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Academic year: 2021

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(1)

三角関数をよみ直す

この小文は三角関数についてまとめたものです。 1∼4 節は微分を含まない三角関数です。三角関数の定義から始め、大学入学までには是非 知っておいてほしいことをまとめてあります。説明は他の文献を参考にしなくても読めるよう に書いたつもりです。 5節以降は微分を含むやや高度な内容です。大学で学ぶ内容にも触れてありますので、その ときそのときの力に合わせて読み進んでください。最初はそのようなことがあるのかと知って おく程度でかまいません。 —目次— 1節 定義 2 2節 公式 (1) 5 3節 弧度法 9 4節 三角関数のグラフ 10 5節 公式 (2) 14 6節 ソフト ‘見える微分’ の補2 17 7節 逆三角関数 (大学) 20 8節 さらに 23 9節 (付録) エッセンス 28

(2)

§1

定義

‘見える微分’のマニュアルと解説では導関数を考えているの で、角を時間tで表していました。しかしこの小文の最初は微 分を含まない三角関数を扱うので、変数を角度θ, τ, α, βとギ リシャ文字にします。 別にそれで内容が変わるわけではありませんが、皆さんが見 慣れている文字にしておきます。 図のように点 S(1, 0) を出発して単位円の周上を動く点 P を考えます。 -6 O y x 1 S cos(θ) sin(θ) θ P

上図で ∠SOP = θ のとき点 P の座標は (cos(θ), sin(θ)) です。これをサインとコサインの定 義とするのが一番わかりやすいようです。 -6 O 1 0 cos(θ) sin(θ) tan(θ) 6 t θ P さらにタンジェントを tan(θ) = sin(θ) cos(θ) と定義すると上図の縦線 ( 0t 軸) に tan(θ) の符号を含めた値が示されます。

(3)

三角関数はこの三つで間に合います。 角度 は動点が S から反時計回りに回るとき θ > 0 時計回りに回わるとき θ < 0 として、符号 (向き) を付けます。たとえば、上の図で点 P を表す角度は、 S(1, 0)から反時計回りに θ > 0 (図では約 60ぐらい) ですが、逆に時計回りには θ− 2π < 0 (図では約−300◦ぐらい) で点 P を表すこともできます。 このように符号 (向き) を付けておくと、(小学校のとき引き算の答えが負に ならないように気をつけなければならなかったような) 配慮がいらなくなり、 論理的にすっきりします。 Pは一般に θ± 2nπ (n : 自然数) と表されますが

cos(θ + 2π) = cos(θ), sin(θ + 2π) = sin(θ) となることより

代表として θ (あるいは θ− 2π ) だけを考えておけば済むのがメリットです。

具体的な三角関数の例として、次図のように動点が軸上にある場合を考えてみましょう。こ れは、定義に従えば簡単ですが、間違い易い例です。

(4)

-6 O y x B(0, 1) A(1, 0) D(0, −1) C(−1, 0) A,B,C,Dは (反時計回りに) θ = 0, π 2 , π, 2 のときの点ですから、三角関数の値は次のよう になります。 (cos(0), sin(0)) A= (1, 0) ( cos (π 2 ) , sin (π 2 )) B = (0, 1) (cos(π), sin(π))= (C −1, 0) ( cos ( 2 ) , sin ( 2 )) D = (0, −1) あるいは D を θ =−π 2 の点と考えると ( cos ( −π 2 ) , sin ( −π 2 )) D = (0, −1) となります。 また点 A, C から tan(0) = tan(π) = 0 がわかります。 なお点 B, D では tan (π 2 ) , tan ( 2 ) は定義の分母が cos (π 2 ) = cos ( 2 ) = 0となるので存在しません。 一般に動点が y 軸上にあるときは タンジェント は定義されない角ということ に注意しましょう。

(5)

§2

公式

(1)

三角関数の公式の数は、おそらく、高校まで学習した単元の 中で最も多いと思います。 しかし入試前ならいざ知らず、「公式の全部を覚えなくては!」 と思うことはありません。最初は最低限♥)マークの式を覚えて おき、残りはしばらくは公式の意味と導き方を理解するだけで 間に合わせましょう。 平方の公式;        cos2(θ) + sin2(θ) = 1 ♥) 1 + tan2(θ) = 1 cos2(θ) 最初の式は三平方の定理 (ピタゴラスの定理) です。その両辺を cos2(θ)で割ったのが第 2 式 です。 三角関数では{cos(θ)}2を cos2(θ)と略記します。 次図は単位円上の何点かの座標を cos(θ) =c, sin(θ) =s と略記して表したものです。 -6 O y x 1 1 c s θ P(c, s) −s −θ R(c,−s) −c Q(−c, −s) すると次の関係がわかります。

1.♥) (cos(−θ), sin(−θ))= (cos(θ),R − sin(θ)) ··· tan(−θ) = − sin(θ)cos(θ) =− tan(θ)

(6)

··· tan(θ + π) = − cos(θ)− sin(θ) = tan(θ) -6 O y x 1 1 c s θ P(c, s) Q(−s, c) R(s,−c) −s c また上図から次の公式が示されます。 3.♥) ( cos ( θ + π 2 ) , sin ( θ + π 2 )) Q = (− sin(θ), cos(θ)) 4. ( cos ( θ− π 2 ) , sin ( θ− π 2 )) R = (sin(θ), − cos(θ)) ··· tan(θ + π 2 ) = tan ( θ− π 2 ) = 1 tan(θ) § 回転行列 この節の以降の部分について; ‘行列’未習の人は後回しにして、 次節に進んでかまいません。入学後「基礎線形代数」で学びます。 行列 R(θ) =     cos(θ) − sin(θ) sin(θ) cos(θ)     は反時計回りに θ 回転する写像を表します。 特別な回転行列は次の 5 つで ・ θ = 0 のとき R(0) =     cos(0) − sin(0) sin(0) cos(0)     =     1 0 0 1     = E ・ θ = π 2 のとき R (π 2 ) =     cos (π 2 ) − sin(π 2 ) sin (π 2 ) cos (π 2 )     =     0 −1 1 0    

(7)

・ θ = π のとき R(π) =     cos (π) − sin (π) sin (π) cos (π)     =     −1 0 0 −1     = −E ・ θ = −π 2 のとき R ( −π 2 ) =     cos ( −π 2 ) − sin(−π 2 ) sin ( −π 2 ) cos ( −π 2 )     =     0 1 −1 0     = −R (π 2 ) になります。 また一般の角について、行列の積として次が成り立ちます。 R(θ)R(τ ) =R(τ )R(θ) =R(θ + τ ) ・ さらに θ→ −θ とすると R(−θ) =     cos(−θ) − sin(−θ) sin(−θ) cos(−θ)     =     cos(θ) sin(θ) − sin(θ) cos(θ)     で R(θ) の逆行列になります。すなわち R(θ)R(−θ) =R(−θ)R(θ) =R(θ − θ) =R(0) = E から R(−θ) = {R(θ)}−1 です。 またベクトル ~v =     cos(θ) sin(θ)     を上の 4 つの特別な行列で回転すると R(π) ~v =     −1 0 0 −1         cos(θ) sin(θ)     =     − cos(θ) − sin(θ)     は前々ページの 2. の公式を示しています。

(8)

R (π 2 ) ~v =     0 −1 1 0         cos(θ) sin(θ)     =     − sin(θ) cos(θ)     は前々ページの 3. の公式を示しています。 R ( −π 2 ) ~v =     0 1 −1 0         cos(θ) sin(θ)     =     sin(θ) − cos(θ)     は前々ページの 4. の公式を示しています。 また     cos(β) sin(β)     を R(α) で回転すると R(α)     cos(β) sin(β)     =     cos(α) − sin(α) sin(α) cos(α)         cos(β) sin(β)     =    

cos(α) cos(β)− sin(α) sin(β) sin(α) cos(β) + cos(α) sin(β)

    一方回転の意味から R(α)     cos(β) sin(β)     =     cos (α + β) sin (α + β)     となります。成分を比較すると次の加法定理が導かれます。

cos (α + β) = cos(α) cos(β)− sin(α) sin(β) sin (α + β) = sin(α) cos(β) + cos(α) sin(β) さらにこれらの式から

tan(α + β) = sin(α) cos(β) + cos(α) sin(β) cos(α) cos(β)− sin(α) sin(β) =

tan(α) + tan(β) 1− tan(α) tan(β) がわかります。

(9)

§3

弧度法

前節までの公式は角度の単位が何であっても成り立ちます。たとえば度数 法(60分法)で表すと cos (∠A + 90◦) =− sin(∠A) などとなります。 しかし微積分を考えるにはこの節の弧度法が便利です。 半径 1 の単位円で長さ 1 の弧は下図の太線で描かれた曲線部分になります。その中心角を角 度の単位とするのが弧度法です。したがって図の角が 1ラジアンです。 -6 O y x 1 1 1ラジアン 単位円の周の長さは 2π ですから、1 ラジアンを度数法 (60 分法) で表すと 1ラジアン = 360 = 180 π ( ·=·57.30 ) また、半径が r の円の中心角 θ の扇形では 弧長; l = rθ 扇形の面積; S = 1 2r 2θ = 1 2lr という簡単な式になります。 ・弧度法への変換 π = 180◦ ( π 180 = 1 ) とすれば変換できます。 ex. (i) 45 = 45◦· π 180 = π 4 (ii) 120 = 120· π 180 = 3

(10)

(iii) 4 = 3· 180◦ 4 = 135 (iv) π 5 = 180 5 = 36 [等速円運動] 単位円周上を等速運動する動点 A を考えます。 -x 6y O S 1 A ~v ] ] ~ v t 動点は S (1, 0) を出発して反時計回りに等速運動しているとします。 もし時間 t に点 A にいるとすれば∠SOA= t, 弧 SA= t です。したがって点 A の座標は (cos(t), sin(t)) また動点は円周上を速度 1 で進んでいますから、速度ベクトルの大きさ|~v| は 1 になります。 (図でベクトル ~v の長さ) さらに速度ベクトル ~v は OA に垂直となるので ~v = (~vx, ~vy)3.= (− sin(t), cos(t)) (3.→p.6) です。

Aの成分 (cos(t), sin(t)) と速度ベクトルの成分 (− sin(t), cos(t)) の関係がこのようにシンプル に表現されるということが弧度法の最大のメリットといえます。

§4

三角関数のグラフ

定義を利用して、サイン曲線・コサイン曲線とタンジェント曲線を描いて みましょう。

(11)

x軸の右の (先の) 方から、単位円の周上を動く質点 P を見ると ( x 軸方向の変化はわかりま せんが) y 軸方向の sin(θ) の変化が見えます。それを—横軸が角を表す θ として—グラフにし たのがサイン曲線です。 -6 O y x 1 1 単位円 x2+ y2 = 1 θ P -6 O y θ 1 θ π 2 π sin(θ) y = sin(θ)

2節の公式 2. sin(θ + π) = − sin(θ) と三角関数の周期性 sin(θ + 2π) = sin(θ) から上のグラフ を広げたのが次図です。 -6 O y θ 1 −1 π 2 π −π 2 −π 2 y = sin(θ) 次に質点 P を y 軸の上の方から観察したのがコサイン曲線です。ただし、新しいグラフで、 縦軸を y にしてあります。

(12)

-6 O y θ 1 −1 π 2 π 2 −π 2 −π y = cos(θ) ところで、2 節の公式 3.♥)sin ( θ + π 2 ) = cos(θ) を sin ( θ− ( −π 2 )) = cos(θ) と書き直すと y = cos(θ) のグラフは y = sin(θ) のグラフを θ 軸の正の方向に −π 2 平行移動 すなわち 左に π 2 ずらした ものとなります。このことは二つの関数を重ねたグラフで確かめることができます。 -6 O y θ 1 −1 π 2 π −π 2 −π 2    y = sin(θ);太い と y = cos(θ); 細い 最後にタンジェントのグラフは、やはり 2 ページの定義で用いた図から描いた−π 2 < θ < π 2 の グラフを 2 節の公式 2. tan(θ + π) = tan(θ) で左右に広げていけば描けます。

(13)

-6 O y θ 1 π 2 π −π 2 −π 2 関数電卓にある角度の単位は次の 3 つです。 1. 度数法 (60 分法) 円周を 360 2. 弧度法 円周を 2π(ラジアン) 3. 十進法 円周を 400(グラード) このうち、3. のグラードは直角を 100 = 102として角度を表す方法として導 入されましたが、あまり広く使われていません。計算器にありますが当分使う 必要はないでしょう。

(14)

この節の残りでは大学で確実に使うことになるだろうという項目を補足しておきます。 三角関数には、指数関数や対数関数にはない、周期性と “偶関数・奇関数の違い” があります。 グラフから明らかな性質なのであまり意識することはありませんが一応紹介しておきます。記 憶の隅っこに入れておいてください。 指数関数・対数関数との大きな違いに、三角関数には周期性と偶・奇性があります。 [周期性] -6 O y θ 1 −π 2 −π 2 -2π y = sin(θ) -6 O y θ 1 −π 2 −π 2 -2π y = cos(θ) 3つのグラフから次のことがわかりま す。 周期性                sin(θ + 2π) = sin(θ) cos(θ + 2π) = cos(θ) tan(θ + π) = tan(θ) この式にある定数から サイン・コサインは周期 2π タンジェントは周期 π といいます。 -6 O y θ π 2 π −π 2 −π y = tan(θ) [偶関数・奇関数] 一般に変数 x の全てについて f (−x) =        f (x) ;となるとき偶関数 −f(x) ; となるとき奇関数

(15)

といいます。 例えば k が整数のとき f (x) = x2kは偶関数で、 f (x) = x2k+1は奇関数です。 ようするに指数が偶数なら偶関数、奇数なら奇関数ということです。 三角関数については変数を θ にかえて        cos(−θ) = cos(θ) ;偶関数

sin(−θ) = − sin(θ), tan(−θ) = − tan(θ) ; 奇関数

です。そのグラフの特徴をコサイン曲線とサイン曲線のグラフで比べてみると -6 O y θ 1 π −π A B y = cos(θ) -6 O y θ 1 π −π A B y = sin(θ) 偶                偶関数 cos(−θ) = cos(θ) y軸対称 対称点        A; (θ, cos(θ)) B; (−θ, cos(θ)) 奇                奇関数 sin(−θ) = − sin(θ) 原点対称 対称点        A; (θ, sin(θ)) B; (−θ, − sin(θ))

§5

公式

(2)

次節以降で用いるものを中心に加法定理(2節8ページ)を再掲しそこか ら導かれる式をあげておきます。 くれぐれも、暗記しなくてはと思わないでください。 cos (α + β) = cos(α) cos(β)− sin(α) sin(β)

sin (α + β) = sin(α) cos(β) + cos(α) sin(β)

(16)

tan(α + β) = tan(α) + tan(β) 1− tan(α) tan(β)

が加法定理でした。ここで角 β を α でおきかえると次の倍角の公式となります。 cos (2α) = cos2(α)− sin2(α)

sin (2α) = 2 sin(α) cos(α) tan(2α) = 2 tan(α)

1− tan2(α)

また最初の式と sin2(α) + cos2(α) = 1から

cos (2α) = cos2(α)− sin2(α)

= 2 cos2(α)− 1 = 1 − 2 sin2(α) さらにサイン関数またはコサイン関数だけで表すと次の半角の公式となります。 cos2(α) = 1 + cos(2α) 2 , sin 2(α) = 1− cos(2α) 2 ··· tan2(α) = 1− cos(2α) 1 + cos(2α) 次に加法定理のコサインの式で β → −β とすると α + β → α − β となりますから

cos (α− β) = cos (α + (−β)) = cos(α) cos(−β) − sin(α) sin(−β) = cos(α) cos(β) + sin(α) sin(β)

··· cos(α − β) = cos(α)cos(β) + sin(α)sin(β) となります。同様に

sin (α− β) = sin(α) cos(β) − cos(α) sin(β)

tan(α− β) = tan(α)− tan(β) 1 + tan(α) tan(β)

となります。ちなみに− で ‘減法定理’ にはならずやはり加法定理といいます。

次に

cos (α + β) = cos(α) cos(β)− sin(α) sin(β) cos (α− β) = cos(α) cos(β) + sin(α) sin(β)

(17)

を加減して

cos (α + β) + cos (α− β) = 2 cos(α) cos(β) cos (α + β)− cos (α − β) = −2 sin(α) sin(β) から次の積を和・差で表す公式となります。 cos(α) cos(β) = 1 2{cos (α + β) + cos (α − β)} sin(α) sin(β) =−1 2{cos (α + β) − cos (α − β)} 同様に

sin (α + β) = sin(α) cos(β) + cos(α) sin(β) sin (α− β) = sin(α) cos(β) − cos(α) sin(β) を加えて

sin (α + β) + sin (α− β) = 2 sin(α) cos(β) から第 3 の積を和・差で表す公式が得られます。

sin(α) cos(β) = 1

2{sin (α + β) + sin (α − β)} さらに途中に表れた 3 式

cos (α + β) + cos (α− β) = 2 cos(α) cos(β) cos (α + β)− cos (α − β) = −2 sin(α) sin(β) sin (α + β) + sin (α− β) = 2 sin(α) cos(β)

で α + β = θ, α− β = τ とおくと α = θ + τ 2 , β = θ− τ 2 となり変数を書き換えると次の和・差を積で表す公式となります。 cos (θ) + cos (τ ) = 2 cos

( θ + τ 2 ) cos ( θ− τ 2 )

cos (θ)− cos (τ) = −2 sin ( θ + τ 2 ) sin ( θ− τ 2 )

sin (θ) + sin (τ ) = 2 sin ( θ + τ 2 ) cos ( θ− τ 2 )

(18)

さらに、最後の式で τ → −τ と置き変えると

sin (θ) + sin (−τ) = 2 sin ( θ− τ 2 ) cos ( θ + τ 2 ) となり、sin (−τ) = − sin (τ) より次の第 4 の和・差を積で表す公式となります。 sin (θ)− sin (τ) = 2 cos

( θ + τ 2 ) sin ( θ− τ 2 ) § 三角関数の合成 C sin (α) + S cos (α) =√C2+ S2 { C C2+ S2 sin (α) + S C2+ S2 cos (α) } とすれば加法定理より

C sin (α) + S cos (α) =√C2+ S2sin(α + β)

ただしここで sin(β) = S C2+ S2 , cos(β) = C C2+ S2 すなわち tan(β) = S C とします。

§6 ‘

見える微分

について

ソフト‘見える微分’を補足します。とくに三角関数の導関数を求める過程 を少し詳しく見直してみましょう。 -6 O y x 1 S cos(t) sin(t) t P 上図で∠SOP = t のとき点 P の座標は x = cos(t), y = sin(t)

(19)

です。その微分は、定義では {cos(t)}0 = lim ∆t→0 cos(t + ∆t)− cos(t) ∆t = lim∆t→0 ∆x ∆t {sin(t)}0 = lim ∆t→0 sin(t + ∆t)− sin(t) ∆t = lim∆t→0 ∆y ∆t です。ソフトで各要素を目で見て納得するために、式にしたがって順に ∆x, ∆y· · · を求めて みます。 tが t + ∆t に変化すると、三角関数の和・差を積で表す公式より ∆x = cos(t + ∆t)− cos(t) = −2 sin

( t + ∆t 2 + ∆t 2 ) sin ( t + ∆t 2 ∆t 2 ) =−2 sin ( t + ∆t 2 ) sin ( ∆t 2 )

∆y = sin(t + ∆t)− sin(t) = 2 cos ( t + ∆t 2 + ∆t 2 ) sin ( t + ∆t 2 ∆t 2 ) = 2 cos ( t + ∆t 2 ) sin ( ∆t 2 ) となります。ここで ∆u = ∆t 2 と置き換えると ∆t−→ 0 のとき ∆u −→ 0 となるので sin(∆u) ∆u −→ 1 (∆u −→ 0) という重要な事実∗)から ∆x ∆t = cos(t + ∆t)− cos(t) ∆t =− sin(t + ∆u) · sin(∆u)

∆u −→ − sin(t) (∆u−→ 0) ∆y

∆t =

sin(t + ∆t)− sin(t)

∆t = cos (t + ∆u)·

sin(∆u)

∆u −→ cos(t) (∆u−→ 0)

··· {cos(t)}0 =− sin(t), {sin(t)}0 = cos(t)

さらにこの二式を合わせると ( ∆x ∆t )2 + ( ∆y ∆t )2 = {

− sin(t + ∆u) · sin(∆u) ∆u

}2

+ {

cos (t + ∆u)· sin(∆u) ∆u

}2

={sin2(t + ∆u) + cos2(t + ∆u)}·

{ sin(∆u) ∆u }2 = 1· { sin(∆u) ∆u }2 −→ 1 (∆u−→ 0) となり

(20)

( dx dt )2 + ( dy dt )2 ={− sin(t)}2+{cos(t)}2 = 1∗∗)   と合わせると ( ∆x ∆t )2 + ( ∆y ∆t )2 −→ ( dx dt )2 + ( dy dt )2 (∆t−→ 0) の収束の方が、三角関数それぞれの収束より、気持ち速いといえるかもしれません。 ∗) この極限については多くの解説があります。 また大学で sin(x) = x− x 3 6 + x5 120 · · · という式を学びます (8 節参照)。 特に|x| が十分に小さいときは、理論的に簡単になるので sin(x) を x と見なすことがあります。   ex. 振り子の振動など ∗∗) ‘見える微分’§3 の例で単位円上の等速円運動の速度が √( dx dt )2 + ( dy dt )2 = 1であった ことに相当します。 § 正弦関数 前ページまでは、関数を正弦関数 y = sin(x) と余弦関数 y = cos(x) の二つを同時に見てきま したがここでは、関数を正弦関数 y = sin(x) に絞ってその微分 {sin(x)}0 = cos(x) を詳しく見ることにしましょう。 ちなみに、角度の単位を度数法にした場合 sin ( π 180 x ) となるので、その周期は 2π÷ π 180 = 360 となります。 また y = sin ( π 180◦x )を微分すると y0 = π 180 cos ( π 180 x )

(21)

{sin(x)}0 = cos (x) とすっきりした関係式を使う方が断然楽です。

§7

逆三角関数

高校までで学んでいない関数で、大学で最初に学ぶのが、この節で紹介 する逆三角関数です。 とはいえ、実際は三角方程式として学習してきた概念を、関数として表 記するだけです。むしろ角度の範囲がはっきりしているので三角方程式と しても簡単になっているといってよいでしょう。 x = sin(y)の逆関数を y = sin−1(x) とします。ただし −1 5 x 5 1, −π 2 5 y 5 π 2 ・sin−1 ( Y r ) の作図法 -x 6y O Y r 2 1 P 1 半径 r の円 (中心は原点 O) 2 直線 y = Y (−r < Y < r) 3 交点を P (第 I または IV 象限) このとき sin−1 ( Y r ) =∠xOP , −π 2 5 sin −1(Y r ) 5 π 2

(22)

・関数 cos−1(x) について x = cos(y)の逆関数を y = cos−1(x) とします。ただし −1 5 x 5 1, 0 5 y 5 π しかし sin−1(x) + cos−1(x) = π 2 となります。ですから cos−1(x) = π 2 − sin −1(x)としてもとめられるので、作 図法は省略します。 なお x > 0 のときは次図から上の式が成り立つことがわかります。 x 1 = sin−1(x) = cos−1(x) x≤ 0 のときは sin−1(x), cos−1(x)のグラフで確かめることができます。 x = tan(y)の逆関数を y = tan−1(x) とします。ただし −∞ < x < ∞, −π 2 < y < π 2 ・tan−1 ( Y X ) の作図法

(23)

-x s 6y O X Y 1 2 P θ 1 直線 x = X 2 直線 y = Y 3 交点を P このとき tan−1 ( Y X ) =∠xOP −π 2 < tan −1 ( Y X ) < π 2 次の二つは y = sin−1(x), y = cos−1(x)のグラフです。こちらは、サイン曲線コサイン曲線の グラフを y = x に対称に写したものです。ただし、変数やその範囲などの必要な変更がしてあ ります。 6 -O y x y = sin−1(x) 1 −1 −π 2 π 2 6 -O y x y = cos−1(x) 1 −1 π π 2 次は y = tan−1(x)のグラフです。こちらもタンジェントのグラフを y = x に対称に写したも のです。ただし、変数やその範囲などの必要な変更がしてあります。

(24)

-6 O x y y = tan−1(x) 1 −1 −π 4 π 4

§8

さらに

大学ではこのように三角関数を使っているという例をあげます。今年度 前期の講義・試験問題からいくつか紹介しましょう。 なかでも辺の長さがそれぞれ一定の四角形の問題は、高校では学習し ない多変数の解析が必要です。他の問題はわりとできている学生の中でも 難問だったようです。できのよい学生の中でもさらに半分ぐらいの正解率 でした。(残念!) 例 扇形の周の長さが一定のとき面積が最大となるのは中心角が 2ラジアン のときです。 例 楕円 x 2 a2 + y2 b2 = 1上の点 (x0, y0) = (a cos(t), b sin(t))における接線の式は x cos(t) a + y sin(t) b = 1 すなわち xx0 a2 + yy0 b2 = 1 です。

(25)

例 Asteroid; x23 + y 2 3 = a 2 3 上の点 ( a cos3(t), a sin3(t))における接線の式は x a cos(t) + y a sin(t) = 1 です。さらに接点によらず、接点と同じ象限にある接線の長さは a になります。 例 四角形の 4 辺の長さがそれぞれ一定のとき、四角形の面積が最大となる形状は 四角形が円に内接しているとき です。 例 直線 y =−a (a > 0) を進んでくる光は、放物線 4x = y2上の 点 ( a2 4 ,−a ) で反射し 直線 y + a = tan(2θ)× ( x− a 2 4 ) を進みます ただし θ は入射角で tan(θ) = a 2 です。 このとき a によらずこの放物線の焦点 F(1, 0) を通ることがわかります。 大学 1 学年前期の終わり頃次のマクローリン展開を学びます。ただ時間の制約もあり最後に ここで、講義の中で触れることができなかった話題を少し紹介しておきます。 sin(x) = x− x 3 6 + x5 120 − · · · cos(x) = 1− x 2 2 + x4 24 +· · · きちんと書くと sin(x) = k=0 (−1)k x 2k+1 (2k + 1)! cos(x) = k=0 (−1)k x 2k (2k)! が三角関数のマクローリン展開となります。たとえば最初の式は

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sin(x) = (−1)0 x 1 1! + (−1) 1 x 3 3! + (−1) 2x 5 5! +· · · cos(x) = (−1)0 x 0 0! + (−1) 1 x 2 2! + (−1) 2x 4 4! +· · · を整理したものになっています。ここで k! は k の階乗を表しています。 また 0! = 1, (−1)0 = x0 = 1でした。 マクローリン展開の式は理論的に−∞ < x < ∞ で収束します。また sin(x)の展開した各項を微分すると cos(x) の展開した各項 になっています。そのほかにも、いろいろと便利な性質があります。 式を覚えるのは大変ですから sin(x) = x− x 3 3! + x5 5! − · · · + [符号] × x奇 奇! +· · · cos(x) = 1− x 2 2! + x4 4! +· · · + [符号] × x偶 偶! +· · · と覚えておけば十分です。ここで [符号] は交互に ‘+’ と ‘−’ が表れます。 しかしここで気をつけなければいけない重要なことは「サイン (正弦) 関数やコサイン (余弦) 関数」が ‘有限個の整関数 xnの和で表すことはできない’ ということです。シグマ記号の上に乗っている∞ は論理的に重要です。すなわち ‘整関数 xnを無限個用意すれば三角関数を作れる’ ということです。これは、三角関数に限ったことではなく、指数関数でも成り立ちます。 しかし、だからといって、和を無限回計算することなど現実にはできません。 そこでどれだけ実用的に ‘有効な計算’ が可能なのかを、計算器を使って、考えてみることにし ます。計算器は手元にある『Casio』の関数電卓を使いますが、表示できる桁数は小数点以下 10 桁ぐらいです。他の関数電卓でも似たような計算になると思います。ちなみに文中の記号 ·=· の 後の数字は、実際に計算器に表示されたものです。 まず展開した各項の形からわかることは x が 0 に近ければ近いほど正確な値が求められるこ

(27)

ex.1 x = π 12 のとき cos(x) ·=·0.9659258263 と表示されます。 (実は最初 6 +2 4 と表示されます。最近の関数電卓は賢いですね。上の 数はそれを S↔D キーで小数表示になおしたものです。) 一方 1 x 2 2! + x4 4! x6 6! ·=·0.9659258257 と表示され、最後の二桁が違っています。少し 0 に近づいて ex.2 x = π 24 のとき cos(x)と 1 x 2 2! + x4 4! x6 6! は同じ数字が表示されました。 もっと 0 に近づいて ex.3 x = π 96 のときは cos(x)と 1 x 2 2! + x4 4! は同じ数字が表示されました。ちなみに cos(x) ·=·0.9994645875 1 x 2 2! ·=·0.9994645397 でした。今度は逆に 0 から離れて ex.4 x = π 3 のとき cos(x) = 0.5 のはずですが計算器では 1 x 2 2! + x4 4! x6 6! ·=·0.4999645653 と表示されました。そこで、展開の項数を 4, 5,· · · と増やして行くと次第に正しい値に近づき 1 x 2 2! + x4 4! x6 6! + x8 8! x10 10! + x12 12! ·=·0.5 となります。しかし x がいくら大きくなっても項数を増やしさえすれば正しい値が求まる、と いうのは論理的にはという制約付きで、計算器のなかった時代では実用的な方法ではありませ ん。そこでその時代は、三角関数の公式の一つ『倍角の公式』を使って、計算する項数を増や さないようまく工夫していました。例を挙げると

(28)

『倍角の公式』cos(2x) = 2 cos2(x)− 1 を 2 回繰り返し使うと ex.5 cos (π 6 ) = cos2( π 12 ) − 1 cos (π 3 ) = cos2 (π 6 ) − 1π 12 での値から 2 2倍の π 3 での値が求められます。 といっても、あくまで論理的には求められるということで、実際の計算では c1 =ex.1の 2 番目の数 から始めて c2 = 2c21− 1 とおくと、そのあと c3 = 2c22− 1 ·=·0.4999999927 (論理的には c3 = cos (π 3 ) = 0.5です) となりました。 もっと 0 に近づいた x = π 96 では c1 = 1 x2 2! + x4 4! から始めると c2 = 2c21− 1, c3 = 2c22− 1, c4 = 2c23− 1, c5 = 2c24− 1 c5 ·=·0.5000000014 ちなみに c1 = cos ( π 96 ) から始めると c5 ·=·0.5 でした。ex.3 で同じ数字が表示されたにもかかわらず、です。ex.1 でも見られたように、お そらく関数電卓では cos などの関数キーを押した場合には、数学公式を駆使して精度を上げる ための工夫がなされているのでしょう。

(29)

§9

エッセンス

-6 O 1 cos(θ) sin(θ) θ -6 O 1 tan(θ) 6 θ サインとコサインの定義 タンジェントの定義 —– 三角関数の値 —–

(cos(0), sin(0)) = (1, 0) tan(0) = 0 ( cos (π 2 ) , sin (π 2 )) = (0, 1) tan (π 2 ) ; 定義されない (cos(π), sin(π)) = (−1, 0) tan(π) = 0

( cos ( −π 2 ) , sin ( −π 2 )) = (0,−1) tan ( −π 2 ) ;定義されない —– よく使われる三角関数の値 —– ( cos (π 6 ) , sin (π 6 )) = ( √ 3 2 , 1 2 ) tan (π 6 ) = 1 3 ( cos (π 4 ) , sin (π 4 )) = ( 1 2, 1 2 ) tan (π 4 ) = 1 ( cos (π 3 ) , sin (π 3 )) = ( 1 2, 3 2 ) tan (π 3 ) = 3 —– 平方の公式 —–

cos2(θ) + sin2(θ) = 1♥) 1 + tan2(θ) = 1 cos2(θ)

—– 符号や角度の変更 —–

1.♥) (cos(−θ), sin(−θ)) = (cos(θ), − sin(θ))

2. (cos(θ + π), sin(θ + π)) = (− cos(θ), − sin(θ))

(30)

3.♥) ( cos ( θ + π 2 ) , sin ( θ + π 2 )) = (− sin(θ), cos(θ)) 4. ( cos ( θ− π 2 ) , sin ( θ− π 2 )) = (sin(θ), − cos(θ)) tan ( θ + π 2 ) = tan ( θ− π 2 ) = 1 tan(θ) —– 加法定理 —– (複合同順)

cos (α± β) = cos(α) cos(β) ∓ sin(α) sin(β), sin (α± β) = sin(α) cos(β) ± cos(α) sin(β) tan(α± β) = tan(α)± tan(β)

1∓ tan(α) tan(β)

—– 倍角の公式 —–

cos (2α) = cos2(α)− sin2(α) = 2 cos2(α)− 1 = 1 − 2 sin2(α)

sin (2α) = 2 sin(α) cos(α), tan(2α) = 2 tan(α) 1− tan2(α) —– 半角の公式 —– cos2(α) = 1 + cos(2α) 2 , sin 2(α) = 1− cos(2α) 2 tan2(α) = 1− cos(2α) 1 + cos(2α) —– 積を和・差で表す公式 —– cos(α) cos(β) = 1 2{cos (α + β) + cos (α − β)} sin(α) sin(β) =−1 2{cos (α + β) − cos (α − β)} sin(α) cos(β) = 1 2{sin (α + β) + sin (α − β)} 上で α + β = θ, α− β = τ したがって α = θ + τ 2 , β = θ− τ 2 を代入して —– 和・差を積で表す公式 —–

cos (θ) + cos (τ ) = 2 cos ( θ + τ 2 ) cos ( θ− τ 2 )

cos (θ)− cos (τ) = −2 sin ( θ + τ 2 ) sin ( θ− τ 2 )

(31)

sin (θ) + sin (τ ) = 2 sin ( θ + τ 2 ) cos ( θ− τ 2 )

sin (θ)− sin (τ) = 2 cos ( θ + τ 2 ) sin ( θ− τ 2 ) —– 合成—–

C sin (α) + S cos (α) =√C2+ S2sin(α + β)

ただし tan(β) = S C —– 弧度法—– 1ラジアン = 360 = 180 π ·=·57.30 —– 扇形—– 半径 r の円で、中心角 θ の扇形について 弧長; l = rθ 扇形の面積; S = 1 2r 2θ = 1 2lr —– 直角三角形—– r sin(θ) r cos(θ) r θ —– 正弦定理 —– a sin(A) = 2R (R ;外接円の半径) —– 余弦定理 —– 第 1 定理 a = b cos(C) + c cos(B) 第 2 定理 a2 = b2+ c2− 2bc cos(A)

参照

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