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微粒子含有非灰色気体中での放射伝熱解析 学位論文内容の要旨

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Academic year: 2021

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博士(工学)マルクススマルソノ

′ 学 位 論 文 題 名

微粒子含有非灰色気体中での放射伝熱解析

学位論文内容の要旨

  従 来の固 体燃料 により作動される熱機関における放身寸伝熱解析は、実際の問題を解く場合 に 必要と なる非 灰色気体中での放只寸ほ熱あるいは非等方性散乱の影響などは考慮することが で きず、 さらに 微粒子 の散乱 を無視、 あるい は等方 性散乱 の仮定 を用い、また気体も灰色気 体 あるい は非放 射性気体と近似した条件を採用することが多かった。これらの理由としては、

微 粒子を 分散さ せた非 灰色気 体の放射 伝熱解 析を行 う場合 、詳細 な波数毎の解析手法が要求 されることとナよるので、その方程式Iま複雑な微積分方程式とナょり、位置・方向のみならず彼 数の関数ともなっていることがあげられる。

  そ こで本 研究で は、実 際の現 象によ り近い 条件での 解析が 司能と なるモンテカルロ法を用 い 、吸収 ご散乱 性微粒 子含有 非灰色気 体層で の放射伝熱解析手法をr f発し、このような系内 での放蜀ヰ伝熱特性を明らかにするとともに、jlij述の簡略化を採用する協合の妥当性にっいて も 検討す ること を目的 とした 。このた めに、 微粒子の非等方t生散乱および非灰色気体の存在 を 考慮し て、発,fAt:L微粒子含有非灰色気体層から周囲の壁面ヘ及ぼす放射伝熱特性を求める こ とと した。 解析に際 しては 、モン テカル ロ法を 適用し1次元系 ではあ るが、 各穏パラ メー ク の彫響 を定皿 的に示 すこと とした。 また、 放鮒伝 熱に主 として 関与している赤外線の波長 よ り十分 大きい 直径を有する微粒子群を対象とし、その表面は灰色・乱反射面であるとした。

こ のよう にして 、微粒 子によ る散乱位 相関数 が後方に強い非等方t生を有している拡散反射に よ る散乱 を取り 扱った 。また これらの 微粒子 群を気 体眉の 中に均 一に分散させる場合を取り 扱 った。 本研究 では非 灰色気 体の単色 吸収係 数を求めるために、Edwardsらにより提案された 指 数形広 域バン ドモデ ルとElsasserモデルを 採用し 、気体 の放射 ・吸収バンドを温度、全圧 力 、分圧 カおよ び透過距離の関数として与えている。本論文は、上オ己の目的のもとで一述の 研 究 を 行 い 、 そ の 結 采 を と り ま と め た も の で 、 全4章 よ り 柵 成 さ れ て い る 。

  第1章 はまえ がきで あり、 微粒子含有非灰色気体中での放射f云熱解折の応用面と従来の解 析に おいて 採用して いる近 似の取扱いにっいて述べ、その近似により生ずる問題点の検討を 行っ た。ま た、この ような 問題点を解決し解析結果を実際の現象に近付けるために、本研究 で提 案している非灰色気体および微粒子の非等方性散乱による解析方法のH斑要を紹介してい る。

  第2章では、 熱放射 に関す る壁面 および 気体放 射エネ ルギー の軆礎方 程式の概要を述ベ、

続いて非灰色実在気体の放射特性の検討を行っている。ここでは、非灰色気体のヰユ色吸収係 数あるいは全放9・、j率の値をEd'uardsらにより指数形広域バンドモデルとElsasscrモデルに従つ て求 める方 法の大 綱を説 明しており、またこの方法の妥当性を珊;かめるために、実在気f本

(‖10、00ユ)の1qせ率をllottelの放射率線図と比較し両者がほば一致することを示した。つ ぎに 、放荊 物性値 が分布 を有す る非灰 色気体に っいての取扱いを検討している。すなわち、

‑ 476

(2)

一次 元系の 非灰色 気体眉を考え、温度分布および分圧力分布形状を変化させて、気体層から 周囲 の壁面 に吸収 される各波数毎の熱流束のスベクトル分布をモンテカルロ法により求める こ と が で き た 。 ま た 、 こ の 場 合 に っ い て の 各 種 影 響 を 調 べ と り ま と め て い る 。   第3章 では、 まず微 粒子含有 気体中 での放 射伝熱 に関す る基礎 解析お よびモ ンテカルロ法 適用にっいての取扱い手J順の職略を述べている。放只寸伝熱解析に際しては、まず散乱のない 吸収・ 放射性 気体に おける 放射伝 熱解析 を行っ たが、 非灰色/灰色気体を対象とし、気体層 中にお ける温 度分布 と局所 吸収係 数の分 布にっ いて検 討した。さらに、lottelの放射率線図 あるい はPlanckの 平均吸 収係数 から求 めた局 所吸収係 数による壁面熱流束の値を比較し、灰 色近似 の場合 の限界 を示し た。ま た、モ ンテカ ルロ法 を適用することによって、非灰色気体 での各波数毎の放射エネルギ―流朿分布を求め得ることを示した。

  っぎに、微粒子含有気体で微キ立子との温度差がない場合とある場合にっいての放射{j;igAa7 析を行 いとり まとめ ている 。まず 、温度 差がな い場合 にっいて、気体の非灰色性/灰色性お よび微 粒子散 乱の非 等方性 /等方t生の違いが微粒子分散気体中の温度分布に与える各穏の影 響を調 べるこ ととし た。こ こでパ ラメ― 夕とし てはニ っの黒体壁面の間隔、内部発熱愚、微 粒子の表面lik;113、微粒子の肖径、および微粒子2!≠の個数濃度を採用した。一方、気体と徽 粒子と の問に温度差がある場合にっいては、 f本のみの発掣|の場合/微粒子甜のみの発熱の 場合に 区別し、その結果を上述の微粒子との問に儡度差がない場合の解析と同様にまとめた。

さらに 、ここ では微 粒子・ 気H闇の 温度差 に与え る形響 も検討 しており 、その 両者闇の伝熱 効采と して放日。と対流による彫響を含め微粒子個数濃度の述いにっいても調べている。また 各解析 結果を まとめ るに際 し、微 粒子含有気体からの各波数毎の壁面放9掣|流束のスベクト ル分布も検討している。

第4章は結諭であり、本研究,において求めた解析結果を総括して述べている。

‑ 477

(3)

学位論文審査の要旨

学 位 論 文 題 名

微粒子含有非灰色気体中での放射伝熱解析

   本研究は、実際の現象により近い条件での解析が可能となるモンテカルロ法を用 い、吸収・散乱性微粒子含有非灰色気体層での放射伝熱解析手法を開発し、このよ うな系内での放射伝熱特性を明らかにするとともに、前述の簡略化を採用する場合 の妥当性についても検討することを目的としている。このために、微粒子の非等方 性散乱および非灰色気体の存在を考慮して、発熱性微粒子含有非灰色気体層から周 囲の壁面ヘ及ばす放射伝熱特性を求めている。解析に際してはモンテカルロ法を適 用し、1 次元系ではあるが、各種パラメータの影響を定量的に示している。また、

放射伝熱に主として関与している赤外線の波長より十分大きい直径を有する微粒子 群を対象とし、その表面は灰色・乱反射面であるとしている。このようにして、微 粒子による散乱位相関数が後方に強い非等方性を有している拡散反射による散乱を 取り扱っている。またこれらの微粒子群を気体層の中に均一に分散させる場合を取 り扱った。本研究では非灰色気体の単色吸収係数を求めるために、Edxar ds らによ り〃 案された指数形広域パンドモデルと日sasser モデルを採用し、気体の放射・吸 収バンドを温度、全圧力、分圧カおよび透過距離の関数として与えている。本論文 は、上記の目的のもとで―連の研究を行い、その結果をとりまとめたもので、全4 章より構成されている。

   第1 章はまえがきであり、微粒子含有非灰色気体中での放射伝熱解析の応用面と 従来の解析において採用している近似の取扱いについて述べ、その近似により生ず る問題点の検討を行っている。また、このような問題点を解決し解析結果を実際の 現象に近付けるために、本研究で提案している非灰色気体および微粒子の非等方性 散乱による解析方法の概要を紹介している。

   第2 章では、熱放射に関する壁面および気体放射エネルギーの基礎方程式の概要 を述ぺ、統いて非灰色実在気体の放射特性の検討を行っている。ここでは、非灰色 気体の単色吸収係数あるいは全放射率の値を Edvar dsI らにより指数形広域バンドモ デルとH sasser モデルに従って求める方法の大綱を説明しており、またこの方法の 妥 当性 を確 かめ るた めに 、実 在気 体( 也 Q (D ) の放射率を mttel の放射率線図

博 登

郎 彦

   

   

   

   

尚 克

谷 宮

福 三

授 授

授 授

   

   

教 教

教 教

査 査

査 査

主 副

副 副

(4)

と比較し両者がほぼ一致することを示じている。っぎに、一次元系の非灰色気体層 を考え、温度分布および分圧力分布形状を変化させて、気体層から周囲の壁面に吸 収される各波数毎の熱流束のスペクトル分布をモンテカルロ法により求めることに より、層 内の温度 分布が壁面 熱流束の 大きな影 響を与え ることを示している。

   第 3 章では、まず微粒子含有気体中での放射伝熱に関する基礎解析およびモンテ カルロ法適用についての取扱い手順の概略を述べ,ぐいる。放射伝熱解析に際しては、

まず散乱のない吸収・放射性気体における放射伝熱解析を行い、非灰色/灰色気体 を対象とし、気体層中における温度分布と局所吸収係数の分布について検討してい る。さらに、 Fttel の放射率線図あるいはPl anck の平均吸収係数から求めた局所吸 収 係数によ る壁面熱流 束の値を 比較し、 灰色近似 の場合の 限界を示 している。

   っぎに、微粒子含有気体で微粒子との温度差がない場合とある場合にっいての放 射伝熱解析を行い、いずれの場合にも微粒子による放射熱伝達促進効果が期待でき る微粒子個数濃度の範囲では、非灰色/灰色解析の結果に差さあることを示してい る。また微粒子として非等方性散乱粒子を使用すると、気体・微粒子の温度が等方 性散乱粒子の場合に比べ高くなることを示し、非等方性散乱粒子を等方性散乱粒子 で模擬することは適当でないことを結諭づけている。

第 4 章は結論であり、本研究において求めた解析結果を総括して述べている。

   これを要するに著者は、吸収・散乱性微粒子含有非灰色気体層での放射伝熱解析

手法を開発するとともに、このような系内での放射伝熱特性を明らかにし、熱工学

上有 益 な 多く の 知 見を 得 てお り 、熱 工学の進 歩に寄与す るところ 大である 。

   よって著者は、北海道大学博士(工学)の学位を授与される資格あるものと認め

る。

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