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May 2013
Market Outlook Japan
日本経済
不動産市場
1.
東京オフィス物件市場
空室率 東京都心部のオフィス空室率は、2013年第1四半期に前年に引き続き改善した。 オフィススペースの拡張や古い自社ビルからの移転需要が非常に強く、これが昨年及 び今年第1四半期のAクラスビルの大量供給を凌駕した。CBREによれば、業種や会 社の規模に拘わらず、強いオフィス需要が認められ、IT産業に加えて、商社や製造業 も動きが活発である。 今後数年に亘りAクラスビルの新規供給が低調なので、空室率の低下トレンドは今後 鮮明になるものと思われる。 オフィスの移転が活発になるにつれ、東京都区部の空室率に区毎の差が表れ始めた。 空室率の低下が一時的な現象かどうかはウォッチしていく必要があるが、我々はこの トレンドは今後も続くものと見ている。 この4月、日本は歴史的な転換を経験した。新たな日本銀行総裁、黒田氏は、年間 6千億~7千億米ドル相当のマネタリー・ベース拡大という過去に例を見ない規模 の流動性を市場に供給する決意をした。日銀は、この流動性供給を通じ、日本国 債、株式、その他の金融資産を購入する。この日銀の超金融緩和策に反応して、日 本円の為替レートは目に見えて減価し、日本の主要な貿易相手国の通貨に対して、 年初来、平均で15%の通貨安となっている。 資産価格の上昇見通しと自国通貨安で、企業セクターのセンチメントが大幅に改 善している。例えば、製造業景況感指数(PMI)は、昨年12月の45.0から、今年 4月には51.1へと改善している。日本経済の見通しは劇的に改善した。今後、時を 追って、この上昇基調は強まって行くものと考えられる。インフレ率も、今年2月の マイナス0.7%というデフレ・ゾーンから脱却し、今年の年末にはプラス0.5~1.0 %のインフレ・ゾーンに達するだろう。 (メッツラー銀行傘下のメッツラー・アセット・マネージメント チーフ・エコノミスト エドガー・ヴァルク フランクフルト、ドイツ)May 2013
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賃料水準動向
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東京都心のAクラスビルの賃料は、2013年第1四半期に明らかに上昇し始めた。CBRE は、今後1年のあいだに5~7%上昇すると見ている。これは、昨年末の上昇予想を2%上 方修正したものだ。 我々は、東京都心5区の賃料が今年後半から上昇し始めると考えている。 最近の大型オフィス物件の取引事例 株式市場の活発化を受けてJ-REITsが大型物件の購入者として圧倒的な立場にある。 資金力のある日系企業とゴールドマン・サックスのような多国籍投資家が幾つかの物件を 購入した。
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2.
居住用物件市場
アパート賃料水準動向 首都圏の賃料は弱含みではあるものの、年率の変化率は1%以内であり安定して いる。 消費者の景況感が著しく改善していること、また2009年以降賃貸住宅の新規着 工が低調なことから、我々は、そう遠くない将来に賃料も上昇し始めると考えて いる。6
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3.
投資用物件市場
機関投資家の投資動向 2012年12月現在、J-リートと私募ファンドは26.5兆円相当の物件を運営管理下に 置いている。J-リートは順調に資産規模を伸ばして来たが、私募ファンドは、2012年 6月と比べて、6,000億円落としている。三井住友トラスト基礎研究所の調査による と、この間、グローバルな投資顧問会社が新たなファンドの立ち上げで主役となった一 方で、幾つかの投資法人は満期の近づいたファンドの中の物件を売却していた模様で ある。こうした物件の売却には、新規のJ-リートを設立するためのものが含まれる。 J-リートの保有物件残高は、2013年第1四半期に6,820億円増加した。この第1 四半期のJ-リートによる物件購入額8,000億円は過去最大であり、2012年の年 間購入額7,880億円をも上回る。第1四半期の増資額も、2件のIPOを含 め、3,420億円となり、過去最大を記録した。 オフィス物件:三井不動産がスポンサーであるNBFリートが、実に1,300億円に も上る物件投資をこの第1四半期に行った、この中には、この四半期における最大 の取引である、ソニー大崎ビルの60%持ち分の取得(667億円)がある。J-リー トは、総じて、過去数年に比して大きめの物件に投資し始めた。殆どの物件は50 億円を超えており、地域も東京のみならず、大阪、名古屋、札幌のような大都市へ と拡がりを見せている。アクサと三井住友信託銀行グループが共同で、東京の大規 模オフィスビルを2件、立て続けに購入した。ひとつは築22年の新宿のビル、もう ひとつは築3年の東京駅に近い京橋のビルであり、投資総額は2件で100億円。M GPAアジア・スペシャル・ファンドが2件の中規模オフィスビルを購入した。いずれ も築20年超の物件であり、ひとつは新宿、もうひとつは大塚のビルである。嘗ての8
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居住用物件:東急不動産がスポンサーであるコンフォリア・レジデンシャル・リートが 53物件総額710億円の運用資産規模を持って新規上場を果たした。取得金額ベース では96%が東京23区内の物件である。J-リートが物件をひとつひとつ購入するの ではなく、ポートフォリオで購入するのが主流になってきた。また、主要なJ-リートが スポンサーのブリッジ・ファイナンスの能力を活用するようになっている。伊藤忠がス ポンサーであるアドヴァンス・レジデンスは12物件を総額220億円で取得した。取得 金額ベースで66%が東京23区内の物件である。三井不動産がスポンサーである日 本アコモデーション・リートは12物件を総額180億円で取得した。取得金額ベースで 94%が東京23区内の物件である。三井不動産の私募リートが目黒区の2物件を取 得した。合計で、ステュディオからスリー・ベードルームまでの236の賃貸ユニットで ある。大和証券グループは、ワン・ベッドルームだけ48賃貸ユニットの中央区の小規 模物件を取得した。同社は、東京の居住用賃貸物件に特化した私募リートを設立する 計画を持っている。グロブズナーは、アジアの投資家と共同で、港区の築3年の高級 居住用別件を取得した。このステュディオからフォー・ベッドルームまでの99ユニット の物件を、新たにリノベートする計画である。また、デンマークのスパーインヴェスト が名古屋で4物件、総額45億円の物件取得を行った。
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商業用物件:J-リートが主に東京周辺の大規模物件に投資している。丸紅が 主要スポンサーであるユナイテッド・アーバン・リートが西東京のメイン・ターミ ナルである吉祥寺駅前の商業ビルを280億円で取得した。三井不動産がスポ ンサーであるフロンティア・リートは池袋の商業用物件を200億円で取得した。 オリックス・リートは川崎市の郊外型商業モールを130億円で取得した。三菱 商事がスポンサーであるドリーム私募リートは、銀座の中規模商業ビルを取得 した。この物件はZARAが一棟借りしている。ソロス・リアルエステートからス ピン・オフしたグローブ・インターナショナル・パートナーズが銀座で、債権者の 抵当物件処分だと思われる新築の中規模空き物件を取得したようだ。また、米 国のエリオット・マネージメントが大阪のユニバーサル・スタジオ近くのショッピ ング・モール(売り場面積11,000平米)を住友商事から取得した。同じく米国 のオークツリーが札幌市内の大規模商業ビルを上場廃止となったオ-ストラリ アのリート、ルビコン・ジャパン・トラストから購入した。また、オーストラリアの リート、アストロ・ジャパン・プロパティー・リートを含む内外の投資家連合が、 東京郊外の居住用・商業用複合施設の商業用部分を40億円で購入した。 産業用物件:シンガポールのグローバル・ロジスティックス・プロパティーズがス ポンサーであるJ-リート、GLPリートが昨年末に上場して、今年第1四半期に 33の物流施設を総額2,210億円で購入した。米国のプロロジスがスポンサー である日本プロロジス・リートも、12物件、総額1,730億円を立ち上げ資産とし て上場を果たした。その他の産業用物件を対象とするJ-リートも引続き物件 を購入している。 ホテル:丸紅がスポンサーであるユナイテッド・アーバン・リートが2物件を総額 70億円で購入した。ひとつは新宿区四谷、もうひとつは名古屋の物件である。