第2回水道学習会
水道料金38%もの
値上げは必要?
~これからの水道事業と料金改定~
2017年5月31日 小野川交流センター
つくば・市民ネットワーク主催
1
1、つくば市水道事業の現状
2、上下水道審議会の答申
3、審議会答申の疑問点
4、つくば・市民ネットワークの提案
5、意見交換
2
本日のメニュー
昭和47年
(1972年)
筑南水道企業団創設
平成10年
(1998年)
つくば市水道事業と筑南水道企業団が統
合し、給水区域をつくば市・茎崎町全域へ
平成14年
(2002年)
茎崎町がつくば市へ編入合併
筑南水道企業団→つくば市水道事業へ
「つくばの水道」P4 「つくば市水道の沿革」より
3
1 つくば市水道事業の現状
・「市内全域が上水道の区域」
だが、西部~北部に未整備の
地域が広がっている。
・簡易水道組合が95か所。
老朽化、水質悪化により、早期
の上水道整備を求める請願が
3月議会に提出され、採択され
た。
4
上水道未整備地区
30年以上料金改定せず。
近年は赤字経営が続き、現金預金が減少。
5
水道事業の経営状況は・・・
H28は 8億に※県南水道企業団:竜ヶ崎市、牛久市、取手市、利根町
つくば市
水戸市
土浦市
県南水道企業団
187,218
268,768
136,070
251,134
20,203
29,320
13,649
22,963
3,727,185
5,262,387
3,191,214
5,116,454
1 人件費
303,419
756,850
139,985
501,210
2 動力費
134,916
367,425
50,918
95,391
3 修繕費
115,019
51,165
136,864
221,294
4 薬品費
7,184
47,929
1,385
4,058
5 支払利息
336,405
424,169
109,098
68,621
6 減価償却費
1,378,997
1,783,517
741,502
1,210,182
7 受水費
2,059,659
149,406
1,576,182
2,527,184
8 その他
330,127
1,342,529
408,041
444,746
計(1~8の計)
4,665,726
4,922,990
3,163,975
5,072,686
受託工事費
0
55,585
21,937
6,928
費用合計
4,665,726
4,978,575
3,185,912
5,079,614
費
用
構
成
(千
円
)
現在給水人口
水道事業体名
年間有収水量(千㎥)
営業収益(千円)
6
水道事業 費用の内訳(平成26年度)
つくば市は
費用
が
営業収益
を上回っている。(赤字経営)
受水費
:
県から買っている 水の代金。水戸市は自前の水 源をもっているので受水費が 少ない。つくば市は98%、土 浦市、県南水道は100%受水。減価償却費
:建物や機械 設備など、企業が長期にわ たって利用する資産を購入 した場合、その購入価額を いったん資産として計上し た後、耐用年数にわたって 少しずつ費用として配分す る。支出を伴わないから、 同額の資金が企業内部に留 保され、借金の返済などに 充てることができる。7
平成25年は県内で安い方から3番目。
8
つくば市の水道料金は高い?安い?
平成26年には日立、水戸が値上げし、つくば市が最安に。
茨城県内平均:4095円
9
つくば市の水道料金は高い?安い?
今は東京23区、横浜並み。答申の値上げなら、さいたま市以上に。
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つくば市の水道料金は高い?安い?
目的:つくば市水道事業の経営の見直しを抜本的
に行い、経営健全化を図る。
諮問内容:「経営健全化に関すること」
「水道料金に関すること」
「水道加入金に関すること」
開催期間:
25年11月~平成27年10月、計
9回
平成27年11月6日、前市長に
答申書
を提出。
前市長の諮問により、上下水道審議会を開催。
11
2 上下水道審議会の答申
①沿線開発地区の給水人口が増加し、小口需要者は増加して
いるが、大口需要者である独立行政法人等が水の循環利用や地
下水等に依存を高めている影響で使用水量が減少傾向であり、
有収水量は横ばい状況。
②水道料金を30年以上改定せず、県内で一番安い。
③平成4年度から給水原価(費用)が供給単価(収益)より3割
高い逆ザヤの状況で、必要経費を料金収入で賄えない赤字経営
を継続している。
④収益的収支は平成11年度から赤字決算で、平成15年度から
一般会計から補助金を繰り入れているが、企業債の返済額の増
加により、現金預金が年々減少し、大変厳しい財政状況。
12
経営健全化(1)現在の経営状況について
(審議会答申より)
①経費削減の推進
職員の適正人員、小規模施設の統廃合、事業コスト の縮減、外部委託の導入、未
収金の回収を継続すること。
②資産の有効活用
資産の状況を調査し、費用対効果が得られる物件は活用し、利活用が望めない物件
は整理縮小すること。
③受水費値下げの要望
県企業局に支払う受水費の割合が高く、経営に大きく影響しているため、受水費の値
下げ要望を引き続き行うこと。
④上水道未整備地区の効率的な整備
水道普及率83%と低い。多くの簡易水道組合と個人の井戸利用者が点在するが、
近年、地下水の水質悪化、取水不足、簡易水道施設の老朽化で水の安定供給に支障
が生じている。これを解消するため、主要幹線管の布設と面整備事業を計画的かつ
効率的に実施し、上水道の普及促進に努めること。
13
経営健全化(2)経営健全化に向けた取り組み
(審議会答申より)
①事業収支において欠損金(赤字 )を出さない。
②事業運営の資金として内部留保資金を最低10億円確
保する。
③上水道未整備地区の幹線管路を10年間で整備する。
④収益的収支予算の財源として一般会計から補助金を縮
減する 。
⑤資本的収支予算の財源として一般会計から出資金を繰
入れる 。
※現在の財務状況や将来の財政シミュレ ーショ ンを基に
審 議した結果、料金算定期間を平成35年度までとした
場合、
料金全体の平均改定率は約38%
になるとの結論に
至った。
14
水道料金(1)改定率について
(審議会答申より)
答申の料金改定案
(2か月当たり・税抜)
第1段階 第2段階 第3段階 第4段階 第5段階 13 2,800 (2,200) 20 3,600 (2,800) 25 6,000 (4,600) 30 7,800 40 17,000 50 37,000 75 94,000 100 210,000 150 530,000 200 990,000 区分 種別 口径 (mm) 従量料金(使用水量1㎥につき) 基本料金 金額(円) 標 準 料 金 水 道 料 金 21~40㎥ 150円 (110円) 1~40㎥ 150円 (110円) 20㎥まで (6,000) (13,000) (28,000) (72,000) (160,000) 41~80㎥ 190円 (130円) 81~200㎥ 230円 (150円) 201~1,000㎥ 260円 (170円) 1,001㎥~ 310円 (200円) (400,000) (760,000)15
(審議会答申より)
①改定時期
市民生活は大変厳しい現況だが、水道事業の財政状況を考慮し、適正な時期に
水道料金を改定する。
②水道料金体系
基本料金40%、従量料金60%の割合を維持。基本水量20㎥/2か月を維持。
使用料金の逓増度を1.8→2.1に変更。標準世帯(1か月20㎥)の改定率は
32%の値上げ、2500円/月→3300円/月に。
③福祉減免制度
受益と負担の公平性を欠く状況となっているので、廃止も含めて検討。
④水道料金改定の周知
30年ぶりの改定で、市民生活や企業活動に大きな影響を与えるため、水道料
金の仕組み、料金改定の必要性、財務状況、事業計画などについて、広報活動
を積極的に行い説明責任を果たす。
⑤水道料金体系の調査・研究
料金体系、原価の配賦方法を研究し、安定した事業収益が確保できるよう定期
的に水道料金体系の調査・研究を行う。
16
水道料金に関して(その他)
(審議会答申より)
①水道加入金体系
現在の口径別料金を維持する。
②加入金徴収の対象
現在徴収していない、受水槽二次側の水道メータ
も対象に徴収する。
③水道加入金の軽減
水道加入を促進するため、一般家庭の水道加入金
の軽減を検討すべき。
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水道加入金に関して
(審議会答申より)
1.料金算定の方法が
総括原価方式でない
2.企業債の割合1/3と設定
3.10億円以上の現金預金が必要?
4.値上げ幅を抑える工夫がない
5.整備計画が公表されていない
18
3.審議会答申の疑問点
そもそも…水道料金の算定について
①
水道法
14条
料金が、能率的な経営の下における適正な原価に照らし
公正妥当なものであること
料金が、定率又は定額をもつて明確に定められていること。
②
総括原価方式
に基づいて算定=
「水道料金算定要領」
人件費、薬品費、動力費、
修繕費、受水費、減価償
却費、資産減耗費その他
営業費用
支払利息
資産維持費
給水収益
以外の
営業収益
総括原価
19
答申の疑問点1.料金算定の方法が
総括原価方式でない
答申:総括原価方式を採用していない
↓
理由:「現状の料金体系と乖離するため、
採用しなかった」
(業務打ち合わせ記録から)
しかし、料金算定の根拠が説明できるよう
「総括原価方式」に基づいて算定すべき
(地域の事情は考慮できる)
料金算定方式の疑問点
20
総括原価の分解結果(H24) (単位:千円) 需要家費 固定費 変動費 合計 人件費 0 143,199 143,199 薬品費 7,980 7,980 動力費 118,480 118,480 修繕費 43,704 43,704 減価償却費 1,151,560 1,151,560 資産減耗費等 11,512 11,512 その他 維持管理費 154,209 154,209 支払利息 440,578 440,578 受水費 1,083,693 980,526 2,064,219 資産維持費 566,322 566,322 検針・集金関 係費 207,051 207,051 量水器関係費 3,280 3,280 資産維持費 2,459 2,459 その他管理業 務費 157,642 157,642 212,790 3,752,419 1,106,986 5,072,195 総括原価の区分 原 浄 配 給 水 部 門 一 般 管 理 業 務 部 門 合計
なぜ総括原価方式で算定しなかったのか?
・・・途中まで作業は行われたが・・・・
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なぜ総括原価方式で算定しなかったのか?
「現行料金体系とかけ離れてしまうから」?
【総括原価に基づく料金体系】 【現行料金体系】 ※H24実績を用いて算定 (税抜) (税抜) 口径 基本料金 従量料金 口径 基本料金 従量料金 (mm) (準備料金:円/2ヶ月) (水量料金:円/m3) (mm) (準備料金:円/2ヶ月) (水量料金:円/m3) 13mm 2,140 13mm 2,200 20mm 4,680 20mm 2,800 25mm 7,220 25mm 4,600 30mm 10,620 30mm 6,000 40mm 19,100 40mm 13,000 50mm 30,320 50mm 28,000 75mm 72,020 75mm 72,000 100mm 130,960 100mm 160,000 150mm 305,860 150mm 400,000 200mm 561,500 200mm 760,000149
110~200料金体系の比較
:総括原価>現行料金 :総括原価<現行料金 ※差が相対的に大きい金額のみ22
実は、コンサル任せの試算だった
総括原価方式だと現状の料金体系とかい離する、という説
明はおかしい。
総括原価とは、かかる費用の総額を算出し、それを料金で
賄うこと。
総額いくら必要か
と、それを
どのように料金に配分するか
は別の問題。
配分方法は水道料金算定要領に基づくが、
地域の事情は考
慮できる
ことになっている。
↓
今回、資料開示と担当課ヒアリングにより、総括原価や料
金の算定が
コンサル任せで、担当課では試算していない
こ
とが判明した。
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建設改良費の財源として企業債を事業費の1/3と設定
残りの財源は
新規事業:国庫補助1/3、一般会計からの出資1/3
改良事業:営業収支の黒字分(値上げで確保)
しかし、企業債は事業費の100%起債できる
元本返済が減価償却費の範囲内なら企業債を増やせる
※企業債とは:地方公共団体が公営企業(水道、病院など)
の建設、改良などに要する資金に充てるために起す地方債。
24
答申の疑問点2.企業債は1/3?
だから値上げ幅が大きくなる
利息
減価償却費(答申の試算)
元金償還
企業会計制度の変更 みなし償還廃止により H26は増額25
答申:運営資金として現金を最低10億円確保したい
→災害や緊急時に対応するため現金が必要
しかし、公営企業会計では一時借入が認められている
一時借入金の限度額を決めれば、必要時は借入できる
(今は設定していない)
↓
10億円以上の現金の確保は絶対条件ではなくなる
26
答申の疑問点3.
10億円以上の現金預金が必要?
①大口需要者の地下水移行による収入減対策
経営圧迫の原因ととらえているが
答申では対策なし
→ 一般世帯に広く負担増
②基本水量の見直し
答申では現行通り(10㎥/月まで基本料金)
→ 低所得世帯が節水しても
値上げの負担増を抑えられない
③加入金の見直し
加入促進のため、答申では値下げを提案
→ 県南企業団並みにすれば2億の増収
加入金は新築時に1回だけ払うもの
月々の料金を抑えられるなら値上げも許容可能
答申の疑問点4.
値上げ幅を抑える工夫が無い
27
答申の疑問点5.
整備計画が公表されていない
28
総括原価を算出するには、整備計画が必要。
審議会でも整備計画に基づいて料金改定を試算している。
しかし、整備計画そのものは公表されていない。
↓
今回、資料開示と担当課ヒアリングにより、整備計画が完
成していないことが判明した。
「経営が赤字で財政計画の裏付けがないので完成できな
かった」と。
↓
整備計画の妥当性をチェックできない現状。
未整備地区の簡易水道の状況など、整備計画の根拠となる
データの公表が必要。
29
これらの疑問を踏まえて、
市民ネットの提案へ
つくば・市民ネットワークの提案
基本的な考え方
①つくば市水道事業の
経営健全化を図る
②値上げによる市民生活への
影響を最小限に抑える
30
1.
総括原価方式
で料金を算定する。
2.建設改良費の財源を黒字に頼らず、
企業債を活用
する。
3.基本水量の見直し、加入金の見直しで
小口利用者の値上げ幅を抑える。
4.大口需要者の
地下水移行対策
を検討する。
5.
簡易水道の詳細調査
を実施し、施設活用や
効率的な新規整備を行う。
市民ネット 5つの提案
31
まずは、総括原価を算出する。
次に、水道料金算定要領に従い、
需要家費、固定費、変動費の配分を行い、
基本料金、従量料金を算定してみる。
↓
その上で・・・
口径別の配賦について、
地域の実情を考慮
する。
(理由)
今後のためにも
料金算定の根拠を明確
にすべき。
提案1.総括原価方式で
料金を算定する
32
①減価償却費のうち、国庫補助部分を
総括原価から除く
(理由)
減価償却費から控除するかどうかは、
当該団体の事情による。
(「水道料金算定要領に係る留意点」より)
↓
コンサルの試算よりも約1.9億円減
総括原価を算出する際のポイント
①減価償却費を圧縮する
33
(理由)
資産維持費は、物価上昇や社会情勢の変化に対応
できるよう「水道料金改定要領」で設けられている。
しかし、現在は物価上昇がわずかであり、値上げ幅を
抑えるため、資産維持費を総括原価計算に計上しない。
↓
コンサルの試算よりも約5億円減
総括原価を算出する際のポイント
②資産維持費を総括原価に計上しない
34
総括原価の分解結果(H24) (単位:千円) 需要家費 固定費 変動費 合計 人件費 0 143,199 143,199 薬品費 7,980 7,980 動力費 118,480 118,480 修繕費 43,704 43,704 減価償却費 1,151,560 1,151,560 資産減耗費等 11,512 11,512 その他 維持管理費 154,209 154,209 支払利息 440,578 440,578 受水費 1,083,693 980,526 2,064,219 資産維持費 566,322 566,322 検針・集金関 係費 207,051 207,051 量水器関係費 3,280 3,280 資産維持費 2,459 2,459 その他管理業 務費 157,642 157,642 212,790 3,752,419 1,106,986 5,072,195 総括原価の区分 原 浄 配 給 水 部 門 一 般 管 理 業 務 部 門 合計