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太平洋クロマグロの資源状況と 管理の方向性について

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(1)

太平洋クロマグロの資源状況と

管理の方向性について

(2)
(3)

 産卵場は、日本水域が中心(南西諸島から台湾東方沖、日本海南西部)

 小型魚の一部は、太平洋を横断して東部太平洋まで回遊(メキシコにより漁獲)

回遊

産卵場

産卵期: 日本南方~台湾東沖 4~7月 日本海 7~8月

1.太平洋クロマグロの分布・生態について

2

(4)

• 0歳: 19.1cm 0.2kg

• 1歳: 58.6cm 4.4kg

• 2歳: 91.4cm 16.1kg

• 3歳:118.6cm 34.5kg

(全体の20%が成熟)

• 4歳:141.1cm 58.4kg

(全体の50%が成熟)

• 5歳:159.7cm 85.2kg

(全体の100%が成熟) ※ 南西諸島での産卵時期は4~7月

 3歳で一部が成熟開始、5歳で全てが成熟。

 体長1m程度では未成熟魚。

2.太平洋クロマグロの成長について

3

体長(

cm

年齢

体重(

kg

資料:ISCクロマグロ資源評価レポート(2016年)

(5)

3-1.産卵親魚量と加入量の関係 (クロマグロ以外の例)①

4

出典:

Hilborn and Walters 1992

Quantitative Fisheries Stock Assessment Choice, Dynamics & Uncertainty

Fraser River(カナダ)のサケ

北海のニシン

出典:

Sparre and Venema 1998

Introduction to tropical fish stock assessment Part I: Manual

(FAO Fisheries Technical Paper 306/1 Rev.2)

加入 量(千尾) 加入量( 百 万 尾) 産卵親魚量(千トン) 産卵親魚量(千トン)

(6)

出典:

McClatchie, Goericke, Auad and Hill 2010

Re-assessment of the stock-recruit and temperature-recruit relationships for Pacific sardine (

Sardinops sagax

) (Can. J. Fish. Aquat. Sci. Vol. 67)

北米太平洋沿岸のマイワシ

色はスクリプスで測定

された水温(℃)を示す

3-2.産卵親魚量と加入量の関係 (クロマグロ以外の例)②

産卵親魚量(百万トン) 2歳魚の尾数= 加入量( 十億 尾)

(7)

0 30,000 60,000 90,000 120,000 150,000 180,000 1952 1962 1972 1982 1992 2002 2012

4.太平洋クロマグロの産卵親魚量と加入量の関係

産卵親魚量(SSB)の動向

0歳魚の加入状況

トン 千尾 年 年

6

0 10000 20000 30000 40000 1952 1962 1972 1982 1992 2002 2012

・産卵親魚量と加入量は

相関関係が見られない

産卵親魚量と加入量の関係

0 10,000 20,000 30,000 40,000 0 40,000 80,000 120,000 160,000 200,000 加入量( 千尾) 産卵親魚量(トン)

(8)

0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 30,000 35,000 40,000 45,000 1952 1957 1962 1967 1972 1977 1982 1987 1992 1997 2002 2007 2012 その他 定置網 曳き縄 はえ縄 まき網 0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 30,000 35,000 40,000 45,000 1952 1957 1962 1967 1972 1977 1982 1987 1992 1997 2002 2007 2012 メキシコ 米国 台湾 韓国 日本

5.太平洋クロマグロの国別・漁法別漁獲状況

資料:ISC16レポート(2016年※2015年は暫定値) 漁獲量(トン)

国別漁獲量

7

漁法別漁獲量

(9)

70.6%

24.1%

3.6% 0.8% 0.9% 0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 7000 1952 1957 1962 1967 1972 1977 1982 1987 1992 1997 2002 2007 2012 漁獲尾数 ( ) 4歳魚以上 3歳魚 2歳魚 1歳魚 0歳魚

太平洋クロマグロ年齢別漁獲尾数割合

(2005-2014年の平均)

6.太平洋クロマグロの年齢別漁獲状況

資料:ISCクロマグロ資源評価レポート(2016年)

漁獲尾数の大半は小型魚

大型魚(4歳以上) の漁獲はわずか 2歳魚:主としてメキシコのま き網(蓄養向け) 3歳魚:主としてメキシコのま き網(蓄養向け)、日本海ま き網(主に食用向け) 4歳魚以上:主としてはえ縄、 津軽海峡の漁業(手釣りなど) (食用向け) 0歳魚:主として曳き縄、西日本の まき網(食用、養殖向け) 1歳魚:主として西日本のまき網、 曳き縄、韓国のまき網(食用)

8

0歳魚

1歳魚

(10)

7.各漁業が親魚量に与えるインパクト

東部太平洋漁業 西部太平洋沿岸漁業 西部太平洋まき網漁業 (大型魚対象) 西部太平洋まき網漁業 (小型魚対象) 西部太平洋はえ縄漁業 14.4% 32.0% 5.3% 47.0% 1.3%

(11)

 2014年の親魚資源量は、約1.7万トンで、依然として歴史的最低水準付近であり、初

期資源量

(*)

の約2.6%。

 一方、1996年から続いていた減少傾向に歯止めがかかり、2010年以降は増加傾向。

180,000 160,000 140,000 120,000 100,000 80,000 60,000 40,000 20,000 0 (トン) 歴史的中間値(約41,000トン) 歴史的最低値(約11,000トン:1984年) 約17,000トン(2014年) 約12,000トン(2010年) 1952 1962 1972 1982 1992 2002 2014

8.太平洋クロマグロの親魚資源状況

資料:ISCクロマグロ資源評価レポート(2016年) (*)初期資源量:資源評価上の仮定を用いて、漁業が無い場合に資源が理論上どこまで増えるかを推定した数字

10

(12)

(1) 中西部太平洋:WCPFC

① 親魚資源量を

2024年までに、少なくとも60%の確率で歴史的中間

値まで回復

させることを暫定回復目標とする。

30kg未満

の小型魚の漁獲量を

2002-04年平均水準から半減

。(我

が国は4,007トン)

30kg以上

の大型魚の漁獲量を

2002-04年平均水準から増加させな

。(我が国は4,882トン)

(2) 東部太平洋:IATTC

① 親魚資源量を

2024年までに、少なくとも60%の確率で歴史的中間

値まで回復

させることを暫定回復目標とする。

② 商業漁業については、2017年及び2018年の年間漁獲上限は

3,300

トンを原則とし、2年間の合計が6,600トンを超えないように管理

③ 漁獲のうち、

30kg未満の小型魚の漁獲の比率を50%以下とするよ

う努力

9.国際委員会における決定事項

(13)

0 5000 10000 15000 20000 25000 30000 35000 19 52 19 54 19 56 19 58 19 60 19 62 19 64 19 66 19 68 19 70 19 72 19 74 19 76 19 78 19 80 19 82 19 84 19 86 19 88 19 90 19 92 19 94 19 96 19 98 20 00 20 02 20 04 20 06 20 08 20 10 20 12 20 14 20 16 加入量 (日本海生まれの指標) (南西諸島生まれの指標) 太平洋クロマグロ加入量モニタリング速報 歴史的平均値 (約1,300万尾) 低加入 (約820万尾) (万尾) 曳縄漁船によって採捕された養 殖用種苗の活込尾数(7~9月)。 曳縄モニタリング船のCPUE (9~11月)。 図中の垂線は95%信頼区間を示す。

10.0歳魚の加入(発生)状況

資料:ISCクロマグロ資源評価レポート(2016年)等

 加入量は大きく変動

 2014年の加入量は極めて低水準(ただし、将

来予測には折込み済)。直近5年間の平均

も、歴史的平均以下。

 2015年の水準は2014年より高いが、低位の

可能性大。

 2016年の水準は2015年を上回る可能性大。

12

(14)

 WCPFC(中西部太平洋まぐろ類委員会)の暫定回復目標は、「親魚

資源量を2024年までに、少なくとも60%の確率で歴史的中間値まで回復さ

せること。

 今後、低加入が続いたとしても、現在の措置(小型魚半減等)を継続すれ

ば暫定回復目標は達成可能(62%)。

11.太平洋クロマグロの親魚資源量の回復予測

資料:ISCクロマグロ資源評価レポート(2016年) (*)初期資源量:資源評価上の仮定を用いて、漁業が無い場合に資源が理論上どこまで増えるかを推定した数字。 かつてそれだけの資源があったということを意味するものではない。 0 20,000 40,000 60,000 80,000 100,000 120,000 140,000 160,000 19 52 19 56 19 60 19 64 19 68 19 72 19 76 19 80 19 84 19 88 19 92 19 96 20 00 20 04 20 08 20 12 20 16 20 20 20 24 20 28 20 32 2034年まで低加入が続くとの仮定 (トン) 歴史的中間値 (約41,000トン) 歴史的最低値(約11,000トン:1984年) 約17,000トン(2014年) 約12,000トン(2010年) 2014年の親魚資源量を基にした初期資源量(*)の20%(約130,000トン) 2034 2024年 2034年 約45,000トン

(15)

12.小型魚削減と大型魚削減の効果の比較

(低加入を想定した場合)

現行措置継続 現行措置 +小型魚漁獲10%削減 現行措置 +大型魚漁獲10%削減 現行措置 +大型魚・小型魚漁獲10%削減 歴史的中間値 回復確率

61.5%

85.3%

67.2%

86.2%

2014 2019 2024 2029 2034 100,000 80,000 60,000 40,000 20,000 0 (トン) 歴史的中間値 現行措置 +大型魚・小型魚漁獲10%削減 現行措置 +小型魚漁獲10%削減 現行措置 +大型魚漁獲10%削減 現行措置継続 資料:ISCクロマグロ資源評価 レポート(2016年)

14

(16)

1980 1990 2000 2010 1970 20,000 10,000 0 40,000 30,000 50,000 (トン) 600,000 500,000 400,000 300,000 200,000 1960 1980 2000

1.西資源

1982年に産卵場のメキ

シコ湾を禁漁にしたが資

源はあまり回復せず

2.東資源

漁獲の6割が地中海に

おける産卵魚だが、2006

年から小型魚規制、

2009年からTAC大幅削

減を行ったことにより資

源は急速に回復

メキシコ湾の産卵場禁漁 西資源の親魚資源量の推移 東資源の親魚資源量の推移 (トン) 小型魚 規制 出典:2016 ICCAT SCRS報告書

13.大西洋クロマグロにおける産卵魚漁獲について

(17)

Ⅱ.本年のWCPFC北小委員会にお

ける太平洋クロマグロを巡る議論

について

(18)

14.ISC太平洋クロマグロに関するステークホルダー会合について

1.昨年のWCPFC北小委員会で、暫定回復目標を達成した後、2030年までの次

期回復目標を本年の北小委員会で作成することに合意。また、昨年12月のWCP

FC年次会合は、北小委員会に対し、遅くとも2034年までにB

F=0

20%まで資

源を回復させる保存管理措置を策定すべきとの示唆を十分に考慮するよう要請。

2.WCPFCはこれらについて検討するために、太平洋クロマグロの資源評価を

行うISC(北太平洋まぐろ類国際科学小委員会)に対して、漁獲制限の違いに

より資源量等がどのように変動するかについての将来予測を行うよう要請。

3.本年4月にステークホルダー(関係者)約170名の出席を得て本会合が開催さ

れ、ISCが将来予測結果を説明。

4.ISCは、将来予測の結果とともに、会合で参加者から出された意見を取りま

とめ、本年8月の北小委員会中に開催される「合同作業部会」(※)に報告。

「合同作業部会」は、これをもとに太平洋クロマグロの資源管理の次期回復目標

について議論。

(※)WCPFC北小委員会及びIATTC(全米熱帯まぐろ類委員会)との合同作業部会

*B

F=0

(初期資源量):資源評価上の仮定を用いて、漁業がない場合に資源が理論上ど

こまで増えるかを推定した数字

(19)

15.ISCが検討した将来予測に関する漁獲制限シナリオ一覧

中西部太平洋

東部太平洋

小型魚

大型魚

現行措置継続

漁獲量を2010~2012年の平均(小型魚:6,384t、大型魚2,786t)から半減

現行措置継続

漁獲量を2002~2004年の平均

(4,658t)から半減

10%追加削減

漁獲制限なし

(注)

漁獲制限なし

(注)

現行措置継続

現行措置継続

30%追加削減

漁獲制限なし

(注)

漁獲制限なし

(注)

現行措置継続

現行措置継続

漁獲努力量を2011-2013年の平均から約45%削減、漁獲制限なし

現行措置継続

2002-2004年の平均漁獲量

(12,896t)-小型魚漁獲制限

現行措置継続

50%追加削減

現行措置継続

モラトリアム(操業禁止)

現行措置継続(小型魚の定義を30kg未満⇒85kg未満に変更)

現行措置継続(加入シナリオ変更(2024年まで:低加入、2024年以降:平均加入))

15種類の漁獲制限シナリオ

注:漁獲制限なしであっても、漁獲努力量には一定の制限がなされている。

18

(20)

(1)今後2034年までの加入の想定を、「平均加入」(1,340万尾)とするか「低加入」(820万

尾)とするかで結果は大きく異なる。

(2)このため、ISCは追加的に、2024年までは低加入を使い、その後2034年まで平均加

入を使ったシミュレーションを実施。

(3)ただし、ISCは、2024年以降の加入について、どのような想定にすべきかといった判

断は行っていない。

16.ISCによる将来予測結果のポイント①

1.前提となる加入条件

*BF=0 (初期資源量) 資源評価上の仮定を用いて、漁 業がない場合に資源が理論上どこ まで増えるかを推定した数字 *加入の想定により、BF=0は変動する。

現行措置継続と仮定

(21)

 まき網の漁獲上限について、小型魚から大型魚に250トン移譲すると、低加入を用いた

場合でも、暫定回復目標を達成する確率は現状の62%から73%に上昇。

 平均加入の場合、現行措置を継続【シナリオ1】すれば、目標達成。

 2024年まで低加入で、その後平均加入であったとしても、現行措置継続【シナリオ15】す

れば、目標達成。

 目標達成は以下の5つの漁獲シナリオ。

(なお、2034年まで低加入という想定だとB

F=0

20%の値は12.9万トンから7.7万トンまで下がる)。

①漁獲量を2010~2012年の平均から半減(漁獲上限は小型魚3,191トン、大型魚1,393トン)

【シナリオ2】

②小型魚漁獲を現行より3割削減(2,850トン)し、大型魚漁獲を一定程度増加【シナリオ8】

③漁獲努力量約45%減【シナリオ10】

④小型魚漁獲を現行より半減(2,003トン)し、大型魚漁獲を増加(10,893トン)【シナリオ12】

⑤操業停止【シナリオ13】

2. 2034年までにB

F=0

20%を目標とした場合に達成可能なシナリオ

≪低加入の場合≫

3.まき網の漁獲上限について

17.ISCによる将来予測結果のポイント②

20

(22)

18.参加者から出た意見についての議長要約

① 日本の沿岸漁業者から、漁獲量の更なる削減は受け入れられない、資源が増え

たのだから漁獲上限を緩和して欲しいとの発言が多く出た。

資源が増えているとの意見については、今般の漁獲状況の改善は小型魚の来遊

が増加したことに伴うものであり、親魚資源の回復は今後の資源評価において確

認されることは留意する必要がある。加入量は毎年変わるため、今後もしっかり

とモニタリングする必要があろう。この他、彼等から国際ルール遵守及びデータ

提出に向け努力するとの発言が出たことは大事なこと。

② 定置網業界からは、小型魚の放流に努力するとの発言があり、この取組が広ま

ることを期待。まき網業界からは、小型魚漁獲上限から大型魚漁獲上限への振替

を検討中との発言があった。

③ B

F=0

(初期資源量)の概念について疑問があるとの発言が出た。1つの指標

ではあるが、餌資源が減少している中で本当に信頼できるのかとの発言も出た。

④ 産卵期の親魚を保護すべきとの発言が出たが、科学的には、現時点でISCか

ら根拠は示されていない状況。他方、漁獲物の経済的価値を高めるべきというこ

とについては論を待たない。魚価が低い時期の漁獲は避けた方が望ましい。

⑤ B

F=0

20%まで資源回復させることを約束すべきとの発言が多く出た。資源状

態が悪いため、管理措置の検討は低加入シナリオに基づくべきとの発言も出た。

(23)

19.本年の国際会議

8月28日

~9月1日

WCPFC北小委員会(韓国)

(会合期間中にIATTCとの合同作業

部会を開催)

12月3日

~12月8日 WCPFC年次会合(フィリピン)

次期管理目標を含むクロマグロ

長期管理方策案を決定

提出

22

(24)

2.日本として実現を目指すべき事項として

(1)親魚資源が増大した際の漁獲上限の増大

(2)漁獲対象を小型魚から大型魚へと移行

20.合同会合に提出した日本提案の概要

1.WCPFCの要請事項として

(1)次期管理目標

親魚資源を歴史的中間値まで回復させた後の次の目標

(2)長期管理方策

①漁獲制御ルール

資源変動に応じて管理措置を自動的に改訂するルール

②管理基準値

長期的に資源を維持すべきレベル(目標管理基準値)や資源

がこれ以下となった場合に管理措置を強化するレベル(限界管

理基準値)

(3)緊急措置

加入の著しい低下が起こった際に緊急的にとられる措置

(25)

21.日本提案(次期管理目標)

「遅くとも2034年までにB

F=0

の20%まで親魚資源を回復

させるべき」というWCPFC年

次会合からの示唆を考慮

昨今の来遊状況を踏まえれ

ば、現行より漁獲量を更に削

減することは受け入れ困難

• 2024年までは低加入、それ以降は平均加入という想定の

下で2034年までにB

F=0

20%まで親魚資源を回復

• 加入の想定が異なり目標を達成できない場合は回復計画

を見直し

• B

F=0

20%は必要に応じて見直し

24

(26)

22.日本提案(漁獲制御ルール)(暫定回復目標達成まで)

現在の暫定回復目標:

「 2024年までに、少なくとも60%の確率で親魚資源を歴史的中

間値(約4万1千トン)まで回復させる」

60%に戻るよう、管理措置を

自動的に強化(漁獲上限の

削減や小型魚から大型魚へ

の振替え)

65%を維持する限り、小型魚

漁獲上限増加可能(ただし大

型魚に振り替える場合はX倍

漁獲可能)

資源評価の結果、暫定回復目標の達成確率が

60%を下回った場合

65%を超える場合

(27)

23.漁獲上限増大の可能性とリスク

親魚の資源状態が低位にある状況で、漁獲枠を増やすためには、

(1)資源評価の結果、親魚資源が予定よりも大幅に増加していること

が確認され、

(2)日本が漁獲枠を遵守する能力があることを示し、

(3)安全性を十分見込んだ漁獲制御ルールに従うことが必要

ただし、米国やEUは、暫定回復目標を達成する前に、漁獲上限を

増大させることに反対している。

また、親魚資源が予想どおり増えない場合は、自動的に漁獲枠の

削減等、管理措置の強化が生じるというリスクがある。

次回資源評価は、2018年2月に実施。これに基づく管理措置の改訂

は、2018年12月のWCPFC年次会合による決定が必要。

⇒仮に今年の会合で漁獲制御ルールが合意されても、これに基づ

き漁獲枠が増えるのは、最速で2019年1月以降となる。

26

(28)

24.日本提案(管理基準値の考え方)

目標管理基準値:次

期回復目標到達まで

に決定

限界管理基準値:

歴史的中間値

(約4万1千トン)

親魚資源量

管理措置を強化し、目標管理基

準値まで一定期間で資源を回復

管理措置を維持

時間

これら基準値は次期回復目標に達した後に適用

(29)

25.日本提案(緊急措置)

当面資源評価を毎年行い、その結果に基づき漁獲制御ルール

に基づき自動的に管理措置改訂

• 親魚の資源状態が低位にある場合には、加入の著しい低下

が生じた際、迅速に管理措置を改訂する必要性

• 「緊急措置を策定すべき」というWCPFC年次会合からの示

唆を考慮

「加入の著しい低下」の定義が難しいこと及び、仮に定義できた

としても、それを迅速に判断する指標がないという問題

(加入量モニタリング情報に用いている日本の曳き縄CPUE(漁獲努力量

あたりの漁獲量)は、そのままでは使えず、ISCで検証する必要)

28

(30)

26.日本提案(小型魚から大型魚への移行)

漁獲対象を小型魚から大型魚へと移行することにより、

• 資源回復が早まる

(まき網による小型魚の漁獲枠250トンを、大型魚に振り替

えることにより、暫定回復目標の達成確率は62%から

73%に上昇)

• 最大持続生産量が上昇する

(大型魚の漁獲の方が、小型魚の漁獲より、資源に与える

影響が小さいことから、持続的に漁獲できる量が増加)

ことが期待される。

漁獲制御ルールの中に「大型魚に振り替える場合はX倍漁

獲可能」を挿入

(31)

 大西洋クロマグロは2008年から、ミナミマグロは2010

年から導入。太平洋クロマグロについては、WCPF

C及びIATTCにおいて重要課題。

 我が国に輸入される太平洋クロマグロについても、輸

入先国・地域が行っている漁獲管理・蓄養管理のモニ

タリングを強化する必要。

 昨年の合同会合において、漁獲証明制度の目的、基本

的構成及び作業計画の案を日本が作成し、今年の合同

会合に提出することで合意。

27. 漁獲証明制度

30

(32)

 制度の目的は違法漁獲物の市場からの排除

 電子システムにするか紙ベースにするか議論

 制度に含まれるべき基本的な項目名(目的、一般原則、定

義、実施主体、様式等)を列記

 今後の作業計画として以下を提案

2017年 当該案に合意

2018年 第1回技術会合を開催

2019年 第2回技術会合を開催

2020年 第3回技術会合を開催し、制度案を北委員会及

びIATTCに提出

28. 漁獲証明制度に関する日本提案の内容

(33)

1.次期管理目標は2034年までにB

F=0

20%まで親魚資源を回復

(ただし加入の想定が異なり目標を達成できない場合は回復計

画を見直し、またB

F=0

20%は必要に応じて見直し)

2.回復確率が60%を切ると自動的に管理措置を強化。65%を

維持する限り小型魚増枠可能(大型魚を漁獲する場合はX倍)

3.目標管理基準値は後刻決定、限界管理基準値は4万1千トン

4.緊急措置として、当面毎年資源評価を実施し、回復確率が

60%を切れば自動的に管理措置を強化

5.漁獲証明制度については、制度の目的、基本的構成及び作

業計画の案を提示

29.日本提案のまとめ

32

(34)
(35)

太平洋北部 日本海西部 日本海北部 太平洋南部・瀬戸内海 九州西部 160.4トン【漁獲上限77.7トン】

○30キロ未満小型魚の漁獲量 4,341トン【漁獲上限4,007トン】

195.9トン【漁獲上限295.7トン】 36.5トン【漁獲上限41.7トン】 405.2トン【漁獲上限243.8トン】 808.0トン【漁獲上限743.7トン】 北海道、青森、岩手、宮城、 福島、茨城 千葉、東京、神奈川、静岡、愛知、三重、和歌山、大阪、兵庫、岡山、 広島、山口、徳島、香川、愛媛、高知、福岡、大分、宮崎 山口、福岡、佐賀、長崎、 熊本、鹿児島、沖縄 福井、京都、兵庫、鳥取、島根 北海道、青森、秋田、山形、 新潟、富山、石川

・大中型まき網漁業 1,938トン【漁獲上限2,000トン】

・近海竿釣り漁業等 37トン【漁獲上限 106トン】

近海竿釣り漁業 26トン

かじき等流し網漁業等 11トン

・沿岸漁業(曳き縄、定置網等)2,365トン【漁獲上限1,901トン

(※水産庁留保枠16.3トンを含む。)

○30キロ以上大型魚の漁獲量 4,368トン【漁獲上限4,882トン】

*警報(平成29年1月5日) *操業自粛要請(平成28年12月16日) 定置網の共同管理 (管理期間:沿岸漁業以外はH28.1~12 沿岸漁業はH28.7~H29.6) ブロックごと 区 分 漁獲上限の7割 注意報 〃 8割 警 報 〃 9割 特別警報 〃 9割5分 操業自粛要請 *操業自粛要請 (平成29年3月6日) *操業自粛要請(平成29年1月17日) 北海道、青森県(太平洋北部)、岩手県、 秋田県、宮城県、山形県、千葉県、新潟 県、富山県、石川県、福井県、京都府、兵 庫県(日本海西部)、鳥取県、佐賀県、宮 崎県及び鹿児島県 759.5トン【漁獲上限482.1トン】 *操業自粛要請 (平成29年3月9日) (管理期間:H28.1~12)

30.第2管理期間の漁獲状況について【平成29年7月31日時点】

34

(36)

31.第2管理期間の超過量の差し引きについて

漁獲量

漁獲枠

超過量

小型魚

4,341トン

4,007トン

-333.5トン

大型魚

4,368トン

4,882トン

なし

(超過の内訳)

・超過した都道府県:25道府県(*)、-587トンの超過

・超過していない都道府県等:14都府県と沖合漁業、253トンの残枠

<-333.5トン>

*超過した25道府県は、北海道、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、茨城県、千葉県、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、静岡県、 三重県、京都府、兵庫県、島根県、広島県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、宮崎県、鹿児島県 *分割の場合、国は、WCPFCのルール上、第3期に一括で差し引き。このため、後年度負担分は、国が立て替えし、第2期の の残枠を、さらに不足する分については、第3期のまき網から留保枠に移譲のあった250トンを充当。

1.第2管理期間の超過量

2.超過量の処理方針

・超過した25道府県の超過量587トンについて道府県と協議し、以下のとおりとした。

①原則

超過分は各々の第3管理期間の漁獲枠から差し引き

②分割(*)条件 第3管理期間からの差引数量は、当初枠の2割を限度。これを超える場合は

③の期間で分割差し引き

③分割期間

超過量を当初枠の2割で除して少数点以下切り上げ

(37)

(参考)都道府県別の第2管理期間の漁獲状況等について

36

都道府県 超過 道府県 漁獲量 (A) 漁獲枠 (B) 超過量 (B)-(A) 第3期から の差引数量 北海道 ○ 114.19 113.0 -1.2 1.19 青森県 166.6 256.3 89.7 - 岩手県 ○ 69.8 68.5 -1.3 1.34 宮城県 ○ 89.1 52.9 -36.2 10.58 秋田県 ○ 25.2 21.5 -3.7 2.02 山形県 ○ 8.838 8.800 -0.038 0.038 福島県 3.7 7.9 4.2 - 茨城県 ○ 23.1 18.9 -4.2 3.78 千葉県 ○ 67.4 51.5 -15.9 10.30 東京都 8.4 9.6 1.2 - 神奈川県 ○ 46.7 32.9 -13.8 6.58 新潟県 ○ 80.2 55.5 -24.7 11.10 富山県 ○ 116.0 86.3 -29.7 16.74 石川県 ○ 114.5 65.8 -48.7 13.16 福井県 ○ 65.4 21.9 -43.5 4.38 静岡県 ○ 31.9 24.2 -7.7 4.84 愛知県 0.0 0.0 0.0 - 三重県 ○ 126.0 23.4 -102.6 4.68 京都府 ○ 84.5 20.6 -63.9 4.12 大阪府 0.0 0.0 0.0 - 都道府県 超過 道府県 漁獲量 (A) 漁獲枠 (B) 超過量 (B)-(A) 第3期から の差引数量 兵庫県 ○ 4.3 2.3 -2.0 0.08 和歌山県 15.8 23.0 7.2 - 鳥取県 1.0 1.7 0.7 - 島根県 ○ 157.6 73.0 -84.6 5.28 岡山県 0.0 0.0 0.0 - 広島県 ○ 0.04 0.00 -0.04 0.04 山口県 84.4 85.1 0.7 - 徳島県 7.2 7.8 0.6 - 香川県 0.0 0.0 0.0 - 愛媛県 5.9 7.2 1.3 - 高知県 ○ 72.7 64.7 -8.0 8.03 福岡県 ○ 7.9 7.0 -0.9 0.90 佐賀県 ○ 11.4 1.1 -10.3 0.22 長崎県 ○ 694.3 645.2 -49.1 31.40 熊本県 ○ 5.1 1.7 -3.4 0.34 大分県 0.2 0.6 0.4 - 宮崎県 ○ 39.3 14.7 -24.6 2.94 鹿児島県 ○ 16.6 10.1 -6.5 2.02 沖縄県 0.0 0.0 0.0 - *第3期からの差引数量計146.1トン 【単位:トン】

(38)

32.第3管理期間の漁業種類別漁獲枠(差し引き後)

項目

第3管理期間差

引前数量(A)

超過分の差引

数量(B)

第3管理期間

の漁獲枠

(A)-(B)

沖合漁業

大中型まき網漁業

1,500トン

0トン

1,500トン

近海竿釣り漁業等

62トン

0トン

62トン

かじき等流し網漁業

44トン

0トン

44トン

沿岸漁業

1885.3トン

146.1トン

1739.2トン

留保枠

265.7トン

187.4トン

78.3トン

合計

3,757トン

333.5トン

3,423.5トン

小型魚漁獲枠

(39)

33.第3管理期間のくろまぐろ管理

第2管理期間

第3管理期間

・全国を6ブロックに分けたブロック管理

・都道府県別の管理を基本

・定置網の全国規模の管理

・同左を継続

・(新規)

・漁船漁業等の広域管理

※都道府県別の漁獲枠が極めて小さくなるなど管理 が困難な都道府県を念頭

・留保枠 16.3トン

・留保枠 新たに250トン

※差し引き等を考慮しない場合の量です。

その他特記事項

第3管理期間の特徴

38

① まき網漁業の小型魚の漁獲枠を現行の2,000トンから1,500トンに削減

② 削減分の500トンのうち、250トンを大型魚へ、残りの250トンを留保枠

(40)

34. 第3管理期間のイメージ

操業時期の調整や漁獲量配分のさらなる細分化を含む詳細な漁獲管理などきめ細かな取組

を促進。

地域内の漁獲管理ルール作り

国の基本計画

○小型魚:3,423.5トン

(大臣管理分)まき網:1,500トン/近海かつお・まぐろ漁業:62トン/流し網:44トン

○大型魚:5,132トン

(知事管理分)1,739.2トンを各都道府県別に配分

都道府県計画

定置網の共同管理

【小型魚(知事管理分1,739.2トン)】

都道府県別管理を基本 都道府県枠が小さい等の場合は・・・ 漁船漁業等の広域管理

【大型魚】 国全体で管理

39

※留保枠78.3トン

(41)

35.都道府県(沿岸漁業)の管理のイメージ

漁船漁業等の広域管理 岩手県、宮城県、新潟県、富山県、 福井県、愛知県、大阪府、岡山県、 広島県、香川県、佐賀県、大分県、 沖縄県 合計 7.94 トン

※小型魚(知事管理分1,739.20トン)

定置網の共同管理 北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、千葉県、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、 静岡県、三重県、京都府、兵庫県、和歌山県、佐賀県、長崎県、鹿児島県 合計 580.54トン 都道府県別管理②(定置網は共同管理) 都道府県別管理① 福島県7.90トン 茨城県15.12トン 東京都9.60トン 鳥取県1.70トン 島根県67.72トン 山口県85.10トン 徳島県7.80トン 愛媛県7.20トン 高知県56.67トン 福岡県6.10トン 熊本県1.36 トン 宮崎県11.76トン 北海道54.50トン 青森県116.00トン 秋田県11.40トン 山形県8.60トン 千葉県32.00トン 神奈川県14.13トン 石川県2.30トン 静岡県14.52トン 三重県14.16トン 京都府1.00トン 兵庫県1.90トン 和歌山県13.90トン 長崎県584.90トン 鹿児島県3.38トン 定置網の共同管理 漁船漁業等の広域管理 ただし、漁獲枠が極めて小さ いなどの場合は・・・

40

(42)

(参考)管理期間

○ 大臣管理漁業は、毎年1月1日から12月31日まで

○ 知事管理漁業は毎年7月1日から翌年6月30日まで

*なお、WCPFCは毎年1月1日から12月31日まで

【管理期間】

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 ○大臣管理漁業 まき網・流し網 竿釣り 1/1~12/31 ○知事管理漁業 ・7/1~6/30 ◎WCPFCの管理年 1/1~12/31 H28年(2016年) H29年(2017年) H30年(2018年) 第2管理期間 第3管理期間 第4管理期間

(43)

(注)漁獲量は引き続き最新情報に更新されていく点をあらかじめ留意してください。

36.第3管理期間の漁獲状況について【速報値(概数)】

 大中型まき網漁業 721トン (平成29年7月末報告) 【漁獲枠1,500トン】  近海竿釣り漁業等とかじき等流し網漁業等 128.4トン (平成29年7月21日報告/速報値) 【漁獲枠 106トン】 *操業自粛要請(7月21日) 1.大臣管理漁業(平成29年1月から12月まで) (平成29年7月末報告)

2,822トン

2.知事管理漁業(平成29年7月から平成30年6月まで)【漁獲枠1,739.2トン】 ・7月分の漁獲量は8月末までに報告の予定 近海竿釣り漁業等 84.2トン(漁獲枠 62トン) かじき等流し網漁業等 44.2トン(漁獲枠 44トン) 大臣管理漁業と知事管理漁業(平成29年1月から12月まで)

Ⅰ. 30キロ未満小型魚の漁獲量 【全体漁獲枠3,423.5トン】

Ⅱ. 30キロ以上大型魚の漁獲量 【全体漁獲枠5,132トン】

42

(44)

37.くろまぐろ型TACの導入について

1.TAC指定

資源管理法施行令(政令)を一部改

正し、「くろまぐろ」を追加

平成29年4月21日公布・施行

2.国の基本計画 水産政策審議会の意見を聴き、作成 平成29年中

3.都道府県計画

国の基本計画に基づき、海区漁業調

整委員会の意見を聴き、作成

平成30年6月まで

4.くろまぐろ型T

ACの開始時期

大臣管理漁業(沖合漁業):平成30年1月から

知事管理漁業(沿岸漁業):平成30年7月から

5.罰則

【採捕の停止命令違反】3年以下の懲役又は200万円以下の罰金

【採捕の数量報告違反(虚偽や未報告)】30万円以下の罰金

*資源管理法:海洋生物資源の保存及び管理に関する法律

(45)

38.今後のスケジュール

平成29年

1月1日

8月8日

TAC法に基づく、基本

計画の策定(国)

7月1日

沿岸漁業の第3管理期間開始

全国会議

くろまぐろをTAC魚種に指定

WCPFC北小委員会(韓国)

(会合期間中にIATTCとの合同作業部会を開催)

IATTC年次会合(メキシコ)

沖合漁業の第3管理期間開始

4月21日

TAC管理開始

平成30年

1月

WCPFC年次会合(フィリピン)

44

8月28日

~9月1日

12月3日

~12月8日

7月24日

~7月28日

(46)
(47)

1.昨年8月の北小委員会の合意事項(*1)が採択。 2.WCPFCより「北小委員会」へ、本年の年次会合での採択を目 指し、以下の示唆を十分に考慮するよう要請。 ① 遅くとも2034年までにBF=020%(*2)の20%まで資源を回 復させる保存管理措置を策定すべき ② 「緊急ルール」(加入量の著しい低下が発生した場合に緊 急的に発動する措置)を策定すべき また、これらの検討のために、ISC(北太平洋まぐろ類国際科 学小委員会)に対し、「加入量の著しい低下」と「低下に伴うリス ク」を定義するよう要求。 *1 北小委員会の合意事項 • 現行措置において、小型魚の枠から大型魚の枠へ振り替える ことが可能とする。 • 養殖活動について、データ収集を強化する。 • 長期管理方策について、2030年までの次期中間目標(現行の 中間目標は2024年までのもの)を、2017年の「北小委員会」で 作成する。また、そのために必要となる科学的な検討を行い、 その結果を議論するための関係者会合(ステークホルダー会 合)を、2017年春に日本で開催する。 *2 BF=020%(初期資源量):資源評価上の仮定を用いて、漁業が ない場合に資源が理論上どこまで増えるかを推定した数字 (1) 中西部太平洋:WCPFC ① 親魚資源量を2024年までに、少なくとも 60%の確率で歴史的中間値まで回復さ せることを暫定回復目標とする。 ② 30キロ未満の小型魚の漁獲量を 2002-04年平均水準から半減。 ③ 30キロ以上の大型魚の漁獲量を 2002-04年平均水準から増加させない。 ※一昨年合意された現行措置の継続 (2) 東部太平洋:IATTC ① 親魚資源量を2024年までに、少なくとも 60%の確率で歴史的中間値まで回復さ せることを暫定回復目標とする。 ② 商業漁業については、2017年及び2018 年の年間漁獲上限は3,300トンを原則と し、2年間の合計が6,600トンを超えない ように管理。 ③ 漁獲のうち、30キロ未満の小型魚の漁 獲の比率を50%以下とするよう努力。 ※②,③については、一昨年合意された現行措置の継続

・国際委員会における決定事項等

国際委員会における決定事項

WCPFC年次会合の結果

46

(48)

(1) WCPFC(中西部太平洋まぐろ類委員会)における保存管理措置及び韓国の漁獲上限

30kg未満

の小型魚の漁獲量を

2002-04年平均水準から半減

⇒韓国の漁獲上限は

718トン

30kg以上

の大型魚の漁獲量を

2002-04年平均水準から増加させない

⇒韓国の2002-04年の漁獲量は

0トン

(ただし、小型魚の枠から大型魚の枠へと振替え可能)

③ 上記①②の措置に加え、2016年に韓国は枠のない大型魚を470トン漁獲したことを受け、自主

的にその半数の235トンを5年間で分割返済する(1年当たり47トン)としたため、

2017年の韓

国の漁獲上限は671トン

となっている。

(2) 2017年の韓国産太平洋クロマグロの取り扱いについて

 2017年3月6日(月)、韓国の現地報道を通じ、同日、釜山共同市場にクロマグロが300トン以

上が水揚げされ、同日までの総漁獲量が713トンに達したため、韓国政府は、業界宛てにクロマ

グロの捕獲禁止及び委託販売禁止命令公文書を送付したとの情報を入手。

 このため、水産庁では、現地大使館等を通じ、情報収集を行うとともに、3月8日(水)付けで、

輸入・卸売・買受業者に向け、状況を周知するとともに、韓国産太平洋クロマグロの輸入及び

取扱における配慮を要請。

 韓国政府から、外交ルートを通じ、講じた措置について情報が得られたことから、3月14日

(火)付けで、3月7日(火)以降に漁獲された韓国産太平洋くろまぐろの輸入又は取扱の自粛

を要請。

韓国産太平洋クロマグロの取り扱いについて

(49)

・我が国の大型魚・小型魚(30kg未満)別漁獲状況

※国際水産資源研究所による推定値 トン

48

まき網全体 はえ縄全体 竿釣り 定置網 その他 漁業種類 総計 大型魚を漁獲するまき網 小型魚を漁獲 はえ縄(遠洋・近海) はえ縄(沿岸) 曳き縄 合計 太平洋 日本海 するまき網 赤道以北 赤道以南 小型魚 大型魚 小型魚 大型魚 小型魚 大型魚 小型魚 大型魚 小型魚 大型魚 小型魚 大型魚 小型魚 大型魚 小型魚 大型魚 小型魚 大型魚 小型魚 大型魚 小型魚 大型魚 小型魚 大型魚 小型魚 大型魚 1994 126 6,525 694 786 912 7,219 238 20 968 1,226 4,111 162 637 522 344 54 6,165 9,021 15,186 1995 36 4,801 496 13,575 13,611 5,298 107 10 571 688 4,778 270 1,594 266 487 99 20,740 6,350 27,091 1996 2,489 2,601 450 2,104 4,593 3,051 123 9 778 909 3,640 94 898 251 255 315 9,480 4,527 14,008 1997 2,823 2,606 708 7,015 9,838 3,314 142 12 1,158 1,312 2,740 34 666 138 333 478 13,610 5,242 18,852 1998 719 1,670 326 2,676 3,395 1,995 169 10 1,086 1,266 2,876 85 403 471 291 409 7,049 4,142 11,191 1999 1,293 9,747 579 4,554 5,847 10,326 127 17 1,030 1,174 3,440 35 902 195 399 309 10,624 12,004 22,628 2000 900 6,546 747 8,293 9,193 7,293 121 7 832 959 5,217 102 701 424 233 456 15,445 9,132 24,577 2001 586 2,313 239 4,481 5,068 2,552 63 6 728 797 3,466 180 1,241 125 297 486 10,251 3,960 14,212 2002 193 3,131 599 4,981 5,174 3,729 47 5 794 846 2,607 99 1,008 92 422 210 9,309 4,877 14,186 2003 183 203 571 4,812 4,995 774 85 12 1,152 1,249 2,060 44 648 191 205 241 7,951 2,455 10,407 2004 143 2,692 2,100 3,323 3,465 4,792 231 9 1,616 1,855 2,445 132 660 235 82 432 6,785 7,314 14,099 2005 155 185 3,694 8,783 8,938 3,879 107 14 1,818 1,939 3,633 549 1,509 673 167 381 14,796 6,872 21,668 2006 1,352 280 2,012 5,236 6,588 2,292 63 11 1,058 1,131 1,860 108 991 430 280 498 9,828 4,350 14,178 2007 124 718 2,123 3,875 3,998 2,841 83 8 72 1,607 72 1,698 2,823 236 1,142 361 249 408 8,519 5,309 13,828 2008 1 0 3,028 7,192 7,193 3,028 19 8 131 1,240 131 1,267 2,377 64 1,739 619 380 390 11,885 5,304 17,188 2009 33 795 1,299 5,950 5,983 2,094 8 7 138 935 138 950 2,003 50 1,274 962 257 319 9,704 4,324 14,029 2010 49 21 1,052 2,620 2,669 1,073 5 6 160 724 160 735 1,583 83 1,289 314 157 337 5,941 2,459 8,401 2011 16 305 114 1,792 6,113 6,243 2,097 9 11 108 720 108 740 1,820 63 763 888 108 175 9,105 3,899 13,004 2012 3 198 170 671 1,419 1,592 869 6 8 266 401 266 415 570 113 1,393 539 167 176 4,101 1,999 6,100 2013 0 279 226 1,502 763 990 1,782 7 7 235 543 235 557 904 8 1,020 395 142 387 3,299 3,120 6,419 2014 0 47 203 2,000 3,206 0 3,409 2,047 0 10 0 4 122 550 122 565 1,023 5 0 1,375 532 155 344 6,089 3,488 9,577 2015 102 837 9 1,810 820 66 931 2,714 0 12 0 4 188 418 189 433 394 19 7 0 843 424 127 280 2,490 3,870 6,360 2016 32 1,255 209 1,772 1,828 0 2,069 3,027 1 12 0 4 181 461 182 476 756 23 45 0 654 573 238 269 3,944 4,368 8,312 02-04 年の平 均 173 2,009 1,090 4,372 4,545 3,098 121 9 1,187 1,317 2,371 92 772 173 236 294 8,015 4,882 12,897

(50)

・太平洋クロマグロの国別漁獲状況

※韓国及び台湾の2002年~2012年のデータは、ISCへの提出データ。韓国及び台湾の2001年以前のデータ、並びに~2012年の日本、メキシコ、米国及びその他については、国際 水産資源研究所による推定値。2013年~2016年の日本、韓国、及び台湾のデータは、WCPFCへの提出データ、米国、メキシコのデータはISC報告データ。 ※データの取得元が異なること、また推定値等を含むため、合計や総計の値は、他の集計と異なる場合があります。 トン 日本 韓国 台湾 メキシコ 米国 その他 合計 総計 小型魚 大型魚 小型魚 大型魚 小型魚 大型魚 小型魚 大型魚 小型魚 大型魚 小型魚 大型魚 小型魚 大型魚 1994 6,165 9,021 50 559 51 14 822 232 3 7,088 9,829 16,917 1995 20,740 6,350 821 337 10 1 918 46 2 22,489 6,736 29,225 1996 9,480 4,527 102 956 3,482 218 4,470 279 4 17,534 5,984 23,518 1997 13,610 5,242 1,054 1,814 287 81 1,984 546 15 16,935 7,698 24,633 1998 7,049 4,142 188 1,910 1 0 1,923 542 23 9,161 6,617 15,778 1999 10,624 12,004 256 3,089 2,239 165 722 87 26 13,841 15,371 29,212 2000 15,445 9,132 2,401 2,782 2,902 216 1,024 72 29 21,772 12,231 34,003 2001 10,251 3,960 1,186 1,843 767 97 606 89 57 12,810 6,046 18,856 2002 9,309 4,877 932 1,527 1,366 344 555 162 61 12,162 6,971 19,133 2003 7,951 2,455 2,601 1,884 2,635 619 343 92 53 13,530 5,103 18,633 2004 6,785 7,314 773 1,717 6,375 2,519 40 20 78 13,973 11,648 25,621 2005 14,796 6,872 1,318 1,370 3,778 765 237 51 33 20,129 9,091 29,220 2006 9,828 4,350 1,012 1,150 8,791 1,136 89 9 26 19,720 6,671 26,391 2007 8,519 5,309 1,281 1,411 3,227 920 45 13 17 13,072 7,670 20,742 2008 11,885 5,304 1,743 123 981 3,706 701 75 19 17 17,409 7,144 24,553 2009 9,704 4,324 901 34 888 2,709 310 525 66 19 13,839 5,642 19,481 2010 5,941 2,459 1,128 68 409 5,731 2,015 95 28 10 12,895 4,990 17,885 2011 9,105 3,899 670 1 316 1,866 865 414 205 29 12,055 5,315 17,370 2012 4,101 1,999 1,406 16 213 5,280 1,388 516 144 14 11,303 3,774 15,077 2013 3,299 3,120 581 24 335 3,154 820 24 11,357 2014 6,089 3,488 1,199 112 483 4,862 844 12 17,089 2015 2,490 3,870 676 1 618 3,082 480 16 11,234 2016 3,944 4,368 559 469 480 2,706 653 13,179 02-04年の平均 8,015 4,882 1,435 1,709 3,459 1,161 313 91 64 13,222 7,907 21,129 02-04年の85% (▲15%) 6,813 1,220 2,940 266 11,238 02-04年の50% (▲50%) 4,007 718 1,729 156 6,611

(51)

年 まき網 4,593 9,838 3,395 5,847 9,193 5,068 5,175 4,995 3,465 8,938 6,588 3,998 7,193 5,983 2,669 6,243 1,592 990 3,409 931 2,069

2,000トン

・定置網の小型魚漁獲状況

定置網 沿岸漁船 (参考) 898 666 403 902 701 1,241 1,008 648 660 1,509 991 1,142 1,739 1,274 1,289 763 1,393 1,020 1,375 843 654 3,895 3,073 3,167 3,839 5,450 3,763 3,029 2,265 2,527 3,800 2,140 3,072 2,757 2,260 1,740 1,928 737 1,046 1,178 521 994 0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 定置 沿岸漁船 トン

50

(52)

事項

内容

1.法令担保

・TAC対象魚種に指定(平成29年4月21日)

・平成30年から管理開始に向け基本計画を作成

2.関係者との意

見交換等

・管理制度や収入安定対策に関し、現地説明会を開催

・操業時期の調整等を行う自主的管理を促進

3.正確な漁獲報

告の把握等

・漁業者や漁協等の協力の下、都道府県を通じた正確で速やか

な漁獲数量把握と報告・連絡体制を整備

4.流通関係者と

の連携強化

・市場等の流通関係者に対する働きかけを強化

5.漁獲構造の改

・小型魚主体の漁獲構造から、大型魚の漁獲割合が増えるよう都

道府県や関係業界と調整

(大中型まき網の大型魚へのシフト)

6.留保枠の設定

・急激な漁獲への対応ができるような水産庁留保枠の設定に向

け、都道府県や関係業界と調整

7.定置網の共同

管理・技術開発

・定置網の共同管理での漁獲枠遵守のための取組を継続

・混獲の回避等のための技術開発を継続

8.漁獲枠の増大

・資源回復により親魚資源の回復が確認されれば、小型魚を含め

た漁獲枠の増加が可能となるよう、関係国と粘り強く交渉

・第3管理期間の小型魚の管理について

(53)

・大中型まき網漁業の漁獲枠について

(54)
(55)

54

・大中型まき網漁業によるクロマグロ漁獲の特徴

操業海区

種別 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月

東シナ海

遠まき

日本海

山まき

太平洋

北まき

遠まき:日本遠洋旋網漁業協同組合所属船、山まき:山陰旋網漁業協同組合所属船、北まき:北部太平洋まき網漁業協同組合連合会所属船

大型魚

大型魚

養殖用種苗

小型魚

小型魚

操業海区

管 理

東シナ海

日本海

太平洋

・日本海では大型魚1,800トンを上限とし8月の操業を自粛

・漁獲実績の迅速な把握と、実績の積み上がりに応じた漁獲管理

年間漁獲上限

第2管理期間漁獲実績

小型魚 第2管理期間 第3管理期間

2,000トン → 1,500トン

1,937トン

大型魚 3,098トン → 3,348トン

3,027トン

(56)

大中型まき網漁業

【小型魚(30㎏未満)】

・大中型まき網全体で年間の総漁獲量が次の数量を超えないよう管理。

2011~2013年:5,000トン(05-09年比約22%削減)

2014年:4,250トン(05-09年比約34%削減)

2015~2016年:2,000トン(05-09年比約69%削減)

2017年:1,500トン(05-09年比約77%削減)

【大型魚(30㎏以上)】

・大中型まき網全体で、年間の総漁獲量が次の数量を超えないよう管理。

2015~2016年:3,098トン、2017年:3,348トン

・日本海大中型まき網業界の自主規制として、日本海の産卵期(6~8月)の総

漁獲量が1,800トンを超えないよう管理。 また、8月の操業を自粛。

※ 日本海産卵期漁獲実績:

1,796トン(2011年)、702トン(2012年)、1,560トン(2013年)、

1,918トン(2014年)、1,788トン(2015年)、1,693トン(2016年)

・大中型まき網漁業の取組み状況

(57)

・沿岸くろまぐろ漁業

広域漁業調整委員会 の海域区分 ・届出制から承認制へ移行 広域漁業調整委員会の指示 に基づき隻数制限を導入 ・平成27年1月 更新1回目 ・平成29年1月 更新2回目 ※対象漁業、提出書類及び漁獲実績報告書は基本的に届出制と同様【法的根拠:漁業法(広域漁業調整委員会指示)】 自由漁業(曳き縄漁業等)に届出制を導入 漁獲実績報告の義務化 (平成23年4月から順次実施)

これまで

沿岸クロマグロ漁業の実態把握 (漁獲量、漁法、水揚げ場所、操業海域、 トン数階層等) 平成26年4月1日以降 沿岸クロマグロ漁業の管理体制の強化 日本海・九州西広域漁業調整委員会 太平洋広域漁業 調整委員会 クロマグロを主たる漁獲物とす る定置漁業の免許数の抑制等 【法的根拠:漁業法】 定置漁業の免許数抑制 (2010年1月から実施) 農林水産大臣から各都道府県知事に指示 注:黄色マーカーは承認数が1,000以上の都道府県

56

瀬戸内海広域漁業調整委員会 県名 届出 H27.1 H29.1 県名 届出 H27.1 H29.1 県名 届出 H27.1 H29.1 北海道 131 969 863 石川県 741 1,027 993 山口県 699 1,816 1,651 青森県 443 2,068 1,939 福井県 386 304 282 徳島県 250 492 476 岩手県 0 119 99 静岡県 528 1,025 1,014 香川県 0 0 0 宮城県 7 33 31 愛知県 1 1 1 愛媛県 62 90 90 秋田県 83 175 174 三重県 1,057 1,077 991 高知県 1,171 2,949 2,715 山形県 91 150 150 京都府 269 264 264 福岡県 597 668 556 福島県 124 719 714 大阪府 0 11 11 佐賀県 37 46 45 茨城県 324 367 347 兵庫県 232 253 251 長崎県 1,917 2,503 2,503 千葉県 464 580 545 和歌山県 1,151 1,897 1,739 熊本県 54 134 114 東京都 533 526 514 鳥取県 592 651 581 大分県 58 146 139 神奈川県 126 323 297 島根県 101 1,054 1,002 宮崎県 530 669 568 新潟県 68 186 164 岡山県 0 0 0 鹿児島 260 519 467 富山県 54 270 262 広島県 0 1 1 沖縄県 3 4 4 合計 13,144 24,086 22,557 ※H29.1は、現在、最終取りまとめ中

(58)

・太平洋クロマグロの資源管理の遵守・徹底に関する全国調査結果①

昨年(平成28年)、沿岸くろまぐろ漁業の操業に関し、広域漁業調整委員会の

承認を得ていなかったり、漁獲量の未報告

があったことから、

沿海地区の全都

道府県に対し、

同委員会の

承認制の周知徹底

漁獲量の報告体制を調査

1.経緯

2.調査結果の概要

・無承認操業

・漁獲量の未報告及び報告内容の誤り

3県(約13.6トン)*

・長崎県、静岡県、和歌山県

9県(約118.5トン)*

・長崎県、三重県、静岡県、岩手県、宮城県、

千葉県、新潟県、和歌山県、鹿児島県

(1) 今回の調査により、延べ12県で、無承認操業や漁獲量の未報告等を確認。

*( )内はそれぞれ該当する漁獲量。「約」は、漁業者等が証憑類を紛失し、確認がとれなかったものを含むため。 注:その他の都道府県は疑義事例なしとの報告。

事例の内容

考えられる改善方向

無承認操業

・承認制の認識に欠如

・承認申請中に操業

【県・漁協等】

・漁業者及び漁協等役職員への周知徹底

(2) 無承認操業や漁獲量の未報告等の事例の内容と改善方向。

(59)

3.水産庁の対応

太平洋クロマグロ

資源の回復

を図っていくためには、WCPFCの

国際約束を

踏まえた漁獲管理

が不可欠。このため、今回の調査結果を踏まえ、クロマグロ

の資源管理の遵守・徹底を図る観点から、

クロマグロのTAC化や地域内での

自主的漁獲管理の促進

などを図り、

適正な漁獲管理、正確な漁獲報告と速や

かな把握を行う

方針。

・太平洋クロマグロの資源管理の遵守・徹底に関する全国調査結果②

事例の内容

考えられる改善方向

漁獲量の未報告等

・普段使用していない港や市場への水揚

げや出荷

・漁業者による直接販売

・混獲

【漁業者】

・漁協等への報告を徹底

【県・漁協等】

・漁業者への周知徹底

・漁協等における報告ルールの再点検

・報告期限の誤認

・漁協集計時のケアレスミスによる未報告

【漁協等】

・マニュアル化やシステム化、二重チェック体制の構築

58

(60)

漁獲上限の目安数量の使用に関する取扱い

【第2管理期間の漁獲管理】

・ 太平洋クロマグロ小型魚の漁獲管理については、

第2管理期間が終了する6月末

まで管理の徹底

を図ったところであるが、

結果として生じた超過分は、国際ルールに

のっとり、次の管理期間から差し引かざる

を得ない。

(1)追加配分された数量は、真にやむを得ない混獲や県内で地域別に枠を決めている場合に、地域単位で は未消化枠がありながら、操業自粛になる地域の操業機会の配慮などに充当すること (2)追加配分された数量は、第2管理期間に操業する漁業者に個別配分すること (3)追加配分された数量は、原則として第3管理期間から差し引くこと (4)既に都道府県ごとの漁獲枠を超過している場合は、残りの第2管理期間中、追加配分された数量の範囲 内でのみ漁獲を認めること (5)(1)~(4)が遵守できない場合は、配分された数量を返納すること (6)今回追加に当たり、疑義がある場合は、随時協議すること

・ しかしながら、

避けられない混獲や、県内で地域別に枠を決めている場合に、地

域単位では未消化枠でありながら操業自粛になる地域の操業機会の配慮が必要

あることから、

公平性を担保するため、平成29年4月に、当初配分の漁獲枠に追加

(以下、「追加配分」と称する。)

し、漁獲上限の目安数量を配分。

・ また、

追加配分の数量については、厳格な漁獲管理

を求めることとし、

こうした取組

を通じて、第2管理期間の漁獲量を最大限抑制

するための取組を実施した。

・第2管理期間の当初配分の漁獲枠への追加について

(61)

〇太平洋 ・生きている個体の放流に取り組み、突発的な漁獲があった場合は網起こしの回数を制限する。 ・上記取組を行ってもなお漁獲が積み上がるときは、追加の休漁日を設けるなどの取組みを検討する。 ・太平洋側については、更に4地区に分け、地区別の漁獲上限を設定している。 ・平成28年7月~平成29年1月の漁獲状況について、1つの地区が漁獲上限目安を超過したため、同地区漁協 には漁獲報告を毎日提出させることとし、漁獲抑制に向けた取組みを検討するよう県が指示した。 〇日本海 ・漁協に配分された漁獲上限をさらに個人に振り分けて管理している。今漁期については、急激に漁獲が積み 上がった際に網口を解放させるとともに、7月早々に漁を切上げた他、秋口の漁獲抑制のために操業開始を1 か月遅らせ、盛漁期である5、6月に向け枠を残したところである。 ・6、7月に毎日漁獲報告を提出させている。

・各県における定置網の取組み事例①

青森県

秋田県

定置網の概念図 ・30kg未満の個体の放流に取り組む。放流した際は、写真 を残すよう主な経営体へ指導している。 ・突発的な大量漁獲の可能性がある経営体(1経営体)に ついては、魚捕部を素早く全開放してクロマグロを逃がす よう漁具の改良を行った(落としに開口部を設け、通常は 結び目を作って閉じているが、大量漁獲時は速やかに解く ことが可能である。ただし、現時点において突発的な大量 漁獲はなく、全開放した例はない)。

60

(62)

・各県における定置網の取組み事例②

・3地区に分け、地区別の漁獲上限を設定している。 ・30kg未満の生きている個体の放流に取り組み、休漁相当の措置に可能な範囲で取り組む。 氷見漁協地区(54.1トン) 新湊漁協地区(23.1トン) その他漁協地区(6.5トン) ・2月中旬~下旬に、18経営体が網 起こしの休止を実施した。 ・漁獲上限目安を超えた時点で、今 後一定以上の漁獲が継続した場合、 協議の上、全経営体が参加して網起 こしを休止することを取り決めた。 ・12月下旬から1月中旬にかけて、輪 番で網起こしの休止(各1回)を行っ た。 ・漁獲上限目安を超えた時点で、今 後輪番で網起こしを休止する基準 (数量及び継続日数)を定めた。 ・1月9日に漁獲量の多くを占める漁 協地区の全4経営体が一斉に網起こ しの休止を実施した。 ・漁獲上限目安を超えた時点で、今 後輪番で網起こしを休止する基準 (数量及び継続日数)を定めた。 ・平成29年2月20日に漁獲上限目安の8割に到達し、休漁の実施を決定した。 ①1経営体につき100kg以上の漁獲が生じた場合は翌日1か統の網起こしを自粛する。 ②地区全体(6経営体)につき計200kg以上の漁獲が生じた場合は輪番方式で翌日1経営体の網起こしを自粛する。 ③地区全体(3経営体)につき計200kg以上の漁獲が生じた場合はその日最も多く漁獲した者が翌日1か統の網起 こしを自粛する。 ・30kg未満の小型魚の生きている個体の放流に取り組む。

石川県

富山県

(63)

主漁期 その他の時期 枠組み参加 枠組み不参加 定置網 網起こし回数減 休漁 等 採捕の抑制 クロマグロを 主目的とする 採捕の停止命令 全面停止命令 (混獲も×) 枠組みの基本的枠組み Y漁業 X漁業 協力策により他方が抑制 双方向 漁獲枠遵守のための取組み 漁獲枠超過の公的規制 ※ 協力金は、能動的漁業の漁獲枠削減につながり、操業計画を変更する必要が生じるため、 その経営に及ぼす影響を緩和するためのもの 行政等の協力

・日本定置網漁業協会の取組みイメージ①

目的

漁獲量を枠内に収束

国際約束の遵守・徹底

来遊への柔軟対応

62

参照

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