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20年測量士試験答案採点委員

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Academic year: 2021

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注:本作品において、カタカナの「パ」は、「ペ」と読み替える場合があります。 「僕の奥様は女王陛下」 作:浜造堕 第1部 ―なりそめ― 目の下に広がるペルシャ絨毯の模様を見つめていると、宇宙の深遠の中を漂っているよ うに思えてくる。しかし、そんな幻想的な思いとは裏腹に両腕は疲れきっていた。僕の背 中の上に座られた女王様の重みで耐えられないほどの苦痛を味わっていた。といって、こ こで潰れる訳にはいかない。女王様に恥をかかせてはならない。そんな事になったら、僕 は、廃棄奴隷にされ、二度と女王様に、お目通りする事すら叶わなくなってしまう。そん な悲しい事にならないよう、ただ頑張って堪えるしかなかった。 4時間にも及ぶ会議で、2回の休息が入っただけだ。議場の他の人間椅子達は休息の度 に交換されるが、女王陛下の専属奴隷である僕には交代してくれる他の人間椅子はいない。 最初の内は汗も滴っていた。しかし、今は水分も涸れ果て、脂汗が滲み出て来るだけだ った。あとは自然に潰れるまで、耐え忍ぶしかなかった。 「イラソ首長国連邦政府に採掘権の一部を譲渡します」 女王様が発言された。 「そこまで、譲歩する必要はない。我々は勝利しているのだ」 元老院議員の誰かが発言している。案の定、ブーイングが幾つも囁かれた。 女王様の言われるとおりで良いのだ、それで良い。もう石油の時代は終わっている。い まさら石油の採掘権に固守しても益はない。 「今、勝利を明確にする事は、次に隣国及び世界と対峙する事になるでしょう。今は耐え る時です。この勝利を世界の目から隠さなければいけません。その代わり実質的な勝利を 手にしましょう。我が経典に法った世界を作るための第一歩とするために」 力を込めて女王様が発言された。同意を表す拍手が議場を揺るがせた。

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「これで、イラソ首長国連邦内におけるワンダ女権国の発言力は増すでしょう。今から流 れが変わるでしょう。我等がキリスト・マリアマグダラが定めし、正しき教えが世界に認 められる日まで、あと少しです。やがて人類の救済に貢献出来る日までの辛抱です。元老 院最高会議に御出席の皆様方の英知に感謝いたします」 女王様が立ち上がられた。スーッと背中の上から重みが消えた。 僕には見えない、きっと女王様は片手を上げられて歓迎の拍手に応えられておられるの だろう。全てが上手く行っている。これでワンダ女建国も安泰だ。予言の書に書かれてい るとおりに歴史が動き出している。ここに世界が変わる第一歩が標されたのだ。 僕の股間から伸びる真っ赤な手綱を女王様が牽かれた。股間が引っ張られたので、僕は それに従って円卓の後ろの通路に出る。大きな拍手が議場に木霊していた。会議は大成功 だった。女王様は満面の笑みを湛え、元老院最高会議の 100 名の議員に片手を上げて応え られていた。女王様が右側へ回り込まれて、そちら側の議員席の後ろを歩かれ、出口に向 かった。僕も牽かれて四つん這いで着いて行った。 議場に入ってきた時は反対側から右に回り込んだ。そちら側から見るペルシャ織の絨毯 の模様は、まるで憂鬱さを映し出したように重みのある濃く深い赤の表情だったのに、退 出する今は、その様相を変えてピンク色の明るい表情を見せている。ペルシャ絨毯は見る 方向によって雰囲気をガラッと変えるものだ。この議場のインテリアは、そこまで考慮さ れているのだった。 外光の射す明るい回廊に出てもペルシャ絨毯が敷き詰められていた。それは四つん這い で歩く奴隷の膝の為を思ってのものではないのだろうが、奴隷である僕にとっても負担が 少なく好ましいことだった。 回廊に出たとたん、いきなり股間が強く引っ張られた。女王様が急くように早足で歩か れていた。当然、僕もそれに従うしかなかった。女王の控の間まで30mはあっただろうか。 エリザベーラは飛び込むように部屋に入り、後ろ手で鍵を掛けた。そして、部屋の真ん中 まで歩くと僕を見下ろし、両膝を折り、正座して控えている僕の目線まで顔を下ろしてき た。 エリザベーラの両手が僕の顔を抱え、唇を重ねてくる。僕もそれに応えるように、エリ ザベーラの身体に両腕を回し硬く強く彼女を抱きしめた。唇が離されると、エリザベーラ の喜びに満ちた青い瞳が、僕の目を見つめ返してくる。 「愛しているわ、隼人さん」 エリザベーラが嬉しそうに続けて言った。 「やったわ、大成功。これも、みんな隼人さんのお陰よ。ありがとう」 「エリザベーラの努力と意志の強さの為せる業です。僕は予言の書に記されているとおり に行なっただけです。でも上手くいって良かった。ここから世界が変わるでしょう。経典 の教えに間違いのない事が証明されていくでしょう。エリザベーラが、それを成し遂げる のです。大丈夫、きっと上手く行きます」

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僕はエリザベーラの青い瞳を見つめて言った。 「隼人さんと一緒なら大丈夫よね」 エリザベーラと僕は再び強く抱き合い、口付けを交わしたが、すぐにエリザベーラは立 ち上がった。その目が泳いでいる。 「女王様、大丈夫です。仰って下さい」 僕はエリザベーラに向かって訴えた。 「本当に大丈夫なの、隼人さん?」 確かめるように、エリザベーラは僕の顔を見つめている。 僕は頷いた。 「ごめんなさい、・・・・!」 僕に向かって女王様が初めて命令する言葉を発した。 その言葉を聴けて僕は嬉しかった。4時間にも及ぶ会議で、僕を人間椅子として使い続 け、その信頼の上に立って、ご命令して頂けたのだ。僕は、女王様の信頼に応えなければ いけない。 立っているエリザベーラの後ろに、僕は四つん這いになって回り込んだ。真っ赤なアバ ヤと呼ばれる1枚布をたくしあげ、頭をその中に滑り込ませた。目の前にエリザベーラの すべすべで、ふくよかで陶器のような白い双球が迫る。僕はその割れ目に顔を押し込み、 真ん中の菊門に口先を押し付けて、緊張して口を開いた。僕に本当に出来るのだろうか。 でも、御命令を遂行しなければならない。僕を信頼して女王様は命令されたのだ。この命 令を確実に実行できる奴隷は他にも居た。でも女王様は、僕を信頼して御命令されたのだ。 その事が一番嬉しかった。 直ぐに、暖かく柔らかな感触の便が僕の口の中に押し込まれてきた。僕はそれを一生懸 命に飲み込み、自分の腹の中に導いて行く。空気に触れる事もなく女王様の便は、人間便 器となった僕の口の中に排出されていた。臭いが外に漏れる事はなかった。初めて食する エリザベーラの便だった。屈辱感も有った。でも、それより、エリザベーラの僕に対する 信頼と愛おしさの方が増さっていた。 僕は、エリザベーラの腰から前に両手を回し、お尻を抱えるようにしていた。ちょうど 両掌に、エリザベーラのフサフサとした陰毛の柔らかさを感じながら。僕の逸物はそれに 反応してムクムクと膨れ上がっていったが、竿の中ほどに嵌め込まれた金属の筒の中で性 の快楽を享受する事を拒否されていた。金属の筒の内側に張り出した鋲が、硬く膨らむパ ニスに強烈な苦痛を与える事となるのだ。性の快楽は僕にとっては地獄の業炎に焼かれる ようなものだった。それでも、エリザベーラをこうして抱ける事に幸せを感じていた。 エリザベーラと出逢ったのはいつの事だったろうか――。

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あの日、エリザベーラに出逢えなかったとしたら、エリザベーラの運命も、僕の運命も、 世界の運命も違ったものになっていただろう。まるで周到に用意された出逢いとしか言い ようがなかった。 前日、僕は大学の研究会の仲間と飲んでいた。二次会、三次会と飲み歩き、最後に行き つけの店に一人で入り、カウンターに座って更に飲み続けていた。かなり酔いも回ってい たと思う。気が付くといつの間にか金髪の美女が、僕の隣に座っていた。表情は少女のよ うでもあった。 彼女は僕に不思議な話をした。”明日 11 時に目白駅に行くと僕の運命を決する人に出逢 える”と言うのだ。 金髪の美女なのに不思議と僕には違和感がなかった。なんだか肉親と接しているような、 そんな親密感さえ感じさせる女性だった。酔っているとはいえ、金髪フェチの僕にとって は忘れようもない出来事だった。 朝、泥酔している僕の頭の中に、高校生の妹、夢子の甲高い声が割り込んできた。僕の 部屋の放送設備を通して呼び掛けられたので、頭に響き、とても五月蝿かった。僕は、妹 の声を無視してでも寝続けて居たかった。今日は授業もなかったし、大学へ行かなくても 良い。昨日は、その心算で飲んでいたのだ。 「隼人お兄さま。大学の担当教官と言う人から電話が入っていますよ。早く出て下さい」 夢子の声が部屋中に響き渡っていた。 「解った、切り替えてくれ」 僕の研究テーマの担当教官は、老齢の学会でも重鎮と目される教授だったが、僕に対し ては、とても一生懸命に面倒を見てくれていた。それに結構優しいところもあり、僕の無 理は大概聞いて貰っていた。ところが今日は、どうしても話したいことがあり、学校に出 てきて欲しいと言うのだ。僕は二日酔いで、とても学校には行けないとお断りしたのだが、 教授はそれでも構わないので出てくるように強く僕を諭すのだった。仕方なく、昼過ぎな ら学校に行けると思うと答えたのだが、教授は昼にはいなくなるので11 時半までに教授室 に来るようにと一方的に言われてしまった。 仕方ないと思い、僕は漸くベッドから身体を起こした。11 時半まで、そんなに時間的な 余裕もない。 ラッシュを避けた朝の遅い時間帯にも拘らず電車内は混み合っていた。都市への人口の 一極集中は止む事がなく、首都圏100Km 以遠では、中核都市を除き過疎化と温暖化による 高温多湿のため、人手の入らなくなった広大な遊休地はジャングル化の様相を見せていた。 国内は人口の激減に見舞われているとはいえ、首都TOKYOは衰える事を知らないよう に、電車内は今日も人で溢れかえっていた。

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漆黒に描かれた窓の外が、駅のホームに滑り込むと明るく輝く。足元まで見渡せる大き な窓からはホームの様子もよく見えた。 電車が止まる瞬間、ホームに金髪の大柄な女性が歩いているのを目に留めた。金髪フェ チの僕は、その美女を目で追った。飲み屋で声を掛けてきた女性かもしれない。 昨日の不思議な美女との事が思い出されたが、店内は暗かったので、ちゃんと顔まで確 認できた訳ではない。同一人物だったかどうかなど解らない。 電車が止まり、ホームのドアと電車のドアが同時に開いた。ホームに出ると僕は、その 金髪の美女を捜した。彼女はキョロキョロと辺りを見回しながら、改札のあるエスカレー タに向かって歩いていた。僕も彼女の向かう改札に急いだ。 首都TOKYOの地上からは、あらゆる交通機関は姿を消していた。全ての交通機関と 車道は地下に集約されている。そのため、電車の駅は地下の深部にあり、電車を降りても 地上に出るまでには、ある程度の時間を要する。それが難と言えば難と言えないこともな い。 改札付近で彼女は一人で立ち尽くしていた。輝くような金髪の下に明るいブルーの瞳が 印象的に光っていた。僕はすっかり魅せられてしまい、困っている様子の彼女に近づいた。 昨日出会った金髪の女性とは違う。昨日の女性は、僕と同じぐらいの年代だった。ここに いる金髪の美女は、まだ10 代末だろう。雀 斑が顔に、まだ残っている。しかし、身長は僕よりも頭1つ分、完全に高かった。 身長差に圧倒されながらも、彼女を見上げて英語で声を掛ける。ところが英語は、まっ たく通じなかった。彼女が俯いて僕を見つめていた。 「アッサラーム、アライコム」 驚いた、アラビア語だ。僕が話せるのは日本語、英語とアラビア語だけだったので、ア ラビア語を話す少女を見上げて嬉しくなってしまった。まだ幼く美女とは言えない彼女に 話し掛けてみた。 事情を聞くと、大学の入学手続きに訪れたのだけれど、書記官と逸れてしまい捜してい るとの事だった。僕は彼女と駅事務室へ行き放送設備を借りて、アラビア語で、その書記 官へアナウンスして呼び掛けてあげた。 それほど待つ事もなく、全身を黒い民族衣装で覆った書記官が駅事務室に現れた。アバ ヤと呼ばれる1枚布で出来た黒い民族衣装で全身を覆い、頭からはシェイラと呼ばれるス カーフで顔を隠した姿は、雑多な国際都市TOKYOであっても目を引くものだった。 地上に出ると、G大学の西門はすぐ近くにある。青空の下、満開の桜が春の訪れを告げ ていた。 正門近くにある事務棟まで案内し、別れ際に、入学したら僕の主宰する研究会に入って くれるようお願いした。事務棟前で魅力的な金髪の彼女に再び会える事を願って別れた。 教授の指定した時間が迫っていた。僕は急いで教授室に出向いたが教授は不在だった。 教授は、どこから僕に連絡を寄越したのだろうか。とにかく、あの電話1本が、僕の運命

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を決定付けた事に違いはなかった。後日、教授に確認したところ、そんな事をする筈がな いと否定された。確かに、そんな無理を言う 教授ではなかった。 僕は、金髪の美女に会えた喜びで、教授とのそんな些細なトラブルはすぐに忘れてしま った。ただ、僕の運命を変えた、その事実を、いつまでも忘れられなかった。 僕は宮家の3男坊として生まれた。100 年前には女系継承問題で揉めた時代を経て、必然 的に女子にも皇位継承が認められるようになり、女系宮家も幾つか誕生するようになると、 継承権の末端に位置する僕になど公式の場で活躍するチャンスも与えられなかった。と言 って就職も難しく将来に不安を抱えたまま4回生へと進級した。 昨年、僕は国際問題研究会とは別に中東問題研究会を立ち上げ、そこの部長に納まって いた。学校の性格上、積極的な政治批判は行えなかったが、僕は古代の中東世界に興味を 抱いていた。 ユダヤ教から離れて発展してきたキリスト教圏とイスラム教を成立させた中東圏の対立。 十字軍による中東地域への虐殺を経て膨らむ増悪の歴史。そして19 世紀から始まるエネル ギーの争奪戦を経て、世界の火薬庫と言われた時代。最後に21 世紀に入ってからの終局の 大混乱時代を迎え、中東各国の大編成が為された。太古の昔より、石油に対する魅力が失 われるまでの間、ゴタゴタの絶えない地域だったが、思いを馳せれば5000 年を数える歴史 の蓄積がこの地域にはあった。なんと魅力的な場所なのだろう。僕は、そこに魅せられて 研究会を立ち上げたのだった。 大学のキャンパスの新緑も生え揃った4月末、僕の主宰する研究会にも幾人かの新入部 員があった。驚いた事に、その中に、あの金髪で長身の美女、エリザベーラの姿もあった。 僕の誘いを覚えていてくれたのだ。 僕は当然のように部長の特権を生かして、彼女と国際政治について積極的に個別討論を 展開した。特に彼女が生まれ育った中東の混乱した不幸な歴史を紐解き、現代に繋がる政 治体制と、今後のあるべき姿について議論を進めた。しかし、彼女の考え方はアラブ側か ら見た被虐の歴史観しかなく、非常に狭い中東の一部族からの視点でしか世界情勢を捉え る事が出来ていなかった。僕は彼女に21 世紀初頭の混乱した中東情勢から紐解き、後半の 世界政治体制を把握できるように教え、世界が平和を維持するために、どう政治を動かし て行かなければならないのかを議論した。 ただその時、エリザベーラの世界観がイスラム教による影響を殆ど受けていない事を感 じた。彼女の信仰する宗教は、ユダヤ教から発したキリスト教や7世紀頃に発生したイス ラム教の教義とも、少し違っている事にも気が付いた。しかし、この宗教観の違いから来 る世界観の捉え方の違いを、我々島国の人間は感じ取る事が出来ず、どうしても、そこの ところは曖昧になってしまった。 エリザベーラとは、部長と新入部員と言う関係は最初の内だけで、すぐに恋人同士の関 係に発展した。1年後、僕はG大学を卒業し、籍を大学院に移した。その後、エリザベー

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ラが卒業するまでの3年間を恋人同士として楽しく過ごす事が出来た。 エリザベーラが4回生となった時、僕は意を決して彼女に結婚を申し込んだ。しかし、 宮家の人間が結婚するには難しい問題が様々ある。宮家を出るに当たり、先ず経済的に自 立しなければならない。独立のための一時金は貰えたとしても、その後の収入の道を見つ けなければならなかった。さらに、彼女の国にも認めてもらわなければならない。ところ が、エリザベーラの国には婚姻制度そのものがなかったのだ。この二つをクリアする事は 不可能に思えた。僕は諦めて、エリザベーラが大学を卒業して帰国するのを指を咥えて見 ているしか道は残されていなかった。 その頃、僕を密かに追いかけていたマスコミの記者が一人いた。どこからの情報なのか、 彼女の生い立ちまで調べ上げていた。エリザベーラは、アラブ圏の中にある小さな自治区 内の小国の王女様だった。境遇も僕と似ていて、沢山の兄弟姉妹の末の方に位置している ため、国王の継承権も末の方だった。それ でも王女様には違いがなかった。 最初の内こそ小さな報道だったが、直ぐに興味本位の国民性を煽りだした。 『宮家の三男坊主と、アラブの王女様の恋』と言うタイトルが、ネット上を駆け巡った。 それが追い風になり、僕を雇いたいと言う企業が幾つか名乗りを上げたのだ。彼女の国の 許可が得られないのであれば、僕の国でそのまま暮せば良い。いずれ彼女の国にも婚姻制 度が出来であろう。その時、エリザベーラが望むのであれば、彼女の国に僕も一緒に戻っ て暮らしても良い。僕が、エリザベーラの事を全面的に支えるだけなのだ。何の問題もな い。 こうして僕達は、マスコミに踊らされた形で結婚した。盛大な結婚式はテレビ放映もさ れ、マスコミの絶大な援助の下で執り行われた。ただ、エリザベーラの国からは無視され たかのように、書記官のファミーレさんと護衛官の二人にしか参列して貰えなかったが、 僕は、エリザベーラをしっかりと支えた。何があろうと僕は、エリザベーラのために自分 を捧げる決意が出来ていた。僕は“ヤプー”男児なのだ、と意気込んでみた。 マスコミのクルーも同行して世界一周の新婚旅行に出た。すでに、エリザベーラはマス コミ受けするほどの美女に育ち、18 歳で大学に入学してきた頃の雀斑だらけの少女の面影 は、どこにも残っていなかった。 先ずは常夏のハワイに飛び、それから北アメリカを横断し、中米から南米へと旅を続け た。南極大陸に立った時には、丁度、夏の訪れる直前だった。オーロラの下で抱き合う姿 がヤーパンで放映されていた。 温暖化の影響は南極大陸に一番影響を及ぼしていた。それでも大部分の大陸氷は健在だ った。極点を経由してアフリカにはケープタウンから上陸した。ケニアを経て、インド洋 シェーシェル群島に逗留している時に、そのニュースが飛び込んで来た。 スコールが通り過ぎた後に陽射しが戻ると、僕はマスコミへのサービスの心算で、エリ ザベーラの大きな身体を御姫様抱っこして持ち上げてカメラに向かってポーズをとってい

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た。ビキニの水着姿の、エリザベーラは、とても香しくエロチシズムに溢れていた。エリ ザベーラの真っ白な両腕が僕の首に回されている。当然に僕の股間は勃起して、エリザベ ーラの尻に圧迫され、もがいていた。同行の取材クルーが、そんな僕たちにカメラを向け ていた。そこに、いつも黒いアバヤで身を覆ったファミーレさんが、今日に限って黒のビ キニ姿のままで現れた。僕はファミーレさんの均整の取れたスタイルに気を取られてしま ったが、ファミーレさんの手には携帯ディスプレイが握られていて、その画面を、エリザ ベーラに向けて見せた。 「どうしたの、ファミーレ」 エリザベーラが訊ねた。 「エリザベーラ。女王陛下の別宮にミサイルが打ち込まれました。丁度、陛下の誕生パー ティーが行なわれていた時でした。王族の方々、全てが集まっておられたようです。全員、 死亡されたとの事です。爆発は1メガトン級の核爆発に匹敵するものだったようです。… …それで、エリザベーラが、女王継承権のトップになってしまいました」 ファミーレさんが淡々と告げる。 「誰か、助かった家族は居なかったの」 驚いた様子も見せず、エリザベーラが聞いた。 「妹のセルベリーナさんと、兄のヤーコブは巻き込まれなかったようです」 「そう、それは良かったわ」 エリザベーラが口先だけで答えた。 「どうしましょう、エリザベーラ。すぐに国に戻らなければ」 ファミーレさんが慌てたように言った。 僕は、エリザベーラを砂の上に降ろした。エリザベーラはコテージの方へ歩いて行った。 ファミーレさんも従って着いて行った。僕は椰子の下のベンチに腰を降ろした。僕には何 もしてあげられなかった。もうヤーパンには帰れないかもしれないなと、漠然とした、そ んな予感を感じた。 エリザベーラが決断するなら、僕は、エリザベーラとともに彼女の国に行く事を選ぶだ ろう。どのような試練が待っているとしても、エリザベーラが一国の国民を見捨てるはず がないと僕には思えた。ところで、女王陛下の亭主にはどのような処遇が待ち構えている のだろうか。エリザベーラの苦悩も理解できず、僕は勝手にアラブでの王宮生活を夢想し て浮かれていた。 昼下がり。僕は大きく欠伸をしてベンチに身体を任せた。目蓋が重かった。波の音も心 地良い。 どうやら、そのまま眠ってしまったようだ。オレンジ色の空を背景に、黒いシルエット

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の、エリザベーラが目の前に立っていた。 「御目覚めね、隼人さん」 エリザベーラが優しく声を掛けてくれた。 「眠ってしまったようだ。エリザベーラの方は大丈夫かい?」 僕は彼女の国で起こったことを思い出して心配して聞いた。 「えぇ、大丈夫です。家族と言っても、いつも離れ離れに暮らしていましたから、皆がミ サイルの爆発で死んでしまったと言っても、それほど強烈なショックも悲しみもありませ ん。それよりも、今後の事を考えると憂鬱になります。 私には女王として国を治める義務が生じてしまいました。貴方の国の法律であれ、私は 隼人さんと結婚したのです。隼人さんと別れて暮す事は出来ません。私の国に一緒に来て 頂きたいのですが、私の国には婚姻制度も夫婦で一緒に暮らすと言う習慣もありません。 そこで長老達に相談しています。何とか一緒に暮らせる方法がないものかと。今、少しお 待ちになって、隼人さん」 エリザベーラが申し訳なさそうに言った。 「大変な事になってしまったね。僕の事など二の次で構わないから、先ずは国へ帰った方 が良いだろう。僕なら、エリザベーラと一緒に行くから、何とでもなるさ」 僕は、エリザベーラの苦悩を少しでも和らげてあげたいと思った。 「隼人さん、ありがとう。明日の朝にも返事が来ると思います。それまでは待ちます」 僕の横に腰を降ろし、エリザベーラが耳元で囁いた。 僕の両腕は自然に、エリザベーラの身体に回り、抱きしめていた。手を繋いでコテージ のベッドルームへ移動した。エキゾチックな南国の雰囲気の中で二人は激しく求め合った。 こんなにも激しい男と女の営みは初めてだった。でも、これが、エリザベーラとの最後の 営みになろうとは思ってもいなかった。 翌朝僕は、エリザベーラのために朝食をベッドまで運ばせた。彼女の女陰へ舌先での愛 撫、それが彼女を目覚めさせる御決まりだった。僕は、エリザベーラの剥き出しになった、 こんもりと盛り上がった黄金の陰毛の小山に顔を埋め、舌先を伸ばした。女陰の筋に沿っ て舌先を尖らせて刺激する。エリザベーラの 身体がピクピクと反応していた。僕は尖らせた舌先を、お腹から臍へと這わせて行く。大 きな胸の膨らみを掌で押し上げ、乳輪の周りへも舌先を這わせる。胸の谷間に顔を突っ込 み、そこから首筋、顎へと舌先を這わせて行く。そして、エリザベーラの唇に僕の唇を重 ねる。 エリザベーラは目覚めていた。そんな僕を見つめて強く抱きしめてくれるのが、エリザ ベーラの朝の日課だった。僕は子犬のように、エリザベーラの胸に抱えられ、幸せを堪能 していた。 ノックの音と伴に部屋のドアが開かれ、ファミーレさんが慌てて入って来た。僕とエリ ザベーラは裸で、ベッドの上で抱き合ったままだった。

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「失礼します、エリザベーラ。専用機が空港に到着しています。すぐに出掛けますよ」 ファミーレさんが急かすように言った。 「何を着て行けば良いかしら、ファミーレ」 エリザベーラが両手を開いて裸体を晒して見せた。エリザベーラの、たわわな胸が揺れ ていた。 「そのままでも大丈夫です。専用機の中に全て用意は整っています」 ファミーレさんが微笑んだ。 取り敢えず、エリザベーラと僕は、その辺に脱ぎ捨ててあるものを身に着け、外へ出た。 海際の道路にタクシーが3台止まっていた。黒いアバヤに身を包んだ、エリザベーラの国 の役人達が待ち構えていた。エリザベーラが近づき声を掛けた。少しやり取りがあり、エ リザベーラが僕の方を向いて手招きした。僕は彼女に近づき一緒にタクシーに乗り込んだ。 海際に椰子の林が立ち並んだ空港の滑走路に、真っ白な優雅な姿を見せる政府専用機が 晴れ渡った真っ青な空の下に駐機していた。僕と、エリザベーラとファミーレさんはタラ ップを登った。報道クルーの2名も同乗しようとしたが、タラップの下で待機していた黒 いアバヤの政府の役人に拒絶されていた。 専用機は、すぐに動き出し離陸した。エリザベーラは僕の隣の席に座って手を握ってく れていたが、機が上昇を止めると安全ベルトを外し前方にあるオフィススペースへ姿を消 した。 「隼人さん、大丈夫ですよ。エリザベーラは、貴方の処遇について、国の長老達に掛け合 っているところです。きっと良い解決策が提案されるでしょう」 向かいの席に対面して座るファミーレさんが、微笑みながら僕に言ってくれた。 エリザベーラは、なかなか席に戻って来なかった。その間、僕はファミーレさんから、 イラソ首長国連邦についてのレクチャーを受けていた。 脱石油の流れの中で、アラブ地域から利権を漁る国々が撤退していった。その影響で民 族間の覇権争いが一時的に激化した。その混乱も、やがて収束を迎え、21 世紀後半に入り 幾つかの国に再編されていった。彼女の国、ワンダ女建国は幾つもの小国が集まり、イラ ソ首長国連邦を形成した中の一つに含まれて いた。 ワンダ女建国の政治形態について話が及んだ時に、真っ赤なアバヤに着替えた、エリザ ベーラが戻ってきた。その艶やかな赤色は、女王の威厳を醸し出していた。しかし、エリ ザベーラの表情は険しかった。僕も、その表情に接し笑顔を返せなかった。 僕の不安な表情を察して、エリザベーラはすぐに笑顔に作り変えた。 「大丈夫です、隼人さん。長老達は2つの提案をしてくれました。1つは私のサーバント として仕える事。もう一つは、外国人政治顧問として王宮の外から、私に助言を与えてく れる役職に就く事です。サーバントとは、私の世話係のようなもので、常に私と一緒にい る事が出来ます。外国人政治顧問は、首都にオフィスを持って年に数回、国外情勢につい

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て王宮に来てレクチャーする役職です。常に一緒にいられるのはサーバントなのですが、 これは私の従者という事で、隼人さんの自尊心を傷付ける事になってしまいます。詳しい 内容は到着してから担当の役人が説明してくれますから、王宮に着くまでに決めて下され ば良いのです」 さらに、慎重に言葉を続ける、エリザベーラだった。 「大丈夫です。どちらを選んだとしても、隼人さんを恨むことはありません。私の国の中 では男性が就ける仕事は限られています。ですから、詳しい説明を聞いてから、ゆっくり と考えて下さい」 「今、丁度、国の事を話していたところです」 ファミーレさんが言った。え!? 何にも聞いていないよ。心の内で僕は言ったが、エリザ ベーラの大変さを思うと口には出せなかった。 「良かったわ。では、多少の事情は解って貰えているのね。詳しい事は、役人が説明して くれますから、それで判断して下さい、隼人さん」 専用機はすぐに着陸態勢に入った。窓から見下ろすイラソ首長国連邦は、黄一色の世界 だった。広大な砂漠には無数のデューン(砂丘)が連なり、風が砂を舞い上げていた。 “当機は、ワンダ女建国、サディスチン空港に到着いたします。到着するまで座席ベルト の着用をお願いします” インフォメーションが告げていた。 何の抵抗もなく専用機は空港に舞い降りた。 扉が開くとエキゾチックなアラブの楽曲が専用機の中にまで聞こえて来た。同時に、エ リザベーラの表情はキリッと引き締まった。僕は手を伸ばし、エリザベーラの頭を自分の 方に引き寄せて口付けした。 僕から求めて口付けするのも、これが最後のものとなった。 「少し待っていて、すぐに迎えが来ますから」 「うん。解ったよ、女王陛下」 僕は茶化すように言った。 「僕の奥様が女王陛下になるなんて思ってもみなかったよ」 僕は微笑んだ。 彼女の心境が、どんなものだったのか僕には想像も出来ない。エリザベーラは扉に向か って歩いて行った。ファミーレさんも後に続く。僕は窓から、エリザベーラを追って外を 眺めた。 専用機の下に、十数人の軍楽隊が並ぶ。そして、黒塗りのリムジンが2台、専用機のタ ラップの脇に駐車していた。21 世紀初頭に作られたものと思われるリムジンの脇には、数 人の黒いアバヤを纏った出迎えの役人が並んでいる。完全なガソリンエンジン車だった。 真っ赤なアバヤの、エリザベーラと黒いアバヤに着替えたファミーレさんがタラップか ら降り、前方のリムジンへ歩いて行く。エリザベーラが迎えの役人と話を交わしてから、

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すぐにリムジンに乗り込んだ。 窓の外を注視していた僕の肩を誰かが叩いた。振り返ると、黒いアバヤにシャイラを被 った黒尽くめの女性が立っていた。 「隼人さんですね。私の後に着いて来て下さい」 澄んだ声の女性だった。 僕は立ち上がり、彼女の後ろに着いて専用機の扉を潜った。外のタラップに立つと、凄 い熱気が僕の身体中を包んだ。服の裾からも熱気が身体に滲み入ってくるようだった。身 体に叩き付けられる陽射しが無茶苦茶に暑かった。その強烈な陽射しの下、足元の砂の上 に出来た小さな僕の影は漆黒の穴のようにも見えた。眩しさに目を細めて前を見ると、エ リザベーラを乗せたリムジンは既に出発を待つばかりになっていた。 後ろのリムジンに近づくと、前のリムジンのドアが開き、真っ赤で艶やかなアバヤをは ためかせて、エリザベーラが飛び出して来た。僕に駆け寄ると、その大きな身体で僕を抱 き締め、唇を重ねて来た。長い時間、僕達は抱き合ったまま唇を重ねていた。 頭の天辺が陽射しに晒されて熱い。僕の舌先は、エリザベーラの口の中で引き千切られ るほどに強く吸い込まれていた。長い長い口付けから、漸く、エリザベーラは唇を離した。 「隼人さん、明日には逢えます。それまで我慢して下さい」 エリザベーラが切羽詰ったように言った。 「大丈夫だよ、エリザベーラ。僕はヤーパン男児だ、明日までちゃんと待っているから、 心配しないで君の職務を果たすんだ」 エリザベーラの両肩に手を置いて、安心させるように言ってあげた。 しかし、エリザベーラとの対等な口付けも、これが最後のものとなってしまった。 「そうね、私の見込んだ隼人さんですもの、大丈夫に決っているわね。でも、無理はしな いで、隼人さん」 相変わらず心配そうな、エリザベーラだった。何だか、僕まで不安になって来る。 「行くんだ、エリザベーラ」 エリザベーラの両肩を突き放して僕は言った。それでも僕の気持ちは、ちっとも大丈夫 ではなかった。リムジンに乗り込む前に、エリザベーラが僕に向かって片手を挙げて微笑 んだ。 輝くような長い金髪の髪、透き通った青い瞳、普通に愛おしく、エリザベーラを見る事 が出来たのも、これが最後のものとなった。続いて僕も、後続のリムジンに乗り込んだ。 既に僕の乗り込んだリムジンの後部座席には、一人の黒いアバヤとシェイラに身を包ん だ女官が乗っていた。僕が座るとさらに僕を挟むように、もう一人の女官が乗り込んで来 た。僕の目の前に、さっき機内まで僕を呼びに来た女官が対面して座り、僕は黒いアバヤ の装束の女性3人に挟まれた形になった。車内は運転手も含め、顔まで黒いシェイラで身 を覆った黒尽くめの異様な雰囲気だった。軽いエンジン音を響かせて、リムジンは砂漠の 中へ走り出す。

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「隼人さん、ワンダ女建国へようこそいらっしゃいました。私は、エリザベーラの昔から の親友で、アリーネと申します。エリザベーラがアル・ヤーパンで結婚したと聞いて、と ても羨ましかったのです。私の国には婚姻制度もなく結婚の習慣もありません。だから、 結婚できた、エリザベーラが羨ましかったのです。でも親友が結婚したのですから、本当 は嬉しかったのです」 僕の目の前のアリーネと名のる女性が唐突に話しはじめた。 「では、僕の事は色々聞いているのですか」 「それはもう、全て、エリザベーラから聞いています。それで、今回の、このような事態 になってしまって、エリザベーラと貴方を一緒に住まわせる方法はないものかと、長老達 からも相談を受けていました。それで、二つの選択しかないだろうという事になったので す」 僕は、そのアリーネさんに、エリザベーラから聞いた少ない情報の事を詳しく知りたい と思い尋ねた。 「エリザベーラから聞きました。一つはサーバントで、もう一つは、外国人政治顧問とか。 それで、外国人政治顧問だと年に数回しか逢えないと、エリザベーラが言っていましたが」 「数回と? エリザベーラは言いましたか。そうですね、王宮に呼ばれる事は正式には年 に2回。臨時で、もう1∼2回呼ばれる事があるかも知れませんが、後は女王陛下の買い 物の時、サディスチンの街に出掛けられますので、その時にも逢う事は可能ですよ」 アリーネさんが答えてくれた。 「そうすると、エリザベーラといつも一緒に居られる方法は、サーバントとか呼ばれる役 職しかないのでしょうか」 僕は不安に思って尋ねた。 「王宮は、全て女性によって運営されていますので、掃除夫とか下働きと言った、スード ラと呼ばれる身分では、王宮の地下部屋で別に暮す事になってしまいます。だから、日常 的にも接点はなくなってしまいます。やはり毎日、エリザベーラを御側で世話出来るサー バントなら、夜も一緒に過す事が出来ますね」 アリーネさんが説明してくれた。 「サーバントとは、執事とか従者と言う事なのですね?」 確認のために僕は聞いた。でも、アリーネさんは答えてくれなかった。僕が言ったとお りなので、答えてくれなかったのだろうと勝手に解釈した。 「解りました。エリザベーラのサーバントになります。その方が、何かと、エリザベーラ に助言したり力になったりする事が出来ます。サーバントになるにはどうしたら良いので しょうか、アリーネさん」 「大丈夫です。ちゃんと訓練も受けて貰います。その前に、契約書にサインして下さい」 アリーネさんはバッグの中から1枚の紙を取り出した。そういえば、久し振りに紙と言 う物を見た。僕は、その紙を受け取り、その紙に書かれた文字を読んだ。

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“本サーバント契約は、キリスト・マリアマグダラ法典に基づき厳正に執り行われる。” これは最初の1行目だ。そして、“専属サーバント契約書”の文字に続き、“甲:エリザ ベーラ、乙:HAYATO SAGINOMIYA、をして対等な立場において本契約を取り交わす ものである。甲は乙を専属サーバントとして所有し、キリスト・マリアマグダラ法典に基 づく教義の全ての履行が義務付けられるものとする。乙がサーバントである証拠として、 金属管をペニス亀頭下部に装着するものとする。 なお、乙の拒否により、本契約の全てを破棄する事ができるものとする。” 契約書の内容は、それだけだった。最後に、日付けとエリザベーラの自筆のサインが既 にされていた。エリザベーラは僕がサインする事を想定して、用意していたのだろう。エ リザベーラと一緒に居られるなら地獄の底にでも出掛けよう。僕は、その時そう思った。 しかし、せめて、キリスト・マリアマグダラ法典とは、どんな内容のものなのかを聞いて おくべきであった。イスラム教圏にあって、キリストの教えを守っている政治体制に安心 感を覚えたのかもしれない。キリストは愛を説き、弱者に対する救済を用意したのだ。 マグダラのマリアとは、確かイエス・キリストの妻となった娼婦だったように記憶して いる。きっと、イスラム教の別の流派の教義なのだろう。キリストを名乗るのなら、その 教義に間違いはないだろう。 その時は、そう思ったのだけれど、ところが、それが単なる僕の勘違いだった事をすぐ にも思い知らされる事になる。この時点では想像すら出来なかった。 僕はアリーネさんからペンを受け取り、エリザベーラのサインの下に自分の署名を書き 連ね、契約書をアリーネさんに返した。 「あの、3点ほどお聞きしたい事があるのですが」 僕は申し訳ないと思いつつ訊ねた。 「どうぞ。誤解があってはなりません。何なりと御質問下さい。契約書をもう一度、お返 ししましょうか」 アリーネさんが言ってくれた。 「いえ、質問だけです。契約書は納めておいて下さい」 僕は掌を広げ、アリーネさんに向けて拒否のジェスチャーをした。 「ありがとうございます。これで、エリザベーラも喜ぶ事でしょう」 アリーネさんが嬉しそうに言った。 「ところで、金属管をパニス亀頭下部に装着する、と書いてありましたが、これはどうい う意味でしょうか」 一番目の疑問を投げ掛けた。 「それは、今すぐに実行しますので隼人さんの目で確認して下さい」 アリーネさんの緑の瞳が、微笑んだように見えた。突然、僕の両脇の黒尽くめの女官が、 僕の着衣に手を掛けて、ナイフを取り出すと肌と生地の間に刃先を差し込み、僕の着衣を 切り裂いてしまった。僕は一瞬にして、真っ裸にされた。あまりの早業に僕は呆然と身体

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を硬直させている事しか出来なかった。 「股を開いて下さい」 アリーネさんが平然として言ったが、その意味が解らなかった。そんな事よりも僕の下 半身にはパンツすら残っていなかったのだ。取り敢えず僕は、両手でパニスを隠す。とこ ろが両側にいる女官に、すぐ僕の左右の腕を抱えられ、パニスを隠すどころか逆に晒しも のにされてしまった。無抵抗にダラリと垂れたパニスが、3人の女性の目の前に曝け出さ れ、縮こまっていた。せめても、と股を閉じたが惨めなパニスを隠す事は出来なかった。 「隼人さん、素直になりなさい。契約に基づき、金属管を隼人さんのパニス亀頭下部に装 着するのです。心配は要りません」 アリーネさんが、物静かに言った。 アリーネさんの手元を見ると、銀色に輝く長さ3∼4cmほどの金属管が目に止まった。 僕は恥かしさで、顔が真っ赤になっていた。円筒形の金属管は縦に割れ、湾曲した管の内 側には幾つもの鋭い突起が並んで配列され、鋭い先端が飛び出して見えた。 柔らかく伸びきった僕の陰茎を、アリーネさんは掌に乗せ、金属管を開いたままパニス の竿の部分に被せて閉じた。"カチッ"と言う音が響き、円筒管は絞まってしまった。小さな 南京錠が2個、その開閉を阻止するように繋ぎ目に装着される。その南京錠の小さな鍵を 僕の目の前に晒して、アリーネさんがポケットに納めた。金属の円筒管を嵌められたが、 特に痛みを感じなかった。僕は安堵した。それよりもパニスを晒している恥かしい状況の 方が気掛かりだった。 「あの∼、僕の着替えは……?」 とても間抜けな質問だとは思いつつ、聞かずにはいられなかった。 「サーバントに着衣は必要ありません」 アリーネさんが優しく答えてくれた。そして、黒いシェイラを頭から外すと、驚くよう な美女の顔立ちが現れた。彫りの深い顔、頭を覆う金髪。妖艶な赤い唇。グリーンの透き 通った瞳が、僕の下半身を見つめているように思えた。 僕の両腕を抱えた女性達も、同じようにシェイラを外した。やっぱり妖艶な美女揃いだ。 だた二人は、アリーネさんの白人種系のゲルマン民族とは違う、インド・アーリア系の濃い 顔立ちだった。 「エリザベーラからは、隼人さんの性感帯も聞いていますよ」 意味深にアリーネさんが言った。両腕を取られて、パニスと同じように晒し者となって いる乳首を、両側の女性が摘んで引っ張ってきた。突然、性的な刺激を受けたが、悶える に悶えられなかった。僕は一生懸命に理性を保とうとした。こんなアラビアンナイトのよ うな状況を、どう理解しようと言うのだ。さらに、アリーネさんが僕の剥き出しの亀頭の 膨らんだ部分を摘んで揉んでいた。僕の性的興奮は否応なく高まってしまった。パニスは ムクムクと膨らみ、立ち上がってきた。ところが急にパニスに強烈な痛みが襲った。 「嗚呼」

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あまりの痛さに、僕は声を漏らしてしまった。 「どうしました、隼人さん?」 アリーネさんが亀頭の先を揉みながら、わざとらしく聞いてきた。 「パニスが痛いのです。お願いです、刺激しないで下さい」 僕は慌てて懇願した。 「二人とも止めなさい」 アリーネさんが言ってくれた。 性的刺激の攻撃が止み、パニスが急速に萎えていった。徐々に痛みが遠退く。僕は溜息 を付いて、ただただホッとした。 「金属管の役目は、よく理解できたでしょう。エリザベーラにお仕えしている時に不届き な考えを持たないよう、それと避妊の効果も絶大です。もし、射精できたとしても尿道管 が潰されていますので、女性の体内に精液を放出する危険性はありません。言いそびれま したが、外国人政治顧問でしたら年に数回でも、エリザベーラに逢えた時にセックスは可 能でした。でも、この状態ではセックスも不可能ですね。今からでも契約書は破棄出来ま すよ、隼人さん」 アリーネさんの言葉が急に強気に変わっていた。僕もヤーパン男児だ。一度下した決断 を簡単に覆す事など、出来はしなかった。 「大丈夫です。ところで、サーバントとは、ヤーパン語で何と訳せば良いのでしょうか?」 既に、その言葉の意味を何となく理解してはいた。 「奴隷です」 アリーネさんが当然だと言う様に答えた。アリーネさんが微笑んでいる。全て計画どお りに進んでいると言う満足げな微笑だった。 「もう一つ、質問があると言っていましたね、何でしょう」 アリーネさんが親切に尋ねてくれる。 「別に、どうでも良い事なのですが。キリスト・マリアマグダラとは、どんな意味なのか な、と思いまして」 何だか聞くのも恐ろしい感じになってきた。 「マグダラのマリアは御存知だとは思いますが、イエス・キリストの妻の名前です。娼婦 だったとも言われていますが、生い立ちは不明です」 アリーネさんが続ける。 「イエスを救世主と崇める一団がありました。キリストとは救世主の意味です。それでキ リスト教とは、イエスの唱えた救済を目的とする宗教なのでキリスト教と呼んだのです。 そのキリスト教がユダヤ教の中から分かれたのが紀元30 年以降でした。その後の時代背景 は、混乱と戦争の支配する不幸な時代へと世界 は突き進んで行きました。それ故にイエス・キリストの唱えた救済の宗教は、その後の不 幸な世界では受け入れられ易かったのです。しかし、それは神に奉げる祝福の行為ではあ

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りませんでした。その後、紀元7世紀頃、今から1500 年前に発生したイスラム教は神に奉 げる5つの行為を義務として信徒に課しました。それを確実に実行する事で神から祝福を 与えられ、死後、天国へのパスポートが得られるのです。イスラム教は教義を重んじ、そ れを確実に実行しなければならない宗教です。それ故、同じ体験を共有する信徒達の結束 力が強まる宗教なのでした。 でも、マグダラ地方から来たと言われるマリアは、実は神の国から直接に遣わされた伝 道師だったのです。たまたま同名の地域が存在していただけなのです。マリアマグダラは イエスに人類の救済の策を授けましたが、人間同士の醜い権力抗争の中で、今のキリスト 教のような形になってしまいました。それで マリアマクダラの意思を継いだ、イスカリオテのユダとともに独自の布教活動に出ざるを 得ませんでした。 その教義を脈々と繋いできたのが、今のワンダ女建国の女王家なのです。私達の宗教だ けが世界と宇宙を救えると、キリスト・マリアマグダラは予言されています。経典の予言 の書に、エリザベーラと隼人さんの事が記されていたのです。 私達も隼人さんを受け入れるために最大限の努力をしています。エリザベーラと隼人さ んの二人が、ワンダ女建国の未来には不可欠なファクターなのです。それでも、エリザベ ーラは、サーバントの境遇がとても過酷な事を知っていますから契約はいつでも破棄出来 るように、条文に付け加えさせたのです。それが人を愛すると言う事だと、エリザベーラ が言っていました。私にも、この国の住民にも、男性を愛すると言う事は理解でませんが、 それは仕方ありません。経典に記された予言は、実行されなければならないのです。です から、隼人さんには、どんな形であれ、エリザベーラと一緒に、この国に留まって頂きた いのです」 アリーネさんが強く訴えた。話の内容が神秘的過ぎて、僕には、とても理解など出来な かった。 「その、経典の予言の書を、僕に読ませて頂けるのでしょうか」 「今は無理です。予言の書は封印されています。読んで良い時間と場所と人まで指定され ています。大法院が、それを管理しているのです。読んで良い人の中に、隼人さんの名前 があると聞いています。時間と場所も指定されていますので、その時が来たら読めるでし ょう。私が知っている事は、それだけなのです。 もし、奴隷の身分に嫌気が差したら、いつでも契約は破棄して下さい。教養を積まれた 方に奴隷の身分は耐えられないでしょう。勿論、隼人さんが契約書にサインしたとおり奴 隷として、エリザベーラに仕えるのでしたら、私達は全面的に協力します。その役目を私 が、エリザベーラから頼まれています。隼人さんの、エリザベーラへの想いが試されてい るのかも知れませんが……」 アリーネさんが意味深に言った。

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こんな真っ裸にされた恥かしい状況で、僕の、エリザベーラに対する愛を試されようと は思いもよらなかった。それよりも僕は目の前の妖艶な美女、アリーネさんに魅せられて しまっていた。 「大丈夫です。僕はヤパーン男児、ヤーパン魂を持っています。ちょっとやそっとでは挫 けません。アリーネさんが僕に、奴隷としての心得や躾を教えて下さるなら、僕は頑張り ます。アリーネさん、よろしくお願いします」 僕は情けない格好ながら胸を張った。 アリーネさんが嬉しそうに微笑んだ。 「では、私の事は今から学院長様、とお呼びなさい。それから、王宮内では奴隷は立って 歩く事は許されていません。四つん這いでの歩行が基本です」 驚くような事をアリーネさんが言った。 何も解らない僕は、言われるまま従うしかないのだろう。僕を乗せたリムジンは高い塀 の内側に入り、幾つもの尖塔が聳える王城の中を走っていた。やがて、大きなモスクのよ うな丸屋根を持つ建物の前で停車した。リムジンのドアが開くと、僕の横の女官が外へ出 た。僕も続いて、尻をドアの方に移動させた。片足を外に出して地面に立とうとすると、 突然、身体を後ろから強く押された。僕は外へ転げ出てしまった。僕の身体は砂の上を転 がり、全身が砂だらけになってしまった。倒れたまま見上げると、先ほどの女官達が黒い シャイラを顔に被り、僕を見下ろしている。 彼女達の後方に巨大な宮殿の丸屋根が聳えていた。 空は青く陽射しが暑い。空気は乾燥し、砂っぽかった。仕方ないので、僕は立ち上がろ うと地面に手を付き、身体を持ち上げ掛けた。一人の女官に僕の腰の辺りを強く蹴られた。 僕はまた転がり、仰向けに倒れた。僕を囲んだ黒いアバヤの女官達が、さらに僕を見下ろ している。 「這って、付いてきなさい」 アリーネさんが冷たく言い放った。 仕方なく、僕は四つん這いの格好になった。アリーネさんの手には長い鎖が握られてい る。僕の前に屈み込んで、その長い鎖を僕のパニスに装着された金属の円筒から飛出たフ ックに取り付けた。アリーネさんが鎖の手綱を引っ張る。僕は股間を強く引っ張られた。 僕は四つん這いの惨めな格好のまま、首を持ち上げて黒いアバヤのアリーネさんを見上 げる。僕の股間から伸びた鎖の手綱をアリーネさんは他の女官に渡すと、僕に背を向けて 歩き出した。他の女官達もアリーネさんの後に付いて歩き出した。僕は股間を引っ張られ たまま後に続き、四つん這いで歩き出すしか なかった。

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=サーバン・エリート・アカデミー= 幾人もの銃を捧げ持った兵士達が僕を見つめている。彼らは斜めに黒い襷を掛けただけ の裸同然だったが、下半身にはちゃんと黒のビキニパンツを履いていた。兵士以外の使役 人の男達もいたが、上半身は裸のままでも下半身にはやはり同じように白のビキニパンツ を履いている。彼ら兵士や使役人をスードラと言うのだろう。 全裸でペニスに鎖の手綱を付けられ、四つん這いの惨めな格好で這っているのは僕一人 だけだった。恥かしさが全身を包み、身体中が火照ったように熱かった。そんな屈辱的な 格好で王宮内の大理石を敷き詰めた回廊を 50mも這って行くと、膝頭が擦りむけて痛くな ってきた。仕方なく僕は尻を高く持ち上げて膝を付かないように足を爪先立ちして這うし かなくなった。するとたちまちのうちに頭に血が集まり意識が朦朧としてきた。そのお陰 で羞恥心は消えてしまった。 5人の女官に曳かれて僕は広い中庭に出ていた。中庭と言っても、木陰があるわけでも なく殺風景な白い砂の上に強い陽射しが焼き付けるように射しているだけ。その明るい庭 の隅に小さな建物がある。炎天下の焼けた白い砂は、猛烈に熱い。とても裸足で歩けるよ うなところではなかった。僕は、その建物の中に引きずられていった。 建物に入ると空調が効いていたが、連れ込まれた部屋は殺風景な100 平米ほどの広さで、 ガランとした部屋だった。 僕は不慣れな四つん這いからヤーパン式に正座した。アリーネさんと他の女官達も僕を 囲むように立ち、僕を見下ろしている。 「サーバン・エリート・アカデミーにようこそ」 アリーネさんが、僕を見下ろして言った。 大理石の天井には幾つもの滑車がぶら下り、床には沢山のフックが突き出ている。よく 見ると色々な家具や道具も置いてあったが、その使い道には想像もいたらなかった。 「両手を揃えて前に出しなさい」 アリーナさんが言う。 言われるまま両手を揃えて素直に前に差し出すと、一番近くにいた女官が僕の手に革の 拘束ベルトを装着した。 さらに、女官達が顔を隠すシェイラを外す。どの女官もエキゾチックな美女揃いだった。 僕はただ、その美しさに見とれてしまった。 両手を拘束した革ベルトは天井からぶら下がる鎖の一つに引っ掛けられた。別な女官が 滑車を回す鎖を引く。ガラガラという滑車の回る音が響き、僕はあっという間に高々と手

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を天井の方へ持って行かれた。全体重が拘束された両手首に重く掛かる。足先が爪先立ち したところで、ようやく滑車は止った。僕は真っ裸の惨めな裸体を、美しい女官達の目の 前に晒していた。 アリーネさんが僕を見下ろしながら言う。 「サーバン・エリート・アカデミーに入学するにあたり、健康診断を行います」 爪先立ちした僕の視線は、それでもアリーネさんの視線よりも幾分低かった。僕を囲む ように5人の女官達が一本鞭を握り絞めて立っている。 「まずは、肉体の強度ね!」 そう言うと同時にアリーネさんの鞭が飛んできて、胸板で炸裂した。 「アゥ……!」 僕の口から自然に呻き声が吹き出した。 激痛が走った。とても絶えられるような痛みではない。しかし、すぐに次々と鞭の嵐が 襲ってくる。その度に身体中を激痛が走っていった。僕は大声で叫び続けた。 あまりの理不尽さに怒りは頂点に達していた。 何故、こんな酷い仕打ちを受けなければならないのだ。僕は、この国の女王の夫なのに! 激痛は身体から体力を急速に奪って行く。そして、やがて痛みは遠のき、感じなくなっ ていた。ただ、鞭の衝撃と肉を打つ鞭の音だけが聞こえ、あとは何も感じない。もう爪先 立ちでは自分の全体重を支えきれなかった。僕は疲れきってしまって伸びきった両腕の手 首だけに全体重が掛かっていた。意識すら薄れ、やがて気絶してしまったようだ。 目覚めても状況は少しも変わっていなかった。ただ見るものが虚ろな別世界のように意 識された。周りには美女たちがいて、相変わらず鞭を構えたまま微笑んでいるのだ。僕は どこで、何をしているのだろうか。朦朧とした頭の中は、何も思考できないでいた。 意識の遠くで滑車の回る音が聞こえ、両足の裏が床にぴったりとついた。しかし、足の 裏で体重を支えることなど、疲れきった僕にはできるはずもなかった。そのまま膝が折れ、 床に前のめりに倒れた。長々と床の上に寝そべるように倒れ込んでしまった。 両手の拘束が女官達によって外された。彼女らが僕に近づき両手を引っ張る。低く長い 台の上に引き上げられ、今度は両手両足首が、台の四隅に取り付けられた革ベルトで拘束 された。 乳首がくすぐったかった。女官達の指先で、僕の乳首は引っ張られ、摘まれ、好きなよ うに弄ばれていた。性的快感が身体中を熱く駆け巡る。くたくたに疲れきった身体なのに、 性的興奮だけは高まってくる。少しずつパニスが持ち上がっていくのが分かる。 薄目を開けると、美女5人に見下ろされていた。そのエキゾチックな美女達に僕のパニ スは反応してしまった。

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だが、快楽もそこまでだった。突然パニスを抓られたように激痛が走った。そう、パニ スが金属管の中で膨らみ、針のように尖った鋲の先に竿が食い込んでいく苦痛に苛まれて いるのだった。 「うぅ」 僕は呻いた。しかし、乳首への刺激は止まない。それどころか脇腹、太腿の内側、睾丸 の裏側へと美女の指先は執拗に刺激していった。僕は股間のあまりの痛さに、ただ呻くこ としかできなかった。 「わぁ! 亀頭が真っ赤に膨らんでいるわ」 女官の誰かが楽しげに声を上げた。 「ほんと! 可哀想に。呻いているわ」 やっぱり楽しげな声が上から振ってきた。 「アリーネ学院長、性能検査の必要があります」 そんな声がした。鞭打ちのあとの女官達は息を弾ませ上気している。その色香にも下半 身が反応してしまう。僕はパニスへ与えられる激痛に呻き続け、耐えるしかなかった。 「ラーネ、パニスの筒を外しなさい」 アリーネさんの命令する声が聞こえた。 ラーネと呼ばれた若い女官が近づき、跪いてパニスに手を伸ばした。絞め付けられて痛 みに悶えるパニスを引き寄せる。小さな南京錠に鍵を差し込み、金属の筒を開いたようだ った。たちまち僕のパニスは元気に思いっきり膨らんだ。その瞬間、僕は苦痛から解放さ れ、存分に性の快楽を堪能した。 「学院長、凄いです! パンパンに張っています。パニスの先からネバネバの液が溢れ出 ています。なんて恥ずかしい竿なんでしょう」 若い女官が、甲高く甘い声で言っていた。僕は恥ずかしさに顔が真っ赤になるのを感じ た。その時、誰かの足蹴りが僕のパニスを直撃した。パニスは弾かれ太腿に当たり、勢い よく反発して左右に揺れていた。 「駄目よ。私のところまで、ネバネバ液が飛んで来たわよ」 別な若い女官が嫌気に言った。僕は所在がなかった。消え入りたいほどの恥ずかしさに 包まれていた。 「学院長からどうぞ」 若い女官達の黄色い声が弾んでいた。本当に楽しげな若い女官達。嬉しそうな声が響く。 アリーネさんが僕のパニスの真上に立った。天井に着くほどに高い位置にあるアリーネさ んの顔の表情は、僕を蔑むように見下ろしていた。 「学院長からどうぞ」 若い女官達の黄色い声が弾んでいた。本当に楽しげな若い女官達。嬉しそうな声が響く。 アリーネさんが僕のパニスの真上に立った。天井に着くほどに高い位置にあるアリーネさ んの顔の表情は、僕を蔑むように見下ろしていた。

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その姿は驚いたことに、黒いアバヤを脱ぎ、黒のビキニブラ1枚だけだった。輝く金髪、 グリーンの透き通った瞳、妖艶な口元。白い肌を強調するかのような黒いブラ、下半身に は何も着けず、その股間は金髪の陰毛が覆っているだけだった。あまりりの美しさに僕の パニスはさらに膨張してしまった。妖艶な笑みを浮かべたまま、アリーネさんが腰を落と してくる。僕のいきり立つパニスに手を伸ばし亀頭を摘むと、そのまま女陰に導き、スル リと挿入してしまった。僕のパニスは、熱いアリーネさんの女陰の中で嬉しそうに膨らん でいた。 ラーネと呼ばれた別の女官が僕の顔の真上に立った。やはりブラ1枚の裸に近い格好だ。 見上げた先には彼女の股間が見え、そこには黒い陰毛がフサフサと茂っていた。すぐに僕 の顔の上に腰を下ろす。僕の顔の真上に、ラーネの黒い茂みが迫ってくる。そのまま僕の 鼻と口を覆う。腐ったチーズのような異臭が嗅覚を通り越し、脳を直接刺激する。険悪感 に顔を左右に振って逃げようとするが、臭い陰毛に圧迫され太腿の間に包まれてしまった。 その臭いの強烈さには耐えられなかった。その上、ラーネの女陰はたっぷりと濡れ、僕の 顔をべっとりと濡らした。 パニスはアリーネさんの熱い女陰の中で締め上げられていく。僕の顔の上では若い女官 が、女陰で僕の顔面を圧迫しながら円を描きながら蠢いていた。ブルーチーズのような異 臭に僕は閉口していたが、僕は舌先を尖らせ女官の女陰を刺激した。エリザベーラとのセ ックスを思い出すようだった。 アリーネさんの動きも激しかったが、顔の上の女官もまた、激しく動いている。アリー ネさんが僕の下半身で上下に波打っていた。アリーネさんはすぐに絶頂に達した。僕の顔 の上の女官も同じようにエクスタシーに達していく。僕も遅れず高まり、パニスが痺れ、 突き上げるように射精した。ドクドクと噴き 上げる精液をアリーネさんの体内に送り込んでいた。 十分にエクスタシーを楽しんだアリーネさんは、その女陰から僕のパニスを引き抜き、 身体を震わせた。一度射精したからといって、僕のパニスは硬さを失ってはいなかった。 そのままアリーネさんが僕の顔の上に移動した。 ラーネと呼ばれた若い女官がアリーネさんと交代するように、僕のパニスの上に立った。 聳り立つパニスがラーネの指先で摘まれると、女陰に導かれ挿入。女陰の中の熱い温もり がパニスから伝わってくる。アリーネさんの金髪の茂みも、ゆっくりと僕の顔に迫ってい た。その金髪の茂みには、僕から放出されたばかりの白い精液が、べっとりと付着してい る。むっちりとした魅力的な太腿の間を覆う金髪の茂みが眼前を塞ぐ。結局、自分の精液 を自分で舐めるはめになってしまった。強烈にしょっぱい。僕の顔は、ラーネが擦り付け ていった愛液に、自分の精液とアリーネさんの愛液が混ざり、ぐちょぐちょに濡れてしま った。 そういえばエリザベーラも、こんなセックスが好きだった。 強引なセックスの中で僕は、また射精した。アリーネさんも再度エクスタシーに身体を

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硬直させ、僕の顔を股間で強く挟み付けている。僕は呼吸もできず、ただ舌先だけを動か し続けた。 ようやくアリーネさんが立ち上がり、僕の顔の上から離れた。僕のパニスを納めていた ラーネは、また僕の顔の真上に移動し、巨大な尻を下ろしてくる。黒いフサフサの陰毛に は、やはり僕が放出した純白の精液をぶら下げていた。こうして結局、5人の美女の体内 に射精し続けた。5人の美しい女官の愛液と僕の精液がすべて混ざり合ったように、僕の 顔を見るも無残なドロドロな状態にしていた。さすがに僕のパニスもうな垂れるしかなか った。その惨めに縮小したパニスには、また金属の円筒管が嵌められた。 「これが、お前にとっての最後の射精だったかも知れないね」 アリーネさんが寂しげに言った。 「何故です?」 「その前に教えておきます。奴隷が質問することは許されていません。学院では1回の質 問には5ポイントのペナルティーを課せられます。50 ポイントになった時点で刑を執行し ます。今日は、まだ正式な入学資格を得ていませんので10 ポイントにオマケしておきます」 アリーネさんは淡々と理不尽なことを説明する。 「何故最後の射精だったのかは、いずれ実感することでしょう。今は気にしないほうが幸 せです」 謎めいたことをアリーネさんが微笑みながら言った。僕の不安は急速に大きくなってい った。いつの間にか手足の拘束は解かれていた。僕は四つん這いになり、小柄な美女、ラ ーネに曳かれて調教部屋から通路に出された。殺風景な大理石の廊下を、股間から伸びる 鎖の手綱に曳かれ、トボトボと四つん這いで ラーネのあとに付いていくと、すぐ近くの小部屋に連れ込まれた。 部屋の壁には50 インチの 3D テレビが填め込まれている。僕はもうくたくたに 疲れきっていた。 「ここがお前の寝る部屋だ。棚には傷薬もある。部屋の奥に、地下へ通じる階段がある。 地下に水路があるから、そこで身づくろいと排泄を行うこと」 それだけを言うとラーネは部屋から出て行った。 テレビの前には、大型犬用の黄色い食餌トレーが置かれている。その中には冷たいドロ ドロの液体が入っていた。なんだろうと、トレーを持ち上げて鼻を近づけた。少しカレー 風味の匂いがした。僕はテレビと対面する壁に背中をもたれ掛けた。そして、大型犬のト レーの縁に口を付け中の液体を啜ってみた。 「う、うまい……!」 空腹には、どんなものでも美味しく感じられる。 そのときテレビのスイッチが自動的に入り、BBC 放送のニュースが流れた。新婚旅行で 飛び回っていたので、もう半年近くも世界情勢に触れていないので僕の目には新鮮に写る。 エリザベーラも突然、女王に戴冠して、何の知識もないまま今後の政治を司るのは大変

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