をするパラリンピアン、世界中からさまざまな障害を持つ競技者が集まっ てきます。その中には車椅子の選手ももちろんいます、ブラインドの選手もいます、義足 の選手もおります。その人それぞれにその障害は違います。最高のパフォーマンスを出す ためには、本当にさまざまな配慮、バリアフリーはもちろん、そこでの導線、アクセシビ リティーのものも本当にいろいろな配慮が要るのです。そのものがあった上で、トップア スリートのパラリンピアンが最高のパフォーマンスをそこで出すことができます。そのパ フォーマンスを出すことによって、それを見ている観客、皆さんがスポーツの力を知るこ とになります。また、パラリンピックの魅力に欲されます。そのためにも、より全ての障 害の人たちが最高のパフォーマンス、パラリンピアンが最高のパフォーマンスを出せるよ うな競技場のもの、どういう形であろうと、その配慮というものに最高の最大の配慮をみ

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9 んなで検討していただけたらなと思います。 また、大会に向けて多くの観客がその会場に来られますね。その中には、ロンドンもそ うだったのですけれども、本当に多くの方が来られる、全ての方が来られるということは、 小さい子供さんから、もちろん障害者、さまざまな障害を持つ方々、また高齢者の方が来 られます。家族連れの方も来られます。その方々がその会場、新国立競技場に安心して安 全に、本当に心から楽しんでもらえる競技場、そういうものをつくるための、当然そのた めにはいろいろな配慮が必要だと思います。そういう最高のアクセシビリティー、最高の バリアフリーをつくることが、本当にみんなに愛される国立競技場になるのではないかと 考えます。 その愛される国立競技場、それは結果、次世代の子供たちであったりとか、将来のオリ ンピアン、パラリンピアンの本当のあこがれの地になる競技場になると思いますので、そ ういうものを細かく検討していただけたらと思います。 すごく抽象的な話になるのですけれども、以上です。 【遠藤オリ・パラ大臣】 どうもありがとうございました。 では、最後にヨーコ ゼッターランドさん、お願いいたします。 【ゼッターランド氏】 ゼッターランドと申します。 バレーボールが専門です。日本代表の皆さんがいらっしゃる中で一人だけアメリカ代表 になります。ここまで皆さんのお話、御意見を伺い、外から見て「日本にはこうあってほ しい」という、若干勝手ではありますけれども、少し希望を述べさせていただきたいと思 います。 アメリカ代表のチームでトレーニングをしておりましたときに、関連施設を使用してい てとても良いと思ったのは、「ここに来ればオリンピックを感じることができる。スポー ツを通じて世界を感じることができる、歴史を知ることができる。そこで国の文化、また 歴史を感じることができる。」その拠点となるのがナショナルスタジアムであり、トレー ニングセンターにも訪れる人たちに「夢」を見させる雰囲気がありました。 ご覧になる皆さんにとってオリンピック・パラリンピックは4年に1度ですけれども、 アスリートにとっては、4年に1度最高のパフォーマンスをする日のために、そこに向け て365日掛ける4年という日々を鍛練します。オリンピックが「日常」なのですね。オリン ピック・パラリンピック、そしてスポーツが国民の皆さんの御理解を得て、本当に身近だ と感じていただくには、スポーツが日常の中にいつもあることを実感できる、そんなスタ ジアムであってほしいと思っております。スタジアムに行けばスポーツの観戦ができる、 世界的な開会式を見ることができるだけではなく、「スポーツを学べる」スポーツ図書館

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10 や博物館にもアクセスがあると良いと思います。日本にはスポーツ関連の素晴らしい蔵書 が多数あると聞いております。イベントを開催していない日でも、スポーツを通じて何か を感じることができる。過去の歴史を学び、先人の積みあげてきたものを大切に受け継ぐ ことが現在、未来につながり、そしてスポーツ文化の醸成につながっていくのではないか と考えます。 アスリートのパフォーマンスを見て、「メダルを幾つとれた、感動した、よかった」と いうことだけではなく、「それで何が残せるか」が重要です。 また、スポーツは「社交の場」になり得ますのでホスピタリティーを大事にしていただ きたいと思います。スポーツは様々な壁を取り払う、世界共通の言語だと思います。世界 の中でもトップクラスのおもてなしの心を持ち合わせている国が日本です。その特徴を発 揮できる、わくわく感を得られるような社交の場でもあってほしいと感じております。 そして最後になりますが、東日本大震災後にオリンピック・パラリンピックを開催する に当たり、様々なご意見をいただきました。「スポーツ界に何ができるのか」とアスリー トとして復興のお手伝いの一環で、随分東北に足を運ばせていただきました。そのときに 感じましたのが、体育館やスタジアムなど非常に広いエリアが防災の拠点にならなくては いけないのではないかということでした。二度とあのような自然災害が起こってほしくは ありませんが、こればかりはわかりません。今後、スタジアムなどがハード面で皆さんの お役に立てるのであれば、「防災の拠点」としても設備も備えていただきたいですね。 以上です。ありがとうございます。 【遠藤オリ・パラ大臣】 どうもありがとうございました。 今、アスリートの皆さん方からいろいろな御意見がございました。閣僚の皆さん方から 御意見あるいは御質問等がありましたら、お願いいたします。 【太田国土交通大臣】 清宮さんのおっしゃったことと、陸上競技をすることを両立するということは、なかな かあそこの場では難しいということになることと、工期ということからいくと、まずオリ ンピックをシンプルにでも会場をつくり上げることが大事だということからいきますと、 これはラグビーとかサッカーというか、まずは陸上ということに絞る以外にないと思うの ですが、どうなのでしょうか。 【清宮氏】 陸上のトラックに何万人かの収容のスタジアム、仮設スタンドでもいいと思うのですけ れども、それをお台場だったりとか、そういったところに建てて、新国立のところにはフ ットボールスタジアムを建ててしまうということです。フットボールスタジアムでもオリ

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11 ンピックの開会式も閉会式もできますので、陸上の競技は陸上の専用会場でやる。そのよ うに分けて考えれば、工期的に4年ありますから、絶対にできる可能性は高いと思います。 オリンピックをやる開会式・閉会式のイメージは、トラックが常にあるというイメージ がありますね。でも、なくても冬季オリンピックなどはできてしまうわけですから、私は、 そこを突破できれば陸上の競技場とフットボールスタジアムとの分離ができると思います。 先ほど言ったシドニーとロンドンは、最初からそういう設計でつくって、オリンピックが 終わった後にトラックを外して観客席をつくっています。でも、いいものではないです。 このアクセシビリティーが確保できていないのです。いいスタジアムにはなっていないの です。 【麻生財務大臣】 ウェンブリーの話。 【清宮氏】 ロンドンのウエストハムのほうです。 【朝原氏】 陸上側からすると、それは、ああそうですかと言うわけにはいかないのですけれども、 ただ、それは何のためにおっしゃっているかということなのですね。収益とかを考えると、 サッカー、野球ですね。それで、その後、スタジアムと。アメリカによく例があって、オ リンピックの後にベースボールスタジアムができて、その後に運営上もずっと回していく ことを考えると、ラグビーというより、むしろサッカーか野球ということになります。だ から、清宮さんがおっしゃられているのは、競技場として、要は選手のプレーを生でちゃ んと見るということでの。 【清宮氏】 私が言っているのはサッカーですよ。 【朝原氏】 サッカーのスタジアムでということですか。 【清宮氏】 サッカースタジアムで、年に30試合サッカーをやって、ラグビーの試合は年に二、三試 合というイメージです。 【麻生財務大臣】

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12 あれはメーターが違う。110メーターと140メーター。 【北澤氏】 いや、ほとんど同じです。 【清宮氏】 同じです。 【麻生財務大臣】 あのゴールの後の長さが違うだろう。そこが違うだけだな。 【北澤氏】 それは多分確保できると思います。 【清宮氏】 多分フットボールスタジアムだと改修できます。 【遠藤オリ・パラ大臣】 最初からそのようにつくっていればできるということですね。 【北澤氏】 そうですね。 【清宮氏】 400メータートラックの中にラグビーのピッチは入らないです。 【麻生財務大臣】 サッカーは入る。ラグビーは入らない。 【清宮氏】 今、日本はそこに人工芝を敷いているのですけれども、そんな人工芝を敷いた状態でワ ールドカップをやるなんてことがもしあったら、ないと思いますけれども、あり得ない話 です。恥です。 【北澤氏】 複合的にやるならば、可動式のスタンドを出していきながら、観客にも喜んでいただけ

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13 るような席を設けてほしいです。このウェンブリーも1階席はすごく低い状態でできてい るのですが、その上の形状というのは、ちょっと見やすいようなものになります。フラン スのスタッド・ド・フランスというところは10万人入るのですけれども、可動式のスタン ドでやっています。 【清宮氏】 ヨーロッパのスタジアムは、ほぼ可動式を併用していますね。可動といっても、そんな 一回で使えなくなるようなものではなくて、10年、20年使えるものなのです。 【遠藤オリ・パラ大臣】 可動式でなくても、最初からトラックの上には椅子を置くのだということを前提にして、 固定の席をつくっておいて、そして、開会式とか陸上のときは取っておく。だから、設計 段階では一体として考えておくというような形で、普通は陸上があって、臨場感をつくる ために球技のときはせり出すのだけれども、逆にベースは先ほど清宮さんが言ったように 球技場ですよと。しかし、陸上、オリンピックの開会式とかは、やはり開会式の一番の華 の陸上をそこでやろうとした場合に、最初から取ることを前提にして椅子はちゃんとつく っておく。最初は球技を前提にして、そしてトラックを置いておく。逆の発想で、そうす ると陸上もここでやれる。そういう考え方もあり得ますね。 サブトラックもなかなか難しいですね。あの場所、あれは神宮の土地なので、そこは都 知事が大変努力をされていらっしゃるのですが、知事、何かないですか。 【清宮氏】 あとはスタンドの角度ですね。やはり陸上のスタジアムと専用球技場で、ここは臨場感 が全然違ってくる。 【舛添都知事】 陸上のトラックの中で全部はまりますか。 【清宮氏】 ラグビーは無理です。 【舛添都知事】 そうすると何とかしないといけないですね、先ほど言った人工芝みたいに。 サッカーは大丈夫なのだっけ。 【北澤氏】

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14 大丈夫ですけれども、距離が離れてしまうという観客席からの満足度は足りないという ことで。 【舛添都知事】 それは先ほどの御意見ですね。 【北澤氏】 可動式の席を設けていただければよろしいかと思います。 【舛添都知事】 でも、ラグビーはそれでも無理ですね。 【麻生財務大臣】 ゴールの後ろの問題なのですよ。 【清宮氏】 ラグビーは、一瞬だけピッチを切って、切ったところに天然芝を植えてということを静 岡ではやろうとしているのです。ただ、その間は陸上は使えない。 【舛添都知事】 だけれども、ラグビーと陸上の両立というのは、何か知恵はもっと出ないのかね。 【清宮氏】 これはほかの会場がほとんどそうなのですが、両立はやらないということです。 【麻生財務大臣】 できますよ。最初からそうやって決めつけないところが大事なのです。 【遠藤オリ・パラ大臣】 何か御意見ありませんか。 【ゼッターランド氏】 実際に競技場といいますか、スタジアムを競技として使われるのは陸上、サッカー、ラ グビーの皆さんで、バレーボールとかはインドアになるのですけれども、やはりそうしま すと、逆に観戦をする立場で何度か行ったときに、その芝の状態であったりとかは実際に プレーをしているアスリートの方たちが一番感じると思うのです。あるいは観客との距離

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15 とかですね。見ているほうとしてみれば、常にアスリートにすごく近いということは、観 戦するほうとしてはすごく大事ですし、臨場感もありますし、そういったスタジアムであ れば、観客としてはすごく見やすいということが計算されているかどうかというのはある と思います。 あとは、よく女子のことが話題に上がりますので、先ほど少し出ていたのですけれども、 例えば、どれだけ女性の観戦者がどの競技も見込めるかどうかというのは一つの課題とし て、多分サッカーとかもいろいろ、スタジアムを新しくされるときですとか、あるいは改 修されるときの課題として、女性と子供に優しい、特にできれば将来スポーツを、その競 技をやってほしい子供たちに優しいスタジアムであったり、お手洗いをどれぐらい確保で きるかというのは非常に大きな課題でして、そのところでスタジアムそのものが見る側の 人たちにとってどれだけ使いやすいかというのは非常に大きな課題かなと。 あとは、ピッチのほうは専門の皆さんにお任せいたします。 【清宮氏】 今回はこうなったのですけれども、けがの功名というか、逆にピンチをチャンスにする いい機会なのかなと思っています。そういう国が、サッカーのワールドカップで手を挙げ ていくということ自体がどうなのだということにもなってくると思います。 【北澤氏】 8万人ないと手を挙げられる状況になくなってしまいますからね。 【遠藤オリ・パラ大臣】 麻生副総理、何かございますか。 【麻生財務大臣】 今のは、もう一回、頭の整理を皆さん方としておかないといけないところで、もともと これは民主党内閣のときに壊すと決めるのですよ。国立競技場を建てますというのは菅内 閣のときに決まった。その後、野田内閣のときにデザインを決めるわけです。今のこうい うデザインを決めたわけです。 もともとどうして1,300億円が出てきたかといえば、4年前に負けたときのオリンピック のときに1,000億で見積もっていたから、大体3割増しぐらいだろうと1,300億円にしただ けのことなので、積み上げなんかしていないはず。間違いないよ。それで出てきたデザイ ンは、いきなり国道の上、中央線の上にまたがっているものができてきたから、これを最 初に見せられたから、私どもとしては、当時お金を出すという立場になって、何せなって 3日目にいきなり出てきたのがこれだから。それは間違いなく話がつながっていないので すよ。我々はぼすっと渡されて、これはどなたが決められたか知りませんけれども、国土

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16 交通省がオーケーしましたかと。高速道路の上に建物、陸上競技場ができるわけないでし ょう、何を考えているのですかと言ったら、決まっているのだと。これは文科省は知って いましたかと言ったら、文科省も知らないと。文科省も知らないし、国土交通省も知らな いものを財務省に持ってきて、はい、これで予算を下さいなんて、そんなことができるわ けないでしょうが、お引き取りくださいと、それから話が始まったのです。我々はえらい 目に遭ったのですけれども、それでここまで来たのです。 しかし、今、清宮さんが言ったように、これはもう御破算にしますといって決めて、2 年半全く無駄にしましたけれども、とにかくフィールド、トラック、何とかといってどん どん話が広まっていってしまったものだから、コストもぼんぼん大きくなっていったので すよ。だから、問題は何をやるのだと言えば、我々はオリンピックをやるのだから、フィ ールドとトラックがあればいいじゃないか、あとは全部やめろと、この2つだけに絞りさ えすれば安くなるはずです。あとは観客席はきちんとできたものをつくればいいじゃない かと、的を絞ろうという話からやっていくと、随分違ったものになるのではありませんか。 天井がなくなれば、それだけ重さが違いますから、基礎も違いますから、安くなりますと いうのは、元セメント屋としてはわかりますよ。プリファブリケイトコンクリートでも使 えばもっと安くなるとか、いろいろなことがわかります。だから、そういったものをして いくと工期も短くなるし、十分にできるので、あとはもう一回きっちりしたものをでき上 がるようにしたときに、みんな言われたように、何となく夢のない話ばかりになってくる と、しょせん日本はこの程度かということになると、何のためにつくったか。あれだけ大 騒ぎしてオリンピックをやって、何だよということになると、昭和39年とは大分時代が違 うから、50年たってこの程度かというようなのはちょっと日本としてはぐあいが悪くあり ませんか、やはりしかるべきものができていないとぐあいが悪いだろうなというところが、 金を払う立場としてなかなか頭の悩ましいところです。 だから、そこのところは後のメンテナンスを考えると、先ほど言われたようなやり方を すると、後のメンテナンスをやる部分はなかなか絵が見えてこなかったのだけれども、こ れに特化することをやるといろいろなことが出てくるだろうなという感じはします。だか ら、そこのところはもうちょっと詰めなければいけないところかもしれない。 【遠藤オリ・パラ大臣】 どうもありがとうございました。よろしいですか。 意見はまだあるかもしれませんが、時間も来ましたので、それでは、以上でアスリート の皆様との意見交換を終わります。本日の閣僚会議の議事はここまでになります。 なお、会議の後、私がぶら下がり記者会見を行うとともに、会議の概要等について事務 方から記者会見を行う予定です。 本日は夕方の遅い時間でありましたが、どうもありがとうございました。よろしくどう ぞお願いいたします。

参照

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